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JP2005324705A - エアバッグ装置のカバー体及びエアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置のカバー体及びエアバッグ装置 Download PDF

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JP2005324705A
JP2005324705A JP2004145406A JP2004145406A JP2005324705A JP 2005324705 A JP2005324705 A JP 2005324705A JP 2004145406 A JP2004145406 A JP 2004145406A JP 2004145406 A JP2004145406 A JP 2004145406A JP 2005324705 A JP2005324705 A JP 2005324705A
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JP2004145406A
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Chiri Ishikawa
智理 石川
Katsumi Ishikawa
克巳 石川
Morimasa Asai
守正 浅井
Osamu Tsuchiya
修 土屋
Satoshi Nagaeda
聡 長枝
Kaori Enozono
香織 榎園
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Nihon Plast Co Ltd
Original Assignee
Nihon Plast Co Ltd
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Abstract

【課題】近接展開時の力を容易に抑制する。
【解決手段】助手席乗員用のエアバッグ装置について、カバー体11のテアライン33の第1のテアライン41を略H字状に形成し、さらに、両端部を中心側に延設して延設テアライン44を形成する。第1のテアライン41の中央部に、破断抑制部を形成する。カバー体11の中央部が押さえられた状態でエアバッグ装置が作動する近接展開時には、破断は第1のテアライン41の両側部から延設テアライン44に進み、カバー体11の扉予定部35,35の両側の端部が逆反りするように変形して、両側端に突出口66が形成される。これら突出口66からエアバッグの一部が両側方に突出する。この後、破断が第1のテアライン41の中央部でつながって、ヒンジ部38を支点としてカバー体11の扉予定部35,35がそれぞれ前後に開いて突出口66が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車の助手席乗員用のエアバッグ装置のカバー体及びエアバッグ装置に関する。
従来、自動車のステアリングホイールやインストルメントパネルに備えられ、インフレータから供給されるガスによりエアバッグを膨張展開させて、衝突などの衝撃から乗員を保護するエアバッグ装置が用いられている。そして、インストルメントパネルに備えられる助手席乗員用のエアバッグ装置は、矩形箱状のケース体(リアクションカン)の内側に、折り畳んだエアバッグと、円柱状のインフレータとを収納するなどして構成されている。さらに、助手席乗員用のエアバッグ装置では、搭載位置が保護対象である着座した乗員から遠く、保護対象が位置する範囲を広めに設定する必要があるため、ステアリングホイールに備えられる運転者用のエアバッグ装置に比べ、エアバッグの容量は大きく設定されている。また、インストルメントパネルのレイアウトの設計を容易にするため、エアバッグ装置の幅寸法が制限され、例えば、エアバッグ装置は、インストルメントパネルの略半分よりさらに小さい幅寸法で、ケース体の幅寸法は、例えば200mm程度に設定されている。 そして、このようなエアバッグ装置において、所望の展開特性を実現するために、折り畳んだエアバッグを抑える別体の部材を用い、インフレータの特性を調整し、あるいは、折り畳んだエアバッグを覆うカバーの構造を変更するなどの構成が採られている。
また、このようなエアバッグ装置について、長尺で薄形に形成し、制限された空間に設置可能とするとともに、例えば、幾分シートから外れた位置に移動している子供などの乗客も包み込むようにエアバッグを展開させ、乗員保護の機会を最大限にすることを図った構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この特許文献1の構成では、保護エリアの車両幅方向への拡大が図られるのみであり、保護対象に加わる衝撃や圧力を軽減して保護性能を向上するとの課題解決については具体的な手段を提示するものではない。
登録実用新案第3013185号公報
今日においては、さらに、所望の展開特性を容易に実現できる構成が求められている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、所望の展開特性を容易に実現でき、エアバッグの展開過程におけるエアバッグの衝撃や圧力を適切な水準まで容易に抑制できるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体は、収納されたエアバッグの膨出側を覆うとともに、このエアバッグの膨出時にこのエアバッグが突出する突出口が形成されるエアバッグ装置のカバー体であって、保護対象の幅寸法よりも幅寸法が大きく形成された扉予定部と、この扉予定部を囲む非展開部と、前記扉予定部の幅方向に沿った一の縁部を前記非展開部に連結する変形可能なヒンジ部と、前記扉予定部と前記非展開部とを区画し前記エアバッグの膨張時の圧力で破断する破断予定部とを具備し、前記破断予定部は、前記扉予定部の幅方向に沿った他の縁部の全長及び両側の端縁に沿って形成され両側の端縁部近傍に中央部よりも容易に破断する破断開始部が設けられた第1破断予定部と、この第1破断予定部の両端部から前記一の縁部に沿って前記ヒンジ部まで延設された第2破断予定部とを備えたものである。
そして、この構成では、保護対象がカバー体に近接してない通常の状態では、エアバッグの膨出時に、このエアバッグの膨出の圧力により、まず、第1破断予定部の両側の端縁部近傍に設けた破断開始部が破断する。そして、破断は第1破断予定部を進み、さらに破断は状況に応じて第2展開部に進んで、ヒンジ部を支点として扉予定部を回動させ、形成された突出口からエアバッグが突出する。一方、保護対象がカバー体に近接し、扉予定部が押さえられた近接展開の状態では、エアバッグの膨出時に、このエアバッグの膨出の圧力により、まず、第1破断予定部の両側の端縁部近傍に設けた破断開始部が破断する。そして、破断は第1破断予定部の両側の端縁を経由して第2破断予定部に進み、扉予定部を変形させながら両側部からエアバッグを一部突出させた後、破断は第1破断予定部の中央側に進み、ヒンジ部を支点として扉予定部を回動させ、形成された突出口から抑制された力でエアバッグが突出する。
請求項2記載のエアバッグ装置のカバー体は、請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体において、第1破断予定部の幅方向の寸法は270mm以上405mm以下であり、第2破断予定部の幅方向の寸法は30mm以上100mm以下であるものである。
そして、この構成では、第1破断予定部の幅方向の寸法を270mm以上とするとともに、第2破断予定部の幅方向の寸法は30mm以上としたため、膨出の初期の圧力が抑制されるとともに、保護対象が近接している状態でも、両側部からエアバッグが円滑に膨出し、エアバッグの膨出時に保護対象に加わる衝撃が容易に抑制される。また、第1破断予定部の幅方向の寸法を405mm以下としたため、エアバッグ装置の寸法の大型化が避けられるとともに、供給されるガスの出力を大きくする必要もなく、展開特性の調整が容易になる。さらに、第2破断予定部の幅方向の寸法は100mm以下としたため、扉予定部をヒンジ部を支点として安定して回動させることが容易になる。
請求項3記載のエアバッグ装置は、乗員に対向して車両に備えられるエアバッグ装置であって、車両の幅方向を幅方向として配置され、ガスの流入により膨張展開するエアバッグと、前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグが折り畳んで収納されるとともに、折り畳んだエアバッグが膨出する開口部を設けたケースと前記開口部を覆う請求項1または2記載のカバー体とを具備したものである。
そして、この構成では、請求項1または2記載のカバー体を備えたため、車両の乗員がカバー体に近接した状態でも乗員に対するエアバッグの膨出時の力が容易に抑制される。
本発明によれば、カバー体に近接した保護対象に対するエアバッグの膨出時の力を容易に抑制できる。
以下、本発明のエアバッグ装置のカバー体及びエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図2及び図3において、1はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置1は、いわゆるアシストエアバッグ装置で、図2に示すように、乗物である車両としての自動車2のインストルメントパネル3に備えられ、助手席に着座した保護対象である乗員を保護する助手席乗員用のエアバッグ装置1を構成している。すなわち、インストルメントパネル3は、助手席である座席5の前方に位置し、車室の前部に車幅方向である幅方向Wを長手方向として設けられている。そして、このインストルメントパネル3の上方には、フロントウィンドウガラスが位置しているとともに、インストルメントパネル3の側方には、車室の側壁であるドアが設けられている。なお、以下、自動車2の直進状態における進行方向に沿った方向を前後方向とし、水平面状でこの前後方向に直交する横方向を幅方向Wとして説明する。また、本実施の形態では、助手席が車室の左側に位置する構成について説明する。
また、図3などにおいて、乗員は、AC06型車両衝突実験用ダミー、すなわち米国人の6歳児相当のダミーAで示し、このダミーAの頭部の幅寸法LDは、135mmに設定されている。
そして、このエアバッグ装置1は、図3などに示すように、インストルメントパネル3に設けられた開口部に備えられるカバー体11と、このカバー体11の裏面側に内蔵されるエアバッグモジュールとを備え、エアバッグモジュールは、容器部であるケース14と、このケース14に取り付けられるエアバッグ16、リテーナ17、インフレータ21、及び図示しないブラケットなどを備えている。また、このエアバッグ装置1は、ハーネス22を介してインフレータ21に電気的に接続される図示しない制御手段及びセンサなどを備えている。
そして、カバー体11は、樹脂にて一体的に形成され、図1ないし図5に示すように、インストルメントパネル3に略面一に設けられる表板部31と、この表板部31の裏面側に突設された取付板部32とを備えている。そして、表板部31には、裏面側を凹溝状に切削などして、平面略H字状に破断予定部としてのテアライン33が形成され、このテアライン33により、前後に対をなす平面矩形状の扉予定部35,35と、この扉予定部35,35を囲む非展開部37とが区画形成されている。また、各扉予定部35,35と非展開部37とは、それぞれ幅方向Wの中央部でヒンジ部38により互いに連結されている。
ここで、各扉予定部35,35は、それぞれ幅方向Wを長手方向とする略矩形板状をなし、テアライン33は、図5などに示すように、第1の破断予定部としての第1のテアライン41と、この第1のテアライン41の両側の端部からそれぞれヒンジ部38まで延設された第2の破断予定部としての第2テアライン42とを備えている。そして、第1のテアライン41は、扉予定部35,35の間に位置する中央テアライン41aと、この中央テアライン41aの両側の端部から前後に延びる端縁に沿った側部テアライン43とを備えている。また、第2のテアライン42は、側部テアライン43の前後の端部から幅方向Wの中央側に延びる延設テアライン44と、各延設テアライン44の先端部から扉予定部35,35の内側に屈曲する方向に延びて幅方向Wへの破断を規制する規制テアライン45とを備えている。
また、このテアライン33の内、第1のテアライン41の中央部、例えば、第2テアライン42と前後方向に重ならない中央約3分の1の部分は、他の部分よりも厚さ寸法が大きく相対的に破断しにくい破断抑制部iiが形成されている。すなわち、第1のテアライン41の中央部の破断抑制部iiを外した両側の部分iは、破断抑制部iiよりも相対的に破断しやすくなっており、この部分iの端縁部近傍の位置に、容易に破断する破断開始部P0が設定されている。
さらに、各延設テアライン44の先端部分から規制テアライン45にかかる位置には、第1のテアライン41の破断抑制部iiと同様に他の部分よりも厚さ寸法が大きく相対的に破断しにくい破断調整部vが設けられている。
そして、本実施の形態では、扉予定部35の幅寸法すなわち第1のテアライン41の幅方向Wに沿った寸法W1すなわち中央テアライン41aの長さ寸法は300mmあるいは375mmに設定されている。また、側部テアライン43の長さ寸法すなわち前後方向に沿った寸法W3は各60mm(合計120mm)、各延設テアライン44の長さ寸法すなわち幅方向Wに沿った寸法W2は、第1のテアライン41の長さ寸法W1に応じ、例えば、第1のテアライン41の長さ寸法W1が300mmの場合は100mmに設定されている。すなわち、例えば、各延設テアライン44の長さ寸法W2は、第1のテアライン41の長さ寸法W1の約3分の1に設定されている。また、例えば、第1のテアライン41の長さ寸法W1が375mmで、前後の寸法W3が各60mm(合計120mm)の場合は、2枚の扉予定部35,35を合計した面積は、45000mmとなる。
また、カバー体11の取付板部32は、図4などに示すように、角筒状をなし、前後の面には角孔状をなすフック用角孔49が形成されている。
また、ケース14は、図3に示すように、リアクションカンなどとも呼ばれるもので、例えば鉄板を曲げ適宜溶接し、上面を開口部51とし、下面を幅方向Wを長手方向とする基板部52とし、この基板部52の外周部から上側に突設された部分を角筒状の側板部53とした略箱状に形成されている。そして、このケース14の開口部の内側の寸法は、長辺寸法すなわち幅寸法LCは290mmあるいは365mmと、通常用いられる200mm程度の寸法より大きく設定されているとともに、短辺寸法すなわち前後の寸法は110mmと、通常用いられる寸法と同程度に設定されている。また、基板部52には、円孔状のインフレータ取付部が形成され、このインフレータ取付部の周囲には複数個の取付孔が形成されている。また、側板部53には、フック用角孔49に係合する取付部であるフック部が複数形成されている。
また、エアバッグ16は、1枚あるいは複数枚の基布を縫い合わせた長尺の袋状をなし、図示しない基部に、各インフレータ取付部に位置合わせして円孔が形成されているとともに、各取付孔に位置合わせして複数カ所に取付孔が形成されている。また、このエアバッグ16は、折り畳まれた状態で、適宜ラッピングにより形状が保持されている。
また、リテーナ17は、エアバッグ16に内挿された状態で基板部52の上面に重ねられる矩形板状のリテーナ基板部57を備えている。そして、このリテーナ基板部57には、各インフレータ取付部に位置合わせして円孔が形成されているとともに、各取付孔に位置合わせして、複数カ所に各取付孔に挿入される取付具である取付ボルト58が固着されている。そして、各取付ボルト58には、下側からナットが螺合して締め付けられるようになっている。
また、ブラケットは、金属板などにて形成され、ケース14の基板部52の裏面に当接するケース取付部と車体側に取り付けられる車体側取付部とを備えている。さらに、ケース取付部には、ケース14の基板部52の取付孔の一部に位置合わせして取付孔が形成されている。
さらに、インフレータ21は、林檎状ともいい得る略球状の本体部61を備え、この本体部61の外周面の上側部に、複数のガス噴射口62が側方に向かって形成されている。また、本体部61の外周面には、ガス噴射口62の下方に位置して、板状のフランジ部63が設けられ、このフランジ部63には、四隅の近傍に位置して、取付孔が形成されている。そして、本体部61の内部には、点火器及び薬剤が収納され、底部に接続したハーネス22のコネクタ22aから供給される電気信号により、点火器が薬剤を燃焼させ、ガス噴射口62からガスを急速に供給するようになっている。そして、このインフレータ21は、略球状の本体部61を備えるため、円盤状をなすインフレータよりも多量の薬剤を収納し、多量のガスを噴射できるようになっている。
また、ハーネス22が接続される制御手段は、電子コントロールユニット(ECU)とも呼ばれるもので、演算手段としてのCPU(中央演算装置)やROMなどを収納し、検出手段としての図示しないセンサに接続されている。
そして、このエアバッグ装置1の組み立ての際は、まず、エアバッグ16は、内部にリテーナ17を挿入し、取付孔から取付ボルト58を引き出した状態で、所定の形状に折り畳み、この折畳形状を破断可能なラッピングで保持する。そして、折り畳んだエアバッグ16をケース14に収納するとともに、このエアバッグ16から突出した取付ボルト58をケース14の各取付孔に挿入する。
また、ケース14の裏面側から、インフレータ21のインフレータ本体部61を、インフレータ取付部を介してエアバッグ16の内側に挿入するとともに、各取付孔に取付ボルト58を挿入する。さらに、インフレータ21の裏面側から、ブラケットのリテーナ取付部をあてがい、取付孔に中央に位置する4本の取付ボルト58を挿入する。そして、この状態で、各取付ボルト58の先端側からナットを螺合することにより、ケース14に、エアバッグ16、リテーナ17、インフレータ21、及びブラケットが固定され、エアバッグモジュールが構成される。
さらに、カバー体11の取付板部32をケース14の外周部に嵌合するようにして、ケース14のフック部をカバー体11のフック用角孔49に係合し、カバー体11の表板部31でケース14の開口部51を覆って、カバー体11をケース14に取り付ける。
そして、カバー体11の表板部31がインストルメントパネル3と面一になるように、エアバッグモジュールをインストルメントパネル3の裏面側に配置し、ブラケットの車体側取付部を車体のリインフォースなどに固定して、エアバッグ装置1が車体に取り付けられる。また、制御手段は、車体の適宜の位置に配置され、ハーネス22により、インフレータ21に接続されるとともに、車体の所定の位置に配置されたセンサとしての衝撃センサに接続される。
そして、このエアバッグ装置1を備えた自動車が衝突などすると、衝撃センサが検出した衝撃に基づき制御手段がインフレータ21を起動し、このインフレータ21から供給されるガスに基づきテアライン33に沿ってエアバッグ16を膨出させ、この膨出の圧力によりカバー体11を破断してエアバッグ16の突出口66を形成し、所定方向を略中心としてエアバッグ16を突出させ、乗員の前方に膨張展開して、乗員を保護するようになっている。
次に、このエアバッグ装置1のエアバッグ16の展開動作を説明する。
まず、通常展開の場合、すなわち、ダミーAが正常な位置に着座してシートベルトを装着している場合は、エアバッグ16にガスが供給されると、図5に示すように、まず、第1のテアライン41の両側の破断開始部P0から破断が開始され、各破断開始部P0から第1のテアライン41に沿ってi部分で中央側及び外側方向の両方に破断が進行する。そして、この破断は、第1のテアライン41の中央部(ii部)に進行して互いにつながるとともに、側部テアライン43(iii部)に進行する。この状態で、図1(a)に示すように、ヒンジ部38を支点としてカバー体11の扉予定部35,35がそれぞれ前後に展開可能になり、扉予定部35,35が開いて突出口66が形成され、この突出口66から正面側(図1の矢印F1方向)にエアバッグ16が突出する。さらに、展開の状態に応じて、破断は、第2テアライン42の各延設テアライン44(iv部)へと進行する。
一方、近接展開の場合、すなわち、図6(a)に示すように、保護対象であるダミーAの頭部がカバー体11の中央部の直上に近接して位置する場合は、エアバッグ16にガスが供給されると、まず、通常展開の場合と同様に、第1のテアライン41の両側の破断開始部P0から破断が開始され、各破断開始部P0から第1のテアライン41に沿ってi部分で中央側及び外側方向の両方に破断が進行する。しかしながら、この後、第1のテアライン41の中央部(ii部)がダミーAの頭部で押さえられており、また、中央部は破断抑制部iiとなっているため、破断は、外方の側部テアライン43(iii部)に進行し、さらに、第2テアライン42の各延設テアライン44(iv部)へと進行する。この状態で、図6(b)及び(c)に示すように、カバー体11の扉予定部35,35の両端部がそれぞれ上方に反り返るように変形して両側端に突出口66が形成され、これら突出口66からエアバッグ16の一部が両側方(図1の矢印F2方向)に突出する。さらに、この後、図1(b)に示すように、破断は、各延設テアライン44の端部まで進行し、破断調整部v及び規制テアライン45で進行が止まるとともに、第1のテアライン41の中央部(ii部)に進行し、最終的には、破断が第1のテアライン41の中央部(ii部)でつながって、図6(d)に示すように、ヒンジ部38を支点としてカバー体11の扉予定部35,35がそれぞれ前後に開いて突出口66が形成され、この突出口66からエアバッグ16が正面側に突出する。また、事前に一部が両側方に突出しているため、エアバッグ16が正面側に突出する際には、図1(a)に示す通常の展開の状態に比べて、ダミーAに加わる力は抑制された状態になっている。
このように、本実施の形態によれば、カバー体11のテアライン33の第1のテアライン41を略H字状に形成し、さらに、両端部を中心側に延設して第2テアライン42の延設テアライン44を形成したため、いわゆる近接展開時に、カバー体11の扉予定部35,35の両側の端部が逆反りするように変形して、カバー体11の両側部が先に展開し、次いで中央部が展開する。すなわち、エアバッグ16は、ダミーAに直接的に作用しない両側部が膨出した後、若干抑制された力で中央側が膨出するため、ダミーAに加わる力を容易に抑制し、保護対象を安定して保護することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、延設テアライン44を設け、ヒンジ部38を中央部に寄せて形成したため、カバー体11の中央部に近接していわば障害物が存在する場合に、この障害物に過度に力を加えることなく、円滑に扉予定部35,35を展開させ、エアバッグ16を端部から膨出させることができる。
そして、本実施の形態では、テアライン33を両側部から中心側に延設した延設テアライン44の幅方向Wに沿った寸法W2は、30mm以上としたため、近接展開時にエアバッグ16の両側部を先に展開させ次いで中央部を展開させて保護対象に加わる力を低減する効果を確保できる。一方、延設テアライン44の幅方向Wに沿った寸法W2を100mm以下としたため、車両に備えられるエアバッグ装置1として、ヒンジ部38に特殊な部材などを用いることなく、ヒンジ部38の強度を確保したカバー体11を容易に形成できる。
また、テアライン33は、第1のテアライン41の中央部を、他の部分よりも厚さ寸法が大きく破断しにくい破断抑制部iiとして形成したため、この中央部の破断を遅延させることができ、まず、この部分の両側部(ii部)を展開させて、近接展開時に延設テアライン44の破断を円滑に案内することができる。
さらに、テアライン33は、規制テアライン45とともに、延設テアライン44の先端部に、第1のテアライン41の中央部と同様に他の部分よりも厚さ寸法が大きく破断しにくい破断調整部vを設けたため、延設テアライン44が最初期に展開しないようにテアライン33を所望の順序で破断させることができるとともに、ヒンジ部38を容易に保護することができる。
また、本実施の形態のエアバッグ装置1では、図3に示すように、ケース14の幅寸法LCは、通常用いられている例えば200mm前後のケースより大きく設定されており、ダミーAの頭部の幅寸法LDは135mmであるため、例えば、ケース14の幅寸法LCを365mmとすると、ダミーAの頭部がカバー体11の表面に近接した状態でも、ダミーAの頭部に遮られない寸法Lf(=L1+L2)は230mm確保される。そこで、エアバッグ16の展開時にダミーAの頭部に遮られない寸法Lfに余裕があり、すなわち、ダミーAに遮られずに膨張できるエアバッグ16の部分が多い。このように、幅寸法LCの大きいケース14を用いたため、展開初期の圧力を抑制し、容易に低圧展開を実現できる。そして、エアバッグ16の膨出時に、ダミーAの頭部から外れる部分を拡大し、ダミーAに与える影響を抑制できる。
そして、このケース14の開口部51の幅寸法LCすなわち第1のテアライン41の幅寸法W1は、保護対象の幅寸法の2.0倍以上とすることにより、エアバッグ16の膨出の初期の圧力を抑制できるとともに、膨出したエアバッグ16が保護対象に当接した状態から、保護対象に当接してない部分が円滑に膨出し、エアバッグ16の膨出時に保護対象に加わる衝撃を容易に抑制できる。
また、ケース14の幅寸法LCすなわち第1のテアライン41の幅寸法W1は、保護対象であるダミーAの頭部の幅寸法LDの3.0倍(405mm)以下とすることにより、インストルメントパネル3などへ容易に納めて設置できるとともに、エアバッグ16の幅寸法を従来一般的に用いられているエアバッグより大きくする必要がなく、この結果、インフレータ21も従来と同様の出力のものを使うことができ、製造コストを低減できる。すなわち、ケース14及びエアバッグ16の寸法の大型化が避けられるとともに、インフレータ21の出力を大きくする必要もなく、展開特性の調整を容易にできる。
そして、このような条件を満たす扉予定部35,35の寸法は、ケース14の開口部51の寸法と扉予定部35,35の寸法とが略等しいことを前提とし、少なくとも幅方向Wの寸法がほぼ等しいことを前提とし、例えば、ケース14の開口部51の寸法(幅365mm、前後110mm)より扉予定部35の各片の寸法(幅375mm、前後120mm)を5mmずつ大きくすると、扉予定部35,35の面積は、26,000mm以上60,000mm以下にすることが望ましい。この構成では、扉予定部35,35の幅寸法及び奥行き寸法が大きく、ケース14内のエアバッグ16が比較的低圧で扉予定部35,35を押して開口させ、膨出の圧力を軽減して保護対象に対する衝撃を容易に緩和できる。
また、保護対象の幅寸法は、AC06型車両衝突実験用ダミーAの頭部の幅寸法を基準とすることにより、体格の比較的小さい保護対象に対して好適な展開特性を有する車両用のエアバッグ装置1が提供される。
また、インフレータ21は、最大出力が380kPa以下のローパワーのものを用いることにより、低圧でエアバッグ16が膨出し、保護対象に対する衝撃を容易に小さくできる。
なお、上記の各実施の形態では、前後に対をなす扉予定部35,35を備え、略H字状のテアライン33の端部からそれぞれ延設テアライン44を延設したが、この構成に限られず、適宜の扉予定部に対応してテアライン33を設けることができる。
例えば、図7に示すように、1枚の扉予定部35を備え、この扉予定部35の後側すなわち乗員の手前側に第1のテアライン41の中央テアライン41aを設け、この中央テアライン41aの両側の端部から前方に側部テアライン43を延設し、さらに、これら側部テアライン43の先端部から中央側に向かって第2テアライン42の延設テアライン44を設けることもできる。すなわち、この構成では、延設テアライン44は、略U字状としたテアライン33の両端部から延設されている。
そして、この図7に示す構成においても、図8(a)に示す近接展開の場合は、まず、通常展開の場合と同様に、両側の破断開始部P0から破断が開始され、各破断開始部P0から第1のテアライン41に沿って両側に破断が進行する。この後、第1のテアライン41の中央部がダミーAの頭部で押さえられているため、この破断は、側部テアライン43に進行し、さらに、第2テアライン42の各延設テアライン44へと進行する。この状態で、図8(b)に示すように、カバー体11の扉予定部35の両端部が反り返るように変形してそれぞれ突出口66が形成され、これら突出口66からエアバッグ16の一部が突出する。さらに、この後、破断は、各延設テアライン44の端部側まで進行するとともに、第1のテアライン41の中央部に進行し、最終的には、破断が第1のテアライン41の中央部でつながって、図8(c)に示すように、延設テアライン44間に設けたヒンジ部38を支点としてカバー体11の扉予定部35が前方に開いて突出口66が形成され、この突出口66からエアバッグ16が突出する。
また、上記の実施の形態では、インフレ−タ21は、1個の円盤状の燃焼型のインフレ−タ21を用いたが、この構成に限られず、種々の形状のインフレータを、単数あるいは複数用いて構成することができる。例えば、2個の円盤状の燃焼型のインフレ−タを用いることにより、小型で安価なエアバッグ装置1を構成できる。また、複数のインフレータを用いる場合には、同一のあるいは異なる特性のインフレータを用い、制御手段の制御などに応じ、一方のみあるいは両方を作動させ、また、複数のインフレータを同時にあるいは時間差をもって作動させることにより、所望の合成出力を実現し、保護対象に応じた動作を容易に実現できる。さらに、複数のインフレータを用いる場合には、エアバッグ装置1の起動時に最初に起動されるインフレータの最大出力を380kPa以下、より好ましくは300kPa以下とすることにより、低圧でエアバッグ16を膨出させ、保護対象に対する衝撃を容易に小さくできる。また、複数のインフレータは、起動時間について例えば40msなどの固定された時間差が常にかかるように設定し、ダミーAの位置を検出するセンシング手段や判定手段を含まない構成として、装置を簡略化し、製造コストを低減できるとともに、信頼性を向上することもできる。さらに、外観上1個のインフレータであって、内部に複数のスクイブ(点火装置)を備えたインフレータを用いることもできる。また、各インフレータは、燃焼タイプ(パイロタイプ)に限られず、ガスを圧縮して貯留するタイプや、ハイブリッドタイプなど各種のインフレータを用いることができる。
また、上記の実施の形態では、カバー体11は、樹脂にて表板部31と取付板部32とを一体的に構成したが、この構成に限られず、例えば、インストルメントパネル3に一体的に形成されるポリプロピレン(PP)樹脂製の表皮パネルと、この表皮パネルの裏面側に振動溶着にて一体化されるサーモプラスティクオレフィン(TPO樹脂)製のバッキングとから構成することもできる。
さらに、上記の各実施の形態では、自動車2の幅方向Wを長手方向としてインストルメントパネル3に助手席の乗員の正面側に対向して配置する構成について説明したが、この構成に限られず、前席の背面に備えられる後席の乗員用のエアバッグ装置とすることもでき、また、自動車の直進状態における進行方向に沿った前後方向を長手方向として、乗員の側面に対向して配置されるエアバッグ装置を構成することもできる。
また、車両衝突実験用ダミーとしては、頭部の幅寸法が135mmの上述のAC06型の他、同様の寸法のものとして、頭部の幅寸法が135mmの上述のAC03型、及び頭部の幅寸法が140mmの上述のAF05型が知られている。そして、これらのダミーについては、同様の設計ができる。また、設計上これら比較的小さいサイズを対象としない場合、例えば、大人の体格を前提とする場合は、例えば、頭部の幅寸法が約150mmのAM50型を対象として、本発明の思想を適用し、テアライン33の寸法やケース14の開口部51の幅寸法などを設定することができる。
本発明のエアバッグ装置のカバー体は、自動車などの車両の他、船舶や航空機などの乗物に備えるエアバッグ装置に用いることができる。
本発明のエアバッグ装置のカバー体の一実施の形態を示す展開動作の説明図であり、(a)は通常の状態、(b)は保護対象が近接した近接展開状態である。 同上エアバッグ装置を備えた車両の一部の斜視図である。 同上エアバッグ装置の断面図である。 同上カバー体の裏面側からみた斜視図である。 同上カバー体のテアラインの説明図である。 同上カバー体の近接展開状態の動作の説明図である。 本発明のエアバッグ装置のカバー体の他の実施の形態を示すテアラインの説明図である。 同上エアバッグ装置のカバー体を示す近接展開状態の動作の説明図である。
符号の説明
1 エアバッグ装置
2 車両としての自動車
11 カバー体
14 ケース
16 エアバッグ
21 インフレータ
33 破断予定部としてのテアライン
35 扉予定部
37 非展開部
38 ヒンジ部
41 第1の破断予定部としての第1のテアライン
42 第2の破断予定部としての第2のテアライン
51 開口部
66 突出口
A 保護対象である乗員を示すダミー
LD 保護対象の幅寸法
P0 破断開始部
W 幅方向
W1 扉予定部の幅寸法である第1破断予定部の幅方向の寸法
W2 第2破断予定部の幅方向の寸法

Claims (3)

  1. 収納されたエアバッグの膨出側を覆うとともに、このエアバッグの膨出時にこのエアバッグが突出する突出口が形成されるエアバッグ装置のカバー体であって、
    保護対象の幅寸法よりも幅寸法が大きく形成された扉予定部と、
    この扉予定部を囲む非展開部と、
    前記扉予定部の幅方向に沿った一の縁部を前記非展開部に連結する変形可能なヒンジ部と、
    前記扉予定部と前記非展開部とを区画し前記エアバッグの膨張時の圧力で破断する破断予定部とを具備し、
    前記破断予定部は、前記扉予定部の幅方向に沿った他の縁部の全長及び両側の端縁に沿って形成され両側の端縁部近傍に中央部よりも容易に破断する破断開始部が設けられた第1破断予定部と、
    この第1破断予定部の両端部から前記一の縁部に沿って前記ヒンジ部まで延設された第2破断予定部とを備えた
    ことを特徴とするエアバッグ装置のカバー体。
  2. 第1破断予定部の幅方向の寸法は270mm以上405mm以下であり、
    第2破断予定部の幅方向の寸法は30mm以上100mm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体。
  3. 乗員に対向して車両に備えられるエアバッグ装置であって、車両の幅方向を幅方向として配置され、
    ガスの流入により膨張展開するエアバッグと、
    前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、
    前記エアバッグが折り畳んで収納されるとともに、折り畳んだエアバッグが膨出する開口部を設けたケースと
    前記開口部を覆う請求項1または2記載のカバー体とを具備した
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006240329A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Nippon Plast Co Ltd 助手席用エアバッグ装置
JP2007160843A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Kojima Press Co Ltd 樹脂カバーの成形方法
US8011688B2 (en) 2006-07-31 2011-09-06 Toyota Shatai Kabushiki Kaisha Air bag door, method of controlling breakage of fracture lines, and method of deploying air bag

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