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JP2005532051A - ヒト化抗リンホトキシンβレセプター抗体 - Google Patents

ヒト化抗リンホトキシンβレセプター抗体 Download PDF

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JP2005532051A JP2004518186A JP2004518186A JP2005532051A JP 2005532051 A JP2005532051 A JP 2005532051A JP 2004518186 A JP2004518186 A JP 2004518186A JP 2004518186 A JP2004518186 A JP 2004518186A JP 2005532051 A JP2005532051 A JP 2005532051A
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Abstract

本発明は、リンホトキシンβレセプター(LT−β−R)に特異的なヒト化抗体、これらの抗体を産生する細胞株、これらの抗体により作製される免疫化学物質、および、これらの抗体を使用する診断方法に関する。本発明はまた、治療方法において、抗体単独、または、化学療法剤と組み合わせての抗体の使用に関する。別の実施形態において、本発明は、上記に列挙される抗体のように、LT−β−Rと同じエピトープに結合する抗体を含む。

Description

(関連出願)
本願は、以前の出願である、2002年7月1日に出願された米国仮特許番号60/392993および2002年10月9日に出願された米国仮特許番号60/417372に対する優先権を主張する。上記の関連出願の全内容は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、免疫ならびに癌の診断および治療の分野に属する。より具体的には、本発明は、リンホトキシンβレセプター(LT−β−R)に特異的なヒト化抗体、これらの抗体を産生する細胞株、この抗体から作製される免疫化学物質、および、この抗体を使用する診断方法に関する。本発明はまた、治療方法における、抗体の単独、または化学療法剤との組み合わせでの使用に関する。
リンホトキシンβレセプター(本明細書中ではLT−β−Rと呼ばれる)は、腫瘍壊死因子ファミリーのメンバーであり、これは、免疫系の発生、ならびに、濾胞樹状細胞および多数の間質性細胞型を含む、免疫系における多数の細胞の機能的な維持の両方において、十分に記載された役割を有する(Matsumotoら、Immunol.Rev.156:137(1997))。LT−β−Rに対する公知のリガンドとしては、LTα1/β2およびLIGHTと呼ばれる第2のリガンドが挙げられる(Mauriら、Immunity 8:21(1998))。LT−β−Rの活性化は、インビボにおいて、特定の癌細胞株のアポトーシス性の死を誘導することが示されている(PCT/US96/01386)。従って、LT−β−Rに結合し、かつ、その被験体に対して最小限の免疫原性を有する特異的ヒト化抗LT−β−R抗体を用いる処置は、被験体(例えば、ヒト)における新生物形成の進行、重篤度または作用を処置または軽減するのに有用である。
(発明の要旨)
本発明は、リンホトキシンβレセプター(LT−β−R)に特異的なヒト化抗体、これらの抗体を産生する細胞株、これらの抗体から作製される免疫化学物質および、これらの抗体を使用する診断方法を提供する。本発明はまた、治療方法において、抗体単独、または、化学療法剤と組み合わせての抗体の使用に関する。具体的には、本発明は、LT−β−R(例えば、ヒトLT−β−R)に特異的に結合するヒト化抗体を包含する。この抗体は、配列番号1のアミノ酸残基24〜34、50〜56および89〜97により規定される軽鎖相補性決定領域、および/または、配列番号2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および95〜102により規定される重鎖相補性決定領域を含み、さらに、その軽鎖中に、Y36、S49、T63およびF87のうちの少なくとも1つ(例えば、1、2、3または4)を含むか、または、その重鎖中に、Y27、T30、A67、L69およびF91(Kabat番号付け慣例)のうちの少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5または6)を含む。別の実施形態において、本発明は、上記に列挙される抗体のように、LT−β−Rと同じエピトープに結合する抗体を含む。
1つの実施形態において、本発明のヒト化抗体は、配列番号6のアミノ酸残基1〜107により規定される軽鎖可変ドメイン配列、および/または配列番号14のアミノ酸残基1〜113により規定される重鎖可変ドメイン配列を含む。ヒト化抗体はまた、実施例7に記載されるような、4型のhuBHA10を発現するCHO細胞株である「クローン3D9」(2002年9月27日に寄託された、ATCC特許寄託物名PTA−4726)により産生される抗体と同じ重鎖および/軽鎖ポリペプチド配列を含み得る。4型のhuBHA10を含むクローン3D9は、2002年9月27日に、American Type Culture Collection(ATCC),10801 University Boulevard,Manassas,VA 20110−2209に寄託され、PTA−4726の登録番号を割り当てられた。この寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条件の下で維持される。この寄託は、単に、当業者のための便宜としてなされた。
別の実施形態において、本発明のヒト化抗体は、親抗体(例えば、マウスモノクローナル抗体BHA10(WO96/22788に記載される)の結合特性を実質的に保持する。1つの実施形態において、本発明のヒト化抗体は、例えば、約1μM〜約10μM、あるいは、約10μM〜約20μM、あるいは、約20μM〜約30μM、あるいは、約30μM〜約40μM、あるいは、約40μM〜約50μM、あるいは、約50μM〜約60μM、あるいは、約60μM〜約70μM、あるいは、約70μM〜約80μM、そして、あるいは、約80μM〜約90μMの官能基親和性でLT−β−Rと結合し、官能性親和性は、BIACORE(すなわち、未標識の試薬を使用する表面プラズモン共鳴)により測定されるか、または、競合的結合アッセイにより測定される。
別の実施形態において、本発明のヒト化抗体は、免疫毒素の形態の、細胞傷害性部分または毒素(例えば、リシンA鎖またはシュードモナス毒素に連結されている。本発明のヒト化抗体はまた、化学療法薬物(例えば、アドリアマイシン、5−FU、ビンブラスチン、アクチノマイシンD、エトポシド、シスプラチン、メトトレキサートおよびドキソルビシン)に連結され得る。あるいは、本発明の抗体は、検出可能に標識され得る(例えば、放射性同位体のような検出可能な部分に連結される)。本発明はまた、併用療法を包含し、ここでは、例えば、細胞傷害性部分または毒素に連結されている本発明のヒト化抗体は、化学療法薬物に連結されている本発明のヒト化抗体と組み合わせて使用される。本発明はさらに、LT−β−Rを発現する腫瘍を有する哺乳動物(例えば、ヒト)への投与に適した組成物を包含し、この組成物は、哺乳動物への投与の際に腫瘍体積を減少するのに有効な量で各々存在する、a)ヒト化抗LT−β−R抗体単独、または、免疫毒素もしくは化学療法薬物の形態、およびb)細胞傷害性因子を含む。この細胞傷害性因子は、例えば、TNF−α、TNF−β、IL−1、IFN−γ、IL−2が挙げられ得る。あるいは、この細胞傷害性因子は、化学療法薬物であり得る。化学療法薬物としては、例えば、アドリアマイシン、5−FU、ビンブラスチン、アクチノマイシンD、エトポシド、シスプラチン、メトトレキサートおよびドキソルビシンが挙げられ得る。
本発明の抗体は、1つの実施形態において、任意のアイソタイプおよびサブタイプ(例えば、IgM、IgD、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgE、IgA1およびIgA2)の完全抗体(例えば、2つの全長軽鎖および2つの全長重鎖を有する)であり得、あるいは、本発明の抗体は、完全抗体の抗原結合フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)およびFv)であり得る。
薬学的に受容可能なキャリア、配列番号5についてのコード配列を含む単離された核酸;配列番号13についてのコード配列を含む単離された核酸;細胞株クローン3D9(2002年9月27日に寄託された、ATCC特許寄託物名PTA−4726)により産生された抗体の軽鎖についてのコード配列を含む単離された核酸;配列番号5の残基1〜107についてのコード配列を含む単離された核酸;細胞株クローン3D9(2002年9月27日に寄託された、ATCC特許寄託物名PTA−4726)により産生された抗体の重鎖についてのコード配列を含む単離された核酸;配列番号5の残基1〜107についてのコード配列を含む単離された核酸;および配列番号13の残基1〜120についてのコード配列を含む単離された核酸を含む組成物もまた、本発明に包含される。
ヒト化抗LTβR抗体を産生する細胞株(例えば、細胞株クローン3D9(ATCC特許寄託物名PTA−4726)が挙げられる)由来の細胞もまた、本発明に包含される。1つの実施形態において、この細胞株は、約250mg/L〜約300mg/Lの上記抗体を産生するか、あるいは、この細胞株は、約300mg/L〜約350mg/Lの上記抗体を産生するか、あるいは、この細胞株は、約350mg/L〜約400mg/Lの上記抗体を産生するか、あるいは、この細胞株は、約400mg/L〜約450mg/Lの上記抗体を産生するか、あるいは、この細胞株は、約450mg/L〜約500mg/Lの上記抗体を産生するか、あるいは、この細胞株は、約500mg/L〜約550 mg/Lの上記抗体を産生するか、この細胞株は、約550mg/L〜約600mg/Lの上記抗体を産生する。これらに細胞株により産生される抗体の濃度は、10日間の流加培養法からの回収力価として測定される。
本発明はまた、被験体(例えば、ヒト)における新生物形成の進行、重篤度または作用を処置または軽減する方法を提供し、この方法は、被験体に、本発明の抗体の有効量を投与する工程を包含する。有効量の組成物は、1回以上の投薬で投与され得る。別の実施形態において、本発明は、被験体(例えば、ヒト)における新生物形成の進行、重篤度または作用を処置または軽減する方法を提供し、この方法は、被験体に、本発明の抗体および細胞傷害性因子の有効量を投与する工程を包含する。この細胞傷害性因子としては、例えば、TNF−α、TNF−β、IL−1、INF−γ、IL−2が挙げられ得る。あるいは、この細胞傷害性因子は、化学療法薬物であり得る。この化学療法薬物としては、例えば、アドリアマイシン、5−FU、ビンブラスチン、アクチノマイシンD、エトポシド、シスプラチン、メトトレキサート、DM1およびドキソルビシンが挙げられる。
本発明はまた、本明細書中に記載される抗体の抗原結合フラグメントも記載する。本発明の1つの実施形態において、このフラグメントは、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab)フラグメントおよびFvフラグメントからなる群から選択される。
別の実施形態において、本発明の抗体または抗原結合フラグメントは、ポリエチレングリコールまたはアルブミン(albumen)と結合体化される。なお別の実施形態において、本発明の抗体の定常領域は、改変されていない抗体と比較して、少なくとも1つの定常領域媒介性の生物学的エフェクター機能が減少するように改変されている。なお別の実施形態において、本発明の抗体または抗原結合フラグメントは、変更されたエフェクター機能を有するFc領域を含む。
本発明はまた、3D9(ATCC登録番号PTA−4726)からなるハイブリドーマ細胞を記載する。1つの実施形態において、本発明のハイブリドーマ細胞は、ヒト化抗体、または、その抗原結合部分を産生する。
別の実施形態において、本発明は、モノクローナル抗体BHA10由来の相補性決定領域(CDR)および可変領域フレームワークのアミノ酸残基Y36、S49およびF87(Kabat番号付けシステム)を含む軽鎖を提供し、この軽鎖の残りは、ヒト抗体由来である。なお別の実施形態において、本発明は、モノクローナル抗体BHA10由来の相補性決定領域(CDR)および可変領域フレームワークのアミノ酸残基Y27およびT30(Kabat番号付けシステム)を含む重鎖を提供し、この重鎖の残りは、ヒト抗体由来である。なお別の実施形態において、本発明のヒト化抗体は、上記重鎖および軽鎖を含む。
1つの実施形態において、本発明のヒト化抗体は、リンホトキシン−βレセプター(LT−β−R)に結合する。
本発明はまた、配列番号1に示されるBHA10の可変軽鎖配列のCDRを含むヒト化抗体を提供する。別の実施形態において、本発明は、配列番号2に示されるBHA10可変重鎖配列のCDRを含むヒト化抗体を提供する。
本発明は、LT−β−Rに特異的に結合し、マウスBHA10抗体由来のCDRに対応するCDRを含む可変領域を含む、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメントを記載する。1つの実施形態において、このフラグメントは、Fabフラグメントである。
なお別の実施形態において、本発明は、患者における癌を処置または軽減する方法を記載し、この方法は、この患者に、本発明のヒト化抗体の有効投薬量を投与する工程を包含する。本発明はまた、患者における固形腫瘍を処置または減少する方法を記載し、この方法は、この患者に、本発明のヒト化抗体の有効投薬量を投与する工程を包含する。本発明の1つの実施形態において、この固形腫瘍は、非小細胞肺癌(NSCLC)、直腸結腸癌(CRC)、乳癌、前立腺癌、胃癌(gastric cancer)、皮膚癌、胃癌(stomach cancer)、食道癌および膀胱癌からなる群から選択される。
(詳細な説明)
(配列同定番号)
明細書中にて言及されるヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、以下の配列同定番号が与えられている。
配列番号1−マウスBHA10軽鎖可変(VL)ドメインのアミノ酸配列。
配列番号2−マウスBHA10重鎖可変(VH)ドメインのアミノ酸配列。
配列番号3−ヒト化BHA10軽鎖可変ドメイン(1型−VL#1)の核酸配列。
配列番号4−ヒト化BHA10軽鎖可変ドメイン(1型−VL#1)のアミノ酸配列。
配列番号5−ヒト化BHA10軽鎖可変ドメイン(2型−VL#2)の核酸配列。
配列番号6−ヒト化BHA10軽鎖可変ドメイン(2型−VL#2)のアミノ酸配列。
配列番号7−ヒト化BHA10軽鎖可変ドメイン(3型−VL#3)の核酸配列。
配列番号8−ヒト化BHA10軽鎖可変ドメイン(3型−VL#3)のアミノ酸配列。
配列番号9−ヒト化BHA10重鎖可変ドメイン(1型−VH#1)の核酸配列。
配列番号10−ヒト化BHA10重鎖可変ドメイン(1型−VH#1)のアミノ酸配列。
配列番号11−ヒト化BHA10重鎖可変ドメイン(2型−VH#2)の核酸配列。
配列番号12−ヒト化BHA10重鎖可変ドメイン(2型−VH#2)のアミノ酸配列。
配列番号13−ヒト化BHA10重鎖可変ドメイン(3型−VH#3)の核酸配列。
配列番号14−ヒト化BHA10重鎖可変ドメイン(3型−VH#3)のアミノ酸配列。
配列番号15−軽鎖#2(VL#2+軽鎖定常ドメインヒトκを含む)のアミノ酸配列。
配列番号16−重鎖#3(VH#3+重鎖定常ドメインヒトIgG1を含む)のアミノ酸配列。
配列番号17〜配列番号58−種々のプライマー。
配列番号59−軽鎖#2(VL#2+軽鎖定常ドメインヒトκを含む)+開始コドン+シグナル配列の核酸配列。
配列番号60−軽鎖#2(VL#2+軽鎖定常ドメインヒトκを含む)+開始コドン+シグナル配列のアミノ酸配列。
配列番号61−重鎖#3(VH#3+重鎖定常ドメインヒトIgG1を含む)+開始コドン+シグナル配列の核酸配列。
配列番号62−重鎖#3(VH#3+重鎖定常ドメインヒトIgG1を含む)+開始コドン+シグナル配列のアミノ酸配列。
(定義)
用語「ヒト化抗体」または「新形態化抗体(reshaped antibody)」(本明細書中で交換可能に使用される)は、親抗体の抗原結合特性は保持するか、または、実質的に保持するが、好ましくは、ヒトにおいて免疫原性が少ない、非ヒト親抗体(代表的にはマウス)由来の少なくとも1種のヒト化免疫グロブリン鎖または抗体鎖(すなわち、少なくとも1種のヒト化軽鎖または重鎖)を含む抗体を指す。用語「ヒト化免疫グロブリン鎖」または「ヒト化抗体鎖」(すなわち、「ヒト化免疫グロブリン軽鎖」または「ヒト化免疫グロブリン重鎖」)は、実質的にヒト免疫グロブリンまたは抗体由来の可変フレームワーク領域、および実質的に非ヒト免疫グロブリンまたは抗体由来の相補性決定領域(CDR)(例えば、少なくとも1つのCDR、好ましくは、2つのCDR、より好ましくは、3つのCDR)を含み、かつ、さらに、定常領域(例えば、軽鎖の場合は、少なくとも1つの定常領域またはその部分、そして、重鎖の場合は、好ましくは、3つの定常領域)を含む可変領域を有する、免疫グロブリン鎖または抗体鎖(すなわち、それぞれ、軽鎖または重鎖)を指す。
用語「領域」は、抗体鎖または抗体鎖ドメインの一部または部分(例えば、本明細書中に規定されるような、重鎖もしくは軽鎖の一部もしくは部分、または、定常ドメインもしくは可変ドメインの一部もしくは部分)、ならびに、上記鎖またはドメインのより分離した一部もしくは部分を指し得る。例えば、軽鎖および重鎖または、軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインは、本明細書中で規定されるような、「フレームワーク領域」すなわち、「FR」の間に点在している、「相補性決定領域」すなわち「CDR」を含む。
用語「相補性決定領域(CDR)」は、本明細書中で使用される場合、Kabatら、Sequence of Proteins of Immunological Interest、第5版、The United States Department of Health and Human Services,The United States Government Printing Office,1991により描写されたような、ネイティブな免疫グロブリン結合部位の天然のFv領域の結合親和性および結合特異性を一緒に規定するアミノ酸配列をいう。
用語「フレームワーク領域(FR)」は、本明細書中で使用される場合、CDR間に点在するアミノ酸配列をいう。抗体のこれらの部分は、CDRを適切な方向(CDRが抗原に結合することを可能にする)に保持するように機能する。
本明細書中で使用される場合、用語「定常領域(CR)」は、エフェクター機能を与える抗体分子の部分をいう。代表的には、非ヒト(例えば、マウス)の定常領域が、ヒトの定常領域により置換される。本発明のキメラ抗体またはヒト化抗体の定常領域は、代表的には、ヒト免疫グロブリン由来である。重鎖定常領域は、5つのアイソタイプ:α、δ、ε、γまたはμのうちのいずれかから選択され得る。さらに、種々のサブクラスの重鎖(例えば、重鎖のIgGサブクラス)は、異なるエフェクター機能を担い、従って、所望の重鎖定常領域を選択することにより、所望のエフェクター機能を有する抗体が産生され得る。好ましい定常領域は、γ1(IgG1)、γ3(IgG3)およびγ4(IgG4)である。γ1(IgG1)アイソタイプのFc領域がより好ましい。軽鎖定常領域は、κ型またはλ型であり得、好ましくは、κ型であり得る。1つの実施形態において、軽鎖定常領域は、ヒトκ定常領域であり(Heiterら(1980)Cell 22:197−207)、そして、重鎖定常領域は、ヒトIgG1定常鎖である(Ellisonら(1982)Nucleic Acids Res.10:4076−4079)。
用語「キメラ抗体」は、本明細書中で使用される場合、第1種由来の可変領域を含み、かつ、第2種由来の定常領域を含む抗体をいう。代表的には、キメラ抗体は、ヒト抗体フラグメントおよびマウス抗体フラグメントを含み、一般には、ヒト定常領域およびマウス可変領域を含む。
免疫グロブリンまたは抗体は、単量体形態または多量体形態で存在し得る(例えば、五量体形態で存在するIgM抗体および/または単量体、二量体または多量体の形態で存在するIgA抗体)。用語「フラグメント」は、インタクトもしくは完全な抗体または抗体鎖よりも少ないアミノ酸残基を含む抗体または抗体鎖の一部もしくは部分をいう。フラグメントは、インタクトもしくは完全な抗体または抗体鎖の化学処理もしくは酵素的処理により得られ得る。フラグメントはまた、組換え的手段により得られ得る。例示的なフラグメントとしては、Fab、Fab’、F(ab’)、Fabcおよび/またはFvフラグメントが挙げられる。用語「抗原結合フラグメント」は、抗原に結合するか、または、抗原結合(すなわち、特異的結合)についてインタクトな抗体(すなわち、その抗体が由来するインタクトな抗体)と競合する免疫グロブリンまたは抗体のポリペプチドフラグメントをいう。
結合フラグメントは、組換えDNA技術によってか、または、インタクトな免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的切断により産生される。結合フラグメントとしては、Fab、Fab’、F(ab’)、Fabc、Fv、単鎖および単鎖抗体が挙げられる。「二特異的」すなわち「二機能的」免疫グロブリンまたは抗体を除くと、免疫グロブリンまたは抗体は、各々が同一の結合部位を有すると理解される。「二特異的抗体」すなわち「二機能的抗体」は、2つの異なる重鎖/軽鎖対と、2つの異なる結合部位とを有する人工的なハイブリッド抗体である。二機能的抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab’フラグメントの連結を含む種々の方法により産生され得る。例えば、Songsivilai & Lachmanm,Clin.Exp.Immunol.79:315−321(1990);Kostelnyら、J.Immunol.148,1547−1553(1992)を参照のこと。
用語「免疫原性」は、本明細書中で使用される場合、標的タンパク質または治療部分が、レシピエントに投与される場合に、免疫応答(体液性または細胞性)を惹起する能力の指標をいう。本発明は、本発明のヒト化抗体の免疫原性に関する。
免疫原性が減少されたヒト化抗体は、親抗体(例えば、マウス抗体)と比較して、減少された免疫原性を示すヒト化抗体をいう。
親抗体の結合特性を実質的に保持するヒト化抗体は、このようなヒト化抗体を産生するために使用される親抗体により認識される抗原に特異的に結合する能力を保持するヒト化抗体をいう。好ましくは、ヒト化抗体は、親抗体と同じまたは実質的に同じ抗原結合親和性および抗原結合能力を示す。理想的には、この抗体の親和性は、親抗体の親和性の10%未満ではなく、より好ましくは、約30%未満ではなく、そして、最も好ましくは、親和性は、親抗体の50%未満でない。抗原結合親和性をアッセイするための方法は当該分野で周知であり、これらとしては、半−最大結合アッセイ、競合アッセイおよびスキャッチャード分析が挙げられる。適切な抗原結合アッセイは、本願に記載される。
「復帰変異(back mutation)」は、ヒト化抗体をコードするヌクレオチド配列中に導入される変異であり、この変異は、親抗体(例えば、ドナー抗体(例えば、マウス抗体))中のアミノ酸に対応するアミノ酸を生じる。親抗体由来の特定のフレームワーク残基は、親抗体の結合特性を実質的に保持するために、本発明の抗体のヒト化の間に保持され得、一方で、同時に、得られる抗体の潜在的な免疫原性を最小限にする。本発明の1つの実施形態において、親抗体はマウス起源である。例えば、復帰変異は、ヒトのフレームワーク残基を親のマウス残基に変える。復帰変異され得るフレームワーク残基の例としては、正準残基、インターフェース詰め込み残基、結合部位に隣接する異常な親残基、「ベルニエゾーン」(これは、CDRが存在するプラットフォームを形成する)(Foote & Winter,1992,J.Mol.Biol.224,487−499)の残基、ならびに、CDR H3に隣接する残基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、「保存的変化」は、実質的に立体配置的または抗原性的にニュートラルであり、ネイティブなタンパク質と比較した場合に、それぞれ、変異体ポリペプチドの三次構造に最小限の変化を生じるか、または、変異体ポリペプチドの抗原性決定基に最小限の変化を生じる、変更をいう。本発明の抗体および抗体フラグメントを参照する場合、保存的変化とは、目的のレセプターに結合し得ない抗体を与えないアミノ酸置換を意味する。当業者は、立体配置的かつ抗原性的にニュートラルである高い可能性を維持しつつ、どのアミノ酸置換がなされ得るかを予測し得る。このようなガイダンスは、例えば、Berzofsky,(1985)Science 229:932−940およびBowieら(1990)Science 247:1306−1310に提供される。立体配置的および抗原性的にニュートラリティを維持する可能性に影響を及ぼすと考えられている因子としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:(a)疎水性アミノ酸の置換が、抗原性にあまり影響を及ぼさない傾向にあること(なぜならば、疎水性残基が、よりタンパク質の内側に配置される傾向にあるからである);(b)生理化学的に類似するアミノ酸の置換が、立体配置にあまり影響を及ぼさない傾向にあること(なぜならば、置換されたアミノ酸が、ネイティブなアミノ酸を構造的に模倣するからである);および(c)進化的に保存された配列の変更が、立体配置に悪影響を及ぼす傾向があり、このような保存は、このアミノ酸配列が、機能的な重要性を有し得るということを示唆すること。当業者は、周知のアッセイ(例えば、微量構成成分固定法(Wassermanら(1961)J.Immunol.87:290−295;Levineら(1967)Meth.Enzymol.11.928−936)および立体配置依存性のモノクローナル抗体を用いるスルー結合研究(through binding study)(Lewisら(1983)Biochem.22:948−954)であるがこれらに限定されない)を使用して、タンパク質の立体配置の変更を評価し得る。
本明細書中で使用される場合、「治療組成物」は、疾患状態を直接または間接的に改善する組成物をいう。すなわち、この組成物の投与は、疾患または障害の少なくとも1つの症状を緩和する。
用語「〜に特異的」は、本発明の抗体を記載するために使用される場合、本発明の抗体の可変領域が、1つ以上のレセプターのセットを認識し、そして結合する(すなわち、LT−β−Rとこのようなポリペプチドとの間の局所的な配列同一性、相同性または類似性の存在可能性にも関わらず、結合親和性の測定可能な差異により他のポリペプチドからLT−β−Rを区別し得る)ことを示唆する。特異的な抗体がまた、抗体の可変領域の外側、および、特に、分子の定常領域の配列との相互作用を介して他のタンパク質(例えば、Staphylococcus aureusプロテインAまたはELISA技術における他の抗体)と相互作用し得ることが理解される。本発明の抗体の結合特異性を決定するためのスクリーニングアッセイは、当該分野で周知であり、当該分野で慣習的に実施される。このようなアッセイの包括的な議論については、Harlowら(編),ANTIBODIES:A LABORATORY MANUAL;Cold Spring Harbor Laboratory;Cold Spring Harbor,N.Y.,1988,第6編を参照のこと。この抗体が、LT−β−Rに特異的である場合、LT−β−Rのフラグメントを認識し、そして結合する抗体がまた企図される。本発明の抗体は、当該分野で周知かつ慣習的に実施される任意の方法を使用して産生され得る。
用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、本明細書中で使用される場合、LT−β−Rの特定のエピトープと免疫反応し得るか、または、結合し得る抗原結合部位の1種のみを含む抗体分子の集団をいう。従って、モノクローナル抗体組成物は、代表的には、この抗体が免疫反応するLT−β−Rの特定のエピトープに対する単一の結合親和性を示す。LT−β−R、または、その誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに対するモノクローナル抗体の調製のために、継代細胞株培養による抗体分子の産生を提供する任意の技術が利用され得る。このような技術としては、ハイブリドーマ技術(Kohler & Milstein(1975)Nature 256:495−497を参照のこと);トリオーマ技術;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら(1983)Immnunol.Today 4:72を参照のこと)、および、ヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら、1985:MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Alan R.Liss,Inc.,pp.77−96を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定さない。ヒトモノクローナル抗体は、本発明の実施に利用され得、そして、ヒトハイブリドーマ(Coteら(1983).Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80.2026−2030を参照のこと)を使用するか、または、インビトロでエプスタイン・バーウイルスを用いてヒトB細胞を形質転換する(Coleら(1985):MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Alan R.Liss,Inc.,pp.77−96)ことによって産生され得る。本発明のキメラモノクローナル抗体およびヒト化モノクローナル抗体は、例えば、PCT国際出願番号PCT/US86/02269;欧州特許出願番号184,187;欧州特許出願番号171,496;欧州特許出願番号173,494;PCT国際公開番号WO 86/01533;米国特許第4,816,567号;欧州特許出願番号125,023;Betterら(1988)Science 240:1041−1043;Liuら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439−3443;Liuら(1987)J.Immunol.139:3521−3526;Sunら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214−218;Nishimuraら(1987)Cancer Res.47:999−1005;Woodら(1985)Nature 314:446−449;Shawら(1988)J.Natl.Cancer Inst.80:1553−1559);Morrison(1985)Science 229:1202−1207;Oiら(1986)BioTechniques 4:214;米国特許第5.225,539号;Jonesら(1986)Nature 321:552−525;Verhoeyanら(1988)Science 239:1534;およびBeidlerら(1988)J.Immnunol.141:4053−4060に記載される方法を用いて、当該分野で公知の組換えDNA技術により産生され得る。
本発明は、ヒトLT−β−Rに結合するヒト化モノクローナル抗体、および、この抗体を使用する診断方法、ならびに、治療剤としてのその使用に関する。本発明はさらに、上記ヒト化抗体をコードする核酸配列、および、組換え宿主細胞におけるその発現にも関する。より具体的には、本発明は、ヒトLT−β−Rに特異的に結合するマウスBHA10由来のヒト化抗体に関する。
マウスBHA10(mBHA10)は、ヒトLT−β−R−Ig融合タンパク質(Browningら,J.Immunol.154.33(1995))で免疫されたマウスから単離されたマウスIgG1、κの抗体である。その単離および抗腫瘍特性が記載されている(Browningら、J.Exp.Med.183:867(1996))。mBHA10を産生するハイブリドーマ細胞株は、本発明の出願によりブダペスト条約の条件に従って、American Type Culture Collection(ATCC)に予め寄託され、ATCC登録番号HB 11795が割り当てられた(PCT/US96/01386)。出願人はまた、種々のアゴニストである抗LT−β−R抗体と架橋しているLT−βレセプターが、LT−βレセプターを活性化する(すなわち、ニュートラルなリガンドの作用を模倣し得る)ことを示している(PCT/US96/01386)。レセプターの活性化は、次いで、LT−βレセプターが発現している種々のインビボ腫瘍モデルにおいて、腫瘍の増殖を阻害することを示している。LT−βレセプターは、多数の癌細胞(例えば、非小細胞肺癌細胞(NSCLC)、結腸直腸癌細胞(CRC)、乳癌細胞、ならびに前立腺、胃(gastric)、皮膚、胃(stomach)、食道および膀胱の癌細胞が挙げられる)について発現されることが示されている。アゴニストであるLT−β−R抗体が阻害する腫瘍の非限定的な例としては、以下の固形腫瘍が挙げられる:HT29結腸腺癌、HT3子宮頸癌腫、A375黒色腫、MDA−231乳癌腫および原発性結腸腫瘍。従って、アゴニストであるLT−β−R抗体(特に、本明細書中に記載されるヒト化抗体)は、これらに抗体を、疾患の処置に対して有用にする特性を保持し、この疾患において、LT−β−Rの活性化および/またはLT−β−R/LT−β−Rリガンド相互作用の調節(例えば、被験体(例えば、ヒト)における新生物形成の進行、重篤度または作用の処置または減少を含む)が、望ましい。
モデリング分析および、mBHA10モノクローナル抗体の結合特性を実質的に保持することを必要とする復帰変異を含む、mBHA10モノクローナル抗体のヒト化が本明細書中に記載される。
(マウス可変領域のモデリング分析)
CDRは、抗原に最も結合する可能性のある残基を含み、新形態化抗体において保持されていなければならない。CDRは、Kabatら、Sequence of Proteins of Inimunological Interest,第5版,The United States Department of Health and Human Services,The United States Government Printing Office,1991に従う配列により規定される。CDRは、正準クラス(Chothiaら,1989 Nature,342,877−883)に分類され、このクラスでは、重要な残基が、CDRループの構造的立体配置を大部分決定する。これらの残基は、大抵いつも、新形態化抗体において保持される。mBHA10の軽鎖可変ドメインのポリペプチド配列を、CDRに下線を付して以下に示す。残基位置の数は、Kabatの番号付けシステムに従って指定する:
Figure 2005532051
mBHA10の重鎖可変ドメインのポリペプチド配列を、CDRに下線を付して以下に示す。残基位置の数は、Kabatの番号付けシステムに従って指定する(これは、太字のアミノ酸52a(pro)、82a(ser)、82b(ser)、82c(leu)よび100位のアミノ酸なしを含む):
Figure 2005532051
mBHA10の可変軽鎖および可変重鎖を、FASTAプログラムを使用して、マウスおよびヒトのサブグループについてのコンセンサス配列と比較した(Johnson,G.,Wu,T.T.Kabat Database and its applications:future directions Nucleic Acid Research,29,205−206,2001;WuおよびKabat,J.Exp.Med.132:211−250(1970))。mBHA10可変軽鎖は、113アミノ酸にわたって63.7%の同一性を有するマウスκIのメンバーであり、mBHA10可変重鎖は、127アミノ酸にわたって73.2%同一なマウスサブグループIIbのメンバーである。可変軽鎖は、113アミノ酸にわたって61.1%同一なヒトκIに対応する。可変重鎖は、129アミノ酸にわたって62%同一なヒトサブグループIに対応する。
本発明の相補性決定領域(CDR)は、正準クラスに分類された。L1ループは、正準クラス2(11残基のループ)に分類され、L2はクラス1(7残基)に、そして、L3はクラス1(9残基)に分類された。H1ループは、Leu34を許容するクラス1(5残基)に分類された。H2およびH3のループは、正準クラスには属さなかった。これらのクラスについて重要な正準残基は、以下の表1に示す。
Figure 2005532051
可変軽鎖と可変重鎖との間の界面にある残基が定義されている(Chothiaら、1985 J.Mol.Biol.,186,651−663)。これらは通常、新形態化抗体において保持されている。mBHA10において、これらの残基のいくつかが、界面において異常である(すなわち、可変軽鎖におけるチロシン36およびフェニルアラニン87と可変重鎖におけるフェニルアラニン91)。
異常なフレームワーク残基は、1999年9月バージョンのKabatデータベース[NCBI,NIH]における、全てのマウスおよびヒトの可変鎖配列を分析することにより決定された。これらの差が、結合部位に近接する場合、mBHA10特有の差は、結合活性を増強する体細胞変異を示唆し得ることが考えられる。見出される異常なフレームワーク残基は、軽鎖におけるY36、S49、T63およびF87;ならびに、重鎖におけるY27、T30、I48、A67、L69およびF91であった。
(可変領域の構造のモデリング)
本発明の軽鎖および重鎖を重複なしのデータベースに対して整列して、軽鎖および重鎖の三次元モデルを構築するのに使用される構造フレームを決定した。BLASTを使用して、軽鎖は、マウスFabフラグメント(12E8)と85%の配列同一性を有すことが見出され、重鎖は、マウスIGGA2 Fabフラグメント(1PLGH)に対して81%の配列同一性を有することが見出された。分子モデリングパッケージSybyl(Tripos Inc.)を使用して、それぞれ、12E8の軽鎖および1PLGHの重鎖を用いる軽鎖および重鎖の三次元構造を構築した。このモデルの構造統合性を、コンソールにて評価し、妥当であることを見出した。
(新形態化可変領域の設計)
生殖系列マッチングを使用して、mBHA10CDRを「受け取る」ヒトアクセプターフレームワークを選択した(Rosokら、J.Biol.Chem(1996)271:22611−22618)。NCBI、ENTRZ(The National Institutes of Health)からの生殖系列データベースおよび重複なしのデータベースの両方を、ソフトウェアプログラムIgBLASTを用いて検索した。ヒトアクセプターフレームワークの選択は、配列同一性および可能な復帰変異に基づいてなされた。
ヒトフレームワークの最終的な選択は、可変軽(VL)鎖について生殖系列配列L1/L15およびJ1由来であり(Bentleyら(1983)Cell 32:181−189;Coxら(1994)Eur.J.Immunol.,24:827−836およびHeiterら(1982)J.Biol.Chem.257:1516−1522))、可変重(VH)鎖については、生殖系列配列1−69/J6由来であった(Tomlinsonら(1992)J.Mol.Biol.,227:776−798およびMattilaら(1995)Eur.J.Immunol.,25:2578−2582)。ヒトVLフレームワークおよびVHフレームワークは、マウスの配列と比較して、各々21残基の差を有する。
(ヒトフレームワークの復帰変異)
モノクローナル抗体のヒト化における最も予測不可能な手順は、親抗体の結合特性を実質的に保持し、一方で、同時に、生じる抗体の潜在的な免疫原性を最小限にするために、保持される必要がある、親抗体(すなわち、本願の場合は、親抗体は、マウス起源である)由来の重大な意味を持つフレームワーク残基の同定である。正準残基、残基をパックする界面、および結合部位に隣接する異常なマウス残基を保持することが特に重要である。さらに、「ベルニエゾーン」の残基(これは、CDRが存在するプラットフォームを形成する)(Foote & Winter,1992 J.Mol.Biol.224.487−499)およびCDR H3に隣接する残基が考えられる。親抗体に戻る変異(すなわち、ヒトフレームワーク残基からマウスへの復帰変異)は、本明細書中において、復帰変異と呼ばれる。
新形態化可変軽鎖(VL#)の3つの型および新形態化可変重鎖(VH#)の3つの型が作製された。一般に、第1の型は、最も復帰している変異を含み、そして、第3の型は、最も少ない復帰変異を含む(すなわち最も「ヒト化」されている)。本発明は、任意の組み合せの、以下に記載される可変軽鎖(すなわち、VL#1、VL#2またはVL#3)から選択される可変軽鎖、および、以下に記載される可変重鎖(すなわち、VH#1、VH#2またはVH#3)から選択される可変重鎖を含むmBHA10由来のヒト化抗体を企図する。
(新形態化可変軽鎖における復帰変異)
36F(フェニルアラニン)−>Y(チロシン)。これは、パッキング残基である。これは、可変軽鎖構築物のVL#1およびVL#2においてフェニルアラニンからチロシンへと復帰変異したが、可変軽鎖構築物のVL#3においては、フェニルアラニンとして保持された。
49Y(チロシン)−>S(セリン)。この位置は、CDRに隣接し、マウスおよびヒトのフレームワークの両方において異常である。これは、可変軽鎖構築物の3つ全ての型においてチロシンからセリンへと復帰変異した。
63S(セリン)−>T(スレオニン)。この位置は、CDRに隣接する。これは、可変軽鎖構築物のVL#1においてのみ、セリンからスレオニンへと復帰変異した。
87Y(チロシン)−>F(フェニルアラニン)。これは、パッキング残基であり、ヒトフレームワークにおいて異常である。これは、可変軽鎖構築物のVL#1およびVL#2においてチロシンからフェニルアラニンへと復帰変異したが、VL#3においてはチロシンとして保持された。
(新形態化可変重鎖における復帰変異)
27G(グリシン)−>Y(チロシン)。これは3つ全ての型においてマウス残基へと復帰変異する正準残基である。
30S(セリン)−>T(スレオニン)。この位置は、CDRに隣接し、そして、立体配置に影響を及ぼし得る。これは、可変重鎖構築物の3つ全ての型においてセリンからスレオニンへと復帰変異した。
48M(メチオニン)−>I(イソロイシン)。この位置は、CDRに隣接する。これは、可変重鎖構築物のVH#1およびVH#2においてメチオニンからイソロイシンへと復帰変異したが、VH#3においては復帰変異しなかった。
67V(バリン)−>A(アラニン)。この位置はCDRに隣接し、ヒトフレームワークにおいて異常である。これは、可変重鎖構築物のVH#1およびVH#2においてバリンからアラニンへと復帰変異したが、VH#3においては復帰変異しなかった。
69I(イソロイシン)−>L(ロイシン)。この位置はCDRに隣接し、ヒトフレームワークにおいて異常である。これは、可変重鎖構築物のVH#1においてイソロイシンからロイシンへと復帰変異したが、VH#2およびVH#3においては復帰変異しなかった。
91Y(チロシン)−>F(フェニルアラニン)。これは、パッキング残基である。これは、可変重鎖構築物のVH#1においてはチロシンからフェニルアラニンへと復帰変異したが、VH#2およびVH#3においては復帰変異しなかった。
可変軽鎖および重鎖の異なる型の各々のアミノ酸配列および核酸配列は、以下の通りである:
(新形態化可変軽鎖)
BHA10新形態化可変軽鎖−可変軽鎖−1型(VL#1):
Figure 2005532051
配列番号3は、上記新形態化VL#1の核酸配列を表す。
配列番号4は、上記新形態化VL#1のアミノ酸配列を表す。
BHA10の新形態化可変軽鎖−可変軽鎖−2型(VL#2):
Figure 2005532051
配列番号5は、上記新形態化VL#2の核酸配列を表す。
配列番号6は、上記新形態化VL#2のアミノ酸配列を表す。
BHA10の新形態化可変軽鎖−可変軽鎖−3型(VL#3):
Figure 2005532051
配列番号7は、上記新形態化VL#3の核酸配列を表す。
配列番号8は、上記新形態化VL#3のアミノ酸配列を表す。
(新形態化可変重鎖)
BHA10の新形態化可変重鎖−可変重鎖−1型(VH#1):
Figure 2005532051
配列番号9は、上記新形態化VH#1の核酸配列を表す。
配列番号10は、上記新形態化VH#1のアミノ酸配列を表す(52a位のプロリン、82a位のセリン、82b位のセリン、82c位のロイシン、および100位のアミノ酸欠失を含む、Kabat番号付けシステム)。
BHA10の新形態化可変重鎖−可変重鎖−2型(VH2#):
Figure 2005532051
配列番号11は、上記新形態化VH#2の核酸配列を表す。
配列番号12は、上記新形態化VH#2のアミノ酸配列を表す(52a位のプロリン、82a位のセリン、82b位のセリン、82c位のロイシン、および100位のアミノ酸欠失を含む、Kabat番号付けシステム)。
BHA10の新形態化可変重鎖−可変重鎖−3型(VH#3):
Figure 2005532051
配列番号13は、上記新形態化VH#3の核酸配列を表す。
配列番号14は、上記新形態化VH#3のアミノ酸配列を表す(52a位のプロリン、82a位のセリン、82b位のセリン、82c位のロイシン、および100位のアミノ酸欠失を含む、Kabat番号付けシステム)。
上記および実施例4にさらに記載される新形態化可変軽鎖および重鎖を使用して、ヒト化BHA10抗体を構築した。例えば、ヒト化BHA10抗体4型(「4型huBHA10」)を、軽鎖#2を含む発現ベクターpKJS49を、重鎖#3を含む発現ベクターpKJS46と組み合せて使用して、実施例4に記載されるように構築した。4型huBHA10の軽鎖および重鎖のアミノ酸配列および核酸配列を以下に列挙する:
Figure 2005532051
上記配列番号15は、4型huBHA10の軽鎖のアミノ酸配列を表す。CDRに下線を付す;復帰変異Y36、S49およびF87は太字である;ヒトκ定常ドメインを括弧でくくる(katat番号付けシステム)。
Figure 2005532051
上記配列番号16は、4型huBHA10の重鎖のアミノ酸配列を表す。CDRに下線を付す;復帰変異Y27およびT30は太字である;ヒトIgG1定常ドメインを括弧でくくる(kabat番号付けシステム)。
本明細書中に記載される種々の型の新形態化可変軽鎖および新形態化可変重鎖を含む他のヒト化抗体が作製され得る。例えば、ヒト定常軽鎖(非限定的な例としては、ヒトκ定常ドメインが挙げられる)およびヒト定常重鎖(非限定的な例としては、ヒトIgG1定常ドメイン)を、新形態化可変軽鎖(VL#1、VL#2またはVL#3)および新形態化可変重鎖(VH#1、VH#2またはVH#3)と組み合せて含む抗体を作製し得る。
本発明はさらに、新形態化VH配列およびVL配列の等価物および改変体(例えば、LT−β−R結合に実質的に影響を及ぼさない1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列)を意図する。これらのヒト化可変重鎖配列およびヒト化可変軽鎖配列を含むヒト化LT−β−R抗体は、実施例に記載されるような組換え法により得られ得る。
別の実施形態において、本発明の抗体の免疫化学的誘導体は、例えば、1)免疫毒素(抗体と細胞傷害性部分との結合体)および2)標識された誘導体(すなわち、放射標識されたか、酵素標識されたか、または、蛍光色素標識された)を含むことが意図され、ここで、この標識は、標識抗体を含む免疫複合体を同定するための手段を提供する。
細胞傷害性部分は、細胞傷害性薬物、または、細菌起源もしくは植物起源の酵素的に活性な毒素、または、このような毒素の酵素的に活性なフラグメントであり得る。使用される酵素的に活性な毒素およびそのフラグメントは、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性化フラグメント、エキソトキシンA鎖(Pseudomonas aeraginosa由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α−サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、Phytolacca americanaタンパク質(PAPI、PAPIIおよびPAP−S)、momordica charantiaインヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、sapaonaria officinalisインヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)およびエノマイシン(enomycin)である。あるいは、これらの抗体は、低分子抗癌剤に結合体化される。
モノクローナル抗体の結合体が、種々の二機能性タンパク質結合剤を使用して作製される。このような試薬の例は、SPDP、IT、イミドエステルの二機能性誘導体(例えば、ジメチルアジピミデートHCl)、活性エステル(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス−アゾ化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トリレン2,6−ジイソシアネート)およびビス活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)である。毒素の溶解部分は、抗体のFabフラグメントに接続され得る。
癌を処置するための細胞傷害性放射性薬剤が、放射活性アイソトープ(例えば、I、Y、Pr)を抗体に結合体化させることによって作製され得る。用語「細胞傷害性部分」は、本明細書中で使用される場合、このようなアイソトープを含むことを意図する。別の実施形態において、リポソームが細胞傷害性薬物で充填され、このリポソームは、増殖因子レセプターに特異的に結合する抗体でコーティングされる。多くのレセプター部位が存在するので、この方法は、大量の薬物の正しい細胞型への送達を可能にする。
(化学的修飾)
いくつかの実施形態において、本発明の抗体および抗体フラグメントは、化学的に修飾されて、所望の作用を提供し得る。例えば、本発明の抗体および抗体フラグメントのペグ化は、例えば、以下の参考文献に記載されるような、当該分野で公知のペグ化反応のいずれかにより実施され得る:Focus on Growth Factors 3:4−10(1992);EP 0 154 316;およびEP 0 401 384(これらの各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される)。好ましくは、ペグ化は、反応性ポリエチレングリコール分子(または類似の反応性水溶性ポリマー)を用いて、アシル化反応またはアルキル化反応を介して実施される。本発明の抗体および抗体フラグメントのペグ化に好ましい水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)である。本明細書中で使用される場合、「ポリエチレングリコール」は、他のタンパク質を誘導体化させるのに使用されている、任意のPEGの形態(例えば、モノ(Cl−ClO)アルコキシ−ポリエチレングリコールまたはアリールオキシ−ポリエチレングリコール)を包含することを意味する。
本発明のペグ化抗体および抗体フラグメントを調製するための方法は、一般に、(a)抗体または抗体フラグメントが、1つ以上のPEG基に接続されるようになる条件下で、抗体または抗体フラグメントをポリエチレングリコール(例えば、PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体)と反応させる工程;ならびに(b)反応性生物を得る工程を包含する。公知のパラメータおよび所望の結果に基づいて、最適な反応条件またはアシル化反応を選択することが、当業者に明らかである。
ペグ化抗体および抗体フラグメントは、一般に、本明細書中に記載される抗体および抗体フラグメントの投与により緩和または変調され得る状態を処置するために使用され得る。一般に、ペグ化抗体および抗体フラグメントは、非ペグ化抗体および抗体フラグメントと比較した場合、増加した半減期を有する。ペグ化抗体および抗体フラグメントは、単独で、他の薬学的組成物と一緒に、または、他の薬学的組成物と組み合せて使用され得る。
本発明の他の実施形態において、抗体またはその抗原結合フラグメントは、当該分野で認識される技術を使用してアルブミンに結合体化される。
本発明の別の実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、潜在的なグリコシル化部位を減少または除外するように修飾される。このような修飾抗体は、しばしば、「非グリコシル化」抗体と呼ばれる。抗体またはその抗原結合フラグメントの結合親和性を改善するために、抗体のグリコシル化部位が、例えば、突然変異誘発(例えば、部位指向性突然変異誘発)により変更され得る。「グリコシル化部位」は、真核細胞によって、糖残基の結合のための位置として認識されるアミノ酸残基をいう。炭化水素(例えば、オリゴ糖)が結合しているアミノ酸は、代表的には、アスパラギン(N−結合)、セリン(O−結合)およびスレオニン(O−結合)残基である。抗体または抗原結合フラグメント内の潜在的なグリコシル化部位を同定するために、抗体の配列が、例えば、公的に利用可能なデータベース(例えば、N連結グリコシル化部位の予測についてはthe Center for Biological Sequence Analysisにより提供されるウェブサイト(http://www.cbs.dtu.dk/services/NetNGlyc/を参照のこと)、および、O連結グリコシル化部位の予測については、http://www.cbs.dtu.dk/services/NetOGlyc/)を使用して、試験される。抗体のグリコシル化部位を変更するためのさらなる方法は、米国特許第6,350,861号および同第5,714,350号に記載される。
本発明のなお別の実施形態において、抗体またはそのフラグメントが、変更され得、ここで、この抗体の定常領域が、修飾されていない抗体と比較して、少なくとも1つの定常領域媒介性の生物学的エフェクター機能を減少するように修飾される。本発明の抗体が、Fcレセプターに対する減少した結合を示すように修飾するために、この抗体の免疫グロブリン定常領域セグメントを、Fcレセプター(FcR)相互作用に必要とされる特定の領域において変異され得る(例えば、Canfield,S.M.およびS.L.Morrison(1991)J.Exp.Med.173:1483−1491;ならびにLund,J.ら(1991)J.of Immunol.147:2657−2662を参照のこと)。抗体のFcR結合能の減少はまた、FcR相互作用に依存する他のエフェクター機能(例えば、オプソニン作用およびファゴサイトーシスおよび抗原依存性の細胞傷害性)も減少する。
(使用)
本発明の抗体および標識された抗体は、種々の免疫画像化または免疫アッセイ手順において使用され、患者における癌の存在を検出するか、または、癌を有すると既に診断されている患者におけるこのような癌の状態をモニタリングし得る。癌の状態をモニタリングするために使用される場合、定量的な免疫アッセイ手順が使用されなければならない。このようなモニタリングアッセイが定期的に行われ、結果が比較される場合、患者の腫瘍負荷が増加したか減少したかに関しての決定がなされ得る。使用され得る一般的なアッセイ技術としては、直接アッセイおよび間接アッセイが挙げられる。サンプルが癌細胞を含む場合、標識された抗体はこれらの細胞に結合する。組織または細胞を洗浄して未結合の標識化抗体を除去した後、組織サンプルを、標識化免疫複合体の存在について読む。間接アッセイにおいて、組織サンプルまたは細胞サンプルは、未標識のモノクローナル抗体と共にインキュベートされる。次いで、このサンプルが、モノクローナル抗体に対する標識化抗体(例えば、標識化抗マウス抗体)で処理され、洗浄され、そして、三元複合体の存在について読まれる。
診断的な使用について、抗体は代表的には、キットの形態で配送される。これらのキットは、代表的には、以下を含む:適切な容器内の、標識または未標識の形態の抗体、間接アッセイ用のインキュベーションのための試薬、および、標識の性質に依存する基質または誘導体化剤。
別の実施形態において、本発明の抗体は、疾患状態の処置に使用され、この状態において、LT−β−Rの活性化が治療的に有効である。このような状態としては、新生物形成の進行、重篤度または作用の処置、予防または減少が挙げられるがこれらに限定されない。
1つの実施形態において、本発明は、本発明のヒト化LT−β−R抗体を含む治療有効量の組成物を哺乳動物に投与することによって、所望でない細胞増殖に関連する状態について哺乳動物(例えば、ヒト)を処置する方法である。
別の実施形態において、本発明は、LT−β−Rを過剰発現する固形腫瘍(すなわち、癌腫)を有する哺乳動物(すなわち、ヒト)を処置する方法であり、この方法は、上記哺乳動物に、LT−β−Rに結合するヒト化LT−β−R抗体を、腫瘍体積を減少するのに有効な量で投与する工程を包含する。その細胞増殖がLT−β−Rにより調節される癌の例は、LT−β−Rのインビトロレベルおよび/または腫瘍組織ライブラリーにおいて発現されるLT−β−Rリガンド(すなわち、LTα1β2またはLIGHT)メッセージを測定することによりスクリーニングされ得る。LT−β−Rおよび/またはLT−β−Rリガンド(すなわち、LTα1β2またはLIGHT)メッセージが高度に発現されている腫瘍組織ライブラリーが候補である。本発明において企図される腫瘍型としては、非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸直腸癌(CRC)、乳癌、ならびに、前立腺、胃(gastric)、皮膚、胃(stomach)、食道および膀胱の癌が挙げられるがこれらに限定されない固形腫瘍が挙げられる。
所望でない細胞増殖に関する症状の処置(特に、腫瘍治療)において使用される本発明のヒト化抗体は、例えば、腫瘍体積の減少により測定した場合、有利には、約10%、約20%、約30%、または約40%より多く腫瘍細胞の増殖を阻害し、そして、最も有利には、約50%より多く腫瘍細胞の増殖を阻害する。ヒト化抗体は、スクリーニング(例えば、実施例10における議論を参照のこと)を通して得られる。例えば、本発明における使用のためのヒト化抗体は、未処置の癌細胞に対しての減少した腫瘍体積(例えば、約10%、約20%、約30%、約40%または約50%より多い)の観点から選択され得る。
本発明はまた、本発明のヒト化抗体および薬学的に受容可能な賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。適切なキャリアおよびその処方物は、例えば、Remington’Pharmaceutical Sciences、第16版、1980,Mack Publishing Co.,(Osloら編)に記載される。代表的には、適切な量の薬学的に受容可能な塩が処方物中で使用され、処方物を等張性にする。キャリアの例としては、緩衝液(例えば、生理食塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液)が挙げられる。溶液のpHは、好ましくは、約5〜約8であり、より好ましくは、約7.4〜約7.8である。さらに、キャリアは、固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスのような徐放性調製物を含み、このマトリクスは、成形加工した物品の形状(例えば、リポソーム、フィルムまたは微粒子)である。例えば、投与経路および投与される薬学的組成物の濃度に依存して、特定のキャリアがより好ましくあり得ることが、当業者には明らかである。
投与は、注射(例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内)、または、有効な形態で血流内への送達を保証する、注入のような他の方法により達成され得る。
本発明のヒト化抗体は、処置を施される特定の臨床状態を処置するのに有効な用量(すなわち、患者の腫瘍負荷を排除または減少する量)で投与され得る。これらは、通常は、可能である場合は、標的細胞部位にて非経口的に投与されるか、または、静脈内投与される。所定の適用に対する好ましい薬学的処方物および治療有効用量レジメンの決定は、十分に当業者の技術の範囲内である。用量および投薬レジメンは、症状の性質(すなわち、癌の性質)、特定の免疫毒素の特性(使用される場合)、例えば、その治療指数、患者および患者の病歴に依存する。有効投薬量は、例えば、1日あたり、体重1kgあたり、約0.05〜約100mgの範囲である。より具体的には、1日あたり、体重1kgあたり、約0.05mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、または約25mg。あるいは、1週間あたり、体重1kgあたり、約0.05〜約100mg、より具体的には、約0.05mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mgまたは約25mg。あるいは、2週あたり、体重1kgあたり、約0.05〜約100mg、より具体的には、約0.05mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、または約25mg。あるいは、3週間あたり、体重1kgあたり、約0.05〜約100mg、より具体的には、約0.05mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mgまたは約25mg。あるいは、4週間あたり、体重1kgあたり、約0.05〜約100mg、より具体的には、約0.05mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mgまたは25mg。
別の実施形態において、腫瘍細胞は、1)患者に、本発明のヒト化抗体を投与すること、および2)化学療法剤により処置される。化学療法剤の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:シスプラチン、タキソール、カンプトサル(camptosar)、アドリアマイシン(dox)、5−FU、ゲムシタビン、DM−1(Immunogenから入手可能)、ビンブラスチン、アクチノマイシンD、エトポシド、メトトレキサート、およびドキソルビシン。治療レジメンおよび個人に投与される投薬量(例えば、投与経路および患者の臨床症状を含む)の決定において、いくつかの変数が、当業者により考慮される。1つの実施形態において、本発明の抗体は、化学療法剤または放射線の存在下で投与されるように設計される。別の実施形態において、本発明の抗体は、化学療法または放射線と組み合せての使用のための指示書と共に処方および梱包されるか、あるいは、化学療法または放射線と組み合せての使用のために市販または販売促進される。
他に示されない限り、本発明の実施は、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、微生物学、組換えDNA、タンパク質化学および免疫学の従来技術を使用し、これらは、当業者の範囲内である。このような技術は、文献に記載されている。例えば、
Figure 2005532051
以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明を限定するものとしてみなされるべきでない。
(実施例1−muBHA10可変領域のクローニング)
BHA10マウスハイブリドーマ細胞(ATCC登録番号HB−11795)由来の総細胞RNAを、Qiagen RNeasyミニキットを製造業者の推奨するプロトコールに従って使用して調製した。重鎖および軽鎖の種々の領域をコードするcDNAを、GIBCO BRL SuperScript Preamplification System for First Strand cDNA Synthesisを製造業者の推奨するプロトコールに従って使用して、プライミングとしてランダムヘキサマーを用いる逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)により、総細胞RNAからクローニングした。
マウスBHA10免疫グロブリン重鎖可変ドメインのPCR増幅のために使用したプライマーは、以下の通りであった:5’ TGA GGA GAC GGT GAC CGT GGC CCT TGG CCC C 3’(配列番号17)および5’ AGG TSM ARC TGC AGS AGT CWG G 3’(S=C/G,M=A/C,R=A/G,およびW=A/T)(配列番号18)。シグナル配列を含むBHA10軽鎖可変ドメインを、以下のプライマーを用いて増幅した:5’ ACT AGT CGA CAT GGG CWT CAA GAT GGA GTC ACA KVVY YCW GG 3’(K=G/T、W=A/TおよびY=C/T)(配列番号19)および5’ GTT AGA TCT CCA GCT TGG TCC C 3’(配列番号20)。PCRを、94℃にて3分間のホットスタート:次いで、Clontech製のAdvanTaq DNAポリメラーゼを使用する35サイクル:変性 94℃にて1分間、アニーリング 50℃にて1分間、伸長 68℃にて2分間、そして、最後に68℃にて7分間の伸長に供した。PCR産物を、Qiagen Qiaquickゲル抽出キットを製造業者の推奨するプロトコールに従って使用してゲル精製した。精製したBHA10 PCR産物を、Invitroten製のTOPO TAクローニングキットを製造業者の推奨するプロトコールに従って使用して、Invitrogen製のpCR2.1−TOPOクローニングベクターにサブクローニングした。重鎖のRRT−PCRサブクローンを、pAND138と名付けた。軽鎖のRT−PCRサブクローンをpAND145と名付けた。複数の独立したサブクローンからの挿入物を配列決定した。PCRプライマー内の変性位置を除いて、独立したサブクローンの挿入配列は同一であった。シグナル配列を用いて増幅したPCR産物由来のcDNA配列により予測された成熟な軽鎖についてのN末端アミノ酸配列は、エドマン分解由来の精製真正BHA10軽鎖のN末端配列と正確に適合した(DIVMTQSQKF)(配列番号21)。成熟な重鎖残基1〜16についての予測配列は、逆ブロック化精製したBHA10重鎖のエドマン分解により決定された配列と適合した([Q]VQLQQSGPELVKPGA)(配列番号22)。
可変ドメイン配列のBlast分析は、その免疫グロブリンの同一性を確認した。BHA10重鎖可変ドメインは、マウスサブグループII(B)のメンバーである。Tuckerら、Science 206:1299−1303(1979)。BHA10軽鎖可変領域は、マウスκサブグループIのメンバーである。Kabatら(1991) Sequence of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Dept Health and Human Services。BHA10マウス可変軽鎖および可変重鎖ドメインの予測されたアミノ酸配列を、それぞれ、配列番号1および配列番号2に示す。
(実施例2−chBHA10の構築および発現)
マウスBHA10の重鎖および軽鎖の可変領域をコードするcDNAを使用して、マウス−ヒトキメラの発現のためのベクター(chBHA10)を構築した。このベクターにおいて、muBHA10可変領域を、ヒトIgG1(Ellisonら(1982)Nucleic Acids Res.10:4071−4079)およびκ定常領域(Heiterら(1980)Cell 22:197−207))に連結した。重鎖キメラの構築のために、BHA10重鎖サブクローンpAND138からの0.32kbの部分PstI−BstEIIフラグメントを、5a8重鎖プラスミドpLCB7(5a8は、分子的にクローニングされたCD4特異的mAb(ATCC登録番号HB−10881)である)からの脱リン酸化した2.82kbのPstI−BstEIIベクターフラグメントにサブクローニングし、mBHA10重鎖可変領域の5’末端にマウス重鎖シグナル配列番号を、そして、3’末端にスプライスドナー部位を加えた。このプラスミド(いわゆるpAND146)において、重鎖の成熟N末端を、精製された真正BHA10重鎖(QVQLQQSGP)(配列番号23)のN末端配列に適合するように再構成する。得られたプラスミドpAND146における重鎖配列を、DNA配列決定により確認した。pAND146からの0.43kbのNotl−HindIII重鎖可変ドメインフラグメント、および、ヒトIgG1定常領域を含む、プラスミドpEAG964からの1.21kbのHindIII−NotIフラグメントを、pCEP4(Invitrogen)EBV発現ベクター由来のプラスミドpCH269のNotI部位にサブクローニングし、プラスミドpAND147を作製した。
軽鎖キメラの構築のために、BHA10軽鎖可変ドメインプラスミドpAND145からの0.42kbのEcoRIフラグメントを、直鎖状のリン酸化pUC由来のクローニングベクターpNN09のEcoRI部位にサブクローニングした。この工程は、得られたプラスミドpAND149に側方のNotI部位を追加した。プラスミドpAND149における軽鎖配列をDNA配列決定により確認した。pAND149からの0.45kbのNotI−BglII軽鎖可変ドメインフラグメント、および、ヒトκ軽鎖定常ドメインを含む、プラスミドpEAG963からの0.68kbのBclI−NotIフラグメントを、pCEP4(Invitrofen)EBV発現ベクター由来のプラスミドpCH269のNotI部位にサブクローニングし、プラスミドpAND151を作製した。
発現ベクター(chBHA10重鎖ベクターpAND147およびchBHA10軽鎖ベクターpAND151)を、293−EBNA細胞に同時トランスフェクトし、トランスフェクトした細胞を、抗体の分泌および特異性について試験した。空のベクターでトランスフェクトした細胞、または、hu5c8(分子的にクローニングしたCD154特異的mAb)およびhuCBE11(LT−β−R特異的mAb(ATCC特許寄託物名PTA−3357を割り当てられている細胞株))に対するEBV発現ベクターと同時トランスフェクトした細胞をコントロールとした。全細胞溶解物および馴化培地からのプロテインA免疫沈降のウェスタンブロット分析(抗ヒト重鎖抗体および抗ヒト軽鎖抗体で展開した)は、chBHA10でトランスフェクトした細胞が、hu5c8またはhuCBE11でトランスフェクトした細胞と類似のレベルで抗体重鎖および抗体軽鎖を合成し、効率的に分泌したことを示した。トランスフェクトした細胞からの馴化培地で染色したLT−β−Rを発現するHT−29のFACS分析は、chBHA10抗体が結合し、muBHA10およびhuCBE11のものと類似の染色パターンを生じた一方で、モックおよびhu5c8でトランスフェクトした細胞からの馴化培地が、HT−29細胞上のLT−β−Rを染色しなかったことを示した。大規模な一過性トランスフェクションから産生されたキメラBHA10を精製し、huCBE11のKdよりも約2倍高い見かけ上のKdでHT−29上のLT−β−Rを染色するように実証した。これは、muCBE11およびmuBHA10について測定された相対的親和性と一致した(Browningら、J.Exp.Med.183:867,1996)。
(実施例3−新形態化BHA10可変ドメインの構築)
BHA10軽鎖可変ドメインはヒトκI(Hieterら(1980)Cell 22:197−207)に対応し、重鎖可変ドメインは、ヒト重サブグループI(Ellisonら(1982)Nucleic Acids Res.10:4071−4079)に対応する。ヒトアクセプターフレームワークの選択は、プログラムIgBLASTを使用するヒト生殖系列配列に対するホモロジーマッチング(Satoら、Mol.Immunol.31:371−381(1994))によった:軽鎖については、ヒトLl/Ll5/J1(Bentleyら(1983)Cell 32:181−189;Coxら(1994)Eur.J.Immunol.,24:827−836およびHeiterら(1982)J.Biol.Chem.257:1516−1522)、ならびに、重鎖については、ヒト1−69/J6(Tomlinsonら(1992)J.Mol.Biol.,227:776−798およびMattilaら(1995)Eur.J.Immunol.,25:2578−2582)。新形態化可変軽鎖および新形態化可変重鎖の各々の3つの型を設計した。一般に、第1の型は、マウスドナー配列に対して最も多く復帰変異を含み、一方で、第3の型は、最も少ない復帰変異を含む(すなわち、最も「ヒト化」されている)。
BHA10可変領域を、固有部位除去(USE)とClontech製のTransformer突然変異誘発およびStratagene製のQuikchange突然変異誘発キットを使用し、製造業者の推奨するプロトコールに従うQuikchange突然変異誘発を組み合せて、作製した。chBHA10可変ドメインプラスミドpAND146およびpAND149を最初の鋳型として使用した。フレームワーク(FR)変更のための変異原性プライマーを以下に記載する。ヒトアクセプターフレームワークのcDNA配列を使用し、サイレント突然変異を導入して、制限部位の変化を生じ、変異したプラスミドの同定を容易にした。変異したプラスミドを、導入された制限部位の変更についてスクリーニングすることにより同定した。得られたプラスミドにおける可変領域cDNA配列を、DNA配列決定により確認した。
種々のBHA10ベースのプラスミドおよび以下に記載される対応する発現ベクターを表2に列挙する。
(新形態化可変重鎖(VH))
可変重鎖1型を、最初に、StuI制限部位を欠失するフレームワーク2(FR2)プライマー5’ GCA CTG GGT GAG GCA GGC CCC TGG ACA GGG ACT TG 3’(配列番号24)と共にpAND146鋳型を使用するUSE突然変異誘発により変異させて、プラスミドpKJS030を作製した。このプラスミドを、引き続いて、オリゴプライマー5’ CCC AGG TCC AAC TGG TGC AGT CTG GAG CTG AGG 3’(配列番号25)およびそのフレームワーク1(FR1)に対する相補体、ならびに、5’ GAA GTT CAA GGG CAG GGC CAC ACT GAC AGC AGA CAA ATC CAC CAG CAC AGC CTA CAT GGA GCT CAG CAG CCT GAG GTC TGA AGA TAC TGC GGT CTA TTT CTG TGC AAG ATC C 3’(配列番号26)およびそのフレームワーク3(FR3)に対する相補体を用いるQuikchange突然変異誘発の2ラウンドに供した。各々の対は、PstI部位を欠失している。得られた新形態化可変重鎖(VH#1)プラスミドをpKJS036と名付けた。
可変重鎖2型を、EcoRV部位およびPstI部位を欠失するフレームワーク1プライマー5’ CAG GTC CAA CTG GTG CAG TCT GGA GCT GAG GTG AAG AAG CCT GGG TCC TCA GTG AAG GTG TCC TGC AAG GC 3’(配列番号27);StuI部位を欠失するフレームワーク2プライマー5’ GCA CTG GGT GAG GCA GGC CCC TGG ACA GGG ACT TG 3’(配列番号28);および、SacI部位を作製するフレームワーク3プライマー5’ GAA GTT CAA GGG CAG GGC CAC AAT CAC TGC AGA CAA ATC CAC CAG CAC AGC CTA CAT GGA GCT CAG CAG CCT GAG GTC TGA AGA TAC TGC GGT CTA TTA CTG TGC AAG ATC C 3’(配列番号29)と共にpAND146鋳型を用いる、USE突然変異誘発の単ラウンドに供した。得られた新形態化可変重鎖(VH#2)プラスミドをpKJS031と名付けた。
可変重鎖3型を、最初に、EcoRV部位およびPstI部位を欠失したフレームワーク1プライマー5’ CAG GTC CAA CTG GTG CAG TCT GGA GCT GAG GTG AAG AAG CCT GGG TCC TCA GTG AAG GTG TCC TGC AAG GC 3’(配列番号30)およびSacI部位を作製したフレームワーク3プライマー5’ GAA GTT CAA GGG CAG GGT CAC AAT CAC TGC AGA CAA ATC CAC CAG CAC AGC CTA CAT GGA GCT CAG CAG CCT GAG GTC TGA AGA TAC TGC GGT CTA TTA CTG TGC AAG ATC C 3’(配列番号31)と共にpAND146を使用するUSE突然変異誘発により変異させ、pKJS032を作製した。次いで、プラスミドpKJS032を、フレームワーク2プライマー対5’ GGC CCC TGG ACA GGG ACT TGA GTG GAT GGG ATG GAT TTA TCC TGG 3’(配列番号32)およびその相補体と共にQuikchange突然変異誘発のための鋳型として使用して、HpaII部位の欠失を生じた。得られた新形態化可変重鎖(VH#3)プラスミドをpKJS037と名付けた。
huBHA10重鎖のための発現ベクターを、pKJS036、pKJS031またはpKJS037からの0.425kbのNotI−HindIII重鎖可変ドメインフラグメント、および、ヒトIgG1定常領域を含むプラスミドpEAG964からの1.21kbのHindIII−NotIフラグメントを、pCEP4 EBV発現ベクター由来のプラスミドpCH274のNotI部位にサブクローニングして、重鎖発現ベクターpKJS044(重鎖#1発現ベクター)、pKJS045(重鎖#2発現ベクター)およびpKJS046(重鎖#3発現ベクター)を産生した。
(新形態化可変軽鎖(VL))
可変軽鎖1型を、最初に、フレームワーク1プライマー5’GAT GGA GAC ATT CAG ATG ACC CAG TCT CCT AGC TCC CTG TCC GCC TCA GTA GGA GAC AGG GTC ACC ATC ACC TGC AAG GC 3’(配列番号33)、XmaI部位を導入したフレームワーク2プライマー5’ GTA GCC TGG TTC CAA CAG AAA CCC GGG AAG GCT CCT AAA TCA C 3’(配列番号34)、XbaI部位を導入した5’フレームワーク3プライマー5’ CAG TGG AGT CCC TTC TAG ATT CAC AGG CAG 3’(配列番号35)、および、PstI部位を導入した3’フレームワーク3プライマー5’ CTC ACC ATC AGC AGC CTG CAG CCT GAA GAC TTC GCA ACC TAT TTC TGT CAG C 3’(配列番号36)と共に、鋳型プラスミドpAND149上でのUSE突然変異誘発に供した。得られたプラスミドをpKJS033と名付けた。プラスミドpKJS033は、フレームワーク2内の所望でない残基を含み、従って、XmaI部位を除去して、BclI部位を追加した第2のフレームワーク2プライマー対5’ GGG TAT TAA TGT AGC CTG GTA TCA ACA GAA ACC AGG GAA GGC TCC 3’(配列番号37)およびその相補体を使用するQuikchange突然変異誘発に供した。プラスミドpKJS033はまた、固有のKpnI部位を導入されたフレームワーク4プライマー対5’ CCT ATC CAT TCA CGT TCG GCC AGG GTA CCA AGG TGG AGA TCT AAC AAG GGC G 3’(配列番号38)およびその相補体を用いるQuikchange突然変異誘発の追加のラウンドに供した。これらの反応により、プラスミドpKJS038を作製した。プラスミドpKJS038は、フレームワーク2内に誤りを含み、従って、第3のフレームワーク2プライマー対、5’ CCC TGG TTT CTG TTG ATA CCA GGC AAC GTT AAT ACC CAC 3’(配列番号39)およびその相補体を用いるQuikchange突然変異誘発の追加のラウンドに供し、BclI部位の欠失を生じた。得られた新形態化可変軽鎖(VL#1)プラスミドをpKJS051と名付けた。
可変軽鎖2型を、最初に、フレームワーク1プライマー5’ GAT GGA GAC ATT CAG ATG ACC CAG TCT CCT AGC TCC CTG TCC GCC TCA GTA GGA GAC AGG GTC ACC ATC ACC TGC AAG GC 3’(配列番号40)、XmaI部位を追加したフレームワーク2プライマー5’ GTA GCC TGG TTC CAA CAG AAA CCC GGG AAG GCT CCT AAA TCA C 3’(配列番号41)、XbaI部位を追加した5’フレームワーク3プライマー5’ CAG TGG AGT CCC TTC TAG ATT CAG CGG CAG TGG ATC 3’(配列番号42)、および、PstI部位を追加した3’フレームワーク3プライマー5’ CTC ACC ATC AGC AGC CTG CAG CCT GAA GAC TTC GCA ACC TAT TTC TGT CAG C 3’(配列番号43)を使用する鋳型プラスミドpAND149上でのUSE突然変異誘発に供した。得られたプラスミドをpKJS034と名付けた。プラスミドpKJS034は、フレームワーク3およびフレームワーク2の両方に所望でない変異を含んだ。フレームワーク3の変異を、PstI部位を除去した新しい3’フレームワーク3プライマー対5’ GCT GAC AGA AAT AGG TTG CGA AGT CTT CAG GCT GGA GGC TGC TGA TGG 3’(配列番号44)およびその相補体;ならびに、XbaI部位を除去した新しい5’ フレームワーク3プライマー5’ GGT ACA GTG GAG TCC CTT CCA GAT TCA GCG GCA GTG GAT CTG GG 3’(配列番号45)を使用するQuikchange突然変異誘発の連続ラウンドによりプラスミドpKJS034において矯正した。pKJS034上のフレームワーク2のエラーを、次いで、XmaI部位を除去し、かつBclI部位を追加したプライマー対5’ GGG TAT TAA TGT AGC CTG GTA TCA ACA GAA ACC AGG GAA GGC TCC 3’(配列番号46)およびその相補体を用いる突然変異誘発の別のラウンドにより矯正した。プラスミドpKJS034を、次いで、KpnI部位を導入したフレームワーク4プライマー対5’ CCT ATC CAT TCA CGT TCG GCC AGG GTA CCA AGG TGG AGA TCT AAC AAG GGC G 3’(配列番号47)およびその相補体を用いるQuikchange突然変異誘発の最終ラウンドに供した。得られた新形態化軽鎖(VL#2)プラスミドをpKJS039と名付けた。
可変軽鎖3型を、最初に、フレームワーク1プライマー5’ GAT GGA GAC ATT CAG ATG ACC CAG TCT CCT AGC TCC CTG TCC GCC TCA GTA GGA GAC AGG GTC ACC ATC ACC TGC AAG GC 3’(配列番号48)、XmaI部位を組み込んだフレームワーク2プライマー5’ GTA GCC TGG TTC CAA CAG AAA CCC GGG AAG GCT CCT AAA TCA C 3’(配列番号49)、XbaI部位を組み込んだ5’フレームワーク3プライマー5’ CAG TGG AGT CCC TTC TAG ATT CAG CGG CAG TGG ATC 3’(配列番号50)、およびPstI部位を組み込んだ3’フレームワーク3プライマー5’ CTC ACC ATC AGC AGC CTG CAG CCT GAA GAC TTC GCA ACC TAT TAC TGT CAG CAA TAT G 3’(配列番号51)を用いて、鋳型プラスミドpAND149上でのUSE突然変異誘発に供し、pKJS035を作製した。プラスミドpKJS035を、新しいKpnI部位を組み込んだフレームワーク4プライマー対5’ CCT ATC CAT TCA CGT TCG GCC AGG GTA CCA AGG TGG AGA TCT AAC AAG GGC G 3’(配列番号52)およびその相補体を用いるQuikchange突然へに誘発の単ラウンドに供した。得られた新形態化可変軽鎖(VL#3)プラスミドをpKJS040と名付けた。
huBHA10軽鎖のための発現ベクターを、pKJS051、pKJS039またはpKJS040からの0.453kbのNotI−BglII軽鎖可変ドメインフラグメント、および、ヒトκ軽鎖定常ドメインを含むプラスミドpEAG963からの0.678kbのBclI−NotIフラグメントを、pCEP4 EBV発現ベクター由来のプラスミドpCH274のNotI部位にサブクローニングすることにより作製し、軽鎖発現ベクターpKJS048(軽鎖#1発現ベクター)、pKJS049(軽鎖#2発現ベクター)およびpKJS050(軽鎖#3発現ベクター)を生じた。
(実施例4−新形態化ヒト化BHA10抗体(1型、2型、3型および4型)の構築および発現)
上記の種々の発現ベクターを一緒に対にして、表2に列挙および記載し、そして、293−EBNA細胞に同時トランスフェクトした。1型huBHA10は、pKJS44(重鎖#1発現ベクター)およびpKJS48(軽鎖#1発現ベクター)の対を含んだ;2型huBHA10は、pKJS45(重鎖#2発現ベクター)およびpKJS49(軽鎖#2発現ベクター)の対を含んだ;3型huBHA10は、pKJS46(重鎖#3発現ベクター)およびpKJS50(軽鎖#3発現ベクター)の対を含んだ;そして、4型huBHA10は、pKJS46(重鎖#3発現ベクター)およびpKJS49(軽鎖#2発現ベクター)の対を含んだ。これらのベクターを、293−EBNA細胞に同時トランスフェクトし、これらのトランスフェクトした細胞を、抗体の分泌および特異性について試験した。馴化培地のウェスタンブロット分析(抗ヒト重鎖抗体および抗ヒト軽鎖抗体を用いて検出)は、huBHA10でトランスフェクトした細胞が、chBHA10でトランスフェクトした細胞と類似するレベルで重鎖および軽鎖を合成し、効率的に分泌したことを示した。トランスフェクトした細胞からの馴化培地で染色した、LT−β−Rを発現するHT−29細胞のFACS分析は、2型huBHA10よりも、3型huBHA10 mAbがより少なく結合したことを示した。これは、chBHA10に類似した(図3)。混合適合(mix and match)同時トラスフェクションは、この減少が、3型の可変軽鎖(VL#3)に起因し得ることを示唆し(図2)、これは、2つのフレームワーク残基(残基36および87)において、2型の可変軽鎖(VL#2)由来であった。次いで、4型huBHA10を、pKJS46(重鎖#3発現ベクター)とpKJS49(軽鎖#2発現ベクター)とを対にすることによって構築した。
chBHA10およびhuBHA101型〜4型を用いる293−EBNA細胞の同時トランスフェクションをスケールアップし、馴化培地を回収した。抗体を、プロテインA−セファロースで精製し、精製したmAbを活性についてアッセイした。リンホトキシン−βレセプターへの結合を、細胞株HT29におけるプロテインA精製抗体のFACS分析により決定した。
(実施例5 A375細胞におけるIL−8−アゴニズム)
A375細胞を10/mlにて、可溶性抗体またはヤギ抗ヒトIgG Fc((Jackson ImmunoResearch Laboratories)に捕捉された抗体のいずれかでコーティングされたウェルを含む96ウェルプレートにプレートした。培養プレートを一晩インキュベートした。BHA10改変体でトランスフェクトした293−E細胞由来のプロテインA精製抗体を、図1に示す所定の濃度にてアッセイした。プロテインA精製したhu−CRB11をポジティブコントロールとして使用した。A375細胞におけるIL−8アゴニズムを図1に示す。生物活性のランク順位は、chBHA10=4型huBHA10=2型huBHA10>3型huBHA10であった。4型huBHA10は、2型huBHA10よりヒト化されていたために、安定なCHO細胞株の世代について選択した。
(実施例6−4型huBHA10についての安定なCHO発現ベクターの構築)
huBHA104型に対するEBV発現ベクター(軽鎖#2発現ベクター:pKJS049;重鎖#3発現ベクター:pKJS046)を、293EBNA細胞に同時トランスフェクトし、トランスフェクトした細胞を、抗体分泌について試験した。馴化培地のウェスタンブロット分析は、トランスフェクトした細胞が重鎖および軽鎖を合成し、かつ効率的に分泌したことを確認した。EBVベクターは、外来性の5’UTRおよび3’UTR、ならびに、免疫グロブリンの可変ドメインおよび定常ドメインを隔てるイントロンを含み、ここでは、安定なCHO発現ベクターのためにcDNAが所望される。従って、cDNAをRT−PCRによりクローニングした。
一過性に同時トランスフェクトしたhuBHA10発現細胞由来の総細胞RNAを、Qiagen RNeasyミニキットを製造業者の推奨するプロトコールに従って使用して調製した。重鎖および軽鎖をコードするcDNAを、Amersham−Pharmacia First Strand cDNA Synthesis kitを製造業者の推奨するプロトコールに従って使用して、RT−PCRにより総細胞RNAからクローニングした。このRT−PCRは、重鎖のプライミングのために5’ CGG ATC CTC AAC CGG GAG ACA GGG AGA GGC T 3’(配列番号53)を、そして、軽鎖のプライミングのために5’ CGG ATC CCT AAC ACT CTC CCC TGT TGA A 3’(配列番号54)を用いる。huBHA10免疫グロブリン重鎖cDNAのPCR増幅について、使用したプライマーは以下の通りであった:5’ GCT AGC GGA TCC ACC ATG GAC TGG ACC TGG 3’(配列番号55)(開始メチオニンの直ぐ5’側にBamHI部位およびACCを加えるため、Kozakシグナルを加えるため)および5’ CGG ATC CTC AAC CGG GAG ACA GGG AGA GGC T 3’(配列番号56)(重鎖C末端のリジン残基を遺伝的に取り除くため、そして、終止コドンの直ぐ3’側にBamHI部位を加えるため)。huBHA10免疫グロブリン軽鎖cDNAのPCR増幅について、使用したプライマーは以下の通りであった:5’ CCC TTA GGA TCC ACC ATG GGC TTC AAG ATG GAG 3’(配列番号57)(開始メチオニンの直ぐ5’側にBamHI部位およびACCを加えるため、Kozakシグナルを加えるため)および5’ CGG ATC CCT AAC ACT CTC CCC TGT TGA A 3’(配列番号58)(終止コドンの直ぐ3’側にBamHI部位を加えるため)。cDNAを、95℃にて2.5分間;Advantage Taq DNAポリメラーゼラーゼ(Clontech)を使用する、変性 94℃にて0.5分、アニーリング 55℃にて0.75分、伸長 68℃にて1分の10サイクル;次いで、68℃での最後の5分間の伸長、のホットスタートPCRに供した。サンプルとして最初の反応からの10μlとPfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)を使用する2次増幅を実施した:変性 94℃にて0.5分、アニーリング 50℃にて0.75分、および伸長 72℃にて1分;次いで、72℃での最後の10分間の伸長。PCR産物を、Qiagen Qiaquickゲル抽出キットを製造業者の推奨するプロトコールに従って使用してゲル精製した。精製したPCR産物を、製造業者の推奨するプロトコールに従って使用して、Invitrogen製のpCR4TOPOクローニングベクターにサブクローニングした。精製したPCR産物を、製造業者の推奨するTOPOクローニングのためのプロトコールに従って使用して、Invitrogen製のpCR4TOPOクローニングベクターにサブクローニングした。複数の独立したサブクローンからの挿入物を配列決定した。配列を確認した軽鎖cDNAサブクローンを、pKJS072と名付けた。配列を確認した重鎖cDNAサブクローンを、pKJS071と名付けた。
pKJS072からの726bpのBamHI軽鎖cDNAフラグメントを、hu5c8軽鎖発現ベクターpXLC2からのリン酸化した6.19kbのBamHIフラグメントにサブクローニングして、neo含有huBHA10軽鎖発現pKJS077を作製した(図3)。このプラスミドは、4型BHA10軽鎖およびネオマイシン耐性遺伝子を含む。軽鎖発現カセットは、ヒトCMV最初期プロモーターおよび第1イントロン(小さな欠失を含む)、ならびに、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。
同様に、pKJS071からの1404bpのBamHI重鎖cDNAフラグメントを、リン酸化したBamHIで直鎖状にしたpV80にサブクローニングして、dhfr含有huBHA10重鎖ベクターpKJS078を作製した(図5)。このプラスミドは、4型BHA10重鎖およびdhfr遺伝子を含む。重鎖発現カセットは、ヒトCMVの最初期プロモーターおよび第1イントロン(小さな欠失を含む)、ならびに、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。dhfr発現カセットは、SV40初期プロモーターおよびSV40ポリアデニル化配列を含む。
発現ベクターを、COS細胞に同時トランスフェクトし、トランスフェクトした細胞を、抗体の分泌および特異性について試験した(空のベクターまたはM92ベクターをネガティブコントロールとして使用した)。馴化培地のウェスタンンブロット分析(抗ヒト重鎖抗体および抗ヒト軽鎖抗体を用いて発色した)は、トランスフェクトした細胞が、重鎖および軽鎖を合成して効率的に分泌し、そして、FACS分析において、huBHA10でトランスフェクトした細胞からの馴化培地が、LT−β−Rを発現するHT−29細胞を選択的に染色したことを示した。
(実施例7−4型huBHA10を発現するCHO細胞株)
4型huBHA10のための発現プラスミドpKJS077およびpKJS078を、CHO細胞にトランスフェクトした。
(実施例8−抗体親和性測定)
HT29細胞を5mM EDTAを含有するPBSで30分間処理し、その後、激しく撹拌することにより回収した。細胞を、丸底96ウェルプレートに、2.5×10細胞/ウェルにて撒いた。BHA10改変体でトランスフェクトした293−E細胞からの上清を、所定の希釈にて、総用量100μlでウェルに添加し、4℃にて1時間インキュベートした。細胞を、FACS緩衝液(5%FBSを含有するPBS)で2回洗浄し、1:100希釈のPE結合体化抗ヒト重鎖抗体および抗ヒト軽鎖抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories)と共に1時間インキュベートした。次いで、細胞をFACS緩衝液で3回洗浄し、1.0%パラホルムアルデヒドを含有するPBS 100μl中に再懸濁した。次いで、サンプルを分析のためにFACS装置に移した。BHA10改変体でトランスフェクトした293−E細胞からのプロテインA精製した抗体を、図2に示すような所定の濃度にてアッセイした。プロテインA精製したCBE11および5C8(抗CD40L抗体)研究用標準を、それぞれ、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールとして使用した。結合活性のランク順位は、chBHA10=4型huBHA10=2型huBHA10>3型huBHA10であった。
(実施例9−WiDr細胞に対する細胞傷害性)
抗ヒトIgG Fcでコーティングしたウェル上で、可溶性抗LT−β−R抗体と共にWiDr結腸癌細胞を使用する細胞傷害性アッセイは、本発明の抗LT−β−R抗体が、癌細胞における細胞傷害性を増加することを示す。WiDr細胞を、80ユニット/mlのhuIFN−γの存在下で、6×10/mlにて、可溶性抗体、または、ヤギ抗ヒトIgG Fc(Jackson ImmunoResearch Laboratories)で捕捉された抗体のいずれかでコーティングされたウェルを含む96ウェルプレートにプレートした。この培養プレートを5日間インキュベートした。MTTを4時間添加し、得られた沈殿を10mM HCl中の10% SDSとの一晩のインキュベーションにより溶解させ、そして、ODをマイクロプレートリーダーで読む。
(実施例10−huBHA10の前処置は、WiDr腫瘍の増殖を遅くする)
6週齢のヌードマウスに、100μgの抗LFA3抗体(1E6)、100μgの抗LT−β−R抗体(すなわち、新形態化huBHA10)を腹腔内注射するか、または、注射しない(コントロール)。次いで、これらの動物に、1×10のWiDr結腸直腸腺癌細胞を皮下注射する。新形態化huBHA10で処理したマウスを、毎週、100μgの抗体で再処置し、mBHA10動物は、14日目にのみ再処置する。腫瘍サイズを毎週測定し、腫瘍球の体積を算出する。これらの腫瘍が2.0cmの体積(直径16mm)に達すると、動物を屠殺し、動物の死を生存チャートに記載する。新形態化huBHA10での前処置は、ヌードマウスにおけるWiDr腫瘍の進行を遅くすることが期待される。
(実施例11−前もって増殖したWiDr腫瘍の増殖の減速およびWiDr腫瘍を有するヌードマウスの生存の増加)
10個のWiDr細胞をヌードマウスにおいて10日間皮下で前もって増殖させる。これらのマウスは、毎週のPBSもしくは新形態化huBHA10または隔週のmBHA10のいずれかの皮下注射を受ける。腫瘍重量を、幅および長さの計測値から算出し、2000mgを超える腫瘍を有する動物を屠殺し、屠殺時点でのこれらの腫瘍重量を、統計的な平均に留まらせる。以下の式を使用して腫瘍重量を算出する:(幅×幅×長さ)/2=腫瘍重量(mg)。本発明の新形態化huBHA10抗体は、インビボで前もって増殖させた腫瘍の進行を減速することが期待される。さらに、腫瘍を増殖させ、上記のように処置して、動物の生存率を測定する。本発明の新形態化huBHA10抗体は、前以て増殖させた腫瘍を有するマウスにおいて、インビボでの延長した生存を誘導することが期待される。
Figure 2005532051
種々の改変および変更が、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明のポリペプチド、組成物および方法においてなされ得ることが当業者に明らかである。従って、本発明は、本発明の変更および改変が、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入る限り、それを包含することを意図する。本明細書中に引用される全ての刊行物および特許文献、ならびに、図面および配列表中に見られる文書は、各々が個々に示されたのと同じ程度に、あらゆる目的のために、その全体が本明細書中に参考として援用される。
図1は、A375細胞に対する、IL−8アゴニズムについての、huBHA10の異なる型(2型〜4型)の比較を示す。IL−8アッセイは、実施例5に記載されるように実施した。黒四角:キメラBHA10;白丸:2型;黒丸:3型;白菱形:4型;白三角:huCBE11(ポジティブコントロール)。 図2は、HT29細胞に結合する精製したhuBHA10抗体2型〜4型のFACS分析の結果を示す。FACS分析は、実施例8のように実施した。黒四角:キメラBHA10;白丸:2型;黒丸:3型;白菱形:4型;白三角:huCBE11(ポジティブコントロール);十字:M92(抗CD40L抗体)(ネガティブコントロール)。 図3は、pKJS077のプラスミドマップを示す。このプラスミドは、軽鎖#2およびネオマイシン耐性遺伝子を含む。この軽鎖発現カセットは、ヒトCMV最初期プロモーターおよび第1イントロン(小さな欠失を含む)ならびに、ヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。 図4(A)は、軽鎖#2をコードする核酸配列(可変領域−一重下線;定常領域−二重下線)(配列番号59)を示し、図4(B)は、対応するアミノ酸配列(可変領域−一重下線;定常領域−二重下線)(配列番号60)を示す。 図5は、pKJS078のプラスミドマップを示す。このプラスミドは、重鎖#3およびDHFR遺伝子を含む。この重鎖発現カセットは、ヒトCMV最初期プロモーターおよび第1イントロン(小さな欠失を含む)ならびにヒト成長ホルモンポリアデニル化配列を含む。DHFR発現カセットは、SV40初期プロモーターおよびSV40ポリアデニル化配列を含む。 図6(A)は、重鎖#3をコードする核酸配列(可変領域−一重下線;定常領域−二重下線)(配列番号61)を示し、図6(B)は、対応するアミノ酸配列(可変領域−一重下線;定常領域−二重下線)(配列番号62)を示す。

Claims (44)

  1. ヒト化抗リンホトキシン−βレセプター(LT−β−R)抗体であって、該抗体の軽鎖相補性決定領域は、配列番号1のアミノ酸残基24〜34、50〜56および89〜97により規定され、かつ、該抗体の重鎖相補性決定領域は、配列番号2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および95〜102により規定され、該抗体は、その軽鎖中に以下の残基:
    Y36、S49、T63およびF87;
    のうち少なくとも1種を含むか、または、その重鎖中に以下の残基:
    Y27、T30、I48、A67、L69およびF91(Kabat番号付け慣例)
    のうち少なくとも1種を含む、ヒト化抗体。
  2. 請求項1に記載のヒト化抗体と同じリンホトキシン−βレセプターのエピトープに結合する、抗体。
  3. ヒト化抗リンホトキシン−βレセプター(LT−β−R)抗体であって、該抗体の軽鎖相補性決定領域は、配列番号1のアミノ酸残基24〜34、50〜56および89〜97により規定され、かつ、該抗体の重鎖相補性決定領域は、配列番号2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および95〜102により規定され、該抗体は、その軽鎖中に以下の残基Y36、S49およびF87(Kabat番号付け慣例)を含む、ヒト化抗体。
  4. ヒト化抗リンホトキシン−βレセプター(LT−β−R)抗体であって、該抗体の軽鎖相補性決定領域は、配列番号1のアミノ酸残基24〜34、50〜56および89〜97により規定され、かつ、該抗体の重鎖相補性決定領域は、配列番号2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および95〜102により規定され、該抗体は、その重鎖中に残基Y27およびT30(Kabat番号付け慣例)を含む、ヒト化抗体。
  5. 前記抗体が、配列番号6のアミノ酸残基1〜107により規定される軽鎖可変ドメイン配列を含む、請求項1に記載の抗体。
  6. 前記抗体が、配列番号14のアミノ酸残基1〜113により規定される重鎖可変ドメイン配列を含む、請求項1に記載の抗体。
  7. 前記抗体が、配列番号14のアミノ酸残基1〜113により規定される重鎖可変ドメイン配列をさらに含む、請求項5に記載の抗体。
  8. 前記抗体が、配列番号15のアミノ酸残基1〜214により規定される軽鎖ドメイン配列を含む、請求項1に記載の抗体。
  9. 前記抗体が、配列番号16のアミノ酸残基1〜442により規定される重鎖ドメイン配列を含む、請求項1に記載の抗体。
  10. 前記抗体が、配列番号15のアミノ酸残基1〜214により規定される軽鎖ドメイン配列、および、配列番号16のアミノ酸残基1〜442により規定される重鎖ドメイン配列を含む、請求項1に記載の抗体。
  11. 細胞株クローン3D9(2002年9月27日に寄託された、ATCC特許寄託物名PTA−4726)により産生される抗体と同じ重鎖および軽鎖のポリペプチドプチド配列を含む、抗体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体を産生する、細胞。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体であって、親抗体の結合特性を実質的に保持する、抗体。
  14. 前記抗体が、さらに、細胞毒性部分に連結されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体。
  15. 前記抗体が、さらに、化学療法薬物に連結されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体。
  16. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体および薬学的に受容可能なキャリアを含む、組成物。
  17. ヒトにおける新生物形成の進行、重篤度または作用を処置または軽減する方法であって、該方法は、請求項16に記載の組成物を該ヒトに投与する工程を包含する、方法。
  18. ヒトにおける腫瘍体積を減少する方法であって、該方法は、請求項16に記載の組成物を該ヒトに投与する工程を包含する、方法。
  19. 細胞株クローン3D9(2002年9月27日に寄託された、ATCC特許寄託物名PTA−4726)により産生される抗体の軽鎖に対するコード配列を含む、単離された核酸。
  20. 細胞株クローン3D9(2002年9月27日に寄託された、ATCC特許寄託物名PTA−4726)により産生される抗体の重鎖に対するコード配列を含む、単離された核酸。
  21. 配列番号5の残基1〜107に対するコード配列を含む、単離された核酸。
  22. 配列番号13の残基1〜113に対するコード配列を含む、単離された核酸。
  23. 請求項21に記載の核酸を含む、発現ベクター。
  24. 請求項22に記載の核酸を含む、発現ベクター。
  25. 請求項23または24に記載の発現ベクターを含む、細胞。
  26. 細胞株クローン3D9(2002年9月27日に寄託された、ATCC特許寄託物名PTA−4726)の、細胞。
  27. 前記抗体が抗原結合フラグメントである、請求項1〜11および13〜15のいずれか1項に記載の抗体。
  28. 前記フラグメントが、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab)フラグメント、およびFフラグメントからなる群から選択される、請求項27に記載の抗体。
  29. 前記抗体が、ポリエチレングリコールまたはアルブミンに結合体化されている、請求項1〜11、13〜15、27および28のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
  30. 前記抗体の定常領域が、改変されていない抗体と比較して、少なくとも1つの定常領域媒介性の生物学的エフェクター機能を減少するように改変されている、請求項1〜11、13〜15および27〜29のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
  31. 変更されたエフェクター機能を有するFc領域を含む、請求項1〜11、13〜15および27〜30のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
  32. 3D9(ATCC登録番号PTA−4726)からなる、ハイブリドーマ細胞。
  33. 前記ハイブリドーマ細胞が、ヒト化抗体またはその抗原結合部分を産生する、請求項32に記載のハイブリドーマ細胞。
  34. 配列番号1由来の相補性決定領域(CDR)および可変領域フレームワークアミノ酸残基Y36、S49およびF87(Kabat番号付けシステム)を含む軽鎖であって、該軽鎖の残りは、ヒト抗体由来である、軽鎖。
  35. 配列番号2由来の相補性決定領域(CDR)および可変領域フレームワークアミノ酸残基Y27およびT30(Kabat番号付けシステム)を含む重鎖であって、該重鎖の残りは、ヒト抗体由来である、重鎖。
  36. 請求項34に記載の軽鎖および、請求項35に記載の重鎖を含むヒト化抗体、または、該抗体の抗原結合フラグメント。
  37. リンホトキシン−βレセプター(LT−β−R)に結合する、請求項36に記載の抗体。
  38. 配列番号1として示されるBHA10可変軽鎖配列のCDRを含む、ヒト化抗体。
  39. 配列番号2として示されるBHA10可変重鎖配列のCDRを含む、ヒト化抗体。
  40. LT−β−Rに特異的に結合する、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメントであって、該抗体またはフラグメントは、マウスBHA10抗体由来のCDRに対応するCDRを含む可変領域を含む、ヒト化抗体またはその抗原結合フラグメント。
  41. Fabフラグメントである、請求項40に記載のフラグメント。
  42. 患者における癌を処置または軽減する方法であって、請求項1〜11、13〜15、27〜31および36〜40のいずれか1項に記載のヒト化抗体の有効投薬量を該患者に投与する工程を包含する、方法。
  43. 患者における固形腫瘍を処置または減少する方法であって、請求項1〜11、13〜15、27〜31および36〜40のいずれか1項に記載のヒト化抗体の有効投薬量を該患者に投与する工程を包含する、方法。
  44. 前記固形腫瘍が、非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸直腸癌(CRC)、乳癌、前立腺癌、胃癌(gastric cancer)、皮膚癌、胃癌(stomach cancer)、食道癌および膀胱癌からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
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