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JP2005301156A - マスク欠陥検査方法、マスク欠陥検査装置、並びにマスク検査基準作成方法 - Google Patents

マスク欠陥検査方法、マスク欠陥検査装置、並びにマスク検査基準作成方法 Download PDF

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JP2005301156A JP2004120779A JP2004120779A JP2005301156A JP 2005301156 A JP2005301156 A JP 2005301156A JP 2004120779 A JP2004120779 A JP 2004120779A JP 2004120779 A JP2004120779 A JP 2004120779A JP 2005301156 A JP2005301156 A JP 2005301156A
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Abstract

【課題】 露光用マスクの欠陥検査において、欠陥検査を装置内で自動化し、欠陥検査の高精度化並びに高速化を可能にする。
【解決手段】 検出された欠陥パターン像と、参照パターン像と、欠陥パターン像及び参照パターン像に対応するそれぞれの検査データ像を取得し、欠陥パターン像と、参照パターン像との欠陥寸法差及びパターン面積差を、予め設定した閾値と比較してパターン変形欠陥を抽出し、ぞれぞれのパターン像の重心を算出し、欠陥パターン像とこれに対応する検査データ像の重心を結ぶ第1のベクトルの大きさと、参照パターン像とこれに対応する検査データ像の重心を結ぶ第2のベクトルの大きさと、第1と第2のベクトルとのなす角度とを抽出し、予め設定した閾値と比較して、パターン位置ずれ欠陥を抽出し、パターン変形欠陥と前記パターン位置ずれ欠陥の転写性に対する影響の有無を自動的に判断する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、微細パターンの半導体装置の製造に用いる露光用マスクの欠陥を検査するマスク欠陥検査方法、この検査方法の実施に用いるマスク欠陥検査装置、並びにマスク欠陥の判定基準を作成するためのマスク検査基準作成方法に関する。
近年、LSI(大規模半導体集積回路)の回路パターンの微細化、高集積化に伴い、パターン形成方法として従来の光を用いたパターン形成手段以外の方法が提案されている。この中でも、露光光にX線を用いるX線リソグラフィや、電子線を用いるEPL(Electron beam projection lithogrphy)、LEEPL(Low energy elctron beam proximity projection lithography)等の技術は、次世代のパターン形成方法として、注目されている。この理由の一つには、従来の露光方式に比べ、微細なパターンが形成可能であることが挙げられる。なぜなら、一般にパターンの解像度は露光波長に比例するが、上記EPL、LEEPLなどの露光方式で使用する露光光の波長はいずれも、ArF等の従来用いられている露光装置に比べ短波長であることから、より微細なパターン形成が可能なためである。
これらの電子線を用いるパターン形成方法は、いずれもメンブレン構造を有する露光用マスクを使用するという共通点を持つ。しかしながら、これら露光用マスクにおけるメンブレン膜厚は、一般に数10μm以下の薄膜で構成されており、パターンが開口部によって形成されているステンシル方式のものと、パターン部以外の部分が露光光の吸収体で構成された散乱方式のものとの、2方式がある。
露光用マスク内に配置されたパターンに関しては、露光後のパターンに致命的な影響を与えるような欠陥がないことが望まれる。このため、露光用マスクのパターンに関しては、マスク内の全てのパターンの検査を行うことが一般的である。これは、前述したようなメンブレン構造を有する露光用マスクについても当てはまる。このようなマスクパターンの欠陥検査を実現する方法の一例として、図10に、メンブレンを梁で保持したステンシル方式の露光用マスクの欠陥検査に用いられる透過電子型欠陥検査装置の例を示す。
先に、図11を用いて欠陥検査されるステンシル方式の露光用マスクの概略構成を説明する。このステンシル方式の露光マスク1は、例えば、シリコン薄膜によるメンブレン層2に所要のパターンの開口部、本例では多層配線間を接続するための複数の接続用開口に対応した複数の開口部3を形成し、そのメンブレン層2の下面の開口部3の周辺部に例えばシリコン膜による補強用の梁5を形成し、さらにメンブレン層2のマスクパターンの領域6を除く周囲部に厚さの大きい例えばシリコン基板7を形成して構成される。メンブレン層2は、シリコン薄膜の他、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭化物、ダイヤモンド(例えば多結晶ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボンなど)、その他所要の材料の薄膜で形成することができる。
そして、透過電子線検出型欠陥検査装置11は、図10に示すように、主に真空チャンバー12内に、欠陥検査されるべき露光マスク1を載置するマスク積載ステージ13が配置されると共に、マスク積載ステージ13を挟んで上側に電子銃14と電子光学系15が配置され、下側に電子光学系16及び受光検出器17が配置されて成り、さらに、受光検出器17に接続された信号処理装置18と、電子銃14、電子光学系15、16の制御、さらにマスク積載ステージ13を電子銃14からの電子走査に同期して移動制御するための制御装置19を備えて構成される。
この透過電子線検出型欠陥検査装置11では、電子銃14から出射された電子が、電子光学系15により制御され、検査すべき露光用マスク1へ到達する。露光用マスク1にはマスクパターンである開口部3が形成されているので、露光用マスク1へ到達した電子の一部は、開口部3を透過する。開口部3を透過した電子は、電子光学系16により制御を受けた後、受光検出器17へ到達し検出される。受光検出器17に到達した電子は、露光用マスク1のマスクパターン、すなわち各開口部3を透過したものだけであるため、受光検出器17での電子強度の空間分布から、各開口部3の透過電子像が形成される。このようにして得られた透過電子像と、露光用マスク1上に配置されている各開口部3からなるマスクパターンのマスク描画データ像(以下、データ像という)とを比較する。露光用マスク1のマスクパターン(各開口部3)に欠陥がなければ、透過電子像ならびに、データ像は一致するはずである。しかし、露光用マスク1のマスクパターン(各開口部3)に欠陥がある場合、透過電子像とデータ像の両者は異なる。この透過電子像とデータ像の差異を信号処理装置18で検出することにより、露光用マスク1上の全てのマスクパターン、すなわち全ての開口部3についての欠陥の有無を検出する。
以上は、マスク描画データと実際のマスクパターンを比較する、いわゆるデータベース比較検査の例である。他の検査方式の例としては、露光用マスク内のマスクパターンをセル単位(単位セルのパターンが繰り返し形成されているとき)で比較するセル比較検査や、露光用マスク1内のマスクパターンをダイ毎(複数のチップに対応したパターンが形成されているときのチップ毎)に比較する、ダイ比較方式の検査装置が存在する。
非特許文献1には、上述の透過電子線を用いたEPL用ステンシルマスクの欠陥検査装置の例が記載されている。
J.Yamamoto et al.,Proc.SPIE5037,531(2003)
近年の回路パターンの微細化に伴い、露光用マスクのパターン欠陥検査に要する時間が長大化している。これは、パターンサイズの縮小に伴う、致命欠陥サイズの縮小に起因する。すなわち、より微細な欠陥を検出する都合上、検査装置の検査画素サイズも従来に比して縮小せざるを得なくなり、その結果、1回の検査動作によって検査可能な領域が縮小してしまう。このことが、検査時間の長大化の要因であり、1枚の露光用マスクの検査に数時間を要することも珍しくなくなってきている。
これは、前述した梁付きメンブレンを有するステンシルマスクにおける欠陥検査に対しても同様である。例えば、上記の非特許文献1によると、先に示した透過電子線を用いたEPL用ステンシルマスク欠陥検査装置に関し、50nmといった微細な欠陥を検出できる能力を持つ一方で、4時間程度の検査時間を要すると報告されている。
ところで、露光用マスクの欠陥検査に関しては、検出した欠陥が転写性に影響を与える欠陥であるか否かを見極める作業(以下、レビューという)が必要である。レビューには2通りの目的がある。一方は検査後に欠陥が検出された露光用マスクが使用可能であるか否かを判断するため、他方は検出された欠陥の分類である。これらは、専用レビュー装置もしくは、検査装置内で取得した欠陥像について、オペレータによるマニュアル作業を行っている。したがって、オペレータ間で判定に差が生じやすく、誤差の一因となっていた。このような誤差が生じた場合、露光用マスクの歩留りに影響を及ぼすことがあった。なぜなら、本来使用可能であるにもかかわらず、前述の誤差のため、使用不可と判定される可能性があるためである。また、欠陥の分類に関しても前述の誤差によって正確な分類が行えず、本来欠陥とすべき種類に欠陥を見逃すおそれがあった。
レビューをオペレータによるマニュアル作業で行う場合の他の問題点としては、検査時間の肥大化ということが挙げられる。すなわち、検査そのものが終了しても、レビューを経て露光用マスクが使用可能であるか否かの判断が下されるまでは、実質的には検査が完了したとは言えないからである。
また、レビューそのものに関する問題点としては、転写性に影響を与えるか否かの判断基準をどの様に設定するか、という問題がある。従来は、予め露光用マスク上のパターンに欠陥を配置した、いわゆる設計欠陥パターンをレジスト層に転写し、転写後のレジストパターンの寸法変動が予め設定した水準を越えた場合、転写性に影響があるとしていた。しかし、このような手法を採用した場合、感度設定が過剰もしくは不足になる虞れがあった。なぜなら、上記手法では、レジストパターンの断面形状を一切考慮していないため、レジストパターン加工後の寸法が、レジストパターンと一致しない可能性があるためである。
例えば、転写後の欠陥部におけるレジスト断面形状について説明する。図9A、Bに示すように、ウェハ(例えば表面に絶縁膜が形成された半導体ウェハ)21上に露光用マスクを用いて露光、現像して形成したレジスト層22の断面形状が、上部開口幅aが狭く、下部開口幅bが広い、いわゆる逆テーパ形状の場合(図9A参照)、レジスト加工後の寸法、すなわちウェハ21に加工された開口幅cはレジスト層22の上部開口幅aと一致せず、むしろ、下部開口幅bと一致するにも関わらず、レジストパターン寸法はレジスト層22の上部開口寸法(幅)aを評価してしまう。すなわち、断面逆テーパ形状のレジスト層22をマスクにしてウェハ21を選択エッチングした場合、レジスト層22の上面も一部エッチング除去されるため、結果的にエッチング加工された基板21の開口寸法(幅)cは、図9B示すように、レジスト層22の下部開口幅bに一致する。従って、上記逆テーパ形状のレジスト層22の場合、このため、本来のエッチング後の加工寸法と異なる寸法にて、転写性の基準を定めてしまう虞れがあった。
本発明は、上述の点に鑑み、露光用マスクの欠陥検査において、前述したような欠陥検査を装置内で自動化し、欠陥検査の高精度化並びに 高速化を可能にしたマスク欠陥検査方法及びこの検査方法の実施に用いるマスク欠陥検査装置を提供するものである。
また、本発明は、このような露光用マスクの欠陥検査に用いる検査基準作成方法、すなわち欠陥検査時に必要な欠陥か否かの判断基準をより高精度に設定するためのマスク検査基準作成方法を提供するものである。
本発明に係るマスク欠陥検査方法は、露光用マスクの欠陥検査において、検出された欠陥を有する露光用マスクの欠陥パターン像と、露光用マスク内の正常パターンによる参照パターン像との欠陥寸法差及びパターン面積差を、予め設定した閾値と比較して、パターン変形欠陥を抽出し、パターン変形欠陥の転写性に対する影響の有無を自動的に判断することを特徴とする。
本発明に係るマスク欠陥検査方法は、露光用マスクの欠陥検査において、検出された欠陥パターン像と、露光用マスク内の正常パターンによる参照パターン像と、欠陥パターン像及び参照パターン像に対応するそれぞれの検査データ像を取得し、欠陥パターン像、参照パターン像及び両検査データ像のぞれぞれの重心を算出し、欠陥パターン像とこれに対応する検査データ像の重心を結ぶ第1のベクトルの大きさと、参照パターン像とこれに対応する検査データ像の重心を結ぶ第2のベクトルの大きさと、第1のベクトルと第2のベクトルとのなす角度とを抽出し、第1と第2のベクトル差及び角度を、予め設定した閾値と比較して、パターン位置ずれ欠陥を抽出し、パターン位置ずれ欠陥の転写性に対する影響の有無を自動的に判断することを特徴とする。
本発明に係るマスク欠陥検査方法は、露光用マスクの欠陥検査において、検出された露光用マスクの欠陥パターン像と、露光用マスク内の正常パターンによる参照パターン像と、欠陥パターン像及び参照パターン像に対応するそれぞれの検査データ像を取得し、欠陥パターン像と、参照パターン像との欠陥寸法差及びパターン面積差を、予め設定した閾値と比較して、パターン変形欠陥を抽出し、欠陥パターン像、参照パターン像及び両検査データ像のぞれぞれの重心を算出し、欠陥パターン像とこれに対応する検査データ像の重心を結ぶ第1のベクトルの大きさと、参照パターン像とこれに対応する前記検査データ像の重心を結ぶ第2のベクトルの大きさと、第1のベクトルと第2のベクトルとのなす角度とを抽出し、第1と第2のベクトル差、または前記角度、または前記ベクトル差及び角度を、予め設定した閾値と比較して、パターン位置ずれ欠陥を抽出し、パターン変形欠陥とパターン位置ずれ欠陥の転写性に対する影響の有無を自動的に判断することを特徴とする。
本発明に係るマスク欠陥検査装置は、電子銃と、電子光学系と、被検査露光用マスクを載置するステージと、電子銃から出射して被検査露光用マスクを透過した電子線を受光検出する受光検出器とを備え、検出された露光用マスクの欠陥パターン像と、被検査露光用マスク内の正常パターンによる参照パターン像と、欠陥パターン像及び参照パターン像に対応するそれぞれの検査データ像から、パターン変形欠陥とパターン位置ずれ欠陥を抽出して、検出された欠陥の種類を自動判別する機能を備えていることを特徴とする。
本発明に係るマスク検査基準作成方法は、露光マスクの欠陥判定基準の作成に際し、設計欠陥パターンを含む露光用マスクを用いてウェハ上にレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクにしてウェハをエッチング処理した後に、ウェハに転写された前記欠陥パターンから欠陥検査に必要な所要の第1の物理量を測定し、前記第1の物理量が許容される規定値を上回るような前記欠陥パターンに対応する、前記露光用マスク上の欠陥パターンを第2の物理量とし、前記第2の物理量を欠陥検査に必要な欠陥判定基準として設定することを特徴とする。
更に詳述するに、本発明は、欠陥レビューについて、以下のような方法を用いる。
まず、欠陥検査において欠陥を検出した場合、1個の欠陥について以下に示す4通りの画像を取得する。
・該当する欠陥部の検査像(ai)。
・隣接する欠陥部の検査像(bi)。
・検査像(ai)に対応する検査データ像(ad)。
・検査像(bi)に対応する検査データ像(bd)。
ただし、検査像(bi)に関しては、欠陥発生部パターンと同形状のもの(すなわち設計形状と同形状のもの)を抽出する。同形状であるか否かの判断は、検査用のパターンデータから欠陥発生部の周囲を検索し、自動的に行う。
次に、検査像(ai)と検査像(bi)を比較し、周辺部とのパターン面積差ΔS及び欠陥部分のパターン寸法差ΔCDを抽出する。ΔS及びΔCDが事前に定めた閾値を越えた場合、転写性に影響のあるパターン変形欠陥として抽出する。
上記比較において、差異がないと判断された場合、次のステップに移行する。このステップでは、検査像(ai)と検査データ像(ad)、及び検査像(bi)と検査データ像(bd)のそれぞれにおいて、パターン重心を検出し、この重心間を結ぶベクトルを定義する。前者のベクトルをVa、後者のベクトルをVbとする。ここにおいて、ベクトルVaの大きさが事前に定義した閾値を越えた場合、「位置ずれ欠陥」として抽出する。また、上記閾値以下であっても、ベクトルVbとの大きさ、並びに角度の差(すなわちベクトルVaとベクトルVbとのなす角度)が事前に定義した閾値を越えた場合、転写性に影響のある「位置ずれ欠陥」として抽出する。
以上の構成によって、欠陥検査装置で検出された欠陥の判別・分類が自動で行える。
一方、上記判別で必要な閾値に関して、特に、パターン変形欠陥については、以下のように定義する。
まず、設計欠陥を含む露光用マスクを作製する。欠陥の種類は、実際の露光用マスクに生じるモードを網羅して置く。欠陥のサイズも複数の種類を配置して置く。次に、実際に半導体デバイス製造で用いられる露光と同一の条件で露光し、設計欠陥をレジスト層上に転写する。最後に、上記転写パターンを実際の半導体デバイス作製工程で用いられる手法で処理し、すなわちレジスト層をマスクにエッチング処理し、処理後のエッチングされたパターン寸法、もしくはパターン面積を評価する。評価に当たっては、前記パターン寸法及びパターン面積の、マスク上の欠陥サイズ依存性を調べ、実際の半導体デバイスにおける許容値を上回るマスク欠陥サイズを、転写性に影響を及ぼすマスク上欠陥サイズとして定義し、マスク欠陥検査時の閾値として設定する。
これにより、従来に比べてより実際の半導体デバイス作製工程に則した、マスク欠陥検査基準を作製することができ、必要以上に厳しい基準を設定することを未然に防止することができる。
この他の閾値定義方法として、実際に転写を行わずシミュレーションにて転写性に影響を及ぼす欠陥サイズを定義する方法がある。これは、リソグラフィ用シミュレータにて、設計欠陥部のレジストパターン形状、及びレジストパターン寸法を計算し、これらよりレジスト加工後のパターン形状、及びパターン寸法を推定するものである。推定にあたっては、レジスト断面形状のどの部分が加工後のパターン寸法に合致するかの閾値を予め設定して置く必要がある。
本発明によれば、露光用マスクの欠陥検査において、検査後の欠陥判別工程の自動化が実現できるので、従来に比べて検査のスループットを向上させることができる。また、この欠陥判別工程の自動化によって、欠陥判別のばらつきを低減することができ、欠陥検査の高精度化が可能になる。さらに、本発明の欠陥転写性判断方法を用いれば、検査感度における過不足を適正化させることができ、露光用マスクの歩留り、並びにこの露光用マスクを用いて製造した半導体装置の歩留りを向上することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明に係るマスク欠陥検査方法の一実施の形態を説明する。本実施の形態では、電子線等倍露光用ステンシルマスクを透過電子線検出型欠陥検査装置を用いて検査する例を示す。
ステンシル方式の露光用マスク(以下、ステンシルマスクという)としては、図2A(平面図)及び図2B(図2AのA−A線上の断面図)に示す構成のステンシルマスク31を用いる。このステンシルマスク31は、例えばSOI(Silicon on insulator)ウェハを加工して形成され、同図示するように、回路パターンとなる開口部32を有したメンブレン層33と、メンブレン層33の開口部32周囲に対応する裏面に一体に形成された補強用の梁34と、メンブレン層33の裏面の周辺に形成された支持部35とから成る。本例では、回路パターンが複数の四角形状の開口部32として設けられ、梁34が複数の開口部32を取り囲むように格子状に形成される。ステンシルマスク21のメンブレン層33の膜厚は、電子線を遮蔽でき、かつ加工性に影響の出ない範囲とし、例えば0.2μm〜20μmの範囲とすることができる。電子線等倍露光用ステンシルマスク31については、マスクパターン縮小率が1倍であるため、ウェハ(例えば半導体ウェハ)へ転写するパターンと同一の寸法をもつマスクパターン、すなわち開口部33が配置される。
一方、図1に、欠陥検査に用いる透過電子線検出型欠陥検査装置を示す。この透過電子線検出型欠陥検査装置41は、前述と同様に、主たる構成として真空チャンバー42を有し、真空チャンバー42内に欠陥検査されるべきステンシルマスク31を載置するマスク積載ステージ43が配置され、マスク積載ステージ43を挟んで上側に電子銃44と電子光学系45が配置され、下側に電子光学系46及び受光検出器47が配置されて成り、さらに、受光検出器47に接続された信号処理装置48と、電子銃44、電子光学系45、46の制御、さらにマスク積載ステージ43を電子銃44からの電子走査に同期して移動制御するための制御装置49を備えて構成される。信号処理装置48は、後述する図3の欠陥判定処理を行える信号処理装置である。この信号処理装置48に接続して画像表示装置50が接続される。
この透過電子線検出型欠陥検査装置41を用いて、図2Aのステンシルマスク31のマスクパターンの欠陥検査を実施する。検査は次のように行う。先ず、ステンシルマスク31を上記欠陥検査装置41の真空チャンバー42に搬送し、マスク積載ステージ43上に載置し、ウェハ回転角補正のアライメントを実施する。アライメントは、ステンシルマスク31内に配置された2箇所以上のアライメントマーク(図示せず)を光学顕微鏡で取得し、ステージ位置座標とアライメントマークの位置関係より、補正を行う。
次いで、電子銃44から出射した電子ビームをステンシルマスク31に照射し、ビーム照射条件の調整を行う。照射される電子ビームは、例えば、1keV〜10keVの加速電圧を持ち、ビーム電流密度が0.1mA/cm〜1mA/cm である。ステンシルマスク31照射された電子ビームが、マスクパターンである開口部33を透過し、受光検出器47に達する。受光検出器47においては、検出された電子を画像に変換する。変換された画像は、画像表示装置49に投影され、マスク像として表示される。ビーム照射条件の調整は、取得したマスク像について、収差による歪み等の画質劣化がなくなるように、電子ビーム制御パラメータを変更する。調整完了後、欠陥検査を実施する。
検査にあたっては、先ず検査領域を指定する。検査領域の指定は、ステンシルマスク31上の検査領域に移動後設定するか、検査用のデータ上から指定してもよい。検査領域の設定後、検査を開始する。検査時はマスク積載ステージ43を走査しながらマスク透過電子線を照射する。受光検出器47からはマスク積載ステージ43の走査と同期したマスクパターンが得られる。この様にして得られたマスクパターン像と、マスクパターンデータより作成した比較用検査データ像とを比較する。ただし、マスクパターンデータにおいては、実際のマスク像と寸法・形状等の乖離があることから、予めマスク面内の数点の像を取得しておき、この像と整合するように、比較像の側に変更を加える。
欠陥の抽出に関しては、さまざまな方法があるが、例えば、マスク透過電子線強度の総和と、比較像における輝度の総和をそれぞれ比較し、両者の差がある一定の値を超えた場合に、欠陥(欠陥のある開口)として検出する。検査領域全域における走査が完了した後、検査を終了する。終了時には、欠陥を検出した位置の座標を記録して置く。
次いで、検出された欠陥における本実施の形態におけるレビュー方法について説明する。
先ず、検出された欠陥のあるパターン、すなわち開口部(以下、欠陥部という)の座標へ電子ビームが照射されるようにステージ43を移動し、欠陥部の像を取得する。像の視野領域はステンシルマスク内に配置されている開口パターンのサイズを元に、予め設定して置く。この際、検出された欠陥部に隣接する周辺部から、欠陥が発生した欠陥部の本来欠陥が発生していな状態のパターンと同形状のパターン(以下、非欠陥部)を抽出し、この非欠陥部のパターンのマスク像を取得する。
上記パターンの抽出においては、例えば、欠陥部の本来欠陥がない状態のパターンが四角形状のパターンであった場合、四角形状のパターンの4つの頂点座標を抽出後、寸法ならびに面積を算出し、同一寸法及び面積を持つパターンを欠陥発生部の隣接する正常な開口パターンより抽出するという手法を採る。欠陥部、非欠陥部の抽出と同時に、これらパターンに対応した比較用検査データ像も抽出する。一連の像を用いて、検出された欠陥の転写性判断、並びに欠陥の分類を自動的に行う。
図3に、これらの欠陥判定の一連のフローを示す。
欠陥を有するパターン(開口部)を検出した後に、欠陥判定のフローを開始する。
まず、欠陥検査において欠陥を検出した場合、1個の欠陥を有するマスクパターンについて以下に示す4通りの画像を取得する。
・該当する欠陥部の検査像(ai)。
・隣接する非欠陥部の検査像(bi)。
・欠陥部の検査像(ai)に対応する検査データ像[設計データの像](ad)。
・非欠陥部の検査像(bi)に対応する検査データ像[設計データの像](bd)。
ただし、隣接する非欠陥部の検査像(bi)に関しては、欠陥発生部パターンと同形状のもの(すなわち欠陥が発生しない正常なときのパターンと同形状のもの)を抽出する。同形状であるか否かの判断は、検査用のパターンデータから欠陥発生部の周囲を検索し、自動的に行う。すなわち、設計パターンを用いてこの設計パターンと欠陥発生部周囲の検索したパターンとを比較し、事前に設定した閾値以下であれば、この検索したパターンは正常なパターンと見做す。
なお、欠陥部とは図4に示す欠陥54を有した開口部32aのパターンに対応し、非欠陥部とは同図4に示す欠陥54のない開口部32bのパターンに対応する。
検査開始後、ステップS1 において、上記のようにして欠陥部の周辺に隣接する非欠陥部のパターンを抽出する。
次に、ステップS2 において、欠陥部の検査像(ai)と隣接する非欠陥部の検査像(bi)を比較し、欠陥部と隣接する非欠陥部とのパターン面積差(開口面積差)ΔS及びパターン寸法差(欠陥寸法差)ΔCDを抽出する。すなわち、図4に示すように、欠陥部の検査像aiの欠陥54の部分の開口幅に対応した寸法CD1 と、欠陥無しと判断された隣接する非欠陥部の検査像(bi)の開口幅に対応した寸法CD2との差をΔCDとする。このΔCDは、実質的に欠陥部の検査像(ai)の欠陥54の寸法となる。そして、ステップS3 において、パターン面積差ΔS及びパターン寸法差ΔCDのそれぞれを、事前に定めた閾値と比較する。パターン面積差ΔS及びパターン寸法差ΔCDのそれぞれが事前に定めた閾値を超えた場合には、転写性に影響のあるパターン変形欠陥として判定し、抽出する(ステップS4 参照)。この場合の閾値は、面積を例にとると、欠陥部および非欠陥部との面積の差が10%を超えた場合を欠陥とするように、設定する。
上記ステップS3 の比較において、閾値を超えず、差異がないと判断されて場合には、次のステップS5 に移行する。このステップS5 では、欠陥部の検査像(ai)とそれに対応する検査データ像(ad)、及び隣接する非欠陥部の検査像(bi)とそれに対応する検査データ像(bd)のそれぞれにおいて、パターン重心を検出する(算出する)。そして、ステップS6 において、重心間を結ぶベクトルを定義する。前者の欠陥部側のベクトルをVa、後者の非欠陥部側のベクトルをVbとする。すなわち、図5に示すように、欠陥部の検査像(ai)のパターン(開口部)重心51iとこの検査像(ai)に対応する検査データ像(ad)のパターン(開口部)重心51d間を結ぶベクトルVaを定義し、正常と判断された隣接する非欠陥部の検査像(bi)のパターン(開口部)重心52iとこの検査像(bi)に対応する検査データ像(bd)のパターン(開口部)重心52d間を結ぶベクトルVbを定義する。なお、ベクトルVaとベクトルVbは同じ向きの場合、逆向きの場合がある。図5では逆向きの場合について作図してある。
次いで、ステップS7 において、欠陥部側のベクトルVaの大きさと、事前に定義した閾値とを比較する。欠陥部側のベクトルVaの大きさが事前に定義した閾値を超えた場合には、位置ずれ欠陥として判定され、抽出される(ステップS10参照)。
ステップS7 の比較において、閾値を超えないと判断された場合には、次のステップS8 に移行する。このステップS8 では、欠陥部側のベクトルVaの大きさと隣接する非欠陥部側のベクトルVbの大きさとの差|Va−Vb|と、事前に定義した閾値とを比較する。差|Va−Vb|が事前に定義した閾値を超えた場合には、位置ずれ欠陥として判定され、抽出される(ステップS10参照)。
ステップS8 において、|Va−Vb|が事前に定義した閾値を超えなと判断された場合には、次のステップS9 に移行する。このステップS9 では、欠陥部側のベクトルVaと非欠陥部側のベクトルVbとのなす角度α(図5参照)と、事前に定義した閾値とを比較する。角度αが事前に定義した閾値を超えた場合には、位置ずれ欠陥として判定され、抽出される(ステップS10参照)。
ここで、照射する電子線のスポット径内で各開口パターンが方向を同じにして一様に位置ずれした場合には、電子線露光において、露光マスクに対する電子線の照射方向を変更する補正データを入れて露光すれば、容易に補正できる。しかし、電子線スポット径内で各開口パターンがランダムに位置ずれしている場合には、この補正方法が使えない。ステップS8は、一様に位置ずれしているか、ランダムに位置ずれしているか、判断できる。
ステップS9 に比較において、閾値を超えないと判断された場合には、無欠陥として判定される(ステップS11)。
このように、図3のステップS1 〜ステップS3 までのフローで変形欠陥の有無が判定され、ステップS5 〜ステップS9 までのフローで位置ずれ欠陥の有無が判定され、欠陥検査が終了する。
上述した欠陥検査の判定にあたり、特に、パターン変形欠陥に対する閾値の設定に関する実施の形態を説明する。本実施の形態の電子線等倍近接露光においては、露光用の電子線の加速電圧が例えば2keVと低い。このため、露光されるべきフォトレジスト層の上部は入射電子線の1次電子が露光に寄与し、フォトレジスト層の中間部から下部においては2次電子線が露光に寄与する。このため、図6に示すように、例えば本来正常な四角形状であるべきマスクパターン(すなわち開口部)32に、一部内方に突出する欠陥54が発生した場合、この欠陥54を有する開口部32を通して露光、現像した後の、ウェハ上のレジスト層22の断面形状は、図7に示すようになる。すなわち、レジスト層22の表層部がマスク欠陥54に対応して僅かに開口22aの内側に突出している。しかし、このレジスト層22は、これをマスクとしてウェハ21をエッチング処理した後に、実行的に表層部が平坦化される可能性が高い。このため、通常用いられているような転写後のレジストパターンの評価では、マスク上の欠陥54が転写パターンに与える影響を、正確に見積もることが出来ない。これに対して、本発明における欠陥検査時の閾値設定方法は、予め欠陥を作り込んだマスクを転写し、マスク上の欠陥がどの程度転写後のウェハパターンに影響するかを見積もるにあたって、転写後のパターンではなく、エッチング後のウェハ21上の開口パターンの評価を行うという方法である。
この方法を具体的に説明する。先ず、マスクパターンに予め欠陥を配置した、いわゆる設計欠陥を設ける。設計欠陥の種類は用途によって任意である。例えば、H.Kawahira et al.,Proc.SPIE2439(1995)において提唱されている欠陥を用いてもよい。また、欠陥のサイズについても、数種類配置しておき、走査型電子顕微鏡にて欠陥部(欠陥を有するマスクパターン)の寸法、あるいは面積を測定して置く。欠陥部の寸法測定を例にとると、欠陥部のパターンについて、欠陥を含めた寸法を測長し、非欠陥部(欠陥のないマスクパターン)との寸法差をもって、欠陥部寸法と定義する。
次いで、このマスクを転写し、マスクパターンをウェハ上のレジスト層のパターンへ変換する。さらに、ウェハ上のレジスト層をマスクにエッチング処理してレジスト層のパターンをウェハ上に転写する。そして、このエッチング処理後のウェハ上の開口パターンのパターン寸法、もしくはパターン面積を測定する。この場合、非測定部は、欠陥部(欠陥を有するウェハ開口部)と非欠陥部(欠陥のないウェハ開口部)の双方とする。測定にあたっては、走査型電子顕微鏡にて取得したパターン像より行う。
このような手法によって求めたウェハ上の欠陥部と非欠陥部の差が、適用デバイスの線幅仕様を超えた場合の、露光用マスク上の欠陥寸法を欠陥検査時の閾値として設定する。このことにより、従来の比べて実際のデバイス作製工程に則したマスク欠陥検査基準を作成することができ、必要以上に厳しい基準を設定することを未然に防止することができる。
以上の例を図8によって説明する。図8の横軸はマスク欠陥サイズ、縦軸はΔCDである。図中の線Aは露光マスクにおける欠陥寸法ΔCDの許容値を示す。欠陥寸法ΔCDが線Aを下回った場合は寸法規格外であり、逆に上回った場合は寸法許容値範囲内となる。図8の線Bはレジストパターン(図9Aの幅aを基準とした)より算出した許容マスク欠陥サイズ、線Cはエッチング後のウェハパターン(図9Bに示す、レジストパターンの中間〜下層の幅bに相当したエッチング後の幅cを基準とした)より算出した許容マスク欠陥サイズである。◆印はレジストパターンで算出した場合、□印はエッチング後のウェハパターンで算出した場合である。
図8から明らかなように、従来の様にレジストパターンから定義したパターン転写に影響を与えるマスク欠陥サイズが16nm(線B参照)となるのに対して、本発明におけるより現実に則したマスク欠陥定義方法では、パターン転写に影響を与えるマスク欠陥サイズは22nm(線C参照)となる。これによって、本発明では、6nm分のスペックの緩和が実現でき、必要以上に厳しい基準で露光マスクを検査することを未然に防止することができる。このことは、露光マスクの歩留り向上に寄与するものである。
ここで、マスク上の欠陥サイズが22nmとしたとき、このマスクを用いて加工したウェハ上の欠陥サイズは21nmとなる。また、図8のデータは、エッチング後のウェハパターンの幅が、設計値、出来上がり値とも140nmである。
上述の本実施の形態によれば、露光用マスクの欠陥検査において、検査後の欠陥判別工程の自動化が実現できるため、従来に比べて検査のスループットを向上させることができる。また、欠陥判別工程の自動化によって、欠陥判別のばらつきを低減することが可能になる。さらに、本実施の形態による欠陥転写性判断方法を用いることにより、検査感度における過不足を適正化させることができ、露光マスク、並びに露光後の半導体装置の歩留りを向上することができる。
上例では、回路パターンとして半導体装置における多層配線間の接続用開口パターンの形成に適用した、マスクパターン(開口部)を有する露光用マスクの欠陥検査に適用したが、その他の回路パターンに対応したマスクパターンを有する露光用マスクの欠陥検査にも同様にして行うことができる。
本発明に係るマスク欠陥検査装置の一実施の形態を示す概略構成図である。 A及びB 本発明のマスク欠陥検査に適用したステンシルマスクの例を示す平面図及びそのAーA洗浄の断面図である。 本発明に係るマスク欠陥検査方法の一実施の形態を示す欠陥判定フローチャートである。 本発明に係る検査される露光マスクの所要のマスクパターン領域に対応した欠陥部及び非欠陥部の検査像の例を示す平面図である。 位置ずれ欠陥の説明に供する平面図である。 本発明の説明に係るマスク欠陥の例を示す平面図である。 図6の露光マスクを用いて転写したレジストパターンを示す断面図である。 本発明におけるマスク欠陥基準策定結果の一例を示すグラフである。 A及びB 逆テーパ形状を持つレジストパターンの断面図及びエッチング後のウェハパターンの断面図である。 従来のマスク欠陥検査装置の例を示す概略構成図である。 ステンシルマスクの例を示す断面図である。
符号の説明
31・・露光用マスク、32・・開口部、33・・メンブレン層、34・・梁、35・基板、41・・マスク欠陥検査装置、42・・真空チャンバー、43・・マスク積載ステージ、44・・電子銃、45、46・・電子光学系、47・・受光検出器、48・・信号処理装置、49・・制御装置、50画像表示装置、ai・・欠陥部の検査像、bi・・非欠陥部の検査像、da・・欠陥部の検査データ像、db・・非欠陥部の検査データ像、51i,51d,52i,52d・・重心、Va,Vb・・ベクトル

Claims (5)

  1. 露光用マスクの欠陥検査において、
    検出された欠陥を有する前記露光用マスクの欠陥パターン像と、前記露光用マスク内の正常パターンによる参照パターン像との欠陥寸法差及びパターン面積差を、予め設定した閾値と比較して、パターン変形欠陥を抽出し、
    前記パターン変形欠陥の転写性に対する影響の有無を自動的に判断する
    ことを特徴とするマスク欠陥検査方法。
  2. 露光用マスクの欠陥検査において、
    検出された前記露光用マスクの欠陥パターン像と、前記露光用マスク内の正常パターン
    による参照パターン像と、前記欠陥パターン像及び参照パターン像に対応するそれぞれの検査データ像を取得し、
    前記欠陥パターン像、前記参照パターン像及び前記両検査データ像のぞれぞれの重心を算出し、
    前記欠陥パターン像とこれに対応する前記検査データ像の重心を結ぶ第1のベクトルの大きさと、
    前記参照パターン像とこれに対応する前記検査データ像の重心を結ぶ第2のベクトルの大きさと、
    前記第1のベクトルと第2のベクトルとのなす角度とを抽出し、
    前記第1と第2のベクトル差及び前記角度を、予め設定した閾値と比較して、パターン位置ずれ欠陥を抽出し、
    前記パターン位置ずれ欠陥の転写性に対する影響の有無を自動的に判断する
    ことを特徴とするマスク欠陥検査方法。
  3. 露光用マスクの欠陥検査において、
    検出された前記露光用マスクの欠陥パターン像と、前記露光用マスク内の正常パターンによる参照パターン像と、前記欠陥パターン像及び参照パターン像に対応するそれぞれの検査データ像を取得し、
    前記欠陥パターン像と、前記参照パターン像との欠陥寸法差及びパターン面積差を、予め設定した閾値と比較して、パターン変形欠陥を抽出し、
    前記欠陥パターン像、前記参照パターン像及び前記両検査データ像のぞれぞれの重心を算出し、
    前記欠陥パターン像とこれに対応する前記検査データ像の重心を結ぶ第1のベクトルの大きさと、
    前記参照パターン像とこれに対応する前記検査データ像の重心を結ぶ第2のベクトルの大きさと、
    前記第1のベクトルと第2のベクトルとのなす角度とを抽出し、
    前記第1と第2のベクトル差、または前記角度、または前記ベクトル差及び角度を、予め設定した閾値と比較して、パターン位置ずれ欠陥を抽出し、
    前記パターン変形欠陥と前記パターン位置ずれ欠陥の転写性に対する影響の有無を自動的に判断する
    ことを特徴とするマスク欠陥検査方法。
  4. 電子銃と、電子光学系と、被検査露光用マスクを載置するステージと、前記電子銃から出射して前記被検査露光用マスクを透過した電子線を受光検出する受光検出器とを備え、 検出された前記露光用マスクの欠陥パターン像と、前記被検査露光用マスク内の正常パターンによる参照パターン像と、前記欠陥パターン像及び参照パターン像に対応するそれぞれの検査データ像から、パターン変形欠陥とパターン位置ずれ欠陥を抽出して、検出された欠陥の種類を自動判別する機能を備えている
    ことを特徴とするマスク欠陥検査装置。
  5. 露光マスクの欠陥判定基準の作成に際し、
    設計欠陥パターンを含む露光用マスクを用いてウェハ上にレジストパターンを形成し、
    前記レジストパターンをマスクにして前記ウェハをエッチング処理した後に、
    前記ウェハに転写された前記欠陥パターンから欠陥検査に必要な所要の第1の物理量を測定し、
    前記第1の物理量が許容される規定値を上回るような前記欠陥パターンに対応する前記露光用マスク上の欠陥パターンを第2の物理量とし、前記第2の物理量を欠陥検査に必要な欠陥判定基準として設定する
    ことを特徴とするマスク検査基準作成方法。
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