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JP2006053158A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の電波を受信するアンテナの受信感度を劣化(低下)させることなく、裏蓋等の外装部品の一部又は全部を金属で形成した電子機器を実現することである。
【解決手段】電子機器の一種である腕時計1は、標準電波を受信するアンテナ32及び時計モジュール21を備える電波時計であり、ステンレスやチタン等の金属で形成されている時計ケース11や裏蓋23等を有して構成される筐体内部に、時計モジュール21やアンテナ32等が配置されている。そして、時計ケース11の内周面及び裏蓋23の内面(時計ケース11の内部側の面)のそれぞれには、アモルファス等の磁性材料で形成された磁性部材である磁性シート40a、40bが接着されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所定の電波を受信するアンテナを備えた電子機器に関する。
従来から、電子機器の一種である時計として、時刻データ(即ち、タイムコード)を含む標準電波を受信するバーアンテナを備え、このアンテナで受信した標準電波に基づいて時刻修正を行う電波時計が知られている。
バーアンテナには、近傍に金属部材がある場合、アンテナコイルに発生する磁束が近傍の金属を通過することで渦電流損が発生し、アンテナの受信感度が劣化するという問題がある。
そこで、特許文献1のように、腕時計ケースを、合成樹脂で形成すると共に、12時側のバンド取付部に、上方に向けて開口した凹部を形成し、この凹部にアンテナを収納することにより、金属製の裏蓋と離れるようにしている。
特開2002−98780号公報
樹脂製の腕時計ケースは、質感、重量感がなく、高級感がなかった。
上記事情に鑑み、本発明の目的は、アンテナの受信感度を劣化(低下)させることなく、裏蓋等の外装部品の一部又は全部を金属で形成できる電子機器を実現することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ケース(例えば、図1の時計ケース11)と、このケース下面に取り付けられた金属製の裏蓋(例えば、図1の裏蓋23)と、前記ケース内に収納されたアンテナ(例えば、図1のアンテナ32)と、前記裏蓋内面と前記アンテナとの間に配置され、前記裏蓋よりも透磁率が高い磁性部材と、(例えば、図1の磁性シート40a、40b)とを備えたことを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、アンテナと金属製の裏蓋との間に、アンテナに生じる反磁界を通過させるための磁性部材が配置された電子機器を実現できる。アンテナでは、コイル(巻線)内を通過(鎖交)する信号磁束(受信する所定の電波の磁界成分による磁束)の時間変化を妨げるような反磁界(磁束)が生じるが、このとき、反磁界は、磁気抵抗がより小さい経路を取るように分布する。即ち、アンテナに生じる反磁界は、ケースとの間に配置された磁性部材を通過し、裏蓋をほとんど通過しない。このため、裏蓋を反磁界が通過することによる渦電流損がほとんど生じない。従って、裏蓋を金属で形成することによるアンテナの受信感度の劣化(低下)が抑制される。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電子機器において、磁性部材は、前記ケース内面に設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は3に記載の電子機器において、前記ケース内には、電子モジュールが収容され、このモジュール内に前記アンテナ及び他の電子部品が収納され、前記磁性部材は、前記モジュールの外面に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項記載の電子機器において、磁性部材は、前記ケースよりも導電率が低いことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、アンテナ収納凹部が形成されたケース(例えば、図2の時計ケース12)と、このケースのアンテナ収納部に収納されたアンテナ(例えば、図2のアンテナ32)と、前記ケースのアンテナ収納凹部の開口を覆う金属製のカバー部材(例えば、図2のカバー部材14a)と、このカバー部材と前記アンテナとの間に配置され、前記カバー部材よりも透磁率が高い磁性部材(例えば、図2の磁性シート40d)とを備えたことを特徴とする。
この請求項5に記載の発明によれば、ケースに形成されたアンテナ収納凹部を覆うカバー部材を金属で形成した電子機器を実現できる。アンテナに生じる反磁界は、金属製のカバー部材との間に配置された磁性部材を通過し、カバー部材をほとんど通過しない。このため、カバー部材に磁束が通過することによる渦電流損がほとんど生じない。従って、カバー部材を金属で形成しても、アンテナの受信感度がほとんど劣化しない。
また、請求項6に記載の発明は、合成樹脂製のケース(例えば、図3の時計ケース15)と、このケース内に収容されたアンテナ(例えば、図3のアンテナ32)と、前記合成樹脂製のケースの外側に取り付けられる金属製の装飾部材(例えば、図3のベゼル27)と、前記ケースの外面と前記装飾部材との間に配置され、前記装飾部材よりも透磁率が高い磁性部材(例えば、図3の磁性シート40e)とを備えたことを特徴とする。
この請求項6に記載の発明によれば、合成樹脂製のケースの外側に金属性の装飾部材を取り付けた電子機器を実現できる。即ち、アンテナに生じる反磁界は、装飾部材との間に配置された磁性部材を通過し、装飾部材をほとんど通過しない。このため、アンテナを金属製の装飾部材が取り付けられたケース内に配置することによる受信感度の劣化(低下)が抑制される。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の電子機器において、磁性部材は、前記ケースよりも導電率が低いことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子機器において、前記磁性部材は、樹脂シートに磁性材料を分散させた磁性シートであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器において、前記ケース内に時刻を表示するためのモジュールが収容されていると共に、前記ケースに機器を腕に装着するためのバンドが取り付けられていることを特徴とする。
この請求項9に記載の発明によれば、外装部品を金属で形成してもアンテナの受信感度が劣化(低下)しない腕時計を実現できる。
本発明によれば、裏蓋等の外装部品の一部又は全部を金属で形成しても、アンテナの受信感度を劣化(低下)させることのない電子機器を実現することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
尚、以下では、本発明を、電子機器の一種である腕時計型の電波時計(以下、単に「腕時計」と称する。)に適用した場合を説明するが、本発明の適用がこれに限定されるものではない。
[第1実施形態]
先ず、第1実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態における腕時計1の概略縦断面図である。同図によれば、腕時計1は、外装部品である時計ケース11と外装部品である裏蓋23とを備え、時計ケース11と裏蓋23とで、電子機器の筐体を構成している。また、腕時計1の時計ケース11内には、時計モジュール31が収容され、この時計モジュール31には、標準電波を受信するアンテナ32が収納されている。また、時計ケース11の12時、6時方向には、電子機器を腕に装着するためのバンド10、10が取り付けられている。
アンテナ32は、バーアンテナであり、アモルファスやフェライト等の比透磁率が高く且つ導電率が小さい磁性材料で形成される棒形状のコアと、コアの周囲に銅等の導線を巻回させたコイルとを備えて構成される。そして、アンテナ32は、標準電波による磁界(以下、「信号磁界」と称する。)中に置かれると、この信号磁界による磁束(以下、「信号磁束」と称する。)が周囲の空間よりも比透磁率が高いコアに集中してコイルに鎖交し、コイルには、コイル内部での信号磁束の変化を妨げる向きに反磁界(磁束)を発生させるように誘導起電力が生じる。尚、標準電波は交流信号であるので、発生する誘導起電力は交流となる。
時計モジュール31には、更に、各種回路等を有するICチップと、時針や秒針等の指針34を文字盤33上で運針させるためのアナログ指針機構とを備えている。ICチップが有する回路要素としては、時計モジュール31の各部を制御するCPU等の制御ICと、アンテナ32のコイルと銅等のリード線で電気的に接続されてアンテナ32のコイルに生じた誘導起電力を検出し、検出した電気信号を増幅・復調して標準電波に含まれる時刻データ(即ち、タイムコード)を取り出す受信回路と、発振器を有して現在時刻を計時する計時回路とがある。制御ICは、受信回路で取り出された時刻データに基づいて計時回路による計時時刻を修正し、修正された現在時刻を示すようにアナログ指針機構を制御して指針34を運針させる等の処理を行う。
時計ケース11は、ステンレスやチタン等の金属で形成されており、環状の形状をなしている。また、時計ケース11の上面中央部には、時計ケース11内部の文字盤33を視認可能なように時計ガラス21がパッキン22を介して嵌められているとともに、下面には、時計ケース11と同様の金属で形成された裏蓋23が、防水リング24を介して取り付けられていて、筐体として構成されている。
そして、時計ケース11の内部においては、裏蓋23の上方に時計モジュール31が配置され、その更に上方に文字盤33が配置されている。アンテナ32は、時計モジュール31の12時側に収納されている。
また、時計ケース11の内周面及び裏蓋23の内面(時計ケース11の内部側の面;図中、上面)には、それぞれに磁性シート40a、40bが貼付等によって接着されている。磁性シート40a、40bは、樹脂シートに、アモルファスやフェライト等の磁性材料が配合されたものであり、時計ケース11や裏蓋23を形成する金属よりも比透磁率が高く且つ導電率が小さい磁性部材である。即ち、腕時計1は、アンテナ32と、金属形成された時計ケース11及び裏蓋23それぞれとの間に、磁性部材である磁性シート40a、40bが配置された構造となっている。
そして、信号磁界に対してアンテナ32に生じた反磁界(磁束)は、磁気抵抗がより小さい経路を取るように分布する。具体的には、磁性シート40aの比透磁率は、金属形成された時計ケース11のそれよりも大きい。このため、アンテナ32に生じた磁束のうち、時計ケース11の内周面に対向する部分の磁束は、磁気抵抗がより小さい磁性シート40a内を通過し、時計ケース11を通過する磁束は極めて少ない。また、磁性シート40bの比透磁率は、金属形成された裏蓋23のそれよりも大きい。このため、アンテナ32に生じた磁束のうち、裏蓋23の内面に対向する部分の磁束は、磁気抵抗がより小さい磁性シート40b内を通過し、裏蓋23を通過する磁束は極めて少ない。
つまり、時計ケース11及び裏蓋23を通過する磁束が極めて少ないため、渦電流がほとんど生じない。また、磁性シート40a、40bは、導電率が小さいため、磁束が通過しても渦電流がほとんど生じない。従って、アンテナ32に生じた反磁界による渦電流損がほとんど発生しないので、金属形成された時計ケース11の内部に収納(配置)することによるアンテナ32の受信感度の劣化(低下)が抑制される。
<作用・効果>
以上、第1実施形態における腕時計1によれば、金属形成された時計ケース11及び裏蓋23とアンテナ32の間に磁性部材である磁性シート40a、40bを配置したことにより、磁束が金属を通過することによる渦電流損がほとんど発生しないため、アンテナ32の受信感度の劣化(低下)が抑制される。
尚、図1において、時計ケース11を、金属ではなく、ABS樹脂等の合成樹脂で形成しても良い。この場合、時計ケース11の内周面に接着されている磁性シート40bは不要となり、裏蓋23の内面に接着されている磁性シート40aのみを備えれば良い。これは、時計ケース11を形成する合成樹脂は、磁束が通過しても渦電流が生じない、即ち渦電流が発生せず、アンテナ32の受信感度が劣化しないためである。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。
尚、第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一要素については同符合を付し、詳細な説明を省略する。
図2は、第2実施形態における腕時計2の概略縦断面図である。尚、同図中、右側は文字盤33の12時方向であり、左側は6時方向である。同図によれば、腕時計2は、筐体を構成する時計ケース12と裏蓋23を備えている。また、腕時計2は、アンテナ32と、時計モジュール31とを備えた電波時計である。
時計ケース12は、ABS樹脂等の合成樹脂で形成されており、環状の形状をなしていて、時計ガラス21がパッキン22を介して嵌められ、上面外周部には金属製のべゼル26が取り付けられている。また、時計ケース12には、文字盤33の12時及び6時の位置に対応する2箇所の側面部分に、外部側方へ延出した延出部13a、13bが設けられている。延出部13a、13bは、時計ケース12と同一材料で且つ一体的に形成された延出部分12a、12bと、この延出部分12a、12bの上面に取り付けられた外装部品であるカバー部材14a、14bと、から構成される。このカバー部材14a、14bは、金属で形成されている。
特に、12時の位置に形成されている延出部分12aには、上部に向けて開口した凹部が形成され、この凹部にアンテナ32が収納されている。そして、延出部分12aの上面に取り付けられたカバー部材14aの裏面(延出部分12aと対向する面;図中、下面)には、下方に向けて開口した凹部が形成されており、アンテナ32を覆っている。また、時計ケース12の延出部分12aには、アンテナ32のコイルと時計モジュール31とを電気的に接続するリード線を通すための連絡路(不図示)が設けられている。
また、アンテナ32に対向する面部分、即ち、延出部分12aに形成された凹部の内面、及び、カバー部材14aに形成された凹部の内面には、それぞれに磁性シート40c、40dが貼付等によって接着されている。即ち、腕時計2は、アンテナ32と、金属形成された裏蓋23及びカバー部材14aそれぞれとの間に、磁性部材である磁性シート40c、40dが配置された構造となっている。
そして、アンテナ32に生じた反磁界(磁束)は、磁気抵抗がより小さい経路を取るように分布する。具体的には、磁性シート40cの比透磁率は、金属形成された裏蓋23のそれよりも大きい。このため、アンテナ32に生じた磁束のうち、裏蓋23の内面に近接する部分の磁束は、より磁気抵抗が小さい磁性シート40c内を通過し、裏蓋23を通過する磁束は極めて少ない。また、磁性シート40dの比透磁率は、金属形成されたカバー部材14aのそれよりも大きい。このため、アンテナ32に生じた磁束のうち、カバー部材14aの凹部内面に対向する部分の磁束は、より磁気抵抗が小さい磁性シート40d内を通過し、カバー部材14aを通過する磁束は極めて少ない。
つまり、裏蓋23及びカバー部材14aを通過する磁束が極めて少ないため、渦電流がほとんど生じない。また、磁性シート40c、40dは、導電率が小さいため、磁束が通過しても渦電流がほとんど生じない。従って、アンテナ32に生じた反磁界による渦電流損がほとんど生じないので、カバー部材14aを金属形成することによるアンテナ32の受信感度の劣化(低下)が抑制される。
<作用・効果>
以上、第2実施形態における腕時計2によれば、金属形成された裏蓋23及びカバー部材14aとアンテナ32の間に磁性部材である磁性シート40c、40dを配置したことにより、磁束が金属を通過することによる渦電流損がほとんど発生しないため、アンテナ32の受信感度の劣化(低下)が抑制される。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。
尚、第3実施形態において、上述した第1、第2実施形態と同一要素については同符合を付し、詳細な説明を省略する。
図3は、第3実施形態における腕時計3の概略縦断面図である。同図によれば、腕時計3は、時計ケース15、裏蓋23及びベゼル27の外装部品を備え、時計ケース15、裏蓋23及びベゼル27で筐体を構成している。また、腕時計3は、アンテナ32を有する時計モジュール31とを備えた電波時計である。
時計ケース15は合成樹脂で形成されており、その上面外周部には、時計ケース15の外表面を装飾するために、金属で形成されたベゼル27が取り付けられている。そして、時計ケース15の内部においては、裏蓋23の上方にアンテナ32が配置され、その更に上方に文字盤33が配置されている。
また、裏蓋23の内面(時計ケース15の内部側の面;図中、上面)及びベゼル27の裏面(時計ケース15に対向している面;図中、下面)には、それぞれに磁性シート40b、40eが貼付等で接着されている。即ち、腕時計3は、アンテナ32と、金属形成された裏蓋23及びベゼル27とそれぞれとの間に、磁性部材である磁性シート40b、40eが配置された構造となっている。
そして、アンテナ32に生じた反磁界(磁束)は、磁気抵抗がより小さい経路を取るように分布する。具体的には、磁性シート40bの比透磁率は、金属形成された裏蓋23のそれよりも大きい。このため、アンテナ32に生じた磁束のうち、裏蓋23の内面に対向する部分の磁束は、磁気抵抗がより小さい磁性シート40b内を通過し、裏蓋23を通過する磁束は極めて少ない。また、磁性シート40eの比透磁率は、金属形成されたベゼル27のそれよりも大きい。このため、アンテナ32に生じた磁束のうち、ベゼル27の裏面に近接する部分の磁束は、磁気抵抗がより小さい磁性シート40e内を通過し、ベゼル27を通過する磁束は極めて少ない。
つまり、裏蓋23及びベゼル27を通過する磁束が極めて少ないため、渦電流がほとんど生じない。また、磁性シート40b、40eは、導電率が小さいため、磁束が発生しても渦電流がほとんど発生しない。従って、アンテナ32に生じた反磁界による渦電流損がほとんど発生しないので、アンテナ32の受信感度の劣化(低下)が抑制される。
<作用・効果>
以上、第3実施形態における腕時計3によれば、金属形成された裏蓋23及びベゼル27とアンテナ32との間に磁性部材である磁性シート40b、40eを配置したことにより、磁束が金属を通過することによる渦電流損のほとんど生じないため、アンテナ32の受信感度の劣化(低下)が抑制される。
[変形例]
尚、本発明の適用は、上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(1)磁性シートの配置位置と大きさ
例えば、上述した第1実施形態では、時計ケース11の内周面全体及び裏蓋23の内面全体に亘って、それぞれに磁性シート40a、40bが接着されることとしたが(図1参照)、部分的に接着されることとしても良い。具体的には、例えば図4に示すように、アンテナ32の近接部分に接着する。
図4は、腕時計4内に部分的に配置された磁性シートの配置位置及び大きさを説明するための図である。同図(a)は腕時計4の概略縦断面図であり、同図(b)は腕時計4の概略横断面図である。尚、同図では、説明の簡明のため、時計ケース11内部の時計モジュール31や文字盤33等を除いて示している。同図によれば、時計ケース11の内周面及び裏蓋23の内面のそれぞれには、アンテナ32に近接する一部分(図中、右半分)に、磁性シート40f、40gが接着されている。このように、アンテナ32に生じる反磁界(磁束)の分布に応じて、磁性シートの配置位置及び大きさを適宜変更して良い。
(2)磁性シートの貼付位置
また、上述した第1実施例では、時計ケース11の内周面全体及び裏蓋23の内面に、磁性シート40a、40bを貼り付けたが、時計モジュール31の外面に貼り付けてもよい。
図5は、磁性シート41a、41bを、時計モジュール31の外面に貼り付けた腕時計1を示した図であって、この腕時計は、時刻をデジタル的に表示する時計モジュール31を備えている。時計モジュール31は、合成樹脂製の上部ハウジング42と合成樹脂製の下部ハウジング43とを備え、上部ハウジング42内には、液晶表示装置44が収納され、上部ハウジング42の上側には、液晶表示装置44の露出領域を見切るための見切板45が配置されている。また、上部ハウジング42と下部ハウジング43との間には、ICチップ46が搭載された回路基板47が配置されている。回路基板47の上面は、インターコネクタ48を介して液晶表示装置44に電気的に接続され、回路基板47の下面にはアンテナ32が取り付けられている。下部ハウジング43には、アンテナ32を収納するアンテナ収納凹部43aと電池49を収納する電池収納孔43bとが形成されている。そして、時計モジュール31の周側面及び下面、即ち上部、下部ハウジング42、43の周側面及び下部ハウジング43の下面には、磁性シート41a、41bが貼り付けられている。下部ハウジング下面43の磁性シート41bには、電池49交換用の開口が形成されている。
(3)磁性部材の変形例
また、上述した各実施形態では、磁性部材として、磁性シートを用いたが、シート状に限らず剛体の磁性部材でもよい。例えば、磁性材料を混入した合成樹脂で、所定形状に成形したものでもよい。枠状に成形して、モジュールに被せるようにすることもできる。
(4)本発明を適用する電子機器
また、上述した各実施形態では、本発明を腕時計型の電波時計に適用した場合を説明したが、これに限らず、置き時計型や掛け時計型の電波時計の他、小型ラジオ等、電波を受信するアンテナを備えた電子機器であれば何れにも適用可能である。
第1実施形態における腕時計の概略断面図。 第2実施形態における腕時計の概略断面図。 第3実施形態における腕時計の概略断面図。 磁性シートを部分的に接着した腕時計の(a)概略縦断面図、(b)概略横断面図。 磁性シートを時計モジュールに貼り付けた腕時計の概略断面図。
符号の説明
1、2、3、4 腕時計
11、12、15 時計ケース
13a、13b 延出部
12a、12b 延出部分
14a、14b カバー部材
21 時計ガラス
23 裏蓋
26、27 ベゼル
31 時計モジュール
32 アンテナ
33 文字盤
40a〜40g、41a、41b 磁性シート

Claims (9)

  1. ケースと、
    このケース下面に取り付けられた金属製の裏蓋と、
    前記ケース内に収納されたアンテナと、
    前記裏蓋内面と前記アンテナとの間に配置され、前記裏蓋よりも透磁率が高い磁性部材と、
    を備えたことを特徴とする電子機器。
  2. 前記磁性部材は、前記裏蓋内面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記ケース内には、電子モジュールが収容され、このモジュール内に前記アンテナ及び他の電子部品が収納され、
    前記磁性部材は、前記モジュールの外面に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記磁性部材は、前記ケースよりも導電率が低いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器。
  5. アンテナ収納凹部が形成されたケースと、
    このケースのアンテナ収納部に収納されたアンテナと、
    前記ケースのアンテナ収納凹部の開口を覆う金属製のカバー部材と、
    このカバー部材と前記アンテナとの間に配置され、前記カバー部材よりも透磁率が高い磁性部材と、
    を備えたことを特徴とする電子機器。
  6. 合成樹脂製のケースと、
    このケース内に収容されたアンテナと、
    前記合成樹脂製のケースの外側に取り付けられる金属製の装飾部材と、
    前記ケースの外面と前記装飾部材との間に配置され、前記装飾部材よりも透磁率が高い磁性部材と、
    を備えたことを特徴とする電子機器。
  7. 前記磁性部材は、前記金属製の装飾部材よりも導電率が低いことを特徴とする請求項5又は6に記載の電子機器。
  8. 前記磁性部材は、樹脂シートに磁性材料を分散させた磁性シートであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子機器。
  9. 前記ケース内に時刻を表示するためのモジュールが収容されていると共に、
    前記ケースに機器を腕に装着するためのバンドが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器。
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