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JP2005348906A - ミシン - Google Patents

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JP2005348906A
JP2005348906A JP2004171926A JP2004171926A JP2005348906A JP 2005348906 A JP2005348906 A JP 2005348906A JP 2004171926 A JP2004171926 A JP 2004171926A JP 2004171926 A JP2004171926 A JP 2004171926A JP 2005348906 A JP2005348906 A JP 2005348906A
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JP2004171926A
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Tetsuaki Kondo
徹朗 近藤
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Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
Original Assignee
Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
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  • Textile Engineering (AREA)
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Abstract

【課題】 原反枠に対する原反の固定をより強固となるように改良する。
【解決手段】 駆動制御される原反枠5に対して長尺の原反Nをその供給源から供給して固定するためのクランプ手段8a,8bが、原反枠5に配置された原反Nの平面方向に沿って延びた回動軸14の回りで回動するように構成された保持部材16と、回動された保持部材16を受け止めるように構成された受け部23とを含み、保持部材16と受け部23との間に原反Nを挟み込んだ状態で回動された保持部材16を受け部23で受け止めることで原反Nをクランプする。また、横クランプ部材8a,8bを懸架するサッシ部10の中間位置に位置決め機構27を配置し、その昇降部材31を、原反送り時には上昇して原反送り可能にし、原反固定時には下降してサッシ部の中間位置が垂下若しくは変形しないように支持する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ミシンテーブル上に載置された原反枠に対する原反の固定位置を変更して刺繍などの縫製を繰返し、長尺の原反に縫製を連続的に行うためのミシンに関し、特に、原反枠に対する原反の固定をより強固となるように改良したミシンに関する。
従来より、複数のミシンヘッドを備えた多頭ミシンのミシンテーブル上で前後左右に駆動制御される原反枠に対し、長尺の原反をその供給源から供給して固定し、原反枠に固定された部分への縫製が終了したら、その固定を解放して次に縫製を行う部分を原反枠に位置させることで、原反枠に対する原反の固定位置を変更して縫製を繰り返すように構成された多頭ミシンが知られている。図15には一例としてこの種の多頭ミシンの平面図が示してあり、1はミシンフレーム、2はテーブル、3はミシンヘッド、5は原反枠である。原反枠5には、原反Nを固定するための横クランプ部材101a、101b及び縦クランプ部材102a、102bが設けてある。
横クランプ部材101a、101bは同じ構成であり、それを対向して配置したものであるため、一方の横クランプ部材101aについてのみ説明する。図16には前方の横クランプ部材101aの側断面図(図15中のIII-III線矢視断面図)が示してある。横クランプ部材101aは、原反枠5の横辺と同一長さを有する固定用サッシ104を備えており、固定用サッシ104の両端部付近はブラケット103を介して原反枠5に固定(架橋)してある。固定用サッシ104には複数(6個)のアクチュエータ105が適宜間隔をおいて設けてあり、各アクチュエータ105のロッド部先端は、当該横クランプ部材101aの長さにわたって延びた長尺の押え体106の所定箇所にそれぞれ固定され、該押え体106を協働して懸架する。すなわち、1つの長尺の押え体106の所定箇所に各アクチュエータ105のロッド部先端が固定され、これら複数(6個)のアクチュエータ105で協働して1つの長尺の押え体106を上下動させる。原反枠5の横辺には押え体106と対応する位置に受け部107が形成してあり、各アクチュエータ105の同時作動によって押え体106が下降されると受け部107とで原反Nを挟持できるようになっている。この押え体106、受け部107には確実に原反Nを挟持するためのクッション部材108がそれぞれ固定してある。
次に、縦クランプ部材102a、102bについて説明する。縦クランプ部材102a、102bについても同じ構成を対向配置したものであるため、一方の縦クランプ部材102aについてのみ説明する。図17には右側の縦クランプ部材102aの側断面図(図15中のIV-IV線矢視断面図)が示してある。縦クランプ部材102aは縦サッシ109を備えており、縦サッシ109の全長は両横クランプ部材101a、101bの間隔より少し短く設定してある。縦サッシ109の両端部にはそれぞれブラケット110を介して第1アクチュエータ111が固定してある。両ブラケット110には揺動レバー112が軸支してあり、揺動レバー112は第1アクチュエータ111のロッド部とピン114によって連結してある。縦サッシ109の上方には、縦サッシ109と略同一長さの押えサッシ113が配置してあり、押えサッシ113の両端部は両揺動レバー112の先端部にそれぞれ固定してある。押えサッシ113にはその全長に渡る長さのクッション部材115が固定してあり、縦サッシ109にはその全長に渡る長さのフェルト116が貼付してある。第1アクチュエータ111の作動によって押えサッシ113が下方に揺動されると、クッション部材115とフェルト116とによって原反Nを挟持できるようになっている。縦クランプ部材102aの両端部付近には第2アクチュエータ117がそれぞれ設けてあり、第2アクチュエータは横クランプ部材101a、101bにそれぞれ取り付けてある。両第2アクチュエータ117のロッド部は縦サッシ109の両端付近に連結してあり、第2アクチュエータ117を作動させれば、縦サッシ109が左右に移動されることとなる。
原反Nをセットするときは、原反Nを供給スタンドから繰り出し、原反枠5上に各クランプ部材による固定が可能に通した後に、回収スタンドへと導く。この状態で横クランプ部材101a、101b、縦クランプ部材102a、102bのアクチュエータを駆動させて原反枠5に対して原反Nを固定する。原反Nの固定は、初めに横クランプ部材101a、101bのアクチュエータ105を作動させて押え体106と受け部107とによって原反Nを挟持し、次に縦クランプ部材102a、102bの第1アクチュエータ111を作動させてクッション部材115とフェルト116とによって原反Nを挟持した後に、第2アクチュエータを作動させて縦クランプ部材102a、102bの間隔を広げて原反Nをピンと張った状態とする。これにより、原反Nが原反枠5に固定されることとなる。
原反枠5に固定された部分への縫製が終了したら、各クランプ部材のアクチュエータを作動させて原反Nの固定を解放し、原反枠5内に原反Nの次に縫製を行う部分を位置させて各クランプ部材のアクチュエータを作動させて原反Nの次に縫製を行う部分を原反枠5に固定する。このように、原反枠5に対する原反Nの固定位置を変更して縫製を繰り返す。
上記従来技術では、原反枠5に対する原反Nの固定は押え体106、押えサッシ113を下降させて受け部107、縦サッシ109とで原反Nを挟持して行っている。つまり、押え体106、押えサッシ113にて上から押えることによって原反Nを固定している。しかしながら、原反Nには原反枠5の移動や縫製の進行に伴う原反Nの収縮などによって横方向(原反Nの平面方向)に引張る力が作用する。この横方向に引張られる原反Nを上から押えて保持しているので、原反Nを強固に固定することができない。特に原反Nが薄物のときにはそれが顕著で縫製を行うことは不可能であった。
また、横クランプ部材101a、101bの固定用サッシ104は原反Nの幅に対応してその全長が長いものである。しかしながら、固定用サッシ104はその両端付近をブラケット103を介して原反枠5に固定して架橋してあるだけである。これは固定用サッシ104と原反枠5の間に原反Nを通すためであり、固定用サッシ104の中間部分を固定することができない。このため、押え体106を下降させて原反Nを挟持したときに、固定用サッシ104の中間部分が変形(上方へ撓む)して原反Nを確実に押えることができない。このことも原反Nを強固に固定することができない要因となっている。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、ミシンテーブル上に載置された原反枠に対する原反の固定位置を変更して刺繍などの縫製を繰返し、長尺の原反に縫製を連続的に行うためのミシンにおいて、原反枠に対して原反の固定をより強固となるように改良した機構を提供するものである。
本発明の第1の観点に係るミシンは、ミシンテーブル上で駆動制御される原反枠に対して長尺の原反をその供給源から供給して固定し、該原反枠に固定された原反部分への縫製が終了したら、該原反枠に対して原反を相対的に移動させることにより該原反枠に固定する原反部分を別の部分に変更して縫製を再開するように構成されたミシンにおいて、前記原反枠に対して原反を固定するためのクランプ手段が、前記原反枠に配置された原反の平面方向に沿って延びた回動軸の回りで回動するように構成された保持部材と、回動された前記保持部材を受け止めるように構成された受け部とを含み、前記保持部材と前記受け部との間に原反を挟み込んだ状態で前記回動された保持部材を前記受け部で受け止めることで原反をクランプすることを特徴とする。
本発明の第2の観点に係るミシンは、ミシンテーブル上で駆動制御される原反枠に対して長尺の原反をその供給源から供給して固定し、該原反枠に固定された原反部分への縫製が終了したら、該原反枠に対して原反を相対的に移動させることにより該原反枠に固定する原反部分を別の部分に変更して縫製を再開するように構成されたミシンにおいて、原反枠との間で原反をクランプするためのものであって、原反の送り方向に対して横方向に延びた長尺の横クランプ部材と、前記原反枠の両端にて架橋されて前記横クランプ部材を懸架するサッシ部と、前記サッシ部の中間位置に配置された上下動可能な部材が、原反送り時には上昇されて原反送りを可能にし、原反固定時には下降して原反枠との間で原反を固定し、かつ、その反力によって前記サッシ部の中間位置が垂下若しくは変形しないように支持する位置決め機構とを具備することを特徴とする。
本発明の第1の観点によれば、クランプ手段の保持部材が、原反枠に配置された原反の平面方向に沿って延びた回動軸の回りで回動することによりクランプ状態に設定される構成であるので、クランプ時の該保持部材のモーメントが略横方向(原反の略平面方向)に作用し、従来のように単に上から押しつけるものとは異なり、原反が引っ張られる横方向(平面方向)に対して原反をより強固に固定することができる。つまり、原反が横方向(平面方向)に引っ張られるとき、それにつれて動くことなく相対的にさらに強固に固定するように作用するため、より一層確実に原反が固定されることとなる。よって、原反が薄物のときでも確実に固定できることとなる。
本発明の第2の観点によれば、横クランプ部材を懸架するサッシ部の中間位置に位置決め機構が設けられ、この位置決め機構における上下動可能な部材が、原反送り時には上昇されて原反送りを可能にし、原反固定時には下降して原反枠との間で原反を固定し、かつ、その反力によって前記サッシ部の中間位置が垂下若しくは変形しないように支持するようになっているので、該サッシ部の高さを適切に位置決めすることができ、長尺のサッシ部のどの部分においても原反を確実に固定することができるようになる。また、原反枠の移動時におけるサッシ部の振動を防止することもでき原反の固定がより確実なものとなる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明しよう。
図1には本発明の一実施例に係る多頭刺繍ミシンの平面図が示してあり、1はミシンフレーム、2はテーブルである。ミシンフレーム1には、複数(図示例では12個)のミシンヘッド3がミシン前面から見て左右(横)方向に沿って一定の間隔で配設してある。テーブル2には、各ミシンヘッド3と対応する箇所において針板4が位置している。テーブル2上には原反枠5が載置してあり、原反枠5はテーブル2の下方に設けたX駆動機構6及びY駆動機構7によって前後左右方向に2次元的に駆動されるようになっている。原反枠5の両横辺には横クランプ部材8a、8bが設けてあり、原反枠5の両縦辺には縦クランプ部材9a、9bが設けてある。この横クランプ部材8a、8b及び縦クランプ部材9a、9bによって原反Nを原反枠5に固定する。原反Nは、図2に例示的に示されるように多頭刺繍ミシンの後方に配置された供給スタンドS1から供給して、各クランプ部材8a、8b、9a、9bを介して原反枠5に固定し、原反枠5に固定された原反部分への縫製が終了したら、原反枠5の固定を一旦解除して多頭刺繍ミシンの前方に配置した回収スタンドS2に回収するようになっている。なお、図2は、同実施例に係る多頭刺繍ミシンの側面略図であり、キルティングを行う場合が示してある。その場合、供給スタンドS1からは、原反Nとして2枚の布地(N1、N2)の間に綿(N3)を挟んだ状態のものを原反枠5へと供給する。
横クランプ部材8a、8bは同じ構成であり、それを対向して配置したものであるため一方(前方)の横クランプ部材8aについて以下に説明する。
図3は前方の横クランプ部材8aの左側端部を拡大して示す平面図、図4は該横クランプ部材8aの左側面図、図5は図3のI−I線矢視断面図、図6は図3のII−II線矢視断面図である。これらの図から明らかなように、横クランプ部材8aはブラケット11を介して原反枠5に固定された固定用サッシ10を備えている。固定用サッシ10には適宜間隔をおいて複数の軸受12がその前後(図5、図6の左右)の位置が調整可能なように固定してある。各軸受12の間にはそれぞれパイプ部材13が配置してあり、各パイプ部材13は各軸受12にそれぞれ回動可能に支持された回動軸14にて連結してある。パイプ部材13には、その両端部及び中央部の外周に設けられた取付部材15を介して保持部材16、押え部材17が設けてある。図5に示すように、パイプ部材13の両端部に設けられた取付部材15はネジ18にて回動軸14に固定してあり、この取付部材15の取付孔は長孔に形成してある。従って、両端部の取付部材15を固定しているネジ18を緩めれば、パイプ部材13に対する取付部材15の位置をパイプ部材13の軸心回りに調整することができる。保持部材16は、横方向に延びた適宜に硬質の芯部16aと、その外側を覆う接触部16bとを含んで構成され、接触部16bは、変形が可能で、かつ原反Nと接したときに滑りが生じ難い例えば弾性ゴムで形成してある。
図3において、一番左側の回動軸14は、左側部分が固定用サッシ10より突出して設けてあり、その突出した左側部分には作動部材19が固定してある。作動部材19の先端には連結ピン20が固定してあり、連結ピン20はエアシリンダ21のロッドに固定された連結部材22の連結孔22aに嵌合してある。エアシリンダ21はブラケット11に形成された取付部11aに固定してある。これにより、エアシリンダ21の作動によって各回動軸14及び各パイプ部材13が回動され、パイプ部材13に設けた保持部材16、押え部材17が回動される。なお、横クランプ部材8aの右側端部についても同じ構成であり、左右2つのエアシリンダ21の作動によって全体として横長の保持部材16及び押え部材17を一緒に回動させる。この保持部材16、押え部材17の回動によって原反枠5に対する原反Nの固定(クランプ)と解放(アンクランプ)を行う。原反枠5には保持部材16との間で原反Nを挟んで固定するための受け部23が設けてあり、該受け部23にはゴム部材24、25が略直角のコーナーを成すように設けてある。
図4(a)には原反Nの固定を解放した状態(アンクランプ状態)が示してあり、図4(b)には原反Nを固定した状態(クランプ状態)が示してある。原反Nは、図4(a)のアンクランプ状態にあるときに、原反枠5と固定用サッシ10との間を通して原反枠5上へ位置させる。そして、エアシリンダ21を作動させて回動軸14、パイプ部材13の回動によって保持部材16及び押え部材17を図4(b)に示す位置へ回動させる。これにより、原反Nが保持部材16と受け部23(ゴム部材24、25)との間で挟持され、原反枠5に対して原反Nが固定されることとなる。
図7はこのときの様子を更に拡大して示すもので、同図(a)は保持部材16が図で反時計方向に回動される過程で、その接触部16bが受け部23の先端部(ゴム部材25の先端)に接触した状態を示す。このとき、保持部材16と受け部23の先端部(ゴム部材25の先端)とで原反Nが挟まれる。なお、受け部23の先端部(ゴム部材25)の上面側にはテフロンテープ26(「テフロン」は商標)が貼り付けてあり、保持部材16の回動時において原反Nに張りを出しやすくしている。すなわち、保持部材16が反時計方向に更に回動され続けて、図7(c)に示す固定位置(クランプ位置)まで回動される過程において、保持部材16と受け部23とで挟まれた原反Nは、その上面は滑り難い保持部材16と接し、その下面は滑り易いテフロンテープ26(「テフロン」は商標)に接していることにより、原反Nは保持部材16の回動方向(図7の右側、つまりミシンの前方側)に一緒に引っ張られて固定されることになる。一方、後方の横クランプ部材8bでは、同様の構成の保持部材16等が前方の横クランプ部材8aのそれらと対向して設けられるために、前方とは反対側(つまり後方側)に引張られることになり、原反Nは原反枠5において前後に展張されて固定されることとなる。図7(b)は保持部材16が図7(a)から図7(c)に至る過程において、その下端が回動軸14の軸中心の直下に来た時点を示している。この時点において、保持部材16の下端が最下点位置となってゴム部材25を押し潰すようになっている。保持部材16が図で更に右に動き、図7(c)の固定位置(クランプ位置)まで来ると、ゴム部材25の歪みが一部復帰する一方でゴム部材24が保持部材16により押し潰されるようになり、こうして、保持部材16は直角コーナーを成した受け部23のゴム部材25とゴム部材24の間でしっかりと保持される。これにより、刺繍の進行に伴って原反Nの張力が増大し、図7において左側に引張る力が作用したときには保持部材16も左側に回動されようとするが、回動しようとするとゴム部材25を(再度)押し潰すことになるため、その回動が阻止される。また、この保持位置(クランプ位置)では、保持部材16は、クランプされた原反Nに対して図7において左側に引張る力が作用したとしても、それにつれて左側に動くことはなく、相対的に更に強固に固定するよう作用することになる。このように原反Nは引っ張られることによってより強固に原反枠5に固定されることとなる。なお、保持部材16に関連して設けられた押え部材17は、固定位置(クランプ位置)まで回動されると原反Nを下方に押し下げてテーブル2との間隔を狭くするもので、これにより、縫製に伴う原反Nのばたつきが低減され、糸切れ等が防止される。
なお、保持部材16による原反Nの固定(クランプ)具合は、固定用サッシ10の中央付近のものほど弱くなる。これは、保持部材16の回動を固定用サッシ10の両端部に設けたエアシリンダ21にて行うためである。また、各部品の寸法誤差などによっても保持部材16の固定具合が異なることがある。このような場合には、軸受12の位置調整やパイプ部材13に対する取付部材15の位置調整によって保持部材16の固定具合を均一とすることができる。
図1に示すように、横クランプ部材8a、8bの略中央部には位置決め機構27がそれぞれ設けられる。図8は位置決め機構27を示した立体図、図9は一部断面側面図である。図8、図9より明らかなように、位置決め機構27において、そのベース部材28が固定用サッシ10に固定され、該ベース部材28にはブラケット29を介してエアシリンダ30が固定され、該エアシリンダ30のロッドの先端には昇降部材31が設けてある。昇降部材31には2本のガイド軸32が立設してあり、ガイド軸32はベース部材28に形成された案内孔に嵌挿してある。これにより、エアシリンダ30の作動によって昇降部材31がガイド軸32に案内されて昇降される。昇降部材31と対応する原反枠5の上面には案内板33が固定してあり、昇降部材31の下面には案内板33と係合する案内溝31aが形成してある。横クランプ部材8a、8bの固定用サッシ10は、その両端部のみがブラケット11(図3)にて原反枠5に固定され、原反枠5に架橋されている。固定用サッシ10は長尺なものであり、その中間部も適宜ブラケット11等を介して原反枠5に固定したいのであるが、固定用サッシ10と原反枠5の間に原反Nを通さねばならないために中間部にブラケット11等橋架手段を設けることができない。このため、固定用サッシ10の中央部はその自重によってどうしても垂れ下がることになる。この状態で前記保持部材16が回動されると原反枠5の受け部23の前面と干渉して保持部材16の回動が停止することがある。位置決め機構27はこの不具合を防ぐもので、原反Nを送るときには、エアシリンダ30を作動させて昇降部材31を図9の実線に示す位置に上昇させて、原反Nの送りを阻害しないようにする。原反Nを固定(クランプ)するときには、保持部材16の回動前にエアシリンダ30を作動させて昇降部材31を図9の想像線に示す位置に下降させて、固定用サッシ10の垂れ下がった中央部を持ち上げてその両端部と略同じ高さとなるように位置決めする。これにより、保持部材16が確実に回動できることとなる。また、昇降部材31はその案内溝31aが案内板33と係合するため固定用サッシ10の前後(図9の左右)の位置も規制されるために保持部材16による原反Nの固定が確実に行われることとなる。そして、これらのことより原反枠5の移動時に固定用サッシ10の振動も防止されることとなる。なお、昇降部材31を下降させたときには案内溝31aと案内板33とで原反Nを挟むこととなる。このときに、原反Nに傷が付かないように案内溝31a、案内板33にフェルトなどの緩衝素材を貼付してもよい。
次に、縦クランプ部材9a、9bについて説明する。縦クランプ部材9a、9bについても同じ構成を対向して配置したものであるため右側の縦クランプ部材9aについて説明する。
図10には縦クランプ部材9aの側断面図が示してある。縦クランプ部材9aは縦サッシ34を備えており、縦サッシ34の全長は両横クランプ部材8a、8bの間隔より少し短く設定してある。縦サッシ34の両端部にはそれぞれブラケット35を介して第1エアシリンダ36が固定してある。両ブラケット35には揺動レバー37が軸支してあり、揺動レバー37は第1エアシリンダ36のロッド部とピン37aによって連結してある。縦サッシ34の上方には、縦サッシ34と略同じ長さの押えサッシ38が配置してあり、押えサッシ38の両端部は両揺動レバー37の先端部にそれぞれ固定してある。押えサッシ38にはその全長と同じ長さの保持部材39が設けてある。保持部材39は、変形が可能で、かつ原反Nと接したときに滑りが生じ難い例えば弾性ゴムで形成してある。押えサッシ38の先端部には押え部材40が設けてある。縦サッシ34の上面には、保持部材39と対応する位置にゴム部材41が貼付してある。両揺動レバー37には支持部材42の両端が固定してあり、支持部材42には押えサッシ38の中央の浮き上がりを押える補助部材43が固定してある。これにより、第1エアシリンダ36を作動させて揺動レバー37を下方へ揺動させ、押えサッシ38を図10に示す位置にすれば、保持部材39と縦サッシ34のゴム部材41とで原反Nが挟持されて固定される。このとき、補助部材43によって押えサッシ38の中央が浮き上がらないように押えているので原反Nがより確実に固定されることとなる。一方、第1エアシリンダ36を作動させて揺動レバー37を上方へ揺動させれば押えサッシ38が上方へ移動されて原反Nの固定が解放される。
縦クランプ部材9aの両端部付近には第2エアシリンダ44が配置してある。第2エアシリンダ44は横クランプ部材8a、8bにそれぞれ取り付けてあり、両第2エアシリンダ44のロッド部は縦サッシ34の両端付近に連結してある。これにより、第2エアシリンダ44を作動させれば縦サッシ34が左右に移動される。そして、第1エアシリンダ36を作動させて原反Nを固定した後に、第2エアシリンダ44を作動させて対向する縦クランプ部材9a、9bとの間隔が広がる方向に縦サッシ34を移動される。これにより原反Nがミシンの幅方向に展張される。
図11には供給スタンドS1の一例が側面図で示してある。供給スタンドS1は、ミシンの横幅方向に適宜間隔を有して配置した一対のスタンドフレーム45を備えている。スタンドフレーム45には原反Nのロールを支持するための支持部(46a,46b,46c)が前方部(図11の左側)に2つ、後方部(図11の右側)に一つ設けてある。キルティングを行うときには、図2に示すように前方部の2つの支持部46a,46bに布地のロール(N1,N2)をセットし、後方部の支持部46cに綿のロール(N3)をセットする。一方、1枚の布地に刺繍などを行うときには、図11に示すように前方部上側の支持部46aに布地Nのロールのみをセットする。供給スタンドS1には、1枚の布地に刺繍などを行うときで、その布地が薄物のときに布地を繰り出すための繰出し機構が設けてある。繰出し機構は、スタンドフレーム45に揺動可能に軸支された揺動レバー47を有している。揺動レバー47にはエアシリンダ48のロッド部先端がピンにより連結してあり、エアシリンダ48はスタンドフレーム45に回動可能に枢着してある。揺動レバー47の先端部には長孔の係合部47aが形成してあり、上下動可能に設けられた繰出し部材49の軸部49aが係合してある。繰出し部材49の軸部49aはスタンドフレーム45に固定されたプレート50のガイド孔50aとも係合してある。図12より明らかなように、プレート50には、ガイド孔50aに沿ってラックギヤ51が固定してあり、繰出し部材49の軸部49aにはラックギヤ51と噛合するピニオンギヤ52が固定してある。これにより、エアシリンダ48の作動によって揺動レバー47が揺動されれば、繰出し部材49がプレート50のガイド孔50aに沿って上下動されることとなる。このとき、繰出し部材49はラックギヤ51、ピニオンギヤ52によって回転しながら上下動される。
原反Nが1枚の薄物生地のときには、図11に示すように原反Nが巻かれたロールを前方部上側の支持部46にセットし、ロールから繰り出した原反Nをガイドシャフト53を介した後に繰出し部材49に巻き掛け、テーブル2後端部に設けた後述する位置補正部材54を介して原反枠5へと導く。繰出し部材49は、エアシリンダ48の作動によって揺動レバー47が図11の実線で示す揺動位置にある下端位置と、想像線で示す揺動位置にある上端位置との間を上下動される。原反Nが原反枠5に固定されているときに、エアシリンダ48を作動させて揺動レバー47を図11の想像線で示す揺動位置から実線で示す揺動位置へと揺動させる。これにより、繰出し部材49が上端位置から下端位置へと下降され、次に送る量の原反Nがロールから繰り出される。このとき、繰出し部材49はラックギヤ51、ピニオンギヤ52によって原反Nの流れとは逆に回転されながら下降される。これは、原反Nが必要以上に繰り出されないようにするためである。そして、原反枠5に固定された部分への刺繍が終了し、次に刺繍を行う部分を原反枠5内に位置させるときには、エアシリンダ48の作動によって揺動レバー47を図11の実線位置から想像線位置へと揺動させ、繰出し部材49を上端位置へと上昇させる。その後、原反Nを送り出すことによって原反Nがスムーズに送り出されることとなる。
次に、テーブル2の後端部に設けた位置補正部材54について説明する。図13に示すように、位置補正部材54は2本の支持棒55を有している。両支持棒55の両端は、テーブル2の後端部に固定されたブラケット56に固定してある。両支持棒55の略中間部下方にはエアシリンダ57が配置してあり、エアシリンダ57はテーブル2の後端部に固定されたシリンダブラケット58に固定してある。エアシリンダ57には両支持棒55を支持する支持部材59が固定してあり、エアシリンダ57の作動によって支持部材59が上下動されるようになっている。図11に示すように、供給スタンドS1から原反枠5へと繰り出される原反Nは、この位置補正部材54の両支持棒55上に載置される。支持部材59は常には図13に示す下降位置にあり、支持部材59が下降位置にあるときには両支持棒55の中間部はその両端部と同じ高さである。原反Nを送るときには、エアシリンダ57を作動させて支持部材59を上昇させ、両支持棒55の中間部を持ち上げて両端部より高く湾曲させる。これにより、両支持棒55上を通る原反Nは、その両端部が低くなっている両支持棒55の両端部側へ引張られることとなる。この位置補正部材54及び供給スタンドS1の繰出し機構によって、原反Nを送るときに原反Nが蛇行するのを防止するようになっている。
次に、本実施例における原反Nへの縫製動作について説明する。
まず、原反Nをセットするときは、原反Nを供給スタンドS1から繰り出し、原反枠5上に各クランプ部材8a、8b、9a、9bによる固定が可能なように通した後に、回収スタンドS2へと導く。この状態で横クランプ部材8a、8b、縦クランプ部材9a、9bによって原反枠5に対して原反Nを固定する。原反Nの固定は、初めに縦クランプ部材9a、9bの第1エアシリンダ36が作動されて、保持部材39と縦サッシ34のゴム部材41とで原反Nの幅方向端部が挟持されて固定される。このとき、位置決め機構27のエアシリンダ30も同時に作動され、固定用サッシ10の垂れ下がった中央部が持ち上げられる。次に、横クランプ部材8a、8bのエアシリンダ21が作動されて、保持部材16とゴム部材24、25とで原反Nが挟持されて固定される。そして、最後に縦クランプ部材9a、9bの第2エアシリンダ44を作動させて、縦サッシ34を移動させて原反Nをピンと張った状態とする。原反Nを固定したら、ミシンのスタートスイッチを押してミシンを起動させると、刺繍柄データ等の縫いデータに応じて原反枠5が前後左右に駆動されると共にミシンヘッド3による縫い動作が行われ、原反枠5に固定された原反Nへの縫製が行われる。
縫製が終了したらミシンを停止させ、各エアシリンダを作動させて原反枠5に対する原反Nの固定を解放させる(アンクランプする)。原反Nの固定が解放されたら、原反Nを送って原反枠5内に原反Nの次に縫製を行う部分を位置させる。原反Nの次に縫製を行う部分を原反枠5内に位置させたら、上述と同様にして各エアシリンダを作動させて次に縫製を行う原反部分を原反枠5に固定させ、ミシンを再起動させて縫製を行う。このように、原反枠5に対する原反Nの固定位置を変更して縫製を繰り返す。
このように、横クランプ部材8a、8bによる原反Nの固定を、保持部材16を回動させて行うことによって強固に固定することができる。また、保持部材16は原反Nが引張られることによって、より強固に原反Nを固定するように作用するため、原反Nの固定が確実なものとなり、原反Nが薄物の場合でも強固に固定することができることとなる。また、横クランプ部材8a、8bの中間部に位置決め機構27を設けたことによって、横クランプ部材8a、8bのどの位置(特に中間部)においても原反Nを強固に固定することができるだけでなく、原反枠5の移動時の固定用サッシ10の振動も防止されて原反Nの固定が一層強固なものとなる。
更に、横クランプ部材8a,8bの変更例につき、図14を参照して説明する。図14の例において、横クランプ部材8a(又は8b)には上述の実施例と同様に回動される保持部材16及び押え部材17が設けてあるともに、もう一つの保持部材60が設けてある。このもう一つの保持部材60は一対のギヤ61a、61bによって保持部材16の回動に伴い反対方向に回動されるようになっている。原反枠5の受け部23には保持壁62が設けてある。受け部23には第1実施例同様にゴム部材24、25が設けてあるとともに、保持壁62の右側面には保持部材60と対応するゴム部材63が設けてある。そして、原反Nを固定するときには保持部材16を図14の想像線に示す位置に回動させ、保持部材16とゴム部材24,25とで原反Nを挟持する。保持部材16が回動されれば、もう1つの保持部材60も想像線で示す位置に回動され、保持壁62の右側面において、保持部材60とゴム部材63とで原反Nを挟持する。このように、第2実施例では保持壁62の左右側で保持部材16、60によって原反Nを挟持するため、より強固に原反Nを固定することができることとなる。
上記各実施例において、各部材の駆動をエアシリンダにて行うようにしたが、電動アクチュエータ等その他のアクチュエータを用いてもよい。
上記実施例では、横クランプ部材8a、8bによるクランプ構造を保持部材16の回動による構造としたが、これに限らず、縦クランプ部材9a、9bについても、同様な保持部材の回動による構造によって原反Nの固定(クランプ)を行うようにしてもよい。
また、上記実施例では、各横クランプ部材8a、8bの略中央部の一箇所に位置決め機構27を設けたが、これに限らず、適宜の中間位置に適宜数の位置決め機構27を分散して配置してもよい。
なお、原反Nの次に縫製を行う部分を原反枠5内に位置させるときは、原反枠5を移動させることによって行ってもよいし、原反Nの縫製が行われた部分を回収スタンドS2に回収することによって行ってもよい。原反枠5を移動させることによって、原反Nの次に縫製を行う部分を原反枠5内に位置させる場合には、ミシンヘッド3の針元付近において原反Nを押え付ける押え部材を備えてもよい。押え部材はミシンヘッド3に設けたアクチュエータによって上下動されるように設け、原反Nの次に縫製を行う部分を原反枠5内に位置させるときに、アクチュエータによって押え部材を下降させて原反Nが原反枠5の移動によって動かないように押えるようにするとよい。
本発明の一実施例に係る多頭刺繍ミシンの平面図。 同実施例に係る多頭刺繍ミシンの側面略図。 同実施例における前方の横クランプ部材の左側端部を拡大して示す平面図。 横クランプ部材の左側面図であって、(a)はアンクランプ状態を示し、(b)はクランプ状態を示す。 図3のI−I線矢視断面図。 図3のII−II線矢視断面図。 横クランプ部材によるクランプ動作を更に拡大して示す側面図。 横クランプ部材の中間部に付加的に配置される位置決め機構の一例を示す立体図。 該位置決め機構の動作を説明するための一部断面側面図。 縦クランプ部材の側断面図。 供給スタンドの一例を示す側面図。 供給スタンドにおける繰出し部材の一部構造を拡大して示す斜視図。 テーブルの後端部に設ける位置補正部材の構成例を示す斜視図。 本発明に従う横クランプ部材の変更例を示す側断面図。 従来の多頭ミシンの一例を示す平面図。 従来の横クランプ部材を示す図15のIII-III線矢視断面図。 従来の縦クランプ部材を示す図15のIV-IV線矢視断面図。
符号の説明
1 ミシンフレーム
2 テーブル
3 ミシンヘッド
4 針板
5 原反枠
N 原反
8a、8b 横クランプ部材
9a、9b 縦クランプ部材
S1 供給スタンド
S2 回収スタンド
10 固定用サッシ
12 軸受
13 パイプ部材
14 回動軸
16 保持部材
17 押え部材
23 受け部
27 位置決め機構

Claims (2)

  1. ミシンテーブル上で駆動制御される原反枠に対して長尺の原反をその供給源から供給して固定し、該原反枠に固定された原反部分への縫製が終了したら、該原反枠に対して原反を相対的に移動させることにより該原反枠に固定する原反部分を別の部分に変更して縫製を再開するように構成されたミシンにおいて、
    前記原反枠に対して原反を固定するためのクランプ手段が、前記原反枠に配置された原反の平面方向に沿って延びた回動軸の回りで回動するように構成された保持部材と、回動された前記保持部材を受け止めるように構成された受け部とを含み、前記保持部材と前記受け部との間に原反を挟み込んだ状態で前記回動された保持部材を前記受け部で受け止めることで原反をクランプすることを特徴とするミシン。
  2. ミシンテーブル上で駆動制御される原反枠に対して長尺の原反をその供給源から供給して固定し、該原反枠に固定された原反部分への縫製が終了したら、該原反枠に対して原反を相対的に移動させることにより該原反枠に固定する原反部分を別の部分に変更して縫製を再開するように構成されたミシンにおいて、
    原反枠との間で原反をクランプするためのものであって、原反の送り方向に対して横方向に延びた長尺の横クランプ部材と、
    前記原反枠の両端にて架橋されて前記横クランプ部材を懸架するサッシ部と、
    前記サッシ部の中間位置に配置された上下動可能な部材が、原反送り時には上昇されて原反送りを可能にし、原反固定時には下降して原反枠との間で原反を固定し、かつ、その反力によって前記サッシ部の中間位置が垂下若しくは変形しないように支持する位置決め機構と
    を具備することを特徴とするミシン。
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