JP2005304165A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
二相式絶縁形の電源装置において起動時のソフトスタートを可能とする。
【解決手段】
第1及び第2のトランスTrsa,Trsbと、第1及び第2のトランスの一次巻線側に接続される蓄電部Ciと、第1及び第2のトランスの一次巻線側に接続されるスイッチング部S1a,S1b,S2a,S2bと、スイッチング部のスイッチングを制御して、第1及び第2のトランスの各々に対する蓄電部の充電期間と放電期間を切り替えながら、第1のトランスの二次巻線側と第2のトランスの二次巻線側とに位相が反転した矩形波電圧を誘導させる制御部110と、第1及び第2のトランスの二次巻線側に接続され、第1及び第2のトランスの二次巻線側に誘導された矩形波電圧を半波整流して負荷に出力させる整流部Doa,Dobと、蓄電部に接続され、起動時に第1及び第2のトランスの二次巻線側に誘導される電圧を定常状態の電圧より抑えるように蓄電部に電荷をチャージするチャージ制御部120とを有する。
【選択図】 図1
二相式絶縁形の電源装置において起動時のソフトスタートを可能とする。
【解決手段】
第1及び第2のトランスTrsa,Trsbと、第1及び第2のトランスの一次巻線側に接続される蓄電部Ciと、第1及び第2のトランスの一次巻線側に接続されるスイッチング部S1a,S1b,S2a,S2bと、スイッチング部のスイッチングを制御して、第1及び第2のトランスの各々に対する蓄電部の充電期間と放電期間を切り替えながら、第1のトランスの二次巻線側と第2のトランスの二次巻線側とに位相が反転した矩形波電圧を誘導させる制御部110と、第1及び第2のトランスの二次巻線側に接続され、第1及び第2のトランスの二次巻線側に誘導された矩形波電圧を半波整流して負荷に出力させる整流部Doa,Dobと、蓄電部に接続され、起動時に第1及び第2のトランスの二次巻線側に誘導される電圧を定常状態の電圧より抑えるように蓄電部に電荷をチャージするチャージ制御部120とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電源装置に関し、より詳しくは出力電圧に含まれるリプルを低減させるための電源装置に関する。
ディジタルIC用電源には、低電圧大電流を高スリューレートに供給し、しかも出力電圧変動を微小範囲内に収める性能が求められる。しかし、一般的な電源方式においてこの条件を満たすには、出力側に大容量の平滑コンデンサが必要となる。また、低電圧大電流環境では、回路内のインピーダンス成分の影響が無視できないほど大きくなるにも拘らず、現在の技術では十分に低インピーダンスの部品を作ることができていないのが現状である。そのため、インピーダンス成分による、効率の低下、出力電圧リプルの増大、スイッチングサージの増大等を抑制するために、複数の電源を多相構成にし、出力平滑コンデンサを並列接続する等の対策が必要となり、部品数の増加、高コスト化、回路の大型化を招いている。
そこで、これらの問題解決に有効な手段として、2つの絶縁形ステップダウンインバータを用いて、各インバータの二次巻線側に180°位相差の矩形波電圧を誘導し、これらを半波整流して重ね合わせることで、原理的には低電圧大電流環境において出力平滑コンデンサなしで直流電圧を供給する方式が提案されている。
このような方式は例えば特開2003−102175号公報に開示されている。すなわち、各中性点が入力直流電源の1極に接続された少なくとも2つの出力トランスの各1次巻線の両端子に、各1端子が接続され、各他端子が入力直流電源の他極に接続された1対のスイッチング素子と、前記各1対のスイッチング素子を、一方が導通するとき他方を非導通に制御する手段と、前記各出力トランスの2次巻線にそれぞれ接続された整流手段とを具備し、前記整流手段の出力電圧値が等しく、一方の整流出力波形に生ずるリプルが他方の整流出力波形によってカバーされるように、各スイッチング素子の導通タイミングが設定される。
特開2003−102175号公報
米国特許5,008,795号
しかし、上で述べた公報に開示されている回路をそのまま使用すると、負荷に電流が流されるタイミングで2つのトランスの二次巻線側に誘導される電圧は、入力電圧をVi、キャパシタの両端電圧をVciとすると、Vi−Vciに応じた電圧となる。より具体的には一次側巻線数/二次側巻線数=nとすると、(Vi−Vci)/nとなる。従って、起動時には、キャパシタCiにまだ電荷が貯まっていないのでVci=0であり、キャパシタCiに突入電流が流れ、この電流がトランスTrsa及びTrsbに流れるため、負荷RにはVi/nという出力電圧が発生してしまう。これは大きな出力オーバーシュートの原因となる。
このように従来技術では、起動時に出力電圧Voを徐々に高くするというソフトスタートを実現することができず、商用化に適さない。
従って、本発明の目的は、起動時のソフトスタートを実現可能な二相式絶縁形の電源装置を提供することである。
本発明に係る電源装置は、第1及び第2のトランスと、第1及び第2のトランスの一次巻線側に接続される蓄電部と、第1及び第2のトランスの一次巻線側に接続されるスイッチング部と、スイッチング部のスイッチングを制御して、第1及び第2のトランスの各々に対する蓄電部の充電期間と放電期間とを切り替えながら、第1のトランスの二次巻線側と第2のトランスの二次巻線側とに位相が反転した矩形波電圧を誘導させる制御部と、第1及び第2のトランスの二次巻線側に接続され、第1及び第2のトランスの二次巻線側に誘導された矩形波電圧を半波整流して負荷に重ねて出力させる整流部と、蓄電部に接続され、起動時に第1及び第2のトランスの二次巻線側に誘導される電圧を定常状態の電圧より抑えるように蓄電部に電荷をチャージするチャージ制御部とを有する。
このようなチャージ制御部を二相式絶縁形の電源装置に備えることにより、例えば第1及び第2のトランスの二次巻線側に入力電源の電圧と蓄電部の出力電圧との差に応じた電圧が誘導される場合であっても、起動時に蓄電部に電荷をチャージすることにより上記差を小さくして、定常状態の電圧より低い電圧が誘導されるように調整することができる。従って起動時の出力のオーバーシュートを生じることがなく、ソフトスタートも可能になる。
また、上で述べたチャージ制御部が、負荷における出力電圧の変化を検出し、蓄電部の充電又は放電を行わせる回路を有するようにしてもよい。このようにすれば、負荷変動時の過渡応答特性を向上させることができる。
さらに、上で述べたチャージ制御部が、起動時に第1及び第2のトランスの二次巻線側に誘導される電圧がゼロになるように蓄電部に電荷をチャージするようにしてもよい。これにより負荷に出力される電圧も0となり、ソフトスタートが実現される。
また、上で述べた制御部が、チャージ制御部による蓄電部に対する電荷のチャージ後に、第1及び第2のトランスの各々に対する蓄電部の放電期間を定常状態の長さより短くなるようにスイッチング部のスイッチングを制御し、定常状態移行時までに蓄電部の放電期間を定常状態の長さまで長くするようにしてもよい。チャージ制御部により蓄電部に電荷を多くチャージしたので、放電期間を徐々に長くして徐々に定常状態に移行させるものである。
さらに、第1及び第2のトランスの各々に対する蓄電部の充電期間において第1又は第2のトランスの二次巻線側に誘導される電圧による電流が負荷に出力されるようにしてもよい。一方、第1及び第2のトランスの各々に対する蓄電部の放電期間において第1又は第2のトランスの二次巻線側に誘導される電圧が整流部により遮断されるようにしてもよい。このような場合には上で述べたチャージ制御部が有効である。
上で述べた本発明の構成を実現する回路構成は複数存在しており、以下で述べる回路例に限定されるものではない。
本発明によれば、二相式絶縁形の電源装置において起動時のソフトスタートが可能となる。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る回路図を図1に示す。二相式絶縁形コンバータ100は、入力直流電源Viと、MOSFETであるスイッチング素子S1a,S2a,S1b及びS2bと、一次巻線と二次巻線との極性が同じであるトランスTrsaとTrsbと、キャパシタCiと、平滑用キャパシタCoと、ダイオードDoa及びDobと、負荷Rとを含む。なお、原理的には平滑用キャパシタCoは不要であるが、実際には従来より小さい容量のキャパシタを接続する方が好ましいため、ここでは示している。二相式絶縁形コンバータ100のスイッチング素子を制御する制御部110は、PWM(Pulse Width Modulator)112と、ドライバ113とを含む。また、二相式絶縁形コンバータ100には、充放電コントローラ120が接続されている。
本発明の第1の実施の形態に係る回路図を図1に示す。二相式絶縁形コンバータ100は、入力直流電源Viと、MOSFETであるスイッチング素子S1a,S2a,S1b及びS2bと、一次巻線と二次巻線との極性が同じであるトランスTrsaとTrsbと、キャパシタCiと、平滑用キャパシタCoと、ダイオードDoa及びDobと、負荷Rとを含む。なお、原理的には平滑用キャパシタCoは不要であるが、実際には従来より小さい容量のキャパシタを接続する方が好ましいため、ここでは示している。二相式絶縁形コンバータ100のスイッチング素子を制御する制御部110は、PWM(Pulse Width Modulator)112と、ドライバ113とを含む。また、二相式絶縁形コンバータ100には、充放電コントローラ120が接続されている。
二相式絶縁形コンバータ100において、入力直流電源Viの正極側端子は、スイッチング素子S1a及びS1bのドレインに接続されている。スイッチング素子S1aのソースは、スイッチング素子S2aのドレインとトランスTrsaの一次巻線の一端に接続されている。トランスTrsaの一次巻線の他端は、キャパシタCiの一端に接続されている。キャパシタCiの他端は、入力直流電源Viの負極側端子に接続されている。スイッチング素子S1aのソースにドレインが接続されているスイッチング素子S2aのソースも入力直流電源Viの負極側端子に接続されている。また、スイッチング素子S1bのソースは、トランスTrsbの一次巻線の一端及びスイッチング素子S2bのドレインに接続されている。トランスTrsbの一次巻線の他端は、キャパシタCiの一端に接続されている。スイッチング素子S2bのソースは、入力直流電源Viの負極側端子に接続されている。
トランスTrsaの二次巻線の一端は、ダイオードDoaのアノードに接続されている。ダイオードDoaのカソードは、負荷Rの正極側端子と平滑用キャパシタCoの一端とダイオードDobのカソードに接続されている。トランスTrsaの二次巻線の他端は、負荷Rの負極側端子と平滑用キャパシタCoの他端とに接続されている。トランスTrsbの二次巻線の一端は、ダイオードDobのアノードに接続されている。ダイオードDobのカソードは、負荷Rの正極側端子に接続されている。トランスTrsbの二次巻線の他端は、トランスTrsaの二次巻線の他端に接続されている。
制御部110のPWM112には負荷Rの出力電圧Voが入力されている。PWM112の出力はドライバ113に出力され、ドライバ113の出力は、スイッチング素子S1aに接続される第1の出力と、スイッチング素子S1bに接続される第2の出力とを含む。なお、スイッチング素子S2aには、ドライバ113の第1の出力をNOT回路により反転した信号が出力され、スイッチング素子S2bには、ドライバ113の第2の出力をNOT回路にて反転させた信号が出力される。
また、充放電コントローラ120は、入力直流電源Viの正極側端子及び負極側端子、トランスTrsaとキャパシタCiの接続部、負荷Rの正極側端子、及びPWM112に接続されている。充放電コントローラ120の詳細については、二相式絶縁形コンバータ100の通常の動作を説明した後に説明する。
このように、スイッチング素子S1a及びS2aと、トランスTrsaと、ダイオードDoaとで構成された第1のインバータと、スイッチング素子S1b及びS2bと、トランスTrsbと、ダイオードDobとで構成された第2のインバータとが、キャパシタCiを共有しつつ並列して接続された構造となる。本実施の形態における二相式絶縁形コンバータ100は、スイッチング素子S1a及びS2aが交互に高周波スイッチングされ、これと180°の位相差で、スイッチング素子S1b及びS2bが交互に高周波スイッチングされる。この一連のスイッチング動作によって、二相式絶縁形コンバータ100の各部において、状態(期間とも呼ぶ。)I乃至IVを有する、図2に示すような波形が繰り返し発生する。
なお、スイッチング素子S1aのドレイン・ソース間の電圧をVs1aとし、スイッチング素子S2aのドレイン・ソース間の電圧をVs2aとし、スイッチング素子S1bのドレイン・ソース間の電圧をVs1bとし、スイッチング素子S2bのドレイン・ソース間の電圧Vs2bとする。また、トランスTrsaの二次巻線側に誘導される電圧をVwoa、トランスTrsbの二次巻線側に誘導される電圧をVwob、キャパシタCiの両端に生ずる電圧をVciとする。
図2に示すように、状態I、II、III及びIVの4つの状態が繰り返し生じるようになっており、まず状態Iにおいて、スイッチング素子S1a及びS1bをオンに、スイッチング素子S2a及びS2bをオフに設定する。そうすると、図3(a)に示すように、入力直流電源Viの正極側端子がトランスTrsa及びトランスTrsbに接続される。従って、状態Iでは、トランスTrsa及びTrsbの二次巻線にはVi−Vciに応じた電圧Vwoa及びVwob(一次側巻線数/二次側巻線数=nとすれば、(Vi−Vci)/n)が誘導される。この時トランスTrsa及びTrsbの二次巻線側に接続されたダイオードDoa及びDobには順方向の電圧がかかるので、両方のトランスから電流が負荷Rに流れ、これらの電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。この状態Iは、トランスTrsa及びTrsbの両方にとってキャパシタCiの充電期間となる。
状態IIでは、スイッチング素子S1a及びS2bをオン、スイッチング素子S1b及びS2aをオフに設定する。そうすると、図3(b)に示すように、入力直流電源Viの正極側端子がトランスTrsaに接続される。従って、トランスTrsaの二次巻線にはVi−Vciに応じた電圧Vwoa(上と同じ)が誘導される。一方、トランスTrsbは、キャパシタCiと並列に接続され、電流はキャパシタCi側から流れる。従って、トランスTrsbの二次巻線にはVciに応じた逆相の電圧Vwob(Vci/n)が誘導される。ここで、トランスTrsaの二次巻線側には順方向の電圧がダイオードDoaにかかるので、トランスTrsaから電流が負荷Rに流れ、この電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。一方、トランスTrsbの二次巻線側には逆方向の電圧がダイオードDobにかかるので、ダイオードDobにより電流は遮断され、負荷Rには電流は流れない。この状態IIは、トランスTrsaにとってキャパシタCiの充電期間であり、トランスTrsbにとってキャパシタCiの放電期間である。
状態IIIでは、各スイッチング素子の状態は状態Iと同じであり、説明を省略する。
状態IVでは、スイッチング素子S1b及びS2aがオン、スイッチング素子S1a及びS2bがオフに設定する。そうすると、図3(c)に示すように、入力直流電源Viの正極側端子はトランスTrsbに接続される。従って、トランスTrsbの二次巻線にはVi−Vciに応じた電圧Vwob(=(Vi−Vci)/n)が誘導される。一方、トランスTrsaは、キャパシタCiと並列に接続され、電流はキャパシタCi側から流れる。従って、トランスTrsaの二次巻線にはVciに応じた逆相の電圧Vwoa(=Vci/n)が誘導される。ここで、トランスTrsbの二次巻線側には順方向の電圧がダイオードDobにかかるので、トランスTrsbから電流が負荷Rに流れ、この電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。一方、トランスTrsaの二次巻線側には逆方向の電圧がダイオードDoaにかかるので、ダイオードDoaにより電流は遮断され、負荷Rには電流は流れない。この状態IVは、トランスTrsaにとってキャパシタCiの放電期間であり、トランスTrsaにとってキャパシタCiの充電期間である。
図2に示すように、トランスTrsaの二次巻線側の誘起電圧Vwoaは、状態I,II及びIIIの期間T1の間正の電圧となり、ダイオードDoaを介して負荷Rに電流が流れる。また、状態IVの期間T2の間負の電圧となり、ダイオードDoaにより電流は遮断される。一方、トランスTrsbの二次巻線側の誘起電圧Vwobは、状態III,IV及びIの期間T1の間正の電圧となり、ダイオードDobを介して負荷Rに電流が流れる。また、状態IIの期間T2の間負の電圧となり、ダイオードDobにより電流は遮断される。
結果として、これらの動作は、降圧インバータを2相構成にしたものと同様であり、キャパシタCiに十分な容量を与えて直流電圧を作り出せば、各トランスの二次巻線側には図2に示すような矩形波電圧が誘導される。従って、これらの波形をダイオードDoa及びDobにより半波整流して重ね合わせれば、平滑用キャパシタCoがなくとも直流電圧Voを生成することができる。
なお、原理的には平滑用キャパシタCoは不要であるが、実際には、トランスの漏れインダクタンスや配線の寄生インダクタンスなどの影響により、負荷電流が急変した際に応答の遅れが生じる。この応答の遅れを補償するために、平滑キャパシタCoを設ける。しかし、トランスの漏れインダクタンスを十分に抑えれば、平滑用キャパシタを小容量化することが可能なため、低内部等価直列抵抗(低ESR)のセラミックコンデンサが利用可能となる。
なお、二相式絶縁形コンバータ100だけでは、(Vi−Vci)/nという電圧がトランスの二次巻線側に誘導されるが、起動時にはキャパシタCiには電荷は貯まっておらず、従ってキャパシタCiの両端の電圧Vci=0となる。そうすると、トランスの二次巻線側には、Vi/nという電圧が誘導されて、これに応じた電流が負荷Rに流れるため、大きな出力オーバーシュートを生ずるようになる。一方、キャパシタCiの両端の電圧Vci=Viであれば、(Vi−Vci)=0となり、トランスの二次巻線側は0Vとなる。本実施の形態では、電源投入時(起動時)に、制御部110のPWM112を動作させず、充放電コントローラ120を動作させる。充放電コントローラ120は、電源投入時には、キャパシタCiに入力直流電源Viから電荷を供給し、キャパシタCiの端子間電圧を上昇させる。
充放電コントローラ120の構成を図4に示す。充放電コントローラ120は、制御部121と、Vci検出回路122と、スイッチS1及びS2とを含む。スイッチS1の一端は、入力直流電源Viと接続されており、スイッチS1の他端は、キャパシタCiの一端(キャパシタCiとトランスTrsaの接続点)及びスイッチS2の一端に接続されている。スイッチS2の他端は接地されている(すなわち入力直流電源Viの負極側端子に接続されている)。制御部121は、Vci検出回路122と負荷Rの正極側端子(Vo)に接続されており、スイッチS1及びS2のオン及びオフのタイミングを制御する。Vci検出回路122は、キャパシタCiの一端(キャパシタCiとトランスTrsaの接続点)と接続されている。
電源投入時には、制御部121は、スイッチS1をオンにスイッチS2をオフに設定し、入力直流電源ViとキャパシタCiを接続し、キャパシタCiに電荷をチャージする。その際、Vci検出回路122は、キャパシタCiにおける電圧Vciを監視し、キャパシタCiの端子間電圧Vci=Viを検出すると、制御部121に信号を出力する。制御部121は、Vci検出回路121からの信号に応じて、スイッチS1をオフに設定し、PWM112に制御処理を開始させるように信号を出力する。
このようにすればトランスTrsa及びTrsbの一次巻線側の電圧は(Vi−Vci)=(Vi−Vi)=0Vとなるため、二次巻線側の電圧も0Vとなる。すなわち、出力電圧Voも0Vから立ち上がることとなる。
PWM112は、制御部121から信号を受信すると、直ぐに図2に示すような定常状態のスイッチング制御を行うのではなく、スイッチング素子S1a及びS1bのオンの期間(スイッチング素子S1aの場合には状態I,II及びIII、スイッチング素子S1bの場合には状態I,III及びIV)を長く設定し、スイッチング素子S2a及びS2bのオフの期間(スイッチング素子S2aの場合には状態IV、スイッチング素子S2bの場合には状態II)を長く設定する。そして、スイッチング素子S1a及びS1bのオンの期間及びスイッチング素子S2a及びS2bのオフの期間を徐々に短くすることによりキャパシタCiに蓄積された電荷を徐々に放出させる。これによりキャパシタCiの端子間電圧Vciを下げることができる。なお、このようなPWM112の制御は通常ソフトスタートを実行する際に行われるものであり、これ以上述べない。
また、制御部121は、負荷Rの正極側端子に接続されており、出力電圧Voを検出することができる。定常動作時においてはPWM112により出力電圧を制御するが、負荷急変による出力電圧Voの過渡的な変化を検出した場合には、制御部121は、スイッチS1をオンに設定してキャパシタCiに電荷をチャージするか、スイッチS2をオンにしてキャパシタCiの電荷を放出させる。上で述べたように、トランスの二次巻線側には、(Vi−Vci)/nという電圧が誘導されるため、キャパシタCiの端子間電圧Vciを充電すれば出力電圧Voを下げることができ、放電することにより出力電圧Voを挙げることができる。このように、負荷急変による出力電圧Voの過渡的な変化を検出した場合であっても、制御部121によるキャパシタCiの充放電により、PWM112を含むフィードバックループの遅れを補い、過渡応答特性の向上を図ることができる。
なお、トランスの二次巻線側には、ダイオードDoa及びDobが接続される例を示したが、ダイオードDoaの代わりにスイッチング素子S1aと同じようにスイッチングが制御されるスイッチング素子を、ダイオードDobの代わりにスイッチング素子S1bと同じようにスイッチングが制御されるスイッチング素子を用いることができる。
以上のような構成により、二相式絶縁形コンバータ100においてもソフトスタートが可能となり、さらに過渡応答特性の向上も実現できる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る回路図を図5に示す。二相式絶縁形コンバータ200は、入力直流電源Viと、MOSFETであるスイッチング素子S1a,S2a,S1b及びS2bと、一次巻線と二次巻線とが同極性となっているトランスTrsaとTrsbと、キャパシタCia及びCibと、整流素子であるダイオードDoa及びDobと、平滑用キャパシタCoと、負荷Rとを含む。
本発明の第2の実施の形態に係る回路図を図5に示す。二相式絶縁形コンバータ200は、入力直流電源Viと、MOSFETであるスイッチング素子S1a,S2a,S1b及びS2bと、一次巻線と二次巻線とが同極性となっているトランスTrsaとTrsbと、キャパシタCia及びCibと、整流素子であるダイオードDoa及びDobと、平滑用キャパシタCoと、負荷Rとを含む。
二相式絶縁形コンバータ200において、入力直流電源Viの正極側端子は、スイッチング素子S1aのドレインに接続されている。スイッチング素子S1aのソースは、スイッチング素子S2aのドレインとトランスTrsaの一次巻線の一端に接続されている。トランスTrsaの一次巻線の他端は、キャパシタCiaの一端に接続されている。キャパシタCiaの他端は、スイッチング素子S2aのソース及び入力直流電源Viの負極側端子に接続されている。
また、入力直流電源Viの正極側端子は、スイッチング素子S1bのドレインにも接続されている。スイッチング素子S1bのソースは、スイッチング素子S2bのドレインとトランスTrsbの一次巻線の一端に接続されている。トランスTrsbの一次巻線の他端は、キャパシタCibの一端に接続されている。キャパシタCibの他端は、スイッチング素子S2bのソース及び入力直流電源Viの負極側端子に接続されている。
トランスTrsaの二次巻線の一端は、ダイオードDoaのアノードに接続されている。ダイオードDoaのカソードは、負荷Rの正極側端子と平滑用キャパシタCoの一端とダイオードDobのカソードに接続されている。トランスTrsaの二次巻線の他端は、負荷Rの負極側端子と平滑用キャパシタCoの他端とに接続されている。トランスTrsbの二次巻線の一端は、ダイオードDobのアノードに接続されている。ダイオードDobのカソードは、負荷Rの正極側端子に接続されている。トランスTrsbの二次巻線の他端は、トランスTrsaの二次巻線の他端に接続されている。
制御部の構成は図1に示したものと同じであるからここでは省略している。充放電コントローラ220は、入力直流電源Viの正極側端子と、キャパシタCiaとトランスTrsaの一次巻線との接続点と、入力直流電源Viの負極側端子(グランド)と、キャパシタCibとトランスTrsbの一次巻線との接続点と、負荷Rの正極側端子と、PWM112とに接続されている。充放電コントローラ220の具体的回路構成は図4に示したものとほぼ同じであり、スイッチS1が、キャパシタCiではなく、キャパシタCia及びCibに接続されている点が異なる。
このように、スイッチング素子S1a及びS2aと、キャパシタCiaと、トランスTrsaと、ダイオードDoaとで構成された第1のインバータと、スイッチング素子S1b及びS2bと、キャパシタCibと、トランスTrsbと、ダイオードDobとで構成された第2のインバータとが並列して接続された構造となる。本実施の形態における二相式絶縁形コンバータ200は、スイッチング素子S1a及びS2aが交互に高周波スイッチングされ、これと180°の位相差で、スイッチング素子S1b及びS2bが交互に高周波スイッチングされる。この一連のスイッチング動作によって、二相式絶縁形コンバータ200の各部において、状態I乃至IVを有する、図2に示すような波形が繰り返し発生する。なお、キャパシタCia及びCibの端子間電圧VciaとVcibは同じであってVciとする。
状態Iでは、スイッチング素子S1a及びS1bがオンに、スイッチング素子S2a及びS2bがオフにセットされるので、図6(a)の一次巻線側の等価回路に示すように、トランスTrsaの一次巻線は入力直流電源Vi及びキャパシタCiaと接続され、さらに、トランスTrsbの一次巻線も入力直流電源Vi及びキャパシタCibと接続される。トランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、状態IではトランスTrsa及びTrsbの両方の二次巻線側に正の電圧が誘導される。従って、状態Iでは、入力電圧ViとキャパシタCiaの両端に生ずる電圧Vciaとに応じた電圧Vwoa(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsaの二次巻線側に誘導され、さらに入力電圧iとキャパシタCibの両端に生じる電圧Vcibとに応じた電圧Vwob(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsbの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDoa及びダイオードDobの順方向に電流が流れ、これらの電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。この状態Iは、キャパシタCia及びキャパシタCibの充電期間である。
状態IIでは、スイッチング素子S1a及びS2bがオンに、スイッチング素子S2a及びS1bがオフにセットされるので、図6(b)の一次巻線側の等価回路に示すように、トランスTrsaの一次巻線は入力直流電源Vi及びキャパシタCiaと接続され、さらに、トランスTrsbの一次巻線はキャパシタCibのみと接続される。トランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、状態IIではトランスTrsaの二次巻線側に正の電圧が、トランスTrsbの二次巻線側に負の電圧が誘導される。従って、状態IIでは、入力電圧ViとキャパシタCiaの両端に生ずる電圧Vciaとに応じた電圧Vwoa(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsaの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDoaの順方向に電流が流れ、この電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。一方、トランスTrsbの二次巻線側に誘導される電圧Vwob(=Vci/n)は逆であるため、ダイオードDobにより半波整流され、電流は流れない。この状態IIは、キャパシタCiaの充電期間であり、キャパシタCibの放電期間である。
状態IIIは、スイッチング素子S1a及びS1bがオンに、スイッチング素子S2a及びS2bがオフにセットされる。これは状態Iと同じであるから、説明を省略する。
状態IVでは、スイッチング素子S2a及びS1bがオンに、スイッチング素子S1a及びS2bがオフにセットされるので、図6(c)の一次巻線側の等価回路に示すように、トランスTrsaの一次巻線は、キャパシタCiaのみに接続され、トランスTrsbの一次巻線は、入力直流電源Vi及びキャパシタCibと接続される。トランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、状態IVではトランスTrsbの二次巻線側に正の電圧が、トランスTrsaの二次巻線側に負の電圧が誘導される。従って、状態IVでは、入力電圧ViとキャパシタCibの両端に生ずる電圧Vcibとに応じた電圧Vwob(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsbの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDobの順方向に電流が流れ、この電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。一方、トランスTrsaの二次巻線側に誘導される電圧Vwoa(=Vci/n)は逆であるため、ダイオードDoaにより半波整流され、電流は流れない。この状態IVは、キャパシタCiaの放電期間であり、キャパシタCibの充電期間である。
図2に示すように、トランスTrsaの二次巻線側の誘起電圧Vwoaは、状態I、II及びIIIの期間T1の間正の電圧となり、ダイオードDoaを介して負荷Rに電流が流れる。また、状態IVの期間T2の間負の電圧となり、ダイオードDoaにより電流は遮断される。一方、トランスTrsbの二次巻線側の誘起電圧Vwobは、状態I、III及びIVの期間T1の間正の電圧となり、ダイオードDobを介して負荷Rに電流が流れる。また、状態IIの期間T2の間負の電圧となり、ダイオードDobにより電流は遮断される。
結果として、これらの動作は、降圧インバータを2相構成にしたものと同様であり、キャパシタCia及びCibに十分な容量を与えて直流電圧を作り出せば、各トランスの二次巻線側には図2に示すような矩形波電圧が誘導される。従って、これらの波形をダイオードDoa及びDobにより半波整流して重ね合わせれば、平滑用キャパシタCoがなくとも直流電圧Voを生成することができる。
なお、二相式絶縁形コンバータ200においても、上で述べたように(Vi−Vci)/nという電圧がトランスの二次巻線側に誘導される。従って、本実施の形態でも、電源投入時に、制御部110のPWM112を動作させず、充放電コントローラ220を動作させる。充放電コントローラ220は、電源投入時には、キャパシタCia及びCibに入力直流電源Viから電荷を供給し、キャパシタCia及びCibの端子間電圧を上昇させる。
より具体的には、電源投入時に制御部121は、スイッチS1をオンにスイッチS2をオフに設定し、入力直流電源ViとキャパシタCia及びCibを接続し、キャパシタCia及びCibに電荷をチャージする。その際、Vci検出回路122は、キャパシタCia及びCibにおける電圧Vciを監視し、キャパシタCia及びCibの端子間電圧Vci=Viを検出すると、制御部121に信号を出力する。制御部121は、Vci検出回路122からの信号に応じて、スイッチS1をオフに設定し、PWM112に制御処理を開始させるように信号を出力する。
このようにすればトランスTrsa及びTrsbの一次巻線側の電圧は(Vi−Vci)=(Vi−Vi)=0Vとなるため、二次巻線側の電圧も0Vとなる。すなわち、出力電圧Voも0Vから立ち上がることとなる。
そしてPWM112は第1の実施の形態で述べたようにソフトスタート時のスイッチング制御を実施する。
負荷急変による出力電圧Voの過渡的な変化を検出した場合においても、上で述べたのと同様に、制御部121は、スイッチS1をオンに設定してキャパシタCia及びCibに電荷をチャージするか、スイッチS2をオンにしてキャパシタCia及びCibの電荷を放出させる。トランスの二次巻線側には(Vi−Vci)/nという電圧が誘導されるため、キャパシタCia及びCibの端子間電圧Vciを充電又は放電により調整することができる。
なお、トランスの二次巻線側には、ダイオードDoa及びDobが接続される例を示したが、ダイオードDoaの代わりにスイッチング素子S1aと同じようにスイッチングが制御されるスイッチング素子を、ダイオードDobの代わりにスイッチング素子S1bと同じようにスイッチングが制御されるスイッチング素子を用いることができる。
以上のような構成により、二相式絶縁形コンバータ200においてもソフトスタートが可能となり、さらに過渡応答特性の向上を図ることができる。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態に係る回路図を図7に示す。制御部については、本実施の形態でも構成は同じであるのでここでは省略している。なお第1の実施の形態において用いた素子に対応する素子については、同じ参照記号を用いている。二相式絶縁形コンバータ300は、入力直流電源Viと、MOSFETであるスイッチング素子S1a,S2a,S1b及びS2bと、一次巻線と二次巻線とが同極性になっているトランスTrsaとTrsbと、キャパシタCiと、整流素子であるダイオードDoa及びDobと、平滑用キャパシタCoと、負荷Rとを含む。なお、ここでも平滑用キャパシタCoを用いる例を示している。
本発明の第3の実施の形態に係る回路図を図7に示す。制御部については、本実施の形態でも構成は同じであるのでここでは省略している。なお第1の実施の形態において用いた素子に対応する素子については、同じ参照記号を用いている。二相式絶縁形コンバータ300は、入力直流電源Viと、MOSFETであるスイッチング素子S1a,S2a,S1b及びS2bと、一次巻線と二次巻線とが同極性になっているトランスTrsaとTrsbと、キャパシタCiと、整流素子であるダイオードDoa及びDobと、平滑用キャパシタCoと、負荷Rとを含む。なお、ここでも平滑用キャパシタCoを用いる例を示している。
二相式絶縁形コンバータ300において、入力直流電源Viの正極側端子は、スイッチング素子S2aのドレイン及びキャパシタCiの一端に接続されている。キャパシタCiの他端は、トランスTrsaの一次巻線の一端及びトランスTrsbの一次巻線の一端に接続されている。スイッチング素子S2aのソースは、スイッチング素子S1aのドレインとトランスTrsaの一次巻線の他端に接続されている。スイッチング素子S1aのソースは、入力直流電源Viの負極側端子に接続されている。
また、入力直流電源Viの正極側端子は、スイッチング素子S2bのドレインにも接続されている。スイッチング素子S2bのソースは、スイッチング素子S1bのドレインとトランスTrsbの一次巻線の他端に接続されている。スイッチング素子S1bのソースは、入力直流電源Viの負極側端子に接続されている。
トランスTrsaの二次巻線の一端は、ダイオードDoaのアノードに接続されている。ダイオードDoaのカソードは、負荷Rの正極側端子と平滑用キャパシタCoの一端とダイオードDobのカソードに接続されている。トランスTrsaの二次巻線の他端は、負荷Rの負極側端子と平滑用キャパシタCoの他端とに接続されている。トランスTrsbの二次巻線の一端は、ダイオードDobのアノードに接続されている。ダイオードDobのカソードは、負荷Rの正極側端子に接続されている。トランスTrsbの二次巻線の他端は、トランスTrsaの二次巻線の他端に接続されている。
充放電コントローラ320は、入力直流電源Viの正極側端子と、キャパシタCiとトランスTrsa及びTrsbの一次巻線との接続点と、入力直流電源Viの負極側端子(グランド)と、負荷Rの正極側端子と、PWM112とに接続されている。充放電コントローラ320の具体的回路構成は図4に示したものと同じである。
このように、本実施の形態の二相式絶縁形コンバータ300も2つのインバータによって構成される。本実施の形態においても、スイッチング素子S1a及びS2aが交互に高周波スイッチングされ、これと180°の位相差で、スイッチング素子S1b及びS2bが交互に高周波スイッチングされる。この一連のスイッチング動作によって、二相式絶縁形コンバータ300の各部において、状態I乃至IVを有する、図2に示すような波形の信号が繰り返し発生する。
状態Iでは、スイッチング素子S1a及びS1bがオンに、スイッチング素子S2a及びS2bがオフにセットされるので、図8(a)の一次巻線側の等価回路に示すように、トランスTrsaの一次巻線はキャパシタCi及び入力直流電源Viに直列に接続され、さらに、トランスTrsbの一次巻線もキャパシタCi及び入力直流電源Viに直列に接続される。そしてトランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、状態IではトランスTrsa及びTrsbの両方の二次巻線側に正の電圧が誘導される。従って、状態Iでは、入力電圧ViとキャパシタCiの両端に生ずる電圧Vciとに応じた電圧Vwoa(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsaの二次巻線側に誘導され、さらに入力電圧ViとキャパシタCiの両端に生ずる電圧Vciとに応じた電圧Vwob(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsbの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDoa及びダイオードDobの順方向に電流が流れ、これらの電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。この状態Iは、トランスTrsa及びTrsbの両方にとってキャパシタCiの充電期間である。
状態IIでは、スイッチング素子S1a及びS2bがオンに、スイッチング素子S2a及びS1bがオフにセットされるので、図8(b)の一次巻線側の等価回路に示すように、トランスTrsaの一次巻線は入力直流電源Vi及びキャパシタCiに直列に接続され、さらに、トランスTrsbの一次巻線はキャパシタCiと並列に接続される。トランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、状態IIではトランスTrsaの二次巻線側に正の電圧が、トランスTrsbの二次巻線側に負の電圧が誘導される。従って、状態IIでは、入力電圧ViとキャパシタCiの両端に生ずる電圧Vciとに応じた電圧Vwoa(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsaの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDoaの順方向に電流が流れ、この電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。一方、トランスTrsbの二次巻線側に誘導される電圧Vwob(=Vci/n)は逆であるため、ダイオードDobにより半波整流され、電流は流れない。この状態IIは、トランスTrsaにとってキャパシタCiの充電期間、トランスTrsbにとってキャパシタCiの放電期間である。
状態IIIでは、スイッチング素子S1a及びS1bがオンに、スイッチング素子S2a及びS2bがオフにセットされる。これは状態Iと同じであるから、説明を省略する。
状態IVでは、スイッチング素子S2a及びS1bがオンに、スイッチング素子S1a及びS2bがオフにセットされるので、図8(c)の一次巻線側の等価回路に示すように、トランスTrsaの一次巻線は、キャパシタCiに並列に接続され、トランスTrsbの一次巻線は入力直流電源Vi及びキャパシタCiに直列に接続される。トランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、状態IVではトランスTrsbの二次巻線側に正の電圧が、トランスTrsaの二次巻線側に負の電圧が誘導される。従って、状態IVでは、入力電圧ViとキャパシタCiの両端に生ずる電圧Vciとに応じた電圧Vwob(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsbの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDobの順方向に電流が流れ、この電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。一方、トランスTrsaの二次巻線側に誘導される電圧Vwoa(=Vci/n)は逆であるため、ダイオードDoaにより半波整流され、電流は流れない。この状態IVは、トランスTrsaにとってキャパシタCiの放電期間、トランスTrsbにとってキャパシタCiの充電期間である。
図2に示すように、トランスTrsaの二次巻線側の誘起電圧Vwoaは、状態I、II及びIIIの期間T1の間正の電圧となり、ダイオードDoaを介して負荷Rに電流が流れる。また、状態IVの期間T2の間負の電圧となり、ダイオードDoaにより電流は遮断される。一方、トランスTrsbの二次巻線側の誘起電圧Vwobは、状態I、III及びIVの期間T1の間正の電圧となり、ダイオードDobを介して負荷Rに電流が流れる。また、状態IIの期間T2の間負の電圧となり、ダイオードDobにより電流は遮断される。
結果として、これらの動作は、降圧インバータを2相構成にしたものと同様であり、キャパシタCiに十分な容量を与えて直流電圧を作り出せば、各トランスの二次巻線側には図2に示すような矩形波電圧が誘導される。従って、これらの波形をダイオードDoa及びDobにより半波整流して重ね合わせれば、平滑用キャパシタCoがなくとも直流電圧Voを生成することができる。
なお、二相式絶縁形コンバータ300においても、上で述べたように(Vi−Vci)/nという電圧がトランスの二次巻線側に誘導される。従って、本実施の形態でも、電源投入時に、制御部110のPWM112を動作させず、充放電コントローラ320を動作させる。充放電コントローラ320は、電源投入時には、キャパシタCiに入力直流電源Viから電荷を供給し、キャパシタCiの端子間電圧を上昇させる。
より具体的には、電源投入時に制御部121は、スイッチS1をオンにスイッチS2をオフに設定し、入力直流電源ViとキャパシタCiを接続し、キャパシタCiに電荷をチャージする。その際、Vci検出回路122は、キャパシタCiにおける電圧Vciを監視し、キャパシタCiの端子間電圧Vci=Viを検出すると、制御部121に信号を出力する。制御部121は、Vci検出回路122からの信号に応じて、スイッチS1をオフに設定し、PWM112に制御処理を開始させるように信号を出力する。
このようにすればトランスTrsa及びTrsbの一次巻線側の電圧は(Vi−Vci)=(Vi−Vi)=0Vとなるため、二次巻線側の電圧も0Vとなる。すなわち、出力電圧Voも0Vから立ち上がることとなる。
そしてPWM112は第1の実施の形態で述べたようにソフトスタート時のスイッチング制御を実施する。
負荷急変による出力電圧Voの過渡的な変化を検出した場合においても、上で述べたのと同様に、制御部121は、スイッチS1をオンに設定してキャパシタCiに電荷をチャージするか、スイッチS2をオンにしてキャパシタCiの電荷を放出させる。トランスの二次巻線側には(Vi−Vci)/nという電圧が誘導されるため、キャパシタCiの端子間電圧Vciを充電又は放電により調整することができる。
なお、トランスの二次巻線側には、ダイオードDoa及びDobが接続される例を示したが、ダイオードDoaの代わりにスイッチング素子S1aと同じようにスイッチングが制御されるスイッチング素子を、ダイオードDobの代わりにスイッチング素子S1bと同じようにスイッチングが制御されるスイッチング素子を用いることができる。
以上のような構成により、二相式絶縁形コンバータ300においてもソフトスタートが可能となり、さらに過渡応答特性の向上も図ることができる。
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態に係る回路図を図9に示す。制御部については、本実施の形態でも構成は同じであるのでここでは省略している。なお第2の実施の形態において用いた素子に対応する素子については、同じ参照記号を用いている。二相式絶縁形コンバータ400は、入力直流電源Viと、MOSFETであるスイッチング素子S1a,S2a,S1b及びS2bと、一次巻線と二次巻線とが同極性になっているトランスTrsaとTrsbと、キャパシタCia及びCibと、整流素子であるダイオードDoa及びDobと、平滑用キャパシタCoと、負荷Rとを含む。
本発明の第4の実施の形態に係る回路図を図9に示す。制御部については、本実施の形態でも構成は同じであるのでここでは省略している。なお第2の実施の形態において用いた素子に対応する素子については、同じ参照記号を用いている。二相式絶縁形コンバータ400は、入力直流電源Viと、MOSFETであるスイッチング素子S1a,S2a,S1b及びS2bと、一次巻線と二次巻線とが同極性になっているトランスTrsaとTrsbと、キャパシタCia及びCibと、整流素子であるダイオードDoa及びDobと、平滑用キャパシタCoと、負荷Rとを含む。
二相式絶縁形コンバータ400において、入力直流電源Viの正極側端子は、スイッチング素子S2aのドレイン及びキャパシタCiaの一端に接続されている。キャパシタCiaの他端は、トランスTrsaの一次巻線の一端に接続されている。スイッチング素子S2aのソースは、スイッチング素子S1aのドレインとトランスTrsaの一次巻線の他端に接続されている。スイッチング素子S1aのソースは、入力直流電源Viの負極側端子に接続されている。
また、入力直流電源Viの正極側端子は、スイッチング素子S2bのドレイン及びキャパシタCibの一端にも接続されている。キャパシタCibの他端は、トランスTrsbの一次巻線の一端に接続されている。スイッチング素子S2bのソースは、スイッチング素子S1bのドレインとトランスTrsbの一次巻線の他端に接続されている。スイッチング素子S1bのソースは、入力直流電源Viの負極側端子に接続されている。
トランスTrsaの二次巻線の一端は、ダイオードDoaのアノードに接続されている。ダイオードDoaのカソードは、負荷Rの正極側端子と平滑用キャパシタCoの一端とダイオードDobのカソードに接続されている。トランスTrsaの二次巻線の他端は、負荷Rの負極側端子と平滑用キャパシタCoの他端とに接続されている。トランスTrsbの二次巻線の一端は、ダイオードDobのアノードに接続されている。ダイオードDobのカソードは、負荷Rの正極側端子に接続されている。トランスTrsbの二次巻線の他端は、トランスTrsaの二次巻線の他端に接続されている。
充放電コントローラ420は、入力直流電源Viの正極側端子と、キャパシタCiaとトランスTrsaの一次巻線との接続点と、入力直流電源Viの負極側端子(グランド)と、キャパシタCibとトランスTrsbの一次巻線との接続点と、負荷Rの正極側端子と、PWM112とに接続されている。充放電コントローラ420の具体的回路構成は図4に示したものとほぼ同じであり、スイッチS1が、キャパシタCiではなく、キャパシタCia及びCibに接続されている点が異なる。
このように、本実施の形態の二相式絶縁形コンバータ400も2つのインバータによって構成される。本実施の形態においても、スイッチング素子S1a及びS2aが交互に高周波スイッチングされ、これと180°の位相差で、スイッチング素子S1b及びS2bが交互に高周波スイッチングされる。この一連のスイッチング動作によって、二相式絶縁形コンバータ400の各部において、状態I乃至IVを有する、図2に示すような波形の信号が繰り返し発生する。
状態Iでは、スイッチング素子S1a及びS1bがオンに、スイッチング素子S2a及びS2bがオフにセットされるので、図10(a)の一次巻線側の等価回路に示すように、トランスTrsaの一次巻線は入力直流電源Vi及びキャパシタCiaと直列に接続され、さらに、トランスTrsbの一次巻線も入力直流電源Vi及びキャパシタCibと直列に接続される。そしてトランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、状態IではトランスTrsa及びTrsbの両方の二次巻線側に正の電圧が誘導される。従って、状態Iでは、入力電圧ViとキャパシタCiaの両端に生ずる電圧Vciaとに応じた電圧Vwoa(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsaの二次巻線側に誘導され、さらに入力電圧ViとキャパシタCibの両端に生ずる電圧Vcibとに応じた電圧Vwob(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsbの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDoa及びダイオードDobの順方向に電流が流れ、これらの電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。この状態Iは、キャパシタCia及びCibの充電期間である。
状態IIでは、スイッチング素子S1a及びS2bがオンに、スイッチング素子S2a及びS1bがオフにセットされるので、図10(b)の一次巻線側の等価回路に示すように、トランスTrsaの一次巻線は入力直流電源Vi及びキャパシタCiaと直列に接続され、さらに、トランスTrsbの一次巻線はキャパシタCibと並列に接続される。トランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、状態IIではトランスTrsaの二次巻線側に正の電圧が、トランスTrsbの二次巻線側に負の電圧が誘導される。従って、状態IIでは、入力電圧ViとキャパシタCiaの両端に生ずる電圧Vciaとに応じた電圧Vwoa(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsaの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDoaの順方向に電流が流れ、この電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。一方、トランスTrsbの二次巻線側に誘導される電圧Vwob(=Vci/n)は逆であるため、ダイオードDobにより半波整流され、電流は流れない。この状態IIは、キャパシタCibの放電期間、キャパシタCiaの充電期間である。
状態IIIでは、スイッチング素子S1a及びS1bがオンに、スイッチング素子S2a及びS2bがオフにセットされる。これは状態Iと同じであるから、説明を省略する。
状態IVでは、スイッチング素子S2a及びS1bがオンに、スイッチング素子S1a及びS2bがオフにセットされるので、図10(c)の一次巻線側の等価回路に示すように、トランスTrsaの一次巻線は、キャパシタCiaに並列に接続され、トランスTrsbの一次巻線は入力直流電源Vi及びキャパシタCibと直列に接続される。トランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、状態IVではトランスTrsbの二次巻線側に正の電圧が、トランスTrsaの二次巻線側に負の電圧が誘導される。従って、状態IVでは、入力電圧ViとキャパシタCibの両端に生ずる電圧Vcibとに応じた電圧Vwob(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsbの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDobの順方向に電流が流れ、この電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。一方、トランスTrsaの二次巻線側に誘導される電圧Vwoa(=Vci/n)は逆であるため、ダイオードDoaにより半波整流され、電流は流れない。この状態IVは、キャパシタCiaの放電期間、キャパシタCibの充電期間である。
図2に示すように、トランスTrsaの二次巻線側の誘起電圧Vwoaは、状態I、II及びIIIの期間T1の間正の電圧となり、ダイオードDoaを介して負荷Rに電流が流れる。また、状態IVの期間T2の間負の電圧となり、ダイオードDoaにより電流は遮断される。一方、トランスTrsbの二次巻線側の誘起電圧Vwobは、状態I、III及びIVの期間T1の間正の電圧となり、ダイオードDobを介して負荷Rに電流が流れる。また、状態IIの期間T2の間負の電圧となり、ダイオードDobにより電流は遮断される。
結果として、これらの動作は、降圧インバータを2相構成にしたものと同様であり、キャパシタCia及びCibに十分な容量を与えて直流電圧を作り出せば、各トランスの二次巻線側には図2に示すような矩形波電圧が誘導される。従って、これらの波形をダイオードDoa及びDobにより半波整流して重ね合わせれば、平滑用キャパシタCoがなくとも直流電圧Voを生成することができる。
なお、二相式絶縁形コンバータ400においても、上で述べたように(Vi−Vci)/nという電圧がトランスの二次巻線側に誘導される。従って、本実施の形態でも、電源投入時に、制御部110のPWM112を動作させず、充放電コントローラ420を動作させる。充放電コントローラ420は、電源投入時には、キャパシタCia及びCibに入力直流電源Viから電荷を供給し、キャパシタCia及びCibの端子間電圧を上昇させる。
より具体的には、電源投入時に制御部121は、スイッチS1をオンにスイッチS2をオフに設定し、入力直流電源ViとキャパシタCia及びCibを接続し、キャパシタCia及びCibに電荷をチャージする。その際、Vci検出回路122は、キャパシタCia及びCibにおける電圧Vciを監視し、キャパシタCia及びCibの端子間電圧Vci=Viを検出すると、制御部121に信号を出力する。制御部121は、Vci検出回路122からの信号に応じて、スイッチS1をオフに設定し、PWM112に制御処理を開始させるように信号を出力する。
このようにすればトランスTrsa及びTrsbの一次巻線側の電圧は(Vi−Vci)=(Vi−Vi)=0Vとなるため、二次巻線側の電圧も0Vとなる。すなわち、出力電圧Voも0Vから立ち上がることとなる。
そしてPWM112は第1の実施の形態で述べたようにソフトスタート時のスイッチング制御を実施する。
負荷急変による出力電圧Voの過渡的な変化を検出した場合においても、上で述べたのと同様に、制御部121は、スイッチS1をオンに設定してキャパシタCia及びCibに電荷をチャージするか、スイッチS2をオンにしてキャパシタCia及びCibの電荷を放出させる。トランスの二次巻線側には(Vi−Vci)/nという電圧が誘導されるため、キャパシタCia及びCibの端子間電圧Vciを充電又は放電により調整することができる。
なお、トランスの二次巻線側には、ダイオードDoa及びDobが接続される例を示したが、ダイオードDoaの代わりにスイッチング素子S1aと同じようにスイッチングが制御されるスイッチング素子を、ダイオードDobの代わりにスイッチング素子S1bと同じようにスイッチングが制御されるスイッチング素子を用いることができる。
以上のような構成により、二相式絶縁形コンバータ400においてもソフトスタートが可能となり、さらに過渡応答特性の向上も図ることができる。
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態に係る回路図を図11に示す。本実施の形態に係る二相式絶縁形コンバータ500は、入力直流電源Viと、MOSFETであるスイッチング素子Sim,Sia,Sibと、一次巻線と二次巻線との極性が同じになっているトランスTrsaとTrsbと、キャパシタCia及びキャパシタCibと、整流素子であるダイオードDoa及びDobと、平滑用キャパシタCoと、負荷Rとを含む。このように本実施の形態では、スイッチング素子が3つしか用いられていない。
本発明の第5の実施の形態に係る回路図を図11に示す。本実施の形態に係る二相式絶縁形コンバータ500は、入力直流電源Viと、MOSFETであるスイッチング素子Sim,Sia,Sibと、一次巻線と二次巻線との極性が同じになっているトランスTrsaとTrsbと、キャパシタCia及びキャパシタCibと、整流素子であるダイオードDoa及びDobと、平滑用キャパシタCoと、負荷Rとを含む。このように本実施の形態では、スイッチング素子が3つしか用いられていない。
二相式絶縁形コンバータ500において、入力直流電源Viの正極側端子は、スイッチング素子SibのドレインとキャパシタCiaの一端に接続されている。キャパシタCiaの他端は、トランスTrsaの一次巻線の一端に接続されている。トランスTrsaの一次巻線の他端は、スイッチング素子Siaのドレインとスイッチング素子Simのソースに接続されている。スイッチング素子Sibのソースは、スイッチング素子SimのドレインとトランスTrsbの一次巻線の一端に接続されている。トランスTrsbの一次巻線の他端は、キャパシタCibの一端に接続されている。入力直流電源Viの負極側端子は、スイッチング素子SiaのソースとキャパシタCibの他端に接続されている。
トランスTrsaの二次巻線の一端は、ダイオードDoaのアノードに接続されている。ダイオードDoaのカソードは、負荷Rの正極側端子と平滑用キャパシタCoの一端とダイオードDobのカソードに接続されている。トランスTrsaの二次巻線の他端は、負荷Rの負極側端子と平滑用キャパシタCoの他端とに接続されている。トランスTrsbの二次巻線の一端は、ダイオードDobのアノードに接続されている。ダイオードDobのカソードは、負荷Rの正極側端子に接続されている。トランスTrsbの二次巻線の他端は、トランスTrsaの二次巻線の他端に接続されている。
制御部510の比較器511の第1の入力端子には負荷Rの出力電圧Voが入力され、第2の入力端子には基準電圧Vrefが入力されている。基準電圧Vrefと出力電圧Voとの差に基づく比較器511の出力はPWM512に入力されており、PWM512の第1の出力はスイッチング素子Siaのゲートに、第2の出力はスイッチング素子Sibのゲートに出力される。なお、第1の出力と第2の出力はNAND回路513に入力され、NAND回路513の出力はスイッチング素子Simのゲートに出力される。
充放電コントローラ520は、入力直流電源Viの正極側端子と、キャパシタCiaとトランスTrsaの一次巻線との接続点と、入力直流電源Viの負極側端子(グランド)と、キャパシタCibとトランスTrsbの一次巻線との接続点と、負荷Rの正極側端子と、PWM512とに接続されている。充放電コントローラ520の具体的回路構成は図4に示したものとほぼ同じであり、スイッチS1が、キャパシタCiではなく、キャパシタCia及びCibに接続されている点と、PWM112ではなくPWM512に接続される点が異なる。
図12に図11に示した二相式絶縁形コンバータ500の各部の電圧波形を示す。ここで、スイッチング素子Siaのドレイン・ソース間の電圧をVsia、スイッチング素子Sibのドレイン・ソース間の電圧をVsib、スイッチング素子Simのドレイン・ソース間の電圧をVsim、キャパシタCia及びCibの両端に生じる電圧をVci、トランスTrsaの二次巻線側に誘導される電圧をVwoa、トランスTrsbの二次巻線側に誘導される電圧をVwob、負荷Rの出力電圧をVoとする。なお、電圧Via,Vib及びVsimについては、オンとオフを入れ替えれば、各スイッチング素子のゲートに印加される電圧となる。
状態Iでは、スイッチング素子Sia及びスイッチング素子Sibはオンとなり、スイッチング素子Simはオフとなる。従って、図13(a)に示す一次巻線側の等価回路のように、入力直流電源ViとキャパシタCiaがトランスTrsaに、入力直流電源ViとキャパシタCibがトランスTrsbに接続される。トランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、図示していないが、状態Iでは二次巻線側に正の電圧が誘導される。電圧値などについては後に詳述する。従って、状態Iでは、入力直流電圧Vi及びキャパシタCiaの電圧Vci(=Vcia=Vcibとする)に応じた電圧Vwoa(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsaの二次巻線側に誘導され、さらに入力直流電圧Vi及びキャパシタCibの電圧Vciに応じた電圧Vwob(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsbの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDoa及びダイオードDobの順方向に電流が流れ、これらの電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。この状態Iは、キャパシタCia及びCibの充電期間である。
状態IIでは、スイッチング素子Siaはオン、スイッチング素子Sibはオフ、スイッチング素子Simはオンとなる。従って、図13(b)に示す一次巻線側の等価回路のように、入力直流電源ViとキャパシタCiaはトランスTrsaに接続され、キャパシタCibはトランスTrsbに接続される。トランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、図示していないが、状態IIではトランスTrsaの二次巻線側には正の電圧が誘導され、トランスTrsbの二次巻線側には負の電圧が誘導される。電圧値などについては後に詳述する。従って、状態IIでは、入力直流電圧Vi及びキャパシタCiaの電圧Vciに応じた電圧Vwoa(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsaの二次巻線側に誘導され、さらにキャパシタCibの電圧Vciに応じた電圧Vwob(=Vci/n)がトランスTrsbの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDoaの順方向に電流が流れ、この電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。一方、トランスTrsbの二次巻線側に誘導される電圧は逆であるため、ダイオードDobにより半波整流され、電流は流れない。この状態IIは、キャパシタCiaの充電期間、キャパシタCibの放電期間である。
状態IIIでは、スイッチング素子Sia及びスイッチング素子Sibはオンとなり、スイッチング素子Simはオフとなる。これは状態Iと同じであるから、説明を省略する。
状態IVでは、スイッチング素子Siaはオフとなり、スイッチング素子Sim及びスイッチング素子Sibはオンとなる。従って、図13(c)に示す一次巻線側の等価回路のように、キャパシタCiaはトランスTrsaに接続され、入力直流電源ViとキャパシタCibはトランスTrsbに接続される。トランスTrsa及びトランスTrsbは、一次巻線と二次巻線が同極性となっているため、図示していないが、状態IVではトランスTrsaの二次巻線側には負の電圧が誘導され、トランスTrsbの二次巻線側には正の電圧が誘導される。電圧値などについては後に詳述する。従って、状態IVでは、キャパシタCiaの電圧Vciに応じた電圧Vwoa(=Vci/n)がトランスTrsaの二次巻線側に誘導され、さらに入力直流電圧Vi及びキャパシタCibの電圧Vciに応じた電圧Vwob(=(Vi−Vci)/n)がトランスTrsbの二次巻線側に誘導される。この場合には、ダイオードDobの順方向に電流が流れ、この電流にて負荷Rに出力電圧Voが生成される。一方、トランスTrsaの二次巻線側に誘導される電圧は逆であるため、ダイオードDoaにより半波整流され、電流は流れない。この状態IVは、キャパシタCiaの放電期間、キャパシタCibの充電期間である。
図12に示すように、トランスTrsaの二次巻線側の誘起電圧Vwoaは、状態I,II及びIIIの期間T1の間正の電圧となり、ダイオードDoaを介して負荷Rに電流が流れる。また、状態IVの期間T2の間負の電圧となり、ダイオードDoaにより電流は遮断される。一方、トランスTrsbの二次巻線側の誘起電圧Vwobは、状態III,IV及びIの期間T1の間正の電圧となり、ダイオードDobを介して負荷Rに電流が流れる。また、状態IIの期間T2の間負の電圧となり、ダイオードDobにより電流は遮断される。このようにスイッチング素子が3つであっても、4つの場合と同様の状態遷移が実現できる。
このようにキャパシタCia及びキャパシタCibに十分な容量を与えて直流電圧を作り出せば、各トランスの二次巻線側には図12に示すような矩形波電圧が誘導される。従って、これらの波形をダイオードDoa及びDobにより半波整流して重ね合わせれば、平滑用キャパシタCoがなくとも直流電圧Voを生成することができる。但し、実際の回路において平滑用キャパシタCoを設ける理由は、第1の実施の形態と同じである。
なお、二相式絶縁形コンバータ500においても、上で述べたように(Vi−Vci)/nという電圧がトランスの二次巻線側に誘導される。従って、本実施の形態でも、電源投入時に、制御部510のPWM512を動作させず、充放電コントローラ520を動作させる。充放電コントローラ520は、電源投入時には、キャパシタCia及びCibに入力直流電源Viから電荷を供給し、キャパシタCia及びCibの端子間電圧を上昇させる。
より具体的には、電源投入時に制御部121は、スイッチS1をオンにスイッチS2をオフに設定し、入力直流電源ViとキャパシタCia及びCibを接続し、キャパシタCia及びCibに電荷をチャージする。その際、Vci検出回路122は、キャパシタCia及びCibにおける電圧Vciを監視し、キャパシタCia及びCibの端子間電圧Vci=Viを検出すると、制御部121に信号を出力する。制御部121は、Vci検出回路122からの信号に応じて、スイッチS1をオフに設定し、PWM512に制御処理を開始させるように信号を出力する。
このようにすればトランスTrsa及びTrsbの一次巻線側の電圧は(Vi−Vci)=(Vi−Vi)=0Vとなるため、二次巻線側の電圧も0Vとなる。すなわち、出力電圧Voも0Vから立ち上がることとなる。
そしてPWM512は第1の実施の形態で述べたように通常のソフトスタート時のスイッチング制御を実施する。
負荷急変による出力電圧Voの過渡的な変化を検出した場合においても、上で述べたのと同様に、制御部121は、スイッチS1をオンに設定してキャパシタCia及びCibに電荷をチャージするか、スイッチS2をオンにしてキャパシタCia及びCibの電荷を放出させる。トランスの二次巻線側には(Vi−Vci)/nという電圧が誘導されるため、キャパシタCia及びCibの端子間電圧Vciを充電又は放電により調整することができる。
なお、トランスの二次巻線側には、ダイオードDoa及びDobが接続される例を示したが、ダイオードDoaの代わりにスイッチング素子Siaと同じようにスイッチングが制御されるスイッチング素子を、ダイオードDobの代わりにスイッチング素子Sibと同じようにスイッチングが制御されるスイッチング素子を用いることができる。
以上のような構成により、二相式絶縁形コンバータ500においてもソフトスタートが可能となり、さらに過渡応答特性の向上も図ることができる。
以上本発明の実施の形態を述べたが、回路は様々に変形可能であって、二相式絶縁形コンバータに、上で述べたような起動時の問題が生ずる場合には、上で述べたような充放電コントローラを設けることにより、ソフトスタートが可能となる。さらに、負荷急変時などにおける過渡応答特性を向上させることができる。
Vi 入力直流電源 Sim,Sia,Sib,S1a,S2a,S1b,S2b スイッチング素子
Ci キャパシタ Trsa,Trsb トランス Doa,Dob ダイオード
Co 平滑用キャパシタ R 負荷
100,200,300,400,500 二相式絶縁形コンバータ
110,510 制御部
120,220,320,420,520 充放電コントローラ
121 制御部 122 Vci検出回路
Ci キャパシタ Trsa,Trsb トランス Doa,Dob ダイオード
Co 平滑用キャパシタ R 負荷
100,200,300,400,500 二相式絶縁形コンバータ
110,510 制御部
120,220,320,420,520 充放電コントローラ
121 制御部 122 Vci検出回路
Claims (6)
- 第1及び第2のトランスと、
前記第1及び第2のトランスの一次巻線側に接続される蓄電部と、
前記第1及び第2のトランスの一次巻線側に接続されるスイッチング部と、
前記スイッチング部のスイッチングを制御して、前記第1及び第2のトランスの各々に対する前記蓄電部の充電期間と放電期間とを切り替えながら、前記第1のトランスの二次巻線側と前記第2のトランスの二次巻線側とに位相が反転した矩形波電圧を誘導させる制御部と、
前記第1及び第2のトランスの二次巻線側に接続され、前記第1及び第2のトランスの二次巻線側に誘導された前記矩形波電圧を半波整流して負荷に重ねて出力させる整流部と、
前記蓄電部に接続され、起動時に前記第1及び第2のトランスの二次巻線側に誘導される電圧を定常状態の電圧より抑えるように前記蓄電部に電荷をチャージするチャージ制御部と、
を有する電源装置。 - 前記チャージ制御部が、前記負荷における出力電圧の変化を検出し、前記蓄電部の充電又は放電を行わせる回路を有する請求項1記載の電源装置。
- 前記チャージ制御部が、
前記起動時に前記第1及び第2のトランスの二次巻線側に誘導される電圧がゼロになるように前記蓄電部に電荷をチャージする
ことを特徴とする請求項1記載の電源装置。 - 前記制御部が、
前記チャージ制御部による前記蓄電部に対する電荷のチャージ後に、前記第1及び第2のトランスの各々に対する前記蓄電部の放電期間を定常状態の長さより短くなるように前記スイッチング部のスイッチングを制御し、
前記定常状態移行時までに前記蓄電部の前記放電期間を前記定常状態の長さまで長くする
ことを特徴とする請求項1記載の電源装置。 - 前記第1及び第2のトランスの各々に対する前記蓄電部の充電期間において前記第1又は第2のトランスの二次巻線側に誘導される電圧による電流が負荷に出力されることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
- 前記第1及び第2のトランスの各々に対する前記蓄電部の放電期間において前記第1又は前記第2のトランスの二次巻線側に誘導される電圧が前記整流部により遮断されることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004116030A JP2005304165A (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | 電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004116030A JP2005304165A (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | 電源装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005304165A true JP2005304165A (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=35335051
Family Applications (1)
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JP2004116030A Withdrawn JP2005304165A (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | 電源装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005304165A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009005505A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Sanken Electric Co Ltd | 共振型スイッチング電源装置 |
JP2010246183A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Denso Corp | 電源装置 |
-
2004
- 2004-04-09 JP JP2004116030A patent/JP2005304165A/ja not_active Withdrawn
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