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JP2005502384A - 呼吸装置の改良および同装置に関する改良 - Google Patents

呼吸装置の改良および同装置に関する改良 Download PDF

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JP2005502384A
JP2005502384A JP2002535726A JP2002535726A JP2005502384A JP 2005502384 A JP2005502384 A JP 2005502384A JP 2002535726 A JP2002535726 A JP 2002535726A JP 2002535726 A JP2002535726 A JP 2002535726A JP 2005502384 A JP2005502384 A JP 2005502384A
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Abstract

喉頭内に貫通しない結合閉鎖具・エアウェイ器具として使用するための弾力性材料からなる人工エアウェイ器具(10)であって、予備成形された柔軟性に富む嚢状チャンバー(14)を備えており、チャンバーの一端もしくはその近くの位置から鈍角で突き出ていて前記チャンバーの長手軸から90°までそれる曲線に屈曲することのできる半剛性中空ステム(14)を有し、チャンバーに1つ以上の開口部が備えられ、さらに使用時にチャンバーが患者の咽頭入口と連絡している少なくとも1つの開口部を用いて、患者の咽頭と嵌合し、密閉するように適合しており、ステムが呼吸回路と連絡するために患者の口腔内へ、もしくは口腔を通って伸びるような寸法にされ、配置されている器具。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、気道開存性を維持するため、呼吸装置の取り付けを許容するため、自発もしくは調節陽圧換気のいずれかを許容するため、および例えば嘔吐物もしくは血液のような異物が肺内に吸入されるのを防止するために、意識不明の患者の口咽頭内へ挿入することができる人工気道(エアウェイ)器具の形状をもつ呼吸装置に関する。
【0002】
(背景技術)
意識不明の患者は、呼吸を、結果的には生命を維持するために上記の目的の一部もしくは4つ全部を必要とすることがある。これは、麻酔中もしくは蘇生法中に、気管内に挿入される先端の周囲に拡張式カフを備えた気管内チューブによって、または同様にチューブの先端での拡張式カフの使用を伴い、その先端が喉頭への入口の周囲および咽頭内へ挿入されるラリンゲアルマスク・エアウェイ(LMA)、または「コンビチューブ(Combitube)」と呼ばれる食道閉鎖式エアウェイ(EOA)もしくはその派生製品によって達成できる。食道閉鎖式エアウェイはダブルルーメンの二重カフ付きチューブを備えており、カフが取り付けられている長い方のチューブは下方から食道内に侵入する可能性のある内容物を密封して隔離するため、または上方からの圧力下でガスが漏れ出て胃の中に侵入することを防止するために食道内へ通す。肺を換気するための短い方のチューブは咽頭内で終わり、咽頭からの口鼻腔出口は両チューブを囲む第2カフによって咽頭内で密封される。この第2カフは拡張すると咽頭内で陽圧を発生させる。ときには、気道の閉塞を防止するために経口もしくは経鼻エアウェイチューブがフェイスマスクと併用される。
【0003】
より近年には、カフ付き口咽頭エアウェイ(COPA)がマリンクロット・メディカル社(Mallinckrodt Medical, Inc.)へ付与された米国特許第5,743,256号(1995年5月30日)によって導入されたが、これを使用すると上記4つの目的のうち3つは達成できるが、咽頭に侵入した異物が肺内に侵入することから肺を保護することはできない。オーガスティン・メディカル社(Augustine Medical, Inc.)へ付与されたPCT特許の国際特許出願第98/16273号に記載の喉頭口密封式エアウェイではこの長所が達成されると主張されているが、しかし当初に期待されたほど確実ではない。現在の市場には他の二重カフ付き拡張器具が多数登場しているが、これらは例えばSatoらへ付与された米国特許第5,743,258号(1998年4月28日)に記載の上記のEOAおよびCOPAの派生製品として分類できる。
【0004】
カフの周囲でガス漏れが発生するまでの、使用可能最大拡張圧によって、後者の2種の方法による調節換気の適用は制限される。これらの方法にはさらにまた胃を拡張させる危険が伴うので、嘔吐物の吸引が生じる可能性のない安全な気道確保を提供しない。LMAは食道の部分的密封を提供するが、LMAを使用した場合は逆流がその密封を通り抜けると、拡張型バッグの内腔に通過してしまい、そこから内容物が喉頭内へ容易に流入しがちである。COPAは食道の密封を提供しない。コンビチューブは食道を封鎖するので調節換気には有効な器具のようだが、正しい挿入に関して深過ぎる、もしくは深さが不十分であるのどちらかの問題を引き起こす可能性がある。さらにその上、相当に複雑かつ高価である。LMAは、高い拡張圧ではマスクが外れてしまう可能性のために調節換気中に発生させることのできる圧力が制限されるという事実以外は理想的であると思われる。さらに、LMAは気道を咽頭内の異物から隔離する際には一部に有効ではあるが、何らかの異物がマスクのルーメンに侵入すると、気管を咽頭内の異物から極めて高度に隔離することはできず、異物が喉頭内に流入してしまう傾向がある。この欠点を克服するために、日本国特許第2−283378号(1990年11月20日)に開示されている「プロシール(Proseal)」LMAと呼ばれる改良型LMAでは、吸引もしくはサイホン作用によってエアウェイのマスク領域内に蓄積する可能性のある液体を除去するために中等度のボアチューブが組み込まれている。気管内チューブを気管内に挿入することは上記の目的4つ全部を達成するための最も有効な手段であるが、それを使用するには経験、技術および喉頭鏡を必要とするが、喉頭鏡は、強力な神経反射作用の結果、それ自体が望ましくない副作用を有している。気管内チューブを挿入するには、さらにまた筋弛緩剤の使用を必要とすることもある。
【0005】
そこで本発明の目的は、密封を目的とするカフ拡張機構の必要を未然に防ぎ、さらに上記の状況において気管内チューブ、コンビチューブもしくは喉頭マスクを使用する際のほとんどの長所を維持し、さらにできる限りそれらの個々の欠点を回避する適切な形状の人工エアウェイを提供することである。
【0006】
(発明の開示)
本発明に従うと、喉頭内へ貫通しない結合閉鎖・エアウェイ器具として使用するための弾力性材料からなる人工エアウェイ器具は、舌根部で咽頭を密封するように設計された柔軟性に富む予備成形嚢状チャンバーを備え、さらにそのチャンバーの一端もしくはその近くの位置から前記チャンバーの長手軸に対して鈍角(即ち90°〜180°)で突き出ている半剛性中空ステムを有する。チャンバーには1つ以上の開口部が設けられ、使用時に患者の喉頭入口と連絡している少なくとも1つの開口部を用いて、患者の咽頭と嵌合して密封するように適合する寸法にされ、配置されている。ステムは、呼吸回路へ接続するために患者の口腔内へ、もしくは口腔を通って伸びる。
【0007】
本器具の説明を容易にするために、ここで「上」および「下」と呼ぶ面は各々仰向けで横たわっている患者において本器具を使用する時、または足の裏が最下部であるチャンバーを足として見たときの上および下である。
【0008】
嚢状チャンバーは、好ましくは患者の咽頭内への器具の挿入を容易にするために、好ましくはその下面が好ましくはチャンバーの長手軸に対して約15°のわずかに斜めである足の丸みを帯びた細い部分を備えた、概ね丸みを帯びた足の形状をしている。チャンバーの上面は、好ましくは実質的に凹形であり、使用時に患者の梨状陥凹に適合するように配置され、舌根部で咽頭壁と共に密封を作り出す密封領域として機能する1対の側面塊を含む横降線が設けられている。中空ステムはこの足の幅広部分と柔軟性接合部を形成し、これは曲げられたときにチャンバーの密封部分の形状を変形させない。
【0009】
概して足の形状の嚢状チャンバーにはさらに、ステムを越えて伸び、使用時には本器具を必要な位置に保持するために患者の鼻咽頭にはまるような寸法にして配置される「踵」としてのバルブ(球)もしくはローブ(丸い突出部)を設けることができる。
【0010】
チャンバーの剛比と比較したステムの剛比によって、ステムを垂直方向に向けたときにステムの基部でチャンバーは弾力的に屈曲できる。しかし、使用時にはチャンバーの咽頭壁および鼻咽頭と接触する部分の形状が維持されるように設計されている。
【0011】
チャンバーの「つま先」端と2つの塊を含む隆線との間のチャンバーの上面は、好ましくは患者の咽頭の形状へより良好に適合するためにその全長に沿ってくぼんでいる、または断面が三日月形である。この形状は挿入時につま先が喉頭蓋に引っかかる機会を減少させる。つま先は喉頭口を越えて突き出るので、使用時にはつま先は食道の入口内に伸び、そこでガスが胃の中に侵入するのを防止するための密封を提供する。
【0012】
前面には2つの開口部が用意されており、使用時にはそれらはチャンバーの盲端にある液体を収集するように、従って使用時には液体が患者の喉頭、気管もしくは肺の中に侵入することを防止するように配置される。液体は、必要に応じてチャンバー内に挿入されるカテーテルを通して吸引することによりチャンバーから回収することができる。
【0013】
足の上面には前記2つの開口部間に垂直隆線を設けることができ、使用時には足は喉頭蓋を開口部から離して保持するように配置され、前記2つの「側面塊」間の隆線の弾力性を維持するであろう。隆線の弾力性は舌根部が後咽頭壁に向かって移動するのを防止するために重要であるが、それはこの移動が喉頭口(もしくは声門)に対する喉頭蓋閉鎖に関わるためである。
【0014】
(発明を実施するための最良の形態)
今度は好ましい使用方法と関連付けて本器具をより詳細に説明する。本器具は1タイプの咽頭出口閉鎖式エアウェイ(POOBAIR)であり、呼吸装置へ取り付けるために前記中空ステムの端内もしくはその上方に挿入される標準型15mmテーパー付きアタッチメントコネクターを含むことができ、前記ステムは口腔を通って伸び、そこで硬口蓋を押して舌の緩やかに湾曲した形状、口腔の入口で長手軸をほぼ直角にして咽頭内に配置される前記嚢状足の形状のチャンバー部分、および前面では舌根部もしくは舌喉頭蓋襞および2つの側面梨状陥凹もしくは喉頭蓋谷から広がる空間において、および側面および後部咽頭壁に対して同一の高さでの三日月形のアーチ状密封部において、咽頭からの上向出口での気密(前記閉鎖具機能)を形成するために拡張しながら、ステムとチャンバーとの接合部での曲がりに適合するように曲げることができる。チャンバーの前面にある開口部は喉頭とエアウェイ器具の間をガスが通過して流れるための喉頭口に連絡する。前記嚢状チャンバーはさらにまた拡張して、下記の各々もしくは全部を有利に備えることができる:
a) 咽頭から食道内への「下向き」出口を密封してそれによるすべての出口を閉鎖するために食道の入口に突き出て、本器具のチャンバーおよびステム開放端を通るものを除いて咽頭からの下向きおよび上向き出口を閉鎖させる目的の、嚢状チャンバーの丸みを帯びた延長部。中空チャンバーに沿った足のつま先の盲目的下向き閉鎖は、さらに本器具内に分泌物を収集する手段を提供する。
b) 気道圧が上昇したときの排除を防止できるような方法で鼻咽頭および軟口蓋内に収まりながら、前記器具を咽頭内の正位置に固定することによって、咽頭への密封式エアウェイのより安定した配置を保証することを目的とする、鼻咽頭および軟口蓋に一致する踵形と合体するチャンバーの上向き延長部。
【0015】
従って、上記の現在ある人工エアウェイ器具における1つの一般的特徴は、拡張式カフを咽頭腔の正しいサイズに拡張させることが必要な点である。本発明に従った器具においては、これはそれらが典型的には7つの様々なサイズで供給されるために未然に防止されるので、選択された適切なサイズは予想される各患者の咽頭腔のサイズに明確に適合させることができる。
【0016】
ここでは本発明を例として添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1〜5は、本発明の1つの実施形態の図である。
【0018】
図6〜8は、本発明のまた別の実施形態の図である。
【0019】
図9〜11は、本発明のまた別の実施形態の図である。
【0020】
図12〜15は、異常な、または拡張した喉頭扁桃構造を許容するのに適合する2つの実施形態の図である。
【0021】
図1〜5は、弾力性材料から作られかつ予備成形された喉頭内に貫通しない結合閉鎖・エアウェイ器具として使用するための人工エアウェイ器具10を示している。本器具は柔軟性嚢状チャンバー14を備えており、さらに19でのステム12とチャンバー14との接合部を含むチャンバー14の一端もしくはその近くの位置から突き出ている半剛性中空ステム12を有する。ステム12はチャンバー14の長手軸に対して約45°で固定されており、前記長手軸から90°までそれる曲線へ曲げることができる。チャンバーは、ここでは2つの垂直スリットとして示されている1もしくは2つ以上の開口部13を有している。
【0022】
本器具は小児から大きな成人までの患者に適合する広範囲の様々なサイズで存在する。使用時には麻酔科医が一般には患者の甲状軟骨を測定して本器具のために適合する直径を選択することによって適切な寸法の器具を選択するので、チャンバー14は使用時には患者の咽頭において、患者の喉頭入口と連絡する少なくとも1つの開口部13を用いて、患者の咽頭に嵌合し密封するように適合する。ステム12はアダプター40を通してその開口端11で呼吸回路へ接続するために患者の口腔内もしくはそれを通して伸びる。
【0023】
嚢状チャンバー14は、概して丸みを帯びた足の形状をしており、患者の咽頭内への本器具の挿入を容易にするために、わずかに斜めの、好ましくはチャンバー14の長手軸に対して約15°の下面21を有する足の「つま先」部20を備える。チャンバーには、密封帯を作り出すためにその上面で1対の側面塊24へ伸びている隆線25および実質的に凸面の下面30を備えているので、この時点でチャンバーの形状は舌根部で患者の咽頭壁と実質的に適合するのに適応する。
【0024】
中空ステム12はチャンバーと19で柔軟性接合部を形成しているので、それが曲げられたときにチャンバーの隆線、側面塊24および丸みを帯びた裏面の間のチャンバーの密封部分の形状を変形させることはない。塊24は、舌根部での固定手段として機能し、使用時に後咽頭壁から舌根部を保持するために患者の梨状陥凹と適合するのに適している。
【0025】
一般的な足の形状は、踵を形成するステムを超えて伸びるバルブもしくはローブ26によって完成する(図1〜5)。使用時には(図5)、ローブ26は本器具を必要な位置に保持するために患者の鼻咽頭内へはまるような寸法にして配置されている。チャンバーと比較したステム12の剛比によって、ステムがチャンバーの長手軸に対して垂直方向に向けられたときにチャンバーがステムの基部19で弾力的に曲がるが、それにもかかわらず使用時に隆線の周囲の密封帯の形状は咽頭壁と接触したまま維持され、ローブ26は鼻咽頭にはまったままとなる。
【0026】
前記側面塊24間の前方にある隆線25は十分な弾力性を備えているので、使用時には喉頭蓋を喉頭口から離して保持する。チャンバー14の弾力性および前記隆線24および25の高さでの虚脱に対する抵抗性を上昇させるために、さらに従って舌根部を後咽頭壁から離して保持するのを容易にするために、隆線の両側の両面にへこみが用意されている。使用時にはこれらのへこみは、所望の剛性を提供し、さらにその結果としての喉への刺激を回避する目的で患者の咽頭へ快適に適合するようにチャンバーの十分な柔軟性を許容するために、それらの対応する番号31と15および32と16を接触させる。
【0027】
図5に示されている使用時に、チャンバーの丸みを帯びた足の形状の先端もしくは「つま先」端20は、ガスが胃の中に侵入するのを防止するために食道Oを密封して喉頭口を越えて突き出るような寸法にされている。
【0028】
さらに患者の喉頭口との気道連絡を提供するための2つの開口部13は、チャンバー14の底部に蓄積した液体を重力によって収集するように、従ってその液体が患者の喉頭、気管もしくは肺の中に侵入するのを防止するように配置されている。
【0029】
2つの開口部13間の長手バー16は、使用時に喉頭蓋を開口部から離して保持するため、および2つの塊24間の隆線25の剛性に寄与するための両方の目的のたにチャンバーの上面上に備えられている。さらに、これは隆線がその主要機能の1つを実施するために、つまり舌根部を後咽頭壁から離して保持するために役立つ。バー16は、さらにまた使用中にチャンバーから液体を吸引するために使用でき液体が喉頭に侵入することから防止するカテーテルに対する障壁としても機能する。
【0030】
隆線25とステムとの間のチャンバー14の上面はくぼみ27の形状をしている。配置されたとき、くぼみ27は舌根部の周囲に引っ掛けられる塊24および隆線25とともに舌の後方部分を受け入れる。
【0031】
チャンバー14のつま先端の上面には、各々が塊24と結合する場所に緩やかなへこみ23を備えた1対の側方リブ22が備えられている。これは、使用時には前記緩やかなへこみ23が輪状軟骨に上に横たわる咽頭粘膜に適応して、本器具を解剖学的正確さへより良好に適合させるために役立つ。これは咽頭痛の発生率を低下させる目的でこの部位での咽頭粘膜上への圧力を低下させるためである。
【0032】
従って嚢状チャンバーは咽頭の形状に精密に適合し、ステムを曲げると接合部19でほぼ直角の屈曲部を形成する。陽圧換気中に発生する可能性のある気道圧は本器具を鼻咽頭腔Ncの方向に押す傾向を示すが、踵26によって正位置に保持されるので従って取り外れが防止される。本器具の抜去が望ましいときには、これはステム12を引っ張ることによって達成でき、これによって26は自動的に軟口蓋Spおよび鼻咽頭腔Ncから適切な方向へ取り外される。
【0033】
さらにまた、分泌物もしくは胃内容物が何らかの理由で咽頭に蓄積した場合は、2つの開口部13が、液体を収集するための「サンプ(排液貯め)」手段を提供することにより咽頭分泌物が中空器具10の嚢状チャンバー14内へ流入するのを許容する手段を提供することは理解できよう。これは好都合な時間に端11およびステム12を通過させることのできる吸引カテーテルによって吸引することができる。
【0034】
本器具10の迅速かつ容易な「盲目的」(即ち、喉頭鏡を必要とせずに)挿入のために、図3および5におけるつま先20はつま先20の喉頭口面に向かって約15°の角度で前方湾曲21を備えて成形されている。先が上を向いたこの「つま先」20は、舌および鼻咽頭の後部の高さでの本器具10の通過(negotiation)を容易にする。
【0035】
隆線24からつま先20へ伸びているチャンバー14の部分は、側方リブ22を備えたくぼみの形状であり、その断面は三日月形である。その目的は2つある。挿入されると、この形状は喉頭蓋が取り出されて下方へ引っ張られて向斜および閉塞を作り出すことを回避するのを許容する傾向を示す。もう1つの目的は、喉頭を食道の前方に配置して食道への入口を三日月形にすることであり、これが三日月の凹面にする理由である。これにより喉頭蓋閉鎖を引き起こす傾向がある顕著な食道拡張を伴わずにより良好な下方密封が得られる。
【0036】
本器具の迅速かつ容易な「盲目的」(即ち、喉頭鏡を必要とせずに)挿入のために、その結果として発生の可能性がある本器具の折り畳みが回避されるように、つま先20に関して前記第1端から本器具内に先端を挿入してイントロデューサー(剛性かつ柔軟性の湾曲ロッド)を使用することが必要な場合がある。
【0037】
好ましい形態では、本器具はゴムのような特徴を備えた等級の軟質熱可塑性物質をブロー成形することによって製造され、図面で記載または図示した形状にブロー成形される。適切な弾力性の柔軟性材料の使用は、本器具が配置されたときに咽頭壁に対する過剰な圧力を惹起せずにそれらの形状を維持することを許容するであろう。そこで本器具は最小コストで製造でき、単回使用が目的とされる。
【0038】
ステム12は、口腔を通して咽頭および出口の形状に適合するために適切な角度で嚢状部分14に入ることが望ましい。これを達成するために、柔軟性の手段が必要とされ、ステム12の楕円形もしくは丸みを帯びた長方形の断面によって接合部19で達成される。ステムがチャンバーと交わる点19での屈曲を改善するために、ステムの断面は28で減少させることができる。
【0039】
器具10は中空であるので、本器具内の熱および水分交換並びに濾過を提供する目的で多孔性疎水性物質または他のフィルター要素を嚢状チャンバー14内に挿入するための容積を有する。
【0040】
図6〜8に示した器具は、図1〜5に示して上記で説明した器具と実質的に類似である。この器具は、使用時に喉および扁桃領域への接近が可能であるようにステムが隆線24のすぐ上方でチャンバー14に接合されている点で相違している。
【0041】
あるいは、図9〜11においては、意識不明の患者における肺の換気を容易にするために気管内チューブを留置する際に使用する人工エアウェイ器具10が咽喉出口閉鎖具エアウェイ10もしくはPOOBAIRの形状をしている。これは図1〜5に記載の器具とは、つま先20が切頭形であり、従って食道へ向かう下方密封を提供できる長所を提供しない点が相違している。これはそのような深部挿入を必要としないという1つの長所を提供するので、刺激性が少なく、より軽度の麻酔レベルでより高度に忍容できる可能性がある。
【0042】
使用時のチャンバー14は、舌根部もしくは舌喉頭蓋襞GEおよび2つの塊24と対応する前面における2つの梨状陥凹、側面および後部咽頭壁から伸び、鼻咽頭Nおよび軟口蓋Sに対応するチャンバー14のつま先20へ伸びる空間において帯24、25で咽頭からの上向き出口気密性を形成する。
【0043】
図12および13、並びに図14および15に示されている本器具の2つの実施形態は嚢状チャンバー14の本体と踵26との間で細いネック部42を有する。図12〜15に示されているように、鼻咽頭にはまるために適合するという踵26の長所が保持されている。これらの実施形態の長所は、患者の扁桃の構造によって上記の器具の使用が妨害される症例でそれらを使用できる点にある。これらはさらにまた柔軟性を改良でき、さらにモールド成形を単純化できる。
【0044】
(解剖学的用語の意味)
Ao=前食道壁
B=舌根部
Ep=喉頭蓋
Ge=舌喉頭蓋襞
Hp=硬口蓋
L=喉頭口
M=口
Nc=鼻腔
N=鼻咽頭
O=食道
Oc=口腔
P=咽頭
Sp=軟口蓋
Te=歯
T=舌
Tr=気管
U=口蓋垂
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明に従ったエアウェイ器具の上方からの斜視図である。
【図2】
図2は、上方からの別の斜視図である。
【図3】
図3は、側面図である。
【図4】
図4は、正面図である。
【図5】
図5は、患者の解剖学的構造に関連付けた本器具の断面図である。
【図6】
図6は、患者の解剖学的構造に関連付けたエアウェイ器具の第2実施形態の断面図である。
【図7】
図7は、図6に示した器具の正面図である。
【図8】
図8は、側面図である。
【図9】
図9は、本器具の「切頭形」の上方からの斜視図である。
【図10】
図10は、正面からの斜視図である。
【図11】
図11は、側面図である。
【図12】
図12は、本器具の別の形態の側面図である。
【図13】
図13は、背面図である。
【図14】
図14は、同一形態の別の変形を示している。
【図15】
図15は、同一形態の別の変形を示している。

Claims (14)

  1. 喉頭内に貫通しない結合閉鎖具・エアウェイ器具として使用するための弾力性材料からなる人工エアウェイ器具であって、舌根部で咽頭を閉鎖するように設計された柔軟性に富む予備成形嚢状チャンバーを備え、前記チャンバーの一端もしくはその近くの位置から前記チャンバーの長手軸に対して鈍角(即ち、90°〜180°まで)で突き出ていている半剛性中空ステムを有し、該チャンバーには1つ以上の開口部が備えられ、さらに使用時に該チャンバーが患者の咽頭入口と連絡している少なくとも1つの開口部を用いて、患者の咽頭と嵌合して密閉するように適合され、ステムが呼吸回路と繋がるように患者の口腔内へ、もしくは口腔を通って伸びるような寸法にされ、配置されている器具。
  2. 前記嚢状チャンバーが概して足に似た形状であり、その上面に2つの側面塊間に伸びる横隆線が備えられ、使用時には舌根部および梨状陥凹の形状に適合して咽頭の有効な密封を提供するように配置される密封帯を構成する、請求項1記載の器具。
  3. 嚢状チャンバーの上面が概して好ましくは患者の咽頭の形状により良好に適合するためにその全長に沿ってくぼんでおり、前記くぼみが、挿入時につま先が舌根部で喉頭蓋に引っかからないように、および食道内への三日月形入口を密封するようにチャンバーの「つま先」端を含んでいる、請求項1または2のいずれかに記載の器具。
  4. 対応するへこみが嚢状チャンバーの上面および下面両方の隆線の両側に形成され、チャンバーおよび隆線の剛性を増加させ、かつ使用時のチャンバーの虚脱を防止するために、使用時に対応する各対のへこみが相互に接触するような寸法にされ、配置されている、請求項2または3のいずれかに記載の器具。
  5. 嚢状チャンバーの先端もしくは「つま先」が、ガスが胃に侵入するのを防止する目的で食道の入口内に伸びるように使用時に喉頭口を越えて突き出るような寸法にされている、いずれかの先行請求項に記載の器具。
  6. ステムが長手軸を通る平面で屈曲することを可能にする実質的に長方形の断面を有する、いずれかの先行請求項に記載の器具。
  7. チャンバーへの入口にあるステムの相対壁厚および前記長方形断面による、チャンバーと比較したステムの剛比が、ステムをチャンバーの前記長手軸から垂直方向に向けたとき、密封面を変形させることなくステムの基部で弾力的に屈曲させる、いずれかの先行請求項に記載の器具。
  8. チャンバーの「踵」端にステムが嚢状チャンバーへの入口を越えて伸びるバルブもしくはローブが備えられており、使用時に必要な位置で本器具を保持するために患者の鼻咽頭内に嵌合するような寸法にされ、配置されている、いずれかの先行請求項に記載の器具。
  9. 嚢状チャンバーのつま先端の裏面が、患者の咽頭内への本器具の挿入を容易にするために、チャンバーの全長の15〜30%渡って上向きに、好ましくは長手軸に対して約15°〜30°で斜めになっている、いずれかの先行請求項に記載の器具。
  10. 本器具の柔軟性が改善され、使用時に該ネックが異常な咽頭扁桃構造に対して備えられるように、チャンバーに本体とステムに隣接する部分の間でネックが提供される、いずれかの先行請求項に記載の器具。
  11. 1もしくは2つ以上の開口部が前面もしくは上面に設けられ、該開口部が使用時にチャンバー内に蓄積した任意の液体を収集するように配置され、開口部が液体トラップとして機能することによって液体が患者の喉頭、気管もしくは肺内に侵入することを防止する、いずれかの先行請求項に記載の器具。
  12. 本器具に挿入されるカテーテルが喉頭と連絡する開口部を通過することより生じるリスクを最小限に抑えるために、軸長手方向バーが使用時に喉頭口と連絡する開口部を通して備えられている、請求項11記載の器具。
  13. 嚢状チャンバーの隆線を越える先端が切り取られ、使用時に食道に貫通せず、従ってより軽度の麻酔レベルでより忍容可能にさせるのにそのような深部挿入を必要としない、請求項2、6、7、8、10または11のいずれかに記載の器具。
  14. 先行請求項いずれかに記載され、下記で図1〜4、6〜8、9〜11、12および13、または14および15を参照して説明された器具。
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