[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2005507878A - ヘルペス感染症を治療するためのピラゾロ−ピリジン類 - Google Patents

ヘルペス感染症を治療するためのピラゾロ−ピリジン類 Download PDF

Info

Publication number
JP2005507878A
JP2005507878A JP2003526920A JP2003526920A JP2005507878A JP 2005507878 A JP2005507878 A JP 2005507878A JP 2003526920 A JP2003526920 A JP 2003526920A JP 2003526920 A JP2003526920 A JP 2003526920A JP 2005507878 A JP2005507878 A JP 2005507878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
het
compound
cycloalkyl
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003526920A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005507878A5 (ja
Inventor
ジョーンズ,ブライアン,エー.
ガドマンドッソン,クリスチャン
Original Assignee
スミスクライン ビーチャム コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by スミスクライン ビーチャム コーポレーション filed Critical スミスクライン ビーチャム コーポレーション
Publication of JP2005507878A publication Critical patent/JP2005507878A/ja
Publication of JP2005507878A5 publication Critical patent/JP2005507878A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/20Antivirals for DNA viruses
    • A61P31/22Antivirals for DNA viruses for herpes viruses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

本発明は、式(I):
【化1】
Figure 2005507878

[式中の全ての可変部は本明細書中で定義されているとおりである]の化合物、それを含有する医薬組成物、それの調製方法及びそれの医薬としての使用を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な化合物、それら化合物を含有する医薬製剤、及び、それら化合物の治療における使用に関する。さらに詳細には、本発明は、ヘルペスウイルス感染症を予防又は治療するための化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
DNAウイルスの中で、ヘルペス属のDNAウイルスは、ヒトにおける最も一般的なウイルス性疾患の原因病原体である。上記属には、単純ヘルペスウイルス1型及び2型(HSV-1及びHSV-2)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタインバーウイルス(EBV)、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)及びヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)が含まれる。HSV-1とHSV-2は、ヒトの最も一般的な感染病原体のひとつである。これらのウイルスの大部分は、宿主の神経細胞内で生存し続けることができる。これらのウイルスにいったん感染すると、感染している個体は、感染の臨床症状の再発のリスクを有し、これは、肉体的にも精神的にも苦痛であり得る。
【0003】
単純ヘルペスウイルス(HSV-1及びHSV-2)は、口唇ヘルペスと陰部ヘルペスの原因病原体である。HSVの感染は、しばしば、皮膚、口及び/又は生殖器の広範囲にわたる消耗性の病変によって特徴づけられる。初感染は症状を示さないこともあるが、以前に当該ウイルスに冒された個体が感染した場合よりも重症となる傾向にある。HSVが眼に感染すると、角膜炎又は白内障になることがあり、それによって、患者の視力は危険にさらされる。新生児における感染、免疫が低下している患者における感染、又は、感染の中枢神経系への侵入は、致命的になり得る。米国だけで4000万人がHSV-2に感染しており、2007年までには6000万人に増加すると予想されている。HSV-2に感染しているヒトの80%以上が自分がキャリアであることに気づかずに当該ウイルスを拡散し、HSV-2に感染していると診断されたヒトの20%未満が経口治療を受ける。最終的には、治療を受けるのは感染しているヒトの5%未満である。同様に、世界で5億3000万人がHSV-1ウイルスを保有し、このうちの症状を有するヒトの81%が治療を受けないでいる。HSV感染症に対する治療法は存在せず、いったん感染したら、感染している個体は当該ウイルスを休眠状態でを一生保有する。前記ウイルスの潜伏状態からの再活性化は、断続的に起こり、ストレス、環境要因及び/又は宿主の免疫系の低下によって誘発され得る。現在は、バラシクロビル(VALTREX(登録商標))及びアシクロビル(ZOVIRAX(登録商標))などのヌクレオシド類似体を使用するのが、大発生している陰部ヘルペスウイルスを管理するための標準的な治療法である。
【0004】
VZVは、水痘と帯状疱疹を引き起こすヘルペスウイルスである。水痘は、免疫のない宿主において生じる一次疾患であり、幼い子供では、通常、水疱疹と発熱を特徴とする軽症の病気である。帯状疱疹は、以前にVZVに感染したことのある大人で発症する、この病気の再発症状である。帯状疱疹の臨床症状は、その分布が片側性で皮節性である神経痛と水泡性皮膚の発疹を特徴とする。炎症が広がると、麻痺や痙攣が起こる場合がある。髄膜が冒されると、昏睡状態になり得る。VZVは、移植を目的として免疫抑制剤を投与された患者又は悪性の腫瘍形成を治療するために免疫抑制剤を投与された患者において重大な問題であり、また、AIDS患者においても、免疫系が正常に機能しないことにより、極めて重大な問題である。
【0005】
他のヘルペスウイルスと同様に、CMVに感染すると、ウイルスと宿主は一生のつきあいとなる。妊娠期間中の母親の感染の結果として起こる生まれつきの感染は、例えば、死産しくは重症疾患(小頭症、肝脾腫大症、黄疸、精神遅滞疾患)、失明を引き起こす網膜炎、又は、程度は軽いが、発育障害、並びに、胸部及び耳への感染に対する罹病性などの臨床的作用を引き起こし得る。例えば、悪性腫瘍、移植後の免疫抑制剤での治療又はヒト免疫不全ウィルスの感染の結果として免疫不全となった患者におけるCMVの感染は、網膜炎、肺炎、胃腸障害及び神経疾患を引き起こし得る。CMVの感染は、さらに、再狭窄及びアテローム性動脈硬化症などの心血管疾患及び病態とも関連する。
【0006】
EBVによって引き起こされる主な疾患は、急性又は慢性の伝染性単核球症(腺熱[glandular fever])である。EBV又はEBVが関連している別の疾患の例としては、先天性又は後天性の細胞性免疫欠乏を患っているヒトでしばしば発症するリンパ増殖性疾患、特に若年の少年で発症するX染色体連鎖リンパ増殖性疾患、EBV-関連B細胞腫瘍、ホジキン病、上咽頭癌、バーキットリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸腺腫及び口腔毛状白板症などを挙げることができる。EBV感染症は、肺も含めた上気道及び下気道の様々な上皮細胞に由来する腫瘍に関連していることも明らかにされている。EBV感染症は、慢性疲労症候群、多発性硬化症及びアルツハイマー病などの他の疾患及び病態にも関連していることが明らかにされている。
【0007】
HHV-6は、子供の乳児発疹(infantum subitum)、及び、腎臓移植患者と骨髄移植患者それぞれの腎臓拒絶反応及び間質性肺炎の原因因子であることが明らかになっており、おそらく、多発性硬化症などの他の疾患とも関連している可能性がある。骨髄移植患者における幹細胞総数が減少しているという証拠も存在する。HHV-7は、未確定病因の疾患である。
【0008】
B型肝炎ウイルス(HBV)は、全世界的に極めて重要なウイルス性病原体である。このウイルスは、原発性肝細胞癌に病因論的には関連しており、世界の肝臓癌の80%の原因であると考えられている。HBVによる感染の臨床症状は、頭痛、熱、倦怠感、悪心、嘔吐、食欲不振及び腹痛に及ぶ。このウイルスの複製は、通常、免疫応答によって制御され、ヒトは数週間から数ヶ月を要して回復するが、このウイルスによる感染症はより重症であることがあり、その場合、上記で概説した永続的な慢性肝疾患になることがある。
【0009】
Mitsuderaらに対する米国特許第5,498,774号及び欧州特許第0404190号は、農薬として有用な、一般式(I):
【化1】
Figure 2005507878
【0010】
[式中、Qは置換されていないか又は置換されている橋頭に窒素原子を有する縮合ヘテロ環式基であり、Xは水素原子であるか、又は、C、O、S若しくはNを介して結合している基であり、Yは電子求引基である]
で表される縮合ヘテロ環式化合物又はその塩に関する。
【発明の開示】
【0011】
本発明の第一の態様により、式(I):
【化2】
Figure 2005507878
【0012】
[式中、
R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
各R7及びR8は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NR9R11、-R10NHCOR9、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10NHSO2R9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から各々独立して選択され;
各R9及びR11は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w(式中、wは1〜10である)、及び-R10NR10R10からなる群から各々独立して選択され;
各R10は同一であるか又は異なっており、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びシクロアルケニルからなる群から独立して選択され;
Ayはアリールであり;
Hetは、5員又は6員のヘテロ環式基又はヘテロアリール基であり;
nは、0、1又は2であり;
R2は、ハロ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
Yは、N又はCHであり;
R3及びR4は同一であるか又は異なっており、H、ハロ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-C(O)R7、C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から各々独立して選択され;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;
各R5は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-C(O)NR7R8、-C(S)NR9R11、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-CO2R9、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、2つの隣接するR5基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しており;
rは、1、2又は3であり;
各R13及びR14は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NR9R11、-R10NHCOR9、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10NHSO2R9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から各々独立して選択され;
pは、0、1又は2であるが、その場合pとrの和は3以下であり;
各R6は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、2つの隣接するR6基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキルを形成しているか又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環式基を形成しており;
YがCHである場合は、R3は-NR7Ayではない]
で表される化合物並びにその医薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能する誘導体が提供される。
【0013】
本発明の別の態様において、式(I)の化合物を含有する医薬組成物が提供される。特定の一実施形態において、前記医薬組成物は、さらに、医薬上許容される担体又は希釈剤を含有する。一実施形態において、前記医薬組成物は、さらに、アシクロビル、バラシクロビル又はそれらの医薬上許容される塩などの抗ウイルス薬を含有する。
【0014】
本発明の第三の態様において、ヘルペスウイルス感染症を予防又は治療するための方法が提供される。前記方法は、治療有効量の上記式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体を投与することを含んでなる。前記ヘルペスウイルス感染症は、単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7及びヒトヘルペスウイルス8のいずれかであり得る。前記方法は、さらに、治療有効量の、アシクロビル、バラシクロビル又はそれらの医薬上許容される塩などの抗ウイルス薬を投与することを含み得る。
【0015】
第四の態様において、動物におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患を治療又は予防する方法が提供される。前記方法は、当該動物に、治療有効量の上記式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体を投与することを含んでなる。
【0016】
別の態様において、本発明は、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択される式(I)の化合物を調製する方法を提供する。当該方法は、
(a) 式(XI):
【化3】
Figure 2005507878
【0017】
[式中、Halはハロであり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]
で表される化合物をアミン又はイミンと反応させて、式(XII):
【化4】
Figure 2005507878
【0018】
で表される化合物を調製する工程;
及び、
(b) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含んでなる。
【0019】
別の実施形態において、本発明は、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3がHであり;R4がHである式(I)の化合物を調製する方法を提供する。当該方法は、
(a) 式(IX):
【化5】
Figure 2005507878
【0020】
[式中、Halはハロであり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]
で表される化合物を、式(X):
【化6】
Figure 2005507878
【0021】
で表される化合物と反応させて、式(XI)で表される化合物を調製する工程;
(b) 得られた式(XI)の化合物をアミン又はイミンと反応させて、式(XII)で表される化合物を調製する工程;
及び、
(c) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含んでなる。
【0022】
別の実施形態において、本発明は、YがNであり;R2が、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3は、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9 -NR7R8(式中、R7とR8はHではない)、-NR7Ay(式中、R7はHではない)、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R4がHである式(I)の化合物を調製する方法を提供する。当該方法は、
(a) 式(XXIX):
【化7】
Figure 2005507878
【0023】
[式中、Halはハロであり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]
で表される化合物を式(X)で表される化合物と反応させて、式(XI)で表される化合物を調製する工程;
(b) 得られた式(XI)の化合物をアミン又はイミンと反応させて、式(XII)で表される化合物を調製する工程;
及び、
(c) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含んでなる。
【0024】
さらに別の実施形態において、本発明は、YがNであり;R2が、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択される式(I)の化合物を調製する方法を提供する。当該方法は、
(a) 式(XXXV):
【化8】
Figure 2005507878
【0025】
[式中、Halはハロであり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]
で表され化合物を式(X)で表される化合物と反応させ、その後酸化的芳香族化により、式(XI)で表される化合物を調製する工程;
(b) 得られた式(XI)の化合物をアミン又はイミンと反応させて、式(XII)で表される化合物を調製する工程;
及び、
(c) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含んでなる。
【0026】
別の実施形態において、本発明は、式(I)による化合物を調製する方法を提供する。当該方法は、
(a) 式(XL):
【化9】
Figure 2005507878
【0027】
[式中、X1はハロであり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]
で表される化合物を、式(XLI):
【化10】
Figure 2005507878
【0028】
[式中、M2は、-B(OH)2、-B(ORa)2、-B(Ra)2、-Sn(Ra)3、Zn-ハライド、ZnRa及びMg-ハライド(ここで、Raはアルキル又はシクロアルキルであり、ハライドはハロである)からなる群から選択される]
で表される化合物と反応させて、式(XII)で表される化合物を調製する工程;
及び、
(c) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含んでなる。
【0029】
上記調製方法は、さらに、式(XII)の化合物を式(XII-D):
【化11】
Figure 2005507878
【0030】
[式中、rは、2又は3である]
で表される化合物に変換する工程を含み得る。
【0031】
本発明は、さらに、式(XII-E):
【化12】
Figure 2005507878
【0032】
[式中、rは、1、2又は3である]
で表される化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体を式(XII-E)で表される別の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体に変換する方法、並びに、式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体を式(I)で表される別の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体に変換する方法を提供する。
【0033】
別の態様において、本発明は、放射能標識された式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体を提供する。一実施形態において、本発明は、トリチウム化された式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体を提供する。別の実施形態において、本発明は、ビオチニル化された式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体を提供する。
【0034】
別の態様において、本発明は、治療で使用するための式(I)の化合物を提供する。
【0035】
さらに別の態様において、本発明は、動物、例えば哺乳動物、特にヒトにおけるヘルペスウイルス感染症の予防又は治療で使用するための、式(I)の化合物を提供する。
【0036】
別の態様において、本発明は、動物、例えば哺乳動物、特にヒトにおけるヘルペスウイルス感染症の予防又は治療で使用するための、式(I)の化合物を含有する医薬組成物を提供する。
【0037】
さらに別の態様において、本発明は、動物、例えば哺乳動物、特にヒトにおけるヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患の予防又は治療で使用するための式(I)の化合物を提供する。
【0038】
さらに別の態様において、本発明は、動物、例えば哺乳動物、特にヒトにおけるヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患の予防又は治療で使用するための、式(I)の化合物を含有する医薬組成物を提供する。
【0039】
さらに別の態様において、本発明は、動物、例えば哺乳動物、特にヒトにおけるヘルペスウイルス感染症を予防又は治療するための薬物を調製するための、式(I)の化合物の使用を提供する。
【0040】
さらに別の態様において、本発明は、動物、例えば哺乳動物、特にヒトにおけるヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患を治療又は予防するための薬物を調製するための、式(I)の化合物の使用を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本明細書で使用する場合、「本発明の化合物」又は「式(I)の化合物」は、式(I)の化合物並びにその医薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能する誘導体を意味する。同様に、例えば式(XI)の化合物、式(XII)の化合物、式(XII-D)の化合物及び式(XII-E)の化合物などの、単離可能な中間体に関して、「式(数字)の化合物」という表現は、当該式で表される化合物並びにその医薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能する誘導体を意味する。
【0042】
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」及び「アルキレン」は、1〜8個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。本明細書で使用される「アルキル」の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、イソブチル、イソプロピル及びt-ブチルなどを挙げることができる。本明細書で使用される「アルキレン」の例としては、限定するものではないが、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソブチレンなどを挙げることができる。「アルキル」及び「アルキレン」には、置換されているアルキルと置換されているアルキレンも包含される。本明細書で使用されるアルキル基は、場合によっては、メルカプト、ニトロ、シアノ、アジド及びハロからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。例えばトリフルオロメチルなどのペルハロアルキルは、特定のアルキル基の1つである。
【0043】
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルキル」は、(特に規定されていない限り)3〜8個の炭素原子を有し、炭素-炭素二重結合は有さない、非芳香族の炭素環を意味する。「シクロアルキル」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルなどを挙げることができる。「シクロアルキル」には、置換されているシクロアルキルも包含される。本明細書で使用されるシクロアルキルは、置換可能ないずれかの炭素において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ及びアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で場合によっては置換されていてもよい。
【0044】
本明細書で使用する場合、用語「アルケニル」は、2〜8個の炭素原子を含み、1〜3の炭素-炭素二重結合を有する、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。本明細書で使用される「アルケニル」の例としては、限定するものではないが、エテニル及びプロペニルなどを挙げることができる。「アルケニル」には、置換されているアルケニルも包含される。本明細書で使用されるアルケニル基は、置換可能ないずれかの炭素において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ及びアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で場合によっては置換されていてもよい。
【0045】
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルケニル」は、(特に規定されていない限り)3〜8個の炭素原子を有し、3つ以下の炭素-炭素二重結合を有する、非芳香族の炭素環を意味する。「シクロアルケニル」の例としては、シクロブテニル、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルなどを挙げることができる。「シクロアルケニル」には、置換されているシクロアルケニルも包含される。本明細書で使用されるシクロアルケニルは、置換可能ないずれかの炭素において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ及びアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で場合によっては置換されていてもよい。
【0046】
本明細書で使用する場合、用語「アルキニル」は、2〜8個の炭素原子を含み、1〜3の炭素-炭素三重結合を有する、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。本明細書で使用される「アルキニル」の例としては、限定するものではないが、エチニル及びプロピニルなどを挙げることができる。「アルキニル」には、置換されているアルキニルも包含される。本明細書で使用されるアルキニル基は、置換可能ないずれかの炭素において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ及びアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で場合によっては置換されていてもよい。
【0047】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の元素を意味する。
用語「アリール」は、(特に規定されていない限り)5〜12個の炭素原子を有し、少なくとも1個の芳香族環を有する、単環式炭素環式基及び縮合二環式炭素環式基を意味する。特定のアリール基の例としては、限定するものではないが、フェニル及びナフチルなどを挙げることができる。「アリール」には、置換されているアリールも包含される。アリール基は、置換可能ないずれかの炭素において、ハロ、アルキル(ハロアルキルを包含する)、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アミノ、メルカプト、ヒドロキシ、アルキルヒドロキシ、アルキルアミン、シクロアルキルアミン、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、Het、アミジン、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から選択される1個以上の置換基で場合によっては置換されていてもよい。本発明による特定のアリール基としては、限定するものではないが、フェニル及び置換されているフェニルなどを挙げることができる。
【0048】
用語「ヘテロ環式(heterocyclic)」(又は、ヘテロ環(heterocycle))は、指定された数の環員を有し、N、O及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、飽和又は不飽和の単環式非芳香族基及び縮合二環式非芳香族基を意味する。特定のヘテロ環式基の例としては、限定するものではないが、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピラン、オキセタン、チエタン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキサラン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリミジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジン、オキサゾリジン、テトラヒドロチオピラン及びテトラヒドロチオフェンなどを挙げることができる。「ヘテロ環」には、置換されているヘテロ環も包含される。本明細書で使用されるヘテロ環式基は、置換可能ないずれかの炭素又はヘテロ原子において、ハロ、アルキル(ペルハロアルキルを包含する)、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキルアミン、シクロアルキルアミン、Het、アミジン、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から選択される1個以上の置換基で場合によっては置換されていてもよい。本発明による特定のヘテロ環式基としては、限定するものではないが、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジン並びにそれらの置換されている変形体などを挙げることができる。
【0049】
用語「ヘテロアリール」は、指定された数の環員を有し、N、O及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、芳香族単環式基及び芳香族縮合二環式基を意味する。特定のヘテロアリール基の例としては、限定するものではないが、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール及びインダゾールなどを挙げることができる。「ヘテロアリール」には、置換されているヘテロアリールも包含される。本明細書で使用されるヘテロアリール基は、置換可能ないずれかの炭素又はヘテロ原子において、ハロ、アルキル(ペルハロアルキルを包含する)、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキルアミン、シクロアルキルアミン、Het、アミジン、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から選択される1個以上の置換基で場合によっては置換されていてもよい。本発明による特定のヘテロアリール基としては、限定するものではないが、ピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール及びピリミジン並びにそれらの置換されている変形体などを挙げることができる。
【0050】
ヘテロ環式基及びヘテロアリール基に関連して用いられている用語「員(members)」(及び、その変形表現、例えば、「員の(membered)」)は、当該環を形成している、炭素及びヘテロ原子(N、O及び/又はS)の全原子を指す。従って、6員ヘテロ環の例はピペリジンであり、6員ヘテロアリール環の例はピリジンである。
【0051】
本明細書で使用する場合、用語「場合によっては(optionally)」は、当該用語の次に記載されている事象が起こってもよいし又は起こらなくてもよいことを意味し、そのような事象が起こる場合と起こらない場合の両方を包含する
本発明は、式(I):
【化13】
Figure 2005507878
【0052】
[式中、
R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
各R7及びR8は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NR9R11、-R10NHCOR9、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10NHSO2R9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から各々独立して選択され;
各R9及びR11は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w(式中、wは1〜10である)、及び-R10NR10R10からなる群から独立して独立して選択され;
各R10は同一であるか又は異なっており、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びシクロアルケニルからなる群から独立して選択され;
Ayはアリールであり;
Hetは、5員又は6員のヘテロ環式基又はヘテロアリール基であり;
nは、0、1又は2であり;
R2は、ハロ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
Yは、N又はCHであり;
R3及びR4は同一であるか又は異なっており、H、ハロ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-C(O)R7、C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から各々独立して選択され;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;
各R5は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-C(O)NR7R8、-C(S)NR9R11、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-CO2R9、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、2つの隣接するR5基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しており;
rは、1、2又は3であり;
各R13及びR14は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NR9R11、-R10NHCOR9、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10NHSO2R9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から各々独立して選択され;
pは、0、1又は2であるが、その場合pとrの和は3以下であり;
各R6は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、2つの隣接するR6基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキルを形成しているか又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環式基を形成しており;
YがCHである場合は、R3は-NR7Ayではない]
で表される化合物並びにその医薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能する誘導体を提供する。
【0053】
式(I)の化合物の1つのクラスにおいて、YはCHである。式(I)の化合物の別のクラスにおいて、YはNである。
【0054】
一実施形態において、式(I)の化合物は、R1がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるものとして定義される(例えば、R1は、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)Ay、-C(O)Het、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7Ay、-R10Ay、-R10Het、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het及び-R10NR7Ayからなる群又はそれらのサブセットから選択される)。別の実施形態において、式(I)の化合物は、R1がヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるものとして定義される(例えば、R1は、-OR10Het、-C(O)Het、-S(O)nHet、-R10Het及び-R10OC(O)Hetからなる群又はそれらのサブセットから選択される)。さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、R1がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含んでいないものとして定義される(例えば、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群又はそれらのサブセットから選択される)。別の実施形態において、R1はヘテロアリール部分構造及びヘテロ環部分構造を含んでいないが、アリール部分構造は含んでいる場合がある(例えば、R1は、 アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-C(O)R9、-C(O)Ay、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群又はそれらのサブセットから選択される)。
【0055】
一実施形態において、R1は、アルキル、シクロアルキル、-OR7、-OAy、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群又はそれらのサブセットから選択される。より特定的には、R1は、アルキル、-OR7、-C(O)NR7R8、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-R10OR9及び-R10NR7R8からなる群又はそれらのサブセットから選択される。特定の一実施形態において、R1は、アルキル、-OR7、-C(O)NR7R8及びS(O)nR9からなる群又はそれらのサブセットから選択される。
【0056】
一実施形態において、式(I)の化合物は、式中のYがCHであり且つR1が-CO2R9である場合はR9はHではないものとして定義される。別の実施形態において、式(I)の化合物は、式中のYがCHであり且つR1が-CONR7R8であり且つR7がHである場合はR8はアルキルではないものとして定義される。
【0057】
別の実施形態において、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R10、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群又はそれらのサブセットから選択される。
【0058】
特定のR1基の具体的な例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、チオメトキシ、チオエトキシ、チオイソプロポキシ、チオ-t-ブトキシ、チオフェニル及び-OCH2CF3からなる群又はそれらのサブセットから選択される。
【0059】
一実施形態において、式(I)の化合物は、R2がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるものとして定義される(例えば、R2は、Ay、Het、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nAy、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het及び-R10NR7Ayからなる群又はそれらのサブセットから選択される)。別の実施形態において、式(I)の化合物は、R2がヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるものとして定義される(例えば、R2は、Het、-OHet、-OR10Het、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群又はそれらのサブセットから選択される)。さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、R2がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含んでいないものとして定義される(例えば、R2は、ハロ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-S(O)nR9、-NR7R8及び-R10NR7R8からなる群又はそれらのサブセットから選択される)。別の実施形態において、R2は、ヘテロアリール部分構造及びヘテロ環部分構造を含んでいないが、アリール部分構造は含んでいる場合がある(例えば、R2は、ハロ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHR10Ay、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群又はそれらのサブセットから選択される)。
【0060】
一実施形態において、R2は、Het、-OR7、-S(O)nR9、-NR7R8、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群又はそれらのサブセットから選択される。より特定的には、R2は、Het、-NR7R8、-NHR10Het及び-NHHetからなる群又はそれらのサブセットから選択される。特定の一実施形態において、式(I)の化合物は、R2が-NR7R8、Het若しくは-NHHet、又はそれらのサブセットであるとして定義される。一実施形態において、R2は-NR7R8である。
【0061】
一実施形態において、R7及びR8は各々同一であるか又は異なっており、H、アルキル、シクロアルキル、-C(O)R9、-R10-シクロアルキル、-R10OR9、-R10CO2R9及び-R10NR9R11からなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。より特定的には、R7及びR8は各々同一であるか又は異なっており、H、アルキル、シクロアルキル及び-R10-シクロアルキルからなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。一実施形態において、R7及びR8は各々同一であるか又は異なっており、H、アルキル及びシクロアルキルからなる群から独立して選択される。
【0062】
R9とR11の定義における基-R10(OR10)wは、PEG鎖を意味する。一実施形態において、R9及びR11は各々同一であるか又は異なっており、H、アルキル、シクロアルキル及び-R10-シクロアルキルからなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。より特定的には、R9及びR11は各々同一であるか又は異なっており、H及びアルキルからなる群から独立して選択される。
【0063】
一実施形態において、R10は、アルキル又はシクロアルキルであり;より特定的には、アルキルである。
【0064】
より具体的には、本発明の特定的な実施形態には、式中のR2が-NH-アルキル、-NH-シクロアルキル、Het、-NHHet及び-NH-アルキル-Hetからなる群又はそれらのサブセットから選択される式(I)の化合物が含まれる。一実施形態において、式(I)の化合物は、R2が-NH-プロピル、-NH-イソプロピル、-NH-シクロプロピル、-NH-ブチル、-NH-イソブチル、-NH-シクロブチル、-NH-シクロペンチル、-NH-シクロヘキシル、-NH(CH2)2OCH3、ピロリジン(例えば、Nを介して結合しているピロリジン)及びモルホリン(例えば、Nを介して結合しているモルホリン)又はそれらのサブセットであるとして定義される。
【0065】
別の実施形態において、式(I)の化合物には、R3とR4の少なくとも1つがアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含む(又は、一実施形態においては、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含むがアリール部分構造は含まない)として定義される化合物が含まれる。特定の実施形態には、R3とR4のいずれもがアリール部分構造、ヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含まない(又は、一実施形態においては、R3とR4のいずれもヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含まないがアリール部分構造は含んでいる場合がある)化合物が含まれる。上記で記載したR1とR2についての教示に基づいて、当業者は、アリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるか又は含んでいないR3とR4を定義する適切な基の一覧を容易に決定することができる。
【0066】
一実施形態において、R3は、H、ハロ、アルキル、Ay、-OR7、-CO2R7、-NR7R8、-R10OR7及び-R10NR7R8からなる群又はそれらのサブセットから選択される。より特定的には、R3は、H、ハロ、アルキル、-OR7及び-NR7R8からなる群又はそれらのサブセットから選択される。一実施形態においては、R3は、H又はアルキルである。一実施形態において、R3はHである。
【0067】
特定の一実施形態において、式中のYがCHである場合は、R3は-NR7Ayではない。
【0068】
一実施形態において、R4は、H、ハロ、アルキル、Ay、-OR7、-CO2R7、-NR7R8、-R10OR7及び-R10NR7R8からなる群又はそれらのサブセットから選択される。より特定的には、R4は、H、ハロ、アルキル、-OR7及び-NR7R8からなる群又はそれらのサブセットから選択される。一実施形態において、R4は、H又はアルキルである。一実施形態において、R4はHである。
【0069】
一実施形態において、qは、0、1又は2である。一実施形態において、qは0である。別の実施形態において、qは1である。
【0070】
R5はオルト位、メタ位又はパラ位にあることができる。
【0071】
式(I)の化合物の別のクラスには、式中の少なくとも1つのR5基がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分(特に、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造)を含んでいて、隣接する2つのR5基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成していないとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の別のクラスには、式中のqが3、4又は5であって、少なくとも1つのR5基がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造(特に、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造)を含んでいて、隣接する2つのR5基がそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しているとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の別のクラスには、式中のどのR5基もアリール部分構造、ヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含んでおらず(又は、一実施形態においては、どのR5基もヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含んでおらず)、隣接する2つのR5基がそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成していないとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の別のクラスには、式中のqが2、3、4又は5であって、どのR5基もアリール部分構造、ヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含んでおらず(又は、一実施形態においては、どのR5基もヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含んでおらず)、隣接する2つのR5基がそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しているとして定義される化合物が含まれる。
【0072】
上記で記載したR1及びR2についての教示に基づいて、当業者は、アリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるか又は含んでいないR5を定義する適切な基の一覧を容易に決定することができる。
【0073】
隣接する2つのR5基がそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成している場合、qは、典型的には、2、3、4又は5であり、より特定的には、qは2である。「隣接する2つのR5基」は、2つのR5基が隣接する炭素原子に結合していることを意味する。そのような実施形態において、各R5基は、同一であっても又は異なっていてもよく、典型的には、アルキル及びアルケニルからなる群から選択される。一実施形態において、隣接する2つのR5基はアルキルであって、それらアルキルは、それらが結合している原子と一緒に、例えば、
【化14】
Figure 2005507878
【0074】
のようなシクロアルキル基を形成している。
【0075】
上記例から、当業者は、隣接する2つのR5基がそれらが結合している原子と一緒にアリール基を形成しているものなどのさらなる実施形態について容易に確認することができる。
【0076】
一実施形態において、隣接する2つのR5基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル及びアリールを形成していない。
【0077】
一実施形態において、各R5は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、アルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。より特定的には、各R5は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、Het、-OR7、-C(O)NR7R8、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、シアノ及びニトロからなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。一実施形態において、各R5は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、-OR7、-NR7R8及びシアノからなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。
【0078】
とりわけ、式(I)の化合物の実施形態では、R5が、ハロ(例えば、フルオロ又はクロロなど)、アルキル(例えば、メチルなど)、O-アルキル(例えば、O-メチル、O-イソブチル、及び
【化15】
Figure 2005507878
など)、O-アリル、シアノ、-NH-CH3及び-N(CH3)2からなる群又はそれらのサブセットから選択されるとして定義される。
【0079】
式(I)の化合物の1つのクラスにおいて、pは、0、1又は2である。より特定的には、pは、0又は1である。一実施形態において、pは0である。
【0080】
R6は、C-4位、C-5位又はC-6位にあることができる。
【0081】
式(I)の化合物の1つのクラスには、式中の少なくとも1つのR6基がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造(特に、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造)を含んでいて、隣接する2つのR6基がそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル及び1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基を形成していないとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の別のクラスには、どのR6基もアリール部分構造、ヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含んでおらず(又は、一実施形態においては、どのR6基もヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含んでおらず)、隣接する2つのR6基がそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル及び1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基を形成していないとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の別のクラスには、式中のpが2であって、いずれのR6基もアリール部分構造、ヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含んでおらず(又は、一実施形態においては、いずれのR6基もヘテロ環部分構造及びヘテロアリール部分構造を含んでおらず)、隣接する2つのR6基がそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基を形成しているとして定義される化合物が含まれる。上記で記載したR1及びR2についての教示に基づいて、当業者は、アリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるか又は含んでいないR6を定義する適切な基の一覧を容易に決定することができる。
【0082】
隣接する2つのR6基がそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基を形成している実施形態において、各R6基は同一であっても又は異なっていてもよく、典型的には、アルキル、アルケニル、-OR7、-NR7R8及び-S(O)nR9からなる群から選択される。例えば、一実施形態において、隣接する2つのR6基は-OR7であって、それら-OR7は、それらが結合している原子と一緒に、例えば、
【化16】
Figure 2005507878
【0083】
のようなヘテロ環基を形成している。
【0084】
別の実施形態において、隣接する2つのR6基はアルキルであって、それらアルキルは、それらが結合している原子と一緒に、例えば、
【化17】
Figure 2005507878
【0085】
のようなシクロアルキル基を形成している。
【0086】
別の実施形態において、隣接する2つのR6基はそれぞれ-OR7及び-NR7R8として定義され、それら-OR7及び-NR7R8は、それらが結合している原子と一緒に、例えば、
【化18】
Figure 2005507878
【0087】
のようなヘテロ環基を形成している。
【0088】
上記例から、当業者は、さらなる実施形態について容易に確認することができる。一実施形態において、2つのR6基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル及び5員若しくは6員のヘテロ環基を形成していない。
【0089】
一実施形態において、各R6は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NHR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-R10OR9、-R10C(O)NR9R11、-R10NR7R8、-R10SO2NHCOR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。より特定的には、各R6は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、Het、-OR7、-C(O)NR7R8、-S(O)2NR7R8、-S(O)nR9及びシアノからなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。一実施形態において、各R6は同一であるか又は異なっており、ハロ、Het、-OR7及び-S(O)nR9からなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。
【0090】
一実施形態において、式(I)の化合物は、式中のYがCHであり且つR6が-CO2R9である場合はR9はHではないものとして定義される。別の実施形態において、式(I)の化合物は、式中のYがCHであり且つR6が-CONR7R8であり且つR7がHである場合はR8はアルキルではないものとして定義される。
【0091】
別の実施形態において、各R6は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R10、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR6基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基を形成している。
【0092】
一実施形態において、R6は、Cl、Br、F、メチル、エチル、イソプロピル、ピロリジン、モルホリン、-OH、-O-アルキル、-CONH2、-CONH-アルキル、-CON(アルキル)2、-S-アルキル、-CF3及び-SO2NH2からなる群又はそれらのサブセットから選択される。特定の一実施形態において、R6は、Cl、Br、F、メチル、エチル、イソプロピル、ピロリジン、モルホリン、-OH、-O-メチル、-O-イソプロピル、-CONH2、-CON(H)CH3、-CON(CH3)2、-S-メチル、-S-エチル、-S-イソプロピル、-CF3及び-SO2NH2からなる群又はそれらのサブセットから選択される。特定の一実施形態において、R6はハロ、例えば、F又はClである。一実施形態において、R6はトリフルオロメチルである。
【0093】
一実施形態において、rは1である。
【0094】
上記アミン基(即ち、-(NR13R14)r)は、C-4位、C-5位又はC-6位にあることができる。rが1である実施形態において、前記アミン基はC-5位に存在する。
【0095】
一実施形態において、各R13及びR14は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、シクロアルキル、-C(O)R9、-CO2R9、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10CO2R9及び-R10NR9R11からなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。より特定的には、各R13及びR14は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、シクロアルキル、-C(O)R9、-CO2R9、-R10シクロアルキル及び-R10OR9からなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。特定の一実施形態において、各R13及びR14は同一であるか又は異なっており、H、アルキル及びシクロアルキルからなる群又はそれらのサブセットから独立して選択される。
【0096】
R13及びR14を定義する基の特定の例は、H、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及び-(CH2)2OCH3からなる群から選択される。特定の一実施形態において、R13及びR14は、H、n-ブチル及びシクロペンチルからなる群から選択される。
【0097】
本発明が、上記で定義した特定の基の全ての組合せ及びサブセットを包含することは、理解されるべきである
式(I)の化合物の例としては、限定するものではないが、
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-(エチルスルファニル)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-エトキシ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-(メチルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-(2-メトキシエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-7-(メチルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-(エチルスルファニル)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-(イソプロピルスルファニル)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-7-(フェニルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
及び
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-(イソプロピルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
並びに、それらの医薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能する誘導体などを挙げることができる。
【0098】
本発明の化合物がその医薬上許容される塩、溶媒和物又は生理学的に機能する誘導体の形態でも同様に用いることができるということは、当業者であれば理解できるであろう。式(I)の化合物の医薬上許容される塩には、医薬上許容される無機又は有機の酸又は塩基から形成される慣用の塩及び第四級アンモニウム塩が含まれる。適切な酸性塩のより具体的な例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、ギ酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、パルモ酸塩、マロン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、フェニル酢酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシラート)、ナフタレン-2-スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化水素酸塩、リンゴ酸塩、ステロ酸塩及びタンニン酸塩などを挙げることができる。一実施形態において、式(I)の化合物は、メシラート塩の形態にある。シュウ酸などの他の酸は、それ自体は製薬上許容されないが、本発明化合物及びその医薬上許容される塩を得る上で中間体として有用な塩の調製において有用であり得る。適切な塩基性塩のより具体的な例としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩及びプロカイン塩などを挙げることができる。
【0099】
本明細書で使用する場合、用語「溶媒和物」は、溶質(式(I)の化合物)と溶媒によって形成された可変的な化学量論の錯体を意味する。溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール又は酢酸などを挙げることができる。
【0100】
本明細書で使用する場合、用語「生理学的に機能する誘導体」は、動物(特に、哺乳動物、例えば、ヒト)に投与されたときに、本発明の化合物又はその活性代謝産物を(直接的に又は間接的に)生じることができる、本発明化合物の医薬上許容される任意の誘導体、例えば、式(I)の化合物のエステル又はアミドなどを意味する。例えば、Burger’s Medicinal Chemistry And Drug Discovery, 5th Edition, Vol 1: Principles And Practice などを参照されたい。
【0101】
式(I)の化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能する誘導体を調製するための方法は、当技術分野では一般的である。例えば、Burger’s Medicinal Chemistry And Drug Discovery, 5th Edition, Vol 1: Principles And Practice などを参照されたい。
【0102】
当業者には明らかなように、以下に示してある式(I)の化合物の調製方法において、特定の中間体(限定するものではないが、式(XI)の化合物、式(XII)の化合物、式(XII-A)の化合物、式(XII-B)の化合物、式(XII-C)の化合物及び式(XII-D)の化合物など)は、当該化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物又は生理学的に機能する誘導体の形態であることができる。式(I)の化合物の調製方法で用いられる中間体に適用される上記用語は、、式(I)の化合物に関して上記で記載したのと同じ意味を有する。そのような中間体の医薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能する誘導体を調製する方法は、当技術分野では公知であり、式(I)の化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能する誘導体を調製する方法に類似している。
【0103】
式(I)で表される特定の化合物及び式(I)の化合物の調製方法で用いる中間体は、立体異性体の形態で存在し得る(例えば、それらは、1個以上の不斉炭素原子を有し得るか又はシス-トランス異性を示し得る)。個々の立体異性体(エナンチオマー及びジアステレオマー)及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明には、さらに、式(I)で表される化合物の個々の異性体と、当該異性体の1個以上のキラル中心が逆になっている異性体との混合物も含まれる。同様に、式(I)の化合物が当該式で示されている形態以外の互変異性体の形態で存在し得ることは理解される。これらの互変異性体も同様に本発明の範囲内に含まれる。
【0104】
本発明は、さらに、動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)のウイルス性疾患の薬物療法(例えば、症状の再発の抑制を包含する、予防及び治療)で使用するための式(I)の化合物を提供する。式(I)の化合物は、ヘルペスウイルス感染症などのウイルス性疾患の治療又は予防において特に有用である。ヘルペスウイルス感染症には、例えば、単純ヘルペスウイルス1(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2(HSV-2)、サイトメガロウイルス(CMV)(免疫抑制薬で処置されている臓器移植患者におけるCMVを包含する)、エプスタインバーウイルス(EBV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)及びヒトヘルペスウイルス8(HHV-8)などが含まれる。従って、本発明の化合物は、さらに、ヘルペスウイルス感染症の症状又は影響を治療又は予防する上でも有用である。
【0105】
本発明の化合物は、動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患、特に、潜在ヘルペスウイルス感染症(latent herpes virus infections)に関連する病態又は疾患の治療又は予防において有用である。「ヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患」は、ヘルペスウイルス感染症自体は除いて、ヘルペスウイルス感染症の存在に起因している病態又は疾患、例えば、EBV感染症に関連する慢性疲労症候群、及び、EBVやHHV-6などのヘルペスウイルス感染症に関連している多発性硬化症などを意味する。そのような病態又は疾患のさらなる例については、上記の背景技術の節に記載してある。
【0106】
これらの病態及び疾患に加えて、本発明の化合物は、ヘルペスウイルス感染症に関連している心血管の疾患及び病態を治療又は予防するためにも使用することができ、特に、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患及び再狭窄(特に、血管形成術後の再狭窄(RFA))を治療又は予防するために使用することができる。再狭窄は、血管壁への損傷(例えば、バルーン血管形成術又は別の外科手術及び/若しくは診断技術などによって引き起こされる損傷)の後に発症し得る血管の狭窄であって、処置された血管の血管壁における平滑筋細胞の過度の増殖によって特徴づけられる。血管形成術後の再狭窄を患っている多くの患者において、ウイルス感染症、特に、CMV及び/又はHHV-6によるウイルス感染症が、冠血管の平滑筋細胞の増殖において極めて重要な役割を演じていると考えられている。再狭窄は、多くの種類の外科手術及び/又は診断技術の後で、例えば、移植手術、静脈移植術及び冠状動脈バイパス移植術などの後で発症し得、及び、最も一般的には、血管形成術の後で発症し得る。
【0107】
インビトロとインビボの両方でなされた研究により、再狭窄が多くの要素からなるプロセスであることを示す証拠が得られている。数種類のサイトカインと増殖因子は、協調して、血管平滑筋細胞(SMC)の移動及び増殖を刺激し、並びに、堆積して血管を塞ぐ細胞外マトリックス物質の産生を刺激する。さらに、増殖抑制因子(growth suppressors)は、SMCの増殖及び細胞外マトリックス物質の産生を阻害するように作用する。
【0108】
さらに、式(I)の化合物は、B型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)及びHIVの治療及び予防においても有用であり得る。
【0109】
本発明は、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるウイルス感染症、特に、ヘルペスウイルス感染症を治療又は予防する方法も提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
【0110】
本明細書で使用する場合、用語「予防(prophylaxis)」は、感染の予防、感染している患者における症状の発現の予防、感染している患者における症状の再発の予防、又は、患者におけるウイルス感染、病態又は疾患の症状の重症度又は頻度の低減を意味する。
【0111】
本明細書で使用する場合、用語「治療(treatment)」は、患者におけるウイルス感染、病態又は疾患の症状の部分的若しくは全体的な除去又は症状の重症度の低減、又は、患者内に存在しているウイルスの除去若しくは低減を意味する。
【0112】
本明細書で使用する場合、用語「治療有効量(therapeutically effective amount)」は、式(I)の化合物を投与する患者において、上記で記載した疾患、病態又は感染を治療又は予防するのに充分な式(I)の化合物の量を意味する。例えば、ヘルペスウイルス感染症を治療するための式(I)の化合物の治療有効量は、患者においてヘルペスウイルス感染症を治療するのに充分な量である。
【0113】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患を治療又は予防する方法も提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。一実施形態において、本発明は、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)における慢性疲労症候群又は多発性硬化症を治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。上記方法は、ヘルペスウイルスの潜伏感染に関連する慢性疲労症候群及び多発性硬化症を治療又は予防するのに特に有用である。
【0114】
別の実施形態において、本発明は、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患又は再狭窄(特に、血管形成術などの手術後の再狭窄)などの心血管の病態を治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、動物に治療上有効な抗ウイルス量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
【0115】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるB型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルスを治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
【0116】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるヒト乳頭腫ウイルスを治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
【0117】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIVを治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
【0118】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるウイルス感染症、特に、ヘルペスウイルス感染症を治療又は予防するための薬物の調製における式(I)の化合物の使用;ヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患を治療するための薬物の調製における式(I)の化合物の使用;及び、B型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス又はHIVを治療又は予防するための薬物の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。特に、本発明は、慢性疲労症候群又は多発性硬化症を治療又は予防するための薬剤の調製における式(I)の化合物の使用をも提供する。一実施形態において、本発明は、再狭窄又はアテローム性動脈硬化症などの心血管疾患を治療又は予防するための薬物の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
【0119】
式(I)の化合物は、医薬組成物の形態で投与するのが便利である。そのような医薬組成物は、好都合には、生理学的に許容される1種以上の担体又は希釈剤と混合して、慣用の方法で使用するために提供し得る。
【0120】
本発明の化合物はそのままの化学物質として治療的に投与することもできるが、当該活性成分を医薬組成物として提供するのが好ましい。前記医薬組成物は、医薬上許容される1種以上の担体又は希釈剤を含み得る。そのような担体又は希釈剤は、当該製剤中の他の成分と適合性であり且つ当該製剤を受けるレシピエントに対して有害ではないという意味において、「許容される」ものでなくてはならない。
【0121】
従って、本発明は、さらに、式(I)の化合物を含有する医薬製剤又は医薬組成物を提供する。一実施形態において、当該医薬製剤は、さらに、医薬上許容される1種以上の担体又は希釈剤と、場合によっては、治療用及び/又は予防用の別の成分を含有する。
【0122】
そのような製剤には、経口投与、非経口投与(皮下投与(例えば、注射又はデポー錠剤による)、皮内投与、硬膜内投与、筋肉内投与(例えば、デポー製剤による)及び静脈内投与などを包含する)、直腸内投与及び局所投与(経皮投与、口腔内投与及び舌下投与などを包含する)に適する製剤が包含されるが、最も適する投与経路は、例えば、レシピエントの状態、年齢及び障害、並びに、治療しようとするウイルス感染症又は疾患などに依存し得る。前記製剤は、好都合には、単位投与形態で提供し得、調剤の技術分野でよく知られている任意の方法で調製することができる。全ての調製方法には、1種以上の副成分を構成する担体と本発明化合物(「活性成分」)を会合させる工程が含まれている。一般に、前記製剤は、当該活性成分を、液体担体又は微粉砕固体担体又は液体担体及び微粉砕固体担体の両方と均質に且つ緊密に混合し、次いで、必要な場合には、得られた生成物を所望の製剤に成形することにより調製する。経口投与に適する製剤は、各々が所定量の活性成分を含有している、カプセル剤(ソフトゲルカプセルを包含する)、カシェ剤若しくは錠剤(例えば、特に小児に投与するための、咀嚼錠)などの個別の単位製剤として;散剤若しくは顆粒剤として;水性液体若しくは非水性液体中の懸濁液剤若しくは溶液剤として;又は、水中油型液体エマルション若しくは油中水型液体エマルションとして、提供し得る。当該活性成分は、大型丸剤、舐剤又はペースト剤としても提供し得る。
【0123】
錠剤は、場合によっては1種以上の副成分と一緒に、圧縮するか又は成形することにより製造し得る。圧縮錠剤は、粉末又は顆粒などの自由流動性形態(free-flowing form)にある活性成分を、場合によっては、結合剤(例えば、糖蜜、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントゴム、デンプン糊又はポリビニルピロリドンなど)、増量剤(例えば、乳糖、糖、微結晶性セルロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム又はソルビトールなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカなど)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はナトリウムデンプングリコレートなど)又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど)などの他の慣用の賦形剤と混合した状態で、適切な機械で圧縮することにより調製することができる。湿製錠剤は、粉末化して湿らせた本発明化合物と不活性液体希釈剤の混合物を適切な機械で成型することにより調製することができる。前記錠剤は、場合によっては、コーティングするか又は刻み目を付けてもよく、中に含まれている活性成分を徐々に放出するか又は制御放出するように製剤してもよい。前記錠剤は、当技術分野でよく知られている方法に従ってコーティングし得る。
【0124】
あるいは、本発明の化合物は、例えば、水性又は油性の懸濁液剤、溶液剤、エマルション、シロップ剤又はエリキシル剤などの経口用液体調製物に組み入れてもよい。さらに、本発明化合物を含有する製剤は、使用する前に水又は別の適切なビヒクルで再構成するための乾燥製品として提供してもよい。そのような液体調製物は、懸濁化剤、例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル又は硬化食用脂など;乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエート又はアラビアゴムなど;非水性ビヒクル(これは、食用脂を包含し得る)、例えば、扁桃油、ヤシ油、油性エステル、プロピレングリコール又はエチルアルコールなど;及び、保存薬、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル又はソルビン酸などの慣用の添加剤を含有し得る。そのような調製物は、さらに、例えば、慣用の坐剤基剤(例えば、カカオバター又は別のグリセリドなど)を含有する坐剤として製剤してもよい。液体調製物は、経口投与用のソフトゲルカプセル剤、例えば、慣用のソフトゲル賦形剤(例えば、ポリエチレングリコールなど)を含有するソフトゲルカプセル剤として製剤してもよい。
【0125】
非経口投与用の製剤には、水性及び非水性の無菌注射液(これは、酸化防止剤、バッファー、静菌薬、及び、当該製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る);及び、水性及び非水性の無菌懸濁液(これは、懸濁化剤及び濃稠化剤を含有し得る)などが含まれる。
【0126】
上記製剤は、1回分の服用量を含む容器又は複数回分の服用量を含む容器(例えば、密封したアンプル又はバイアル瓶など)に入れて提供し得る。また、上記製剤は、使用直前に例えば注射用蒸留水などの無菌の液体担体を加えることのみが必要とされる凍結乾燥状態で保存することができる。即製の注射用溶液及び懸濁液は、上記した種類の無菌の散剤、顆粒剤及び錠剤から調製することができる。
【0127】
直腸内投与用の製剤は、カカオバター、硬質脂肪又はポリエチレングリコールなどの通常の担体を用いた坐剤として提供し得る。
【0128】
局所投与(例えば、皮膚)又は鼻腔内投与に適する製剤には、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エーロゾル剤及び油剤などが含まれる。そのような製剤に適する担体には、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、及びそれらの組合せなどがある。
【0129】
口内(例えば、頬側又は舌下)における局所投与用の製剤には、風味を付けた基剤、例えば蔗糖及びアラビアゴム又はトラガカントゴムの中に活性成分を含有するトローチ剤、並びに、基剤、例えばゼラチン及びグリセリン又は蔗糖及びアラビアゴムの中に活性成分を含有するパステル剤などが含まれる。
【0130】
本発明の化合物は、デポー剤としても製剤することができる。そのような長期間にわたり作用する製剤は、埋め込み(例えば、皮下又は筋肉内)によって、又は、筋肉内注射によって投与し得る。従って、例えば、本発明の化合物は、適切な高分子材料若しくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)又はイオン交換樹脂を用いて製剤し得るか、又は、低溶解性誘導体として、例えば、低溶解性塩として製剤し得る。
【0131】
上記で特に言及した成分の他に、上記製剤は、当該の製剤のタイプに関係する、当技術分野で常套となっている他の試剤を含有し得る。例えば、経口投与に適する製剤は、矯味矯臭剤を含有し得る。
【0132】
治療で使用するのに必要な本発明化合物の量が、治療しようとする病態の種類及び患者の年齢と状態によって変わるということ、並びに、治療で使用するのに必要な本発明化合物の量は、最終的には付き添っている医師又は獣医の判断によるということは理解されるであろう。しかしながら、一般に、成人ヒトの治療に用いられる投与量は、典型的には、1日当たり0.02〜5000mgの範囲、より特定的には、1日当たり100〜1500mgの範囲である。所望の投与量は、好都合には、単一用量として提供し得るか、又は、適切な間隔をあけて投与される分割された用量として、例えば、1日当たり、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の分割された用量として提供し得る。本発明の製剤は、0.1〜99%の活性成分を含有し得るが、錠剤とカプセル剤では30〜95%の活性成分を含有するのが都合がよく、液体調製物では3〜50%の活性成分を含有するのが都合がよい。
【0133】
本発明で使用する式(I)の化合物は、他の治療薬、例えば、非ヌクレオチド逆転写酵素阻害薬、ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬、プロテアーゼ阻害薬及び/又は他の抗ウイルス薬などと組合せて使用することができる。従って、本発明は、さらなる態様において、ウイルス感染症の治療における、他の治療薬と式(I)の化合物の組合せの使用を提供する。本発明の化合物と組合せ得る特定の抗ウイルス薬としては、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ドコサノール、ミリバビル、アンプレナビル、ラミブジン、ジドブジン及びアバカビルなど、並びに、それらの医薬上許容される塩及び溶媒和物などを挙げることができる。本発明の化合物と組合せることができる特定の抗ウイルス薬には、アシクロビル及びバラシクロビルなどが挙げられる。従って、本発明は、さらなる態様において、式(I)の化合物とアシクロビル又はバラシクロビルからなる組合せ;ウイルス感染症の治療におけるそのような組合せの使用、及び、ウイルス感染症を治療するための薬剤の調製におけるそのような組合せの使用;並びに、アシクロビル及びバラシクロビルからなる群から選択される抗ウイルス薬と式(I)の化合物を投与することを含んでなるウイルス感染症を治療する方法を提供する。
【0134】
式(I)の化合物を他の治療薬と組合せて使用する場合、それら化合物は、任意の都合のよい投与経路により、順次に投与し得るか又は同時に投与し得る。
【0135】
上記で言及した組合せは、好都合には、医薬製剤の形態で使用するために提供し得る。従って、上記組合せと、場合によっては医薬上許容される担体又は希釈剤を一緒に含有する医薬製剤は、本発明のさらなる態様を構成する。そのような組合せの個々の成分は、別個の医薬製剤又は組み合せの医薬製剤で、順次に又は同時に投与し得る。
【0136】
2種類の化合物を1つの製剤中に組合せる場合、当該2種類の化合物が安定でなければならないこと、当該2種類の化合物が互いに且つ製剤中の他の成分と適合性でなければならないこと、そうした上で当該2種類の化合物は投与用に製剤し得ることは理解されるであろう。別々に製剤する場合、それらは、当技術分野においてそのような化合物に関して知られている方法で、都合のよい任意の剤形で提供し得る。
【0137】
式(I)の化合物を上記ウイルス感染症に対して活性を有する第二の治療薬と組合せて使用する場合、各化合物の投与量は、それら化合物を単独で使用した場合の投与量とは異なり得る。当業者は、適切な投与量を容易に認識できる
式(I)の化合物は、以下に示してある方法を用いて調製する。以下の方法及び反応図式は、式(XII)の化合物の調製方法を説明している。下記に記載されているように、式(XII)の化合物は、式(XII-E):
【化19】
Figure 2005507878
【0138】
[式中、rは、1、2又は3であり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである]
で表される化合物に変換し得る。
【0139】
式(XII-E)で表される化合物が式(I)の化合物を包含し、実際、式(XII-E)の化合物が式中のR1aがR1であるとして定義されている場合、式(XII-E)の化合物が式(I)の化合物と同じであることは、当業者には理解されるであろう。式(XII)の化合物又は式(XII-E)の化合物が式中のR1aがHであるとして定義されている場合、当該式(XII)の化合物又は式(XII-E)の化合物は、下記に示してある方法を用いて式(I)の化合物に変換し得る。
【0140】
式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3及びR4がいずれもHであり;rが1である式(I)及び式(XII)の化合物は、好都合には、下記反応図式(1)に概説してある調製方法により調製することができる。
【化20】
Figure 2005507878
【0141】
上記式中、
Halはハロであり;
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され(即ち、R1aは、Hであるか又は上記R1であり);
YはNであり;
R2は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
R3及びR4はいずれもHであり;
rは1であり;
Raは、アルキル又はシクロアルキルであり;
他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0142】
一般に、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3及びR4がいずれもHであり;rが1である(全ての式及び他の全ての可変部は上記で定義されている)式(I)及び式(XII)の化合物を調製する方法は、以下の工程:
(a) 式(III)のピコリン化合物を式(II)のベンゾイル化剤と反応させて式(IV)の化合物を調製する工程;
(b) 式(IV)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて式(V)の化合物を調製する工程;
(c) 式(V)の化合物をアシル化剤又はスルホニル化剤と反応させて式(VI)の化合物を調製する工程;
(d) 式(VI)の化合物の転位により式(VII)の化合物を調製する工程;
(e) 式(VII)の化合物をアシル化して式(VIII)の化合物を調製する工程;
(f) 式(VIII)の化合物を式(CH3)2NCH(ORa)2のジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと反応させて式(IX)の化合物を調製する工程;
(g) 式(IX)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XI)の化合物を調製する工程;
(h) 式(XI)の化合物をアミン又はイミンと反応させて式(XII)の化合物を調製する工程;
及び、
(i) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含む。
【0143】
より特定的には、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3及びR4がいずれもHであり;rが1である式(I)及び式(XII)の化合物は、式(XI)の化合物をアミン又はイミンと反応させて式(XII)の化合物を調製し;R1aがHである場合は、式(I)の化合物に変換することにより調製することができる。
【化21】
Figure 2005507878
【0144】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0145】
この反応は、文献(Wolfe, J.P.;Buchwald, S.L. J. Org. Chem. 2000, 65, 1144 を参照されたい;前記文献の開示内容は、参照によりその全体を本明細書に組み入れる)に記載されている手順を適応させて実施することができるが、その際、式(XI)の化合物を、場合によっては適切な溶媒中で、アミン、パラジウム(0)源又はニッケル(0)源、および塩基で処理する。適切なパラジウム(0)源としては、限定するものではないが、酢酸パラジウム(II)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などを挙げることができる。上記反応に用いるための典型的な塩基としては、例えば、ナトリウムt-ブトキシド及び炭酸セシウムなどを挙げることができる。トルエンは適切な溶媒の例である。アミン基(-NR13R14)を生じる適切なアミンは、市販されているか、又は、慣用の技術を用いて調製することができる。
【0146】
別の方法としては、式(XI)の化合物をアミンと反応させて式(XII)の化合物を調製する工程は、式(XI)の化合物を、パラジウム(0)源と塩基と適切なリガンドの存在下でイミンと反応させ、次いで、加水分解して式(XII)の化合物を得ることにより実施される。J. Wolfe ら, Tetrahedron Letters 38:6367-6370 (1997) を参照されたい。前記文献の開示内容は、参照によりその全体を本明細書に組み入れる。典型的には、前記イミンはベンゾフェノンイミンであり、前記パラジウム(0)源はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、前記塩基はナトリウムt-ブトキシドであり、前記リガンドはラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルである。適切な溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド及びトルエンなどを挙げることができる。加水分解は、好都合には、塩酸水溶液などを用いて実施することができる。
【0147】
ハロゲン置換基(Hal)をアミン基(-NR13R14)に変換するための上記方法は、上記合成の最後に実施するように記載されているが、当業者は、上記方法においても以下に示す合成経路においても、ハロゲンからアミンへの当該変換をもっと早い段階で行うことができるということを容易に理解するであろう。例えば、ハロゲン化中間体も、合成の次の段階に進む前に、アミン類似体に変換し得る。これにより、当然のことながら、当該変換を合成の最後の工程で実施することの必要性はなくなる。本明細書に記載されている合成において、上記ハロゲンのアミンへの変換を当該合成のもっと早い段階で行う様々な変形態様も本発明により意図されており、本発明の範囲内に包含される。要するに、式(XII)の化合物を得る上で、上記合成における上記工程の順序は重要ではない。
【0148】
式(XI)の化合物は、好都合には、式(IX)の化合物を式(X)の化合物と反応させることにより調製することができる。
【化22】
Figure 2005507878
【0149】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0150】
この方法は、適切な溶媒中で、場合によっては(特に、アミジンが塩の形態にある場合)塩基の存在下に、式(IX)の化合物を式(X)の化合物と混合し、得られた反応物を50〜150℃に加熱することにより、容易に実施することができる。典型的な溶媒としては、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール及びイソプロパノール、並びに、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。前記塩基は、典型的には、ナトリウムアルコキシド、炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基である。一実施形態において、前記溶媒はジメチルホルムアミドであり、前記塩基は炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基である。
【0151】
式(IX)の化合物は、好都合には、式(VIII)の化合物を、式(CH3)2NCH(ORa)2[式中、Raは、アルキル又はシクロアルキルである]のジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと反応させることにより調製することができる。
【化23】
Figure 2005507878
【0152】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0153】
この方法で用いるための典型的なジメチルホルムアミドジアルキルアセタール化合物としては、限定するものではないが、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール及びジメチルホルムアミドジ-t-ブチルアセタールなどを挙げることができる。上記反応は、場合によっては加熱しながら、式(VIII)の化合物をジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと混合することにより実施する。
【0154】
式(VIII)の化合物は、好都合には、アシル化法を用いて、式(VII)の化合物から調製することができる。
【化24】
Figure 2005507878
【0155】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0156】
典型的には、上記アシル化は、場合によっては酸又はルイス酸触媒の存在下に、不活性溶媒中で、場合によっては加熱しながら、式(VII)の化合物をアシル化剤で処理することにより実施する。典型的なアシル化剤は、当業者が容易に決定することができる。特定のアシル化剤の1つは無水酢酸である。ルイス酸触媒も当業者には知られている。この反応で使用するための特定のルイス酸触媒の1つは、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートである。適する溶媒はトルエンである。
【0157】
式(VII)の化合物は、好都合には、式(VI)のアジリン化合物を転位させることにより調製する。
【化25】
Figure 2005507878
【0158】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0159】
式(VI)のアジリンは、式(VI)のアジリンを適切な溶媒に溶解させた溶液を約160〜200℃の温度で加熱することにより転位させることができる。適切な不活性溶媒としては、限定するものではないが、1-メチル-2-ピロリジノン及び1,2,4-トリクロロベンゼンなどを挙げることができる。式(VI)のアジリンを式(VII)の化合物に転位させるためのさらに好ましい方法では、式(VI)の化合物を、塩化第一鉄(FeCl2)又は塩化第二鉄(FeCl3)と反応させる。この反応は、典型的には、不活性溶媒中で加熱しながら実施する。この反応に適する溶媒は、1,2-ジメトキシエタンなどである。
【0160】
典型的には、式(VI)のアジリンは、塩基の存在下でアシル化剤又はスルホニル化剤で処理することにより、式(V)のオキシム化合物から調製する。
【化26】
Figure 2005507878
【0161】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0162】
典型的なアシル化剤又はスルホニル化剤としては、限定するものではないが、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、メタンスルホニルクロリド及びトルエンスルホニルクロリドなどを挙げることができる。典型的な塩基としては、限定するものではないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンなどを挙げることができる。上記反応は、クロロホルム、ジクロロメタン又はトルエンなどの不活性溶媒中で実施し得る。
【0163】
式(V)のオキシム化合物は、適切な溶媒中で、場合によっては塩基を用いて、式(IV)のケトン化合物をヒドロキシルアミン源で処理することにより容易に調製される。
【化27】
Figure 2005507878
【0164】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0165】
一実施形態において、上記ヒドロキシルアミンはヒドロキシルアミン塩酸塩であり、上記塩基は水酸化ナトリウム水溶液である。適する溶媒としては、メタノール、エタノール又はイソプロパノールなどの低級アルコールなどを挙げることができる。
【0166】
式(IV)のケトン化合物は、塩基の存在下で、式(III)のピコリン化合物を式(II)のベンゾイル化剤で処理することにより調製することができる。
【化28】
Figure 2005507878
【0167】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0168】
式(II)のベンゾイル化剤と式(III)のピコリン化合物は、市販されているか、又は、当業者には公知の慣用の方法を用いて調製することができる。特定のピコリンの例は、クロロピコリンである。式(II)のベンゾイル化剤としては、限定するものではないが、ベンゾイルエステルなどを挙げることができる。適する塩基の例は、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中におけるリチウムビス(トリメチルシリル)アミドである。式(IV)のケトンなどのケトン化合物は、当業者には公知の方法及び/又は文献(Casity, R.P.;Taylor, L.T.;Wolfe, J.F. J. Org. Chem. 1978, 2286 を参照されたい)に記載されている方法を用いて容易に調製することができる。
【0169】
本発明の別の実施形態において、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9
-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群
から選択され;R3及びR4がいずれもHであり;rが1である式(I)及び式(XII)で表される特定の化合物は、好都合には、下記反応図式(1-A)に概説してある調製方法により調製することができる。
【化29】
Figure 2005507878
Figure 2005507878
【0170】
上記式中、
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
YはNであり;
R2は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
R3及びR4はいずれもHであり;
Phはフェニルであり;
Raは、アルキル又はシクロアルキルであり;
rは1であり;
各R13'及びR14'は同一であるか又は異なっており、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から各々独立して選択され;
他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0171】
一般に、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3及びR4がいずれもHであり;rが1である(全ての式及び他の全ての可変部は上記で定義されている)式(I)及び式(XII)の化合物を調製する方法は、以下の工程:
(a) 式(XIV)の2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンを式(XIII)のアセトフェノンと反応させて式(XV)の化合物を調製する工程;
(b) 式(XV)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて式(XVI)の化合物を調製する工程;
(c) 式(XVI)の化合物をアシル化剤又はスルホニル化剤と反応させて式(XVII)の化合物を調製する工程;
(d) 式(XVII)の化合物を転位させて式(XVIII)の化合物を調製する工程;
(e) 式(XVIII)の化合物をアシル化して式(XIX)の化合物を調製する工程;
(f) 式(XIX)の化合物を式(CH3)2NCH(ORa)2のジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと反応させて式(XX)の化合物を調製する工程;
(g) 式(XX)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XXI)の化合物を調製する工程;
(h) 式(XXI)の化合物をナトリウムエトキシドと反応させて式(XXII)の化合物を調製する工程;
(i) 式(XXII)の化合物を酸と反応させた後、得られたエステルを加水分解して式(XXIII)の化合物を調製する工程;
(j) 式(XXIII)の化合物をt-ブタノール中でジフェニルホスホリルアジドと反応させて式(XII-A)の化合物を調製する工程;
(k) 場合によっては、式(XII-A)の化合物を開裂させて式(XII-B)の化合物を得る工程;
(l) 場合によっては、交差カップリング、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化及びスルホニル化からなる群から選択される条件を用いて式(XII-B)の化合物を式(XII-C)の化合物に変換する工程;
及び、
(m) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII-A)の化合物、式(XII-B)の化合物又は式(XII-C)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含む。
【0172】
より特定的には、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3及びR4がいずれもHであり;rが1である式(I)及び式(XII)で表される特定の化合物は、酸を用いて式(XII-A)の化合物を開裂させて式(XII-B)の化合物を調製することにより調製することができる。
【化30】
Figure 2005507878
【0173】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0174】
式(XII-A)の化合物は、さらに、適切な溶媒中で、酸触媒によりt-ブチルカルバメートを加水分解することにより式(XII-B)の化合物に変換することができる。適する酸としては、塩酸及びトリフルオロ酢酸などを挙げることができる。適する溶媒としては、ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンなどを挙げることができる。
【0175】
式(XII-B)の化合物は、場合によっては、所望の式(XII)で表される望ましい特定の化合物に応じて、交差カップリング、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化又はスルホニル化により、式(XII)の別の化合物(即ち、式(XII-C)の化合物)に変換することができる。当業者は、上記の一般的な技術を用いて、式(XII-B)の化合物を容易に式(XII-C)の化合物に変換することができると思われる。
【0176】
式(XII-A)の化合物は、好都合には、クルチウス転位により、式(XXIII)の化合物から調製することができる。
【化31】
Figure 2005507878
【0177】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0178】
上記転位は、t-ブタノール中で、塩基の存在下、加熱しながら式(XXIII)の化合物をジフェニルホスホリルアジドで処理することにより実施することができる。この変換に対して、当業者には知られている別のカルボン酸誘導の移動性転位(例えば、ロッセン反応、ホフマン反応及びシュミット反応など)も有用であり得る。
【0179】
式(XXIII)の化合物は、好都合には、式(XXII)を酸と反応させた後、得られたエステルを加水分解することにより調製することができる。
【化32】
Figure 2005507878
【0180】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0181】
適する酸としては、限定するものではないが、p-トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸及びピリジニウムp-トルエンスルホン酸などを挙げることができる。アセトンなどの適切な溶媒を使用し得る。上記加水分解は、限定するものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、メタノール及び水などの純粋な溶媒又は混合溶媒系中で、水酸化リチウムを用いて実施することができる。
【0182】
式(XXII)の化合物は、アルコール溶媒中で式(XXI)の化合物をアルコキシド塩で処理することにより調製することができる。
【化33】
Figure 2005507878
【0183】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0184】
上記反応の適する条件としては、アルコキシドとしてナトリウムエトキシドを使用し、溶媒としてエタノールを使用することなどを挙げることができる。上記反応は、場合によっては、60℃に加熱してもよい。
【0185】
式(XXI)の化合物は、式(XI)の化合物の調製に関連して反応図式(1)で上記で記載した方法に類似した方法を用いて調製することができるが、第1の工程(即ち、式(XV)の化合物の調製)において、反応図式(1)で式(IV)の化合物の合成において用いられた式(III)のピコリンと式(II)のベンゾイル化剤の反応の代わりに、塩基性条件下で、式(XIV)の2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンを式(XIII)のアセトフェノンと縮合させることが行なわれる。
【0186】
本発明のさらなる実施形態において、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3が、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8(式中、R7及びR8はHではない)、-NR7Ay(式中、R7はHではない)、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R4がHであり;rが1である式(I)及び式(XII)の化合物は、好都合には、下記反応図式(2)に概説してある調製方法により調製することができる。
【化34】
Figure 2005507878
【0187】
上記式中、
Halはハロであり;
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
YはNであり;
R2は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
R3は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8(式中、R7及びR8はHではない)、-NR7Ay(式中、R7はHではない)、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
R4はHであり;
M1は、Li、Mg-ハライド又はセリウム-ハライドであり、ここで、ハライドはハロであり;
他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0188】
一般に、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3が、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8(式中、R7及びR8はHではない)、-NR7Ay(式中、R7はHではない)、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R4がHであり;rが1である(他の全ての可変部は上記で定義されている)式(I)及び式(XII)の化合物を調製する方法は、以下の工程:
(a) 式(VII)の化合物をホルミル化して式(XXVI)の化合物を調製する工程;
(b) 式(XXVI)の化合物を式(XXVII)の化合物と反応させて式(XXVIII)の化合物を調製する工程;
(c) 式(XXVIII)の化合物を酸化して式(XXIX)の化合物を調製する工程;
(d) 式(XXIX)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XI)の化合物を調製する工程;
(e) 式(XI)の化合物のハロゲンをアミン又はイミンで置き換えて式(XII)の化合物を調製する工程;
及び、
(f) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含む。
【0189】
より特定的には、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3が、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8(式中、R7及びR8はHではない)、-NR7Ay(式中、R7はHではない)、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R4がHであり;rが1である式(I)及び式(XII)の化合物は、反応図式(1)に関連して上記で説明したように、式(XI)の化合物のハロゲンをアミン求核化合物で置き換えることにより調製することができる。
【0190】
式(XI)の化合物は、式(XXIX)の化合物を式(X)の化合物と反応させることにより調製することができる。
【化35】
Figure 2005507878
【0191】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0192】
この方法は、適切な溶媒中で、場合によっては塩基の存在下に、式(XXIX)の化合物を式(X)の化合物と混合することにより、容易に実施することができる。この反応は、50〜150℃に加熱してもよいし、又は、周囲温度で実施してもよい。典型的な溶媒としては、限定するものではないが、メタノール、エタノール及びイソプロパノールなどの低級アルコールなどを挙げることができる。典型的な塩基としては、例えば、ナトリウムアルコキシド、炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基などを挙げることができる。別の実施形態において、上記溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドであり、上記塩基は炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基である。
【0193】
式(XXIX)の化合物は、好都合には、式(XXVIII)の化合物を酸化することにより調製することができる。
【化36】
Figure 2005507878
【0194】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0195】
適する酸化剤としては、限定するものではないが、不活性溶媒中の、二酸化マンガンなどを挙げることができる。適する不活性溶媒としては、限定するものではないが、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド及びエーテルなどを挙げることができる。
【0196】
式(XXVIII)の化合物は、好都合には、式(XXVI)の化合物を式(XXVII)の化合物と反応させることにより調製することができる。
【化37】
Figure 2005507878
【0197】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0198】
式(XXVII)の化合物内の適する金属(M1)としては、限定するものではないが、リチウム、ハロゲン化マグネシウム(II)及びハロゲン化セリウム(III)などを挙げることができる。式(XXVII)の化合物は、商業的供給元から購入することもできるし、又は、当業者に公知の方法により調製することもできる。
【0199】
式(XXVI)の化合物は、好都合には、ホルミル化法により式(VII)の化合物から調製することができる。
【化38】
Figure 2005507878
【0200】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0201】
典型的には、上記ホルミル化は、フィルスマイヤー-ハーク反応により実施する。フィルスマイヤー-ハーク試薬は、商業的供給元から購入することもできるし、又は、その場で調製することもできる。反応条件としては、限定するものではないが、場合によっては反応物を50〜150℃に加熱しながら、式(VII)の化合物をN,N-ジメチルホルムアミド中のオキシ塩化リンの予混合溶液で処理することなどを挙げることができる。
【0202】
式(VII)の化合物は、反応図式(1)に関連して上記で記載した調製方法により調製する。
【0203】
本発明のさらなる実施形態において、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3が、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8(式中、R7及びR8はHではない)、-NR7Ay(式中、R7はHではない)、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R4がHであり;rが1である式(I)及び式(XII)で表される特定の化合物は、好都合には、下記反応図式(2-A)に概説してある一般的な調製方法により調製することができる。
【化39】
Figure 2005507878
【0204】
上記式中、
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
YはNであり;
R2は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
R3は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8(式中、R7及びR8はHではない)、-NR7Ay(式中、R7はHではない)、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
R4はHであり;
Phはフェニルであり;
各R13'及びR14'は同一であるか又は異なっており、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10NHSO2R9及び-R10NHCOR9からなる群から各々独立して選択され;
M1は、Li、Mg-ハライド又はセリウム-ハライドであり、ここで、ハライドはハロであり;
他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0205】
一般に、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3が、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8(式中、R7及びR8はHではない)、-NR7Ay(式中、R7はHではない)、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R4がHであり;rが1である(他の全ての可変部は上記で定義されている)式(I)及び式(XII)の化合物を調製する方法は、以下の工程:
(a) 式(XVIII)の化合物をホルミル化して式(XXX)の化合物を調製する工程;
(b) 式(XXX)の化合物を式(XXVII)の化合物と反応させて式(XXXI)の化合物を調製する工程;
(c) 式(XXXI)の化合物を酸化して式(XXXII)の化合物を調製する工程;
(d) 式(XXXII)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XXI)の化合物を調製する工程;
(e) 式(XXI)の化合物をナトリウムエトキシドと反応させて式(XXII)の化合物を調製する工程;
(f) 式(XXII)の化合物を酸と反応させた後、得られたエステルを加水分解して式(XXIII)の化合物を調製する工程;
(g) 式(XXIII)の化合物をt-ブタノール中でジフェニルホスホリルアジドと反応させて式(XII-A)の化合物を調製する工程;
(h) 場合によっては、式(XII-A)の化合物を開裂させて式(XII-B)の化合物を調製する工程;
(i) 場合によっては、交差カップリング、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化及びスルホニル化からなる群から選択される条件を用いて式(XII-B)の化合物を式(XII-C)の化合物に変換する工程;
及び、
(j) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII-A)の化合物、式(XII-B)の化合物又は式(XII-C)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含む。
【0206】
特に、式中、YがNであり;R2は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3は、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8(式中、R7及びR8はHではない)、-NR7Ay(式中、R7はHではない)、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R4がHであり;rが1である式(I)及び式(XII)で表される特定の化合物は、反応図式(1-A)の調製方法に関連して上記で説明した方法を用いて、式(XXI)の化合物を式(XII-A)の化合物、式(XII-B)の化合物又は式(XII-C)の化合物に変換することにより調製することができる。
【0207】
式(XXI)の化合物は、反応図式(1-A)及び反応図式(2)において記載されている調製工程と同じ工程又は類似した工程の組合せを用いて調製することができる。式(XVIII)の化合物の調製では、塩基性条件下で、2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン(XIV)を式(XIII)のアセトフェノンと縮合させる(反応図式(1-A)の手順に従う)ことが行なわれる。式(XVIII)の化合物の合成のあとは、反応図式(2)において式(XXI)の化合物の調製に関して上記で説明した一般的な工程に従って調製を進める。
【0208】
式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;rが1である式(I)及び式(XII)で表されるさらなる化合物は、好都合には、下記反応図式(3)に概説してある調製方法により調製することができる。
【化40】
Figure 2005507878
【0209】
上記式中、
Halはハロであり;
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
YはNであり;
R2は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
M1は、Li、Mg-ハライド又はセリウム-ハライドであり、ここで、ハライドはハロであり;
他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0210】
一般に、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;rが1である(全ての式及び他の全ての可変部は上記で定義されている)式(I)及び式(XII)の化合物を調製する方法は、以下の工程:
(a) 式(XXVI)の化合物を式(XXXIII)の化合物と反応させて式(XXXIV)の化合物を調製する工程;
(b) 式(XXXIV)の化合物を酸化して式(XXXV)の化合物を調製する工程;
(c) 式(XXXV)の化合物を式(X)の化合物と反応させ、その後酸化的芳香族化により式(XI)の化合物を調製する工程;
(d) 式(XI)の化合物のハロゲンをアミン又はイミンで置き換えて式(XII)の化合物を調製する工程;
及び、
(e) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含む。
【0211】
より特定的には、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;rが1である式(I)及び式(XII)の化合物は、式(XI)の化合物のハロゲンをアミン求核化合物で置き換えることにより調製することができる。式(XI)の化合物を式(XII)の化合物に変換する方法は、反応図式(1)の合成に関連して上記で説明されている。
【0212】
式(XI)の化合物は、式(XXXV)の化合物を式(X)の化合物と反応させた後、酸化的芳香族化に付すことにより調製することができる。
【化41】
Figure 2005507878
【0213】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0214】
上記縮合は、好都合には、不活性溶媒中で、場合によっては塩基の存在下、式(XXXV)の化合物を式(X)の化合物で処理することにより実施する。前記反応は、50〜150℃に加熱してもよいし、又は、周囲温度で実施してもよい。適する不活性溶媒としては、メタノール、エタノール及びイソプロパノールなどの低級アルコールなどを挙げることができる。上記塩基は、典型的には、ナトリウムアルコキシド、炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基である。別の実施形態において、上記溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドであり、上記塩基は炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基である。当該反応により、ジヒドロピリミジン中間体が生成する。
【0215】
好都合には、同じ反応容器内で、酸化剤を添加することにより、ジヒドロピリミジン中間体を酸化して式(XI)の化合物とすることができる。前記反応は、50〜150℃に加熱してもよいし、又は、周囲温度で実施してもよい。一実施形態において、酸化剤は、酸素(O2)、パラジウム/炭素又は2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンなどである。
【0216】
式(XXXV)の化合物は、好都合には、式(XXXIV)の化合物を酸化することにより調製することができる。
【化42】
Figure 2005507878
【0217】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0218】
式(XXXIV)の化合物を酸化するのに適する酸化剤としては、限定するものではないが、二酸化マンガンなどを挙げることができる。前記酸化反応は、典型的には、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド及びエーテルなどの不活性溶媒中で実施する。
【0219】
式(XXXIV)の化合物は、好都合には、式(XXVI)の化合物を式(XXXIII)の化合物と反応させることにより調製することができる。
【化43】
Figure 2005507878
【0220】
上記式中、M1は、リチウム、ハロゲン化マグネシウム(II)及びハロゲン化セリウム(III)などの金属であり、他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。式(XXXIII)の化合物は、商業的供給元から購入することもできるし、又は、当業者に公知の方法により調製することもできる。式(XXVI)の化合物は、反応図式(2)に関連して上記で説明した方法を用いて調製することができる。
【0221】
別の実施形態において、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;rが1である式(I)及び式(XII)の化合物は、好都合には、下記反応図式(3-A)に概説してある調製方法により調製することができる。
【化44】
Figure 2005507878
【0222】
上記式中、
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
YはNであり;
R2は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
各R13'及びR14'は同一であるか又は異なっており、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10NHSO2R9及び-R10NHCOR9からなる群から各々独立して選択され;
Phはフェニルであり;
M1は、Li、Mg-ハライド又はセリウム-ハライドであり、ここで、ハライドはハロであり;
他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0223】
一般に、式中、YがNであり;R2が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;rが1である(全ての式及び他の全ての可変部は上記で定義されている)式(I)及び式(XII)の化合物を調製する方法は、以下の工程:
(a) 式(XXX)の化合物を式(XXXIII)の化合物と反応させて式(XXXVI)の化合物を調製する工程;
(b) 式(XXXVI)の化合物を酸化して式(XXXVII)の化合物を調製する工程;
(c) 式(XXXVII)の化合物を式(X)の化合物と反応させ、その後酸化的芳香族化により式(XXI)の化合物を調製する工程;
(d) 式(XXI)の化合物をナトリウムエトキシドと反応させて式(XXII)の化合物を調製する工程;
(e) 式(XXII)の化合物を酸と反応させた後、得られたエステルを加水分解して式(XXIII)の化合物を得る工程;
(f) 式(XXIII)の化合物をt-ブタノール中でジフェニルホスホリルアジドと反応させて式(XII-A)の化合物を得る工程;
(g) 場合によっては、式(XII-A)の化合物を開裂させて式(XII-B)の化合物を得る工程;
(h) 場合によっては、交差カップリング、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化及びスルホニル化からなる群から選択される条件を用いて式(XII-B)の化合物を式(XII-C)の化合物に変換する工程;
及び、
(i) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII-A)の化合物、式(XII-B)の化合物又は式(XII-C)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含む。
【0224】
上記合成は、反応図式(1)、反応図式(1-A)、反応図式(2)、反応図式(2-A)及び反応図式(3)に関連して上記で説明した化合物及び反応と同じ化合物及び反応又は類似した化合物及び反応を用いて実施する。
【0225】
式中、Yが、CH又はNであり;rが1である式(I)及び式(XII)の化合物は、好都合には、下記反応図式(4)に概説してある一般的な調製方法により調製することができる。
【化45】
Figure 2005507878
【0226】
上記式中、
Halはハロであり;
X1は、ハロ、特に、ブロモ又はヨードであり;
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
M2は、-B(OH)2、-B(ORa)2、-B(Ra)2、-Sn(Ra)3、Zn-ハライド、ZnRa又はMg-ハライドであり、ここで、Raはアルキル又はシクロアルキルであり、ハライドはハロであり;
他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0227】
一般に、式中、rが1である(全ての式及び可変部は上記で定義されている)式(I)又は式(XII)の化合物を調製する方法は、以下の工程:
(a) 式(VII)の化合物のハロゲンをアミンで置き換えて式(XXXIX)の化合物を調製する工程;
(b) 式(XXXIX)の化合物をハロゲン化して式(XL)の化合物を調製する工程;
(c) 式(XL)の化合物を式(XLI)の化合物と反応させて式(XII)の化合物を調製する工程;
及び、
(d) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含む。
【0228】
当業者には明らかなように、式(XII)の化合物を調製するための上記調製方法にとって上記工程の順序は重要ではなく、従って、上記工程は、望ましい任意の順序で行うことができる。
【0229】
より特定的には、式中、rが1である式(I)及び式(XII)の化合物は、式(XL)の化合物を式(XLI)の化合物と反応させることにより調製することができる。
【化46】
Figure 2005507878
【0230】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0231】
この反応は、不活性溶媒中、パラジウム(0)触媒又はニッケル(0)触媒の存在下で実施することができる。この反応は、場合によっては、約50〜150℃に加熱してもよい。典型的には、前記反応は、等モル量の式(XL)の化合物と式(XLI)のHet-金属化合物を反応させることにより実施するが、当該反応は、過剰量の式(XLI)の化合物の存在下で実施することもできる。前記パラジウム触媒又はニッケル触媒は、典型的には、式(XL)の化合物に比較して1〜10mol%の量で存在させる。適するパラジウム触媒の例としては、限定するものではないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム(II)ジクロリドなどを挙げることができる。適する溶媒としては、限定するものではないが、N,N-ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン及び1-メチル-2-ピロリジノンなどを挙げることができる。式(XLI)のHet-金属化合物がアリールボロン酸若しくはエステル又はアリールボリネートである場合、上記反応は、より好都合には、塩基を式(XL)の化合物と等しい割合又は式(XL)の化合物より多い割合で添加することにより行う。式(XLI)のHet-金属化合物は、商業的供給元から入手することもできるし、又は、当業者に公知の方法を用いて、単離された化合物として調製し得るか若しくはその場で生成させ得る(Suzuki, A. J. Organomet. Chem. 1999, 576, 147; Stille, J. Angew. Chem. Int Ed. Engl. 1986, 25, 508; Snieckus, V. J. Org. Chem. 1995, 60, 292.)。
【0232】
式(XL)の化合物は、ハロゲン化法により、式(XXXIX)の化合物から調製することができる。
【化47】
Figure 2005507878
【0233】
上記式中、全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0234】
典型的には、上記ハロゲン化反応は、適切な溶媒中で、式(XXXIX)の化合物をハロゲン化剤と接触させることにより実施する。適するハロゲン化剤としては、限定するものではないが、N-ブロモスクシンイミド、三臭化トリアルキルアンモニウム、臭素、N-クロロスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミド及び一塩化ヨウ素などを挙げることができる。適する溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1-メチル-2-ピロリジノン、四塩化炭素、トルエン、ジクロロメタン及びジエチルエーテルなどを挙げることができる。
【0235】
式(XXXIX)の化合物は、別の反応図式に関連して上記で説明したアミノ化法(例えば、ブッフバルト(Buchwald)アミノ化)を用いて式(VII)の化合物から調製することができる。
【0236】
本発明のさらに別の実施形態において、式中、Yが、N又はCHであり;rが1である式(I)及び(XII)で表される特定の化合物は、好都合には、下記反応図式(4-A)に概説してある調製方法により調製することができる。
【化48】
Figure 2005507878
【0237】
上記式中、
X1は、ハロ、特に、ブロモ又はヨードであり;
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
Phはフェニルであり;
各R13'及びR14'は同一であるか又は異なっており、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10NHSO2R9及び-R10NHCOR9からなる群から各々独立して選択され;
M2は、-B(OH)2、-B(ORa)2、-B(Ra)2、-Sn(Ra)3、Zn-ハライド、ZnRa又はMg-ハライドであり、ここで、Raはアルキル又はシクロアルキルであり、ハライドはハロであり;
他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0238】
一般に、式中、rが1である(全ての式及び可変部は上記で定義されている)式(I)及び式(XII)の化合物を調製する方法は、以下の工程:
(a) 式(XVIII)の化合物をハロゲン化して式(XLII)の化合物を調製する工程;
(b) 式(XLII) の化合物を式(XLI)の化合物と反応させて式(XXI)の化合物を調製する工程;
(c) 式(XXI)の化合物をナトリウムエトキシドと反応させて式(XXII)の化合物を調製する工程;
(d) 式(XXII)の化合物を酸と反応させた後、得られたエステルを加水分解して式(XXIII)の化合物を調製する工程;
(e) 式(XXIII)の化合物をt-ブタノール中でジフェニルホスホリルアジドと反応させて式(XII-A)の化合物を調製する工程;
(f) 場合によっては、式(XII-A)の化合物を開裂させて式(XII-B)の化合物を得る工程;
(g) 場合によっては、交差カップリング、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化及びスルホニル化からなる群から選択される条件を用いて式(XII-B)の化合物を式(XII-C)の化合物に変換する工程;
及び、
(h) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII-A)の化合物、式(XII-B)の化合物又は式(XII-C)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
を含む。
【0239】
上記合成は、反応図式(1)、反応図式(1-A)、反応図式(2)、反応図式(2-A)及び反応図式(4)に関連して上記で説明した化合物及び反応と同じ化合物及び反応又は類似した化合物及び反応を用いて実施する。
【0240】
式(XII)の化合物(式中、rが1である式(XII-A)、式(XII-B)及び式(XII-C)の化合物が含まれる)は、好都合には、当業者には公知の慣用の手順を用いて、式(XII-D):
【化49】
Figure 2005507878
【0241】
[式中、rは2又は3であり;他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである]で表される化合物に変換することができる。例えば、式中、rは2又は3である式(XII-D)の化合物は、本明細書に記載されているハロゲン化法を用いた後、パラジウム(0)介在アミンカップリングにより、式(XII)で表される別の化合物から得ることができる。さらに、式(XII)で表される適切に官能化されている化合物内で、上記で説明したクルチウス転位などのカルボン酸転位を用いることもできる。その際、前記適切に官能化されている化合物は、当業者は容易に確認することができる。
【0242】
同様に、当業者には明らかなように、類似した方法を用いて、式中、rが1である式(I)の化合物を式中、rが2又は3である式(I)の化合物に変換することができる。
【0243】
簡潔にするために、式(XII)の化合物、式(XII-A)の化合物、式(XII-B)の化合物、式(XII-C)の化合物及び式(XII-D)の化合物(並びに、それら化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能する誘導体)を、本明細書では、集合的に、式:
【化50】
Figure 2005507878
【0244】
[式中、rは、1、2又は3であり、他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである]
で表される式(XII-E)の化合物と称する。
【0245】
式(XII-E)の化合物が式中のR1aがHではない(即ち、R1a=R1)として定義されている場合、反応図式(1)、反応図式(1A)、反応図式(2)、反応図式(2A)、反応図式(3)、反応図式(3A)、反応図式(4)及び反応図式(4A)に示されている上記合成により、式(I)の化合物が直接的に得られる。式(XII-E)の化合物が式中のR1aがHであるとして定義される実施形態においては、式(XII-E)の化合物を式(I)の化合物に変換することができる。例えば、式中、R1aがHである式(XII-E)の化合物は、脱プロトン化/求電子性クエンチプロトコルにより、式(I)の化合物に変換することができる。例えば、式(XII-E)の化合物をn-ブチルリチウムなどの塩基と反応させた後、求電子剤と反応させることにより、式(I-A)の化合物が得られる。
【化51】
Figure 2005507878
【0246】
上記式中、EはR1であり、他の全ての可変部は上記調製方法のいずれかに関連して、上記で定義されているとおりである。
【0247】
この調製方法で使用することができる求電子剤としては、限定するものではないが、ハロゲン化アルキル(E=メチル、ベンジルなど);アルデヒド(E=CH(OH)R10);ジメチルホルムアミド(E=CHO);ジアルキルジスルフィド(E=SMe、SEt、S-イソプロピルなど);二酸化炭素(E=CO2H);ジメチルカルバモイルクロリド(E=C(O)NMe2)などを挙げることができる。
【0248】
典型的には、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中の式(XII-E)の化合物を、-78℃で、非求核性塩基で処理する。この反応を、その後、求電子剤を加えてクエンチする。適する非求核性塩基としては、限定するものではないが、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド及びリチウムテトラメチルピペリジドなどを挙げることができる。
【0249】
さらに、式中、R1aがHである式(XII-E)の化合物は、脱プロトン化/求電子性クエンチ/求核置換プロトコルによって式(I)の化合物に変換することができる。例えば、式(XII-E)の化合物をn-ブチルリチウムなどの塩基と反応させた後、求電子性ハロゲン化剤でクエンチすることにより、式(XLV)の化合物が得られる。式(XLV)の化合物を、適切な溶媒中で、場合によっては加熱しながら、場合によっては塩基の存在下、求核剤(Z)で処理することにより、式(I-B)の化合物が得られる。
【化52】
Figure 2005507878
【0250】
上記式中、Halはハロであり;Zは、-OR7、-OAy、-OHet、-SR7、-SAy及び-SHetからなる群から選択され;他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。求電子性ハロゲン化剤としては、限定するものではないが、N-ブロモスクシンイミド(Hal=臭素);N-クロロスクシンイミド(Hal=塩素);四塩化炭素(Hal=塩素);N-ヨードスクシンイミド(Hal=ヨウ素)及びヨウ素などを挙げることができる。
【0251】
上記反応で使用するのに適する求核剤としては、限定するものではないが、HOR7、HOAy、HO-Het、HSR7、HSAy及びHS-Hetなどを挙げることができる。この反応で使用するための溶媒としては、限定するものではないが、 テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及び1-メチル-2-ピロリジノンなどを挙げることができる。上記塩基は、水素化ナトリウム又はナトリウムt-ブトキシドなどであり得る。
【0252】
上記調製方法の各々は、さらに、当業者によく知られている技術を用いて、式(XII-E)の化合物又は式(I)の化合物をその医薬上許容される塩、溶媒和物又は生理学的に機能する誘導体に変換する工程を含み得る。
【0253】
当業者には明らかなように、慣用の技術を用いて、式(I)の特定の化合物を式(I)の別の化合物に変換し得る。例えば、式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換するための一方法は、(a)式中、R1が-SR15であり、R15がアルキルである式(I-C)の化合物を酸化して式(I-D)の化合物を調製し、次いで、(b)場合によっては、式(I-D)の化合物を、HOR10、HOAy及びHOHet(式中、R10、Ay及びHetは上記で定義されているとおりである)からなる群から選択される酸素求核剤と反応させて式(I-E)の化合物を調製することを含む。
【化53】
Figure 2005507878
【0254】
上記式中、R15はアルキルであり;R16は、R10、Ay及びHetからなる群から選択され;他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0255】
典型的には、式(I-D)の化合物を調製する上で使用する酸化剤は、m-クロロペルオキシ安息香酸などの過酸であり、これは、場合によっては重炭酸ナトリウムなどの塩基と一緒に使用する。上記酸化反応に適する溶媒としては、限定するものではないが、ジクロロメタン及びクロロホルムなどを挙げることができる。
【0256】
上記スルホキシドをアルコキシド(例えば、ナトリウムエトキシド)で処理することにより、式(I-E)の化合物が得られる。上記求核置換反応のための典型的な溶媒としては、限定するものではないが、アルコール類などを挙げることができる。
【0257】
別の例において、式(I)の特定の化合物は、(a)式(I-F)の化合物を酸化して式(I-G)の化合物を調製し、次いで、(b)場合によっては、式(I-G)の化合物を式R2[式中、R2は、-NR7R8、-OR7、Nを介して結合しているHet、-NHHet、NHR10Het、OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される]で表される酸素求核剤又はアミン求核剤と反応させて式中、R2が、-NR7R8、-OR7、Nを介して結合しているHet、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである式(I)の化合物を調製することにより、式(I)の別の化合物に変換することができる。
【化54】
Figure 2005507878
【0258】
より具体的には、式(I-G)の化合物は、好都合には、不活性溶媒中で、場合によっては塩基の存在下、式(I-F)の化合物(即ち、式中のR2が-S(O)nR9(式中、nは0である)である式(I)の化合物)を酸化剤と反応させることにより調製することができる。典型的には、前記酸化剤は、m-クロロ過安息香酸などの過酸であり、これは、場合によっては重炭酸ナトリウムなどの塩基と一緒に使用する。前記酸化剤と前記サブストレートの間の化学量論を注意深くモニタリングすることにより、スルホキシド(n=1)とスルホン(n=2)の間での生成物の分配を制御することができる。適切な溶媒としては、限定するものではないが、ジクロロメタン及びクロロホルムなどを挙げることができる。R2=SR9である式(I-F)の化合物は、上記で説明した方法で調製する。
【0259】
式(I-G)の化合物は、式(I-G)の化合物を式R2[式中、R2は、-NR7R8、-OR7、Nを介して結合しているHet、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される]の酸素求核剤又はアミン求核剤と反応させることにより、式中、R2が、-NR7R8、-OR7、Nを介して結合しているHet、-NHHet、NHR10Het、OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される式(I)の化合物に変換することができる。この反応は、溶媒などを用いずにそのままで行うこともできるし又は適切な溶媒中で行ってもよく、また、50〜150℃に加熱してもよい。典型的には、前記溶媒は、メタノール、エタノール若しくはイソプロパノールなどの低級アルコールであるか、又は、N,N-ジメチルホルムアミド若しくはテトラヒドロフランなどの溶媒である。場合によっては、塩基を用いて、当該反応を促進することもできる。典型的には、前記塩基は、炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基であることができる。
【0260】
当業者には明らかなように、上記変換方法は、式中、R2が-SR9である式(XII-E)の化合物(例えば、式中のR1aがHである化合物)に適用して、式中、R2が、-NR7R8、-OR7、Nを介して結合しているHet、-NHHet、-NHR10Het、-OHet又は-OR10Hetである式(XII-E)の別の化合物を生成させることができる。式(XII-E)で表されるそのような化合物は、さらに、上記方法を用いて式(I)の化合物に変換することができる。
【0261】
式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換するするのに特に有用な別の方法は、式(I-H)の化合物(即ち、式中のR2がフルオロである式(I)の化合物)をアミンと反応させ、得られた混合物を場合によっては50〜150℃に加熱して、式(I-I)の化合物(即ち、式中のR2が-NR7R8である式(I)の化合物)を調製することを含んでなる。
【化55】
Figure 2005507878
【0262】
上記式中、他の全ての可変部は上記調製方法のいずれかに関連して上記で定義されているとおりである。
【0263】
この方法は、式(I-H)の化合物を、アミンだけの中で混合するか、又は、適切な溶媒中で過剰のアミンと混合して、式(I-I)の化合物を生成させることにより実施することができる。典型的には、前記溶媒は、メタノール、エタノール及びイソプロパノールなどの低級アルコールである。適する別の溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド及び1-メチル-2-ピロリジンなどを挙げることができる。
【0264】
当業者には明らかなように、式(I)の化合物のR2=フルオロをアミンで置き換えて式(I)の別の化合物を生成させるための上記方法は、式(XII-E)の化合物(例えば、式中のR1aがHである化合物)についての類似した手順に適用可能である。新たに形成された式(XII-E)の化合物は、最終的には、本明細書に記載されている方法を用いて式(I)の化合物に変換することができる。
【0265】
さらなる例として、慣用の脱メチル化技術を用いて、式(I-J)の化合物(即ち、式中のqが1又はそれ以上であり、少なくとも1つのR5がO-メチルである式(I)の化合物)を式(I-K)の化合物(即ち、式中のqが1又はそれ以上であり、少なくとも1つのR5がOHである式(I)の化合物)に変換することができる。さらに、式(I-K)の化合物は、場合によっては、式(I-L)の化合物(即ち、式中のqが1又はそれ以上であり、少なくとも1つのR5がOR10である式(I)の化合物)に変換することができる。例えば、前記変換は、以下のように図式的に表される。
【化56】
Figure 2005507878
【0266】
上記式中、q'は、1、2、3又は4であり;Meはメチルであり;他の全ての可変部は上記で定義されているとおりである。
【0267】
上記脱メチル化反応は、適切な溶媒中、-78℃〜室温までの温度で、式(I-J)の化合物をルイス酸で処理して式(I-K)の化合物を生成させることにより実施することができる。典型的には、前記溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル及びトルエンなどの不活性溶媒である。前記ルイス酸は、三臭化ホウ素又はトリメチルシリルヨージドなどであり得る。
【0268】
場合によっては、式(I-K)の化合物は、アルキル化反応により、さらに、式(I-L)の化合物に変換することができる。前記アルキル化反応は、適切な溶媒中で、式(I-K)の化合物を、式R10-ハロ[式中、R10は上記で定義されているとおりである]のハロゲン化アルキルで処理して、式(I-L)の別の化合物を生成させることにより実施することができる。前記反応は、典型的には、塩基の存在下、場合によっては50〜200℃に加熱しながら、実施する。前記反応は、N,N-ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどの溶媒中で実施し得る。典型的には、前記塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム又は水素化ナトリウムなどである。さらに、当業者には明らかなように、前記アルキル化反応は、光延条件(Mitsunobu conditions)下で行うことができる。
【0269】
本明細書の開示及びそれに含まれている実施例に基づいて、当業者は、式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体を式(I)の別の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体に容易に変換することができる。
【0270】
本発明は、さらに、放射能標識された式(I)の化合物及びビオチニル化された式(I)の化合物も提供する。放射能標識された式(I)の化合物とビオチニル化された式(I)の化合物は、慣用の技術を用いて調製することができる。例えば、放射能標識された式(I)の化合物は、適切な触媒の存在下、式(I)の化合物をトリチウムガスと反応させて放射能標識された式(I)の化合物を生成させることにより調製することができる。特定の一実施形態において、式(I)の化合物をトリチウム化する。
【0271】
放射能標識された式(I)の化合物及びビオチニル化された式(I)の化合物は、ヘルペスウイルス感染症などのウイルス感染症を治療又は予防するための化合物を同定するためのアッセイにおいて有用である。従って、本発明は、ヘルペスウイルス感染症などのウイルス感染症を治療又は予防するための活性を有する化合物を同定するためのアッセイ方法を提供し、当該方法は、放射能標識された式(I)の化合物又はビオチニル化された式(I)の化合物を標的タンパク質に特異的に結合させる段階を含んでなる。より特定的には、適切なアッセイ方法には、競合結合アッセイが含まれる。放射能標識された式(I)の化合物及びビオチニル化された式(I)の化合物は、当技術分野で慣用の方法に従うアッセイで用いることができる。
【実施例】
【0272】
以下に示す実施例は、本発明を例証する実施形態であって、決して本発明の範囲を限定するものではない。試薬は、市販されているか、又は、文献に記載されている手順に従って調製する。実施例の番号は、表に記載されている化合物を示している。1H-NMRスペクトル及び13C-NMRスペクトルは、それぞれ、300又は400MHz、及び、75又は100MHzで、Varian Unity Plus-NMR分光光度計を用いて得た。19F-NMRは282MHzで記録した。質量スペクトルは、Atmospheric Chemical Ionization(APCI)又はElectrospray Ionization(ESI)のいずれかを用いて、Micromass Ltd.(Altrincham, UK)製のZMD質量分析計又はMicromass Platformで得た。分析用薄層クロマトグラフィーを用いて、単離不可能ないくつかの中間体又は不安定で十分なキャラクタリゼーションができないいくつかの中間体の純度を確認すると共に、反応の進行を追跡した。特に指定していない限り、分析用薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル(Merck Silica Gel 60 F254)を用いて行った。特に指定していない限り、いくつかの化合物を精製するためのカラムクロマトグラフィーでは、Merck Silica gel 60(230-400メッシュ)を使用し、また、指定されている溶媒を加圧下で使用した。特に指定していない限り、全ての化合物は、その遊離塩基形態でキャラクタリゼーションを行った。時折、対応する塩酸塩が形成されて固形物を生じたが、その場合は、その旨表示してある。
【0273】
実施例 (1) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化57】
Figure 2005507878
【0274】
(a) 2-(4- クロロ -2- ピリジニル )-1-(4- フルオロフェニル ) エタノン
テトラヒドロフラン(100mL)中の4-クロロ-2-ピコリン(5.0g, 39ミリモル)と4-フルオロ安息香酸エチル(6.6g, 39ミリモル)の冷溶液(0℃)に、均圧漏斗(pressure equalizing funnel)を用いて、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(80mL, テトラヒドロフラン中1.0M, 80ミリモル)を30分かけて滴下して加えた。リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの添加が終了した時点で、冷浴を除去し、得られた溶液を室温で15時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、そこにメタノールを添加することにより、白色の沈澱物が形成された。その沈殿物を濾過により集め、乾燥させて、2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノン(9.6g, 99%)を白色の固形物として得た。
【0275】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 7.90(m, 3H), 7.11(t, 2H), 6.56(s, 1H), 5.67(s, 1H), 4.14(m, 2H); 19F-NMR(DMSO-d6):δ -115.67; MS m/z 250(M+1)。
【0276】
(b) 2-(4- クロロ -2- ピリジニル )-1-(4- フルオロフェニル ) エタノンオキシム
メタノール(200mL)中の2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノン(9.6g, 38ミリモル)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(13.5g, 190ミリモル)を添加し、次いで、水酸化ナトリウム溶液(7.8g, 50mLの水中190ミリモル)を添加した。得られた懸濁液を還流温度で2時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。得られた混合物を濃縮し、得られたスラリーに水を加えた。形成された白色沈殿物を濾過により集め、水で洗浄し、脱水して(硫酸マグネシウム)、2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノンオキシム(8.45g, 84%)を白色の固形物として得た。
【0277】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 11.56(s, 1H), 8.44(d, 1H), 7.80(m, 2H), 7.40(m, 2H), 7.22(m, 2H), 4.29(s, 2H); 19F-NMR(DMSO-d6):δ -113.44; MS m/z 265(M+1)。
【0278】
(c) 5- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
1,2-ジメトキシエタン(50mL)中の2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノンオキシム(8.0g, 30ミリモル)の溶液に、0℃で、無水トリフルオロ酢酸(6.3g, 30ミリモル)を添加し、その際、添加中の温度を10℃未満に維持した。無水トリフルオロ酢酸の添加が完了した後、反応物を室温まで昇温させた。得られた溶液を、次いで、4℃まで冷却し、1,2-ジメトキシエタン(20mL)中のトリエチルアミン(8.4mL, 60ミリモル)の溶液を0.5時間かけて添加した。得られた混合物を室温まで昇温させ、1.5時間撹拌した。この混合物に塩化鉄(II)(40mg)を添加し、得られた反応物を75℃で15時間加熱した。反応混合物を水(300mL)に注いだ。得られた懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機物を一緒にして脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して固体残渣とした。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(4.2g, 57%)を白色の固形物として得た。
【0279】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.36(d, 1H), 7.93(q, 2H), 7.49(d, 1H), 7.15(t, 2H), 6.70(dd, 1H), 6.69(s, 1H); 19F-NMR(CDCl3):δ -113.30; MS m/z 247(M+1)。
【0280】
(d) 5- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- カルバルデヒド
オキシ塩化リン(0.6mL, 6.4ミリモル)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に添加し、得られた混合物を室温で10分間撹拌した。5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(1.0g, 4.1ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。この反応混合物を氷-水に注ぎ、水性水酸化アンモニウムで中和してpHを7とした。得られたスラリーをジクロロメタン(40mL)で3回抽出した。有機物を一緒にしてブラインで洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、アセトニトリルから再結晶させた後、5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルバルデヒド(0.95g, 85%)を白色の固形物として得た。
【0281】
1H-NMR(CDCl3):δ 10.07(s, 1H), 8.49(d, 1H), 8.44(d, 1H), 7.78(q, 2H), 7.22(t, 2H), 7.07(dd, 1H); MS m/z 275(M+1)。
【0282】
(e) 1-[5- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ブチン -1- オン
テトラヒドロフラン(20mL)中の5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルバルデヒド(0.93g, 3.4ミリモル)の溶液に、-78℃で、臭化エチニルマグネシウム(16mL, テトラヒドロフラン中0.5M, 8.0ミリモル)を添加した。得られた混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。反応物に水を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して固体残渣とした。この残渣をジクロロメタン(50mL)に溶解させ、二酸化マンガン(5g)を添加した。このスラリーを室温で2時間撹拌した。二酸化マンガンを濾過により除去し、濾液を濃縮して固形物とした。この固形物を、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン)で精製して、1-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ブチン-1-オン(0.63g, 2工程反応に対して62%)を白色の固形物として得た。
【0283】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.52(d, 1H), 8.47(d, 1H), 7.69(q, 2H), 7.18(t, 2H), 7.07(dd, 1H), 3.00(s, 1H); 19F-NMR(CDCl3):δ -111.69; MS m/z 299(M+1)。
【0284】
(f) 4-[5- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-N- シクロペンチル -2- ピリミジンアミン
N,N-ジメチルホルムアミド中の1-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ブチン-1-オン(0.61g, 2.0ミリモル)の溶液に、シクロペンチルグアニジン塩酸塩(0.67g, 4.1ミリモル)を添加し、次いで、無水炭酸カリウム(0.57g, 4.1ミリモル)を添加した。得られた混合物を80℃で12時間加熱した。室温まで冷却して、水を加えた。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相をブラインで洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、アセトニトリルから再結晶させた後、4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(0.6g, 74%)を白色の固形物として得た。
【0285】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.54(broad s, 1H), 8.40(d, 1H), 8.04(d, 1H), 7.60(q, 2H), 7.16(t, 2H), 6.88(dd, 1H), 6.28(d, 1H), 5.22(d, 1H), 4.40(m, 1H), 1.4-2.2(m, 8H); 19F-NMR(CDCl3):δ -112.5; MS m/z 408(M+1)。
【0286】
(g) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
シクロペンチルアミン(5mL)中の4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(0.1g, 0.25ミリモル)の溶液に、ラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(46mg, 0.08ミリモル)、炭酸セシウム(120mg, 0.38ミリモル)及び酢酸パラジウム(II)(11mg, 0.05ミリモル)を添加した。得られた混合物を80℃で24時間撹拌し、その時点で、薄層クロマトグラフィーにより反応が完了したと判断した。溶液を室温まで冷却し、得られた反応混合物に、酢酸エチル及び水を添加した。相を分離し、水相を酢酸エチルで再度抽出した。有機物を一緒にして脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(78mg, 70%)を白色の固形物として得た。
【0287】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.16(d, 1H), 7.95(d, 1H), 7.58(q, 2H), 7.38(d, 1H), 7.12(t, 2H), 6.24(dd, 1H), 6.20(d, 1H), 5.05(d, 1H), 4.40(m, 1H), 4.13(m, 1H), 3.89(m, 1H), 1.5-2.2(m, 16H); 19F-NMR(CDCl3):δ -113.7; MS m/z 457(M+1)。
【0288】
実施例 (2) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-7-( エチルスルファニル )-2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化58】
Figure 2005507878
【0289】
無水テトラヒドロフラン(5mL)中のN-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(0.11g, 0.24ミリモル)の溶液に、-78℃で、n-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液0.75mL, 1.2ミリモル)を添加した。得られた溶液を-78℃で10分間撹拌し、次いで、エチルジスルフィド(0.15mL, 0.24ミリモル)を添加した。反応混合物を室温まで昇温させ、次いで、水を添加してクエンチした。反応混合物に酢酸エチルと水を添加した。相を分離し、水相を酢酸エチルで再度抽出した。有機物を一緒にして脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-(エチルスルファニル)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(50mg, 40%)を固形物として得た。
【0290】
1H-NMR(CDCl3):δ 7.99(d, 1H), 7.64(q, 2H), 7.34(d, 1H), 7.13(t, 2H), 6.24(d, 1H), 6.17(d, 1H), 5.06(d, 1H), 4.44(m, 1H), 4.10(m, 1H), 3.94(m, 1H), 3.12(q, 2H), 2.0-2.1(m, 4H), 1.5-2.0(m, 12H), 1.46(t, 3H); 19F-NMR(CDCl3):δ -113.9; MS m/z 518(M+1)。
【0291】
実施例 (3) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- フルオロフェニル )-7- メチルピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化59】
Figure 2005507878
【0292】
無水テトラヒドロフラン(5mL)中のN-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(0.08g, 0.18ミリモル)の溶液に、-78℃で、n-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液0.55mL, 0.9ミリモル)を添加した。得られた溶液を-78℃で10分間撹拌し、次いで、ヨードメタン(0.06mL, 0.96ミリモル)を添加した。反応混合物を室温まで昇温させ、次いで、水を添加してクエンチした。反応混合物に酢酸エチルと水を添加した。相を分離し、水相を酢酸エチルで再度抽出した。有機物を一緒にして脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(30mg, 40%)を固形物として得た。
【0293】
1H-NMR(CDCl3):δ 7.98(d, 1H), 7.62(q, 2H), 7.38(d, 1H), 7.15(t, 2H), 6.22(d, 1H), 6.16(d, 1H), 5.04(d, 1H), 4.44(m, 1H), 4.04(d, 1H), 3.94(m, 1H), 2.71(s, 3H), 2.0-2.1(m, 4H), 1.4-1.9(m, 12H); 19F-NMR(CDCl3):δ -114.0; MS m/z 472(M+1)。
【0294】
実施例 (4) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-7- エトキシ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化60】
Figure 2005507878
【0295】
ジクロロメタン(5mL)中のN-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-(エチルスルファニル)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(0.05g, 0.1ミリモル)の溶液に、ジクロロメタン中のm-クロロ過安息香酸(57〜86%, 70mg, 0.4ミリモル)を添加した。得られた溶液を室温で30分間撹拌した。有機相を水性炭酸カリウムで抽出し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、固形物とした。この固形物にナトリウムエトキシド溶液(5mL, エタノール中3M)を添加し、得られた溶液を還流温度で2時間加熱した。得られた混合物を濃縮して乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-エトキシ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(20mg, 40%)を固形物として得た。
【0296】
1H-NMR(CDCl3):δ 7.96(d, 1H), 7.60(q, 2H), 7.20(d, 1H), 7.13(t, 2H), 6.20(d, 1H), 5.64(d, 1H), 5.04(m, 1H), 4.40(q, 2H), 4.08(m, 1H), 3.95(m, 1H), 2.0-2.1(m, 4H), 1.5-1.9(m, 12H), 1.30(t, 3H); 19F-NMR(CDCl3):δ -113.92; MS m/z 502(M+1)。
【0297】
実施例 (5) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- フルオロフェニル )-7-( メチルスルファニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化61】
Figure 2005507878
【0298】
実施例(2)で記載した方法と同様の方法で、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(97mg, 0.22ミリモル)及びメチルジスルフィドから、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-(メチルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(100mg, 90%)を固形物として得た。
【0299】
1H-NMR(CDCl3):δ 7.98(d, 1H), 7.65(q, 2H), 7.32(d, 1H), 7.15(t, 2H), 6.23(d, 1H), 6.05(d, 1H), 5.00(d, 1H), 4.44(m, 1H), 4.15(m, 1H), 3.95(m, 1H), 2.59(s, 3H), 2.0-2.1(m, 4H), 1.5-1.9(m, 12H); 19F-NMR(CDCl3):δ -113.8; MS m/z 504(M+1)。
【0300】
実施例 (6) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- ルオロフェニル )-7-(2- メトキシエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化62】
Figure 2005507878
【0301】
実施例(4)で記載した方法と同様の方法で、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-(メチルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(90mg, 0.18ミリモル)及びメトキシエタノールから、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-(2-メトキシエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(20mg, 2工程に対して21%)を固形物として得た。
【0302】
1H-NMR(CDCl3):δ 7.95(d, 1H), 7.62(q, 2H), 7.20(d, 1H), 7.13(t, 2H), 6.20(d, 1H), 5.75(d, 1H), 5.05(m, 1H), 4.46(t, 2H), 4.10(d, 1H), 3.93(t, 2H), 3.49(s, 3H), 2.0-2.1(m, 4H), 1.5-1.9(m, 12H); 19F-NMR(CDCl3):δ -113.85; MS m/z 532(M+1)。
【0303】
実施例 (7) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- メトキシフェニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化63】
Figure 2005507878
【0304】
(a) 2-(4- クロロ -2- ピリジニル )-1-(4- メトキシフェニル ) エタノン
テトラヒドロフラン(100mL)中の4-クロロ-2-ピコリン(10g, 78.4ミリモル)と4-メトキシ安息香酸エチル(14.1g, 78.4ミリモル)の冷溶液(0℃)に、均圧漏斗(pressure equalizing funnel)を用いて、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(157mL, テトラヒドロフラン中1.0M, 157ミリモル)を30分間かけて滴下して加えた。リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの添加が完了した時点で、冷浴を除去し、得られた溶液を45℃で15時間加熱した。得られた混合物を室温まで冷却し、得られた溶液を濃縮した。メタノールを添加して反応をクエンチすることにより、黄色の沈澱物が形成された。その沈澱物を濾過により集め、乾燥させて、生成物をエノールとケトンの互変異性体混合物として得た。
【0305】
MS m/z 262(M+1)。
【0306】
(b) 2-(4- クロロ -2- ピリジニル )-1-(4- メトキシフェニル ) エタノンオキシム
メタノール(200mL)中の2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノンの溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(27.2g, 392ミリモル)を添加し、次いで、水酸化ナトリウム溶液(15.7g, 50mLの水中392ミリモル)を添加した。得られた懸濁液を還流温度で1時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。混合物を濃縮し、得られたスラリーに水を加えた。形成された白色沈殿物を濾過により集め、水で洗浄し、脱水して、2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノンオキシム(11.8g)を白色の固形物として得た。
【0307】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.47(d, 1H), 7.72(d, 2H), 7.36(d, 1H), 7.19(dd, 1H), 6.91(d, 2H), 4.43(s, 2H), 3.84(s, 3H); MS m/z 277(M+1)。
【0308】
(c) 5- クロロ -2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
1,2-ジメトキシエタン(200mL)中の2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノンオキシム(11.8g, 42.6ミリモル)の溶液に、0℃で、無水トリフルオロ酢酸(6.3mL, 44.8ミリモル)を添加し、その際、添加中の温度を10℃未満に維持した。無水トリフルオロ酢酸の添加が完了した後、反応物を15℃まで昇温させた。得られた溶液を、次いで、4℃まで冷却し、1,2-ジメトキシエタン(15mL)中のトリエチルアミン(12.5mL, 89.5ミリモル)の溶液を0.5時間かけて添加した。得られた混合物を室温まで昇温させ、室温で5時間撹拌した。この混合物に塩化鉄(II)(0.11g, 0.85ミリモル)を添加し、得られた反応物を75℃で15時間加熱した。反応混合物を水(300mL)に注いだ。得られた懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して固形物とした。この固形物をメタノールから再結晶させて、5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(6.64g, 60%)を白色の針状物として得た。
【0309】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.35(d, 1H), 7.86(d, 2H), 7.46(d, 1H), 6.97(d, 2H), 6.67(d, 1H), 6.65(s, 1H), 3.85(s, 3H); MS m/z 259(M+1)。
【0310】
(d) 1-[5-( クロロ )-2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ] エタノン
トルエン(100mL)中の5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(3.0g, 11.6ミリモル)の溶液に、室温で、無水酢酸(1.6mL, 17.4ミリモル)を添加した。次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(1.8mL, 13.9ミリモル)を滴下して加え、得られた溶液を還流温度で4時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を滴下して加えることによりクエンチした。反応物を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル相をブラインで洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル-ヘキサンから再結晶させることにより精製して、1-[5-(クロロ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]エタノン(2.31g, 66%)を得た。
【0311】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.44(d, 1H), 8.40(d, 1H), 7.49(d, 2H), 7.02(d, 2H), 6.97(dd, 1H), 3.85(s, 3H), 2.15(s, 3H); MS m/z 301(M+1)。
【0312】
(e) 1-[5-( シクロペンチルアミノ )-2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ] エタノン
トルエン(60mL)中の1-[5-(クロロ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]エタノン(1.77g, 5.88ミリモル)の溶液に、ラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(220mg, 0.35ミリモル)、炭酸セシウム(2.88g, 8.83ミリモル)、シクロペンチルアミン(2.9mL、29.4ミリモル)及び酢酸パラジウム(II)(53mg, 0.24ミリモル)を順次添加した。得られた混合物を95℃で3日間撹拌し、その時点で、薄層クロマトグラフィーにより反応が完了したと判断した。溶液を室温まで冷却し、得られた反応混合物に、ジエチルエーテル及び水を添加した。相を分離し、水相をジエチルエーテルで再度抽出した。有機相を一緒にして脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(3:2 ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、1-[5-(シクロペンチルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]エタノン(1.14g, 56%)を黄色の固形物として得た。
【0313】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.19(d, 1H), 7.52(d, 2H), 7.45(d, 1H), 7.03(d, 2H), 6.35(dd, 1H), 4.15(broad s, 1H), 3.98(m, 1H), 3.91(s, 3H), 2.21-2.15(m, 2H), 2.11(s, 3H), 1.79-1.54(m, 6H); MS m/z 350(M+1)。
【0314】
(f) 1-[5-( シクロペンチルアミノ )-2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-3-( ジメチルアミノ )-2- プロペン -1- オン
N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(25mL)中の1-[5-(シクロペンチルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]エタノン(1.14g, 3.26ミリモル)の溶液を還流温度で5日間加熱した。得られた混合物を室温まで冷却した。水を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルから結晶化させて、1-[5-(シクロペンチルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-3-(ジメチルアミノ)-2-プロペン-1-オン(1.05g, 80%)を黄色の固形物として得た。
【0315】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.11(d, 1H), 7.56(m, 3H), 7.41(d, 1H), 6.95(d, 2H), 6.22(dd, 1H), 5.07(d, 1H), 4.11(d, 1H), 3.95(m, 1H), 3.84(s, 3H), 3.0-2.3(broad, 6H), 2.12(m, 2H), 1.74-1.48(m, 6H); MS m/z 405(M+1)。
【0316】
(g) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- メトキシフェニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)中の1-[5-(シクロペンチルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-3-(ジメチルアミノ)-2-プロペン-1-オン(1.05g, 2.60ミリモル)の溶液に、N-シクロペンチルグアニジン塩酸塩(1.27g, 7.79mmol; Bannard, R.A.B.ら(Can. J. Chem. 1958, 36, 1541-1549)の方法を改変して調製したもの)を添加した後、炭酸カリウム(0.54g, 3.89ミリモル)を添加した。得られた溶液を還流温度で15時間加熱した。室温まで冷却して、水を添加した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相をブラインで洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(4:6 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(1.06g, 87%)を黄色の固形物として得た。
【0317】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.15(d, 1H), 7.91(d, 1H), 7.51(d, 2H), 7.41(d, 1H), 6.94(d, 2H), 6.26(d, 1H), 6.22(dd, 1H), 5.11(d, 1H), 4.42(m, 1H), 4.09(d, 1H), 3.88(m, 1H), 3.85(s, 3H), 2.10-2.01(m, 4H), 1.76-1.52(m, 12H); MS m/z 469(M+1)。
【0318】
実施例 (8) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- メトキシフェニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン ( 別法による合成 )
【化64】
Figure 2005507878
【0319】
(a) 5- クロロ -2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- カルバルデヒド
N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に、0℃で、オキシ塩化リン(0.54mL, 7.8ミリモル)を添加した。オキシ塩化リンの添加が完了した後、得られた混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。これに、5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(1.0g, 3.86ミリモル)を添加し、得られた溶液を2時間撹拌した。水を添加した後、ジクロロメタンを添加した。水層をジクロロメタンで抽出した。有機物を一緒にしてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。白色の結晶質化合物である5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルバルデヒド(0.9g, 81%)を得た。
【0320】
1H-NMR(CDCl3):δ 10.12(s, 1 H), 8.52(d, 1H), 8.47(d, 1H), 7.76(d, 2H), 7.11-7.06(m, 3H), 3.93(s, 3H); MS m/z 287(M+1)。
【0321】
(b) 1-[5- クロロ -2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- プロピン -1- オール
テトラヒドロフラン(50mL)中の5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルバルデヒド(0.90g, 3.14ミリモル)の冷懸濁液(-78℃)に、臭化エチルマグネシウム(7.5mL, テトラヒドロフラン中0.5M, 3.77ミリモル)を滴下して加えた。反応混合物を-78℃で1時間撹拌し、次いで、室温で4時間撹拌した。得られた溶液を飽和水性重炭酸ナトリウムに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、有機物を一緒にして硫酸マグネシウムで脱水した。濾過して、濃縮することにより、1-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール(1.05g, 100%)を白色の固形物として得た。
【0322】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.40(d, 1H), 8.05(s, 1H), 7.72(d, 2H), 7.05(d, 2H), 6.80(dd, 1H), 5.78(s, 1H), 3.91(s, 3H), 2.74(s, 1H), 2.53(s, 1H); MS m/z 313(M+1)。
【0323】
(c) 1-[5- クロロ -2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- プロピン -1- オン
クロロホルム(100mL)中の1-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール(1.05g, 3.14ミリモル)の溶液に、二酸化マンガン(6.82g, 78.5ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。得られた懸濁液をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を濃縮して、1-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン(0.99g, 100%)を淡黄色の固形物として得た。1H-NMR(CDCl3):δ 8.50(d, 1H), 8.46(d, 1H), 7.64(d, 2H), 7.04(dd, 1H), 6.98(d, 2H), 3.87(s, 3H), 2.99(s, 1H); MS m/z 295(M+1)。
【0324】
(d) 4-[5- クロロ -2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-N- シクロペンチル -2- ピリミジンアミン
ナトリウムエチラート(0.7mL(2.09ミリモル), エタノール中21%)及びシクロペンチルグアニジン塩酸塩(0.47g, 2.88ミリモル)をエタノール(30mL)に順次添加した。得られた溶液を室温で30分間撹拌した。1-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン(0.5g, 1.61ミリモル)を添加し、得られた懸濁液を室温で2日間撹拌した。水を添加して反応をクエンチした。水相を酢酸エチルで抽出した。有機物を一緒にしてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過して、濃縮することにより、固形物を得た。この固形物をメタノールから再結晶させて、4-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(0.45g, 66%)を淡黄色の固形物として得た。
【0325】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.59(b, 1H), 8.42(d, 1H), 8.05(d, 1H), 7.59(d, 2H), 7.03(d, 2H), 6.91(dd, 1H), 6.39(d, 1H), 5.34(broad s, 1H), 4.42(m, 1H), 3.92(s, 3H), 2.17(m, 2H), 1.86-1.60(m, 6H); MS m/z 420(M+1)。
【0326】
(e) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- メトキシフェニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
実施例(7)で記載した条件と同様の条件下で、4-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミンをシクロペンチルアミンで処理して、所望のN-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミンを得た。
【0327】
実施例 (9) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- メトキシフェニル )-7-( メチルスルファニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化65】
Figure 2005507878
【0328】
実施例(2)に記載したように、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(0.05g, 0.11ミリモル)の溶液をn-ブチルリチウムとメチルジスルフィドで処理して、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-7-(メチルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(40mg, 71%)を黄色の泡状物として得た。
【0329】
1H-NMR(CDCl3):δ 7.95(d, 1H), 7.58(d, 2H), 7.36(d, 1H), 6.97(d, 2H), 6.28(d, 1H), 6.04(d, 1H), 5.20(d, 1H), 4.47(m, 1H), 4.15(m, 1H), 3.93(m, 1H), 3.88(s, 3H), 2.58(s, 3H), 2.0-2.1(4H), 1.5-1.9(m,12H); MS m/z 516(M+1)。
【0330】
実施例 (10) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-7-( エチルスルファニル )-2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化66】
Figure 2005507878
【0331】
実施例(2)に記載したように、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(0.05g, 0.11ミリモル)の溶液をn-ブチルリチウムとエチルジスルフィドで処理して、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-(エチルスルファニル)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(40mg)を黄色の泡状物として得た。
【0332】
1H-NMR(CDCl3):δ 7.97(d, 1H), 7.58(d, 2H), 7.37(d, 1H), 6.96(d, 2H), 6.29(d, 1H), 6.16(d, 1H), 5.04(m, 1H), 4.46(m, 1H), 4.07(d, 1H), 3.94(m, 1H), 3.89(s, 3H), 3.14(q, 2H), 2.0-2.1(m, 4H), 1.5-1.9(m, 12H), 1.46(t, 3H); MS m/z 530(M+1)。
【0333】
実施例 (11) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-7-( イソプロピルスルファニル )-2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化67】
Figure 2005507878
【0334】
実施例(2)に記載したように、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(0.05g, 0.11ミリモル)の溶液をn-ブチルリチウムとイソプロピルジスルフィドで処理して、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-(イソプロピルスルファニル)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(35mg, 60%)を黄色の泡状物として得た。
【0335】
1H-NMR(CDCl3):δ 7.97(d, 1H), 7.58(d, 2H), 7.40(m, 1H), 6.97(d, 2H), 6.30(m, 2H), 5.10(d, 1H), 4.46(m, 1H), 4.08(d, 1H), 3.93(m, 1H), 3.89(s, 3H), 2.0-2.1(m, 5H), 1.5-1.9(m,12H), 1.43(d, 6H); MS m/z 544(M+1)。
【0336】
実施例 (12) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- メトキシフェニル )-7-( フェニルスルファニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化68】
Figure 2005507878
【0337】
実施例(2)に記載したように、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(0.05g, 0.11ミリモル)の溶液をn-ブチルリチウムとフェニルジスルフィドで処理して、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-7-(フェニルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(30mg, 49%)を黄色の泡状物として得た。
【0338】
1H-NMR(CDCl3):δ 7.97(d, 1H), 7.73(m, 2H), 7.61(d, 2H), 7.54(m, 3H), 7.32(d, 1H), 6.98(d, 2H), 6.31(d, 1H), 5.53(d, 1H), 5.05(d, 1H), 4.45(m, 1H), 3.90(s, 3H), 3.80(m, 1H), 2.0-2.1(m, 4H), 1.5-1.9(m, 12H); MS m/z 578(M+1)。
【0339】
実施例 (13) N- シクロペンチル -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- フルオロフェニル )-7-( イソプロピルスルファニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -5- アミン
【化69】
Figure 2005507878
【0340】
実施例(2)に記載したように、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(60mg, 0.13ミリモル)をn-ブチルリチウムとイソプロピルジスルフィドで処理して、N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-(イソプロピルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン(50mg, 72%)を黄色の固形物として得た。
【0341】
1H-NMR(CDCl3):δ 7.99(d, 1H), 7.62(q, 2H), 7.36(d, 1H), 7.11(t, 2H), 6.30(d, 1H), 6.24(d, 1H), 5.10(d, 1H), 4.45(m, 1H), 4.10(d, 1H), 3.90(m, 2H), 2.0-2.1(m, 4H), 1.5-1.9(m, 12H), 1.33(d, 6H); 19F-NMR(CDCl3):δ -113.90; MS m/z 532(M+1)。
【0342】
実施例 (14) 生物活性
以下の実施例において、「MEM」は最小必須培地(Minimal Essential Media)を意味し;「FBS」はウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum)を意味し;「NP40」及び「Igepal」は界面活性剤(detergents)であり;「MOI」は感染多重度(Multiplicity of Infection)を意味し;「NaOH」は水酸化ナトリウムを意味し;「MgCl2」は塩化マグネシウムを意味し;「dATP」はデオキシアデノシン5’-三リン酸を意味し;「dUTP」はデオキシウリジン5’-三リン酸を意味し;「dCTP」はデオキシシチジン5’-三リン酸を意味し;「dGTP」はデオキシグアノシン5’-三リン酸を意味し;「GuSCN」はグアニジニウムチオシアネートを意味し;「EDTA」はエチレンジアミン四酢酸を意味し;「TE」はトリス-EDTAを意味し;「SCC」は塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウムを意味し;「APE」は酢酸アンモニア、リン酸アンモニア、EDTAの溶液を意味し;「PBS」はリン酸緩衝生理食塩水を意味し;「HRP」は西洋ワサビペルオキシダーゼを意味する。
【0343】
(a) 組織培養及び HSV 感染
ベロ76細胞を、Earle’s Salts、L-グルタミン、8%FBS(Hyclone、A-1111-L)及び100単位/mLのペニシリン-100μg/mLのストレプトマイシンを加えてあるMEM中で維持した。アッセイ条件用に、FBSを2%まで低減した。細胞を、HSV-1又はHSV-2(MOI=0.001)の存在下に37℃で45分間インキュベーションした後、5×104細胞/ウェルの密度で96-ウェル組織培養プレートに播種した。前記ウェルに試験化合物を加え、前記プレートを37℃で40〜48時間インキュベーションした。細胞溶解物を以下に示すように調製した:培地を除去し、1% Igepal CA 630又はNP-40を加えてある150μL/ウェルの0.2N NaOHで置き換えた。蒸発を防止するために、加湿したチャンバー内で、プレートを室温で最長14日までインキュベーションした。
【0344】
(b) 検出 DNA の調製
検出プローブのために、HSV UL-15配列の、ゲル精製し、ジゴキシゲニンで標識した710塩基対PCRフラグメントを用いた。PCR条件には、0.5μM プライマー、180μM dTTP、20μM dUTP-ジゴキシゲニン(Boehringer Mannheim 1558706)、200μM dATP、200μM dCTP、200μM dGTP、1X PCR Buffer II(Perkin Elmer)、2.5mM MgCl2、0.025単位/μL AmpliTaq Gold ポリメラーゼ(Perkin Elmer)、及び、100μL当たり5ngのゲル精製HSV DNAが含まれていた。伸張条件は、95℃で10分間、次いで、95℃で1分間、55℃で30秒間、及び、72℃で2分間、を30サイクルであった。増幅は、72℃での10分間のインキュベーションで完了させた。プライマーは、HSV1 UL15オープンリーディングフレーム(ヌクレオチド 249-977)のセクションにまたがる278塩基対プローブを増幅するものを選択した。一本鎖転写物をPromega M13 Wizardキットを用いて精製した。最終的な生成物は、6M GuSCN、100mM EDTA及び200μg/mLニシン精子DNAの混合物と1:1で混合して、4℃で保存した。
【0345】
(c) キャプチャープレート (capture plates) の調製
キャプチャーDNAプラスミド(pUC中のHSV UL13領域)を、Xba-Iで切断して線状化し、95℃で15分間変性させ、直後に、Reacti-Bind DNA Coating Solution(Pierce, 17250, TEバッファーで1:1に稀釈, pH8)中に、1ng/μLで稀釈した。75μL/ウェルをCorning(#3922又は9690)白色96-ウェルプレートに添加し、室温で4時間以上インキュベーションした後、300μL/ウェルの0.2X SSC/0.05% Tween-20(SSC/Tバッファー)で2回洗浄した。次いで、前記プレートを、150μL/ウェルの0.2N NaOH、1% IGEPAL及び10μg/mLニシン精子DNAを加えて室温で一晩インキュベーションした。
【0346】
(d) ハイブリダイゼーション
27μLの細胞溶解物を45μLのハイブリダイゼーション溶液(最終濃度:3M GuSCN, 50mM EDTA, 100μg/mLサケ精子DNA, 5X Denhardt’s溶液, 0.25X APE, 及び5ngのジゴキシゲニン標識検出プローブ)と混合した。APEは、1.5M NH4-アセテート、0.15M一塩基リン酸アンモニウム及び5mM EDTAをpH6.0に調節したものである。鉱油(50μL)を添加して、蒸発を防止した。ハイブリダイゼーションプレートを95℃で10分間インキュベーションしてDNAを変性させ、次いで、42℃で一晩インキュベーションした。ウェルを300μL/ウェルのSSC/Tバッファーで6回洗浄した後、室温で30分間、75μL/ウェルの抗-ジゴキシゲニン-HRP-コンジュゲート抗体(Boehringer Mannheim 1207733, TE中1:5000)を加えてインキュベーションした。ウェルを、300μL/ウェルのPBS/0.05% Tween-20で6回洗浄した後、75μL/ウェルのSuperSignal LBA基質(Pierce)を添加した。プレートを室温で30分間インキュベーションし、Wallac Victorリーダーで化学発光を測定した。
【0347】
(e) 結果
HSV-1に関して、以下の結果が得られた。
【表1】
Figure 2005507878
【0348】
上記結果は、本発明化合物がヘルペスウイルス感染症の治療及び予防に有用であることを示している。

Claims (40)

  1. 式(I):
    Figure 2005507878
    [式中、
    R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
    各R7及びR8は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NR9R11、-R10NHCOR9、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10NHSO2R9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から各々独立して選択され;
    各R9及びR11は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w(式中、wは1〜10である)、及び-R10NR10R10からなる群から各々独立して選択され;
    各R10は同一であるか又は異なっており、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びシクロアルケニルからなる群から独立して選択され;
    Ayはアリールであり;
    Hetは、5員又は6員のヘテロ環式基又はヘテロアリール基であり;
    nは、0、1又は2であり;
    R2は、ハロ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;
    Yは、N又はCHであり;
    R3及びR4は同一であるか又は異なっており、H、ハロ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-C(O)R7、C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から各々独立して選択され;
    qは、0、1、2、3、4又は5であり;
    各R5は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-C(O)NR7R8、-C(S)NR9R11、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-CO2R9、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、2つの隣接するR5基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しており;
    rは、1、2又は3であり;
    各R13及びR14は同一であるか又は異なっており、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NR9R11、-R10NHCOR9、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10NHSO2R9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から各々独立して選択され;
    pは、0、1又は2であるが、その場合pとrの和は3以下であり;
    各R6は同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、2つの隣接するR6基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキルを形成しているか又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環式基を形成しているが;
    YがCHである場合は、R3は-NR7Ayではない]
    で表される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能する誘導体。
  2. R1が、アルキル、シクロアルキル、-OR7、-OAy、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. R1が、アルキル、-OR7、-C(O)NR7R8及びS(O)nR9からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. R2が、Het、-OR7、-S(O)nR9、-NR7R8、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. R2が、Het、-NR7R8及びNHHetからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  6. YがNである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. YがCHである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  8. R3及びR4が、同一であるか又は異なっており、H、ハロ、アルキル、Ay、-OR7、-CO2R7、-NR7R8、-R10OR7及び-R10NR7R8からなる群から各々独立して選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. R3及びR4が各々Hである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  10. qが、0、1又は2である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 各R5が、同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、アルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から独立して選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. 各R5が、同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、-OR7、-NR7R8及びシアノからなる群から独立して選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  13. pが0又は1である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 各R6が、同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NHR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-R10OR9、-R10C(O)NR9R11、-R10NR7R8、-R10SO2NHCOR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 各R6が、同一であるか又は異なっており、ハロ、アルキル、Het、-OR7、-C(O)NR7R8、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8及びシアノからなる群から独立して選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  16. rが1である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
  17. 各R13及びR14が、同一であるか又は異なっており、H、アルキル、シクロアルキル、-C(O)R9、-CO2R9、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10CO2R9及び-R10NR9R11からなる群から各々独立して選択される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
  18. 各R13及びR14が、同一であるか又は異なっており、H、アルキル及びシクロアルキルからなる群から各々独立して選択される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
  19. N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-(エチルスルファニル)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-エトキシ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-(メチルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-(2-メトキシエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-7-(メチルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-(エチルスルファニル)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-7-(イソプロピルスルファニル)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-7-(フェニルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;及び
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-(イソプロピルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-5-アミン;
    からなる群から選択される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能する誘導体。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物を含有する医薬組成物。
  21. さらに医薬上許容される担体又は希釈剤を含有する、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. さらに、アシクロビル、バラシクロビル及びそれらの医薬上許容される塩からなる群から選択される抗ウイルス薬を含有する、請求項20に記載の医薬組成物。
  23. 動物におけるヘルペスウイルス感染症を予防又は治療する方法であって、当該動物に治療有効量の請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含んでなる、前記方法。
  24. 前記ヘルペスウイルス感染症が、単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7及びヒトヘルペスウイルス8からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 動物におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患を予防又は治療する方法であって、当該動物に治療有効量の請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含んでなる方法。
  26. さらに、治療有効量の、アシクロビル、バラシクロビル及びそれらの医薬上許容される塩からなる群から選択される抗ウイルス薬を投与することを含む、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 治療で使用するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
  28. 動物におけるヘルペスウイルス感染症の予防又は治療で使用するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
  29. 動物におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患の予防又は治療で使用するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
  30. 動物におけるヘルペスウイルス感染症を予防又は治療するための薬物を調製するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  31. 動物におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病態又は疾患を予防又は治療するための薬物を調製するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  32. 動物におけるヘルペスウイルス感染症を予防又は治療するための薬物を調製するのに使用される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物を含有する医薬組成物。
  33. YがNであり;R2が、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択される請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物を調製する方法であって、
    (a) 式(XI):
    Figure 2005507878
    [式中、Halはハロであり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]
    で表される化合物をアミン又はイミンと反応させて、式(XII):
    Figure 2005507878
    で表される化合物を調製する工程;
    及び、
    (b) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
    を含んでなる、前記方法。
  34. YがNであり;R2が、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3がHであり;R4がHである請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物を調製する方法であって、
    (a) 式(IX):
    Figure 2005507878
    [式中、Halはハロであり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]
    で表される化合物を、式(X):
    Figure 2005507878
    で表される化合物と反応させて、式(XI):
    Figure 2005507878
    で表される化合物を調製する工程;
    (b) 得られた式(XI)の化合物をアミン又はイミンと反応させて、式(XII):
    Figure 2005507878
    で表される化合物を調製する工程;
    及び、
    (c) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
    を含んでなる、前記方法。
  35. YがNであり;R2が、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3は、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8(式中、R7とR8はHではない)、-NR7Ay(式中、R7はHではない)、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択され;R4がHである請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物を調製する方法であって、
    (a) 式(XXIX):
    Figure 2005507878
    [式中、Halはハロであり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]
    で表される化合物を、式(X):
    Figure 2005507878
    で表される化合物と反応させて、式(XI):
    Figure 2005507878
    で表される化合物を調製する工程;
    (b) 得られた式(XI)の化合物をアミン又はイミンと反応させて、式(XII):
    Figure 2005507878
    で表される化合物を調製する工程;
    及び、
    (c) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
    を含んでなる、前記方法。
  36. YがNであり;R2が、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択される請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物を調製する方法であって、
    (a) 式(XXXV):
    Figure 2005507878
    [式中、Halはハロであり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]
    で表される化合物を、式(X):
    Figure 2005507878
    で表される化合物と反応させ、その後酸化的芳香族化により、式(XI):
    Figure 2005507878
    で表される化合物を調製する工程;
    (b) 得られた式(XI)の化合物をアミン又はイミンと反応させて、式(XII):
    Figure 2005507878
    で表される化合物を調製する工程;
    及び、
    (c) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
    を含んでなる、前記方法。
  37. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物を調製する方法であって、
    (a) 式(XL):
    Figure 2005507878
    [式中、X1はハロであり;R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-OR7、-OAy、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-R10OS(O)nR9、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2NHCOR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10NHCOR9、-R10NHSO2R9、-R10NHC(NH)NR9R11、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]
    で表される化合物を、式(XLI):
    Figure 2005507878
    [式中、M2は、-B(OH)2、-B(ORa)2、-B(Ra)2、-Sn(Ra)3、Zn-ハライド、ZnRa及びMg-ハライド(ここで、Raはアルキル又はシクロアルキルであり、ハライドはハロである)からなる群から選択される]
    で表される化合物と反応させて、式(XII):
    Figure 2005507878
    で表される化合物を調製する工程;
    及び、
    (c) R1aがHである実施形態においては、得られた式(XII)の化合物を式(I)で表される化合物に変換する工程;
    を含んでなる、前記方法。
  38. さらに、式(XII)の化合物を式(XII-D):
    Figure 2005507878
    [式中、rは、2又は3である]
    で表される化合物に変換する工程を含んでなる、請求項33〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. さらに、式(I)で表される化合物をその医薬上許容される塩、溶媒和物又は生理学的に機能する誘導体に変換する工程を含んでなる、請求項33〜38のいずれか1項に記載の方法。
  40. さらに、式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体を式(I)で表される別の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能する誘導体に変換する工程を含んでなる、請求項33〜39のいずれか1項に記載の方法。
JP2003526920A 2001-09-07 2002-08-27 ヘルペス感染症を治療するためのピラゾロ−ピリジン類 Pending JP2005507878A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US31820301P 2001-09-07 2001-09-07
PCT/US2002/027251 WO2003022845A1 (en) 2001-09-07 2002-08-27 Pyrazolo-pyridines for the treatment of herpes infections

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005507878A true JP2005507878A (ja) 2005-03-24
JP2005507878A5 JP2005507878A5 (ja) 2005-11-17

Family

ID=23237109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003526920A Pending JP2005507878A (ja) 2001-09-07 2002-08-27 ヘルペス感染症を治療するためのピラゾロ−ピリジン類

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20040214834A1 (ja)
EP (1) EP1423389B1 (ja)
JP (1) JP2005507878A (ja)
AT (1) ATE364043T1 (ja)
DE (1) DE60220525T2 (ja)
ES (1) ES2286272T3 (ja)
WO (1) WO2003022845A1 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2245772T3 (es) 2002-03-07 2006-01-16 Smithkline Beecham Corporation Derivados de pirazolopirimidina y pirazolotriazina y composiciones farmaceuticas que los contienen.
US20070155738A1 (en) 2005-05-20 2007-07-05 Alantos Pharmaceuticals, Inc. Heterobicyclic metalloprotease inhibitors
UA103319C2 (en) 2008-05-06 2013-10-10 Глаксосмитклайн Ллк Thiazole- and oxazole-benzene sulfonamide compounds
EP2402336A1 (en) 2010-06-29 2012-01-04 Basf Se Pyrazolopyridine compounds
EP2402335A1 (en) 2010-06-29 2012-01-04 Basf Se Pyrazolopyridine compounds
TW201718581A (zh) 2015-10-19 2017-06-01 英塞特公司 作為免疫調節劑之雜環化合物
DK3377488T3 (da) 2015-11-19 2022-10-03 Incyte Corp Heterocykliske forbindelser som immunomodulatorer
ES2844374T3 (es) 2015-12-22 2021-07-22 Incyte Corp Compuestos heterocíclicos como inmunomoduladores
TW201808950A (zh) 2016-05-06 2018-03-16 英塞特公司 作為免疫調節劑之雜環化合物
ES2905980T3 (es) 2016-05-26 2022-04-12 Incyte Corp Compuestos heterocíclicos como inmunomoduladores
PE20190731A1 (es) 2016-06-20 2019-05-23 Incyte Corp Compuestos heterociclicos como inmunomoduladores
ES2930092T3 (es) 2016-07-14 2022-12-07 Incyte Corp Compuestos heterocíclicos como inmunomoduladores
US20180057486A1 (en) 2016-08-29 2018-03-01 Incyte Corporation Heterocyclic compounds as immunomodulators
IL295660A (en) 2016-12-22 2022-10-01 Incyte Corp Benzooxazole derivatives as immunomodulators
MD3558990T2 (ro) 2016-12-22 2023-02-28 Incyte Corp Derivați tetrahidro imidazo[4,5-c]piridină ca inductori de internalizare a PD-L1
US20180179179A1 (en) 2016-12-22 2018-06-28 Incyte Corporation Heterocyclic compounds as immunomodulators
ES2874756T3 (es) 2016-12-22 2021-11-05 Incyte Corp Derivados de triazolo[1,5-A]piridina como inmunomoduladores
FI3774791T3 (fi) 2018-03-30 2023-03-21 Incyte Corp Heterosyklisiä yhdisteitä immunomodulaattoreina
CN112752756B (zh) 2018-05-11 2024-06-25 因赛特公司 作为PD-L1免疫调节剂的四氢-咪唑并[4,5-c]吡啶衍生物
WO2021030162A1 (en) 2019-08-09 2021-02-18 Incyte Corporation Salts of a pd-1/pd-l1 inhibitor
PH12022550754A1 (en) 2019-09-30 2023-08-23 Incyte Corp Pyrido[3,2-d]pyrimidine compounds as immunomodulators
KR20220101664A (ko) 2019-11-11 2022-07-19 인사이트 코포레이션 Pd-1/pd-l1 억제제의 염 및 결정질 형태
WO2022099018A1 (en) 2020-11-06 2022-05-12 Incyte Corporation Process of preparing a pd-1/pd-l1 inhibitor
AU2021373044A1 (en) 2020-11-06 2023-06-08 Incyte Corporation Process for making a pd-1/pd-l1 inhibitor and salts and crystalline forms thereof
WO2022099075A1 (en) 2020-11-06 2022-05-12 Incyte Corporation Crystalline form of a pd-1/pd-l1 inhibitor

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0151962A3 (en) * 1984-01-25 1985-10-02 Beecham Group Plc Pyrazolopyridine derivatives
GB8404586D0 (en) * 1984-02-22 1984-03-28 Beecham Group Plc Compounds
GB8404584D0 (en) * 1984-02-22 1984-03-28 Beecham Group Plc Compounds
US4925849A (en) * 1987-06-15 1990-05-15 Fujisawa Pharmaceutical Company, Ltd. Pharmaceutically useful pyrazolopyridines
US5155114A (en) * 1989-01-23 1992-10-13 Fujisawa Pharmaceutical Company, Ltd. Method of treatment using pyrazolopyridine compound
GB8901423D0 (en) * 1989-01-23 1989-03-15 Fujisawa Pharmaceutical Co Pyrazolopyridine compound and processes for preparation thereof
AU622330B2 (en) * 1989-06-23 1992-04-02 Takeda Chemical Industries Ltd. Condensed heterocyclic compounds having a nitrogen atom in the bridgehead for use as fungicides
GB9015764D0 (en) * 1990-07-18 1990-09-05 Fujisawa Pharmaceutical Co Pyrazolopyridine compound and processes for preparation thereof
GB9107513D0 (en) * 1991-04-10 1991-05-29 Fujisawa Pharmaceutical Co Pyrazolopyridine compound and processes for preparation thereof
US5300478A (en) * 1993-01-28 1994-04-05 Zeneca Limited Substituted fused pyrazolo compounds
US5552422A (en) * 1995-01-11 1996-09-03 Merck Frosst Canada, Inc. Aryl substituted 5,5 fused aromatic nitrogen compounds as anti-inflammatory agents
US5700816A (en) * 1995-06-12 1997-12-23 Isakson; Peter C. Treatment of inflammation and inflammation-related disorders with a combination of a cyclooxygenase-2 inhibitor and a leukotriene A4 hydrolase inhibitor
US6136839A (en) * 1995-06-12 2000-10-24 G. D. Searle & Co. Treatment of inflammation and inflammation-related disorders with a combination of a cyclooxygenase-2 inhibitor and a 5-lipoxygenase inhibitor
FR2757166B1 (fr) * 1996-12-12 1999-01-29 Rhone Poulenc Rorer Sa Derives du pyrrole, leur preparation et les compositions pharmaceutiques qui les contiennent
US20020156104A1 (en) * 1997-06-13 2002-10-24 Jerry L. Adams Novel pyrazole and pyrazoline substituted compounds
BR9915011A (pt) * 1998-11-03 2001-08-07 Glaxo Group Ltd Compostos, método para a preparação dos mesmos, composição farmacêutica, métodos de tratamento de um indivìduo humano ou animal sofrendo de uma condição que é mediada pela inibição seletiva de cox-2 e sofrendo de um distúrbio inflamatório, e, uso de um composto
EP1157025B1 (en) * 1999-02-27 2004-03-10 Glaxo Group Limited Pyrazolopyridines
ES2243579T3 (es) * 2000-12-15 2005-12-01 Glaxo Group Ltd Derivados de pirazolopirideno.
US6919352B2 (en) * 2000-12-15 2005-07-19 Smithkline Beecham Corporation Pyrazolopyridinyl pyridine and pyrimidine therapeutic compounds
DE60201074T2 (de) * 2001-03-08 2005-09-15 Smithkline Beecham Corp. Pyrazolopyridinderivate
EP1372642A1 (en) * 2001-03-30 2004-01-02 SmithKline Beecham Corporation Use of pyrazolopyridines as therapeutic compounds
WO2002083672A1 (en) * 2001-04-10 2002-10-24 Smithkline Beecham Corporation Antiviral pyrazolopyridine compounds
WO2002088124A2 (en) * 2001-04-27 2002-11-07 Smithkline Beecham Corporation Pyrazolo'1,5-a!pyridine derivatives

Also Published As

Publication number Publication date
US20040214834A1 (en) 2004-10-28
WO2003022845A1 (en) 2003-03-20
EP1423389B1 (en) 2007-06-06
ATE364043T1 (de) 2007-06-15
EP1423389A1 (en) 2004-06-02
ES2286272T3 (es) 2007-12-01
DE60220525T2 (de) 2008-02-07
DE60220525D1 (de) 2007-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005507878A (ja) ヘルペス感染症を治療するためのピラゾロ−ピリジン類
US6962914B2 (en) Pyrazolopyridinyl pyridine and pyrimidine therapeutic compounds
JP4219171B2 (ja) 抗ウイルス性ピラゾロピリジン化合物
JP4237497B2 (ja) ピラゾロピリジン類、その調製方法及びその治療用化合物としての使用
US7160897B2 (en) Therapeutic compounds
EP1504004B1 (en) Substituted pyrazolopyrimidines
EP1432712B1 (en) Imidazo-pyridine derivatives for use in the treatment of herpes viral infection
JP2006504728A (ja) ピラソロピリジン誘導体系治療用化合物
JP2005500315A (ja) ヘルペスウイルス感染の予防および治療用イミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体
EP1485385B1 (en) Pyrazolopyrimidine and pyrazolotriazine derivatives and pharmaceutical compositions containing them
US20060293344A1 (en) Therapeutic Compounds
US20040248903A1 (en) Pyrazolo-pyridine derivatives as antiherpes agents

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090113

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090609