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JP2006043038A - ミシン - Google Patents

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JP2006043038A JP2004226586A JP2004226586A JP2006043038A JP 2006043038 A JP2006043038 A JP 2006043038A JP 2004226586 A JP2004226586 A JP 2004226586A JP 2004226586 A JP2004226586 A JP 2004226586A JP 2006043038 A JP2006043038 A JP 2006043038A
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sewing
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JP2004226586A
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Akira Kaiya
明 貝谷
Norihiko Asai
紀彦 浅井
Tsuneo Okuyama
恒雄 奥山
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Brother Industries Ltd
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    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B19/00Programme-controlled sewing machines
    • D05B19/02Sewing machines having electronic memory or microprocessor control unit
    • D05B19/04Sewing machines having electronic memory or microprocessor control unit characterised by memory aspects
    • D05B19/10Arrangements for selecting combinations of stitch or pattern data from memory ; Handling data in order to control stitch format, e.g. size, direction, mirror image

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Abstract

【課題】 外部からデータ送信網やデータ記録媒体を介して入手した縫製データがミシンに有する縫製機能の機能不足により縫製不可能であっても、可能な限り縫製し得るように、縫製データを修正できるようにすること。
【解決手段】
外部から供給された実用的模様の模様縫製データを読込み(S11)、先ず、読み込んだ模様表示データと、ディスプレイで表示可能な表示用画素数(縦×横)とカラー表示の階調数とに基づいて、実用的模様を表示可能か否か判別され(S12)、表示可能でない場合(S13:Yes )、表示可能なように模様表示データが修正される(S14)。一方、読み込んだ縫製データと、ミシンMに有する基本的機能及びオプション機能に基づいて、実用的模様を縫製可能か否かが判別され(S16、S17)、縫製可能でない場合に(S18:Yes )、修正する場合には(S20:Yes )、縫製可能なように縫製データが修正される(S21)。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ミシンに関し、特にユーザーが所有するミシンで達成できる縫製機能を最大限に生かして、データ送信網を介して又はデータ記録媒体を介して入手した実用模様や飾り模様等、刺繍模様以外の実用的な模様のデータを極力活用できるようにしたものに関する。
従来、家庭用の刺繍縫製可能な電子ミシンにおいては、ジグザグ縫目や直線縫目、飾り縫目等の実用的な模様が縫製できるだけでなく、刺繍枠を直交する2方向へ独立に移動駆動する刺繍枠駆動機構をベッド部に着脱可能に装着でき、ディスプレイを介して選択した所望の刺繍模様の刺繍データに基づいて、ミシンモータや刺繍枠駆動機構を駆動することで、刺繍枠にセットした布地に刺繍模様を形成することができる。
ところで、最近の刺繍縫いが可能な電子ミシンには、外部メモリであるROMカード用コネクタやフレキシブルディスク(FD媒体)のためのディスクドライブを装備し、市販されているROMカードやフレキシブルディスクを購入することで、これらROMカードやフレキシブルディスクに記録されている種々の模様のデータを読み込むことが可能になり、ミシンに予め記憶している模様以外の多種多様の模様を縫製できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−17757号公報 (第5〜6頁、図2)
前記特許文献1に記載の刺繍縫製可能なミシンにおいては、ユーザーが所有する電子ミシンに有する縫製機能を用いて縫製可能な縫製データやディスプレイで表示可能な表示データが記録されたROMカードやフレキシブルディスクだけを選別して購入するようにしてあるため、その購入したROMカードやフレキシブルディスクに記録されている各種の縫製模様を、容易に且つ綺麗に縫製できるようになっている。
しかし、最近では、データ通信網であるインターネットを介して、イラストや文字模様、飾り模様等、各種の実用的な模様の縫製データが配信されているため、ユーザーは所望の実用的な模様の縫製データをパーソナルコンピュータを介して容易に取り込むことが可能で、その取り込んだ縫製データに基づいて模様縫いが可能になっている。
この場合、インターネットにより配信される縫製データが、最新型の電子ミシンで縫製できるような汎用性を有するデータであっても、ユーザー各自が所有する電子ミシンによっては、例えば、送り歯による最大送りピッチや針棒揺動による最大針振り量等の基本的な縫製機能が異なったり、自動糸調子機能等のオプション的な縫製機能が装備されていないもの等、様々である。
そのため、インターネット上の種々の模様紹介サイトで、ユーザーが縫製したい所望の模様を見つけたとしても、その縫製模様の縫製データに、ユーザーのミシンに装備していない縫製機能を実現する基本的な機能データやオプション的な機能データが含まれている場合に、例え、その縫製模様が多少変形してでもよいから縫製したいような場合でも、縫製制御を行う上からエラーとなって縫製できず、取り込んだ模様の縫製を諦めざるを得ないという問題がある。
請求項1に係るミシンは、上下往復動する針棒を水平方向に揺動させる針振り機構と送り歯を有する布送り機構とを制御することにより模様を縫製可能な縫製手段と、ディスプレイを含む表示手段と、縫製手段と表示手段を制御する制御手段とを備えたミシンにおいて、外部からデータ送信網を介して又はデータ記録媒体を介して供給される縫製データを記憶する縫製データ記憶手段と、縫製データ記憶手段から読み出した縫製データに基づいて、この縫製データで指定された模様を縫製手段により縫製可能か否か判別する第1判別手段と、第1判別手段が縫製可能でないと判別した場合に、縫製手段により縫製可能な模様とするように縫製データを修正する第1データ修正手段とを、制御手段に設けたものである。
請求項2に係るミシンは、上下往復動する針棒を水平方向に揺動させる針振り機構と送り歯を有する布送り機構とを制御することにより模様を縫製可能な縫製手段と、ディスプレイを含む表示手段と、縫製手段と表示手段を制御する制御手段とを備えたミシンにおいて、外部からデータ送信網を介して又はデータ記録媒体を介して供給される模様表示データを記憶する表示データ記憶手段と、表示データ記憶手段から読み出した模様表示データに基づいて、この模様表示データで指定された模様を表示手段のディスプレイに表示可能か否か判別する第2判別手段と、第2判別手段が表示可能でないと判別した場合に、表示手段により表示可能な模様とするように模様表示データを修正する第2データ修正手段とを、制御手段に設けたものである。
請求項3に係るミシンは、請求項1の発明において、前記第1判別手段は、縫製データに含まれる針振りデータについて、縫製手段の針振り機構で実行可能な最大針振り量に基づいて判別するものである。
請求項4に係るミシンは、請求項1の発明において、前記第1判別手段は、縫製データに含まれる布送りピッチデータについて、縫製手段の布送り機構で実行可能な最大布送りピッチに基づいて判別するものである。
請求項5に係るミシンは、請求項1の発明において、前記第1判別手段は、縫製データに含まれる縫製速度データについて、縫製手段のミシンモータによる最大縫製速度に基づいて判別するものである。
請求項6に係るミシンは、請求項3の発明において、前記第1判別手段は、縫製データに含まれる基本縫製機能以外のオプション縫製機能を達成するオプション機能データについて、ミシンに有するオプション機能実現機構の有無に関するオプション縫製機能に基づいて判別するものである。
請求項7に係るミシンは、請求項3の発明において、前記第1データ修正手段は、第1判別手段の判別結果を受け、針振りデータが実行可能な最大針振り量を超える場合には、実行可能な最大針振り量で制限するように修正した修正縫製データを作成するものである。
請求項8に係るミシンは、請求項4の発明において、前記第1データ修正手段は、第1判別手段の判別結果を受け、布送りピッチデータが実行可能な最大布送りピッチを超える場合には、実行可能な最大布送りピッチで制限するように修正した修正縫製データを作成するものである。
請求項9に係るミシンは、請求項5の発明において、前記第1データ修正手段は、第1判別手段の判別結果を受け、縫製速度データが実行可能な最大縫製速度を超える場合には、実行可能な最大縫製速度で制限するように修正した修正縫製データを作成するものである。
請求項10に係るミシンは、請求項6の発明において、前記第1データ修正手段は、第1判別手段の判別結果を受け、オプション機能データによるオプション機能を実現させるオプション実現機構を備えていない場合には、オプション縫製機能に関するオプション機能データを削除により修正した修正縫製データを作成するものである。
請求項11に係るミシンは、請求項2の発明において、前記第2判別手段は、模様表示データを構成する縦方向の表示ドット数と横方向の表示ドット数について、ディスプレイを構成する縦方向画素数と横方向画素数とを含む表示用画素数に基づいて判別するものである。
請求項12に係るミシンは、請求項11の発明において、前記第2判別手段は、模様表示データに含まれるカラー表示のための階調データについて、前記ディスプレイでカラー表示可能な階調数に基づいて判別するものである。
請求項13に係るミシンは、請求項11の発明において、前記第2データ修正手段は、第2判別手段の判別結果を受け、縦方向の表示ドット数と横方向の表示ドット数がディスプレイの表示用画素数を超える場合には、ディスプレイの表示用画素数で表示可能なように模様表示データをデータ処理により修正した修正表示データを作成するものである。
請求項14に係るミシンは、請求項12の発明において、前記第2データ修正手段は、第2判別手段の判別結果を受け、階調データがディスプレイのカラー表示可能な階調数を超える場合には、ディスプレイで表示可能な白黒に2値化するデータ処理により修正した修正表示データを作成するものである。
請求項15に係るミシンは、請求項3〜6の何れかの発明において、前記第1判別手段により縫製可能でないと判別された場合に、その縫製可能でない旨が表示手段に表示されるように構成したものである。
請求項16に係るミシンは、請求項15の発明において、前記第1判別手段により縫製可能でないと判別された場合、第1データ修正手段による縫製データの修正を行うか否かを設定するための修正可否設定手段を制御手段に備えたものである。
請求項1の発明によれば、針振り機構と布送り機構とを制御することにより模様を縫製可能な縫製手段と、表示手段と、制御手段とを備えたミシンにおいて、縫製データ記憶手段と、第1判別手段と、第1データ修正手段とを設けたので、外部から供給された縫製データに、縫製機能達成のための種々の機能データが含まれていることから、本来、縫製手段で縫製不可能な縫製データであっても、その縫製データが縫製可能なように修正されるため、縫製機能の機能不足による縫製不可能な縫製データの縫製可能化を図ることができる。
請求項2の発明によれば、針振り機構と布送り機構とを制御することにより模様を縫製可能な縫製手段と、表示手段と、制御手段とを備えたミシンにおいて、表示データ記憶手段と、第2判別手段と、第2データ修正手段とを設けたので、外部から供給された模様表示データが、本来、表示手段で表示不可能な模様表示データであっても、その模様表示データが表示可能なように修正されるため、表示機能の機能不足による表示不可能な模様表示データの表示可能化を図ることができる。
請求項3の発明によれば、前記第1判別手段は、縫製データに含まれる針振りデータについて、縫製手段の針振り機構で実行可能な最大針振り量に基づいて判別するので、基本的な縫製機能である針振りデータの有効化について判別することができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項4の発明によれば、前記第1判別手段は、縫製データに含まれる布送りピッチデータについて、縫製手段の布送り機構で実行可能な最大布送りピッチに基づいて判別するので、基本的な縫製機能である布送りピッチデータの有効化について判別することができる。その他請求項3と同様の効果を奏する。
請求項5の発明によれば、前記第1判別手段は、縫製データに含まれる縫製速度データについて、縫製手段のミシンモータによる最大縫製速度に基づいて判別するので、基本的な縫製機能である縫製速度データの有効化について判別することができる。その他請求項3と同様の効果を奏する。
請求項6の発明によれば、前記第1判別手段は、縫製データに含まれる基本縫製機能以外のオプション縫製機能を達成するオプション機能データについて、ミシンに有するオプション機能実現機構の有無に関するオプション縫製機能に基づいて判別するので、オプション的な縫製機能を達成するオプション機能データ有効化について判別することができる。その他請求項3と同様の効果を奏する。
請求項7の発明によれば、前記第1データ修正手段は、第1判別手段の判別結果を受け、針振りデータが実行可能な最大針振り量を超える場合には、実行可能な最大針振り量で制限するように修正した修正縫製データを作成するので、模様の縫製に必要な針振り量を針振り機構で実行可能な最大針振り量で制限してでも有効化でき、縫製データによる針振り機能を極力発揮させることができる。その他請求項3と同様の効果を奏する。
請求項8の発明によれば、前記第1データ修正手段は、第1判別手段の判別結果を受け、布送りピッチデータが実行可能な最大布送りピッチを超える場合には、実行可能な最大布送りピッチで制限するように修正した修正縫製データを作成するので、模様の縫製に必要な布送りピッチを布送り機構で実行可能な最大布送りピッチで制限してでも有効化でき、縫製データによる布送り機能を極力発揮させることができる。その他請求項4と同様の効果を奏する。
請求項9の発明によれば、前記第1データ修正手段は、第1判別手段の判別結果を受け、縫製速度データが実行可能な最大縫製速度を超える場合には、実行可能な最大縫製速度で制限するように修正した修正縫製データを作成するので、模様の縫製に必要な縫製速度を縫製手段のミシンモータにより実行可能な最大縫製速度で制限してでも有効化でき、縫製データによる縫製速度機能を極力発揮させることができる。その他請求項5と同様の効果を奏する。
請求項10の発明によれば、前記第1データ修正手段は、第1判別手段の判別結果を受け、オプション機能データによるオプション機能を実現させるオプション実現機構を備えていない場合には、オプション縫製機能に関するオプション機能データを削除により修正した修正縫製データを作成するので、模様の縫製に際してオプション機能を実現できない場合でも、そのオプション機能データを削除してでも縫製データを有効化でき、縫製データを極力有効活用することができる。その他請求項6と同様の効果を奏する。
請求項11の発明によれば、前記第2判別手段は、模様表示データを構成する縦方向の表示ドット数と横方向の表示ドット数について、ディスプレイを構成する縦方向画素数と横方向画素数とを含む表示用画素数に基づいて判別するので、縫製模様の全体表示の可否について、端的に判別することができる。その他請求項2と同様の効果を奏する。
請求項12の発明によれば、前記第2判別手段は、模様表示データに含まれるカラー表示のための階調データについて、ディスプレイでカラー表示可能な階調数に基づいて判別するので、縫製模様のカラー表示の可否について、端的に判別することができる。その他請求項11と同様の効果を奏する。
請求項13の発明によれば、前記第2データ修正手段は、第2判別手段の判別結果を受け、縦方向の表示ドット数と横方向の表示ドット数がディスプレイの表示用画素数を超える場合には、ディスプレイの表示用画素数で表示可能なように模様表示データをデータ処理により修正した修正表示データを作成するので、模様表示データをディスプレイの表示用画素数で制限してでも有効化でき、縫製模様を極力最大限に表示させることができる。その他請求項11と同様の効果を奏する。
請求項14の発明によれば、前記第2データ修正手段は、第2判別手段の判別結果を受け、階調データがディスプレイのカラー表示可能な階調数を超える場合には、ディスプレイで表示可能な白黒に2値化するデータ処理により修正した修正表示データを作成するので、カラーの模様表示データを白黒表示に制限してでも有効化でき、縫製模様の表示化を可能にさせることができる。その他請求項12と同様の効果を奏する。
請求項15の発明によれば、前記第1判別手段により縫製可能でないと判別された場合に、その縫製可能でない旨が表示手段に表示されるように構成したので、ユーザーは縫製可能にならない縫製機能が何れであるのかを表示を介して容易に知ることができ、その表示により縫製すべきか否かの判断を可能にすることができる。その他請求項3〜6の何れかと同様の効果を奏する。
請求項16の発明によれば、前記第1判別手段により縫製可能でないと判別された場合、第1データ修正手段による縫製データの修正を行うか否かを設定するための修正可否設定手段を制御手段に備えたので、修正データを作成しない場合には、修正データを作成する無駄な処理を確実に回避させることができる。その他請求項15と同様の効果を奏する。
本実施形態におけるミシンは、外部メモリから読み込んだ縫製データについて、電子ミシンが基本的に備えている最大布送りピッチや最大針振り量等の基本的縫製機能を実現する基本機能データ、オプション的に備えている自動糸調子機能等のオプション的縫製機能を実現するオプション機能データを検索し、縫製機能の実現が不可能な場合でも、極力縫製できるように、縫製データを修正するようにしてある。
先ず、電子制御ミシン(以下、単にミシンと言う)Mについて簡単に説明する。図1に示すように、このミシンMは、一般的な家庭用の電子制御ミシンと同様のもので、ベッド部1と、ベッド部1の右端部から立設された脚柱部2と、脚柱部2の上端からミシンベッド部1に対向するように左方へ延びるアーム部3を有する。
ベッド部1の針板1aの下側には、送り歯を上下動させる送り歯上下動機構(図示略)及び前後動させる送り歯前後動機構(図示略)に加えて、送り歯を左右方向である横方向に移動させる横送り機構(図示略)、下糸ボビンを収容し縫針6と協働する全回転釜(図示略)、糸切り機構(図示略)等が設けられている。それ故、このミシンMは、横送り機能を備えている。
脚柱部2の前面には、大型でカラーの液晶ディスプレイ(以下、単にディスプレイという)10が設けられ、このディスプレイ10には、実用的模様の種々の縫目模様、縫製作業に必要な各種の機能を実行させる機能名、更には各種のメッセージ等が表示される。このミシンMにより、布送りと針振りとを組み合わせて、直線縫いやジグザグ縫いの実用模様だけでなく、文字模様、飾り模様等の種々の実用的な模様を縫製できるようになっており、以降において、これら実用模様、文字模様、飾り模様を含めて実用的模様と言う。
脚柱部2の側面には、外部記憶メモリであるROMカード9(これがデータ記録媒体に相当する)を装着可能になっており、コネクタ15aが設けられている(図2参照)。ROMカード9内のROM9aには、多種多様の実用的模様の模様表示データが模様番号と対応づけて記憶されている。
このディスプレイ10の前面には、複数の実用的な模様の模様名や各種の機能を実行させる機能名、布送り量や針振り量等の各種設定画面における数値設定等の表示位置の各々に対応させて、透明電極からなるタッチキー11を設けた操作パネルが設けられている。それ故、縫製に供する模様の選択や機能の指示や数値設定が、これらの設定画面に表示される模様表示部や設定部に対応するタッチキー11を押圧操作することで実現することができる。
アーム部3には、ミシンモータ30(図2参照)で回転駆動され左右方向に延びるミシン主軸(図示略)と、このミシン主軸を作業者により手動操作で回転可能なハンドプーリ8と、下端に縫針6を装着した針棒5を上下動させる針棒駆動機構と、針棒5を布送り方向と直交する方向に揺動させる針棒揺動機構(図示略)と、天秤を針棒5の上下動に調時して上下動させる天秤駆動機構(図示略)等が設けられている。
アーム部3には、更に、図示を省略するが、1対の糸調子皿を有する糸調子器が設けられるとともに、これら1対の糸調子皿による糸調子(糸張力)を、例えば図3に示すように、レベル1〜9の範囲で調節可能な自動糸調子調節機構が設けられ、その自動糸調子調節機構は糸調子用ステッピングモータ33(図2参照)で駆動可能に構成されている。糸張力は、糸調子レベル9の方が大きくなっている。それ故、このミシンMには自動糸調子機能を備えている。
アーム部3の前面側には、縫製作業の起動と停止を指令する起動停止スイッチ12等、各種のスイッチが設けられている。尚、送り歯上下動機構と針棒上下動機構とは、ミシンモータ30により駆動されるが、針棒を揺動させる針棒揺動機構は針棒揺動用ステッピングモータ31(図2参照)で駆動され、送り歯を前後駆動させる送り歯前後動機構は送り歯前後駆動用ステッピングモータ32(図2参照)で駆動され、横送り機構と横送り用ステッピングモータ34(図2参照)で駆動される。
次に、ミシンMの制御系について説明すると、図2に示すように、制御装置15(これが制御手段に相当する)は、入力インターフェース16と、CPU17とROM18及びRAM19と電気的に書換え可能な不揮発性のフラッシュメモリ20とを含むコンピュータと、出力インターフェース21と、これらを相互に接続するデータバス等のバス22と、駆動回路23〜27等を有する。
入力インターフェース16には、起動停止スイッチ12と、タッチキーを有する操作パネル11と、ミシン主軸の回転位置を検出する回転位置検出センサ28等が接続されている。出力インターフェース21には、これらモータ30〜34の為の駆動回路23〜27と、ディスプレイ(LCD)10の為のディスプレイコントローラ(LCDC)35等が接続されている。
ROM18には、各種の駆動機構を駆動制御するとともに、実用模様を選択する模様選択制御や各種の表示制御を含む縫製制御プログラムに加えて、本願特有の実用的模様のデータ処理制御の制御プログラム等が予め格納されている。ROM18の機能設定メモリ18aには、更に、図3に示すように、このミシンMで実用的模様を縫製する場合に実行される縫製機能のための縫製機能情報と、模様表示する場合の表示機能(所謂、スペック)が記憶されている。
その縫製機能情報を簡単に説明しておく。図3に示すように、本ミシンMにおいては、1回の布送り動作で実行される最大布送りピッチ「4mm」 、針棒5の最大針振り量「5mm」 、1回の横送り動作で実行される最大横送りピッチ「0.5 mm」 、ミシンモータ30による最大縫製速度「1000rpm 」 、自動糸調子範囲「レベル1〜9」、ディスプレイ10の模様表示領域として設けられた表示画素数「320×120ドット」、カラー表示の階調数「256」等が予め設定されている。
RAM19には、外部から供給される縫製データを記憶する縫製データ記憶メモリ19a(これが縫製データ記憶手段に相当する)、CPU17で演算処理した演算結果を収容する各種メモリ、ポインタ、カウンタ等が必要に応じて設けられている。
次に、制御装置15で実行される実用的模様のデータ処理制御のルーチンについて、図4〜9のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中の符号Si(i=11、12、13・・・)は各ステップである。
ROMカード9に記録されている複数の実用的模様のうちの1つが、ディスプレイ10の模様選択画面を介してタッチキー11の操作により選択されると、この制御が開始され、先ず、その選択された1つの実用的模様の模様縫製データ(模様表示データと縫製データとを含む)がROMカード9から読み込まれ、RAM19の縫製データ記憶メモリ19aに格納される(S11)。
例えば、図10に示す実用的模様(飾り模様)40の模様縫製データが縫製データ記憶メモリ19aに読み込まれた場合、その読み込まれた実用的模様40の模様縫製データとして、例えば図11に示すように、一般的に、模様表示データと、縫製データと縫いパラメータ等が含まれている。この場合、模様表示データとして、表示サイズ(縦方向ドット数×横方向ドット数)と、総画素数と、模様を表示するためのビットマップデータ等が設けられている。
縫製データとして、図12に示すように、総針数データに加えて、各針落ち点(第1針目針落ち点、第2針目針落ち点、第3針目針落ち点、・・・・第n針目針落ち点)毎に、布送りピッチデータFと針振りデータZと横送りデータSが格納されている。但し、横送りデータS0は横送りを実行しないデータであり、横送りデータS1が横送りを実行指示するデータである。
次に、模様縫製データに含まれる模様表示データについて、ディスプレイ10に有するカラー表示用画素数と、カラー表示の階調数とに基づく判別処理(図5参照)が実行される(S12)。この制御が開始されると、先ず、読み込んだ模様表示データに含まれている表示サイズ(縦方向表示ドット数と横方向表示ドット数)が演算される(S31)。
次に、その表示サイズと表示用画素数とが比較され、実用的模様40の模様表示領域の長さ方向(縦長又は横長)と、ディスプレイ10の模様表示領域の長さ方向(縦長又は横長)とが異なることから、模様表示可能でない場合には(S32:Yes )、表示不可能フラグD1がセットされる(S33)。しかし、実用的模様40の模様表示領域の長さ方向と、ディスプレイ10の模様表示領域の長さ方向とが同じであって、表示方向に関して模様表示可能な場合には(S32:No)、表示不可能フラグD1がリセットされる(S37)。
次に、模様表示データの階調データが演算される(S34)。この場合、模様のビットマップデータの各ドットデータに含まれるR,G,Bによるカラー表示のための画像構成のドット数に基づいて、階調データ(色数)が演算される。例えば、8ビットの画像構成ならば「256階調」である。
次に、その模様表示データの階調数とカラー表示の階調数とが比較され、模様表示データの階調数がカラー表示の階調数よりも大きいためにカラー表示可能でないときには(S35:Yes )、表示不可能フラグD2がセットされる(S36)。しかし、模様表示データの階調数がカラー表示の階調数以下であってカラー表示可能なときには(S35:No)、表示不可能フラグD2がリセットされ(S38)、この制御を終了して実用的模様40のデータ処理制御にリターンする。
次に、実用的模様40のデータ処理制御において、表示不可能フラグD1,D2の何れかがセットされており、模様表示データで指定された実用的模様40を表示可能でない場合には(S13:Yes )、模様表示データの修正処理(図6参照)が実行される(S14)。この制御が開始され、先ず、表示不可能フラグD1がセットされている場合であって(S41:Yes )、実用的模様40の模様表示領域の長さ方向とディスプレイ10の模様表示領域の長さ方向とが異なる場合には(S42:Yes )、実用的模様40の向きを90°回転させた修正表示データが作成される(S43)。
次に、実用的模様40の模様表示領域の長さ方向とディスプレイ10の模様表示領域の長さ方向とが合っている場合でも、実用的模様40の模様表示領域の縦方向と横方向の何れかが、ディスプレイ10の模様表示領域の縦方向と横方向の何れかよりも大きいために、実用的模様40の模様表示がディスプレイ10の模様表示領域よりも食みだして表示される場合には(S44:Yes )、その食みだし量に応じた縮小率が演算され、その縮小率に基づいて、実用的模様40を表示可能なように表示サイズを縮小した修正表示データが作成され(S45)、この制御を終了して、実用的模様のデータ処理制御にリターンする。
一方、表示不可能フラグD2がセットされている場合であって、模様表示データの階調数がカラー表示の階調数よりも大きい場合には(S46:Yes )、実用的模様40をフルカラーで表示できないことから、白黒用に2値化した修正表示データが作成され(S47)、同様にリターンする。ここで、カラー画像を2値化処理する場合、所定のしきい値を用いた平均濃度近似法等、種々の画像処理により実現することができる。
次に、実用的模様のデータ処理制御において、修正された模様表示データで指定された実用的模様40がディスプレイ10に表示される(S15)。例えば、実用的模様40の模様表示領域とディスプレイ10の模様表示領域とについて、縦方向と横方向とが同じであり、横方向寸法が同じであるが、縦方向サイズについては、ディスプレイ10の縦方向寸法の方が小さい場合には、図13に示すように、ディスプレイ10には、縦方向寸法が縮小された実用的模様40Aが表示される。
次に、模様縫製データに含まれる縫製データについて、基本縫製機能に基づく判別処理(図7参照)が実行される(S16)。この制御が開始されると、先ず、縫製データに含まれる針落ち点毎の全ての針振りデータが検索され、何れかの針振りデータがこのミシンMに有する基本的機能である最大針振り量よりも大きい場合には(S51:Yes )、縫製不可能フラグH1がセットされる(S52)。しかし、何れの針振りデータも最大針振り量以下の場合には(S51:No)、縫製不可能フラグH1がリセットされる(S57)。
次に、縫製データに含まれる針落ち点毎の全ての布送りピッチデータが検索され、何れかの布送りピッチデータがこのミシンMに有する基本的機能である最大布送りピッチよりも大きい場合には(S53:Yes )、縫製不可能フラグH2がセットされる(S54)。しかし、何れの布送りピッチデータも最大布送りピッチ以下の場合には(S53:No)、縫製不可能フラグH2がリセットされる(S58)。
次に、縫いパラメータに含まれる縫製速度データが検索され、このミシンMに有する基本的機能である最大縫製速度よりも大きい場合には(S55:Yes )、縫製不可能フラグH3がセットされる(S56)。しかし、指定された縫製速度データが最大縫製速度以下の場合には(S55:No)、縫製不可能フラグH3がリセットされ(S59)、この制御を終了して、実用的模様のデータ処理制御にリターンする。
次に、実用的模様のデータ処理制御において、縫製データについて、オプション機能に基づく判別処理(図8参照)が実行される(S17)。この制御が開始されると、先ず、縫製データに含まれる糸調子データが検索され、縫製データ中に糸調子データが含まれている場合であって(S61:Yes )、このミシンMに自動糸調子機能を有している場合には(S62:Yes )、更に、その糸調子データが自動糸調子範囲よりも大きい場合には(S63:Yes )、糸調子不可能フラグO1がセットされる(S64)。
しかし、ミシンMに自動糸調子機能を有していない場合には(S62:No)、糸調子不可能フラグO2がセットされ(S69)、この制御を終了する。また、糸調子データが自動糸調子範囲よりも小さい場合、即ち、糸調子データがミシンMの自動糸調子範囲内である場合には(S63:No)、糸調子不可能フラグO1がリセットされる(S70)。
次に、縫製データに含まれる横送りピッチデータが検索され、縫製データ中に横送りピッチデータが含まれている場合であって(S65:Yes )、このミシンMに横送り機能を有している場合には(S66:Yes )、更に、その横送りピッチデータが最大横送りピッチよりも大きい場合には(S67:Yes )、横送り不可能フラグO3がセットされ、実用的模様のデータ処理制御にリターンする(S68)。
しかし、ミシンMに横送り機能を有していない場合には(S66:No)、横送り不可能フラグO4がセットされ(S71)、この制御を終了してリターンする。また、横送りピッチデータが最大横送りピッチよりも小さい場合には(S67:No)、横送り不可能フラグO3がリセットされる(S72)。
次に、実用的模様のデータ処理制御において、不可能フラグO1〜O4の何れかがセットされており、縫製データで指定された実用的模様40を縫製可能でない場合には(S18:Yes )、セットされている不可能フラグO1〜O4に基づいて、縫製不可能な内容がエラーメッセージとしてディスプレイ10に表示される(S19)。
例えば、糸調子不可能フラグO1,O2がセットされている場合には、「自動糸調子機能を実行することが不可能です」が表示され、横送り不可能フラグO3,O4がセットされている場合には、「横送り機能を実行することが不可能です」が表示される。
ところで、ディスプレイ10に縫製不可能な内容がエラーメッセージとして表示された場合、ユーザーがその縫製不可能な内容を見て、それでも縫製データを修正する場合には、タッチキー11が有する「修正する」の機能キー操作により、修正実行が設定された場合には(S20:Yes )、後述の縫製データの修正処理(図9参照)が実行され(S21)、この制御を終了する。
縫製データの修正処理制御が開始され、縫製不可能フラグH1がセットされている場合には(S81:Yes )、各針落ち点毎の針振りデータのうち、このミシンMの最大針振り量を超える針振りデータについては、その最大針振り量で制限するように修正した修正縫製データが作成される(S82)。次に、縫製不可能フラグH2がセットされている場合には(S83:Yes )、各針落ち点毎の布送りピッチデータのうち、最大布送りピッチを超える布送りデータについては、その最大布送りピッチで制限するように修正した修正縫製データが作成される(S84)。
次に、縫製不可能フラグH3がセットされている場合には(S85:Yes )、指定された縫製速度をこのミシンMの最大縫製速度で制限するように修正した修正縫製データが作成される(S86)。一方、糸調子不可能フラグO1がセットされている場合には(S87:Yes )、最大糸調子の設定値を超える糸調子の値については、その最大糸調子の設定値で制限するように修正した修正縫製データが作成される(S88)。
しかし、糸調子不可能フラグO2がセットされている場合には(S91:Yes )、自動糸調子機能の実現が不可能であるため、全ての糸調子データを削除により修正した修正縫製データが作成される(S92)。次に、横送り不可能フラグO3がセットされている場合には(S89:Yes )、横送りピッチを最大横送りピッチで制限するように修正した修正縫製データが作成され(S90)、実用的模様のデータ処理制御にリターンする。
しかし、横送り不可能フラグO4がセットされている場合には(S93:Yes )、横送り機能の実現が不可能であるため、全ての横送りピッチデータを削除により修正した修正縫製データが作成され(S94)、同様にリターンする。
次に、このように構成された実用的模様のデータ処理の作用について説明する。先ず、縫製データの針落ち点における布送りピッチの殆どが最大布送りピッチよりも大きい場合には、例えば、図14に示すように、最大布送りピッチを超える布送りピッチの全てがミシンMの有する最大布送りピッチに制限されるため、実用的模様40Bの縦方向が短くなってはいるが、その縫製データが縫製可能なように修正されるため、縫製不可能な縫製データの縫製可能化を図ることができる。
また、縫製データの針落ち点における針振り量の最大値が「7mm」であり、図3に示すミシンMの最大針振り量である「5mm」よりも大きい場合には、例えば、図15に示すように、最大針振り量ha(5mm)を超える針振り量の全てが最大針振り量haに制限されるため、実用的模様40Cの幅方向が、本来の針振り量hに対して部分的に短くなってはいるが、その縫製データが縫製可能なように修正されるため、縫製不可能な縫製データの縫製可能化を図ることができる。
更に、縫製データの針落ち点における布送りピッチと針振り量とが、何れも、最大布送りピッチと最大針振り量よりも大きい場合には、図16に示すように、最大布送りピッチを超える布送りピッチの全てが最大布送りピッチに制限され、更に、最大針振り量を超える針振り量の全てが最大針振り量に制限されるため、図14と図15を含めたように、実用的模様40Dの縦方向が短くなり、しかも実用的模様40Dの幅方向も部分的に短くなってはいるが、その縫製データが縫製可能なように修正されるため、縫製機能の機能不足による縫製不可能な縫製データの縫製可能化を図ることができる。
ここで、針棒駆動機構と針棒揺動機構と針棒揺動用ステッピングモータ31と送り歯前後動機構と送り歯上下動機構と横送り機構と送り歯駆動用ステッピングモータ32等により縫製手段が構成されている。また、実用的模様のデータ処理制御のS16(図7)と、S17(図8)と、S18等により第1判別手段が構成され、実用的模様のデータ処理制御のS20(図9)等により第1データ修正手段が構成されている。また、実用的模様のデータ処理制御のS12(図5)、S13等により第2判別手段が構成され、実用的模様のデータ処理制御のS14(図6)等により第2データ修正手段が構成されている。更に、実用的模様のデータ処理制御のS19、S20等により修正可否設定手段が構成されている。
このように、縫製データに含まれる針振りデータについて、縫製手段の針振り機構で実行可能な最大針振り量に基づいて判別するので、基本的な縫製機能である針振りデータの有効化について判別することができる。しかも、その判別結果を受け、針振りデータが実行可能な最大針振り量を超える場合には、実行可能な最大針振り量で制限するように修正した修正縫製データを作成するので、模様の縫製に必要な針振り量を針振り機構で実行可能な最大針振り量で制限してでも有効化でき、縫製データによる針振り機能を極力発揮させることができる。
また、縫製データに含まれる布送りピッチデータについて、縫製手段の布送り機構で実行可能な最大布送りピッチに基づいて判別するので、基本的な縫製機能である布送りピッチデータの有効化について判別することができる。しかも、その判別結果を受け、布送りピッチデータが実行可能な最大布送りピッチを超える場合には、実行可能な最大布送りピッチで制限するように修正した修正縫製データを作成するので、模様の縫製に必要な布送りピッチを布送り機構で実行可能な最大布送りピッチで制限してでも有効化でき、縫製データによる布送り機能を極力発揮させることができる。
また、縫製データに含まれる縫製速度データについて、縫製手段のミシンモータ30による最大縫製速度に基づいて判別するので、基本的な縫製機能である縫製速度データの有効化について判別することができる。しかも、その判別結果を受け、縫製速度データが実行可能な最大縫製速度を超える場合には、実行可能な最大縫製速度で制限するように修正した修正縫製データを作成するので、模様の縫製に必要な縫製速度をミシンモータ30で実行可能な最大縫製速度で制限してでも有効化でき、縫製データによる縫製速度機能を極力発揮させることができる。
また、縫製データに含まれる基本縫製機能以外のオプション縫製機能を達成するオプション機能データについて、ミシンに有するオプション機能実現機構の有無に関するオプション縫製機能に基づいて判別するので、オプション的な縫製機能を達成するオプション機能データ有効化について判別することができる。しかもその判別結果を受け、オプション機能データによるオプション機能を実現させるオプション実現機構を備えていない場合には、オプション縫製機能に関するオプション機能データを削除により修正した修正縫製データを作成するので、模様の縫製に際してオプション機能を実現できない場合でも、そのプション機能データを削除してでも縫製データを有効化でき、縫製データを極力有効活用することができる。
更に、模様表示データを構成する縦方向の表示ドット数と横方向の表示ドット数について、ディスプレイ10を構成する縦方向画素数と横方向画素数とを含む表示用画素数に基づいて判別するので、縫製模様の全体表示の可否について、端的に判別することができる。しかも、その判別結果を受け、縦方向の表示ドット数と横方向の表示ドット数がディスプレイ10の表示用画素数を超える場合には、ディスプレイ10の表示用画素数で表示可能なように模様表示データをデータ処理により修正した修正表示データを作成するので、模様表示データをディスプレイ10の表示用画素数で制限してでも有効化でき、縫製模様を極力最大限に表示させることができる。
また、模様表示データに含まれるカラー表示のための階調データについて、ディスプレイ10でカラー表示可能な階調数に基づいて判別するので、縫製模様のカラー表示の可否について、端的に判別することができる。しかも、その判別結果を受け、階調データがディスプレイ10のカラー表示可能な階調数を超える場合には、ディスプレイ10で表示可能な白黒に2値化するデータ処理により修正した修正表示データを作成するので、カラーの模様表示データを白黒表示に制限してでも有効化でき、縫製模様の表示化を可能にさせることができる。
次に、前記実施の形態の変更形態について説明する。
1〕模様表示データに含まれるカラー表示のための階調データが、ディスプレイ10でカラー表示可能な階調数よりも大きい場合には、その大きな階調の上限と下限とを決めて、カラー表示可能な階調数に割り振るレベル調整を行う等して、表示可能な模様表示データをさせするようにしてもよい。
2〕縫製データに含まれる布送りピッチや針振り量の方がミシンMの最大布送りピッチや最大針振り量よりも大きい場合には、最大布送りピッチや最大針振り量が縫製データの最大布送りピッチや最大針振り量とするための縮小率を求め、各布送りピッチや針振り値をその縮小率で縮小するようにし、元の実用的模様と相似形の実用的模様を縫製できるようにしてもよい。
3〕縫製データに含まれる横送りの値が、ユーザーが有するミシンMによる最大横送りピッチの数倍に相当する場合、ミシンMに、オプション機能である針棒釈放機構が設けられている場合には、その針棒釈放機構を作動させることにより針棒上下動を複数針分に亙って中止し、その間に送り歯による横送りを複数回連続して実行させるようにしてもよい。
4〕ユーザーが有するミシンMに、自動糸調子機構を備えていない場合であって、縫製データ中に自動糸調子を設定する糸調子レベルの数値が含まれている場合には、その糸調子を変更する数針手前で縫製を一時的に中断し、ディスプレイ10にその旨を意味するメッセージ、例えば「糸調子レベルを手動操作で「4」に変更してください」を表示させるようにしてもよい。
5〕ミシンMにパーソナルコンピュータを接続し、そのパーソナルコンピュータを介して、例えばインターネット等の外部のデータ送信網から供給される各種の実用模様のデータを受信するようにしてもよい。
6〕模様表示データが画像データとして受信した画像データの種類が(例えば、JPEG、GIF、TIFF)等、多種類のデータであっても、これら多種類の画像データを表示可能に各種の画像処理を実行するようにしてもよい。
7〕本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、当業者でれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
本発明の実施例に係る電子制御ミシンの斜視図である。 電子制御ミシンの制御系のブロック図である。 機能設定メモリに記憶された縫製機能及び表示機能を示す図表である。 実用的模様のデータ修正制御のフローチャートである。 表示用画素数と階調数に基づく判別制御のフローチャートである。 模様表示データの修正処理制御のフローチャートである。 基本縫製機能に基づく判別処理制御のフローチャートである。 オプション縫製機能に基づく判別処理制御のフローチャートである。 縫製データの修正処理制御のフローチャートである。 読み込まれた実用的模様(飾り模様)を示す図である。 実用的模様の模様縫製データのデータ構成を説明する説明図である。 縫製データのデータ構成を説明する説明図である。 ディスプレイに表示された実用的模様の表示例を示す図である。 縫製データの布送りピッチを最大布送りピッチで制限した実用的模様の説明図である。 縫製データの針振り量を最大針振り量で制限した実用的模様の説明図である。 縫製データの布送りピッチ及び針振り量を最大布送りピッチ及び最大針振り量で制限した実用的模様の説明図である。
符号の説明
M 電子制御ミシン
9 メモリカード
10 ディスプレイ
15 制御装置
18 ROM
19 RAM
19a 模様縫製データ記憶メモリ

Claims (16)

  1. 上下往復動する針棒を水平方向に揺動させる針振り機構と送り歯を有する布送り機構とを制御することにより模様を縫製可能な縫製手段と、ディスプレイを含む表示手段と、縫製手段と表示手段を制御する制御手段とを備えたミシンにおいて、
    外部からデータ送信網を介して又はデータ記録媒体を介して供給される縫製データを記憶する縫製データ記憶手段と、
    前記縫製データ記憶手段から読み出した縫製データに基づいて、この縫製データで指定された模様を前記縫製手段により縫製可能か否か判別する第1判別手段と、
    前記第1判別手段が縫製可能でないと判別した場合に、前記縫製手段により縫製可能な模様とするように前記縫製データを修正する第1データ修正手段と、
    を前記制御手段に設けたことを特徴とするミシン。
  2. 上下往復動する針棒を水平方向に揺動させる針振り機構と送り歯を有する布送り機構とを制御することにより模様を縫製可能な縫製手段と、ディスプレイを含む表示手段と、縫製手段と表示手段を制御する制御手段とを備えたミシンにおいて、
    外部からデータ送信網を介して又はデータ記録媒体を介して供給される模様表示データを記憶する表示データ記憶手段と、
    前記表示データ記憶手段から読み出した模様表示データに基づいて、この模様表示データで指定された模様を前記表示手段のディスプレイに表示可能か否か判別する第2判別手段と、
    前記第2判別手段が表示可能でないと判別した場合に、前記表示手段により表示可能な模様とするように前記模様表示データを修正する第2データ修正手段と、
    を前記制御手段に設けたことを特徴とするミシン。
  3. 前記第1判別手段は、前記縫製データに含まれる針振りデータについて、前記縫製手段の前記針振り機構で実行可能な最大針振り量に基づいて判別することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  4. 前記第1判別手段は、前記縫製データに含まれる布送りピッチデータについて、前記縫製手段の前記布送り機構で実行可能な最大布送りピッチに基づいて判別することを特徴とする請求項3に記載のミシン。
  5. 前記第1判別手段は、前記縫製データに含まれる縫製速度データについて、前記縫製手段のミシンモータによる最大縫製速度に基づいて判別することを特徴とする請求項3に記載のミシン。
  6. 前記第1判別手段は、前記縫製データに含まれる前記基本縫製機能以外のオプション縫製機能を達成するオプション機能データについて、前記ミシンに有するオプション機能実現機構の有無に関するオプション縫製機能に基づいて判別することを特徴とする請求項3に記載のミシン。
  7. 前記第1データ修正手段は、前記第1判別手段の判別結果を受け、前記針振りデータが前記実行可能な最大針振り量を超える場合には、実行可能な最大針振り量で制限するように修正した修正縫製データを作成することを特徴とする請求項3に記載のミシン。
  8. 前記第1データ修正手段は、前記第1判別手段の判別結果を受け、前記布送りピッチデータが前記実行可能な最大布送りピッチを超える場合には、実行可能な最大布送りピッチで制限するように修正した修正縫製データを作成することを特徴とする請求項4に記載のミシン。
  9. 前記第1データ修正手段は、前記第1判別手段の判別結果を受け、前記縫製速度データが前記実行可能な最大縫製速度を超える場合には、実行可能な最大縫製速度で制限するように修正した修正縫製データを作成することを特徴とする請求項5に記載のミシン。
  10. 前記第1データ修正手段は、前記第1判別手段の判別結果を受け、前記オプション機能データによるオプション機能を実現させるオプション実現機構を備えていない場合には、オプション縫製機能に関するオプション機能データを削除により修正した修正縫製データを作成することを特徴とする請求項6に記載のミシン。
  11. 前記第2判別手段は、前記模様表示データを構成する縦方向の表示ドット数と横方向の表示ドット数について、前記ディスプレイを構成する縦方向画素数と横方向画素数とを含む表示用画素数に基づいて判別することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  12. 前記第2判別手段は、前記模様表示データに含まれるカラー表示のための階調データについて、前記ディスプレイでカラー表示可能な階調数に基づいて判別することを特徴とする請求項11に記載のミシン。
  13. 前記第2データ修正手段は、前記第2判別手段の判別結果を受け、縦方向の表示ドット数と横方向の表示ドット数が前記ディスプレイの表示用画素数を超える場合には、前記ディスプレイの表示用画素数で表示可能なように前記模様表示データをデータ処理により修正した修正表示データを作成することを特徴とする請求項11に記載のミシン。
  14. 前記第2データ修正手段は、前記第2判別手段の判別結果を受け、前記階調データがディスプレイのカラー表示可能な階調数を超える場合には、前記ディスプレイで表示可能な白黒に2値化するデータ処理により修正した修正表示データを作成することを特徴とする請求項12に記載のミシン。
  15. 前記第1判別手段により縫製可能でないと判別された場合に、その縫製可能でない旨が前記表示手段に表示されるように構成したことを特徴とする請求項3〜6に記載のミシン。
  16. 前記第1判別手段により縫製可能でないと判別された場合、前記第1データ修正手段による縫製データの修正を行うか否かを設定するための修正可否設定手段を前記制御手段に備えたことを特徴とする請求項15に記載のミシン。
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