JP2005310700A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料電池において、電極と集電体の接触抵抗を低減し、電池性能の向上を図る。
【解決手段】燃料電池100の単セル110において、電解質層112上に配置された電極層には、複数の集電体層114d(116d)が埋設されている。複数の集電体層114d(116d)は、互いに隣りに位置する集電体層114d(116d)と一部で接触しており、複数の集電体層114d(116d)のうち最外層に位置する集電体層は、電極層から露出している。この結果、電極と集電体間の電気抵抗が低減される。
【選択図】 図2
【解決手段】燃料電池100の単セル110において、電解質層112上に配置された電極層には、複数の集電体層114d(116d)が埋設されている。複数の集電体層114d(116d)は、互いに隣りに位置する集電体層114d(116d)と一部で接触しており、複数の集電体層114d(116d)のうち最外層に位置する集電体層は、電極層から露出している。この結果、電極と集電体間の電気抵抗が低減される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、燃料電池に関し、特に、集電の効率化に関する。
燃料電池において電池性能の向上を図るため、電極と集電体間の接触抵抗の低減が課題となっている。特に、固体酸化物型燃料電池(SOFC:solid oxide fuel cells)は、電極および集電体が、セラミックス、金属、サーメット等、硬度の高い材料で構成されており、電極と集電体の電気的接触を良好にすることが難しく接触抵抗の増加を招くという問題があった。このため、電池反応によって生成された電子を効率良く取り出すことができず、電池性能が低下するおそれがあった。
特表2003−510788は、固体酸化物型燃料電池において電極に集電体の一部を埋め込む技術を開示している。
特表2003−510788号公報
特開平1−235159号公報
特開平9−283157号公報
特開平10−21930号公報
特表2003−7318号公報
しかしながら、上記従来の技術には、電極に集電体の一部を埋め込む具体的な構成および製造方法については開示されておらず、電極と集電体間の接触抵抗を十分に低減することは考慮されていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、燃料電池において、電極と集電体の接触抵抗を低減し、電池性能の向上を図ることを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、燃料電池を提供する。本発明の第1の態様に係る燃料電池は、電解質層と、電解質層の表面に配置された電極層と、前記電極層に埋設されると共に、電池反応により発生した電子を集電する複数の集電体層であって、互いに隣に位置する集電体層と一部で接触しており、そのうち最外層に位置する集電体層の外側表面は、前記電極層から露出していることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る燃料電池によれば、互いに一部で接触している複数の集電体層が電極層に埋設されているので、電極と集電体との接触面積が増大する。したがって、電極と集電体の電気的接触が良好となり、接触抵抗を低減することができる。この結果、電池反応により発生した電子を効率良く、外部に取り出すことが可能となり電池性能を向上させることができる。
本発明の第2の態様は、燃料電池を提供する。本発明の第2の態様に係る燃料電池は、電解質層と、複数の電極層と、電池反応により発生した電子を集電する複数の集電体層とを備え、前記電解質層上には前記電極層と前記集電体層が交互に形成されており、膜厚方向に最も内側であると共に前記電解質層と接する層は前記電極層であり、膜厚方向に最も外側の層は前記集電体層であり、前記複数の電極層は、前記集電体層を挟んで隣り合う電極層と互いに一部で接触し、前記複数の集電体層は、前記電極層を挟んで隣り合う集電体層と互いに一部で接触していることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る燃料電池によれば、互いに一部で接触している複数の集電体層と、互いに一部で接触している複数の電極層とが交互に形成されているので、電極と集電体との接触面積が増大する。したがって、電極と集電体の電気的接触が良好となり、接触抵抗を低減することができる。この結果、電池反応により発生した電子を効率良く、外部に取り出すことが可能となり電池性能を向上させることができる。
上記態様に係る燃料電池において、前記燃料電池は、前記電解質層としてイオン導電性を有する固体酸化物を用いる固体酸化物型であっても良い。固体酸化物型の燃料電池では、電極および集電体が硬度の高い材料で形成されるため、電極と集電体の接触を良好にするのが困難であるが、固体酸化物型燃料電池に上記態様を適用することによって、電極と集電体の接触低減し、固体酸化物型燃料電池の電池性能を向上させることができる。
本発明の第3の態様は、電解質層と、電極層と、電池反応により発生した電子を集電する集電体層とを有する燃料電池の製造方法を提供する。本発明の第3の態様に係る燃料電池の製造方法は、(a)前記電解質層上に電極材料を積層して前記電極層を形成する行程と、(b)前記電極層の一部が表面に露出するように、前記電極層上に集電体材料を積層して前記集電体層を形成する行程と、(c)前記集電体層の一部が表面に露出するように、前記集電体層上にさらに前記電極材料を積層して前記電極層を形成する行程と、(d)前記電極層上にさらに前記集電体材料を積層して前記集電体層を形成する行程とを備えることを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る燃料電池の製造方法によれば、電極層と集電体層が交互に形成され、電極層は集電体層を挟んで隣りあう電極層と接触し、集電体層は電極層を挟んで隣りあう集電体層と接触するように構成された燃料電池を簡単に製造することができる。この結果、電極と集電体との接触面積が大きく、電極と集電体間の接触抵抗が低減された燃料電池を容易に得ることができる。
本発明の第3の態様に係る燃料電池の製造方法において、前記(b)行程と前記(c)行程を複数回繰り返す行程を備えても良い。かかる場合には、電極と集電体との接触面積が行程を繰り返す回数に応じて大きくなり、電極と集電体間の接触抵抗がより低減された燃料電池を容易に得ることができる。
本発明の第3の態様に係る燃料電池の製造方法において、前記燃料電池は、前記電解質層としてイオン導電性を有する固体酸化物を用いる固体酸化物型である燃料電池であっても良い。かかる場合には、電極と集電体間の接触抵抗が低減された固体酸化物型燃料電池を容易に得ることができる。
以下、本発明に係る燃料電池について、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
A.実施例:
・燃料電池の構成
図1および図2を用いて、本実施例に係る燃料電池の構成について説明する。図1は、本実施例に係る燃料電池の概略構成を示す説明図である。図2は、本実施例に係る燃料電池100の電解質層、電極、集電体の構成を示す説明図である。図2は、カソード側の構成とアノード側の構成の両方を示しており、かっこ外の符号はアノード側の構成を示し、かっこ内の符号はカソード側の構成を示している。図1に示すように本実施例に係る燃料電池100は、単セル110をセパレータ120で挟んで複数積層して直列に接続したスタック構造を有している。
・燃料電池の構成
図1および図2を用いて、本実施例に係る燃料電池の構成について説明する。図1は、本実施例に係る燃料電池の概略構成を示す説明図である。図2は、本実施例に係る燃料電池100の電解質層、電極、集電体の構成を示す説明図である。図2は、カソード側の構成とアノード側の構成の両方を示しており、かっこ外の符号はアノード側の構成を示し、かっこ内の符号はカソード側の構成を示している。図1に示すように本実施例に係る燃料電池100は、単セル110をセパレータ120で挟んで複数積層して直列に接続したスタック構造を有している。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112の一方の面上に形成されたカソード側電極−集電体層116と、電解質層112の他方の面上に形成されたアノード側電極−集電体層114とを有している。
電解質層112は、本実施例では、イットリアを添加して安定化したジルコニア(YSZ)を用いている。YSZは、酸化物イオン伝導性が高く、燃料電池運転時の高温下、カソード側の酸化雰囲気下、アノード側の還元雰囲気下においても化学的に安定であり、固体酸化物型燃料電池の電解質層として優れている。
アノード側電極−集電体層114は、アノード電極と集電体からなる。アノード電極は、アノード側電池反応(2H2+2O2−→2H2O+4e−)が進行する反応場である。集電体は、アノード電極で発生した電子を集電する機能と燃料ガスを均一に拡散させてアノード電極に供給する機能を併せ持つ。
具体的には、アノード側電極−集電体層114は、図2に示すように、アノード電極層114cと集電体層114dとが交互に形成された電極−集電体多層構造層114bと、別体の集電体である別体集電体114aから構成されている。電極−集電体多層構造層114bを形成する複数の層のうち、電解質層表面に垂直な方向(以下、膜厚方向という。)に最も内側(電解質層側)に位置する層(以下、最内層ともいう。)はカソード電極層114cであり、電解質層112と接している。一方、電極−集電体多層構造層114bを形成する複数の層のうち膜厚方向に最も外側に位置する層(以下、最外層ともいう。)は、集電体層114dであり、別体集電体114aと接している。
そして、各アノード電極層114cは、集電体層114dを挟んで隣り合う他のアノード電極層114cと一部で接触している。また、各集電体層114dは、アノード電極層114cを挟んで隣り合う他の集電体層114dと一部で接触している。図2において、記号TP1は、アノード電極層114c間の接触部を示し、記号TP2は、集電体層114d間の接触部を示している。
言い換えれば、電極−集電体多層構造層114bは、互いに一部が接触した複数の集電体層114dがアノード電極内に埋設されたおり、複数の集電体層114dのうち最外層の集電体層がアノード電極から露出している構造を有している。
アノード電極における電池反応によって発生した電子は、各集電体層114dに集電され、集電された電子は、接触部TPおよび別体集電体114aを介してセパレータ120へ輸送される。
なお、電池反応が進行するためには、燃料ガスが電解質層112と電極−集電体層114との界面に供給される必要があるため、電極−集電体多層構造層114bおよび別体集電体114aは、ガス透過性が要求される。電極−集電体多層構造層114bは、ガス透過性を失わない程度に十分薄く成膜されるか、あるいは、全体が多孔質構造を有することによって、ガス透過性が確保される。一方、別体集電体114aは、多孔質体や繊維を織成したもので構成されることによって、ガス透過性が確保される。
アノード電極層114cには、導電性の高い材料が用いられ、例えば、Ni(ニッケル)−YSZ等のサーメット、Ni等の金属が用いられる。集電体層114dおよび別体集電体114aには、SUS(ステンレス)、Ni、Ni基合金等が用いられる。これらの材料は、燃料電池の運転温度等の条件を勘案して最適のものが選択される。
カソード側電極−集電体層116は、カソード電極と集電体からなる。カソード電極は、カソード側電池反応(O2+4e−→2O2−)が進行する反応場である。集電体は、セパレータ120を挟んで隣接した単セル110のアノード極からセパレータ120を介して輸送されてきた電子を集電してカソード電極に供給する機能と酸化ガスを均一に拡散させてカソード電極に供給する機能を併せ持つ。
カソード側電極−集電体層116の具体的構成は、図2に示すように、アノード側電極−集電体層114と同様である。すなわち、カソード電極層116cと集電体層116dとが交互に形成された電極−集電体多層構造層116bと、別体の集電体である別体集電体116aから構成されている。ただし、カソード電極層116cには、高い導電性と共に高温酸化成雰囲気中で化学的に安定であることが要求されるため、電子伝導性を持つペロブスカイト型酸化物が用いられている。具体的には、LaMnO3や、LaMnO3のLaの一部をSrで置換したLa1-xSrxMnO3等が用いられる。その他の構成は、アノード側電極−集電体層114と同様であるので、詳しい説明を省略する。
セパレータ120は、一方の面が一の単セル110のアノード側電極−集電体層114と接し、他方の面が他の単セル110のカソード側電極−集電体層116と接している。セパレータ120のアノード側電極−集電体層114と接する面(以下、アノード側面という。)には燃料ガス流路形成部121が形成されており、組み付け時に、アノード側電極−集電体層114との間に燃料ガス流路を形成する。一方、セパレータ120のカソード側電極−集電体層116と接する面(以下、カソード側面という。)には酸化ガス流路形成部122が形成されており、組み付け時に、カソード側電極−集電体層116との間に酸化ガス流路を形成する。セパレータ120は、単セル110を電気的に直列に接続する機能と、燃料ガスと酸化ガスを物理的に隔離する機能を要求されるため、電気伝導性を有する緻密な材料で構成される。具体的には、LaCrO3等のセラミックスやSUS等の金属材料が用いられるが、接触抵抗の低減のため、セパレータ120と接する集電体と同種の材料により形成することが望ましい。また、セパレータ120内に冷媒流路を設けることとしても良い。
なお、図1では記載を省略しているが、燃料電池スタック内には、燃料電池スタックを積層方向に貫通する燃料ガス供給マニホールド、燃料ガス排出マニホールド、酸化ガス供給マニホールドおよび酸化ガス排出マニホールドが設けられている。燃料電池スタックに対して燃料ガスが供給されると、燃料ガスは、燃料ガス供給マニホールドを介して燃料ガス流路に分配されて電気化学反応に供され、その後燃料ガス排出マニホールドに集合して外部に導かれる。また、燃料電池スタックに対して酸化ガスが供給されると、酸化ガスは、酸化ガス供給マニホールドを介して酸化ガス流路に分配されて電気化学反応に供され、その後酸化ガス排出マニホールドに集合して外部に導かれる。燃料ガスとしては、例えば、純度の高い水素ガスを用いることができ、酸化ガスとしては、例えば、空気を用いることができる。
・電極−集電体多層構造層114b(116b)の製造方法:
図3〜図5を参照して、電極−集電体多層構造層114b、116bの製造方法を説明する。図3は、電極−集電体多層構造層114b(116b)の製造手順を示すフローチャートである。図4および図5は、図3に示すフローチャートに従って作製される電極−集電体多層構造層114b(116b)を模式的に示す説明図である。以下では、アノード側の電極−集電体多層構造層114bの製造方法を中心に説明する。
図3〜図5を参照して、電極−集電体多層構造層114b、116bの製造方法を説明する。図3は、電極−集電体多層構造層114b(116b)の製造手順を示すフローチャートである。図4および図5は、図3に示すフローチャートに従って作製される電極−集電体多層構造層114b(116b)を模式的に示す説明図である。以下では、アノード側の電極−集電体多層構造層114bの製造方法を中心に説明する。
ステップS101では、まず、図4(a)に示すように、電解質層112が準備される。電解質層112は、例えば、YSZ粉末に、バインダ、溶剤等を加えたスラリーを基材上に塗布して、焼結することによって作製することができる。もちろん、電解質層112の形成方法は他のどのような方法を用いても良い。
ステップS102では、図4(b)に示すように、Ni−YSZサーメット等のアノード電極材料を、電解質層112上に積層することによって、最内層のアノード電極層114cを形成する。
ステップS103(図3)では、図4(c)に示すように、SUS等の集電体材料を、ステップS102において形成したアノード電極層114c上に積層することによって、集電体層114dを形成する。この際、図4(c)において、記号RA1で示すように、既に積層されているアノード電極層114cが表面に露出した領域(以下、電極露出領域RA1という。)が形成されるように、集電体材料を積層する。具体的には、集電体材料を十分に薄く、例えば、数原子オーダーの厚さで積層することによって、あるいは、予めアノード電極層114c上にマスキングしてから集電体材料を積層することによって、電極露出領域RA1が存在する集電体層114dを形成する。
続いて、ステップS104では、図4(d)に示すように、アノード電極材料を、ステップS103において形成した集電体層114d上に積層することによって、再びアノード電極層114cを形成する。集電体層114dには電極露出領域RA1が存在するので、本ステップにおいて形成されたアノード電極層114cと、ステップS102において形成されたアノード電極層114cとの接触部TP1が、電極露出領域RA1に形成される。また、本ステップでアノード電極層114cを形成する際、図4(d)において、記号RA2で示すように、ステップS103において形成した集電体層114dが表面に露出した領域(以下、集電体露出領域RA2という。)が形成されるように、アノード電極材料を積層する。具体的には、上述した電極露出領域RA1の形成と同様に、十分に薄く、あるいは、マスキング処理後にアノード電極材料を積層することによって、集電体露出領域RA2が存在するアノード電極層114cを形成する。
次に、再びステップS103に戻り(ステップS105:YES)、図5(a)に示すように、集電体層114dをさらに重ねて形成する。アノード電極層114cには集電体露出領域RA2が存在するので、本ステップにおいて形成された集電体層114dと、ス既に形成された集電体層114dとの接触部TP2が、集電体露出領域RA2に形成される。図5(a)(b)に示すステップS103とステップS104の行程を所定回数繰り返すことにより、電極と集電体との多層構造が形成される(ステップS105)。
ステップS103とステップS104の行程を所定回数繰り返した後(ステップS105:NO)、図5(c)に示すように、集電体材料を積層して最外層の集電体層114dを形成する(ステップS106)。最外層の集電体層114には、電極露出領域RA1を形成する必要はない。なお、ステップS102〜ステップS106における各層の積層は、スパッタリング等の物理的蒸着法(PVD)をはじめ、化学的蒸着法(CVD)、溶射など種々の手法を用いることができる。
積層された電極−集電体多層構造層114bは、上述したようにガス透過性を確保する必要があるため、電極−集電体多層構造層114bを比較的厚く積層する場合には、電極−集電体多層構造層114bを多孔体とする行程を実行する。例えば、予め積層するアノード電極材料および集電体材料に樹脂を混合しておく。そして、各層を積層後に、樹脂を溶液を用いて溶解する、あるいは、樹脂を熱処理によって蒸発させることによって電極−集電体多層構造層114b全体を多孔体とすることができる。混合する樹脂としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などを用いることができる。なお、電極−集電体多層構造層114bが、全体としてガス透過性を確保できる程度に十分薄く積層される場合には、かかる行程は不要となる。
カソード側の電極−集電体多層構造層116bは、電解質層112のカソード側の面に、カソード電極材料、集電体材料を用いて、アノード側の電極−集電体多層構造層114bと同様の手法によって製造することができる。
以上説明したように構成された実施例に係る燃料電池100によれば、アノード電極層114cと集電体層114dが交互に積層されている、すなわち、アノード電極に複数の集電体層114dが埋設されているため、集電体とアノード電極との接触面積を大きくすることができる。さらに、複数の集電体層114dは、互いにアノード電極層114cを挟んで隣り合う集電体層114dと接触し、電気的に接続されている。同様に、複数のアノード電極層114cは、互いに集電体層114dを挟んで隣り合うアノード電極層114cと接触し、電気的に接続されている。この結果、集電体とアノード電極間の接触抵抗が低減され、アノード電極における電池反応によって発生した電子を効率よく集電体に取り出すことができる。
また、カソード電極と集電体間においても、アノード側と同様の積層構造を有しているので、集電体とアノード電極間の接触抵抗が低減される。この結果、セパレータ120を挟んで隣接する単セル110からセパレータ120を介して集電体に輸送された電子を効率良くカソード極に供給することができる。
言い換えれば、アノード電極−集電体間およびカソード電極−集電体間に上記の積層構造を備えることにより、燃料電池の内部抵抗が低減され、燃料電池の電池性能を向上することができる。
B.変形例
上記実施例においては、酸化イオン伝導性を有する固体酸化物を電解質とする燃料電池を用いているが、もちろん他の種々の燃料電池を用いても良い。例えば、プロトン伝導性を有する固体酸化物(例えば、BaCeO3、SrCe3系のセラミックス)を電解質とする燃料電池や、プロトン伝導性を有する固体高分子膜(例えば、フッ素系樹脂製のイオン交換膜)を電解質とする燃料電池を用いても良い。この場合には、燃料電池の種類によって、電極材料や集電体材料も種々のものが使用される。例えば、電極材料としては、パラジウム(Pd)等の触媒活性を有する貴金属、集電体材料としては、カーボン等が用いられている。これらの材料によって上記実施例で説明した電極−集電体多層構造を形成すれば、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
上記実施例においては、酸化イオン伝導性を有する固体酸化物を電解質とする燃料電池を用いているが、もちろん他の種々の燃料電池を用いても良い。例えば、プロトン伝導性を有する固体酸化物(例えば、BaCeO3、SrCe3系のセラミックス)を電解質とする燃料電池や、プロトン伝導性を有する固体高分子膜(例えば、フッ素系樹脂製のイオン交換膜)を電解質とする燃料電池を用いても良い。この場合には、燃料電池の種類によって、電極材料や集電体材料も種々のものが使用される。例えば、電極材料としては、パラジウム(Pd)等の触媒活性を有する貴金属、集電体材料としては、カーボン等が用いられている。これらの材料によって上記実施例で説明した電極−集電体多層構造を形成すれば、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施例では、カソード側とアノード側の両面に、電極−集電体多層構造を有しているが、もちろん片側だけに有しても良い。また、上記実施例では、別体集電体114a(116a)を備えているが、必須の構成要素ではなく、セパレータ120が、電極−集電体多層構造層114b(116b)に、直接、接触する構成にしても良い。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれらの実施例および変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
100…燃料電池
110…単セル
112…電解質層
114…アノード側電極−集電体層
114a…別体集電体
114b…(アノード側)電極−集電体多層構造層
114c…アノード電極層
114d…集電体層
116…カソード側電極−集電体層
116a…別体集電体
116b…(カソード側)電極−集電体多層構造層
116c…カソード電極層
116d…集電体層
120…セパレータ
121…燃料ガス流路形成部
122…酸化ガス流路形成部
RA1…電極露出領域
RA2…集電体露出領域
TP1…電極接触部
TP2…集電体接触部
110…単セル
112…電解質層
114…アノード側電極−集電体層
114a…別体集電体
114b…(アノード側)電極−集電体多層構造層
114c…アノード電極層
114d…集電体層
116…カソード側電極−集電体層
116a…別体集電体
116b…(カソード側)電極−集電体多層構造層
116c…カソード電極層
116d…集電体層
120…セパレータ
121…燃料ガス流路形成部
122…酸化ガス流路形成部
RA1…電極露出領域
RA2…集電体露出領域
TP1…電極接触部
TP2…集電体接触部
Claims (6)
- 燃料電池であって、
電解質層と、
電解質層の表面に配置された電極層と、
前記電極層に埋設されると共に、電池反応により発生した電子を集電する複数の集電体層であって、互いに隣に位置する集電体層と一部で接触しており、そのうち最外層に位置する集電体層の外側表面は、前記電極層から露出している燃料電池。 - 燃料電池であって、
電解質層と、
複数の電極層と、
電池反応により発生した電子を集電する複数の集電体層とを備え、
前記電解質層上には前記電極層と前記集電体層が交互に形成されており、
膜厚方向に最も内側であると共に前記電解質層と接する層は前記電極層であり、
膜厚方向に最も外側の層は前記集電体層であり、
前記複数の電極層は、前記集電体層を挟んで隣り合う電極層と互いに一部で接触し、 前記複数の集電体層は、前記電極層を挟んで隣り合う集電体層と互いに一部で接触している燃料電池。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料電池において、
前記燃料電池は、前記電解質層としてイオン導電性を有する固体酸化物を用いる固体酸化物型である燃料電池。 - 電解質層と、電極層と、電池反応により発生した電子を集電する集電体層とを有する燃料電池の製造方法であって、
(a)前記電解質層上に電極材料を積層して前記電極層を形成する行程と、
(b)前記電極層の一部が表面に露出するように、前記電極層上に集電体材料を積層して前記集電体層を形成する行程と、
(c)前記集電体層の一部が表面に露出するように、前記集電体層上にさらに前記電極材料を積層して前記電極層を形成する行程と、
(d)前記電極層上にさらに前記集電体材料を積層して前記集電体層を形成する行程とを備える燃料電池の製造方法。 - 請求項4に記載の燃料電池の製造方法において、
前記(b)行程と前記(c)行程を複数回繰り返す行程を備える燃料電池の製造方法。 - 請求項4または請求項5に記載の燃料電池の製造方法において、
前記燃料電池は、前記電解質層としてイオン導電性を有する固体酸化物を用いる固体酸化物型である燃料電池の製造方法。
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- 2004-04-26 JP JP2004129448A patent/JP2005310700A/ja active Pending
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