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JP2005345561A - 走査型レーザ顕微鏡装置 - Google Patents

走査型レーザ顕微鏡装置 Download PDF

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JP2005345561A JP2004162288A JP2004162288A JP2005345561A JP 2005345561 A JP2005345561 A JP 2005345561A JP 2004162288 A JP2004162288 A JP 2004162288A JP 2004162288 A JP2004162288 A JP 2004162288A JP 2005345561 A JP2005345561 A JP 2005345561A
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信浩 北
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Abstract

【課題】簡易な構成でコンントラストの良い蛍光画像が取得できる走査型レーザ顕微鏡装置を提供すること。
【解決手段】レーザ光源10からレーザ光を出射し、レーザ光を試料63に照射しつつ走査し、試料63から発する蛍光を検出して蛍光画像を取得する走査型レーザ顕微鏡装置100において、レーザ光源19と試料63との間の光路上に配置され、試料63から反射されたレーザ光と試料63から発した蛍光とを偏光状態の違いによって分離する偏光ビームスプリッタ4,1/4波長板61を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、試料にレーザ光を照射しつつ走査し、試料から発する蛍光を検出して蛍光画像を取得する走査型レーザ顕微鏡装置に関するものである。
従来、励起光であるレーザ光を試料に照射しつつ走査し、試料から発する蛍光画像を取得する走査型レーザ顕微鏡が多用されている。ところで、近年、蛍光試薬の種類の増加とともに様々な検出ファクターの測定が望まれている。この検出ファクターとして、蛍光色素毎の蛍光画像の取得、蛍光スペクトルの定量化等がある。このような種々の検出ファクターを測定するには、試料から発する蛍光のみを抽出し、試料で反射される励起光を排除する必要がある。そのため、光の回折効果を利用して励起光と蛍光とを分離する音響光学素子(AOTF:Acousto-Optic Tunable Filter)を用いる方法が提示されている(特許文献1参照)。
特開2003−17732号公報
しかしながら、AOTFは、波長の差によって回折分光し、励起光と蛍光とを分離するが、励起光の光強度が蛍光の光強度に比して非常に強いため、回折分光した蛍光成分に励起光成分が漏れ入る。蛍光の光強度は、励起光の光強度に比して微弱であるため、蛍光成分に励起光成分が漏れ入ると、コントラストが悪い蛍光画像しか取得できないという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成によって試料で反射される励起光を排除し、コントラストの良い蛍光画像が取得できる走査型レーザ顕微鏡装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる走査型レーザ顕微鏡装置は、レーザ光源からレーザ光を出射し、前記レーザ光を試料に照射しつつ走査し、前記試料から発する蛍光を検出して蛍光画像を取得する走査型レーザ顕微鏡装置において、前記レーザ光源と前記試料との間の光路上に配置され、前記試料から反射された前記レーザ光と前記試料から発した蛍光とを偏光状態の違いによって分離する分離手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項2にかかる走査型レーザ顕微鏡装置は、上記の発明において、前記分離手段は、偏光ビームスプリッタと1/4波長板との組合わせであることを特徴とする。
また、請求項3にかかる走査型レーザ顕微鏡装置は、上記の発明において、前記光路上に配置され、光の波長によって回折分光を行う回折手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項4にかかる走査型レーザ顕微鏡装置は、上記の発明において、前記回折手段は、音響光学素子であることを特徴とする。
本発明にかかる走査型レーザ顕微鏡装置は、偏光ビームスプリッタと1/4波長板とを組合わせて光路上に配置することによって、簡易な構成でコントラストの良い蛍光画像が取得できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる走査型レーザ顕微鏡装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、この発明の実施の形態である走査型レーザ顕微鏡装置100の概要構成を示すブロック図である。図1において、この走査型レーザ顕微鏡装置100は、光源部1と、音響光学素子(AOTF)2と、共焦点光学部3と、偏光ビームスプリッタ4と、走査光学部5と、顕微鏡部6と、検出器7A,7Bと、信号処理部8と、制御部9とを有している。さらに、光源部1は、レーザ光源10と、コリメータレンズ11とを有し、共焦点光学部3は、共焦点レンズ30と、共焦点ピンホール31と、共焦点レンズ32とを有し、走査光学部5は、ガルバノミラー50を有し、顕微鏡部6は、結像レンズ60と、1/4波長板61と、対物レンズ62とを有している。
まず、レーザ光源10から励起光である波長580nmのレーザ光が出射され、出射されたレーザ光は、AOTF2、共焦点光学部3、偏光ビームスプリッタ4、走査光学部5を順次介して顕微鏡部6に入射する。顕微鏡部6に入射したレーザ光は、結像レンズ60、1/4波長板61、対物レンズ62を順次介して試料63に入射する。試料63に入射したレーザ光は、試料62を励起し、試料62から波長600nmの蛍光が発光する。蛍光は、対物レンズ62、1/4波長板61、結像レンズ60を順次介して顕微鏡部6から出射し、走査光学部5、偏光ビームスプリッタ4、共焦点光学部3を順次介してAOTF2に入射する。AOTF2に入射した蛍光は、±1次に回折分光され、+1次に回折分光された蛍光は、検出器7Aに入射し、−1次に回折分光された蛍光は、検出器7Bに入射する。検出器7A,7Bは、入射した蛍光を電気信号に変換して信号処理部8に出力する。信号処理部8は、入力した電気信号を加算し、加算した加算信号を制御部9に出力する。制御部9は、入力した加算信号を画像信号に変換し、表示部12に出力し、表示部12は、入力した画像信号を蛍光画像として出力表示する。
ところで、試料63を照射したレーザ光の大部分は、試料63を透過するが、一部は、試料63で反射され、試料63から発した蛍光とともにAOTF2まで逆行する。AOTF2は、入射した光を回折現象によって回折分光し、回折分光する光の波長を可変できる機能を有している。したがって、複数の蛍光色素で染色した試料63から複数の異なる波長の蛍光を同時に選別し、蛍光色素毎に蛍光画像を取得する場合に多用される。図2は、AOTF2の回折効率ηを示す特性図である。図2に示すように、例えば蛍光波長λ0が600nmであり、蛍光波長λ0の回折効率ηEMを1とした場合、励起光波長580nmの回折効率ηEXは、1/100となる。したがって、AOTF2は、蛍光を抽出するものの、蛍光に対して1/100の比で励起光も抽出することになる。励起光の光強度は、蛍光の光強度に対して非常に強いため、励起光の回折効率ηEXが蛍光の回折効率ηEMの1/100になったとしても、蛍光画像のコントラストを悪化させる要因になる。
図3は、偏光ビームスプリッタ4と1/4波長板61とを組合わせて配置することによって、AOTF2に入射する前の段階で励起光と蛍光とを分離する過程を示す模式図である。図3において、試料63に入射する励起光を入射励起光A1とし、試料63で反射された励起光を反射励起光A2とし、試料63から発した蛍光を蛍光Bとした場合、まず、レーザ光源10から出射されたレーザ光は、入射励起光A1として偏光ビームスプリッタ4に入射する。入射励起光A1は、直線偏光であり、入射励起光A1の偏光方向は、偏光ビームスプリッタ4を透過するように整合されている。このため、入射励起光A1は、偏光ビームスプリッタ4を透過し、1/4波長板61に入射する。また、1/4波長板61の向きは、入射励起光A1を右回転の円偏光に変換するように整合されている。このため、入射励起光A1は、1/4波長板61によって、右回転の円偏光に変換され、試料63に入射する。試料63に入射した入射励起光A1の大部分は、試料63に吸収されるが、一部は、試料63で反射され、反射励起光A2となる。
反射励起光A2は、試料63で反射されると、円偏光の回転方向が反転し、左回転の円偏光となる。左回転の円偏光となった反射励起光A2は、1/4波長板61に入射する。1/4波長板61は、入射した反射励起光A2を直線偏光に変換する。したがって、1/4波長板61に入射した入射励起光A1と1/4波長板61から出射する反射励起光A2との位相差は、π/2になり、入射励起光A1と反射励起光A2との偏光角は、90°異なる。したがって、反射励起光A2は、入射励起光A1と90°異なった直線偏光光となって偏光ビームスプリッタ4に入射する。偏光ビームスプリッタ4は、入射励起光A1が透過するように整合されているため、偏光角が入射励起光A1と90°異なる反射励起光A2を反射する。この結果、偏光ビームスプリッタ4まで入射励起光A1と同じ光路を逆行した反射励起光A2は、偏光ビームスプリッタ4によって分離される。しかし、上述の原理にも係わらず、偏光ビームスプリッタ4を透過する反射励起光A2が存在し、反射励起光A2の反射と透過との比率は、一般的に1:1/100〜1/500程度である。
また、図3において、入射励起光A1の照射によって試料63は励起され、試料63から蛍光が発せられる。試料63から発した蛍光を蛍光Bとした場合、蛍光Bは、ランダム偏光であり、1/4波長板61を通過しても、ランダム偏光に変化なく、偏光ビームスプリッタ4に入射する。偏光ビームスプリッタ4は、入射した蛍光Bを直交するP偏光成分の光とS偏光成分の光とに分離し、S偏光成分の光を反射し、P偏光成分の光を透過する。蛍光Bは、ランダム偏光であるため、偏光ビームスプリッタ4によって、蛍光Bの1/2は、透過蛍光B1となり、蛍光Bの1/2は、反射蛍光B2となる。したがって、偏光ビームスプリッタ4を透過し、AOTF2に入射する蛍光Bの入射比率は、1/2となる。
つまり、試料63で反射された励起光は、偏光ビームスプリッタ4によって、1/100〜1/500に減衰され、AOTF2によって、さらに1/100に減衰される。したがって、試料63で反射された励起光は、1/10,000〜1/50,000に減衰されて検出器7A,7Bに入射し、蛍光は、偏光ビームスプリッタ4によって1/2に減衰されて検出器7A,7Bに入射する。
この結果、検出器7A,7Bに入射する蛍光と励起光との入射比率は、1/2:1/10,000〜1/2:50,000=1:1/5,000〜1:1/25,000となる。従来、検出器7A,7Bに入射する蛍光と励起光との入射比率は、1:1/100であることから、この発明によれば、蛍光が相対的に50〜250倍明るくなり、コントラストの良い蛍光画像が取得できる。
この実施の形態では、偏光ビームスプリッタ4と1/4波長板61とを組み合わせてレーザ光上に配置することによって、検出器7A,7Bに入射する励起光を減衰させ、コントラストのよい蛍光画像が取得できるようにしている。
なお、この実施の形態では、偏光ビームスプリッタ4を透過した蛍光を検出器7A,7Bに入射するようにして、偏光ビームスプリッタ4を透過する反射励起光A2を減衰するようにしていたが、偏光ビームスプリッタ4で反射された蛍光を検出器7A,7Bに入射し、偏光ビームスプリッタ4で反射される反射励起光A2を減衰するようにしてもよい。また、1/4波長板61は、入射した入射励起光A1を右回転の円偏光に変換していたが、左回転の円偏光に変換するようにしてもよい。
この発明の実施の形態にかかる走査型レーザ顕微鏡装置を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態にかかるAOTFの特性を示すグラフである。 この発明の実施の形態にかかる偏光ビームスプリッタと1/4波長板との働きを示す模式図である。
符号の説明
1 光源部
2 AOTF
3 共焦点光学部
4 偏光ビームスプリッタ
5 走査光学部
6 顕微鏡部
7A,7B 検出器
8 信号処理部
9 制御部
10 レーザ光源
11 コリメータレンズ
12 表示部
30 レンズ
31 共焦点ピンホール
32 共焦点レンズ
51 ガルバノミラー
60 結像レンズ
61 1/4波長板
62 対物レンズ
63 試料
100 走査型レーザ顕微鏡装置

Claims (4)

  1. レーザ光源からレーザ光を出射し、前記レーザ光を試料に照射しつつ走査し、前記試料から発する蛍光を検出して蛍光画像を取得する走査型レーザ顕微鏡装置において、
    前記レーザ光源と前記試料との間の光路上に配置され、前記試料から反射された前記レーザ光と前記試料から発した蛍光とを偏光状態の違いによって分離する分離手段を備えたことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡装置。
  2. 前記分離手段は、偏光ビームスプリッタと1/4波長板との組合わせであることを特徴とする請求項1に記載の走査型レーザ顕微鏡装置。
  3. 前記光路上に配置され、光の波長によって回折分光を行う回折手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の走査型レーザ顕微鏡装置。
  4. 前記回折手段は、音響光学素子であることを特徴とする請求項3に記載の走査型レーザ顕微鏡装置。
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