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JP2006041296A - 薄型金属パッケージおよびその製造方法 - Google Patents

薄型金属パッケージおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
薄板状金属にセラミクス膜を形成したベース部材を基板に用い電子デバイスを収容してリッド部材で気密封止したパッケージの熱膨張による不具合を解消する小型・薄型金属パッケージを提供する。
【解決手段】
薄型金属パッケージは、金属薄板にセラミクス膜をコーティングしたベース部材10、リッド部材20およびこれら両部材間に配置し、気密封着された電子デバイスの水晶片30を具備し、ベース部材10に形成した導電パターン12を電極とした薄型金属パッケージである。ここで、ベース部材10の金属薄板の熱膨張率とこの上に搭載される電子デバイスの水晶の熱膨張率とはほぼ一致させ、ベース部材10での水晶片の配置を確実にして特性の安定化を図る。
【選択図】
図1

Description

本発明は、金属板にセラミクス膜を形成したベース上に水晶片等の電子デバイスを搭載して金属または絶縁材のリッドで封止する薄型金属パッケージとその製造方法に関し、特に、水晶振動子を収容し表面実装に好適する薄型金属パッケージおよびその製造方法に関する。
水晶振動子・フィルタ・発振器などの表面実装型電子部品デバイスは、所定のパッケージに水晶片・圧電デバイス片を収容して構成される。表面実装型パッケージとしてはベースとリッド(キャップ)の組み合わせで、たとえば、特許文献1および2に示されるように、金属ベースにリード端子がほうけい酸高融点ガラスで封着した金属パッケージで妨害電磁波の侵入を防ぐ構造のもの、電磁波の侵入を危惧しない場合での絶縁セラミックベースを用いたパッケージ、セラミックべースとその開口部を塞ぐ天板に透光性のガラスキャップを組み合わせて低融点ガラスで封着してレーザートリミングによる発振周波数調整を容易にしたもの、セラミックベースと金属キャップの組み合わせでベース側壁のスペーサの開口側上面にAgロー材の金属薄膜を形成し、金属キャップと溶接したものがある。さらに、特許文献3に示されるように、表面実装タイプとしてパッケージ全体を小型・薄型化した小型電子部品も知られている。
特開2003−124382号公報 特開2003−086723号公報 特開2003−023120号公報
すなわち、特許文献3が開示する小型電子部品は、金属板の表面が非導電性材料でコーティングされた基板と、この基板上に搭載された水晶片とこの水晶片を覆うようにして基板に固定された上板とからなり、この上板と基板との間に球形状のスペーサを介在して封止用接着剤で固定したものである。また、絶縁材には合成樹脂を使用して樹脂液中に金属板を浸漬させてコーティングすることを開示している。このような水晶振動子を搭載した小型電子部品のパッケージは、小型・薄型化の要請にマッチするものであり、特に、表面実装に好適するものとして利用されている。
ところが、特許文献3に示される小型電子部品は、機械的強度に注目して改善提案されたが、実用化においては使用する金属および絶縁材の選定や絶縁材のコーティング手法で多くの問題を抱えていた。たとえば、使用する部材間の熱膨張率の不整合からコーティングや搭載部品に剥離や亀裂の発生など不具合が生じたりしていた。また、絶縁材のコーティング手法に伴う不具合として絶縁層の不均一化が生じ、複数の導出端子用導電路の表面状態にばらつきが生じて端子の接続面が不揃いになったり、導出部分相互の直立平行度で一部に傾きが生じて修正を余儀なくされたりしていた。加えて、コーティング作業では高度な熟練と多大の工数を必要としたり、球形のスぺーサを必要としたりして、結果的にパッケージ加工コストと共に選択材料の原価コストが高くなり、表面実装に適するローコスト金属パッケーの提供が難しい。
したがって、本発明は上記の欠陥に鑑みて提案されたものであり、使用する金属および電子デバイスに対応した熱膨張率に着目した金属材の選定配慮およびセラミクス膜の絶縁材料の適切なる選定とコーティング手法の特定により安定したセラミクス膜付きベース部材の提供に着眼点をおき、独創的な構造と製作方法の工夫により加工費を安価にする表面実装に好適な薄型金属パッケージとその製造方法の提供を目的とする。
本発明の別の目的は、電子デバイスに水晶片を用いて金属パッケージに収納する際に生ずる不具合の反り剥がれの問題に着目して金属材の選択を水晶片と同様な熱膨張係数を有する金属とすることであり、それによって、パッケージ内に収容した水晶片の不安定な動作特性を解消するものである。また、金属薄板にセラミクス膜を形成したベース部材にキャビティー付きリッドを合体したり、ベース部材の全面に電子デバイスを搭載してリッド部材を含む三者を貼り合わせて合体する新規かつ改良された薄型金属パッケージの提供にある。
本発明によれば、金属薄板に絶縁材をコーティングしてセラミクス膜を形成したベース部材と、このセラミクス膜上に形成した導電パターン電極と、ベース部材上に搭載して導電パターン電極に接続配線した電子デバイスと、この電子デバイスをベース部材面に配置して封止するリッド部材とを具備し、金属薄板と電子デバイスの熱膨張係数を略同じ熱膨張係数に選定して、電子デバイスを含めてリッド部材の周辺部分とベース部材の周辺とを一体接合して気密封着した薄型金属パッケージを提供する。ここで、リッド部材は周辺部分に額縁状突出部を有し、封止用メタライズの介在で前記ベース部材の周辺部分と接合してキャビティ空間を形成し、このキャビティ空間に電子デバイスを収容したことを特徴とする構造の薄型金属パッケージ、あるいは、電子デバイスはベース部材とリッド部材とでサンドイッチ状に配置され、各部材の周辺部分に配置した低融点封止部材による貼り合わせで気密封着したことを特徴とする構造の薄型金属パッケージである。特に、金属薄板は熱膨張率15〜18ppm/℃のステンレスSUS304または403が選定され、絶縁材はAl、SiO、SiC、TiO、TiCおよび2MgO・SiO(フォルステライト)からなる絶縁材群から選ばれる少なくとも一種を使用する。
好ましくは、金属薄板は肉厚が0.1mm以下のSUS箔であり、セラミクス膜はAl、SiOおよび2MgO・SiOのいずれかを選択してその膜厚をパッケージの絶縁抵抗規格値の1.0E+03MΩ以上になるように、例えば4.0μm〜20.0μmの範囲内にしたベース部材を用いて製造した薄型金属パッケージを開示する。なお、絶縁抵抗試験は−60℃と+140℃との温度サイクル試験および温度85℃、湿度85%での恒温恒湿試験後の測定値である。
一方、本発明の薄型金属パッケージは、絶縁材を化学的蒸着(CVD)法またはエアロゾルデポジション(AD)法により金属薄板の全面にコーティングしてセラミクス膜を形成するベース部材を用いて製作される。この場合にセラミクス膜はAl、SiO、SiC、TiO、TiCおよびフォルステライトからなる絶縁材群から選ばれる少なくとも一種を使用して製作され、好ましくは、高い成膜レート(5〜50μm/分)のAD法でコーティングされ、セラミクス膜の膜厚を4.0μm〜20.0μmの範囲内にする。また、セラミクス膜はAl、SiOおよび2MgO・SiOから選ばれる微粒子化した絶縁材を使用し、金属薄板に低温・高速プロセスの下で噴射成形法により高速衝突(300m/秒〜1km/秒)させて形成する。
本発明の薄型金属パッケージは金属薄板にセラミクス膜を形成したベース部材に搭載される電子デバイスの熱膨張率にあわせてベース部材の金属薄板を選定するので、搭載される電子デバイスとベース部材との熱膨張率の相違による反りなどの不具合が発生しない。特に、セラミクス膜のコーティング手法としてCVDやAD法を利用するのでより高い成膜レート、たとえば、5〜50μm/分で製作するので成膜の不具合がなく、確実かつ容易に実現され低コスト化が期待される。さらに、ベース部材とリッド部材との合体接合には低融点封止材を使用したり、封止用メタライズを使用するので球形スペーサを使用する必要がなく、小型・薄型化に関する改善効果は著しく、かつ低コスト化の図れる水晶振動子用金属パッケージが提示される。
本発明の実施形態は、先ず、金属薄板の上下全面にAl、SiO、SiC、TiO、TiCおよびフォルステライトからなる絶縁材群から選ばれる少なくとも一種を使用し、CVD法やAD法でコーティングしてセラミクス膜を形成したベース部材が用意される。このベース部材上には導電パターン電極が所定位置に形成される。ここで第一の組立構造として、水晶片の電子デバイスがベース部材のセラミクス膜上の全面に搭載され周辺部分を低融点封止材で固定し、それぞれ電極が導電パターン電極に接続配線される。次に、ベース部材に固定された電子デバイスの水晶片は収容状態でリッド部材と低融点封止材で封着され、三者部材を貼り合わせた状態で封着される。第二の組立構造として、ベース部材上に搭載された電子デバイスの水晶片はキャビティ付きリッド部材でキャビティ内に配置され、ベース部材と周辺部分間の封止用メタライズで接合溶着される。注目すべきことは、金属薄板の熱膨張係数が搭載される電子デバイスの熱膨張係数と略同じ熱膨張係数の金属材から選択されていることである。また、第二の構造ではリッド部材の額縁状部分をベース部材の周辺に当接接合して電子デバイスをキャビティに収容して気密封着した薄型金属パッケージとなる。なお、電子デバイスが水晶片である場合、金属薄板は熱膨張率15〜18ppm/℃を有するステンレス材のSUS304または403が使用され、この金属薄板の肉厚は0.1mm以下の金属箔である。また、セラミクス膜はAl、SiO、SiC、TiO、TiCおよびフォルステライトから選ばれた絶縁材を絶縁抵抗値が所定の値、例えば、1.0E+03MΩ以上になるような膜厚範囲で形成する。
また、別の実施態様は、金属薄板にセラミクス膜を形成したベース部材とリッド部材からなる薄型金属パッケージは、金属薄板の全面に絶縁材をCVD法またはAD法により高い成膜レート、たとえば5〜50μm/分の成膜条件でコーティングして形成され、特に、金属薄板に微粒子化した絶縁材を低温・高速プロセスで、300m/秒〜1km/秒の高速衝突させる噴射成形法により形成する薄型金属パッケージの製造方法を提示する。
以下、図面を参照して本発明に係る実施例について詳述する。本発明の薄型金属パッケージは、図1にその分解斜視図を示すように、ステンレス材SUSの金属薄板にアルミナAl絶縁材のセラミクス膜をコーティングしたベース部材10と、リッド部材20と、これら両部材間のサンドイッチ状に配置される電子デバイスの水晶片30とにより構成される。ベース部材10とリッド部材20はそれぞれの周辺部分に低融点封止材22が塗着されており、水晶片の周辺部分と対接して気密封着される。ここでリッド部材20はガラス、水晶、石英等の絶縁材である。また、ベース部材10のセラミクス膜の所定位置には導電パターン12の電極が形成され電子デバイスの水晶片30の電極と接続される。ベース部材10に形成した導電パターン電極12はタングステンWで形成され、低融点封止材はガラスや金錫AuSnが使用される。ここで、金属薄板のステンレスの熱膨張率とこの上に搭載される電子デバイスの水晶の熱膨張率とはほぼ一致し、ベース部材10での水晶片30の配置を確実にして特性の安定化を図る。なお、ベース部材10は上述するように金属薄板にセラミクス膜を形成したものであり、パッケージでの絶縁抵抗値は1.0E+06〜1.0E+08MΩであった。
図2および図3は本発明の第2の実施例であり、べース部材15、キャビティ付きリッド部材25および両部材間に配置される電子デバイスの水晶片35からなる薄型金属パッケージの分解斜視図と要部部分断面図を示す。ベース部材15は、図2および3に示すように、スタッドおよび外部電極17がベース部材15を貫通して裏面側に延び、この電極17とベース部材15とはガラスまたポリマ樹脂等の絶縁材18を介在して固定配置される。このスタッド側の電極17には電子デバイスの水晶片35が接続配置され、この水晶片を収容するキャビティ付きリッド部材25がベース部材10と合体してキャビティスペースを形成する。ベース部材15とリッド部材25の接合はリッド部材25の周辺部分のフランジ27とベース部材15の周辺部分に配置形成した封止用メタライズ16とを図3に示すはんだおよびろう材28を用いて接合して気密封着される。メタライズ16はタングステンW、モリブデンMo、銅Cu、銀Ag系の封止材からなる。一方、リッド部材25はその周辺に突出部26が設けられており、いわゆる、キャビティ付リッドとして気密封着後にキャビティ空間を形成し、通常のパッケージ用フラットキャップ構造とは異なる。本発明と従来構造との相違点には、ベース部材10および15を構成する金属薄板が、電子デバイスである水晶片30、35の熱膨張率とほぼ同一の熱膨張率に選定されたことにある。具体的には、金属薄板の金属材は熱膨張係数が15〜18ppm/℃のSUS304またはSUS403が選択され、肉厚も薄型化に有利な0.1mm以下の好ましくはステンレス箔体が使用され、セラミクス膜が形成される。一方、セラミクス膜は、絶縁材料をサブミクロン粒径のα‐アルミナ微粒子を基材に吹き付け、焼結することなく常温で金属上に固化させて1μ以上で好ましくは4〜20μmのセラミクス厚膜をエアロゾルデポジション(AD)法により形成する。
次に本発明の薄型金属パッケージの製造方法について簡単に説明する。この薄型金属パッケージの製造方法は、先ず、金属薄板にAl、SiO、SiC、TiO、TiCおよびフォルステライトから選ばれる絶縁材の微粒子をCVDまたはエアロゾルデポジション(AD)法によりセラミクス膜を常温形成することである。次に、このセラミクス膜上に導電性パターンにより所定の内部電極および外部電極とその間の接続導電パターンまたは電極体を形成し、水晶片を所定位置に配置して電極接続して固着する。水晶片は所定の周波数調整を経てリッド部材をベース部材と合体して封止用接着材を用いて気密封着して完成する。本発明の製造方法の特徴は金属薄板にセラミクス膜をコーティングする成膜工程において、セラミクス微粒子を噴射させて常温衝撃固化現象を利用するエアロゾルデポジション(AD)法の採用がある。この方法では高い成膜レートでかつバインダレスで緻密な成膜が得られることであり、また、常温成膜が可能で基板との密着強度が高いなどの利点がある。
本発明は表面実装方式に好適する薄型金属パッケージであり、たとえば、ベース部材に搭載する水晶振動子を熱膨張率の基準で選択した金属薄板を用いて安定に固定するなど、特に薄型化電子部品に適した電子デバイス用金属パッケージの利用分野に適する。
本発明に係る第1実施例の薄型金属パッケージの主要構成部材を示す分解斜視図である。 同じく第2実施例の薄型金属パッケージの主要構成部材を示す分解斜視図である。 同じく第2実施例の薄型金属パッケージの主要構成部材の部分断面図である。
符号の説明
10、15;ベース部材、 12;導電パターン電極、 16;メタライズ、
17;スタッドおよび外部電極、 18;封止絶縁材、 20、25;リッド部材、
22;低融点封止材、 26;額縁状突出部、 27;フランジ、
28;はんだおよびろう材、 30、35;水晶片(電子デバイス)

Claims (9)

  1. 金属薄板に絶縁材をコーティングしてセラミクス膜を形成したベース部材と、このセラミクス膜上に形成した導電パターン電極と、前記ベース部材上に搭載して前記導電パターン電極に接続配線した電子デバイスと、前記電子デバイスを前記ベース部材に配置して封止するリッド部材とを具備し、前記金属薄板は前記電子デバイスの熱膨張係数と略同じ熱膨張係数を有する金属材が選択され、前記電子デバイスを前記リッド部材の周辺部分を前記ベース部材の周辺に一体接合して気密封着した薄型金属パッケージ。
  2. 前記リッド部材は周辺部分に額縁状突出部を有し、封止用メタライズの介在で前記ベース部材の周辺部分と接合してキャビティ空間を形成し、このキャビティ空間に前記電子デバイスを収容したことを特徴とする請求項1に記載の薄型金属パッケージ。
  3. 前記電子デバイスは前記ベース部材と前記リッド部材とでサンドイッチ状に配置され、前記各部材の周辺部分に配置した低融点封止部材による貼り合わせで気密封着したことを特徴とする請求項1に記載の薄型金属パッケージ。
  4. 前記金属薄板は熱膨張率15〜18ppm/℃を有するステンレス(SUS)材であり、かつ前記電子デバイスが水晶片であることを特徴とする請求項1ないし3に記載の薄型金属パッケージ。
  5. 前記セラミクス膜はAl、SiO、SiC、TiO、TiCおよびフォルステライトからなる絶縁材群から選ばれる少なくとも一種を使用して形成されたことを特徴とする請求項4に記載の薄型金属パッケージ。
  6. 前記金属薄板は肉厚が0.1mm以下のSUS箔であり、前記セラミクス膜は膜厚を4.0μm〜20.0μmの範囲内にしたことを特徴とする請求項5に記載の薄型金属パッケージ。
  7. 請求項1乃至4に記載の薄型金属パッケージの製造方法であって、前記ベース部材は金属薄板の全面に絶縁材を化学的蒸着(CVD)法またはエアロゾルデポジション(AD)法によりコーティングしてセラミクス膜を形成することを特徴とする薄型金属パッケージの製造方法。
  8. 前記セラミクス膜はAl、SiO、SiC、TiO、TiCおよびフォルステライトからなる絶縁材群から選ばれる少なくとも一種を使用して高い成膜レートのAD法でコーティングされ、前記セラミクス膜の膜厚を所定の絶縁抵抗値を維持する範囲内にすることを特徴とする請求項6に記載の薄型金属パッケージの製造方法。
  9. 前記セラミクス膜はAl、SiO、SiC、TiO、TiCおよびフォルステライトからなる絶縁材群から選ばれる少なくとも一種を微粒子化した絶縁材を使用し、前記金属薄板に低温・高速プロセスの下で噴射成形法により高速衝突させて形成することを特徴とする請求項7に記載の薄型金属パッケージ。

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