JP2005334781A - 液滴吐出装置、液滴吐出方法、カラーフィルタ基板の製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の液滴吐出装置は、複数の液滴吐出ヘッドH1a,H1b,H1cを備え、各ヘッドはそれぞれ同一方向に走査され、且つその走査方向と交わる方向に列状に配置されており、各ヘッドには複数のノズルが当該ヘッドの走査方向と交わる方向に列状に備えられ、隣合う第1ヘッドH1a及び第2ヘッドH1b同士が重なる領域において、各ヘッドのノズルが吐出状態にある第1ノズル群と非吐出状態にある第2ノズル群とに分割され、その分割位置は走査と共に当該重なり領域内で刻々と変化するものであり、且つ第1ヘッドH1aの分割位置の変化に伴って、第2ヘッドの分割位置H1bが変化することを特徴とする。
【選択図】 図11
Description
図1は、本実施形態の有機EL装置の配線構造を示す説明図であって、図2は、本実施形態の有機EL装置の平面模式図、図3は、本実施形態の有機EL装置の表示領域の断面模式図である。
図1に示すように、本実施形態の有機EL装置は、複数の走査線101と、走査線101に対して交差する方向に延びる複数の信号線102と、信号線102に対して並列する方向に延びる複数の電源線103とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101及び信号線102の各交点付近に、画素領域Pが設けられている。
更に、画素領域Pの各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ122と、このスイッチング用の薄膜トランジスタ122を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量capと、該保持容量capによって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスタ123と、この駆動用薄膜トランジスタ123を介して電源線103に電気的に接続したときに当該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極(電極)111と、この画素電極111と陰極(対向電極)12との間に挟み込まれた有機EL層110とが設けられている。電極111と対向電極12と有機EL層110により、発光素子が構成されている。
基板2は、例えばガラス等の透明基板であり、図2に示すように、基板2の中央に位置する表示領域2aと、基板2の周縁に位置して表示領域2aを囲む非表示領域2cとに区画されている。なお、表示領域2aは、マトリックス状に配置された発光素子によって形成される領域であり。
尚、上記陰極12として、透明な材料を用いるならば、陰極側から発光する光を出射させることができる。透明な陰極材料としては、ITO(インジウムスズ酸化物)、Pt、Ir、Ni、もしくはPdを挙げることができる。
正孔注入/輸送層110aは、発光層110bに正孔を注入する機能を有するとともに、正孔注入/輸送層110a内部において正孔を輸送する機能を有する。このような正孔注入/輸送層110aを画素電極111と発光層110bの間に設けることにより、発光層110bの発光効率、寿命等の素子特性が向上する。また、発光層110bでは、正孔注入/輸送層110aから注入された正孔と、陰極12から注入される電子が発光層で再結合し、発光が行われる。
また、無機物バンク層112aが有機物バンク層112bよりも画素電極111の中央側に更に延出されているので、この無機物バンク層112aによって画素電極111と平坦部110a1との接合部分の形状をトリミングすることができ、各発光層110b間の発光強度のばらつきを抑えることができる。
また、有機物バンク層112bの上面112f及び上部開口部112dの壁面が撥液性を示すので、有機EL層110と有機物バンク層112bとの密着性が低くなり、有機EL層110が開口部112gから溢れて形成されることがない。
次に、上記有機EL装置を製造する方法について図面を参照して説明する。
本実施形態の製造方法は、(1)バンク部形成工程、(2)正孔注入/輸送層形成工程、(3)発光層形成工程、(4)陰極形成工程及び(5)封止工程等を有する。なお、ここで説明する製造方法は一例であって、必要に応じてその他の工程が追加されたり、上記の工程の一部が除かれたりする。なお、(2)正孔注入/輸送層形成工程、(3)発光層形成工程は、液滴吐出装置を用いた液体吐出法(インクジェット法)により行われる。
バンク部形成工程では、基板2の所定位置にバンク部112を形成する。バンク部112は、第1のバンク層として無機物バンク層112aが形成され、第2のバンク層として有機物バンク層112bが形成された構造を有している。なお、基板2には、薄膜トランジスタ123や第1層間絶縁層144を備えた回路素子部14、さらには画素電極111等が予め形成されている。
まず、図4に示すように、基板上の所定の位置に無機物バンク層112aを形成する。無機物バンク層112aが形成される位置は、第2層間絶縁膜144b及び画素電極111上である。なお、第2層間絶縁膜144bは薄膜トランジスタ、走査線、信号線、等が配置された回路素子部14上に形成されている。無機物バンク層112aは、例えば、SiO2、TiO2等の無機材料にて構成することができる。これらの材料は、例えばCVD法、コート法、スパッタ法、蒸着法等によって形成される。更に、無機物バンク層112aの膜厚は50nm〜200nmの範囲が好ましく、特に150nmがよい。
次に、第2のバンク層としての有機物バンク層112bを形成する。
具体的には、図4に示すように、無機物バンク層112a上に有機物バンク層112bを形成する。有機物バンク層112bを構成する材料として、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶剤性を有する材料を用いる。これらの材料を用い、有機物バンク層112bをフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。なお、パターニングする際、有機物バンク層112bに上部開口部112dを形成する。上部開口部112dは、電極面111a及び下部開口部112cに対応する位置に設けられる。
これにより、無機物バンク層112aの下部開口部112cを囲む第1積層部112eが、有機物バンク層112bよりも画素電極111の中央側に突出された形になる。このようにして、有機物バンク層112bに形成された上部開口部112d、無機物バンク層112aに形成された下部開口部112cを連通させることにより、無機物バンク層112a及び有機物バンク層112bを貫通する開口部112gが形成される。
すなわち、厚さが0.1μm未満では、後述する正孔注入/輸送層及び発光層の合計厚より有機物バンク層112bが薄くなり、発光層110bが上部開口部112dから溢れてしまうおそれがあるので好ましくない。また、厚さが3.5μmを越えると、上部開口部112dによる段差が大きくなり、上部開口部112dにおける陰極12のステップカバレッジが確保できなくなるので好ましくない。また、有機物バンク層112bの厚さを2μm以上とすれば、陰極12と駆動用の薄膜トランジスタ123との絶縁を高めることができる点で好ましい。
まず、画素電極111の表面処理は、酸素ガスを用いたO2プラズマ処理により行うことができ、例えばプラズマパワー100kW〜800kW、酸素ガス流量50ml/min〜100ml/min、板搬送速度0.5mm/sec〜10mm/sec、基板温度70℃〜90℃の条件で処理することで、画素電極111表面を含む領域を親液化することができる。また、このO2プラズマ処理により画素電極111表面の洗浄、及び仕事関数の調整も同時に行われる。
次いで、バンク部112の表面処理は、テトラフルオロメタンを用いたCF4プラズマ処理により行うことができ、例えばプラズマパワー100kW〜800kW、4フッ化メタンガス流量50ml/min〜100ml/min、基板搬送速度0.5mm/sec〜10mm/sec、基板温度70℃〜90℃の条件で処理することで、バンク部112の上部開口部112d及び上面112fを撥液化することができる。
次に発光素子形成工程では、まず画素電極111上に正孔注入/輸送層を形成する。
正孔注入/輸送層形成工程では、液滴吐出装置として例えばインクジェット装置を用いることにより、正孔注入/輸送層形成材料を含む液状組成物を電極面111a上に吐出する。その後に乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極111上及び無機物バンク層112a上に正孔注入/輸送層110aを形成する。なお、ここで、正孔注入/輸送層110aは第1積層部112e上に形成されないこともあり、つまり画素電極111上にのみ正孔注入/輸送層が形成される形態もある。
すなわち、図5に示すように、インクジェットヘッドH1に形成された複数のノズルから正孔注入/輸送層形成材料を含む液状組成物を吐出する。ここではインクジェットヘッドを走査することにより各画素毎に組成物を充填しているが、基板2を走査することによっても可能である。更に、インクジェットヘッドと基板2とを相対的に移動させることによっても組成物を充填させることができる。なお、これ以降のインクジェットヘッドを用いて行う工程では上記の点は同様である。
すなわち、インクジェットヘッドH1に形成された吐出ノズルH2を電極面111aに対向させて配置し、ノズルH2から液状組成物を吐出する。画素電極111の周囲には下部開口部112cを区画するバンク112が形成されており、この下部開口部112c内に位置する画素電極面111aにインクジェットヘッドH1を対向させ、このインクジェットヘッドH1と基板2とを相対移動させながら、吐出ノズルH2から1滴当たりの液量が制御された液状組成物の液滴110cを電極面111a上に吐出する。
図14中、符号H7は前記のインクジェットヘッドH1を支持する支持基板であり、この支持基板H7上に複数のインクジェットヘッドH1が備えられている。
インクジェットヘッドH1のインク吐出面(基板との対向面)には、ヘッドの長さ方向に沿って列状に、且つヘッドの幅方向に間隔をあけて2列で吐出ノズルが複数(例えば、1列180ノズル、合計360ノズル)設けられている。また、このインクジェットヘッドH1は、吐出ノズルを基板側に向けるとともに、X軸(またはY軸)に対して所定角度傾いた状態で略X軸方向に沿って列状に、且つY方向に所定間隔をあけて2列に配列された状態で平面視略矩形状の支持板20に複数(図14では1列6個、合計12個)位置決めされて支持されている。
図11は、基板2上に形成された吐出領域132を平面的に示す説明図であって、該吐出領域132上をインクジェットヘッドH1(ここでは、3つのヘッドH1a,H1b,H1cを示す)が走査するときの吐出態様を示した説明図である。また、図16は、走査に伴って各ヘッドH1a,H1b,H1cの吐出ノズル位置が変化していく態様((a)〜(c))を示した説明図である。なお、図17は、従来の吐出態様を示した説明図である。
発光層形成工程は、発光層形成材料吐出工程及び乾燥工程とからなる。
前述の正孔注入/輸送層形成工程と同様、インクジェット法により発光層形成用の液状組成物を正孔注入/輸送層110a上に吐出する。その後、吐出した液状組成物を乾燥処理(及び熱処理)して、正孔注入/輸送層110a上に発光層110bを形成する。
吐出の際には、下部、上部開口部112c、112d内に位置する正孔注入/輸送層110aに吐出ノズルを対向させ、インクジェットヘッドH5と基板2とを相対移動させながら液状組成物が吐出される。吐出ノズルH6から吐出される液量は1滴当たりの液量が制御されている。このように液量が制御された液(液状組成物滴110e)が吐出ノズルから吐出され、この液状組成物滴110eを正孔注入/輸送層110a上に吐出する。
このようにして、画素電極111上に正孔注入/輸送層110a及び発光層110bが形成される。
発光層形成工程では、正孔注入/輸送層110aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる液状組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層110aに対して不溶な溶媒を用いるものとするのが好ましい。しかし、その一方で正孔注入/輸送層110aは、溶媒に対する親和性が低いため、溶媒を含む液状組成物を正孔注入/輸送層110a上に吐出しても、正孔注入/輸送層110aと発光層110bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層110bを均一に塗布できないおそれがある。そこで、溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層110aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面改質工程を行うことが好ましい。
次に、図10に示すように、画素電極(陽極)111と対をなす陰極12を形成する。即ち、各色発光層110b及び有機物バンク層112bを含む基板2上の領域全面に、例えばカルシウム層とアルミニウム層とを順次積層した構成の陰極12を形成する。これにより、各色発光層110bの形成領域全体に、陰極12が積層され、赤色、緑色、青色の各色に対応する有機EL素子がそれぞれ形成される。
最後に、有機EL素子が形成された基板2と、別途用意した封止基板とを封止樹脂を介して封止する。例えば、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止樹脂を基板2の周縁部に塗布し、封止樹脂上に封止基板を配置する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、陰極12にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極12に侵入して陰極12が酸化されるおそれがあるので好ましくない。
つまり、当該インクジェット装置を用いた液滴吐出法によって形成される膜において、スジ状の吐出むらが生じに難く、仮に生じたとしてもジグザグ状或いはランダム状のぼやけた状態の吐出むらとなるため、形成される膜の性質に対する影響を緩和することが可能となる。その結果、光学特性に優れた有機EL装置を製造することが可能となる。
図18は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。本実施形態の電子機器は、上述した有機EL装置を表示手段として備えている。ここでは、携帯電話の一例を斜視図で示しており、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の有機EL装置1を用いた表示部を示している。このように本実施形態に係る有機EL装置を表示手段として備える電子機器では、良好な発光特性を得ることができる。
Claims (9)
- 複数の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、
前記液滴吐出ヘッドはそれぞれ同一方向に走査され、且つその走査方向と交わる方向に各液滴吐出ヘッドが列状に配置されており、
前記列状に配置された各ヘッドのうち隣合う第1ヘッド及び第2ヘッドの境界部分において、各ヘッドの一部が走査方向に重なるように設けられる一方、
各ヘッドには複数のノズルが当該ヘッドの走査方向と交わる方向に列状に備えられており、前記第1ヘッドと第2ヘッドとが重なる領域において、各ヘッドのノズルが有効吐出状態にある第1ノズル群と非有効吐出状態にある第2ノズル群とに分割され、その分割位置は走査と共に当該重なり領域内で刻々と変化するものであり、且つ前記第1ヘッドの分割位置の変化に伴って、前記第2ヘッドの分割位置が変化することを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記第1ヘッドは、その両端において有効吐出状態にある第1ノズル群と非有効吐出状態にある第2ノズル群との分割位置が走査と共に刻々と変化するものとされており、当該第1ヘッド内において有効吐出状態にある第1ノズル群の数を不変とすべく、一方の端部の分割位置の変化に伴って、他方の端部の分割位置が変化することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
- 前記液滴吐出ヘッドは、それぞれ長手状に形成され、且つその長手方向が走査方向に対して所定の傾斜角をなすように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出装置。
- 前記液滴吐出ヘッドは、複数回の走査を往復して行うものであって、走査方向の所定位置における前記第1ヘッドの前記分割位置が、各回の走査毎に異なることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
- 複数の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を用いる液滴吐出方法であって、
前記液滴吐出ヘッドはそれぞれ同一方向に走査され、且つその走査方向と交わる方向に各液滴吐出ヘッドが一列に配置されており、前記一列に配置された各ヘッドのうち隣合う第1ヘッド及び第2ヘッドからの吐出液滴に基づき形成される第1パターン及び第2パターンについて、これら第1パターン及び第2パターンの境界線が前記液滴吐出ヘッドの走査方向に沿ってジグザグとなるように、前記液滴吐出ヘッドを駆動することを特徴とする液滴吐出方法。 - 複数色の着色層を所定パターンで複数備えるカラーフィルタ基板の製造方法であって、
前記各着色層のパターンを請求項1ないし4の液滴吐出装置を用いて形成することを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。 - 複数種の電気光学層を所定パターンで複数備える電気光学装置の製造方法であって、
前記各電気光学層のパターンを請求項1ないし4の液滴吐出装置を用いて形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 請求項7に記載の製造方法により得られたことを特徴とする電気光学装置。
- 請求項8に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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