JP2005504206A - 弁を操作するための液圧制御式のアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
本発明は、弁(10)特に内燃機関の燃焼シリンダにおけるガス交換弁(10)を操作するための液圧制御式のアクチュエータ(16)であって、液体を満たされていて室容積を制御可能な2つの圧力室(21,22)と、弁(10)に作用しかつ弁閉鎖位置と弁開放位置との間において移動可能な調節ピストン(18)とが設けられていて、該調節ピストン(18)が、互いに反対側に位置するピストン面で圧力室(21,22)を制限していて、弁(10)を閉鎖するために圧力室(21,22)内における液圧によって負荷される閉鎖作用面と、弁(10)を開放するために圧力室(21,22)内における液圧によって負荷される開放作用面とを有している形式のものに関する。このような形式のアクチュエータにいおいて、弁(10)の開閉運動に対して動力学的な提供を与えるために本発明の構成では、調節ピストン(18)が次のように、すなわち両作用面のうちの少なくとも1つの面積が、調節ピストン(18)の移動運動距離に沿って変化するように、形成されている。
Description
【0001】
従来の技術
本発明は、請求項1の上位概念部に記載された形式の、弁特に内燃機関の燃焼シリンダにおけるガス交換弁を操作するための液圧制御式のアクチュエータに関する。
【0002】
このような液圧制御式のアクチュエータは、内燃機関の燃焼シリンダにおける吸気弁及び排気弁を電気液圧式に弁制御するための装置において使用され、この場合各1つのアクチュエータが、吸気弁又は排気弁として使用されるガス交換弁に配属もしくは対応配置されている。
【0003】
ガス交換弁を制御する公知の装置(ドイツ連邦共和国特許公開第19826047号明細書)では、ガス交換弁の弁タペットと結合された調節ピストンが、作業シリンダ内において軸方向摺動可能に案内されていて、互いに反対側に位置する両端面で、作業シリンダ内に形成された両圧力室を制限している。弁閉鎖方向におけるピストン移動を生ぜしめる一方の第1圧力室が常に、圧力下にある液体によって負荷されているのに対して、弁開放方向におけるピストン移動を生ぜしめる他方の第2圧力室は、電磁弁を用いて所望のように、圧力下にある液体によって負荷されたり、又はほぼ周囲圧に放圧されたりする。圧力下にある液体は、調整される圧力供給装置によって供給される。2ポート2位置方向切換え制御弁として構成された電磁弁のうち、第1の電磁弁は第2圧力室を圧力供給装置と接続し、かつ第2の電磁弁は第2圧力室を放圧管路と接続する。ガス交換弁の閉鎖状態において第2圧力室は、閉鎖された第1の電磁弁によって圧力供給装置から切り離され、開放された第2の電磁弁によって放圧管路と接続され、その結果調節ピストンは、第1圧力室内における液圧によって閉鎖位置へと移動させられる。ガス交換弁を開放するためには、両方の電磁弁が給電される。電磁弁の切換えによって、第2圧力室が放圧管路から遮断され、圧力供給装置に接続される。ガス交換弁は開放し、この場合開放行程の大きさは、第1の電磁弁に送られる電気的な制御信号の形成に関連し、かつ開放速度は、圧力供給装置から制御されて供給される液圧に関連している。ガス交換弁をある規定された開放位置において保持するために、第1の電磁弁は次いで無電流に切り換えられ、その結果第1の電磁弁は第2圧力室を再び電流供給部から切り離す。ガス交換弁を閉鎖するために、第2の電磁弁は無電流に切り換えられる。これによって第2圧力室は放圧管路と接続され、第1圧力室における液圧によって調節ピストンはその弁閉鎖位置に戻され、その結果調節ピストンによって弁は閉鎖される。このようにして、電磁弁のための制御信号を発する電気式の制御装置を用いて、ガス交換弁のすべての所望の弁開放ポジションを調節することができる。
【0004】
発明の利点
請求項1の特徴部に記載のように構成された本発明による、弁を操作するための液圧制御式のアクチュエータは、次のような利点を有している。すなわち本発明によるアクチュエータでは、調節ピストンの開放作用面及び/又は閉鎖作用面を調節ピストンの移動運動距離に関連して規定されたように変化させることによって、弁の開放運動及び/又は閉鎖運動の運動力学に対して広い範囲において極めて正確に影響を与えることができる。例えば弁の開放動作時にはまず初めに、弁の全行程の数分の一つまり弁行程の一部のために弁に対して高い調節力を生ぜしめ、弁の残留行程のためにはこの高い調節力を再び著しく減じることが可能である。このような開放特性には特に、内燃機関の燃焼シリンダにおけるガス交換弁において大きな利点がある。なぜならば、特に燃焼シリンダの出口側には、ガス交換弁を燃焼シリンダにおける残留ガス圧に抗して開放できるようにするために、アクチュエータの初期段階において大きな開放力が望まれているからである。燃焼室と排出通路との間において圧力補償が行われた後で、今や、弁のさらに続く開放動作のための調節力が減じられると、ガス交換弁の開放運動距離のために必要なエネルギは著しく節減させられる。
【0005】
さらに、ガス交換弁の開放開始及びガス交換弁の最大行程を規定する電磁弁を、より少ない貫流量のために設計することができる。このことは次の理由に基づく。すなわちこの場合弁の開放動作の導入時に、放圧管路に対する第2の電磁弁の閉鎖及び圧力供給装置に対する第1の電磁弁の開放によって、まず初めに第2圧力室には、第2圧力室内において圧力を上昇させるための液体量だけが流入する。圧力と開放作用面とに基づく開放力が、存在する静止摩擦力を上回るやいなや、ガス交換弁を開放する方向における調節ピストンの運動が始まる。第2圧力室における室容積の増大によって第1の電磁弁を通る貫流量は、この場合急激に上昇するのではなく、連続的に0から最大値にまで上昇する。つまり調節ピストンの大きな開放作用面は、開放した第1の電磁弁を通る貫流量がまだその最大値に達する前の時点において有効になる。開放作用面の減少は適正な時間に導入され、これによって第1の電磁弁を通る最大貫流量を低いレベルに制限することができる。このレベルは、調節ピストンの行程にわたって一定の開放作用面において生ぜしめられるであろうレベルよりも低い。
【0006】
弁の閉鎖動作もまた、調節ピストンの閉鎖作用面を本発明のように構成することによって、その摺動運動に関連して有利な影響を受けることができる。すなわちこの場合、弁座への弁部材の載着は、ピストン移動の経過において調節ピストンの閉鎖作用面が同時に減少することによって、閉鎖力の減少を伴って行われる。特に内燃機関の燃焼シリンダにおけるガス交換弁の操作のためには、このような利点は大きな意味を持っている。すなわちこの場合特に燃焼シリンダの吸気側には、一方では吸気弁の迅速な閉鎖に対する要求があり、かつ他方では燃焼シリンダ側の弁座への弁部材の低い衝突速度に対する要求があり、この弁座への弁部材の衝突速度は、騒音及び摩耗の理由から規定の限界値、例えば無負荷運転時において約0.5m/sの限界値、及び最大回転数時において約0.5m/sの限界値を超えることが許されない。ガス交換弁の閉鎖位置への到達直前に調節ピストンの閉鎖作用面を本発明のように減じることによって、アクチュエータの閉鎖力が減じられ、ひいては前記限界値を維持するための最大の効果が得られる。
【0007】
特許請求の範囲の従属請求項に記載された構成によって、請求項1記載の本発明による液圧制御式のアクチュエータの別の有利な構成を得ることができる。
【0008】
本発明の有利な構成では、調節ピストンが次のように、すなわち該調節ピストンの弁閉鎖位置からの移動時に開放作用面が、少なくとも所定の移動運動距離の後で所定の値だけ減じられるように、構成されている。
【0009】
このことは本発明の有利な構成によれば次の構成によって実現される。すなわち本発明の有利な構成では、調節ピストンが複数部分から成っていて、互いに異なった軸方向長さを有していて相対的に移動可能でかつ互いに同心的な部分ピストンから成っており、これらの部分ピストンが互いに入れ子式になっていて、第2圧力室が部分ピストンのすべての部分によって制限され、第1圧力室が部分ピストンの端面の一部だけによって制限されており、第1圧力室を制限しない少なくとも1つの部分ピストンの移動運動距離が、調節ピストンの全移動運動距離に対して減じられており、この場合部分ピストンの数が2つよりも多い場合には、減少が段階的に行われる。
【0010】
本発明の択一的な構成では、調節ピストンが次のように、すなわち弁閉鎖位置からの調節ピストンの移動時に開放作用面が移動運動距離の開始範囲では残りの移動運動距離におけるよりも大きくなるように、かつ弁開放位置からの調節ピストンの移動時に閉鎖作用面が移動運動距離の終了範囲において、残りの移動運動距離におけるよりも小さくなるように、形成されている。
【0011】
調節ピストンのこのような構成は、本発明の有利な構成によれば次の構成によって実現されている。すなわち本発明の有利な構成では、調節ピストンが、異なった直径を有する複数のピストン区分を備えた段付ピストンとして形成されている。この場合調節ピストンは、最大直径を有する中央ピストン区分と、該中央ピストン区分に続いていて該中央ピストン区分の直径に比べて小さな直径を有しかつ第1圧力室を貫通している下位の内側ピストン区分と、中央ピストン区分に続いていて下位の内側ピストン区分の直径に比べて減じられた直径を有しかつ第2圧力室を貫通している上位の内側ピストン区分と、両内側ピストン区分の端部にそれぞれ配置された各1つの外側ピストン区分とを有しており、両外側ピストン区分の直径が、隣接する内側ピストン区分の直径よりも大きい。
【0012】
調節ピストンがこのように構成されていると、調節ピストンの開放作用面及び閉鎖作用面が調節ピストンの移動運動距離にわたって変化するのみならず、閉鎖時にはさらに二次効果、すなわち調節ピストンの閉鎖作用面が閉鎖運動の終了前に減じられるのに加えて、閉鎖力を減じるために役立つ二次効果が得られる。調節ピストンのピストン区分の直径を上述のように段付けすることによって、閉鎖運動の終了直前に、第2圧力室内における調節ピストンの直径が変化し、ひいては第2圧力室を制限するピストン面積が増大する。そしてこれによって、流出する液流が増大させられる。この時点に一定の絞りとして放圧管路に向かって作用する開放された第2の電磁弁は、この高められた液流に抗して、高められた堰き止め圧を作用させ、その結果第1圧力室において閉鎖方向に作用しかつ閉鎖運動の終了直前に減じられる圧力に対して、逆方向に作用する反力が急激に形成され、この反力は調節ピストンを制動させ、そして調節ピストンの減じられた閉鎖力によって、弁座への弁部材の衝突速度のための前記限界値を達成することができる。したがって、ガス交換弁の弁座への弁部材の衝突速度を減じるために、渋滞使用されていた特別な装置を、省くことができる。
【0013】
図面
次に図面を参照しながら本発明の実施例を詳説する。
【0014】
図1は、部分的に縦断面図で示されたガス交換弁を操作するための、同じく縦断面図で示されたアクチュエータと共に、ガス交換弁を制御する装置を示す回路図、
図2は、別の実施例によるガス交換弁を操作するためのアクチュエータを示す縦断面図である。
【0015】
実施例の記載
図1には、内燃機関の燃焼シリンダにおけるガス交換弁を制御する装置が概略的に示されており、この装置ではガス交換弁10が、図1にシリンダ壁の一部が略示されている燃焼シリンダ11における開放横断面12を制御する。ガス交換弁10は、燃焼シリンダ11における吸気横断面を制御する吸気弁1としても、排気横断面を制御する排気弁としても使用することができる。ガス交換弁10は弁タペット13を有しており、この弁タペット13の一端には、皿形の弁シール面14が配置されていて、この弁シール面14は、開放横断面12を制御するために、燃焼シリンダ11のシリンダ壁に形成されていて開放横断面12を取り囲む弁座面15と共働する。ガス交換弁10を開放するためには、弁シール面14が弁タペット13の移動によって程度の差こそあれ弁座面15から持ち上げられ、ガス交換弁10を閉鎖するためには、弁シール面14は弁タペット13の逆方向における移動によってしっかりと弁座面15に押し付けられる。
【0016】
ガス交換弁10の開閉のために、液圧式に制御されるアクチュエータ16が設けられており、このアクチュエータ16は作業シリンダ17と、この作業シリンダ17内において軸方向移動可能に案内された調節ピストン18とを有している。アクチュエータ16の図示の実施例では、作業シリンダ17は、ケーシング19に設けられた孔によって形成されており、この孔内には調節ピストン18を案内するためのガイドスリーブ20が挿入されていて、端面側において相応にシールされている。弁タペット13と堅固に結合された調節ピストン18は、作業シリンダ17を、調節ピストン18によってそれぞれ反対側の端面において制限された2つの液圧式の圧力室21,22に分割しており、この場合下側の第1圧力室21は接続管片211を有し、かつ上側の第2圧力室22は2つの接続管片221,222を有している。これらの接続管片211,221,222を介して両圧力室21,22は液体、例えば液圧オイルを満たされている。そのために代1圧力室21の接続管片211は圧力導管23を介してかつ第2圧力室22の接続管片221は第1電磁弁25を介して、調整可能な圧力供給装置24を接続されており、また第2圧力室22の接続管片222は第2電磁弁26を介して、放圧管路27に接続されており、この放圧管路27は図示されていない電子制御装置によって、その切換えを制御される。図1に示された両電磁弁25,26の休止位置又は基本位置では、第2圧力室22は圧力供給装置24から切り離されていて、放圧管路27に接続されている。第2圧力室22内における液圧は、ほぼ周囲圧に相当している。
【0017】
圧力供給装置24は、液体リザーバ28から液体を吸い上げる調整可能な高圧ポンプ29と、逆止弁30と、脈動緩衝及びエネルギ蓄積のためのアキュムレータ31とを有している。圧力管路23及び第1電磁弁25が接続されている、圧力供給装置24の出口241には、永続的な高圧が存在しており、この高圧は第1圧力室21に作用している。
【0018】
図1の実施例では段付ピストン32としてかつ図2では複数部分から成るピストンとして形成されている、アクチュエータ16の調節ピストン18は、ガス交換弁10を閉鎖するためつまり調節ピストン18を弁閉鎖方向に移動させるために、圧力室21,22における液圧によって負荷される閉鎖作用面と、ガス交換弁10を開放するためつまり調節ピストン18をガス交換弁10の開放方向に移動させるために、圧力室21,22における液圧によって負荷される開放作用面とを有している。両作用面は、調節ピストン18に形成されていて圧力室21,22における液圧によって負荷される異なったリング面から成っており、これらのリング面については後で説明する。ガス交換弁10の開閉時におけるアクチュエータ16の規定された運動、つまりガス交換弁10に対する規定の要求を満たすのに必要な運動を得るために、調節ピストン18は次のように形成されている。すなわちこの場合調節ピストン18では、作用面の面積が調節ピストン18の移動距離に沿って変化し、つまり開放作用面の面積はガス交換弁10における開放行程を得るために調節ピストン18の移動時に変化し、閉鎖作用面はガス交換弁10の閉鎖運動を得るために調節ピストン18の逆向きの移動時に変化するようになっている。アクチュエータ16に対して望まれているこれらの要求は、一方では、ガス交換弁10の前側と背側との間における圧力補償を可能にするために必要な、開放行程の開始時における高い開放力であり、かつ他方では、全行程の一部を進んだ後で調節力を著しく減じることであり、これによってガス交換弁の移動のために必要なエネルギ消費を節減することができる。さらには、ガス交換弁10の迅速は閉鎖に対する要求があり、この場合弁座面15における弁シール面14の衝突速度は騒音及び摩耗の理由から可能な限り小さいことが望まれている。
【0019】
これらの要求は次のことによって考慮される。すなわち調節ピストン18は、この調節ピストン18の弁閉鎖位置(図1参照)からの移動時に、移動距離の開始領域における開放作用面が、残りの移動距離における開放作用面よりも大きく構成され、かつ調節ピストン18の弁開放位置からの移動時には、移動距離の終端領域における閉鎖作用面が、残りの移動距離における閉鎖作用面よりも小さく構成されている。調節ピストン18のこのような構成は、図1に示された実施例では次のことによって実現されている。すなわち段付ピストン32には複数のピストン区分、すなわち最大直径d1を有する中央ピストン区分321と、この中央ピストン区分321の上方及び下方に向かってそれぞれ続く内側ピストン区分、つまり第1圧力室21を貫通していて中央ピストン区分321の直径d1に比べて減じられた直径d2を有する下位の内側ピストン区分322と、第2圧力室22を貫通していて下位の内側ピストン区分322の直径d2に比べて減じられた直径d3を有する上位の内側ピストン区分323と、下位の内側ピストン区分322及び上位の内側ピストン区分323の端部にそれぞれ接続していて隣接した内側ピストン区分322;323に比べて増大された直径d4;d5を有する外側ピストン区分324,325とが設けられている。内側ピストン区分322,323と外側ピストン区分324,325との間にはそれぞれ移行領域326,327が設けられており、この移行領域326,327において直径は、隣接した内側ピストン区分322;323の直径d2;d3から外側ピストン区分324,325の大きな直径d4;d5に向かって連続的に増大している。図1に示されているような、移行領域326,327における直径の直線的な増大の代わりに、開放作用面及び閉鎖作用面の行程に関連した経過に対して影響を与えるために、移行領域326,327にそれとは異なった別のジオメトリ形状を与えることも可能である。
【0020】
段付ピストン32の上に述べた構成では、図1に示された閉鎖位置からの段付ピストン32の行程運動時に、開放開始時における開放作用面は、リング幅d1−d3を有するリング面とリング幅d1−d4を有するリング面との差によって生ぜしめられる。つまり開放作用面は、段付ピストン32においてリング幅d4−d3を有するリング面である。最初の行程後に段付ピストン32が、下位の外側ピストン区分324もしくはそれに続く移行領域326が第1圧力室21から押し出され、上位の外側ピストン区分325もしくは上位の移行領域327が第2圧力室22内に進入するまで移動させられると、開放作用面が、リング幅d1−d5を有するリング面とリング幅d1−d2を有するリング面との差に基づいて形成される。つまり開放作用面は、段付ピストン32におけるリング幅d2−d5を有するリング面であり、このリング面は開放行程の終了まで変わらないままである。リング幅d4−d3はリング幅d2−d5よりも大きいので、開放作用面は段付ピストン32の全行程の一部を進んだ後で著しく減じられる。
【0021】
段付ピストン32が図1に示された閉鎖位置に戻り運動する、ガス交換弁10の閉鎖動作の場合、閉鎖作用面は閉鎖行程の開始時に、リング幅d1−d2を有する段付ピストン32におけるリング面によって形成される。閉鎖行程の終了前に、下位の移行領域326及びそれに続く外側ピストン区分324は、第1圧力室21に進入し、これによって閉鎖作用面はリング幅d1−d4を有するリング面に減じられる。従って段付ピストン32の閉鎖運動はまず初めに、より大きな閉鎖作用面に基づく大きな閉鎖力で行われ、閉鎖行程の終了範囲では、減じられた閉鎖作用面に基づく減じられた閉鎖力によって行われる。段付ピストン32に対する圧力室21,22のシールは、作業シリンダ17に保持されていて段付ピストン32に圧着する高圧シール部材33;34を用いて行われる。この場合第2圧力室22の高圧シール部材34は、作業シリンダ17を外方に向かって閉鎖するカバー35に一体に組み込まれている。
【0022】
閉鎖動作時に、次のことによってさらに二次効果が得られる。すなわちこの場合第2圧力室22では閉鎖終了の直前にピストン区分325,327の進出によって、第2圧力室22内における調節ピストン32の直径が変化し、ひいては第2圧力室22を制限する調節ピストン面が増大する。これによって第2圧力室22における調節ピストン32のための押し退け容積が増大し、このことは、開放された第2電磁弁26における押し退け容積の絞り作用に基づいて、調節ピストン22の閉鎖運動とは逆向きに作用する反力の急激な上昇を惹起する。この反力は調節ピストン22を制動させ、調節ピストン22の減じられた閉鎖力と一緒に、ガス交換弁10の弁座面14への弁タペット13の衝突速度を著しく減じる。
【0023】
図2に縦断面図で示されたアクチュエータ16は、図1に示された上述のアクチュエータ16に対して調節ピストン18の構成の点で異なっている。すなわちアクチュエータ16の調節ピストン18では、図2に示された弁閉鎖位置からの調節ピストン18の移動時に、開放作用面は少なくともある程度の所定の移動距離の後で、所定の値だけ減じられ、行程終了に到るまで一定に保たれ、これに対して閉鎖作用面は弁閉鎖位置への調節ピストン18の移動時に、つまり全閉鎖行程にわたって、一定のままである。ガス交換弁10はすなわち大きな移動力で迅速に開放され、この大きな移動力は次いで急激に低下し、残留行程にわたって一定に保たれる。図2に示されたアクチュエータ16は、図1に示されたアクチュエータ16の代わりに、内燃機関の燃焼シリンダ11におけるガス交換弁10を制御するための前記装置に挿入することができ、図1に示されているように作業シリンダ17の接続管片211,221,222の接続部は制御装置に接続される。図1におけるアクチュエータ16の構成部材と合致する図2におけるアクチュエータ16の構成部材は、同一符号で示されており、その場合には図1の実施例についての記載はそのまま図2の実施例においても当て嵌まる。
【0024】
開放作用面が行程に関連して変化するようになっている調節ピストン18の前記構成を得るために、図2の実施例では、調節ピストン18が複数部分から形成されていて、図2の実施例では2つの部分ピストン36,37を有している。両部分ピストン36,37は、異なった軸方向長さを有していて、互いに同心的にかつ互いに対して摺動可能にいわば互いに入れ子式に挿入されており、そして両部分ピストン36,37は第2圧力室22を制限していて、内側の部分ピストン36だけが第1圧力室21を制限している。作業シリンダ17は段状にもしくは段付けされて形成されており、この場合大きな直径を有する上位のシリンダ区分172は両部分ピストン36,37を受容していて、作業シリンダ17の下位のシリンダ区分171は内側の部分ピストン36だけを案内している。短い外側の部分ピストン37は作業シリンダ17の上位の区分172内において、一方では作業シリンダ17によって、かつ他方では幾分増大された直径を有していて内側の部分ピストン36に形成されたガイド区分361によって案内されており、これに対して長い内側の部分ピストン36は、作業シリンダ17の下位のシリンダ区分171内において案内されている。作業シリンダ17のシリンダ壁により形成されたストッパ38によって、外側の部分ピストン37の移動距離は移動距離S1に制限され、これに対して長い内側の部分ピストン36の移動距離は、調節ピストン18の全行程S1+S2に相当している。内側の部分ピストン36は、図2に示されているようにピストンロッド39と一体的に構成されているか、又はリング体としてピストンロッド39にプレス嵌めされている。ピストンロッド39はシールされた開口40,41を介して作業シリンダ17から進出している。ピストンロッド39には弁タペット13が固定されている。択一的にピストンロッド39は弁タペット13自体によって形成されることも可能である。
【0025】
図2に示された弁閉鎖位置から弁開放方向への調節ピストン18の移動(これは液圧を第2圧力室22に導入することによって生ぜしめられる)時に、両方の部分ピストン36,37は第2圧力室22における圧力によって負荷されて、一緒に移動させられる。調節ピストン18の開放作用面は、第2圧力室22を制限する、両部分ピストン36,37のリング状の両端面から形成され、最大である。調節ピストン18が行程S1を進むと、外側の部分ピストン37はストッパ38に当接し、調節ピストン18のさらなるシフト運動にもはや関与しなくなる。これによって調節ピストン18の開放作用面は、液圧によって負荷される内側の部分ピストン36の端面へと減じられ、その結果アクチュエータ16の調節力は小さくなり、ガス交換弁10のさらなる開放時におけるアクチュエータ16のエネルギ需要は低下する。
【0026】
ガス交換弁10の開放位置が得られた後で、閉鎖動作が第1圧力室21の放圧によって導入されると、内側の部分ピストン36がシフト運動距離S2を進んだ後で両部分ピストン36,37の間における連行体42が有効になり、外側の部分ピストン37はシフト運動距離S1にわたって、内側の部分ピストン36により調節ピストン18の閉鎖位置にまで連行される。連行体42は、外側の部分ピストン37の内側面において半径方向に張り出したリングウェブ43によって実現されており、このリングウェブ43には、内側の部分ピストン36の直径を増大されたガイド区分361が当接する。両部分ピストン36,37の間を貫流する液体を、作業シリンダ17の上位区分172から確実に排出するために、作業シリンダ17の両区分172,171の間における移行部には、作業シリンダ17の上位区分172において開口する漏れ孔44が、作業シリンダ17のケーシング壁に設けられており、この漏れ孔44を介して液漏れは戻し管路45を通して再び液体リザーバ28に供給される。調節ピストン18の上に述べた実施形態では調節ピストン18は、2つよりも多くの部分ピストンから成っていてもよい。この場合個々の部分ピストンは同様に異なった長さを有していて、その行程距離を相応に決定することによって、調節ピストン18のさらなる移動時に効果を失い、その結果調節ピストン18の開放作用面は調節ピストン18の全行程にわたって複数回変化することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
部分的に縦断面図で示されたガス交換弁を操作するための、同じく縦断面図で示されたアクチュエータと共に、ガス交換弁を制御する装置を示す回路図である。
【図2】
別の実施例によるガス交換弁を操作するためのアクチュエータを示す縦断面図である。
従来の技術
本発明は、請求項1の上位概念部に記載された形式の、弁特に内燃機関の燃焼シリンダにおけるガス交換弁を操作するための液圧制御式のアクチュエータに関する。
【0002】
このような液圧制御式のアクチュエータは、内燃機関の燃焼シリンダにおける吸気弁及び排気弁を電気液圧式に弁制御するための装置において使用され、この場合各1つのアクチュエータが、吸気弁又は排気弁として使用されるガス交換弁に配属もしくは対応配置されている。
【0003】
ガス交換弁を制御する公知の装置(ドイツ連邦共和国特許公開第19826047号明細書)では、ガス交換弁の弁タペットと結合された調節ピストンが、作業シリンダ内において軸方向摺動可能に案内されていて、互いに反対側に位置する両端面で、作業シリンダ内に形成された両圧力室を制限している。弁閉鎖方向におけるピストン移動を生ぜしめる一方の第1圧力室が常に、圧力下にある液体によって負荷されているのに対して、弁開放方向におけるピストン移動を生ぜしめる他方の第2圧力室は、電磁弁を用いて所望のように、圧力下にある液体によって負荷されたり、又はほぼ周囲圧に放圧されたりする。圧力下にある液体は、調整される圧力供給装置によって供給される。2ポート2位置方向切換え制御弁として構成された電磁弁のうち、第1の電磁弁は第2圧力室を圧力供給装置と接続し、かつ第2の電磁弁は第2圧力室を放圧管路と接続する。ガス交換弁の閉鎖状態において第2圧力室は、閉鎖された第1の電磁弁によって圧力供給装置から切り離され、開放された第2の電磁弁によって放圧管路と接続され、その結果調節ピストンは、第1圧力室内における液圧によって閉鎖位置へと移動させられる。ガス交換弁を開放するためには、両方の電磁弁が給電される。電磁弁の切換えによって、第2圧力室が放圧管路から遮断され、圧力供給装置に接続される。ガス交換弁は開放し、この場合開放行程の大きさは、第1の電磁弁に送られる電気的な制御信号の形成に関連し、かつ開放速度は、圧力供給装置から制御されて供給される液圧に関連している。ガス交換弁をある規定された開放位置において保持するために、第1の電磁弁は次いで無電流に切り換えられ、その結果第1の電磁弁は第2圧力室を再び電流供給部から切り離す。ガス交換弁を閉鎖するために、第2の電磁弁は無電流に切り換えられる。これによって第2圧力室は放圧管路と接続され、第1圧力室における液圧によって調節ピストンはその弁閉鎖位置に戻され、その結果調節ピストンによって弁は閉鎖される。このようにして、電磁弁のための制御信号を発する電気式の制御装置を用いて、ガス交換弁のすべての所望の弁開放ポジションを調節することができる。
【0004】
発明の利点
請求項1の特徴部に記載のように構成された本発明による、弁を操作するための液圧制御式のアクチュエータは、次のような利点を有している。すなわち本発明によるアクチュエータでは、調節ピストンの開放作用面及び/又は閉鎖作用面を調節ピストンの移動運動距離に関連して規定されたように変化させることによって、弁の開放運動及び/又は閉鎖運動の運動力学に対して広い範囲において極めて正確に影響を与えることができる。例えば弁の開放動作時にはまず初めに、弁の全行程の数分の一つまり弁行程の一部のために弁に対して高い調節力を生ぜしめ、弁の残留行程のためにはこの高い調節力を再び著しく減じることが可能である。このような開放特性には特に、内燃機関の燃焼シリンダにおけるガス交換弁において大きな利点がある。なぜならば、特に燃焼シリンダの出口側には、ガス交換弁を燃焼シリンダにおける残留ガス圧に抗して開放できるようにするために、アクチュエータの初期段階において大きな開放力が望まれているからである。燃焼室と排出通路との間において圧力補償が行われた後で、今や、弁のさらに続く開放動作のための調節力が減じられると、ガス交換弁の開放運動距離のために必要なエネルギは著しく節減させられる。
【0005】
さらに、ガス交換弁の開放開始及びガス交換弁の最大行程を規定する電磁弁を、より少ない貫流量のために設計することができる。このことは次の理由に基づく。すなわちこの場合弁の開放動作の導入時に、放圧管路に対する第2の電磁弁の閉鎖及び圧力供給装置に対する第1の電磁弁の開放によって、まず初めに第2圧力室には、第2圧力室内において圧力を上昇させるための液体量だけが流入する。圧力と開放作用面とに基づく開放力が、存在する静止摩擦力を上回るやいなや、ガス交換弁を開放する方向における調節ピストンの運動が始まる。第2圧力室における室容積の増大によって第1の電磁弁を通る貫流量は、この場合急激に上昇するのではなく、連続的に0から最大値にまで上昇する。つまり調節ピストンの大きな開放作用面は、開放した第1の電磁弁を通る貫流量がまだその最大値に達する前の時点において有効になる。開放作用面の減少は適正な時間に導入され、これによって第1の電磁弁を通る最大貫流量を低いレベルに制限することができる。このレベルは、調節ピストンの行程にわたって一定の開放作用面において生ぜしめられるであろうレベルよりも低い。
【0006】
弁の閉鎖動作もまた、調節ピストンの閉鎖作用面を本発明のように構成することによって、その摺動運動に関連して有利な影響を受けることができる。すなわちこの場合、弁座への弁部材の載着は、ピストン移動の経過において調節ピストンの閉鎖作用面が同時に減少することによって、閉鎖力の減少を伴って行われる。特に内燃機関の燃焼シリンダにおけるガス交換弁の操作のためには、このような利点は大きな意味を持っている。すなわちこの場合特に燃焼シリンダの吸気側には、一方では吸気弁の迅速な閉鎖に対する要求があり、かつ他方では燃焼シリンダ側の弁座への弁部材の低い衝突速度に対する要求があり、この弁座への弁部材の衝突速度は、騒音及び摩耗の理由から規定の限界値、例えば無負荷運転時において約0.5m/sの限界値、及び最大回転数時において約0.5m/sの限界値を超えることが許されない。ガス交換弁の閉鎖位置への到達直前に調節ピストンの閉鎖作用面を本発明のように減じることによって、アクチュエータの閉鎖力が減じられ、ひいては前記限界値を維持するための最大の効果が得られる。
【0007】
特許請求の範囲の従属請求項に記載された構成によって、請求項1記載の本発明による液圧制御式のアクチュエータの別の有利な構成を得ることができる。
【0008】
本発明の有利な構成では、調節ピストンが次のように、すなわち該調節ピストンの弁閉鎖位置からの移動時に開放作用面が、少なくとも所定の移動運動距離の後で所定の値だけ減じられるように、構成されている。
【0009】
このことは本発明の有利な構成によれば次の構成によって実現される。すなわち本発明の有利な構成では、調節ピストンが複数部分から成っていて、互いに異なった軸方向長さを有していて相対的に移動可能でかつ互いに同心的な部分ピストンから成っており、これらの部分ピストンが互いに入れ子式になっていて、第2圧力室が部分ピストンのすべての部分によって制限され、第1圧力室が部分ピストンの端面の一部だけによって制限されており、第1圧力室を制限しない少なくとも1つの部分ピストンの移動運動距離が、調節ピストンの全移動運動距離に対して減じられており、この場合部分ピストンの数が2つよりも多い場合には、減少が段階的に行われる。
【0010】
本発明の択一的な構成では、調節ピストンが次のように、すなわち弁閉鎖位置からの調節ピストンの移動時に開放作用面が移動運動距離の開始範囲では残りの移動運動距離におけるよりも大きくなるように、かつ弁開放位置からの調節ピストンの移動時に閉鎖作用面が移動運動距離の終了範囲において、残りの移動運動距離におけるよりも小さくなるように、形成されている。
【0011】
調節ピストンのこのような構成は、本発明の有利な構成によれば次の構成によって実現されている。すなわち本発明の有利な構成では、調節ピストンが、異なった直径を有する複数のピストン区分を備えた段付ピストンとして形成されている。この場合調節ピストンは、最大直径を有する中央ピストン区分と、該中央ピストン区分に続いていて該中央ピストン区分の直径に比べて小さな直径を有しかつ第1圧力室を貫通している下位の内側ピストン区分と、中央ピストン区分に続いていて下位の内側ピストン区分の直径に比べて減じられた直径を有しかつ第2圧力室を貫通している上位の内側ピストン区分と、両内側ピストン区分の端部にそれぞれ配置された各1つの外側ピストン区分とを有しており、両外側ピストン区分の直径が、隣接する内側ピストン区分の直径よりも大きい。
【0012】
調節ピストンがこのように構成されていると、調節ピストンの開放作用面及び閉鎖作用面が調節ピストンの移動運動距離にわたって変化するのみならず、閉鎖時にはさらに二次効果、すなわち調節ピストンの閉鎖作用面が閉鎖運動の終了前に減じられるのに加えて、閉鎖力を減じるために役立つ二次効果が得られる。調節ピストンのピストン区分の直径を上述のように段付けすることによって、閉鎖運動の終了直前に、第2圧力室内における調節ピストンの直径が変化し、ひいては第2圧力室を制限するピストン面積が増大する。そしてこれによって、流出する液流が増大させられる。この時点に一定の絞りとして放圧管路に向かって作用する開放された第2の電磁弁は、この高められた液流に抗して、高められた堰き止め圧を作用させ、その結果第1圧力室において閉鎖方向に作用しかつ閉鎖運動の終了直前に減じられる圧力に対して、逆方向に作用する反力が急激に形成され、この反力は調節ピストンを制動させ、そして調節ピストンの減じられた閉鎖力によって、弁座への弁部材の衝突速度のための前記限界値を達成することができる。したがって、ガス交換弁の弁座への弁部材の衝突速度を減じるために、渋滞使用されていた特別な装置を、省くことができる。
【0013】
図面
次に図面を参照しながら本発明の実施例を詳説する。
【0014】
図1は、部分的に縦断面図で示されたガス交換弁を操作するための、同じく縦断面図で示されたアクチュエータと共に、ガス交換弁を制御する装置を示す回路図、
図2は、別の実施例によるガス交換弁を操作するためのアクチュエータを示す縦断面図である。
【0015】
実施例の記載
図1には、内燃機関の燃焼シリンダにおけるガス交換弁を制御する装置が概略的に示されており、この装置ではガス交換弁10が、図1にシリンダ壁の一部が略示されている燃焼シリンダ11における開放横断面12を制御する。ガス交換弁10は、燃焼シリンダ11における吸気横断面を制御する吸気弁1としても、排気横断面を制御する排気弁としても使用することができる。ガス交換弁10は弁タペット13を有しており、この弁タペット13の一端には、皿形の弁シール面14が配置されていて、この弁シール面14は、開放横断面12を制御するために、燃焼シリンダ11のシリンダ壁に形成されていて開放横断面12を取り囲む弁座面15と共働する。ガス交換弁10を開放するためには、弁シール面14が弁タペット13の移動によって程度の差こそあれ弁座面15から持ち上げられ、ガス交換弁10を閉鎖するためには、弁シール面14は弁タペット13の逆方向における移動によってしっかりと弁座面15に押し付けられる。
【0016】
ガス交換弁10の開閉のために、液圧式に制御されるアクチュエータ16が設けられており、このアクチュエータ16は作業シリンダ17と、この作業シリンダ17内において軸方向移動可能に案内された調節ピストン18とを有している。アクチュエータ16の図示の実施例では、作業シリンダ17は、ケーシング19に設けられた孔によって形成されており、この孔内には調節ピストン18を案内するためのガイドスリーブ20が挿入されていて、端面側において相応にシールされている。弁タペット13と堅固に結合された調節ピストン18は、作業シリンダ17を、調節ピストン18によってそれぞれ反対側の端面において制限された2つの液圧式の圧力室21,22に分割しており、この場合下側の第1圧力室21は接続管片211を有し、かつ上側の第2圧力室22は2つの接続管片221,222を有している。これらの接続管片211,221,222を介して両圧力室21,22は液体、例えば液圧オイルを満たされている。そのために代1圧力室21の接続管片211は圧力導管23を介してかつ第2圧力室22の接続管片221は第1電磁弁25を介して、調整可能な圧力供給装置24を接続されており、また第2圧力室22の接続管片222は第2電磁弁26を介して、放圧管路27に接続されており、この放圧管路27は図示されていない電子制御装置によって、その切換えを制御される。図1に示された両電磁弁25,26の休止位置又は基本位置では、第2圧力室22は圧力供給装置24から切り離されていて、放圧管路27に接続されている。第2圧力室22内における液圧は、ほぼ周囲圧に相当している。
【0017】
圧力供給装置24は、液体リザーバ28から液体を吸い上げる調整可能な高圧ポンプ29と、逆止弁30と、脈動緩衝及びエネルギ蓄積のためのアキュムレータ31とを有している。圧力管路23及び第1電磁弁25が接続されている、圧力供給装置24の出口241には、永続的な高圧が存在しており、この高圧は第1圧力室21に作用している。
【0018】
図1の実施例では段付ピストン32としてかつ図2では複数部分から成るピストンとして形成されている、アクチュエータ16の調節ピストン18は、ガス交換弁10を閉鎖するためつまり調節ピストン18を弁閉鎖方向に移動させるために、圧力室21,22における液圧によって負荷される閉鎖作用面と、ガス交換弁10を開放するためつまり調節ピストン18をガス交換弁10の開放方向に移動させるために、圧力室21,22における液圧によって負荷される開放作用面とを有している。両作用面は、調節ピストン18に形成されていて圧力室21,22における液圧によって負荷される異なったリング面から成っており、これらのリング面については後で説明する。ガス交換弁10の開閉時におけるアクチュエータ16の規定された運動、つまりガス交換弁10に対する規定の要求を満たすのに必要な運動を得るために、調節ピストン18は次のように形成されている。すなわちこの場合調節ピストン18では、作用面の面積が調節ピストン18の移動距離に沿って変化し、つまり開放作用面の面積はガス交換弁10における開放行程を得るために調節ピストン18の移動時に変化し、閉鎖作用面はガス交換弁10の閉鎖運動を得るために調節ピストン18の逆向きの移動時に変化するようになっている。アクチュエータ16に対して望まれているこれらの要求は、一方では、ガス交換弁10の前側と背側との間における圧力補償を可能にするために必要な、開放行程の開始時における高い開放力であり、かつ他方では、全行程の一部を進んだ後で調節力を著しく減じることであり、これによってガス交換弁の移動のために必要なエネルギ消費を節減することができる。さらには、ガス交換弁10の迅速は閉鎖に対する要求があり、この場合弁座面15における弁シール面14の衝突速度は騒音及び摩耗の理由から可能な限り小さいことが望まれている。
【0019】
これらの要求は次のことによって考慮される。すなわち調節ピストン18は、この調節ピストン18の弁閉鎖位置(図1参照)からの移動時に、移動距離の開始領域における開放作用面が、残りの移動距離における開放作用面よりも大きく構成され、かつ調節ピストン18の弁開放位置からの移動時には、移動距離の終端領域における閉鎖作用面が、残りの移動距離における閉鎖作用面よりも小さく構成されている。調節ピストン18のこのような構成は、図1に示された実施例では次のことによって実現されている。すなわち段付ピストン32には複数のピストン区分、すなわち最大直径d1を有する中央ピストン区分321と、この中央ピストン区分321の上方及び下方に向かってそれぞれ続く内側ピストン区分、つまり第1圧力室21を貫通していて中央ピストン区分321の直径d1に比べて減じられた直径d2を有する下位の内側ピストン区分322と、第2圧力室22を貫通していて下位の内側ピストン区分322の直径d2に比べて減じられた直径d3を有する上位の内側ピストン区分323と、下位の内側ピストン区分322及び上位の内側ピストン区分323の端部にそれぞれ接続していて隣接した内側ピストン区分322;323に比べて増大された直径d4;d5を有する外側ピストン区分324,325とが設けられている。内側ピストン区分322,323と外側ピストン区分324,325との間にはそれぞれ移行領域326,327が設けられており、この移行領域326,327において直径は、隣接した内側ピストン区分322;323の直径d2;d3から外側ピストン区分324,325の大きな直径d4;d5に向かって連続的に増大している。図1に示されているような、移行領域326,327における直径の直線的な増大の代わりに、開放作用面及び閉鎖作用面の行程に関連した経過に対して影響を与えるために、移行領域326,327にそれとは異なった別のジオメトリ形状を与えることも可能である。
【0020】
段付ピストン32の上に述べた構成では、図1に示された閉鎖位置からの段付ピストン32の行程運動時に、開放開始時における開放作用面は、リング幅d1−d3を有するリング面とリング幅d1−d4を有するリング面との差によって生ぜしめられる。つまり開放作用面は、段付ピストン32においてリング幅d4−d3を有するリング面である。最初の行程後に段付ピストン32が、下位の外側ピストン区分324もしくはそれに続く移行領域326が第1圧力室21から押し出され、上位の外側ピストン区分325もしくは上位の移行領域327が第2圧力室22内に進入するまで移動させられると、開放作用面が、リング幅d1−d5を有するリング面とリング幅d1−d2を有するリング面との差に基づいて形成される。つまり開放作用面は、段付ピストン32におけるリング幅d2−d5を有するリング面であり、このリング面は開放行程の終了まで変わらないままである。リング幅d4−d3はリング幅d2−d5よりも大きいので、開放作用面は段付ピストン32の全行程の一部を進んだ後で著しく減じられる。
【0021】
段付ピストン32が図1に示された閉鎖位置に戻り運動する、ガス交換弁10の閉鎖動作の場合、閉鎖作用面は閉鎖行程の開始時に、リング幅d1−d2を有する段付ピストン32におけるリング面によって形成される。閉鎖行程の終了前に、下位の移行領域326及びそれに続く外側ピストン区分324は、第1圧力室21に進入し、これによって閉鎖作用面はリング幅d1−d4を有するリング面に減じられる。従って段付ピストン32の閉鎖運動はまず初めに、より大きな閉鎖作用面に基づく大きな閉鎖力で行われ、閉鎖行程の終了範囲では、減じられた閉鎖作用面に基づく減じられた閉鎖力によって行われる。段付ピストン32に対する圧力室21,22のシールは、作業シリンダ17に保持されていて段付ピストン32に圧着する高圧シール部材33;34を用いて行われる。この場合第2圧力室22の高圧シール部材34は、作業シリンダ17を外方に向かって閉鎖するカバー35に一体に組み込まれている。
【0022】
閉鎖動作時に、次のことによってさらに二次効果が得られる。すなわちこの場合第2圧力室22では閉鎖終了の直前にピストン区分325,327の進出によって、第2圧力室22内における調節ピストン32の直径が変化し、ひいては第2圧力室22を制限する調節ピストン面が増大する。これによって第2圧力室22における調節ピストン32のための押し退け容積が増大し、このことは、開放された第2電磁弁26における押し退け容積の絞り作用に基づいて、調節ピストン22の閉鎖運動とは逆向きに作用する反力の急激な上昇を惹起する。この反力は調節ピストン22を制動させ、調節ピストン22の減じられた閉鎖力と一緒に、ガス交換弁10の弁座面14への弁タペット13の衝突速度を著しく減じる。
【0023】
図2に縦断面図で示されたアクチュエータ16は、図1に示された上述のアクチュエータ16に対して調節ピストン18の構成の点で異なっている。すなわちアクチュエータ16の調節ピストン18では、図2に示された弁閉鎖位置からの調節ピストン18の移動時に、開放作用面は少なくともある程度の所定の移動距離の後で、所定の値だけ減じられ、行程終了に到るまで一定に保たれ、これに対して閉鎖作用面は弁閉鎖位置への調節ピストン18の移動時に、つまり全閉鎖行程にわたって、一定のままである。ガス交換弁10はすなわち大きな移動力で迅速に開放され、この大きな移動力は次いで急激に低下し、残留行程にわたって一定に保たれる。図2に示されたアクチュエータ16は、図1に示されたアクチュエータ16の代わりに、内燃機関の燃焼シリンダ11におけるガス交換弁10を制御するための前記装置に挿入することができ、図1に示されているように作業シリンダ17の接続管片211,221,222の接続部は制御装置に接続される。図1におけるアクチュエータ16の構成部材と合致する図2におけるアクチュエータ16の構成部材は、同一符号で示されており、その場合には図1の実施例についての記載はそのまま図2の実施例においても当て嵌まる。
【0024】
開放作用面が行程に関連して変化するようになっている調節ピストン18の前記構成を得るために、図2の実施例では、調節ピストン18が複数部分から形成されていて、図2の実施例では2つの部分ピストン36,37を有している。両部分ピストン36,37は、異なった軸方向長さを有していて、互いに同心的にかつ互いに対して摺動可能にいわば互いに入れ子式に挿入されており、そして両部分ピストン36,37は第2圧力室22を制限していて、内側の部分ピストン36だけが第1圧力室21を制限している。作業シリンダ17は段状にもしくは段付けされて形成されており、この場合大きな直径を有する上位のシリンダ区分172は両部分ピストン36,37を受容していて、作業シリンダ17の下位のシリンダ区分171は内側の部分ピストン36だけを案内している。短い外側の部分ピストン37は作業シリンダ17の上位の区分172内において、一方では作業シリンダ17によって、かつ他方では幾分増大された直径を有していて内側の部分ピストン36に形成されたガイド区分361によって案内されており、これに対して長い内側の部分ピストン36は、作業シリンダ17の下位のシリンダ区分171内において案内されている。作業シリンダ17のシリンダ壁により形成されたストッパ38によって、外側の部分ピストン37の移動距離は移動距離S1に制限され、これに対して長い内側の部分ピストン36の移動距離は、調節ピストン18の全行程S1+S2に相当している。内側の部分ピストン36は、図2に示されているようにピストンロッド39と一体的に構成されているか、又はリング体としてピストンロッド39にプレス嵌めされている。ピストンロッド39はシールされた開口40,41を介して作業シリンダ17から進出している。ピストンロッド39には弁タペット13が固定されている。択一的にピストンロッド39は弁タペット13自体によって形成されることも可能である。
【0025】
図2に示された弁閉鎖位置から弁開放方向への調節ピストン18の移動(これは液圧を第2圧力室22に導入することによって生ぜしめられる)時に、両方の部分ピストン36,37は第2圧力室22における圧力によって負荷されて、一緒に移動させられる。調節ピストン18の開放作用面は、第2圧力室22を制限する、両部分ピストン36,37のリング状の両端面から形成され、最大である。調節ピストン18が行程S1を進むと、外側の部分ピストン37はストッパ38に当接し、調節ピストン18のさらなるシフト運動にもはや関与しなくなる。これによって調節ピストン18の開放作用面は、液圧によって負荷される内側の部分ピストン36の端面へと減じられ、その結果アクチュエータ16の調節力は小さくなり、ガス交換弁10のさらなる開放時におけるアクチュエータ16のエネルギ需要は低下する。
【0026】
ガス交換弁10の開放位置が得られた後で、閉鎖動作が第1圧力室21の放圧によって導入されると、内側の部分ピストン36がシフト運動距離S2を進んだ後で両部分ピストン36,37の間における連行体42が有効になり、外側の部分ピストン37はシフト運動距離S1にわたって、内側の部分ピストン36により調節ピストン18の閉鎖位置にまで連行される。連行体42は、外側の部分ピストン37の内側面において半径方向に張り出したリングウェブ43によって実現されており、このリングウェブ43には、内側の部分ピストン36の直径を増大されたガイド区分361が当接する。両部分ピストン36,37の間を貫流する液体を、作業シリンダ17の上位区分172から確実に排出するために、作業シリンダ17の両区分172,171の間における移行部には、作業シリンダ17の上位区分172において開口する漏れ孔44が、作業シリンダ17のケーシング壁に設けられており、この漏れ孔44を介して液漏れは戻し管路45を通して再び液体リザーバ28に供給される。調節ピストン18の上に述べた実施形態では調節ピストン18は、2つよりも多くの部分ピストンから成っていてもよい。この場合個々の部分ピストンは同様に異なった長さを有していて、その行程距離を相応に決定することによって、調節ピストン18のさらなる移動時に効果を失い、その結果調節ピストン18の開放作用面は調節ピストン18の全行程にわたって複数回変化することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
部分的に縦断面図で示されたガス交換弁を操作するための、同じく縦断面図で示されたアクチュエータと共に、ガス交換弁を制御する装置を示す回路図である。
【図2】
別の実施例によるガス交換弁を操作するためのアクチュエータを示す縦断面図である。
Claims (14)
- 弁特に内燃機関の燃焼シリンダにおけるガス交換弁を操作するための液圧制御式のアクチュエータであって、液体を満たされていて室容積を制御可能な2つの圧力室(21,22)と、弁(10)に作用しかつ弁閉鎖位置と弁開放位置との間において移動可能な調節ピストン(18)とが設けられていて、該調節ピストン(18)が、互いに反対側に位置するピストン面で圧力室(21,22)を制限していて、弁(10)を閉鎖するために圧力室(21,22)内における液圧によって負荷される閉鎖作用面と、弁(10)を開放するために圧力室(21,22)内における液圧によって負荷される開放作用面とを有している形式のものにおいて、調節ピストン(18)が次のように、すなわち両作用面のうちの少なくとも1つの面積が、調節ピストン(18)の移動運動距離に沿って変化するように、形成されていることを特徴とする、弁を操作するための液圧制御式のアクチュエータ。
- 弁閉鎖を生ぜしめる移動方向において調節ピストン(18)に液圧を負荷する第1圧力室(21)が、持続的に圧力下にある液体によって満たされており、弁開放を生ぜしめる移動方向において調節ピストン(18)に液圧を負荷する第2圧力室(22)が、交互に、圧力下にある液体によって充填可能でありかつ再び放圧可能である、請求項1記載のアクチュエータ。
- 調節ピストン(18)が次のように、すなわち該調節ピストン(18)の弁閉鎖位置からの移動時に開放作用面が、少なくとも所定の移動運動距離の後で所定の値だけ減じられるように、構成されている、請求項1又は2記載のアクチュエータ。
- 調節ピストン(18)が複数部分から成っていて、互いに異なった軸方向長さを有していて相対的に移動可能でかつ互いに同心的な部分ピストン(36,37)から成っており、これらの部分ピストン(36,37)が互いに入れ子式になっていて、第2圧力室(22)が部分ピストン(36,37)のすべての部分によって制限され、第1圧力室(21)が部分ピストン(36,37)の一部だけによって制限されており、第1圧力室(21)を制限しない部分ピストン(37)の移動運動距離が、調節ピストン(18)の全移動運動距離に対して段階的に減じられている、請求項3記載のアクチュエータ。
- 部分ピストン(37)の移動運動距離において、移動運動距離をロックする各1つのストッパ(38)が配置されており、該ストッパ(38)に、所属の部分ピストン(37)がその減じられた移動運動距離(S1)を進んだ後で当接する、請求項4記載のアクチュエータ。
- 部分ピストン(36,37)の間に、弁開放位置から弁閉鎖位置への調節ピストン(18)の移動時に有効になる連行体(42)が設けられている、請求項4又は5記載のアクチュエータ。
- 調節ピストン(18)が2つの部分ピストン(36,37)から成っている場合に、外側の部分ピストン(37)が小さな軸方向長さを有しており、そして内側の部分ピストン(36)が、作業シリンダ(17)の小径の区分(171)において案内されていて、外側の部分ピストン(37)が、作業シリンダ(17)の大径の区分(172)において案内されている、請求項4から6までのいずれか1項記載のアクチュエータ。
- 作業シリンダ(17)の小径の区分(171)への大径の区分(172)の移行部に、大径の区分(172)において開口する漏れ孔(44)が、作業シリンダ(17)に設けられている、請求項7記載のアクチュエータ。
- 調節ピストン(18)が次のように、すなわち弁閉鎖位置からの調節ピストン(18)の移動時に開放作用面が移動運動距離の開始範囲では後続の移動運動距離におけるよりも大きくなるように、かつ弁開放位置からの調節ピストン(18)の移動時に閉鎖作用面が移動運動距離の終了範囲において、先行する移動運動距離におけるよりも小さくなるように、形成されている、請求項1又は2記載のアクチュエータ。
- 調節ピストン(18)が、異なった直径(d1〜d5)を有する複数のピストン区分(312〜325)を備えた段付ピストン(32)として形成されている、請求項9記載のアクチュエータ。
- 調節ピストン(18)が、最大直径(d1)を有する中央ピストン区分(321)と、該中央ピストン区分(321)に続いていて該中央ピストン区分(321)の直径に比べて小さな直径(d2)を有しかつ第1圧力室(21)を貫通している下位の内側ピストン区分(322)と、中央ピストン区分(321)に続いていて下位の内側ピストン区分(322)の直径に比べて減じられた直径(d3)を有しかつ第2圧力室(22)を貫通している上位の内側ピストン区分(323)と、両内側ピストン区分(322,323)の端部にそれぞれ配置された各1つの外側ピストン区分(324;325)とを有しており、両外側ピストン区分(324;325)の直径(d4;d5)が、隣接する内側ピストン区分(322;323)の直径(d2;d3)よりも大きい、請求項10記載のアクチュエータ。
- 外側ピストン区分(324,325)が調節ピストン(18)に次のように、すなわち弁閉鎖位置からの調節ピストン(18)の移動開始に連れて下位の外側ピストン区分(324)が第1圧力室(21)から次第に大きく進出し、所定の移動運動距離の後で上位の外側ピストン区分(327)が第2圧力室(22)内に次第に大きく進入し、弁開放位置からの調節ピストン(18)の移動の終了範囲において下位の外側ピストン区分(324)が第1圧力室(21)内に次第に大きく進入するように、配置されている、請求項11記載のアクチュエータ。
- 調節ピストン(18)において各外側ピストン区分(324,325)と内側ピストン区分(322,323)との間にそれぞれ移行領域(326;327)が設けられていて、該移行領域(326;327)の直径が、直線的に又は他の規則性に基づいて、内側ピストン区分(322;323)の直径(d2;d3)から外側ピストン区分(324,325)の直径(d4;d5)に向かって連続的に増大している、請求項11又は12記載のアクチュエータ。
- 調節ピストン(18)の中央ピストン区分(321)が、圧力室(21,22)を形成する作業シリンダ(17)内において軸方向摺動可能に案内されており、両圧力室(21,22)からの調節ピストン(18)の進出領域において調節ピストン(18)が、作業シリンダ(17)内に固定されていて調節ピストン(18)に圧着する高圧シール部材(33,34)を貫いて延びている、請求項10から13までのいずれか1項記載のアクチュエータ。
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