JP2006054678A - 撮像装置及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 測光処理を行い(S1)、プリズム回折格子17によって波長毎に分光された光をセンサアレイ18等を介して取得された分光エネルギー分布L(λi)を取得する(S2)。そして、取得した分光エネルギー分布L(λi)から3刺激値、色度座標の算出を行い(S3〜S5)、該算出された色度座標から色温度、黒体輻射軌跡との偏差Δuvを求める(S6)。そして、該求めた偏差Δuvが許容範囲内か否かを判断し(S7)、許容範囲内と判断すると該求めた色温度を元に、撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行う(S8)。
一方、偏差Δuvが許容範囲内でないと判断すると、色温度測定が失敗した旨のエラー表示を行う。
【選択図】 図5
Description
また、ホワイトバランスを調整するには、光源の色温度が必要だが、大別して、色温度検出用の3色RGBセンサ等を別に設ける外部測光方式と、CCDの撮像信号のRGBの比率から検出する内部測光方式とがある。内部測光方式では、撮像画面内の無彩色部分を抽出して積分し、RGB色差成分の比率が等しくなるように調節し、外部測光方式では、RGB線さの色差成分のバランスや、(R−Y)、(B−Y)の平均や積分値がゼロになるように、色差信号ゲインを調節する。或は、色温度が高い場合にはRのゲインを上げてBのゲインを下げ、色温度が低い場合には逆の制御を行う。
また、ユーザが手動でホワイトバランスの設定を行うことができる機能を備えたデジタルカメラも登場してきている。例えば、「屋内撮影」、「屋外撮影」や、「日陰」等をユーザが選択することにより、選択された撮影状況で適切にホワイトバランスを行うというものである。
また、太陽光や白熱電灯等、なだらかな分光分布の光源では問題はないが、蛍光灯など分光特性の凹凸が激しく輝線スペクトルが顕著な光源等ではうまく計測できず、蛍光灯下でも高精度に色温度を求めるという課題がある。
また、複数種の光源が混ざった場合や、新しい特性の光源には対応できなかった。
また、3刺激値型の光電色彩計や、撮像信号から色情報を求めるのでは、分光感度特性を等色関数に合わせるのは難しく、蛍光灯など放電型の光源にも対応できなかった。
また、「屋内撮影」、「屋外撮影」等を選択して、ホワイトバランスを設定していたため、熟練者にとっては、物足りないものがあり、もっと精密にホワイトバランスを行いたいというニーズに応えることができなかった。
入射された光源光を波長毎に分光する分光手段と、
前記分光手段により分光された波長毎の光源光の分光エネルギー分布を取得する分光取得手段と、
前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布から色温度を算出する色温度算出手段と、
前記色温度算出手段により算出された色温度に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うホワイトバランス制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記分光取得手段は、
前記第1の判断手段によりホワイトバランスを高速に行うと判断された場合は、粗い波長単位毎の分光エネルギー分布を取得し、
前記色温度算出手段は、
前記分光取得手段により取得された粗い波長単位毎の分光エネルギー分布から粗い色温度を算出し、
前記ホワイトバランス制御手段は、
前記色温度算出手段により算出された粗い色温度に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うようにしてもよい。
前記第1の判断手段によりホワイトバランスを高速に行わないと判断された場合は、細かい波長単位毎の分光エネルギー分布を取得し、
前記色温度算出手段は、
前記分光取得手段により取得された細かい波長単位毎の分光エネルギー分布から精密な色温度を算出し、
前記ホワイトバランス制御手段は、
前記色温度算出手段により算出された精密な色温度に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うようにしてもよい。
連写静止画撮影モード、若しくは、動画撮影モードにおいては、ホワイトバランスを高速で行うと判断するようにしてもよい。
前記分光取得手段は、
粗い波長単位毎の分光エネルギー分布を取得し、
前記色温度算出手段は、
前記分光取得手段により取得された粗い波長単位毎の分光エネルギー分布から粗い色温度を算出し、
前記ホワイトバランス制御手段は、
前記第2の判断手段により前記色温度算出手段により算出された粗い色温度が所定値より小さくないと判断された場合は、該色温度算出手段により算出された粗い色温度に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うようにしてもよい。
前記第2の判断手段により前記色温度算出手段により算出された粗い色温度が所定値より小さいと判断された場合は、前記色温度算出手段により前記分光取得手段により取得された細かい波長単位毎の分光エネルギー分布から算出された精密な色温度に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うようにしてもよい。
入射された光源を波長毎に分光する分光手段と、
前記分光手段により分光された波長毎の光の分光エネルギー分布を取得する分光取得手段と、
前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うホワイトバランス制御手段と、
ユーザによって入力されたホワイトバランスの条件を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定されたホワイトバランスの条件にしたがって、前記ホワイトバランス制御手段によりホワイトバランスが行われた後の前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの補正制御を行うホワイトバランス補正制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記設定手段により色度座標が設定された場合には、前記補正座標算出手段により算出された撮像信号の色度座標が前記設定手段により設定された色度座標となるようにホワイトバランスの補正制御を行うようにしてもよい。
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記設定手段により色温度が設定された場合には、前記補正色温度算出手段により算出された撮像信号の色温度が前記設定手段により設定された色温度となるようにホワイトバランスの補正制御を行うようにしてもよい。
また、例えば、請求項12に記載されているように、前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により被写体の撮影を制御する度に、異なるホワイトバランスの条件を設定し、
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記設定手段により設定されたホワイトバランスの条件にしたがって、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うようにしてもよい。
前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により被写体の撮影の制御をするごとに、前記補正間隔入力手段により入力された補正間隔にしたがって、ホワイトバランスの条件を設定するようにしてもよい。
更に、ブラケティングさせる補正順序、補正枚数を入力するための入力手段を備え、
前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により被写体の撮影を制御するごとに、前記補正間隔入力手段により入力された補正間隔、補正順序、補正枚数にしたがって、ホワイトバランスの条件をブラケティングさせて異なるホワイトバランスの条件を設定するようにしてもよい。
ユーザが所望の分光エネルギー分布を設定するための設定手段と、
入射された光源光を波長毎に分光する分光手段と、
前記分光手段により分光された波長毎の光源光の分光エネルギー分布を取得する分光取得手段と、
前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布及び前記設定手段により設定された所望の分光エネルギー分布を用いて仮想的なカラー変換フィルタを算出する仮想フィルタ算出手段と、
前記仮想フィルタ算出手段により算出された仮想的なカラー変換フィルタに基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うホワイトバランス制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記分光取得手段により取得された光源光の分光エネルギー分布から光源光が撮像光学系を透過したときの光の波長帯毎の分光エネルギー分布をシミュレーション演算し、該演算した分光エネルギー分布と前記設定手段により設定された所望の分光エネルギー分布を用いて仮想的なカラー変換フィルタを算出するようにしてもよい。
前記分光取得手段により取得された光源光の分光エネルギー分布から前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の分光エネルギー分布をシミュレーション演算し、該演算した分光エネルギー分布と前記設定手段により設定された所望の分光エネルギー分布を用いて仮想的なカラー変換フィルタを算出するようにしてもよい。
前記撮像手段により撮像された被写体の画像、ホワイトバランスを調整させるための情報などを表示させるための表示手段と、
複数の表示仕様の中からユーザによって選択された表示仕様を表示仕様として設定する仕様設定手段と、
前記仕様設定手段により設定された表示仕様にしたがってホワイトバランスを設定させるための情報及び前記撮像手段により撮像された被写体の画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
少なくともビギナー仕様、プロ仕様を含むようにしてもよい。
前記仕様設定手段によりビギナー仕様が設定された場合には、ホワイトバランスの調整が行われるごとに、調整後のホワイトバランスがどのようにホワイトバランスを行うか等を説明するホワイトバランスの説明文を前記表示手段に表示させるようにしてもよい。
前記仕様設定手段によりビギナー仕様が設定された場合は、ホワイトバランスを調整させるための情報として、WBバーを表示させるようにしてもよい。
WBバーの調整部が調整された場合には、調整後のホワイトバランスがどのようにホワイトバランスを行うか等を説明するホワイトバランスの説明文を前記表示手段に表示させるようにしてもよい。
説明文の他に、ホワイトバランス後のサンプル画像を表示させるようにしてもよい。
前記仕様設定手段によりプロ仕様が設定された場合には、ホワイトバランスを調整させるための情報として、光源の分光エネルギー分布、又は、色度図及び該色度図上に色度座標や黒体輻射軌跡を前記表示手段に表示させるようにしてもよい。
前記表示手段に表示させる色度図及び色度座標の代わりに、U*V*W*均等色空間、CIELABのL*A*B*均等色空間、もしくはマンセル色空間などの色空間図及び色空間座標もしくは色相、彩度、明度等を表す指数等を表示させるようにしてもよい。
前記仕様設定手段は、
前記切替手段によって切り替えられた表示仕様を表示仕様として設定するようにしてもよい。
入射された光源光を波長毎に分光する分光手段によって分光された波長毎の光源光の分光エネルギー分布を取得する処理と、
この処理により取得された分光エネルギー分布から色温度を算出する色温度算出処理と、
前記色温度算出処理により算出された色温度に基づいて、前記撮像処理により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行う処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とする。
入射された光源光を波長毎に分光する分光手段によって分光された波長毎の光源光の分光エネルギー分布を取得する処理と、
この処理により取得された分光エネルギー分布に基づいて、前記撮像処理により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うホワイトバランス制御処理と、
ホワイトバランスの条件を設定する設定処理と、
前記設定処理により設定されたホワイトバランスの条件にしたがって、前記ホワイトバランス制御処理によりホワイトバランスが行われた後の前記撮像処理により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの補正制御を行うホワイトバランス補正制御処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とする。
ユーザが選択した所望の分光エネルギー分布を設定する設定処理と、
入射された光源光を波長毎に分光する分光手段によって分光された波長毎の光源光の分光エネルギー分布を取得する処理と、
この処理により取得された分光エネルギー分布及び前記設定処理により設定された所望の分光エネルギー分布を用いて仮想的なカラー変換フィルタを算出する仮想フィルタ算出処理と、
前記仮想フィルタ算出処理により算出された仮想的なカラー変換フィルタに基づいて、前記撮像処理により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行う処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とする。
ホワイトバランスを調整させるための情報を表示させる表示仕様を設定する仕様設定処理と、
前記仕様設定処理により設定された表示仕様にしたがってホワイトバランスを設定させるための情報及び前記撮像処理により撮像された被写体の画像を表示手段に表示させる処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とする。
また、光源毎の識別手段や色温度検出手段等を個々に設ける必要もなく、3波長型蛍光灯など多様な光源や複数光源が混在した場合でもそのまま対応することができる。
請求項3記載の発明によれば、高速でホワイトバランス処理を行わないと判断すると、波長間隔、分解能が細かい分光エネルギー分布を取得して、ホワイトバランスの制御を行うので、高精度なホワイトバランス処理を行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、連写静止画撮影、動画撮影を行うと判断すると、高速でホワイトバランスを行うと判断するので、連続的、高速に色温度を計測してホワイトバランス処理を行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、該求めた粗い色温度が所定値より小さい場合には、波長間隔、分解能が細かい分光エネルギー分布に基づいてホワイトバランスを行うので、高精度なホワイトバランスを行うことができる。
請求項12記載の発明によれば、連続撮影制御手段により被写体の撮影を制御する度に、異なるホワイトバランスの条件を設定し、該設定されたホワイトバランスの条件にしたがってホワイトバランスを行うでの、撮影ごとに撮影条件を変えて撮影しなくても、ホワイトバランスの異なる画像を一度に複数撮影することができ、所望の画像を得る可能性が高くなる。
また、ホワイトバランスが微妙に異なる複数の画像を得ることができるので、ユーザの作画表現を簡単に行うことができる。
請求項20記載の発明によれば、ホワイトバランスの調整が行われるごとに、ホワイトバランスの説明文を表示させるので、初心者でもわかり易く、取扱説明書を参照しなくても、簡易に適切なホワイトバランスの設定を行うことができる。
請求項21記載の発明によれば、ホワイトバランスを調整させるためのWBバーを表示させるので、現在のホワイトバランスの状態、などを簡易に知ることができる。
請求項23記載の発明によれば、説明文の他に、ホワイトバランス調整後のサンプル画像を表示させるので、サンプル画像を見ることにより具体的にどのようにホワイトバランスが行われるのかを視認することができる。
[第1の実施の形態]
A.デジタルカメラの構成
図1は、本発明の撮像装置を実現するデジタルカメラ1の電気的な概略構成を示すブロック図である。
デジタルカメラ1は、撮像レンズ2、駆動回路3、絞り兼用シャッタ4、垂直ドライバ5、TG(timing generator)6、CCD7、サンプルホールド回路8、アナログデジタル変換器9、色分離回路10、利得調整部11、画像信号処理部12、メモリ13、制御回路14、表示部15、キー入力部16、プリズム回折格子17、センサアレイ18、ドライバー・アンプ19、アナログデジタル変換器20、エネルギー分布表メモリ21、刺激値演算部22、ROM23、色度座標演算部24、色温度演算部25、ホワイトバランス制御部26、色度座標・色温度情報メモリ27から構成されている。
撮像レンズ2は、複数のレンズ群から構成されるフォーカスレンズ2a、ズームレンズ2b等を含む。そして、撮像レンズ2には、駆動回路3が接続されており、駆動回路3は、制御回路14から送られてくる制御信号にしたがって、フォーカスレンズ2a、ズームレンズ2bを光軸方向に移動させる。
絞りとは、撮像レンズ2から入射してくる光の量を制限する機構のことをいい、シャッタ速度とは、時間によってCCD7に当てる光の量を制限する機構のことをいう。
サンプルホールド回路8は、CCD7から送られてきたアナログ信号をCCD7の解像度に適合した周波数でサンプリング(例えば、相関二重サンプリング)してアナログデジタル変換器9に出力する。なお、サンプリング後に自動利得調整(AGC)を行うこともある。
アナログデジタル変換回路9は、サンプリングされたアナログ信号をデジタル信号に変換して色分離回路10に出力する。
利得調整部11は、色分離回路から送られてきたそれぞれの、R・G・Bデータを、ホワイトバランス制御部26から送られてきた制御信号にしたがって、それぞれの利得を調整し、画像信号処理部12に出力する。
画像信号処理部は、画素補間処理、γ補正処理等を含むカラープロセス処理を行い、RGBデータから輝度・色差マルチプレクス信号(以下、YUV信号という)を生成する。
キー入力部16は、シャッタボタン、ブラケット撮影ボタン、実行キー、キャンセルキー、十字キー、モードキー、DISPキー、Shiftキー、詳細ボタン等の複数の操作キーを含み、ユーザのキー操作に応じた操作信号を制御回路14に出力する。このキー入力部16は、補正間隔入力手段、設定手段、切替手段として機能する。
センサアレイ18は、ドライバー・アンプ19によって駆動され、入射された波長帯毎に分光された光を一定周期毎に光電変換しドライバー・アンプ19に出力する。
ドライバー・アンプ19は、該光電変換された波長毎のアナログ信号を増幅し、アナログデジタル変換器20に出力する。
アナログデジタル変換器20は、入力されたアナログ信号をデジタル変換して、分光エネルギー分布L(λi)を取得し、該取得した分光エネルギー分布の表データをエネルギー分布表メモリ21に記憶する。
刺激値演算部22は、ROM23に記録されている等色関数(λi)、(λi)、(λi)及びエネルギー分布表メモリ21に記憶されている分光エネルギー分布L(λi)を読み出し(分光取得手段)、該読み出した等色関数と分光エネルギー分布L(λi)とを乗算し、各波長毎(λi)の乗算結果を波長領域のn帯域(i=0〜n−1)全体で総和して3刺激値R、G、Bを算出する。
色度座標演算部24は、入力された3刺激値から色度座標(x、y、z)を数4にしたがって求める。
色温度演算部25は、該入力された色度座標から色温度Ta、及び、黒体輻射軌跡との偏差Δuv等を求める(色温度算出手段)。ここで、ホワイトバランス制御に用いられる色温度Taは、黒体の輻射時の温度と波長の関係を指標として、色度を黒体放射軌跡の色度座標に相当する相関色温度(単位:K、ケルビン)で表したものである。
まず、プランクの放射則によれば、黒体輻射の放射エネルギー・スペクトルe(λ,T)は、数5によって求めることができ、この数式を用いることにより、黒体輻射の各温度での波長毎の分光エネルギーを求めることができる。
但し、λ:光の波長、T:放射体の絶対温度、h:プランク定数、k:ボルツマン定数、c:真空中の光速、とする。
また、図2に示すように、色度座標(x、y、z)と色温度Taの換算テーブルを予め色温度演算部25に記録させておき、この換算テーブルを用いて、色度座標に該当する色温度Taを求めるようにしてもよい。
なお、ここでは、求めた色温度Taを6500Kとし、偏差Δuvの求めかたは周知技術なので、ここでは説明を省略する。
制御回路14は、色度座標・色温度情報メモリ27に記憶されている偏差ΔuvがROM23に記録されている閾値より小さいか否かを判断し、小さいと判断すると許容範囲内と判断し、ホワイトバランス制御部26にホワイトバランスの制御を行う旨の制御信号を送る。
一方、制御回路14は、偏差ΔuvがROM23に記録されている閾値より大きいと判断した場合は、許容範囲外であると判断し、色温度測定のエラー処理を行う。
図3は、色温度TaとRGB成分の相対強度(5000Kを基準とした場合)を示したものである。現在の色温度Taは、図に示すように6500Kであり、RGB成分のそれぞれの相対強度は、1.14、1.00、0.76であることがわかる。
色温度演算部25が、検出した色温度6500Kをホワイトバランス制御部26に出力すると、ホワイトバランス制御部26は、R成分、G成分、B成分のそれぞれの相対強度の逆数(R成分;1/0.76、G成分;1、B成分;1/1.14)に相当する利得制御量となるように利得調整部11r、11g、11bを制御する。
そして、CCD7によって撮像されたRGB成分は、色分離回路10によってR成分、G成分、B成分に分離され、R成分は利得調整部11rで1/0.76倍に増幅され、G成分は利得調整部11gで1倍に増幅され、B成分は利得調整部11bで1/1.14倍に増幅され、それぞれのRGB成分が画像信号処理部12に送られる。
なお、求めた色度座標を元にホワイトバランスを行うようにしてもよい。
第1の実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図5のフローチャートにしたがって説明する。
測光処理を行い(ステップS1)、プリズム回折格子17によって波長毎に分光された光をセンサアレイ18、ドライバー・アンプ19により受光されたアナログ信号をアナログデジタル変換器20でデジタル信号に変換して、光源光の分光エネルギー分布L(λi)を取得し、該取得した光源光の分光エネルギー分布の表データをエネルギー分布表メモリ21に記憶する(ステップS2)。
ここで、図6(a)は、プリズム回折格子18を介してセンサアレイ19等に入射される波長毎の分光エネルギー分布L(λi)の例を表したものであり、図6(b)は、エネルギー分布表メモリに記憶される分光エネルギー分布表の例を示したものである。
図7(c)は、RGB表色系の等色関数(λi)、(λi)、(λi)を示したものであり、ROM23には、図7(d)に示すような等色関数表のデータが記録されている。
なお、ROM23に、予めXYZ表色系の等色関数(λi)、(λi)、(λi)を記録しておき、分光エネルギー分布L(λi)とXYZ表色系の等色関数(λi)、(λi)、(λi)とから直接XYZ表色系の3刺激値X、Y、Zを算出するようにしてもよい。
図8(e)は、XYZ表色系の等色関数(λi)、(λi)、(λi)を示したものであり、ROM23には、図8(f)にしめすような等色関数表データを記録しておく。
次いで、色度座標(x、y、z)から色温度Ta、黒体輻射軌跡との偏差Δuvの算出を行う(ステップS6)。この算出方法としては、上述したプランクの放射則により黒体輻射の各温度での波長毎の分光エネルギーを求め、波長毎の分光エネルギーと当該波長毎の等色関数とを乗算した結果を、可視光領域全体で総計(加算)して3刺激値を求めてから、色度座標を算出することにより色温度に該当する色度座標を求めるという方法を逆算することにより色度座標に該当する色温度Taを算出することができる。ここでは、求めた色温度Taは6500K(ケルビン)とする。なお、色温度の単位は、MIREDやLB指数等のほかの単位であってもよい。
また、図2に示すような色温度と色度座標の換算テーブルを予め色温度演算部27に記録しておくことにより、この色温度と色度座標の換算テーブルを用いて色度座標から色温度Taを求めるようにしてもよい。
なお、偏差Δuvの算出方法は周知技術なのでここでは説明を省略する。
許容範囲外であると判断すると、色温度の測定が失敗した旨を報知するエラー表示を行う。
このホワイトバランスの制御の方法は多種あるが、より精密な色温度Taの計測値に基づいてホワイトバランスを制御するには、色温度TaとRGB成分の相対強度との特性データから求めた色温度Taに該当するRGB信号の利得制御量を相対強度の逆数から求めて、利得調整部11を制御することにより、ホワイトバランスを行う。
また、光源毎の識別手段や色温度検出手段等を個々に設ける必要もなく、3波長型蛍光灯など多様な光源や複数光源が混在した場合でもそのまま対応することができる。
また、色度座標や色温度を求めてホワイトバランスを行うので、蛍光灯などの光源でも、ケルビンやMIRED、LB指数など、具体的な色温度単位や、色度座標で指定したWB設定やWBブラケティング撮影なども可能となる。つまり、ユーザが具体的な色度座標、色温度を入力したり選択したりすると、該入力、選択された色度座標、色温度となるようにホワイトバランスを行うことが可能となる。
また、明所視での比視感度特性に基づく等色関数に替えて、暗所視や色弱者の比視感度特性に基づく等色関数に設定して、それらの場合の刺激値や色度座標、色温度を算出するようにしてもよい。
また、センサアレイ18は、特許第2532255号に記載されたような分光光度計用のフォトダイオード・アレイ等で構成してもよい。また、カメラ測距センサや合焦検出センサ、測光センサ等に用いられるライン型イメージセンサやフォトセンサなどで構成するようにしてもよいし、それらと兼用して構成してもよい。
また、ユーザによって色温度が入力された場合には、撮像信号の色度座標から上述したように色温度を求め、該求めた撮像信号の色温後が該ユーザによって入力された色温度となるように利得調整部11を制御することによりホワイトバランスを行う。
高速連写機能など、計測所要時間や撮影時間間隔を短くする場合にも連続的に色温度を計測し自動WB制御をできるようにするというものである。
C.デジタルカメラ1の動作
以下、変形例1におけるデジタルカメラ1の動作を図9のフローチャートにしたがって説明する。
ステップS21で、高速ホワイトバランス処理を行うか否かを判断する(第1の判断手段)。この判断は、ユーザのキー入力部16の操作により、高速連写モードや、動画撮影モードに設定された場合等、高速ホワイトバランス処理が必要なモードに設定されている場合には、高速ホワイトバランス処理を行うと判断する。
通常ならば分光部やセンサアレイの分解能は、波長約5〜10nm単位毎とし、これを可視光の約370〜780nmにわたる計40〜80帯域以上の分光分布データを検出できるように構成するのが望ましいが、高速連写機能など、計測所要時間や撮影時間間隔を短くする場合にも連続的に色温度を計測し自動WB制御をできるようにするために、高速ホワイトバランス処理を行うと判断すると、センサアレイ18の分割数や分解能や読み出し波長間隔を、例えば、20〜50nm単位毎に荒く設定する。
次いで、エネルギー分布表メモリ21に記憶されている粗い刻みの分光エネルギー分布L´(λi)から粗い精度の3刺激値を算出する(ステップS25)。
次いで、測光処理を行い(ステップS27)、ステップ26で設定された細かい刻みの(通常の)分光エネルギー分布L(λi)を取得し、該取得した細かい刻みの分光エネルギー分布の表データをエネルギー分布表メモリ21に記憶する(ステップS28)。
次いで、分光エネルギー分布表メモリ21に記憶されている細かい刻みの(通常の)分光エネルギー分布L(λi)から高い精度の3刺激値を算出する(ステップS29)。
次いで、該算出した色度座標から色温度を求め(ステップS31)、該求めた色温度を元に、利得調整部11を制御することにより、ホワイトバランスを行う(ステップS32)。
以上のように、変形例1では、高速ホワイトバランス処理を行うか否かを判断し、高速ホワイトバランス処理を行うと判断すると、波長間隔、分解能を荒く設定してホワイトバランスの制御を行うので、高速にホワイトバランス処理を行うことができる。
なお、スルー画像表示中の場合にも高速ホワイトバランスを行うと判断するようにしてもよい。
D.デジタルカメラ1の動作
以下、変形例2におけるデジタルカメラ1の動作を図10のフローチャートにしたがって説明する。
ステップS51で、計測波長間隔、分解能を荒く設定する。例えば、センサアレイの分割数や分解能や読み出し波長間隔を20〜50nm単位毎に荒く設定する。
次いで、エネルギー分布表メモリ21に記憶されている粗い刻みの分光エネルギー分布L´(λi)から粗い精度の3刺激値を算出する(ステップS54)。
次いで、該求めた色温度が予めROM23等に記録されている所定値より小さいか否かの判断を制御回路14が行う(ステップS57)。この機能は、本発明の第2の判断手段に相当する。
色温度が5000K以上など高い場合には、色温度が多少変わっても視覚に感じられる色の変化は少ないので、粗い波長単位毎から求めた色温度でも十分だからである。
次いで、分光エネルギー分布表メモリ21に記憶されている細かい刻みの(通常の)分光エネルギー分布L(λi)から高い精度の3刺激値を算出する(ステップS61)。
次いで、ステップS64に進み、ステップS63で求めた色温度を元に、利得調整部11を制御することにより、ホワイトバランスを行う。
色温度が2000K〜3000Kと低くなると、色温度の変化による感じる色の変化が大きくなるからである。したがって、粗い刻みの波長間隔では、適切なホワイトバランスの処理を行うことができないので、細かい刻み(通常の)波長間隔から色温度を求めてから、ホワイトバランスの制御を行う必要があるからである。
以上のように変形例2では、まず、波長間隔、分解能を荒く設定して色温度を求め、該求めた色温度が所定値より大きければ、該求めた色温度を元にホワイトバランス制御を行うでの、高速にホワイトバランス制御を行うことができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、ユーザによって設定された撮影条件にしたがってWBブラケット撮影を行うというものである。
第2の実施の形態も、図1に示したものと同様の構成を有するデジタルカメラ1を用いることにより本発明の撮像装置を実現する。
まず、第2の実施の形態のデジタルカメラ1における、特徴となる構成の機能について説明する。
ここで、補正間隔とは、ブラケット撮影でブラケティングされていくホワイトバランスの条件(色度座標、色温度など)の間隔のことをいう。例えば、色度座標(x、y)をブラケティングさせていくことにより、WBブラケット撮影を行う場合は、補正間隔が(Δx、Δy)となる。また、ケルビン、ミレッド、LB指数などの色温度をブラケティングさせていくことにより、WBブラケット撮影を行う場合には、補正間隔がΔK(ケルビン)、ΔM(Mired)、ΔLB(LB指数)等となる。ΔKが200Kの場合には、色温度を200Kずつブラケティングさせて被写体を撮影することとなる。
また、0+−順の場合は、(0、補正なし)→(+1補正間隔)→(+2補正間隔)→・・→(−1補正間隔)→(−2補正間隔)→・・・の順となり、0−+順の場合は、(0、補正なし)→(−1補正間隔)→(−2補正間隔)→・・→(+1補正間隔)→(+2補正間隔)→・・の順となる。
また、補正枚数とは、ブラケット撮影により一度に連続撮影する回数のことをいう。
このブラケット撮影により被写体を連続して撮影する機能は、本発明の連続撮影制御手段に相当する。
第2の実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図11〜図14に示すフローチャートにしたがって説明する。
撮影モードでない場合は、現在設定されたモードが設定モードであるか否かを判断する(ステップS102)。
WBブラケット設定モードでない場合は、その他の設定モードで処理を行い、WBブラケット設定モードである場合には、ユーザによって入力されたブラケット撮影用の撮影条件である色温度の補正間隔ΔM、補正順序、補正枚数i(i=2k+1)を設定して(ステップS104)、ステップS101に戻る。ここで補正間隔(ΔM=20Mired)、補正順序を上り順、補正枚数i(i=2k+1)を3枚と設定したものとする。また、補正枚数i(i=2k+1=3)であるから、k=1となる。
そして、エネルギー分布表メモリ21に記憶されている光源の分光エネルギー分布L(λ)から色度座標、色温度を求める(ステップS107)。この色度座標、色温度の算出方法については第1の実施の形態で述べたとおりである。
そして、該算出した色温度に基づいてホワイトバランス処理を行う(ステップS108)。なお、光源の分光エネルギー分布又は求めた色度座標に基づいてホワイトバランス処理を行うようにしてもよい。
そして、現在撮像している被写体の撮影を行うか否かを判断する(ステップS111)。この判断は、シャッタボタンの操作、若しくはブラケット撮影ボタンの操作に対応する操作信号がキー入力部9から送られてきたか否かにより判断する。
撮影を行わないと判断すると(ステップS111でNOに分岐)、ステップS124に進み、その他のキー処理、表示処理などを行う。
この判断は、ブラケティング撮影ボタンの操作に対応する操作信号がキー入力部16から送られてきたか否かにより判断する。なお、静止画撮影用のシャッタボタンとブラケティング撮影ボタンを別個に設けたが、予めユーザがブラケティング撮影を行う旨を指示しておき、シャッタボタンを押下するとブラケティング撮影を行うようにしてもよい。
ここではステップS104で補正順序を上り順と設定したので、上り順のWBの色温度の初期値M1の設定を行う(ステップS115)。
ここで、上り順の初期値M1は、「M1=M0−k・ΔM」である。
したがって、ここでは、初期値M1は、「M1=200−1・20=180Mired」となる。但し、M0=200Mired、ΔM=20Miredであり、k=1である。
次いで、撮影順序mを「m=+1」として設定して(ステップS116)、ステップS120に進む。
下り順である場合には、下り順のWBの色温度の初期値M1の設定を行う(ステップS118)。
ここで、下り順の初期値M1は、「M1=M0+k・ΔM」である。
したがって、この場合には初期値M1は、「M1=220Mired」となる。
次いで、撮影順序mを「m=−1」と設定して(ステップS119)、ステップS120に進む。
次いで、WB補正撮影処理を行う(ステップS121)。ここで、WB補正撮影処理の動作を図14のフローチャートにしたがって説明する。
したがって、ここでは、補正順序を上り順と設定しているので、「M1=180Mired」であることから、補正色温度Mは「M=180Mired」となる。但し、「m=+1」、「j=0」、「ΔM=20Mired」である。
次いで、設定した撮影条件で被写体を撮影し、撮影した画像データをDRAMに記憶し(ステップS153)、DRAMに記憶した該画像データをフラッシュメモリに記録する(ステップS154)。
次いで、撮影済枚数jが撮影枚数n以上か否かを判断する(ステップS123)。ここでは、j=1であり、n=3であるので、撮影済枚数jは撮影枚数nより小さいと判断し、ステップS121に戻りWB補正撮影処理を行う。
つまり、図14のステップS151で補正色温度Mを、「M=200Mired」と設定し(設定手段)、設定した補正色温度Mとなるようにホワイトバランス処理を行いってから被写体を撮影し、該撮影した画像データをフラッシュメモリに記録する(ステップS152〜ステップS154)。
このループ(ステップS121〜ステップS123)により撮影される画像の色温度は、1枚目が180Mired、2枚目が200Mired、3枚目が220Miredとなる。
そして、撮影済枚数iが撮影枚数以上であると判断すると(ステップS123でYに分岐)、その他のキー処理、表示処理を行う(ステップS124)。
0+−順でないと判断すると、その他の処理、つまり、その他の補正順序で被写体を撮影する。
一方、0+−順であると判断すると、WBの色温度の初期値M1を「M1=M0」と設定する(ステップS126)。したがって、初期値M1=200Miredとなる。
次いで、ステップS129に進み、WB補正撮影処理を行う。
WB補正撮影処理は上述したように、図14のステップS151に進み、WBブラケット撮影の補正色温度の設定を行う。
ここで、設定される補正色温度Mは、「M=M1+m・j・ΔM」なので、補正色温度Mは、「M=200Mired」となる。但し、M1=200Mired、m=+1、j=0、ΔM=20Miredである。
次いで、該設定した色温度M(=200Mired)となるように、利得調整部11を制御することにより、ホワイトバランス処理を行う(ステップS152)。
次いで、設定した撮影条件で被写体を撮影し、撮影した画像データをDRAMに記憶し(ステップS153)、DRAMに記憶した該画像データをフラッシュメモリに記録する(ステップS154)。
次いで、図13のステップS130に進み、jを「j=j+1=0+1=1」と設定し、撮影済枚数j(j=1)が撮影枚数n(n=2)以上か否かを判断する(ステップS131)。ここでは、jはnより小さいので、ステップS129に進み上記した動作を繰り返す。
そして、2枚目の画像が撮影されると、撮影済枚数jは2となるので(j=1+1=2)、ステップS131で撮影済枚数j(j=2)は撮影済枚数n(n=2)以上と判断し、ステップS132に進む。
次いで、ステップS134に進み、WB補正撮影処理を行う。
ここで、設定される補正色温度Mは、「M=M1+m・j・ΔM」なので、補正色温度Mは、「M=180Mired」となる。但し、M1=200Mired、m=−1、j=1、ΔM=20Miredである。
次いで、該設定した色温度M(=180Mired)となるようにホワイトバランス処理を行ってから被写体を撮影し、該撮影した画像データをフラッシュメモリに記録する(ステップS92〜ステップS95)。
補正順序が0+−順の場合に撮影される画像の色温度は、1枚目が200Mired、2枚目が220Mired、3枚目が180Miredとなる。
また、ホワイトバランスの補正間隔などをユーザが自由に設定することができるので、ユーザは所望の画像を得ることができる。
また、自動的に設定されたホワイトバランスがユーザの好みとなっていない場合であっても、ブラケット撮影した複数の中から、所望のホワイトバランスを有する画像を得ることができるので、好みのホワイトバランスを有する画像を得る確率が高くなり、シャッタチャンスを逃すことがない。
また、色温度やLB指数の補正間隔を設定するのではなく、色度座標の補正間隔(Δx、Δy)などを設定しておき、色度座標をブラケティングさせることによりブラケット撮影を行うようにしてもよい。
また、第1の実施の形態の変形例2と組み合わせてホワイトバランスを行うようにしてもよい。
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、光源の分光エネルギー分布から色温度などを求めてホワイトバランスの制御を行うのではなく、所望の分光エネルギー分布となるような仮想的なカラー変換フィルタを算出し、該算出した仮想フィルタを用いてホワイトバランスの制御を行うというものである。
図15は、第3の実施の形態における撮像装置を実現するデジタルカメラ31の電気的な概略構成を示すブロック図である。なお、デジタルカメラ1と同様の構成部については、図1で付した符号をそのまま付してある。
デジタルカメラ31は、撮像レンズ2、駆動回路3、絞り兼用シャッタ4、垂直ドライバ5、TG(timing generator)6、CCD7、サンプルホールド回路8、アナログデジタル変換器9、色分離回路10、利得調整部11、画像信号処理部12、メモリ13、制御回路14、表示部15、キー入力部16、プリズム回折格子17、センサアレイ18、ドライバー・アンプ19、アナログデジタル変換器20、エネルギー分布表メモリ21、ROM23、ホワイトバランス制御部26、仮想フィルタ特性演算部28から構成されている。
仮想フィルタ特性演算部28は、エネルギー分布表メモリ21に記憶されている光源光の分光エネルギー分布L(λi)とROM23に記録されている撮像光学系(撮像レンズ2など)の分光透過率特性T(λi)とから、光源光が撮像光学系を透過した光の波長帯毎の分光エネルギー分布L1(λi)のシミュレーション演算を数6にしたがって行う(仮想フィルタ算出手段)。
また、エネルギー分布表メモリ21に記憶されている光源光の分光エネルギー分布L(λi)をそのまま用いてもよい。つまり、L(λi)=L1(λi)となる。
ホワイトバランス制御部26は、CCD7からの撮像信号RGB成分に対して、この仮想的なカラー変換フィルタF(λi)に相当する波長帯毎の利得制御処理を行うように利得調整部11を制御することによりホワイトバランスを行う。
これにより、撮像信号の分光エネルギー分布L2(λi)が、ステップS204で設定した所望の分光エネルギー分布Lw(λi)となるようにホワイトバランスが行われることになる(ホワイトバランス制御手段)。
但し、L2(λi)≒L1(λi)となる。なぜならば、シミュレーション演算によって求められた撮像系を透過した光の波長帯毎の分光エネルギー分布L1(λi)と、撮像信号の分光エネルギー分布L2(λi)は略同一とみなせるからである。
他の構成の機能は、第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
第3の実施の形態におけるデジタルカメラ31の動作を図16フローチャートにしたがって説明する。
ステップS201で測光処理を行い、プリズム回折格子17によって波長毎に分光された光をセンサアレイ18、ドライバー・アンプ19により受光されたアナログ信号をアナログデジタル変換器20でデジタル信号に変換して、光源光の分光エネルギー分布L(λi)を取得し、該取得した光源光の分光エネルギー分布の表データをエネルギー分布表メモリ21に記憶し、また、撮像光学系の分光透過率特性T(λi)をROM23から取得する(ステップS202)。
次いで、ステップS204で取得した所望の分光エネルギー分布Lw(λi)と、ステップS203でシミュレーション演算によって求めた撮像系を透過した光の波長帯毎の分光エネルギー分布L1(λi)とから、仮想的なカラー変換フィルタ特性F(λi)を数8にしたがって算出する(ステップS205)。ここでは、図17(i)に示すような仮想的なカラー変換フィルタ特性F(λi)が算出されたものとする。
これにより、撮像信号の分光エネルギー分布L2(λi)が、ステップS204で設定した所望の分光エネルギー分布Lw(λi)となるようにホワイトバランスが行われることになる。
但し、L2(λi)≒L1(λi)となる。なぜならば、シミュレーション演算によって求められた撮像系を透過した光の波長帯毎の分光エネルギー分布L1(λi)と、撮像信号の分光エネルギー分布L2(λi)は略同一とみなせるからである。
ここでは、ホワイトバランス処理後の撮像信号の分光エネルギー分布L2´(λi)は、図17(j)に示すような特性となる。
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、表示部15に表示させる画像の表示仕様等をビギナー用、プロ用などに分け、ビギナー用、プロ用などによって、ユーザのホワイトバランスの設定方法も異ならせるというものである。
第4の実施の形態も、図1に示したものと同様の構成を有するデジタルカメラ1を用いることにより本発明の撮像装置を実現する。
まず、第4の実施の形態のデジタルカメラ1における、特徴となる構成の機能について説明する。
ここで、ファインダの表示仕様、表示様式等としては、ビギナー仕様、プロ仕様、ヒストグラム表示仕様、スルー画像仕様などがある。
ヒストグラム仕様とは、被写体のスルー画像とともに、撮影情報、撮影状況とともに撮像画像のヒストグラムを表示させる仕様のことをいい、スルー画像仕様とは、被写体のスルー画像のみを表示させる仕様のことをいう。
また、ビギナー仕様で被写体のスルー画像の表示中にShiftキーの操作が行われると、ビギナー仕様でのホワイトバランス設定モード画面に切り替わり、初心者のユーザでも、適切なホワイトバランスの調整を行ことが可能となる。つまり、ホワイトバランスを調整させるための情報をビギナー仕様で表示させることとなる。
また、プロ仕様で被写体のスルー画像の表示中にShiftキーの操作が行われると、プロ仕様でのホワイトバランス設定モード画面に切り替わり、熟練者のユーザが精密なホワイトバランスの調整を行うことが可能となる。つまり、ホワイトバランスを調整させるための情報をプロ仕様で表示させることとなる。
以下、詳細に表示部15に表示させる画像を参酌して、ビギナー仕様、プロ使用などでのホワイトバランスの調整方法について説明する。
次に、表示様式等の表示及びホワイトバランスの調整方法について、図18〜図24を用いて詳細に説明する。
CCD7による撮像を開始し、撮像した被写体のスルー画像をユーザにより設定された表示仕様、表示様式で表示部15に表示させる。ここでは、ビギナー仕様と設定されたものとする。図18(k)は、このときの様子を示したものであり、真ん中の中央に被写体のスルー画像(女性の人)、及びビギナー仕様の撮影情報、撮影状況などが表示されている。
まず、ユーザがキー入力部16のDISPキーの操作を行うと、ビギナー仕様からプロ仕様の表示仕様、表示様式に切り替わる。図18(l)は、そのときの様子を示したものである。図に示すようにプロ仕様では、現在の絞り値を示す線58とシャッタ速度を表す線59が表示される。
そして、再びキー入力部16のDISPキーの操作を行うと、プロ仕様から被写体のスルー画像とともにヒストグラムなどを表示させるヒストグラム表示仕様に切り替わる。図18(m)はそのときの様子を示したものである。図の60部は、撮像した画像のヒストグラムを表している。他の撮影情報、撮影状況はビギナー仕様と同様である。なお、ビギナー仕様とは異なる表示方法などにより撮影情報、撮影状況などを表示させるようにしてもよいし、撮影情報、撮影状況を表示させないようにしてもよい。
そして、再びキー入力部16のDISPキーの操作を行うと、スルー画像仕様から再びビギナー仕様に切り替わる。このように、ユーザはキー入力部16のDISPキーの操作により表示部15に表示される表示仕様、表示様式を切り替えることができ、自分にあった表示仕様で表示させることができる。
次に、図18(k)に示すようにビギナー仕様の表示仕様、表示様式で被写体のスルー画像を表示しているときに、ユーザのキー入力部16のShiftキーの操作が行われると、WB設定モード(WBを設定することができる状態)に切り替わる。
図19(p)は、WBを設定することができる状態に切り替わったときの表示部15に表示される画像の様子を示したものである。図19(p)を見ると、「太陽光」、「日陰」、「電球」、「蛍光灯」、「マニュアル」の5つの欄が表示されているのがわかる。「太陽光」とは、太陽光の下で撮影したときに最も適切にホワイトバランスを行うことができることを意味し、「日陰」とは、日陰で撮影したときに最も適切にホワイトバランスを行うことができることを意味し、「電球」とは、電球の下で撮影するときに最も適切にホワイトバランスを行うことができることを意味している。また、「蛍光灯」も同じように、蛍光灯の下で撮影するときに最も適切にホワイトバランスを行うことができることを意味している。
そして、ユーザのキー入力部16の十字キーの「↓」を操作することにより、「太陽光」の欄から「日陰」の欄が選択されている状態に切り替わる。つまり、十字キーの操作の「↓」を操作することにより「太陽光」→「日陰」→「電球」→「蛍光灯」→「マニュアル」というように順次欄が選択されていく。また十字キーの「↑」を操作すると、選択される欄の順序が十字キーの「↓」の操作と逆方向となる。
図20(r)の下部にホワイトバランスという文字が表示され、その右横に点線枠61(WBバー)がある。この点線枠61(WBバー)は、ホワイトバランスを調整するためのものであり、点線枠61(WBバー)には、横長の長方形の形状をしたもの(以下、長方形部)が5つ横に並んでいるのがわかる。この5つの長方形部の中で真ん中に位置する長方形部は白の色を有しており、左端に位置する長方形部は赤い色を有しており、右端に位置する長方形部は青い色を有している。また、真ん中と左端の間にある長方形部は薄赤の色を有しており、真ん中と右端の間にある長方形部は薄青の色を有している。つまり、この5つの長方形部は、真ん中は白の色を有しており、左にある長方形部ほど赤い色を有しており、右にある長方形部ほど青い色を有している。
また、点線枠61には、真ん中の長方形部の上に逆三角形の形状のもの(以下、調整部という)があり、これは真ん中が選択されている状態を示している。つまり、現在は標準でホワイトバランスを行う状態であることを示している。
すると、図21(t)に示すように、「白が赤味がかった白に写るのを補正します。色温度が低い白熱電灯照明の屋内撮影に適しています。」というようにどのようにホワイトバランスを行うかを示すホワイトバランスの説明文と、その横にサンプル画像が表示される。このときに、ユーザが実行キーを操作すると、色温度が低い白熱電灯照明の屋内撮影に適すようにホワイトバランスを行い、図18(k)に示すような画像に戻る。
つまり、ユーザはこの十字キーの操作により調整部を移動させて、説明文を参酌することにより適切なWBの調整を選ぶことができる。
つまり、この十字キーの操作により調整部を移動させる度に(ホワイトバランスの調整を行う度に)、ホワイトバランスの説明分とサンプル画像を表示させるので、この説明文などを参酌することにより初心者でも適切なホワイトバランスを行うことができる。
また、現在のホワイトバランスの設定状態の説明文をも表示させるようにしてもよい。
なお、「マニュアル」の欄ではなく、「日陰」等の欄を選択してSetキーを操作した場合にも、ホワイトバランスの説明文及びサンプル画像が表示させるようにしてもよい。
以上のようにビギナー仕様のWBの調整は、ホワイトバランスを調整する度に、そのホワイトバランスの説明文等を表示部15に表示させるので、ユーザはその説明文などを参酌することにより、簡易に適切なホワイトバランスを行うことが可能となる。
次に、図18(l)に示すようにプロ仕様の表示仕様、表示様式で被写体のスルー画像を表示しているときに、ユーザのキー入力部16のShiftキーの操作が行われると、WB設定モード(WBを設定することができる状態)に切り替わる。
図22(v)は、WBを設定することができる状態に切り替わったときの表示部15に表示される画像の様子を示すものである。図22(v)に示してあるように、枠64は、撮像画像の色度座標(x、y)の値を表示したものであり、現在は、x=0.31、y=0.31であることがわかる。また、63部は、色度図を示したものであり、この色度図上にxの色度座標を示す線62xと、yの色度座標を示す線62yとがある。この線62xと線62yの交点が撮影画像の色度座標(0.31、0.31)であることを示している。
なお、ユーザが線62xと線62yを動かすことにより色度座標を変更して、実行キーの操作が行われると、該変更された色度座標となるようにホワイトバランスを行うようにしてもよい。
ここで、ホワイトバランスの制御としては、現在の撮像信号の分光エネルギー分布から色度座標を求め、該求められた色度座標からユーザによって変更された色度座標となるように利得調整部11を制御することにより、ホワイトバランスの制御を行う。
なお、色度座標などが変更される度に、該変更された色度座標となるようにホワイトバランスを行うようにしてもよい。この場合には、実行キーの操作は不要である。
この線26x、線26yの位置変更は、ユーザのキー入力部16の十字キーの操作や、表示部15を直接触ることにより操作することにより(タッチパネルなど)変更することができる。
図23(y)の黒体輻射軌跡の上に表示されている、2000K、4000K、10000K等はケルビン単位で表した色温度を表しており、黒体輻射軌跡の下に表示されている0、100M、200M、500M等はMIRED単位で表した色温度を表している。このときに、この指針部66を動かすことにより色温度を変更させて、ユーザにより実行キーの操作が行われることにより該変更された色温度となるようにホワイトバランスを行うようにする。
この指針部66の位置変更は、ユーザのキー入力部16の十字キーの操作や、表示部15を直接触ることにより操作することにより(タッチパネルなど)変更することができる。
図24(z)の長方形部67は、撮像画像の色温度や分光エネルギー分布を示したものである。現在の色温度は6700K/149Mであることがわかる。
また、枠68(WBバー)は、上述したようにホワイトバランスを微調整するためのものであり、調整部を動かすことにより、ホワイトバランスを行うことができる。
なお、色度図は、XYZ表色系の色度図のほかに、RGB表色系の色度図、UVW表色系(CIE1960)のUV色度図、U*V*W*均等色空間(CIE1964)、CIELABのL*A*B*均等色空間、マンセル表色系など、他の表色系の色度座標、色度図、色度空間座標などに変換して表示してもよい。
この場合には、色相、彩度、明度等を表す指数等を操作することによりホワイトバランスの調整を行うようにしてもよい。
また、点線枠61や枠68などのWBバーは、図24(z´)に示すようなものでもよい。横長の長方形部72は、真ん中の位置が白の色を有しており、右端69に行けば行くほど青い色を有しており、左端70に行けば行くほど赤い色を有している。また、71は調整部であり、この調整部71を動かすことによりホワイトバランスの調整を行うことができる。点線枠61や枠68のようなWBバーでは、5段階のホワイトバランスの調整しかできないけれど、図24(z´)に示すようなWBバーによれば、微妙な調整を行うことができるからである。
図18(m)、図18(n)に示すようにヒストグラム表示仕様、スルー画像仕様で被写体のスルー画像を表示しているときに、ユーザのキー入力部16のShiftキーの操作が行われた場合にも、WB設定モード(WBを設定することができる状態)に切り替わる。
この場合には、ビギナー仕様と同様、図19(p)に示すような画像が表示され、ホワイトバランスの調整を行うことができる。しかし、ヒストグラム表示仕様、スルー画像仕様の場合には、図21(t)、(u)に示すような説明文やサンプル画像などは表示されない。つまり、図20(q)に示す状態で、Setキーの操作を行うと、図21(r)に示すような画像が表示部15に表示されることとなるが、調整部を移動させて、ホワイトバランスの調整を行っても説明文やサンプル画像は表示されない。
これにより、ビギナー仕様でホワイトバランスの調整に慣れたユーザは、いちいち、サンプル画像や説明文を参酌しなくてもホワイトバランスの調整を行うことができるので、説明文を表示させることによるユーザの感じる煩わしさを回避することができる。
第4の実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図25〜図27フローチャートにしたがって説明する。
ユーザのキー入力部9の操作によりモードが設定されると、設定されたモードが撮影モードであるか否かを判断する(ステップS251)。
撮影モードでない場合は、現在設定されたモードが設定モードであるか否かを判断する(ステップS252)。
ファインダ設定モードであると判断すると、ユーザによって選択された表示仕様、表示様式等をファインダの表示態様として設定する(ステップS255)。
ここで、ファインダの表示仕様、表示様式としては、ビギナー仕様、プロ仕様、被写体のスルー画像のみを表示させるスルー画像仕様、被写体のスルー画像とともにヒストグラムなどを表示させるヒストグラム表示仕様(ヒストグラム表示仕様)などがある。
一方、WBブラケットの設定でないと判断すると(ステップS256でNの分岐)、その他の設定処理を行う(ステップS258)。
そして、ズーム処理、AF処理を行ってから(ステップS260)、被写体のスルー画像の表示を行う(ステップS261)。
次いで、ステップS255で設定した表示仕様、表示様式などのカスタム仕様データを読み出す(ステップS262)。
一方、プロ仕様でないと判断すると(ステップSS263でNに分岐)、ビギナー仕様であるか否かを判断し(ステップS265)、ビギナー仕様であると判断するとビギナー仕様の表示仕様、表示様式で被写体のスルー画像を表示部15に表示させ(ステップS266)、ステップS269に進む。このときに表示部15には、図18(k)のような画像が表示される。
そして、ホワイトバランスの調整を行うと判断すると、ホワイトバランスの調整を行い(ステップS271)、ステップS269に戻る。
例えば、ビギナー仕様の場合に、図21(t)に示すような画像が表示されているときに、ユーザがキー入力部16の実行キーの操作を行うと、色温度が低い白熱電灯照明の屋内撮影に適すようにホワイトバランスを行う。また、プロ仕様の場合に、図22(v)に示すような画像が表示されており、色度座標がユーザによって変更され実行キーが操作された場合は、該変更された色度座標となるようにホワイトバランスを行う。
なお、ビギナー仕様でのWB設定モード時(ホワイトバランスの調整時)には、ステップS259で行なったWB処理、つまり、現在のホワイトバランスの設定状態の説明文を表示させるようにしてもよい。例えば、「色温度が7000Kと高い昼光色の蛍光灯照明での屋内撮影なので、青味がかかった白が白に写るように補正しました。」というような説明文を表示させるようにしてもよい。
ファインダ表示の切り替えを行わないと判断するとステップS269に戻り、ファインダ表示の切り替えを行なうと判断するとステップS273に進み、ファインダの切り替えを行う。
現在表示されている表示使用がビギナー仕様である場合には、ビギナー仕様(図20(k))からプロ仕様(図20(l))に切り替わり、現在表示されている使用がプロ仕様である場合には、プロ仕様(図20(l))からヒストグラム表示仕様(図20(m))というように順次切り換わる。そして、表示仕様の切り替えを行なうとステップS269に戻る。
一方、ブラケット撮影であると判断すると(ステップS274でYに分岐)、WBブラケット撮影を行い(ステップS276)、ステップS277に進み、その他のキー処理、表示処理などを行う。
また、ビギナー仕様でのホワイトバランスの調整時には、ホワイトバランスの説明文、サンプル画像などを表示させるので、初心者でもわかり易く、取扱説明書を参照しなくても、簡易に適切なホワイトバランスの設定を行うことができる。
また、プロ仕様でのホワイトバランスの調整時には、撮像画像の色度座標、色温度、黒体輻射軌跡、分光エネルギー分布などを表示させるので、設定の誤解や間違いがなく、また、上級者には豊富で直接的な情報を提供することができ、より精密、精確なホワイトバランスの調整を行うことができる。
また、不要なときは説明文や色度図を表示せず、必要なときは説明文や色度図を表示させることができる。
また、光学ファインダを設け、表示仕様の中に、表示消え仕様というものを設けてもよい。表示消え仕様とは、表示部15に被写体のスルー画像等を何も表示させない、つまり、表示部15が消灯している状態での仕様であることをいう。
2 撮像レンズ
3 駆動回路
4 絞り兼用シャッタ
5 垂直ドライバ
6 TG
7 CCD
8 サンプルホールド回路
9 アナログデジタル変換器
10 色分離回路
11 利得調整部
12 画像信号処理部
13 メモリ
14 制御回路
15 表示部
16 キー入力部
17 プリズム回折格子
18 センサアレイ
19 アンプ
20 アナログデジタル変換器
21 エネルギー分布表メモリ
22 刺激値演算部
23 ROM
24 色度座標演算部
25 色温度演算部
26 ホワイトバランス制御部
27 色度座標・色温度情報メモリ
28 仮想フィルタ特性演算部
31 デジタルカメラ
Claims (30)
- 被写体を撮像する撮像手段と、
入射された光源光を波長毎に分光する分光手段と、
前記分光手段により分光された波長毎の光源光の分光エネルギー分布を取得する分光取得手段と、
前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布から色温度を算出する色温度算出手段と、
前記色温度算出手段により算出された色温度に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うホワイトバランス制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - ホワイトバランスを高速に行うか否かを判断する第1の判断手段を備え、
前記分光取得手段は、
前記第1の判断手段によりホワイトバランスを高速に行うと判断された場合は、粗い波長単位毎の分光エネルギー分布を取得し、
前記色温度算出手段は、
前記分光取得手段により取得された粗い波長単位毎の分光エネルギー分布から粗い色温度を算出し、
前記ホワイトバランス制御手段は、
前記色温度算出手段により算出された粗い色温度に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 前記分光取得手段は、
前記第1の判断手段によりホワイトバランスを高速に行わないと判断された場合は、細かい波長単位毎の分光エネルギー分布を取得し、
前記色温度算出手段は、
前記分光取得手段により取得された細かい波長単位毎の分光エネルギー分布から精密な色温度を算出し、
前記ホワイトバランス制御手段は、
前記色温度算出手段により算出された精密な色温度に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うことを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。 - 前記第1の判断手段は、
連写静止画撮影モード、若しくは、動画撮影モードにおいては、ホワイトバランスを高速で行うと判断することを特徴とする請求項2又は3記載の撮像装置。 - 色温度が所定値より小さいか否かを判断する第2の判断手段を備え、
前記分光取得手段は、
粗い波長単位毎の分光エネルギー分布を取得し、
前記色温度算出手段は、
前記分光取得手段により取得された粗い波長単位毎の分光エネルギー分布から粗い色温度を算出し、
前記ホワイトバランス制御手段は、
前記第2の判断手段により前記色温度算出手段により算出された粗い色温度が所定値より小さくないと判断された場合は、該色温度算出手段により算出された粗い色温度に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 前記ホワイトバランス制御手段は、
前記第2の判断手段により前記色温度算出手段により算出された粗い色温度が所定値より小さいと判断された場合は、前記色温度算出手段により前記分光取得手段により取得された細かい波長単位毎の分光エネルギー分布から算出された精密な色温度に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うことを特徴とする請求項5記載の撮像装置。 - 被写体を撮像する撮像手段と、
入射された光源を波長毎に分光する分光手段と、
前記分光手段により分光された波長毎の光の分光エネルギー分布を取得する分光取得手段と、
前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布に基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うホワイトバランス制御手段と、
ユーザによって入力されたホワイトバランスの条件を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定されたホワイトバランスの条件にしたがって、前記ホワイトバランス制御手段によりホワイトバランスが行われた後の前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの補正制御を行うホワイトバランス補正制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記ホワイトバランスの条件は、
色度座標、色温度であることを特徴とする請求項7記載の撮像装置。 - 前記ホワイトバランス制御手段によりホワイトバランスが行われた後の前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の色度座標を算出する補正座標算出手段を備え、
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記設定手段により色度座標が設定された場合には、前記補正座標算出手段により算出された撮像信号の色度座標が前記設定手段により設定された色度座標となるようにホワイトバランスの補正制御を行うことを特徴とする請求項8記載の撮像装置。 - 前記補正座標算出手段により算出された色度座標から色温度を算出する補正色温度算出手段を備え、
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記設定手段により色温度が設定された場合には、前記補正色温度算出手段により算出された撮像信号の色温度が前記設定手段により設定された色温度となるようにホワイトバランスの補正制御を行うことを特徴とする請求項9記載の撮像装置。 - 連続して前記撮像手段による被写体の撮影を制御する連続撮影制御手段を備えたことを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の撮像装置。
- 前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により被写体の撮影を制御する度に、異なるホワイトバランスの条件を設定し、
前記ホワイトバランス補正制御手段は、
前記設定手段により設定されたホワイトバランスの条件にしたがって、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うことを特徴とする請求項11記載の撮像装置。 - ユーザがブラケティングさせるホワイトバランスの条件の補正間隔を入力するための補正間隔入力手段を備え、
前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により被写体の撮影の制御をするごとに、前記補正間隔入力手段により入力された補正間隔にしたがって、ホワイトバランスの条件を設定することを特徴とする請求項12記載の撮像装置。 - 前記補正間隔入力手段は、
更に、ブラケティングさせる補正順序、補正枚数を入力するための入力手段を備え、
前記設定手段は、
前記連続撮影制御手段により被写体の撮影を制御するごとに、前記補正間隔入力手段により入力された補正間隔、補正順序、補正枚数にしたがって、ホワイトバランスの条件をブラケティングさせて異なるホワイトバランスの条件を設定することを特徴とする請求項13記載の撮像装置。 - 被写体を撮像する撮像手段と、
ユーザが所望の分光エネルギー分布を設定するための設定手段と、
入射された光源光を波長毎に分光する分光手段と、
前記分光手段により分光された波長毎の光源光の分光エネルギー分布を取得する分光取得手段と、
前記分光取得手段により取得された分光エネルギー分布及び前記設定手段により設定された所望の分光エネルギー分布を用いて仮想的なカラー変換フィルタを算出する仮想フィルタ算出手段と、
前記仮想フィルタ算出手段により算出された仮想的なカラー変換フィルタに基づいて、前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うホワイトバランス制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記仮想フィルタ算出手段は、
前記分光取得手段により取得された光源光の分光エネルギー分布から光源光が撮像光学系を透過したときの光の波長帯毎の分光エネルギー分布をシミュレーション演算し、該演算した分光エネルギー分布と前記設定手段により設定された所望の分光エネルギー分布を用いて仮想的なカラー変換フィルタを算出することを特徴とする請求項15記載の撮像装置。 - 前記仮想フィルタ算出手段は、
前記分光取得手段により取得された光源光の分光エネルギー分布から前記撮像手段により撮像された被写体の撮像信号の分光エネルギー分布をシミュレーション演算し、該演算した分光エネルギー分布と前記設定手段により設定された所望の分光エネルギー分布を用いて仮想的なカラー変換フィルタを算出することを特徴とする請求項15又は16記載の撮像装置。 - 被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された被写体の画像、ホワイトバランスを調整させるための情報などを表示させるための表示手段と、
複数の表示仕様の中からユーザによって選択された表示仕様を表示仕様として設定する仕様設定手段と、
前記仕様設定手段により設定された表示仕様にしたがってホワイトバランスを設定させるための情報及び前記撮像手段により撮像された被写体の画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記複数の表示仕様は、
少なくともビギナー仕様、プロ仕様を含むことを特徴とする請求項18記載の撮像装置。 - 前記表示制御手段は、
前記仕様設定手段によりビギナー仕様が設定された場合には、ホワイトバランスの調整が行われるごとに、調整後のホワイトバランスがどのようにホワイトバランスを行うか等を説明するホワイトバランスの説明文を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項19記載の撮像装置。 - 前記表示制御手段は、
前記仕様設定手段によりビギナー仕様が設定された場合は、ホワイトバランスを調整させるための情報として、WBバーを表示させることを特徴とする請求項19又は20記載の撮像装置。 - 前記表示制御手段は、
WBバーの調整部が調整された場合には、調整後のホワイトバランスがどのようにホワイトバランスを行うか等を説明するホワイトバランスの説明文を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項21記載の撮像装置。 - 前記表示制御手段は、
説明文の他に、ホワイトバランス後のサンプル画像を表示させることを特徴とする請求項20乃至22の何れかに記載の撮像装置。 - 前記表示制御手段は、
前記仕様設定手段によりプロ仕様が設定された場合には、ホワイトバランスを調整させるための情報として、光源の分光エネルギー分布、又は、色度図及び該色度図上に色度座標や黒体輻射軌跡を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項19記載の撮像装置。 - 前記表示制御手段は、
前記表示手段に表示させる色度図及び色度座標の代わりに、U*V*W*均等色空間、CIELABのL*A*B*均等色空間、もしくはマンセル色空間などの色空間図及び色空間座標もしくは色相、彩度、明度等を表す指数等を表示させることを特徴とする請求項24記載の撮像装置。 - ユーザが表示仕様を切り替えるための切替手段を備え、
前記仕様設定手段は、
前記切替手段によって切り替えられた表示仕様を表示仕様として設定することを特徴とする請求項18乃至25記載の撮像装置。 - 被写体を撮像する撮像処理と、
入射された光源光を波長毎に分光する分光手段によって分光された波長毎の光源光の分光エネルギー分布を取得する処理と、
この処理により取得された分光エネルギー分布から色温度を算出する色温度算出処理と、
前記色温度算出処理により算出された色温度に基づいて、前記撮像処理により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行う処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。 - 被写体を撮像する撮像処理と、
入射された光源光を波長毎に分光する分光手段によって分光された波長毎の光源光の分光エネルギー分布を取得する処理と、
この処理により取得された分光エネルギー分布に基づいて、前記撮像処理により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行うホワイトバランス制御処理と、
ホワイトバランスの条件を設定する設定処理と、
前記設定処理により設定されたホワイトバランスの条件にしたがって、前記ホワイトバランス制御処理によりホワイトバランスが行われた後の前記撮像処理により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスの補正制御を行うホワイトバランス補正制御処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。 - 被写体を撮像する撮像処理と、
ユーザが選択した所望の分光エネルギー分布を設定する設定処理と、
入射された光源光を波長毎に分光する分光手段によって分光された波長毎の光源光の分光エネルギー分布を取得する処理と、
この処理により取得された分光エネルギー分布及び前記設定処理により設定された所望の分光エネルギー分布を用いて仮想的なカラー変換フィルタを算出する仮想フィルタ算出処理と、
前記仮想フィルタ算出処理により算出された仮想的なカラー変換フィルタに基づいて、前記撮像処理により撮像された被写体の撮像信号の利得を制御することによりホワイトバランスを行う処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。 - 被写体を撮像する撮像処理と、
ホワイトバランスを調整させるための情報を表示させる表示仕様を設定する仕様設定処理と、
前記仕様設定処理により設定された表示仕様にしたがってホワイトバランスを設定させるための情報及び前記撮像処理により撮像された被写体の画像を表示手段に表示させる処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。
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