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JP2006055868A - 鋳造方法および鋳造用金型 - Google Patents

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JP2006055868A
JP2006055868A JP2004238379A JP2004238379A JP2006055868A JP 2006055868 A JP2006055868 A JP 2006055868A JP 2004238379 A JP2004238379 A JP 2004238379A JP 2004238379 A JP2004238379 A JP 2004238379A JP 2006055868 A JP2006055868 A JP 2006055868A
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Motoji Ikeda
基二 池田
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Abstract

【課題】 アンダーカット部を備える製品を低コストで提供する。
【解決手段】 上型22、下型24およびスライド入子26を組み合わせて製品キャビティ30を形成するに先立ち、スライド入子26に対しスライド方向前方側から別ピース28を装着する。製品キャビティ30への溶湯32の充填、凝固の後、スライド入子26を製品から離型する時に、別ピース28がスライド入子26から分離し、製品側に残る。別ピース28を一般的な中子材料で構成した場合には、熱処理などによって別ピース28が崩壊し除去されることから、簡単な型構造によってアンダーカット部を有する鋳物製品を得ることが可能となる。別ピース28を熱伝導率の高い材料により構成することとすれば、溶湯32の熱を、別ピース28を介してスライド入子26へと伝えて、溶湯32を効率的に冷却し、1成形サイクル毎の時間短縮を図ることが可能となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、金型鋳造によりアンダーカット部を備える製品を得るための技術に関するものである。
従来、アンダーカット部を備える製品を、金型を用いて得るための技術として、ダイカストおよび樹脂の射出成形法においては、金型内部に部分的なコマ(置き中子)を配置し、又は、複雑な金型分割入子構造を採用する手法が用いられていた(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。また、低圧鋳造、重力鋳造の場合には、アンダーカット部を含む一体製品中子が用いられていた。さらに、ダイカストであると低圧鋳造であるとを問わず、アンダーカット部を余肉として一体に鋳造し、後加工で切削除去する手法が用いられる場合があった。
特開平6−122059号公報(〔0007〕〜〔0009〕、〔図1〕) 特開平9−314301公報(〔0028〕〜〔0031〕、〔図1〕)
しかしながら、金型内部に部分的なコマ(置き中子)を配置し、又は、複雑な金型分割入子構造を採用する手法では、金型構造が複雑であるが故に、鋳バリ残り等の成形不良が生じ易く、また、金型温度差、熱膨張差、異物の付着、型磨耗等による金型の作動不良(停止)を招き、可動率の低下を来すものであった。加えて、金型構成部品の増加に伴う金型コストの上昇も避けることができなかった。
また、アンダーカット部を含む一体製品中子を用いる場合には、金型コスト、中子コストが高く、また、金型キャビティ内で溶湯に接する中子面積が増大するため、溶湯の凝固に比較的長時間を要し、1成形サイクル毎の時間延長に伴う製品コストの上昇を来すものであった。
さらに、余肉として一体に鋳造したアンダーカット部を後加工で切削除去する手法は、機械加工による工数増大、コストアップに加え、鋳造時の製品の肉厚が増大するために、引け巣等の鋳造不良が発生し易く、歩留まりの低下、金型冷却手段の追加による金型コストの上昇、金型保全コストの上昇を招くものであった。
しかも、近年の鋳鉄製品からアルミ製品への転換ニーズに対応するために、上記の従来の手法をアルミ製品の鋳造技術に適用すると、大幅な製品コストの上昇を来すこととなった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金型鋳造によりアンダーカット部を備える製品を低コストで得ることにあり、特に、低圧鋳造法、重力鋳造法によって、アンダーカット部を備える製品を低コストで得ることを可能とするものである。
上記課題を解決するための、本発明に係る鋳造方法は、一対の金型とスライド入子とを組み合わせて製品キャビティを形成し、該製品キャビティ内に溶湯を充填して凝固させ、製品を得る鋳造方法であって、前記製品キャビティの形成に先立ち、前記スライド入子に対しスライド方向前方側から、熱伝導率の高い材料により構成された、製品のアンダーカット部成形用ピースを装着し、前記製品キャビティの形成後、前記製品キャビティに溶湯を充填し、前記アンダーカット部成形用ピースを介して溶湯を冷却し、前記スライド入子の離型時に前記スライド入子から前記アンダーカット部成形用ピースを分離することを特徴とするものである。
本発明は、スライド入子に対しスライド方向前方から製品のアンダーカット部成形用ピースを装着することによって、スライド入子の離型と同時に、スライド入子からのアンダーカット部成形用ピースの分離を可能としたものである。しかも、アンダーカット部成形用ピースに、熱伝導率の高い材料を用いることによって、溶湯の熱を当該ピースを介してスライド入子へと伝えて、溶湯を効率的に冷却し、1成形サイクル毎の時間短縮を図ることが可能となる。
また、上記課題を解決するための、本発明に係る別の鋳造方法は、一対の金型とスライド入子とを組み合わせて製品キャビティを形成し、該製品キャビティ内に溶湯を充填して凝固させ、製品を得る鋳造方法であって、前記製品キャビティの形成に先立ち、前記スライド入子に対しスライド方向前方側から、鋼材により構成された、製品のアンダーカット部成形用ピースを装着し、前記製品キャビティの形成後、前記製品キャビティに溶湯を充填し、前記アンダーカット部成形用ピースを鋳包み、前記スライド入子の離型時に前記スライド入子から前記アンダーカット部成形用ピースを分離することを特徴とするものである。
本発明は、スライド入子に対しスライド方向前方から製品のアンダーカット部成形用ピースを装着することによって、スライド入子の離型と同時に、スライド入子からのアンダーカット部成形用ピースの分離を可能としたものである。しかも、アンダーカット部成形用ピースに鋼材を用い、当該ピースを鋳包むことで、前記スライド入子の離型時に、製品と共にスライド入子から分離したアンダーカット部成形用ピースに対し、直接的に所望の機械加工を施し、機械的強度および寸法精度の高いインサートを備える鋳造製品を得ることが可能となる。
また、本発明において、前記アンダーカット部成形用ピースの溶湯との接触面に、凹凸形状を構成することとすれば、当該凹凸形状に溶湯が充填されて凝固するため、製品とアンダーカット部成形用ピースとの結合強度が高められ、当該ピースの離型を促進し、かつ、製品として完成した後においても、アンダーカット部成形用ピースの製品からの脱落をより確実に防ぐことが可能となる。
なお、本発明においても、前記アンダーカット部成形用ピースを介して溶湯を冷却することとすれば、溶湯を効率的に冷却し、1成形サイクル毎の時間短縮を図ることも可能である。
また、本発明においては、前記スライド入子を抜き勾配を備える円筒状に構成し、前記アンダーカット部成形用ピースを前記スライド入子の全周にわたって当接させることとしてもよい。
この構成によれば、前記スライド入子に対しスライド方向前方側から、製品のアンダーカット部成形用ピースを装着する際に、抜き勾配を備える円筒状に構成されたスライド入子とアンダーカット部成形用ピースとを、その全周にわたって当接させることによって、当該ピースがスライド入子の抜き勾配に案内されて、挿入方向の位置決めと、中心合わせとが確実になされることとなる。よって、円筒状の内周壁を有し、なおかつ、当該内周壁に円筒状のアンダーカット部を備える高精度の製品を鋳造することが可能となる。また、鋳造時に、アンダーカット部成形用ピースが、製品の内周壁となる部分の全周に接することから、当該接触部分全体の冷却効率を高めることも可能となる。さらに、当該ピースを鋳包む場合には、抜き勾配を大きくすることにより、当該ピースの離型を促進し、かつ、製品の内周壁の全周にわたり、機械的強度および寸法精度の高いインサートを備える鋳造製品を得ることが可能となる。
なお、本発明において、前記アンダーカット部成形用ピースと前記スライド入子との間に回り止めを施すこととすれば、当該ピースの回転方向の位置決めも確実に行うことが可能となり、アンダーカット部成形用ピースの外周部によって製品の所定位置に凹凸形状を形成するような場合であっても、当該凹凸形状の位置精度を高めることが可能となる。
さらに、前記前記アンダーカット部成形用ピースと前記スライド入子との間から、前記製品キャビティ内のガスを放出させることとすれば、ガスを原因とする成形不良を防ぐことが可能となる。
また、上記課題を解決するための、本発明に係る鋳造用金型は、一対の金型とスライド入子とを組み合わせて製品キャビティを形成し、該製品キャビティ内に溶湯を充填して凝固させ、製品を得る鋳造用金型であって、前記製品キャビティの形成に先立ち、前記スライド入子に対しスライド方向前方側から装着され、かつ、前記スライド入子の離型時に前記スライド入子から分離し、製品側に残るように構成されたアンダーカット部成形用ピースを備えることを特徴とするものである。
本発明は、簡単な型構造によって、スライド入子に対しスライド方向前方から製品のアンダーカット部成形用ピースを装着することによって、スライド入子の離型と同時に、スライド入子からのアンダーカット部成形用ピースの分離が可能となる。
また、本発明において、前記スライド入子は抜き勾配を備える円筒状をなし、前記アンダーカット部成形用ピースは前記スライド入子の全周にわたって当接するものとすれば、前記スライド入子に対しスライド方向前方側から、製品のアンダーカット部成形用ピースを装着する際に、抜き勾配を備える円筒状に構成されたスライド入子とアンダーカット部成形用ピースとを、その全周にわたって当接させることが可能となる。よって、当該ピースがスライド入子の抜き勾配に案内されて、挿入方向の位置決めと、中心合わせとを確実に行うことが可能となる。したがって、円筒状の内周壁を有し、なおかつ、当該内周壁に円筒状のアンダーカット部を備える高精度の製品を鋳造することが可能となる。
なお、本発明において、前記スライド入子及び前記アンダーカット部成形用ピースの接触面の一方に周り止め用凸部が、他方に周り止め用凹部が形成されていることとすれば、前記アンダーカット部成形用ピースと前記スライド入子との間に回り止めを施すことが可能となる。よって、アンダーカット部成形用ピースの回転方向の位置決めを確実に行い、当該ピースの外周部によって製品の所定位置に凹凸形状を形成するような場合であっても、当該凹凸形状の位置精度を高めることが可能となる。
また、本発明において、前記アンダーカット部成形用ピースは熱伝導率の高い材料により構成されていることとすれば、溶湯の熱を、当該ピースを介してスライド入子へと伝えて、溶湯を効率的に冷却し、1成形サイクル毎の時間短縮を図ることが可能となる。
しかも、前述のごとく、アンダーカット部成形用ピースがスライド入子の全周にわたって当接するものである場合には、鋳造時に、アンダーカット部成形用ピースが、製品の内周壁となる部分の全周に接することから、当該接触部分全体の冷却効率を高めることも可能となる。
また、本発明において、前記アンダーカット部成形用ピースは鋼材により構成されていることとすれば、スライド入子の離型時に、製品と共にスライド入子から分離するアンダーカット部成形用ピースに対し、直接的に所望の機械加工を施し、機械的強度および寸法精度の高いインサートを備える鋳造製品を得ることが可能となる。
さらに、前述のごとく、アンダーカット部成形用ピースがスライド入子の全周にわたって当接するものである場合には、抜き勾配を大きくすることにより、当該ピースの離型を促進し、かつ、製品の内周壁の全周にわたり、機械的強度および寸法精度の高いインサートを備える鋳造製品を得ることが可能となる。
なお、本発明においても、アンダーカット部成形用ピースを介して溶湯を冷却することとすれば、溶湯を効率的に冷却し、1成形サイクル毎の時間短縮を図ることも可能である。
また、本発明において、前記アンダーカット部成形用ピースの溶湯との接触面に凹凸形状が構成されていることとすれば、当該凹凸形状に溶湯が充填されて凝固するため、製品とアンダーカット部成形用ピースとの結合強度が高められ、当該ピースの離型を促進し、かつ、製品として完成した後においても、アンダーカット部成形用ピースの製品からの脱落をより確実に防ぐことが可能となる。
さらに、本発明において、前記スライド入子及び前記アンダーカット部成形用ピースの接触面の少なくとも一方に、前記スライド入子のスライド方向の溝が形成されていることとすることも可能である。この構成によれば、当該溝を用いて、前記アンダーカット部成形用ピースとスライド入子との間から製品キャビティ内のガスを放出させて、ガスを原因とする成形不良を防ぐことが可能となる。
本発明はこのように構成したので、金型鋳造によりアンダーカット部を備える製品を低コストで得ることが可能となる。特に、低圧鋳造、重力鋳造法に適用することで、アンダーカット部を備える製品を、高精度かつ低コストに得ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施の形態に係る鋳造用金型によって製造することか可能な、アンダーカット部を有する鋳造製品の一例として、自動車のデファレンシャルギヤ部のケース10を、断面で示している。ケース10を鋳造する際に用いられる金型は、上型および下型の型開き方向が、矢印A、矢印Bで示される方向となることから、かかる方向と直交する多段円筒穴12は、スライド入子によって成形される部分となる。ここで、スライド入子のスライド方向は矢印Cで示す方向となることから、多段円筒穴12のうちケース10の中央側開口端部14がアンダーカット部となる。
図2には、ケース10を低圧鋳造または重力鋳造するための金型構造を、説明の便宜上、アンダーカット部の周辺部に限定して示している。この金型は、上型22と下型24とからなる一対の金型と、スライド入子26とを備えている。スライド入子26は、ガイドキー27Aおよびガイドレール27Bによって、矢印C方向に正確に摺動案内されるものである。さらに、スライド入子26に対し、アンダーカット部成形用ピース28(以下、「別ピース」ともいう。)が装着される。
スライド入子26は、製品に多段円筒穴12(図1)を形成するための多段の円筒状に形成され、かつ、抜き勾配αが与えられている。また、別ピース28は円環状に形成され、その内筒部にスライド入子26の抜き勾配と同一の抜き勾配αが与えられている。したがって、別ピース28は、スライド入子26に対し、スライド入子26のスライド方向前方側から矢印Eで示すように装着される。なお、本発明の実施の形態は、特に低圧鋳造法や、重力鋳造法に適したものであることから、別ピース28の材料を比較的自由に選択することが可能である。例えば、通常の中子と同様に、ガス発生が少ないこと、通気性が良いこと、適度な強度があるうえに崩壊性が良好であること等の条件を満たす材料を用いることが可能である。また、別ピース28の材料を、鋳物材や銅合金等の、熱伝導率の高い材料を用いる場合や、鋼材を用いることも可能である。
ここで、図2〜図7を参照しながら、本発明の実施の形態に係る鋳造用金型を用いた、ケース10の製造手順を説明する。
まず、図2に示すように、スライド入子26に対し、スライド入子26のスライド方向前方から、別ピース28を装着する。スライド入子26および別ピース28には、抜き勾配αが与えられているので、かかる装着作業は円滑に行われる。なお、図2では、上型22と下型24とが型締めを完了した後に、スライド入子26を型内にセットする態様で示されているが、スライド入子26を下型24に対しセットした後に上型22を型締めする手順を採ることとしてもよい。
図2に示すように、スライド入子26に対し別ピース28を装着した後、図3に示すように、一対の金型24、26とスライド入子26とを組み合わせて、製品キャビティ30を形成する。かかる製品キャビティ30の形成後、図4に示すように、製品キャビティ30に溶湯32を充填する。
ここで、別ピース28に熱伝導率の高い材料を用いた場合には、別ピース28を介して溶湯32を冷却し、溶湯32の凝固時間を短縮することができる。この場合には、型締め前に、スライド入子26を十分に冷却しておくことで、その冷却効果を十分に得ることが可能となる。なお、別ピース28に鋼材を用いた場合には、別ピース28を溶湯32によって鋳包むこととする。
そして、溶湯32が凝固したのち、図5に示すように、スライド入子26を製品34から離型すると、スライド入子26から別ピースが分離し、スライド入子26は製品34と共に金型内部に残る。さらに、上型22と下型24の型開きを行い、製品34を金型から取り出した状態を図6に示している。この時点で、別ピース28は製品34と一体になっているが、別ピース28を一般的な中子材料で構成した場合には、製品34に熱処理を施すことにより、別ピース28は自然に崩壊し、製品34から容易に除去されることなる。
一方、別ピース28を鋼材で構成した場合には、製品34に鋳包まれた別ピース28に対し、直接的に機械加工を施し、別ピース28自体に所定の寸法精度を与えることとする。なお、図7には、図6に示す製品34から別ピース28を除去した場合において、製品34の加工代36、38、40、42を切削除去することにより、図1に示すケース10を得ることができる。
上記構成をなす本発明の実施の形態により得られる作用効果は、以下の通りである。まず、上型22、下型24およびスライド入子26を組み合わせて製品キャビティ30を形成するに先立ち、スライド入子26に対しスライド方向前方側から別ピース28を装着し、かつ、製品キャビティ30への溶湯32の充填、凝固の後、スライド入子26を製品34から離型する時に、別ピース28がスライド入子26から分離し、製品34側に残るようにしたので、スライド入子26からの別ピース28の分離が容易となる。また、別ピース28を一般的な中子材料で構成した場合には、熱処理などによって別ピース28が崩壊し除去されることから、簡単な型構造によってアンダーカット部を有する鋳物製品10を得ることが可能となる。
しかも、スライド入子26は、角度αの抜き勾配を備える円筒状をなし、別ピース28はスライド入子26の全周にわたって当接するように構成したので、スライド入子26に対しスライド方向前方側から別ピース28を装着する際に、スライド入子26の挿入方向(スライド入子26のスライド方向C)の位置決めと、スライド入子26に対する別ピース28の中心合わせとが確実になされることとなる。よって、多段円筒穴12を有し、なおかつ、内周壁に円筒状のアンダーカット部14を備える、高精度の製品10を鋳造することが可能となる。
なお、応用例として、図8(a)、(b)に示すように、スライド入子26及び別ピース28の接触面の一方に周り止め用凸部(図8(a)の凸部26a、図8(b)の凸部28b)を、他方に周り止め用凹部(図8(a)の凹部28a、図8(b)の凹部26b)を形成することにより、スライド入子26と別ピース28との間に回り止めを施すことが可能となる。よって、スライド入子26に対する別ピース28の回転方向の位置決めを確実に行い、別ピース28の外周部に形成した凸部28cによって、製品の所定位置に凹形状(図8の例ではキー溝)を形成するような場合であっても、かかる凹凸形状の位置精度を高めることが可能となる。
また、別ピース28を熱伝導率の高い材料により構成することとすれば、溶湯32の熱を、別ピース28を介してスライド入子26へと伝えて、溶湯32を効率的に冷却し、1成形サイクル毎の時間短縮を図ることが可能となる。しかも、本実施の形態では、別ピース28がスライド入子26の全周にわたって当接するものであることから、鋳造時に、別ピース28が、製品32の内周壁となる部分の全周に接し(図4、図5参照)、当該接触部分全体の冷却効率を高めることも可能となる。
一方、別ピース28を鋼材により構成することとすれば、スライド入子26の離型時に、製品34と共にスライド入子26から分離した別ピース28に対し(図6参照)、直接的に所望の機械加工を施し、機械的強度および寸法精度の高いインサートを備える鋳造製品を得ることが可能となる。よって、独立したインサート圧入工程を不用とし、製造コストの低減を図ることができる。
なお、別ピース28を鋳包む場合には、スライド入子26および別ピース28の抜き勾配の角度αを通常よりも大きく設定することにより、別ピース28のスライド入子26からの離型を促進させることが望ましい。また、別ピース28の溶湯32との接触面(外周部)に凹スリットやディンプル等の凹凸形状を形成することにより、当該凹凸形状に溶湯32が充填されて凝固するため、製品34と別ピース28との結合強度が高められる。よって、別ピース28のスライド入子26離型を促進し、かつ、製品34として完成した後においても、別ピース28の製品からの脱落をより確実に防ぐことが可能となる。
加えて、別ピース28を鋳包む場合にも、別ピース28を介して溶湯を冷却することとすれば、溶湯32を効率的に冷却し、1成形サイクル毎の時間短縮を図ることが可能となる。
さらなる応用例として、図9に示すように、スライド入子26及び別ピース28の接触面の少なくとも一方に、スライド入子26のスライド方向の溝(図示の例では、別ピース28に溝28dを形成した。)を構成することとすれば、かかる溝を用いて、別ピース28とスライド入子26との間から製品キャビティ30内のガスを放出させて、ガスを原因とする成形不良を防ぐことが可能となる。この際、当該溝の深さを0.2mm以下とすれば、溶湯32が当該溝を通過することなく、ガスのみを排出することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態では、アンダーカット部を有する鋳造製品の一例として、自動車のデファレンシャルギヤ部のケース10を例示して説明したが、他のアンダーカット部を有する鋳造製品にも適用可能である。また、スライド入子26は多段の円筒状に形成され、別ピース28は円環状に形成されているが、これに限定されるものではなく、スライド入子が多角形の柱状をなし、別ピースが多角形の内筒壁を有するものであっても良く、また、別ピースがスライド入子の全周に対し、部分的に当接するものであってもよい。
本発明の実施の形態に係る鋳造用金型によって製造することか可能な、自動車のデファレンシャルギヤ部のケースを示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る鋳造製品の製造手順における、製品キャビティ形成前の金型の状態を示す要部断面図である。 図2に続く製造手順を示すものであり、金型の製品キャビティを形成した状態における断面図である。 図3に続く製造手順を示すものであり、金型の製品キャビティに溶湯を充填した状態における断面図である。 図4に続く製造手順を示すものであり、スライド入子の離型状態における、金型要部の断面図である。 図5に続く製造手順を示すものであり、離型された鋳造製品の要部断面図である。 図6に続く製造手順を示すものであり、アンダーカット部成形用ピースが除去た鋳造製品に、後加工部分を明示した要部断面図である。 図3のD−D線における断面図であり、スライド入子およびアンダーカット部成形用ピースの応用例を示すものである。 図3のD−D線における断面図であり、スライド入子およびアンダーカット部成形用ピースのさらに別の応用例を示すものである。
符号の説明
10:ケース、22:上型、24:下型、26:スライド入子、28:アンダーカット部成形用ピース、30:製品キャビティ、32:溶湯、34:製品

Claims (14)

  1. 一対の金型とスライド入子とを組み合わせて製品キャビティを形成し、該製品キャビティ内に溶湯を充填して凝固させ、製品を得る鋳造方法であって、
    前記製品キャビティの形成に先立ち、前記スライド入子に対しスライド方向前方側から、熱伝導率の高い材料により構成された、製品のアンダーカット部成形用ピースを装着し、前記製品キャビティの形成後、前記製品キャビティに溶湯を充填し、前記アンダーカット部成形用ピースを介して溶湯を冷却し、前記スライド入子の離型時に前記スライド入子から前記アンダーカット部成形用ピースを分離することを特徴とする鋳造方法。
  2. 一対の金型とスライド入子とを組み合わせて製品キャビティを形成し、該製品キャビティ内に溶湯を充填して凝固させ、製品を得る鋳造方法であって、
    前記製品キャビティの形成に先立ち、前記スライド入子に対しスライド方向前方側から、鋼材により構成された、製品のアンダーカット部成形用ピースを装着し、前記製品キャビティの形成後、前記製品キャビティに溶湯を充填し、前記アンダーカット部成形用ピースを鋳包み、前記スライド入子の離型時に前記スライド入子から前記アンダーカット部成形用ピースを分離することを特徴とする鋳造方法。
  3. 前記アンダーカット部成形用ピースの溶湯との接触面に、凹凸形状を構成したことを特徴とする請求項2記載の鋳造方法。
  4. 前記アンダーカット部成形用ピースを介して溶湯を冷却することを特徴とする請求項2または3記載の鋳造方法。
  5. 前記スライド入子を抜き勾配を備える円筒状に構成し、前記アンダーカット部成形用ピースを前記スライド入子の全周にわたって当接させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の鋳造方法。
  6. 前記前記アンダーカット部成形用ピースと前記スライド入子との間に回り止めを施すことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の鋳造方法。
  7. 前記前記アンダーカット部成形用ピースと前記スライド入子との間から、前記製品キャビティ内のガスを放出させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の鋳造方法。
  8. 一対の金型とスライド入子とを組み合わせて製品キャビティを形成し、該製品キャビティ内に溶湯を充填して凝固させ、製品を得る鋳造用金型であって、
    前記製品キャビティの形成に先立ち、前記スライド入子に対しスライド方向前方側から装着され、かつ、前記スライド入子の離型時に前記スライド入子から分離し、製品側に残るように構成されたアンダーカット部成形用ピースを備えることを特徴とする鋳造用金型。
  9. 前記スライド入子は抜き勾配を備える円筒状をなし、前記アンダーカット部成形用ピースは前記スライド入子の全周にわたって当接するものであることを特徴とする請求項8記載の鋳造用金型。
  10. 前記スライド入子及び前記アンダーカット部成形用ピースの接触面の一方に周り止め用凸部が、他方に周り止め用凹部が形成されていることを特徴とする請求項9記載の鋳造用金型。
  11. 前記アンダーカット部成形用ピースは熱伝導率の高い材料により構成されていることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項記載の鋳造用金型。
  12. 前記アンダーカット部成形用ピースは鋼材により構成されていることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項記載の鋳造用金型。
  13. 前記アンダーカット部成形用ピースの溶湯との接触面に凹凸形状が構成されていることを特徴とする請求項12記載の鋳造用金型。
  14. 前記スライド入子及び前記アンダーカット部成形用ピースの接触面の少なくとも一方に、前記スライド入子のスライド方向の溝が形成されていることを特徴とする請求項8から13のいずれか1項記載の鋳造用金型。
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