JP2005342435A - 医療機器用収納ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】カプセル型医療システムから送信される信号を受信する受信機等の医療機器を、長時間にわたって快適に携帯可能にする医療器用収納ベルトを提供すること。
【解決手段】収納ベルト5は、背面ベルト51a、第1側面ベルト51b及び第2側面ベルト51cで構成されて被検者に巻装されるベルト部51と、このベルト部51を構成する側面ベルト51b、51cに移動可能に設けられる取付部53c、54cを有する、医療機器が収納される収納部53、54とを有している。側面ベルト51b、51cの両端部にはベルト固定部となる面ファスナ56を構成するフック側部材57とループ側部材58とを備え、側面ベルト51b、51c及び取付部53c、54cには収納部固定部となる面ファスナ56aを構成するフック側部材57aとループ側部材58aとを備えている。
【選択図】図6
【解決手段】収納ベルト5は、背面ベルト51a、第1側面ベルト51b及び第2側面ベルト51cで構成されて被検者に巻装されるベルト部51と、このベルト部51を構成する側面ベルト51b、51cに移動可能に設けられる取付部53c、54cを有する、医療機器が収納される収納部53、54とを有している。側面ベルト51b、51cの両端部にはベルト固定部となる面ファスナ56を構成するフック側部材57とループ側部材58とを備え、側面ベルト51b、51c及び取付部53c、54cには収納部固定部となる面ファスナ56aを構成するフック側部材57aとループ側部材58aとを備えている。
【選択図】図6
Description
本発明は、カプセル型の医療装置に備えられた通信装置から送信される信号を受信するアンテナに電気的に接続された受信機等の医療機器が収納される医療機器用収納ベルトに関する。
近年、体腔内の深部等を観察できるようにしたカプセル型内視鏡によるカプセル内視鏡検査が行われるようになっている。このカプセル内視鏡検査においてはカプセル型内視鏡を被検者に飲み込んでもらうことによって、カプセル型内視鏡が体腔内に導入される。カプセル型内視鏡は、カプセル状のカプセル本体内に照明機能や撮像機能が設けられている。
カプセル内視鏡検査においては、カプセル型内視鏡に設けられている撮像機能で撮像された画像信号が、カプセル本体内に設けられている送信機能によって、被検者が身につけている受信装置に向けて無線送信される。このことによって、受信装置に、カプセル型内視鏡から送信された画像信号が画像データとして保存蓄積される。そして、受信装置に保存蓄積された画像データに対して所定の信号処理を行うことによって、画像データを内視鏡観察画像として表示装置に表示させられるようになっている。
例えば、特開2001−46357号公報には、安全に生体内のラジオカプセル位置を検出し、生態情報を収集できる、ラジオカプセル受信システムが示されている。このラジオカプセル受信システムはラジオカプセルと体外ユニットとを備え、このラジオカプセルは生体情報を検出するセンサと、生体情報を送信する送信器と、電力を供給するバッテリーと、送信アンテナとを備えている。体外ユニットは被験者が装着するベスト型であり、複数のアンテナを配置したアンテナアレイ、受信モジュール、着脱可能なメモリ及び電源が設けられている。
また、特開2003−19111号公報には、生体内信号源の位置を探知するアレーシステム及び方法が示されている。このアレーシステムは、アンテナアレーベルトを使用して、生体内信号源の位置を探知できる。アンテナアレーベルトは、患者に巻き付けられて信号レコーダに取り付けられるようになっている。アレーの各アンテナ素子は、同軸ケーブルを介して、レコーダに接続するコネクタに接続される。アンテナアレーベルトは、一般に、被検者の中央部分に位置する8個のアンテナ素子を有している。
そして、前記ラジオカプセル受信システム及び前記生体内信号源の位置を探知するアレーシステム及び方法においては、カプセル型医療システムの受信機を、ベルトやベストなどに収めた状態で被験者に携帯させる。このことによって、口腔から嚥下されて例えば肛門から体外に排出されるまでの長時間にわたって、カプセル型医療装置から送られてくる生体情報に関わる信号が受信機に受信記録される。
特開2001−46357号公報
特開2003−19111号公報
しかしながら、前記特開2001−46357号公報のラジオカプセル受信システム及び特開2003−19111号公報の生体内信号源の位置を探知するアレーシステム及び方法において、受信機が記録装置や電源を含む構成で相当な重量になるにもかかわらず、長時間にわたって携帯する被検者の快適性等について全く考慮されていなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、カプセル型医療システムから送信される信号を受信する受信機等の医療機器を、長時間にわたって快適に携帯可能にする医療器用収納ベルトを提供することを目的にしている。
本発明の医療機器を被検者に携帯可能にする医療機器用収納ベルトは、被検者に巻装されるベルト部と、このベルト部に移動可能に設けられる取付部を有する、少なくとも1つの医療機器が収納される収納部とを具備している。
この構成によれば、医療機器が収納されている収納部をベルト部に対して所望の位置に移動させてバランス調整等を行えるので、医療機器の携帯性が大幅に向上する。
本発明によれば、カプセル型医療システムによる検査において、医療機器を収納した収納部のベルト部に対する位置を、医療機器の重量バランスや被検者の体型、或いは好み等を考慮して移動調整して、長時間にわたって医療機器を快適に携帯可能な医療器用収納ベルトを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図11は本発明の一実施形態に係り、図1はカプセル型内視鏡システムを説明する図、図2は受信ユニットの構成を説明する図、図3は受信機を説明する正面図、上面図及び左側面図で構成される三面図、図4は電池ボックスを説明する図、図5は医療機器用収納ベルトを説明する斜視図、図6は医療機器用収納ベルトの外側面側を説明する斜視図、図7は背面形成部の構成を説明する断面図、図8は第1側面形成部の構成を説明する断面図、図9は第1収納部の構成を説明する断面図、図10は第2収納部の構成を説明する断面図、図11は側面形成部に着脱自在なベルト延長部材を備えた医療機器用収納ベルトを説明する図である。
図1ないし図11は本発明の一実施形態に係り、図1はカプセル型内視鏡システムを説明する図、図2は受信ユニットの構成を説明する図、図3は受信機を説明する正面図、上面図及び左側面図で構成される三面図、図4は電池ボックスを説明する図、図5は医療機器用収納ベルトを説明する斜視図、図6は医療機器用収納ベルトの外側面側を説明する斜視図、図7は背面形成部の構成を説明する断面図、図8は第1側面形成部の構成を説明する断面図、図9は第1収納部の構成を説明する断面図、図10は第2収納部の構成を説明する断面図、図11は側面形成部に着脱自在なベルト延長部材を備えた医療機器用収納ベルトを説明する図である。
本実施形態の医療検査を行うカプセル型医療システムは、図1に示すカプセル型内視鏡システム1である。カプセル型内視鏡システム1は、無線型カプセル医療装置である例えばカプセル型内視鏡2と、被検者3に取り付けられる受信ユニット4と、受信ユニット4を構成する医療機器を収納する帯状の医療機器用収納ベルト(以下、収納ベルトと略記する)5と、被検者3の体外に設けられた体外ユニット6とで主に構成されている。
カプセル型内視鏡2のカプセル本体7の内部には、図示しない観察装置、照明装置、信号処理装置、通信装置及び電源等が備えられている。カプセル型内視鏡2は、例えば被検者3に嚥下されて体腔内に導入される。そして、カプセル型内視鏡2が体腔内管路を移動している間、前記観察装置でとらえた体腔内の画像が信号処理装置で所定の信号に変換され、その信号が通信装置を介して受信ユニット4に向けて無線で送信される。
図1及び図2に示すように受信ユニット4は、アンテナユニット10と、医療機器である受信機20と、受信機に20に電力を供給する電源機器である電池ボックス30と、長尺な電源コード40とで構成されている。
アンテナユニット10は、カプセル型内視鏡2のカプセル本体7内に設けられている通信装置から送信された信号を受信する受信用アンテナであり、複数(例えば8つ)のループアンテナ11、…、18及びアンテナ切替器(以下、切替器と略記する)19とで構成されている。
各ループアンテナ11、…、18は、被検者の例えば腹部側の所定位置に配置される。各ループアンテナ11、…、18からはシールド性が良好な例えば同軸線で構成されたアンテナケーブル11a、…、18aが延出している。このアンテナケーブル11a、…、18aの端部は切替器19にそれぞれ接続されている。切替器19は、被検者の体表に配置されたループアンテナ11、…、18を、予め設定された順、例えば第1ループアンテナ11、第2ループアンテナ12、…、第7ループアンテナ17、第8ループアンテナ18というように順次切替え動作させて、各ループアンテナ11、…、18で受信した信号をそれぞれ受信機20に伝送する。
なお、アンテナケーブル11a、…、18aの長さ寸法は、ループアンテナ11、…、18の体表への配置位置毎に予め決められている。また、符号19aは第1信号用ケーブルであり、符号19bは第2信号用ケーブルである。第1信号用ケーブル19aはループアンテナ11、…、18で受信した信号を切替器19から受信機20まで伝送する。第1信号用ケーブル19aの端部には第1コネクタ19cが設けられている。第2信号用ケーブル19bは受信機20側からの指示信号を切替器19に伝送する。第2信号用ケーブル19bの端部には第2コネクタ19dが設けられている。
図2及び図3に示すように受信機20は例えば箱形状であり、表示部としての例えば液晶モニタ21と、アンテナユニット用コネクタ22a、22bと、電源コード40が着脱自在に接続される電源コネクタ23と、携帯型記録媒体が収納される記録装置収納部(不図示)とが設けられている。また、受信機20の内部には各種信号処理を行う信号処理回路等の電気回路(不図示)が設けられている。
なお、アンテナユニット用コネクタ22aには第1コネクタ19cが着脱自在に接続され、アンテナユニット用コネクタ22bには第2コネクタ19dが着脱自在に接続される。
なお、アンテナユニット用コネクタ22aには第1コネクタ19cが着脱自在に接続され、アンテナユニット用コネクタ22bには第2コネクタ19dが着脱自在に接続される。
液晶モニタ21及び記録装置収納部は受信機20の例えば正面部に設けられている。アンテナユニット用コネクタ22a、22bは受信機20の例えば上面部に設けられている。電源コネクタ23は受信機20の正面部に向かって左側面部に設けられている。符号24は記録装置収納部を覆うスライド蓋24である。スライド蓋24は、受信機20に対して、例えば図中下側に摺動移動させることによって、記録装置収納部が露出されるようになっている。
液晶モニタ21は動作状態を視覚的に告知する告知部であって、画面上には例えば、信号用ケーブル19a、19b或いは電源コード40が接続されていない旨を告知するエラーメッセージの表示、電池ボックス30内のバッテリ容量不足を告知するエラーメッセージの表示、カプセル型内視鏡2から信号が送信されているか否かを告知する表示、受信状態の表示等が行えるようになっている。
携帯型記録媒体は、例えば容量が1GBのコンパクトフラッシュ(R)サイズのハードディスクドライブ(以下、HDD(図1の符号74参照)と略記する)であり、記録装置収納部に着脱自在に収納される。
前記信号処理回路では、各ループアンテナ11、…、18で受信して切替器19を介して伝送された信号の中から最も強度の強い信号を選択する処理を行い、その選択した信号を記録保存用の検査データ(例えば画像データにループアンテナナンバーを記録したもの)に信号処理される。その後、信号処理した検査データを前記HDDに出力する。このことによって、HDDには、カプセル型内視鏡2で取得した画像データが検査データとして順次、記録保存される。
図2及び図4に示すように電池ボックス30は例えば箱形形状であり、図示しない電池等が収納されるバッテリ収納部を有する箱部31と、この箱部31に対して開閉自在な蓋部32と、電源コード40が着脱自在に接続される電源コネクタ33とが設けられている。蓋部32を開状態にすることによってバッテリ収納部(不図示)が露出され、電池等の交換を行えるようになっている。
電源コード40の両端部には、受信機20に設けられている電源コネクタ23及び電池ボックス30に設けられている電源コネクタ33に対してそれぞれ着脱自在な接続用コネクタ41が設けられている。図2に示すように受信機20と電池ボックス30とが電源コード40によって電気的に接続されることによって、電池ボックス30のバッテリ収納部内に収納されている電池の電力が受信機20に供給可能な状態になる。
図5及び図6に示すように収納ベルト5は、ベルト部51と、吊りバンド52と、第1収納部53と、第2収納部54と、電源コード収納部55とを備えて構成されている。なお、本明細書中においては、以下、ベルト部51の身体に接触する面側を内側面と記載し、身体に接触しない面側を外側面と記載する。
ベルト部51は例えば、被検者の背面に配置されるいわゆる背当て部になる背面ベルト51aと、この背面ベルト51aの両端部に一体的に設けられた一対の側面ベルト51b、51cとで構成されている。そして、第1側面ベルト51bには例えば受信機20が収納される第1収納部53が設けられ、第2側面ベルト51cには電池ボックス30が収納される第2収納部54が設けられるようになっている。
背面ベルト51aの一端部に設けられた第1側面ベルト51bの他端部内側面にはベルト固定手段であるベルト固定部となる、結合手段を構成する面ファスナ56の一方側である例えば平板状のフック側部材57が設けられている。一方、第2側面ベルト51cの他端部外側面にはベルト固定手段であるベルト固定部となる、面ファスナ56の他方側であるフック側部材57と同様に平板状のループ側部材58が設けられている。
また、側面ベルト51b、51cの外側面の長手方向には収納部固定手段である収納固定部となる、面ファスナ56aの一方側である、例えば2つのテープ状のループ側部材58aが長手方向に対して並行に設けられている。なお、第2側面ベルト51cに設けたループ側部材58aについてはベルト固定手段を兼用している。
したがって、第1側面ベルト51bに設けられているフック側部材57を第2側面ベルト51cに設けられているループ側部材58、58aに押し付けることによって、フック側部材57とループ側部材58、58aとが引っかかった状態になる。すると、ベルト部51を構成する第1側面ベルト51bの端部と第2側面ベルト51cの端部とが一体に固定された状態になる。このことによって、被検者にベルト部51を巻装配置させられる。
そして、この一体な状態から、第1側面ベルト51bの端部と第2側面ベルト51cの端部とを互いに引き離す方向に引っ張ることによって、フック側部材57とループ側部材58、58aとの引っかかり状態が解除される。このことによって、第1側面ベルト51bの端部と第2側面ベルト51cの端部とを再び別体な状態にして、例えば被検者に巻装配置されているベルト部51の取り外しを行える。
吊りバンド52は、背側部52a及び一対の腹側部52b、52cで構成され、背側部52a及び腹側部52b、52cの端部にはそれぞれ取付具52d、52e、52fが設けられている。各取付具52d、52e、52fは、それぞれベルト部51を構成する背面ベルト51a、第1側面ベルト51b、第2側面ベルト51cの例えば長手方向端部(図5及び図6中の上側)に設けられている吊りバンド取付部59に着脱自在に取り付けられるようになっている。そして、ベルト部51に吊りバンド52を取り付け、吊りバンド52の腹側部52b、52cを被検者の肩にかけることによって、ベルト部51は被検者に対して安定した状態で巻装配置される。
吊りバンド取付部59には、取付け位置を使用者に告知するとともに、取付具52d、52e、52fの繰り返しの着脱に対する耐性を高めるための補強布60が設けられている。補強布60の一端を、第1側面ベルト51b及び第2側面ベルト51cに設けられるフック側部材57又はループ側部材58近傍に配置し、他端は各側面ベルト51b、51cの略中間点近傍に配置している。
このことによって、取付具52e、52fが収納部53、54より端部側に配置されるようになる。言い換えれば、収納部53、54は、取付具52e、52fよりベルト部51の中央部側に配置されるようになる。
図7に示す背面ベルト51a、及び側面ベルト51cは、外装を形成する外装布61と、例えばスポンジ状のウレタン部材である緩衝部材62とで構成されている。外装布61は袋状に形成されており、この外装布61の袋部61a内に緩衝部材62が設けられている。
そして、図に示す背面ベルト51aにおいては、外装布61の外側面に、電源コード収納部55を構成するコード収納布63が設けられている。コード収納布63の一端部内側には面ファスナ56bの一方側を構成するフック側部材57bが設けられ、他端部外側には面ファスナ56bの他方側を構成するループ側部材58bが設けられている。つまり、フック側部材57bとループ側部材58bとで収納布固定手段が構成されている。
このように、背面ベルト51aにフック側部材57b及びループ側部材58bを設けたコード収納布63を設けることによって、第1収納部53に収納される受信機20と第2収納部54に収納される電池ボックス30とを電気的に接続する電源コード40に余剰分が生じたとき、その余剰分をコード収納布63内に収めることができる。
一方、図8に示すように第1側面ベルト51bは、外装布61と、緩衝部材62と、電磁波低減部材である電磁波低減布64とで構成されている。電磁波低減布64は、外装布61に形成されている袋部61a内に緩衝部材62とともに配設される。電磁波低減布64は、不要電波の混入を低減可能にする布であり、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)の不織布又は布の表面に銅やニッケル等の電磁波遮蔽性を有する金属を蒸着させたもの、又はPETの糸に前記金属を蒸着させてそれを織って形成したものである。
なお、緩衝部材62は内側面側に位置するように設けられるようになっている。
なお、緩衝部材62は内側面側に位置するように設けられるようになっている。
このように、受信機20が収納される第1収納部53が配置される第1側面ベルト51bに電磁波低減布64を設けたことによって、体腔内を移動するカプセル型内視鏡2から送信される信号が直接に受信機20で受信されること、言い換えれば、受信機20に不要電波が混入することを、防止することができる。
また、背面ベルト51a、側面ベルト51b、51cの内側面に緩衝部材62を設けることによって、ベルト部51を被検者に巻装配置させた際の装着感が良好になる。
図9に示すように第1収納部53は、収納部本体53aと、蓋部53bと、取付部53cとで構成されている。収納部本体53aには受信機収納空間53dが形成され、取付部53cには例えば第1側面ベルト51bが遊嵌配置されるベルト配置空間53eが形成されている。
蓋部53bの所定位置には蓋部固定手段となる、面ファスナ56cの一方側を構成するフック側部材57cが設けられている。一方、収納部本体53aの所定位置には面ファスナ56cの他方側を構成する、ループ側部材58cが設けられている。このことによって、蓋部53bを収納部本体53aに対して自由に開閉することができる。
取付部53cに形成されるベルト配置空間53eの収納部本体53a側内面には、収納部固定手段である収納固定部となる、前記面ファスナ56aの他方側を構成するループ側部材58aに対応するフック側部材57aが設けられている。したがって、第1側面ベルト51bに遊嵌配置されている第1収納部53の取付部53cに設けられているフック側部材57aを、第1側面ベルト51bのループ側部材58aに押し付けることによって、フック側部材57aがループ側部材58aに引っかかった状態になる。このことによって、第1収納部53がベルト部51を構成する第1側面ベルト51bに固定配置された状態になる。
そして、固定配置された状態から、取付部53cを第1側面ベルト51bから引き離す方向に引っ張ることによって、取付部53cのフック側部材57aと第1側面ベルト51bのループ側部材58aとの引っかかり状態が引き剥がされる。このことによって、第1収納部53が図6の矢印Aに示すように第1側面ベルト51bの長手方向に対して移動可能な状態になる。
このように、第1収納部53に取付部53cを設け、この取付部53cに第1側面ベルト51bに設けたループ側部材58aに対応するフック側部材57aを設けたことによって、第1収納部53の第1側面ベルト51bの長手方向に対する固定配置位置を自由に調整することができる。
一方、収納部本体53a及び蓋部53bの所定位置には液晶モニタ21を収納部外部から露出させる所定の大きさの本体開口53f及び蓋部開口53gが設けられている。このことによって、受信機収納空間53d内に受信機20を配設させた状態において、蓋部開口53g及び本体開口53fを通して、受信機20に設けられている液晶モニタ21に表示されるエラーメッセージ等の情報を目視にて確認することができる。蓋部開口53g又は本体開口53fの少なくとも一方には、受信機20の液晶モニタ21を保護する透明部材で形成された保護部材25が設けられている。
なお、符号53hは開口であり、符号53kは透孔である。受信機収納空間53d内に受信機20を配設して蓋部53bを収納部本体53aに一体的に固定した状態において、開口53hには受信機20に設けられているアンテナユニット用コネクタ22a、22bが配置され、透孔53kには受信機20に設けられている電源コネクタ23が配置される。
図10に示すように第2収納部54は、収納部本体54aと、蓋部54bと、取付部54cとで構成されている。収納部本体54aには電池ボックス収納空間54dが形成され、取付部54cには例えば第2側面ベルト51cが遊嵌配置されるベルト配置空間54eが形成されている。
蓋部54bの所定位置には蓋部固定手段となる、面ファスナ56cの一方側を構成するフック側部材57cが設けられている。一方、収納部本体54aの所定位置には面ファスナ56cの他方側を構成する、ループ側部材58cが設けられている。このことによって、蓋部54bを収納部本体54aに対して自由に開閉することができる。
取付部54cに形成されるベルト配置空間54eの収納部本体54a側内面には、収納部固定手段となる、面ファスナ56aの他方側を構成するループ側部材58aに対応するフック側部材57aが設けられている。したがって、第2側面ベルト51cに遊嵌配置されている第2収納部54の取付部54cに設けられているフック側部材57aを、第2側面ベルト51cのループ側部材58aに押し付けることによって、フック側部材57aがループ側部材58aに引っかかった状態になる。このことによって、第2収納部54がベルト部51を構成する第2側面ベルト51cに固定配置された状態になる。
そして、固定配置された状態から、取付部54cを第2側面ベルト51cから引き離す方向に引っ張ることによって、取付部54cのフック側部材57aと第2側面ベルト51cのループ側部材58aとの引っかかり状態が引き剥がされる。このことによって、第2収納部54が図6の矢印Bに示すように第2側面ベルト51cの長手方向に対して移動可能な状態になる。
このように、第2収納部54に取付部54cを設け、この取付部54cに第2側面ベルト51cに設けたループ側部材58aに対応するフック側部材57aを設けたことによって、第2収納部54の第2側面ベルト51cの長手方向に対する固定配置位置を自由に調整することができる。
一方、収納部本体54aの側面蓋部側上部には所定の大きさの切り欠き部54fが形成されている。この切り欠き部54fは、電池ボックス30の電池ボックス収納空間54dへの挿抜をスムーズに行えるようにするためのものである。また、収納部本体54aの例えば側面蓋部側下部には電源コネクタ33を外部に露出させるための透孔54gが形成されている。
そして、ベルト部51を構成する第1側面ベルト51b及び第2側面ベルト51cに、それぞれ第1収納部53及び第2収納部54を設けた状態において、透孔53kと透孔54gとが対向した位置関係で配置される。
なお、本実施形態においては電磁波低減布64を第1側面ベルト51bを構成する外装布61の袋部61a内に設ける構成を示しているが、背面ベルト51a及び第2側面ベルト51cを構成する外装布61の袋部61a内に電磁波低減布64を同様に設ける構成にしたり、受信機20を収納する第1収納部53を構成する収納部53a及び蓋部53bに電磁波低減布64を設ける構成にしてもよい。この場合、収納部53a及び蓋部53bを袋状に構成する。このことによって、受信機20に不要電波が混入することをより効果的に防止することができる。
また、補強布60を設けて構成した吊りバンド取付部59を、図5及び図6の破線に示すように長手方向両端部に設けるようにしても良い。この場合には、第1及び第2側面ベルト51b、51cを構成する外装布61の袋部61a内に電磁波低減布64設ける構成、或いは、受信機20を収納する第1収納部53を構成する収納部53a及び蓋部53bに電磁波低減布64を設ける構成にする。このことによって、ベルト部51を構成する第1側面ベルト51bを選択的に右前或いは左前に配置させて、巻装状態を得ることができる。
体外ユニット6は、図1に示すように例えば、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略記する)70であり、このPC70にはデータ入力操作等を行う操作盤としての例えばキーボード71及びマウス72と、表示装置である液晶パネル等の表示部73が設けられている。PC70には受信機20の記録装置収納部に着脱自在に収納されるHDD74が直接的、或いはUSBケーブル等、通信を行うための通信ケーブルを介して着脱自在に接続されるようになっている。
そして、HDD74とPC70とを接続することによって、HDD74に保存されている検査データを、PC70の内部に設けられている図示しない記憶媒体に転送することや、表示を行うための処理を行って、表示部73に内視鏡画像等の表示を行えるようになっている。
なお、本実施形態においては、切替器19と受信機20とを別体な構成としているが、受信機20に切替器19を一体に組み込んだ構成等であってもよい。
また、本実施形態においては、ベルト部51を、背面ベルト51a、第1側面ベルト51b及び第2側面ベルト51cで構成しているが、ベルト部51を1つの帯状部材で構成するようにしても良い。その場合には、ベルト部51と略対応する構成となるように、フック側部材57、ループ側部材58、ループ側部材58a、電源コード収納部55、吊りバンド取付部59、緩衝部材62、電磁波低減布64等を設ける。
上述のように構成したカプセル型内視鏡システム1の作用を説明する。
まず、受信ユニット4及び収納ベルト5を用意する。そして、各ループアンテナ11、…、18を例えば紙で形成された袋状部材で覆い、袋状部材の一面側に設けられている貼付面を、被検者の例えば腹側面に予め設定されている貼付位置に貼り付けていく。
まず、受信ユニット4及び収納ベルト5を用意する。そして、各ループアンテナ11、…、18を例えば紙で形成された袋状部材で覆い、袋状部材の一面側に設けられている貼付面を、被検者の例えば腹側面に予め設定されている貼付位置に貼り付けていく。
また、被検者に巻装されるベルト部51及びこのベルト部51に取り付けられ吊りバンド52を被検者に合わせて長さ調整する。
このとき、ベルト部51の長さ寸法が短い場合には、図11に示すようにループ側部材58及び補強布60を設けて構成した吊りバンド取付部59と図示しないフック側部材57が設けられているベルト延長部材80a、80bを、側面ベルト51b、51cの少なくとも一方に、少なくとも1つ固定配置する。このことによって、ベルト部51の長さ寸法が被検者に対応した長さ寸法に調節される。
次に、ベルト部51を構成する第1側面ベルト51bに設けられている第1収納部53の位置調整及び、第2側面ベルト51cに設けられている第2収納部54の位置調整を行う。そして、吊りバンド52に設けられている取付具52dを背面ベルト51aの吊りバンド取付部59に取り付ける。また、取付具52eを第1収納部53より先端部側に位置する吊りバンド取付部59に取り付けるとともに、取付具52fを第2収納部54より先端部側に位置する吊りバンド取付部59に取り付ける。
このことによって、収納部53、54が取付具52e、52fより中央側に配置されて、万一、ベルト部51を構成する第1側面ベルト51bに設けたフック側部材57と、第2側面ベルト51cに設けたループ側部材58との固定状態が外れてしまった場合でも、ベルト部51から収納部53、54が容易に脱落することをより確実に防止することができる。
次いで、第1収納部53の受信機収納空間53dに主電源をオン状態にした受信機20を図6に示すように収納して蓋部53bを収納部53aに一体に固定する。また、第2収納部54の電池ボックス収納空間54dに電池ボックス30を収納して蓋部54bを収納部54aに一体に固定する。
そして、第1収納部53の透孔53kから露出している受信機20の電源コネクタ23と、第2収納部54の透孔54gから露出している電池ボックス30の電源コネクタ33とに電源コード40に設けられている接続用コネクタ41を電気的に接続する。このとき、電源コード40に余剰分が生じた場合には、その余剰分をコード収納布63内に収納するために配置させる。
ここで、コード収納布63に設けられているフック側部材57bをループ側部材58bに押し付ける。すると、コード収納布63内に電源コード40の余剰分が収納される。このことによって、電源コード40の余剰分が被検者に巻装されているベルト部51から垂れ下がること等の不具合を確実に防止することができる。
その後、吊りバンド52の腹側部52b、52cを被検者の肩に配置させ、ベルト部51を被検者の腰部付近に所望する状態で巻装配置させる。このとき、第1側面ベルト51b又はベルト延長部材80bに設けられているフック側部材57を、第2側面ベルト51cに設けられているループ側部材58、58a又はベルト延長部材80aに設けられているループ側部材58に押し付ける。このことによって、ベルト部51が腰部に巻装配置させる。
次いで、被検者に巻装されたベルト部51に設けられている受信機20が収納されている収納部53及び電池ボックス30が収納されている収納部54の配置位置を再調整する。このことによって、収納部53、54が被検者の所望する最適な状態に配置された状態になる。
次に、第1収納部53の開口53hから露出されているアンテナユニット用コネクタ22a及びアンテナユニット用コネクタ22bに、第1信号用ケーブル19aに設けられている第1コネクタ19c及び第2信号用ケーブル19bに設けられた第2コネクタ19dを接続する。このことによって、図1に示すように被検者3に、受信ユニット4及び収納ベルト5が一体に組合せて装着されて、受信機20及び電池ボックス30が携帯可能になる。
ここで、検査に移行するため、カプセル型内視鏡2を用意する。そして、カプセル型内視鏡2を導入する前に、受信機20に設けられている液晶モニタ21に表示されている内容を、蓋部開口53g及び本体開口53fを介して目視にて確認する。ここで、不具合が確認されなかった場合には、カプセル型内視鏡2を例えば口腔から体腔内に導入する。
被検者の体腔内にカプセル型内視鏡2が導入されると、カプセル型内視鏡2の観察装置でとらえた体腔内画像等を含む信号が通信装置を介して無線で送信される。すると、体表に貼付されている各ループアンテナ11、…、18でその信号が受信され、受信機20に伝送される。このとき、受信機20が収納されている第1収納部53が設けられている第1側面ベルト51bに少なくとも電磁波低減布64が設けられていることによって、カプセル型内視鏡2から送信された信号が受信機20に混入されることなく、確実にループアンテナ11、…、18及び切替器19を介して受信機20に伝送される。受信機20では、カプセル型内視鏡2で取得された画像データに所定の信号処理を施して生成された検査データが順次、HDD74に記録保存される。
所定時間経過後、受信機20に設けられている液晶モニタ21に表示されている内容を、蓋部開口53g及び本体開口53fを介して確認し、順調に検査が進行していると、担当医等が判断した場合には、被検者を担当医の観察下から解放して、検査継続状態に移行する。この検査継続状態において被検者は、検査が終了するまでの間、所定の範囲で自由に行動することが許される。
担当医の観察下から解放された検査継続状態にある被検者は、必要に応じて、蓋部開口53g及び本体開口53fを介して液晶モニタ21に表示されている内容を目視にて確認して不具合の発生の有無を確認したり、収納部53、54の位置調整を適宜行う。
このことによって、被検者は、担当医から解放された状態において、受信機20等の動作状態の確認を自ら行うことができるとともに、長時間にわたる検査状態を快適に過ごすことができる。
そして、検査が終了したなら、担当医の元、第1信号用ケーブル19a、信号用ケーブル19b及び電源コード40を、ベルト部51に設けられている収納部53、54に収納されている受信機20、電池ボックス30から取り出し、その後、収納ベルト5を被検者から取り外すとともに、ループアンテナ11、…、18及び切替器19も被検者から取り外す。このことによって、被検者は検査から解放される。
この後、担当医は、受信機20からHDD74から取り外し、このHDD74をPC70に接続して、HDD74に保存されている検査データを、PC70の内部に設けられている記憶媒体に転送する作業や、表示部73に内視鏡画像を表示させて検査を行う。
このように、ループ側部材を設けた側面ベルトに、医療機器が収納される収納部にフック側部材を設けた取付部を遊嵌配置させることによって、医療機器が収納された収納部の配置位置をそれぞれ側面ベルトに対して適宜、位置調整して固定配置することができる。
このことによって、ベルト部に設けられた収納部に収納された医療機器を、重量バランスをとった状態で被検者の身につけることや、被検者の好みの位置に収納部を固定配置させて、医療機器を長時間にわたって快適に携帯することが可能になる。
また、ベルト部を構成する側面ベルトの端部にフック側部材及びループ側部材を設けることによって、ベルト部の固定及び取り外しを容易に行うことができる。
さらに、吊りバンドの取り付け位置を、ベルト部に設けられる収納部よりも外側にすることによって、万一、ベルト部の端部に設けたフック側部材と、ループ側部材とによる固定状態が解除されてしまった場合でも、ベルト部に設けられた収納部がベルト部から脱落することを確実に防止することができる。
なお、受信ユニット4と収納ベルト5とを一体に組み合わせる手順は、上述したものに限定されるものではなく、例えば、ベルト部51を腰部に巻装配置させた後、収納部53、54に受信機20、電池ボックス30を収納させるようにしても良い。
また、本実施形態においては無線型カプセル医療装置をカプセル型内視鏡2として説明したが、無線型カプセル医療装置はカプセル型内視鏡2に限定されるものではない。例えば、カプセル本体7の内部に超音波探触子を配設したカプセル型超音波内視鏡等であってもよい。また、カプセル本体7の外表面側に、生体(具体的には、人、動物の体腔管路)内の明るさを検出する光センサ、内液の化学量(pH値)を検出するpHセンサ、温度を測定する温度センサ、圧力を検出する圧力センサ、或いはヘモグロビン量(出血の有無)を測定する血液センサ(ヘモグロビンセンサ)等を露出させて設け、カプセル内部に対して水密を保つようにカプセル本体に固定したものであってもよい。このカプセルにおいても、各センサで得られた情報は、通信装置により体外に向けて送信されて、ループアンテナ11、…、18等を介して受信機20に内蔵されているHDD22に検査データとして蓄積される。
このように、センサを設けたカプセルによれば、センサによって得られるデータを例えば基準値と比較することで、病気や出血などの異常の有無の判断や、カプセル通過位置の判断等を体外において、医療従事者が行うことができる。特に、カプセル型医療装置により被検者の苦痛なく、生体の消化管内のpH値やヘモグロビン量を測定することで、消化器疾患の診断や生理学的解析が行えることの効果は大きい。また、各種センサを、目的に応じて複数種類、カプセル本体7の外表面に設けることで効率良い検査を行える。
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
5…収納ベルト
51…ベルト部
51a…背面ベルト
51b…第1側面ベルト
51c…第2側面ベルト
52…吊りバンド
52d、52e、52f…取付具
53…第1収納部
54…第2収納部
56…面ファスナ
57…フック側部材
58、58a…ループ側部材
59…吊りバンド取付部
代理人 弁理士 伊藤 進
51…ベルト部
51a…背面ベルト
51b…第1側面ベルト
51c…第2側面ベルト
52…吊りバンド
52d、52e、52f…取付具
53…第1収納部
54…第2収納部
56…面ファスナ
57…フック側部材
58、58a…ループ側部材
59…吊りバンド取付部
代理人 弁理士 伊藤 進
Claims (6)
- 医療機器を被検者に携帯可能にする医療機器用収納ベルトは、
被検者に巻装されるベルト部と、
このベルト部に移動可能に設けられる取付部を有する、少なくとも1つの医療機器が収納される収納部と、
を具備することを特徴とする医療機器用収納ベルト。 - 前記ベルト部の両端部に、結合手段を有するベルト固定手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の医療機器用収納ベルト。
- 前記ベルト部及び前記取付部に、結合手段を有する収納部固定手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の医療機器用収納ベルト。
- 前記収納部固定手段は、前記ベルト固定手段を兼用することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の医療機器用収納ベルト。
- さらに、前記ベルト部を前記被検者の肩部を介して吊り上げ支持する、該ベルト部に対して着脱自在な取付具を3つ備える、吊りバンドを備える構成において、
前記ベルト部に、前記吊りバンドに備えられる取付具が取り付けられる取付部を、前記ベルト部の中央近傍及び前記ベルト固定手段より中央部側近傍の3箇所に設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の医療機器用収納ベルト。 - 前記収納部固定手段を、前記取付部よりもベルト部中央側に設けたことを特徴とする請求項5に記載の医療機器用収納ベルト。
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