JP2005228975A - 太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】p形化合物半導体層及びn形化合物半導体層とで構成した太陽電池のエネルギー変換効率を向上させる。
【解決手段】Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するp形化合物半導体層3と、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するn形化合物半導体層4と、n形バッファー層5と、n形窓層6と、n形透明導電層7とを含んでおり、フェルミ準位EFからn形バッファー層5における伝導帯の底準位ECまでの第1のエネルギー差(EC−EF)から、フェルミ準位EFからn形化合物半導体層4における伝導帯の底準位ECまでの第2のエネルギー差(EC−EF)を減じた差が−0.1eV以上0.1eV以下の範囲内であり、n形バッファー層5とn形化合物半導体層4との接合部におけるバンドオフセットの最小準位から最大準位までのオフセットエネルギー差ΔECの半値と第1のエネルギー差との和が0.3eV以上0.9eVの範囲内とする。
【選択図】図5
【解決手段】Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するp形化合物半導体層3と、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するn形化合物半導体層4と、n形バッファー層5と、n形窓層6と、n形透明導電層7とを含んでおり、フェルミ準位EFからn形バッファー層5における伝導帯の底準位ECまでの第1のエネルギー差(EC−EF)から、フェルミ準位EFからn形化合物半導体層4における伝導帯の底準位ECまでの第2のエネルギー差(EC−EF)を減じた差が−0.1eV以上0.1eV以下の範囲内であり、n形バッファー層5とn形化合物半導体層4との接合部におけるバンドオフセットの最小準位から最大準位までのオフセットエネルギー差ΔECの半値と第1のエネルギー差との和が0.3eV以上0.9eVの範囲内とする。
【選択図】図5
Description
本発明は、太陽電池に関する。特に、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有する化合物半導体層を光吸収層として備えたエネルギー変換効率の高い太陽電池に関する。
従来から、Cu(In,Ga)Se2膜のようなカルコパイライト構造を有する化合物半導体膜を光吸収層に用いた太陽電池としては、サブストレート型太陽電池とスーパーストレート型太陽電池とが知られている。
従来のサブストレート型太陽電池としては、ガラス基板上に、Mo膜等の金属層、p形Cu(In,Ga)Se2層、n形CuAl(S,Se)2層及びITO層を順次積層した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。上記の従来のサブストレート型太陽電池におけるpn接合は、p形Cu(In,Ga)Se2層とn形CuAl(S,Se)2層とのヘテロ接合で構成されていた。
また、従来のスーパーストレート型太陽電池としては、ソーダライムガラス基板上に、透明導電層、ZnO:Al膜、n形窓層として溶液成長により形成されたCdS膜、p形光吸収層として、基板温度が450℃の条件で真空蒸着されたp形CIS膜(CuInSe2膜)、及び裏面電極としてのAu膜を備えた構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。上記の従来のスーパーストレート型太陽電池におけるpn接合は、p形CIS膜とn形CdS膜とのヘテロ接合で構成されていた。
特開平11−298016号公報
特開平7−263735号公報
従来の典型的なサブストレート型太陽電池及びスーパーストレート型太陽電池におけるpn接合はヘテロ接合で構成されていたため、ヘテロ界面での界面再結合電流が無視できないほど大きく、エネルギー変換効率の低下に繋がっていた。また、p形光吸収層(p形化合物半導体層)のキャリア濃度、n形バッファー層のキャリア濃度等の最適化は行われていなかった。特にn形バッファー層に対しては、電気特性が高抵抗であることのみが注目され、どの程度の抵抗値なのか、また、どの程度のキャリア濃度なのかは不明なままであった。
そこで、本発明では、太陽電池のpn接合をp形化合物半導体層(p形光吸収層)及びn形化合物半導体層とで構成されたホモ接合又は擬ホモ接合とし、かつn形化合物半導体層とn形バッファー層との組み合わせを最適化することによって、エネルギー変換効率を向上させる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る太陽電池は、基板と、基板上に形成された導電層と、導電層上に形成された、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するp形化合物半導体層と、p形化合物半導体層上に形成された、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するn形化合物半導体層と、n形化合物半導体層上に形成されたn形バッファー層と、n形バッファー層上に形成されたn形窓層と、n形窓層上に形成されたn形透明導電層とを含む太陽電池であって、フェルミ準位からn形バッファー層における伝導帯の底準位までの第1のエネルギー差から、フェルミ準位からn形化合物半導体層における伝導帯の底準位までの第2のエネルギー差を減じた差が、−0.1eV以上0.1eV以下の範囲内であり、n形バッファー層とn形化合物半導体層との接合部におけるバンドオフセットの最小準位から最大準位までのオフセットエネルギー差の半値と第1のエネルギー差との和が、0.3eV以上0.9eV以下の範囲内であることを特徴とする(以下においては、サブストレート型太陽電池とも称する)。ここで、「フェルミ準位」(EF)、「n形バッファー層における伝導帯の底準位」、「n形化合物半導体層における伝導帯の底準位」及び「n形化合物半導体層における伝導帯の底準位」の各々は、太陽電池の熱平衡状態又は短絡状態におけるエネルギー準位である。また、「伝導帯の底準位」とは、伝導帯において電子が占拠し得る最小のエネルギー準位ECを意味する。また、本明細書においては、各族の名称は、IUPACの短周期型周期表に従って命名する。なお、「Ib族」、「IIIb族」及び「VIb族」は、それぞれ、IUPACの推奨する長周期型周期表において、「11族」、「13族」及び「16族」を意味する。
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る太陽電池は、基板と、基板上に形成されたn形透明導電層と、n形透明導電層上に形成されたn形窓層と、n形窓層上に形成されたn形バッファー層と、n形バッファー層上に形成された、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するn形化合物半導体層と、n形化合物半導体層上に形成された、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するp形化合物半導体層と、p形化合物半導体層上に形成された導電層と、を含む太陽電池であって、フェルミ準位からn形バッファー層における伝導帯の底準位までの第1のエネルギー差から、フェルミ準位からn形化合物半導体層における伝導帯の底準位までの第2のエネルギー差を減じた差が、−0.1eV以上0.1eV以下の範囲内であり、n形バッファー層とn形化合物半導体層との接合部におけるバンドオフセットの最小準位から最大準位までのオフセットエネルギー差の半値と第1のエネルギー差との和が、0.3eV以上0.9eV以下の範囲内であることを特徴とする(以下においては、スーパーストレート型太陽電池とも称する)。ここで、フェルミ準位及び各層の伝導帯の底準位は、上記のサブストレート型太陽電池の場合と同様に、熱平衡状態又は短絡状態における準位であることに注意を要する。
本発明の太陽電池であれば、pn接合を、p形化合物半導体層及びn形化合物半導体層で構成される擬ホモ接合又はホモ接合とすることによって、また、第1のエネルギー差(n形バッファー層におけるEC−EF)から第2のエネルギー差(n形化合物半導体層におけるEC−EF)を減じた差を−0.1eV以上0.1eV以下の範囲内とし、かつn形バッファー層とn形化合物半導体層との接合部におけるオフセットエネルギー差(バンドオフセットの最小準位から最大準位までの差)の半値と第1のエネルギー差との和を0.3eV以上0.9eV以下の範囲内とすることによって、エネルギー変換効率等の太陽電池特性を向上させることができる。
本実施の形態のサブストレート型太陽電池及びスーパーストレート型太陽電池は、上述のように、基板と、導電層と、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するp形化合物半導体層と、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するn形化合物半導体層と、n形バッファー層と、n形窓層と、n形透明導電層とを含む構成である。なお、これらの各層の積層の順序は、サブストレート型太陽電池とスーパーストレート型太陽電池とで異なることに注意を要する。以下において、単に「太陽電池」と称する場合、サブストレート型太陽電池及びスーパーストレート型太陽電池の双方を指すものとする。本実施の形態の太陽電池であれば、pn接合がp形化合物半導体層とn形化合物半導体層とで構成される擬ホモ接合又はホモ接合となる。これにより、pn接合界面における界面欠陥が低減され、その結果、エネルギー変換効率等の太陽電池特性が向上する。
更に、p形化合物半導体層のIb族元素とn形化合物半導体層のIb族元素とが同一種類の元素であり、p形化合物半導体層のIIIb族元素とn形化合物半導体層のIIIb族元素とが同一種類の元素であり、p形化合物半導体層のVIb族元素とn形化合物半導体層のVIb族元素とが同一種類の元素である場合には、pn接合はホモ接合となり、pn接合界面における界面欠陥を更に低減することができる。
また、本実施の形態の太陽電池であれば、第1のエネルギー差(n形バッファー層におけるEC−EF)から第2のエネルギー差(n形化合物半導体層におけるEC−EF)を減じた差が−0.1eV以上0.1eV以下の範囲内であるため、光照射によりp形化合物半導体層で発生した電子をn形バッファー層及びn形窓層を経由してn形透明導電層へ良好に転送することができる。これによって、エネルギー変換効率等の太陽電池特性が更に向上する。
第1のエネルギー差(n形バッファー層におけるEC−EF)は、n形バッファー層の組成、及びn形バッファー層のキャリア濃度によって変化する。また、第2のエネルギー差(n形化合物半導体層におけるEC−EF)は、n形化合物半導体層の組成及びn形化合物半導体層のキャリア濃度によって変化する。したがって、n形バッファー層の組成及びキャリア濃度、並びに、n形化合物半導体層の組成及びキャリア濃度を調整することによって、第1のエネルギー差から第2のエネルギー差を減じた差を所望の値に制御することができる。
また、本実施の形態の太陽電池であれば、更に、n形バッファー層とn形化合物半導体層との接合部におけるオフセットエネルギー差(バンドオフセットの最小準位から最大準位までの差)の半値と第1のエネルギー差(n形バッファー層におけるEC−EF)との和が、0.3eV以上0.9eV以下であるため、n形透明導電層に転送された電子がn形化合物半導体層やp形化合物半導体層に逆戻りすることを良好に防止することができる。特に、オフセットエネルギー差の半値と第1のエネルギー差との和は、p形化合物半導体層におけるEC−EF未満の範囲内であることが好ましい。
ここで、電子の逆戻りを防止できることについて説明する。n形化合物半導体層とn形バッファー層との接合部におけるバンドオフセットを超えて一旦n形透明導電層に転送された電子は、太陽電池の外部に概ね取り出されるが、その一部は熱的作用により逆戻りしようとする。しかし、逆戻りする電子の運動エネルギーは通常0.3eV以下のエネルギーであるため、オフセットエネルギー差の半値と第1のエネルギー差との和が0.3eV以上であれば、透明導電層に転送された電子が、n形化合物半導体層とn形バッファー層との接合部におけるバンドオフセットを越えてn形化合物半導体層やp形化合物半導体層に逆流する割合は、6.1×10-6以下であり、実質的にほとんど逆戻りできない。したがって、エネルギー変換効率等の太陽電池特性が更に向上する。
バンドオフセットは、n形バッファー層の組成とn形化合物半導体の組成により一意的に決定される。したがって、バンドオフセットは、n形バッファー層の組成とn形化合物半導体層の組成を調整することによって制御される。
本実施の形態の太陽電池では、第1のエネルギー差(n形バッファー層におけるEC−EF)と第2のエネルギー差(n形化合物半導体層におけるEC−EF)とが略同一である構成とすることが好ましい。n形バッファー層における伝導帯の底準位ECがn形化合物半導体層における伝導帯の底準位ECよりも低ければ、接合界面における界面再結合電流が非常に大きくなり、エネルギー変換効率等の太陽電池特性を大幅に低下させるからである。なお、n形バッファー層における伝導帯の底準位ECがn形化合物半導体層における伝導帯の底準位ECよりも低ければ低いほど、界面再結合電流が大きくなる。一方、n形バッファー層における伝導帯の底準位ECがn形化合物半導体層における伝導帯の底準位ECよりも高ければ高いほど、n形化合物半導体層からn形バッファー層への電子の転送効率が低下するからである。ここで、「略同一」とは、第1のエネルギー差(n形バッファー層におけるEC−EF)と第2のエネルギー差(n形化合物半導体層におけるEC−EF)との差の絶対値が0.01eV以下であることを意味する。
更に、n形バッファー層における伝導帯の底準位ECがn形化合物半導体層における伝導帯の底準位ECよりも高い場合、n形バッファー層のキャリア濃度が低く高抵抗であればあるほどn形バッファー層の厚さを薄くする必要が生じる。しかし、厚さの薄いn形バッファー層を形成すると、下地層に対するn形バッファー層のカバレージが不十分となり、n形化合物半導体層とn形窓層との間のリーク電流を増加(等価回路におけるシャント抵抗を低抵抗化)させることとなる。ここで、下地層とは、サブストレート型太陽電池においてはn形化合物半導体層を意味し、スーパーストレート型太陽電池においてはn形窓層を意味する。特にサブストレート型太陽電池では、下地層であるn形化合物半導体層の表面が凹凸面となりやすいため、その影響が顕著に現れる。したがって、n形化合物半導体層とn形窓層との間のリーク電流の増加に起因するエネルギー変換効率等の太陽電池特性の低下を招かないためにも、第1のエネルギー差と第2のエネルギー差とを略同一とすることが好ましい。
本実施の形態の太陽電池では、オフセットエネルギー差の半値と第1のエネルギー差との和が、0.5eV以下である構成とすることが好ましい。この構成であれば、n形化合物半導体層及びp形化合物半導体層からn形窓層及びn形透明導電層への電子の転送効率を大幅に低減することなく、n形窓層及びn形透明導電層からn形化合物半導体層及びp形化合物半導体層への電子の逆戻りを良好に防止できるからである。なお、n形化合物半導体層とn形バッファー層との接合部におけるオフセットエネルギー差(バンドオフセットの最小準位から最大準位までの差)の半値と第1のエネルギー差(n形バッファー層におけるEC−EF)との和が大きければ大きいほど、電子の逆戻りは良好に防止することができるが、電子の転送効率は低下する。したがって、オフセットエネルギー差の半値と第1のエネルギー差との和を、0.3eV以上0.5eV以下の範囲内で最適化することが更に好ましい。
p形化合物半導体層は、少なくとも1種類のIb族元素と、少なくとも1種類のIIIb族元素と、少なくとも1種類のVIb族元素を含有し、p形伝導性を有する半導体層である。p形化合物半導体層としては、Ib族元素であるCu(銅)と、In(インジウム)及びGa(ガリウム)からなる群より選択される少なくとも1種類の元素と、S(硫黄)及びSe(セレン)からなる群より選択される少なくとも1種類の元素とを含有する構成が好ましい。更に好ましくは、p形化合物半導体層がp形Cu(In,Ga)Se2膜(p形CIGS膜)の場合である。他の構成に比べて本来的に高エネルギー変換効率の太陽電池を実現できるからである。なお、p形化合物半導体層には、更に、p形不純物が含まれていてもよい。
n形化合物半導体層は、少なくとも1種類のIb族元素と、少なくとも1種類のIIIb族元素と、少なくとも1種類のVIb族元素とを含有し、n形伝導性を有する半導体層である。n形化合物半導体層としては、Ib族元素であるCuと、In及びGaからなる群より選択される少なくとも1種類の元素と、S及びSeからなる群より選択される少なくとも1種類の元素とを含有する構成が好ましい。更に好ましくは、n形化合物半導体層がn形Cu(In,Ga)Se2膜(n形CIGS膜)の場合である。他の構成に比べて本来的に高エネルギー変換効率の太陽電池を実現できるからである。なお、n形化合物半導体層には、更に、n形不純物が含まれていてもよい。
ここで、太陽電池におけるp形化合物半導体層及びn形化合物半導体層を形成する方法例について説明する。サブストレート型太陽電池におけるp形化合物半導体層及びn形化合物半導体層を形成する方法としては、例えば、p形化合物半導体層を形成した後にp形化合物半導体層とは別にn形化合物半導体層を形成する方法、及び、p形化合物半導体結晶を形成した後にn形不純物をp形化合物半導体結晶の表面層にドープしてその表面層をn形化合物半導体層に転換する方法が挙げられる。なお、n形不純物の拡散によりn形化合物半導体層が形成される場合、n形不純物の拡散の拡散しない部分のp形化合物半導体結晶がp形化合物半導体層となる。
一方、スーパーストレート型太陽電池におけるp形化合物半導体層及びn形化合物半導体層を形成する方法としては、例えば、n形化合物半導体層を形成した後にn形化合物半導体層とは別にp形化合物半導体層を形成する方法、n形化合物半導体結晶を成長させた後にn形化合物半導体結晶の表面層にp形不純物をドープしてp形化合物半導体に転換する方法、及び、n形不純物を含むn形バッファー層上にp形化合物半導体結晶を成長させると共に、n形バッファー層に含まれているn形不純物をp形化合物半導体結晶のバッファー層側の表面層に拡散させてn形化合物半導体に組成転換する方法が挙げられる。ここで、n形バッファー層に含まれるn形不純物とは、p形化合物半導体膜に拡散した際にドナーとして機能する元素を意味する。なお、p形不純物の拡散によりp形化合物半導体層が形成される場合、p形不純物の拡散の拡散しない部分のn形化合物半導体結晶がn形化合物半導体層となり、n形不純物の拡散によりn形化合物半導体層が形成される場合、n形不純物の拡散の拡散しない部分のp形化合物半導体結晶がp形化合物半導体層となる。
n形バッファー層としては、Zn(亜鉛)を含有する化合物膜(以下において、Zn系化合物膜と称する)が好ましい。従来の太陽電池のn形バッファー層に含まれていたCdとは異なり、Znは有害ではないため、Zn系化合物膜の形成に用いる溶液の処理も容易であるからである。Zn系化合物膜としては、例えば、ZnO(酸化亜鉛)膜、ZnS(硫化亜鉛)膜及びZn(O,S)系化合物膜が挙げられる。ここで、Zn(O,S)系化合物膜としては、例えば、ZnOとZnSとの混晶で構成されたZn(O,S)膜及びZnOとZnSとZn(OH)2(水酸化亜鉛)との混晶で構成されたZn(O,S,OH)膜が挙げられる。なお、Zn系化合物膜には、キャリア濃度を増加させるためのn形不純物が含まれていてもよい。Zn系化合物膜に対するn形不純物としては、例えば、B(ホウ素)、Al(アルミニウム)等の元素が挙げられる。
n形窓層としては、例えば、ZnO膜、ZnMgO膜が挙げられる。n形窓層における伝導帯の底準位ECは、また、n形窓層にはキャリア濃度を増加させるためのn形不純物が更に含まれていることが好ましい。n形窓層にわずかにキャリアが含まれている場合、n形窓層は高抵抗とならず、つまり等価回路における直列抵抗の抵抗値を低減できるために、エネルギー変換効率を向上させることができるからである。
本実施の形態の太陽電池では、p形化合物半導体層がp形Cu(In,Ga)Se2膜であり、n形化合物半導体層がn形Cu(In,Ga)Se2膜であり、n形バッファー層がZn(O,S)系化合物膜であり、n形窓層がZnO膜である構成とすることが好ましい。この構成であれば、太陽電池のpn接合をホモ接合とすることができ、かつ、n形Cu(In,Ga)Se2膜とZn(O,S)系化合物膜との接合部におけるオフセットエネルギー差の半値と第1のエネルギー差(n形バッファー層におけるEC−EF)との和を0.3eV以上とすることができるからである。更に、Zn(O,S)系化合物膜の組成及びキャリア濃度を調整することによって、第1のエネルギー差と第2のエネルギー差(n形化合物半導体層におけるEC−EF)とを同一の値とすることもできるからである。
更に、n形Cu(In,Ga)Se2膜は、p形Cu(In,Ga)Se2膜を構成するCu(In,Ga)Se2結晶と同一の組成である半導体結晶と、その半導体結晶にドープされたn形不純物とを有する構成であることが好ましい。この場合、pn接合を確実にホモ接合とすることができるからであり、また、pn接合界面における界面欠陥を極めて良好に低減できるからである。
n形化合物半導体層がn形Cu(In,Ga)Se2膜である場合、n形バッファー層としてZn(O,S)系化合物膜が好ましい。ここで、Zn(O,S)系化合物膜が好ましい理由について、図2(a)〜図2(c)を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態の太陽電池におけるn形化合物半導体層とn形バッファー層とn形窓層とのバンド構造を表す説明図であり、それぞれの材料及び組成でのバンドギャップと伝導帯と荷電子帯の相対的なエネルギー準位を示したものである。n形化合物半導体層がバンドギャップ1.12eVのn形Cu(In,Ga)Se2(n形CIGS)膜であり、n形バッファー層がZn系化合物膜であり、n形窓層がZnO膜である場合が例示されている。なお、図2(a)がZn系化合物膜としてZnO膜を用いた場合を表し、図2(b)がZn系化合物膜としてZn(O0.78S0.22)膜を用いた場合を表し、図2(c)がZn系化合物膜としてZnS膜を用いた場合を表している。なお、図2(a)〜図2(c)中において、「EV」は、価電子帯において電子が占拠し得る最大のエネルギー準位を意味する。
図2(a)に示されたように、n形バッファー層がZnO膜であり、かつn形窓層がZnO膜である場合、n形バッファー層のZnO膜における伝導帯の底準位ECはn形化合物半導体(n形CIGS)層における伝導帯の底準位ECよりも0.2eVだけ低いため接合界面で再結合し易く、エネルギー変換効率が低下することとなる。
また、図2(c)に示されたように、n形バッファー層がZnS膜であり、かつn形窓層がZnO膜である場合、ZnS膜における伝導帯の底準位ECが、n形CIGS膜における伝導帯の底準位ECよりも1.4eVだけ高くなる。ZnS膜のキャリア濃度が低く高抵抗であるならば、ZnS膜の厚さを10nm以下にする必要が生じる。この場合、特にサブストレート型太陽電池においては、n形CIGS膜の表面が平坦な表面であればn形CIGS膜に対するZnS膜のカバレージが不十分となることも少ないが、n形CIGS膜の表面が少しでも凹凸を有する表面であればZnS膜のカバレージが不十分となる。その結果、n形CIGS膜とZnS膜との間のリーク電流の増加(等価回路のシャント抵抗の低抵抗化)により、エネルギー変換効率の低下をもたらすことになる。
Zn(O,S)膜を一般化学式Zn(O1-xSx)膜で表すと、Xの増加と伴に、Zn(O1-xSx)膜における伝導帯の底準位ECは高くなり、また、キャリア濃度の増加と共に、Zn(O1-xSx)膜における伝導帯の底準位ECは低くなる。ここで、一般化学式Zn(O1-xSx)中のXは0<X<1を満たす実数である。したがって、n形バッファー層にZn(O,S)膜、n形窓層にZnO膜を使用すると、Zn(O,S)膜における伝導帯の底準位ECを、少なくとも図2(a)に示されたZnO膜における伝導帯の底準位ECと図2(c)に示されたZnS膜における伝導帯の底準位ECとの間の任意のエネルギー準位に制御することができる。すなわち、n形バッファー層とn形化合物半導体層間のバンドオフセットを任意に制御することができる。
例えば、図2(b)に示されたように、Zn(O0.78S0.22)膜を使用すると、n形CIGS膜とのバンドオフセットは0.2eV程度となる。
図2(a)及び図2(c)より、ZnO膜における伝導帯の底準位ECがn形CIGS膜における伝導帯の底準位ECよりも低いエネルギー準位をとれ、かつZnO膜における伝導帯の底準位ECがn形CIGS膜における伝導帯の底準位ECよりも高いエネルギー準位をとれることがわかる。また、Zn(O,S)膜における伝導帯の底準位ECをZnO膜における伝導帯の底準位ECとZnS膜における伝導帯の底準位ECとの間の任意のエネルギー準位に調整できることを考慮すれば、図2(a)〜図2(c)は、Zn(O,S)膜の組成及びキャリア濃度を制御することによって、Zn(O,S)膜における伝導帯の底準位ECをn形CIGS膜における伝導帯の底準位ECと同一のエネルギー準位にできることを示している。したがって、ZnO膜とZnS膜との中間組成(混晶組成)のZn(O,S)膜によってn形バッファー層を形成することが好ましい。
本実施の形態の太陽電池では、n形化合物半導体がCu(In,Ga)Se2膜である場合、Zn(O,S)系化合物膜が、Zn(O,S)膜又はZn(O,S,OH)膜である構成とすることが好ましい。上記において図2(a)〜図2(c)を参照して説明したように、Zn(O,S)系化合物膜の組成を調整することによって、第1のエネルギー差(n形バッファー層におけるEC−EF)を第2のエネルギー差(n形化合物半導体層におけるEC−EF)と確実に同一にできるからである。
また、n形化合物半導体がn形Cu(In,Ga)Se2膜であり、n形バッファー層がZn(O,S)系化合物膜である場合、n形窓層としてはZnO膜が好ましい。n形窓層がZnO膜であれば、図2(a)〜図2(c)からわかるように、ZnO膜における伝導帯の底準位ECがZn(O,S)系化合物膜における伝導帯の底準位ECよりも低くなるために、Zn(O,S)系化合物膜からの電子をZnO膜に良好に転送することができるからである。
ここで、n形Cu(In,Ga)Se2膜のキャリア濃度に対する好ましい範囲と、n形バッファー層のキャリア濃度に対する好ましい範囲について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、本実施の形態の太陽電池のn形Cu(In,Ga)Se2膜(n形化合物半導体層)におけるキャリア濃度と第2のエネルギー差(EC−EF)との相関を表す相関図である。なお、図3には、n形Cu(In,Ga)Se2膜のバンドギャップ(Eg)が1.12eVである場合が表されている。また、図4は、Zn系化合物膜の組成とZn系化合物膜における第1のエネルギー差(EC−EF)との相関を表す相関図である。
図3に示されたように、n形Cu(In,Ga)Se2膜(n形CIGS膜)のキャリア濃度が1×1014cm-3から1×1015cm-3まで変化すると、n形CIGS膜における第2のエネルギー差(EC−EF)は、0.22eVから0.17eVまで変化する。例えば、キャリア濃度が2×1014cm-3(図3中の黒丸点)のとき、n形CIGS膜における第2のエネルギー差(EC−EF)は、0.21eVとなる。
また、図4に示されたように、Zn(O1-xSx)膜の組成がZnO膜(X=0)からZnS膜(X=1)まで変化したとき、Zn(O1-xSx)膜の第1のエネルギー差(EC−EF)は、Zn(O1-xSx)膜のキャリア濃度が1×1014cm-3の場合には0.26eVから0.27eVまで変化し、キャリア濃度が5×1014cm-3の場合には0.22eVから0.24eVまで変化し、キャリア濃度が1×1015cm-3の場合には0.21eVから0.22eVまで変化し、キャリア濃度が5×1015cm-3の場合には0.17eVから0.18eVまで変化し、キャリア濃度が1×1016cm-3の場合には0.15eVから0.17eVまで変化し、キャリア濃度が5×1016cm-3の場合には0.11eVから0.13eVまで変化する。図4からわかるように、同一の組成のZn(O1-xSx)膜(X=一定)の場合には、Zn(O1-xSx)膜のキャリア濃度が高いほど第1のエネルギー差(EC−EF)が小さくなり、また、Zn(O1-xSx)膜のキャリア濃度が同一の場合には、Xの値が大きい(ZnS組成に近い)ほど、第1のエネルギー差(EC−EF)が大きくなる。なお、Zn(O1-xSx)膜(X=一定)の場合におけるキャリア濃度は、Zn(O1-xSx)膜にドープするn形不純物の含有率によって制御することができる。
n形化合物半導体層が図3中の黒丸点に相当するn形CIGS膜である場合、第1のエネルギー差をn形化合物半導体層における第2のエネルギー差(EC−EF=0.21eV)とを同一の値とするためには、図4において第1のエネルギー差が0.21eVとなるZn(O1-xSx)膜の組成(Xの値)とZn(O1-xSx)膜のキャリア濃度とを選択する。具体的には、例えば、Zn(O1-xSx)膜のキャリア濃度として1×1015cm-3を選択した場合には、図4中の黒丸点で示されたようにZn(O0.78 S0.22)(1−X=0.78)を選択する。なお、第1のエネルギー差が0.21eVとなるZn(O1-xSx)膜に対するキャリア濃度と組成の組み合わせは、複数存在していることに注意を要する。
上記で説明したように、第1のエネルギー差と第2のエネルギー差とが同一の値となるようにZn(O1-xSx)膜のキャリア濃度とZn(O1-xSx)膜の組成(Xの値)とを厳密に制御することが理想的ではあるが、実際にはそれらを厳密に制御することは難しい。しかし、Zn(O1-xSx)膜のキャリア濃度の変化に対する第2のエネルギー差の変化及びZn(O1-xSx)膜の組成の変化(Xの変化)に対する第2のエネルギー差の変化は、双方とも緩やかであるため、8×1014cm-3以上3×1015cm-3以下の範囲内のキャリア濃度であり、かつ0.75≦1−X≦0.8の範囲内の組成であれば、Zn(O1-xSx)膜における第2のエネルギー差(EC−EF)は、0.21eVの近傍(±0.01eV)にあり、厳密に制御した場合と大差は生じない。なお、界面再結合電流を抑制することを考慮して、Zn(O1-xSx)膜における第2のエネルギー差(EC−EF)を0.21eV以上0.23eV以下とすることが好ましい。
上記においては、Zn(O,S)膜について説明したが、Zn(O,S,OH)膜であっても、アニールすることで、OH基の含有量が減少し、OH基を僅かに含んだZn(O,S、OH)膜となるので、Zn(O,S)膜と定性的に同等である。
本実施の形態の太陽電池では、n形化合物半導体がn形Cu(In,Ga)Se2膜であり、n形バッファー層がZn(O,S)系化合物膜である場合、n形Cu(In,Ga)Se2膜におけるn形バッファー層側の表面層近傍の平均キャリア濃度が1×1014cm-3以上3×1014cm-3以下の範囲内であり、Zn(O,S)系化合物膜におけるn形Cu(In,Ga)Se2膜側の表面層近傍の平均キャリア濃度が1×1015cm-3以上3×1015cm-3以下の範囲内である構成とすることが好ましい。この構成であれば、第1のエネルギー差(n形バッファー層におけるEC−EF)と第2のエネルギー差(n形化合物半導体層におけるEC−EF)とが確実に略同一となり、かつ第1のエネルギー差とオフセットエネルギー差(n形バッファー層とn形化合物半導体層の接合部におけるΔEC)の半値との和が確実に0.3eV以上となるからである。なお、「表面層近傍」とは、表面からの深さが0.05μmまでの層を意味する。
本実施の形態の太陽電池では、n形Cu(In,Ga)Se2膜の厚さが0.3μm以下の範囲内である構成とすることが好ましい。n形Cu(In,Ga)Se2膜で吸収された光によって発生した正孔の再結合を抑制するには、正孔の拡散長以内が好ましい。したがって、n形Cu(In,Ga)Se2膜の厚さが0.3μm以下の範囲内であれば、正孔の拡散長以内の条件を満たすために、正孔の再結合を抑制できるからである。
本実施の形態の太陽電池では、n形バッファー層がZn(O,S)系化合物膜である場合、Zn(O,S)系化合物膜の厚さが0.08μm以上0.1μm以下の範囲内である構成とすることが好ましい。Zn(O,S)系化合物膜の膜厚がこの範囲内の厚さであれば、下地層に対するn形バッファー層のカバレージが十分となるため、n形バッファー層におけるピンホールの発生に起因するエネルギー変換効率の低下を抑制できるからである。特に、凹凸表面を有するn形化合物半導体層を備えたサブストレート型太陽電池の場合、Zn(O,S)系化合物膜の膜厚が0.08μm未満であれば、n形化合物半導体層に対してカバレージのよいn形バッファー層を形成することが困難となり、n形バッファー層にはピンホールが発生し易くなるからであり、また、スパッタ法を適用するn形窓層の形成においてn形化合物半導体層及びp形化合物半導体層がスパッタダメージを受けるからである。一方、膜厚が0.1μmを超えて大きければ、n形バッファー層における抵抗が高抵抗化し、つまり等価回路における直列抵抗が高抵抗化し、エネルギー変換効率等の太陽電池特性を低下させるからである。
したがって、サブストレート型太陽電池におけるn形バッファー層の膜厚は、n形化合物半導体層及びp形化合物半導体層を含むn形化合物半導体層の表面形状に応じて0.08μm以上0.1μm以下の範囲内から適宜選択されることが好ましい。具体的には、化合物半導体層の表面における凹凸が大きければn形バッファー層の膜厚を大きくし、凹凸が小さければn形バッファー層の膜厚を小さくする。
一方、スーパーストレート型太陽電池の場合、n形バッファー層はn形化合物半導体層に比べて表面の平坦なn形窓層上に形成されるため、n形バッファー層の膜厚は、0.08μm以下であってもよい。
本実施の形態の太陽電池における基板は、公知のいかなる材料で構成されていてもよい。なお、スーパーストレート型太陽電池の基板としては、基板側から太陽光を受光するため、光透過性を有する基板を用いる必要がある。サブストレート型太陽電池における基板としては、Ia族元素(アルカリ金属元素)、特にNa(ナトリウム)、K(カリウム)及びLi(リチウム)からなる群より選択される少なくとも1種類のアルカリ金属元素を含有する基板が好ましい。「Ia族」は、IUPACの推奨する長周期型周期表において「1族」を意味する。基板にIa族元素が含まれていれば、導電層上にp形化合物半導体結晶を形成する際に、基板のIa族元素が導電層を通してp形化合物半導体結晶に拡散することによって、p形化合物半導体結晶の結晶性が向上するからである。
本実施の形態の太陽電池における導電層は、公知のいかなる材料で構成されていてもよいが、Mo(モリブデン)膜、Cr(クロム)膜、Au(金)膜、Pt(白金)等の金属膜が好ましい。
本実施の形態の太陽電池におけるn形透明導電層は、公知のいかなる材料で構成されていてもよいが、ITO膜、SnO2膜、In2O3膜、ZnO:Al膜、ZnO:B膜等が好ましい。また、n形透明導電層における伝導帯の底準位ECは、n形窓層における伝導帯の底準位ECより低いエネルギー準位であることが好ましい。n形窓層からn形透明導電層への電子の転送効率が向上するからである。
(実施の形態1)
本実施の形態1のサブストレート型太陽電池について、図1及び図5を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態1に係る太陽電池の構造を表す模式的な断面図である。
本実施の形態1のサブストレート型太陽電池について、図1及び図5を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態1に係る太陽電池の構造を表す模式的な断面図である。
図1に示されたサブストレート型太陽電池は、基板1と、基板1上に形成された導電層2と、導電層2上に形成されたp形CIGS膜3(p形化合物半導体層)と、p形CIGS膜3上に形成されたn形CIGS膜4(n形化合物半導体層)と、n形CIGS膜4上に形成されたZn(O,S)膜5(n形バッファー層)と、Zn(O,S)膜5上に形成されたZnO膜6(n形窓層)と、ZnO膜6上に形成されたn形透明導電層7と、を含む構成である。なお、図1に示されたサブストレート型太陽電池において、n形CIGS膜4の厚さは0.3μm以下の範囲内とし、n形CIGS膜4の表面層近傍の平均キャリア濃度は1×1014cm-3以上3×1014cm-3以下の範囲内とし、Zn(O,S)膜5の厚さは0.08μm以上0.1μm以下の範囲内とし、Zn(O,S)膜5の表面層近傍の平均キャリア濃度は1×1015cm-3以上3×1015cm-3以下の範囲内とする。
図1に示されたサブストレート型太陽電池において、基板1、導電層2及びn形透明導電層7は、公知のいかなる材料で構成されていてもよい。
図1に示されたサブストレート型太陽電池であれば、Zn(O,S)膜5におけるEC−EF(第1のエネルギー差)とn形CIGS膜4におけるEC−EF(第2のエネルギー差)との差が略同一となり、かつ、n形Zn(O,S)膜5とn形CIGS膜4との接合部におけるオフセットエネルギー差の半値とZn(O,S)膜5におけるEC−EF(第1のエネルギー差)との和が0.3eV以上0.5eV以下の範囲内となる。
ここで、図1に示された構造の本実施の形態1に係る太陽電池のエネルギーバンド構造について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施の形態1に係る太陽電池の熱平衡状態又は短絡状態におけるエネルギーバンド構造を説明するための説明図である。なお、図5には、p形CIGS膜3、n形CIGS膜4、Zn(O,S)膜5、ZnO膜6及びn形透明導電層7のエネルギーバンド構造のみが表されており、図5の最下部にはそれらの各層の境界が表されている。また、図5の上部には、n形CIGS膜4とZn(O,S)膜5との界面近傍におけるバンドオフセットの拡大図が表されている。
図5に示されたように、n形CIGS膜4における底準位ECとZn(O,S)膜5における底準位ECとが略同一のエネルギー準位であり、Zn(O,S)膜5、ZnO膜6及びn形透明導電層7におけるそれぞれの底準位ECが順次に低いエネルギー準位となり、かつ、n形CIGS膜4とZn(O,S)膜5との接合部において発生するバンドオフセットのオフセットエネルギー差ΔECと第1のエネルギー差(Zn(O,S)膜5におけるEC−EF)との和が第3のエネルギー差(p形CIGS膜3におけるEC−EF)以下であるため、太陽光の受光に伴ってp形CIGS膜3で発生する電子を、n形CIGS膜4、Zn(O,S)膜5及びZnO膜6を順次に経由してn形透明導電層7に良好に転送することができる。また、n形CIGS膜4とZn(O,S)膜5との接合部におけるオフセットエネルギー差ΔECと第1のエネルギー差(Zn(O,S)膜5におけるEC−EF)との和が0.3eV以上であるため、ZnO膜6及びn形透明導電層7に一旦到達した電子がn形CIGS膜4とZn(O,S)膜5との接合部におけるバンドオフセットを越えてn形CIGS膜4及びp形CIGS膜3に逆戻りすることを良好に抑制することができる。n形CIGS膜4とZn(O,S)膜5との接合部におけるバンドオフセットが障壁として機能するからである。したがって、図1に示された本実施の形態1の太陽電池は、リーク電流が小さく、かつエネルギー変換効率が高い太陽電池となる。
また、本実施の形態1の太陽電池では、pn接合がp形CIGS膜3及びn形CIGS膜4からなるホモ接合であり、また、n形CIGS膜4に対するZn(O,S)膜5のカバレージが良好であるため、等価回路におけるシャント抵抗が1kΩ/cm2以上であり、かつダイオード指数(n値)が1.5程度である接合特性を実現することもできる。
図1に示されたサブストレート型太陽電池の製造方法について説明する。まず、基板1を準備する。基板1としては、Na等のIa族元素を含有する基板が好ましい。この構成であれば、p形CIGS膜3及びn形CIGS膜4の結晶性を向上させることができるからである。
次に、基板1上に導電層2を成膜する。導電層2の成膜には、スパッタ法等の公知のいかなる方法を用いてもよい。
次に、導電層2上にp形CIGS結晶を成長させる。p形CIGS結晶の形成には、真空蒸着法、セレン化法等の公知のいかなる方法を用いてもよい。なお、最終的には、p形CIGS結晶の一部はn形CIGS膜4(n形化合物半導体層)に転換され、その他の部分がp形CIGS膜3(p形化合物半導体層)となる。
次に、p形CIGS結晶上に、Zn(O,S)膜5(n型バッファー層)を0.08μm以上0.1μm以下の膜厚で形成する。Zn(O,S)膜5の形成には、溶液成長法等の公知のいかなる方法を用いてもよいが、Zn(O,S)膜5のキャリア濃度が1×1015cm-3以上3×1015cm-3以下の範囲内となるように調整する。
ここで、溶液成長法を適用してZn(O,S)膜5を形成する場合について、具体的に説明する。まず、水を溶媒として、Zn塩、硫化物、錯化剤及びZn(O,S)膜5においてドナーとして機能することとなるn形不純物を含有する物質を水等の溶媒に溶解させて、Zn(O,S)膜5を形成するためのアルカリ性の材料溶液を調製する。Zn塩としては、ZnSO4が例示でき、硫化物としてはSC(NH2)2が例示でき、錯化剤としてはNH3が例示できる。
次に、所定の温度に保持された材料溶液に、基板1、導電層2及びp形CIGS結晶からなる積層体を浸漬して、p形CIGS結晶の表面にZn、O及びS等を析出させる。これにより、p形CIGS結晶上にZn(O,S,OH)膜が成膜される。なお、Zn(O,S,OH)膜の溶液成長は、アルカリ溶液中でのZn塩、硫化物及び錯化剤の反応に基づいて進行する。ここで、Zn(O,S,OH)膜におけるO及びHは、少なくとも材料溶液の溶媒である水(H2O)から供給されることに注意を要する。
Zn(O,S,OH)膜を成膜した後、直ちに窒素ガス雰囲気中又は空気中でアニール処理(加熱処理)を行う。これにより、Zn(O,S,OH)膜からOH基をできる限り除去して、Zn(O,S)膜5(n形バッファー層)を形成する。また、このアニール処理によって、Zn(O,S,OH)膜に含まれていたZnがp形CIGS結晶の内部に拡散し、Zn(O,S)膜5側のp形CIGS結晶の表面層がn形CIGS膜4(n形化合物半導体層)となり、p形CIGS結晶のうちZnの拡散しなかった部分がp形CIGS膜3(p形化合物半導体層)となる。
上記のように溶液成長法を適用した場合、最終的に形成されるZn(O,S)膜5の組成は、材料溶液に溶解させるZn塩の濃度や、材料溶液のpHや、Zn(O,S,OH)膜を析出させる際の材料溶液の温度を調整することにより制御される。また、Zn(O,S)膜5のキャリア濃度は、材料溶液に溶解させるn形不純物の濃度や、材料溶液のpHや、Zn(O,S,OH)膜を析出させる際の材料溶液の温度を調整することにより制御される。なお、Zn(O,S)膜5にn形不純物をドープしなくても所望のキャリア濃度を実現できる場合には材料溶液にn形不純物を溶解させなくともよいが、溶液成長法を適用して形成されるZn(O,S)膜5は電気抵抗が高抵抗化し易いので材料溶液にはn形不純物を溶解させることが好ましい。
また、上記のようにn形CIGS膜4をZnの拡散により形成する場合、n形CIGS膜4の厚さ及びキャリア濃度は、アニール処理における処理温度及び処理時間を調整することにより制御される。つまり、Zn拡散のプロファイルを制御して、n形CIGS膜4の厚さを0.3μm以下の範囲内とし、n形CIGS膜4の表面層近傍の平均キャリア濃度を1×1014cm-3以上3×1014cm-3以下の範囲内に調整する。なお、n形CIGS膜4の厚さ及びキャリア濃度は、Zn(O,S,OH)膜におけるZnの含有率にも依存することに注意を要する。
溶液成長法を適用して形成されたZn(O,S,OH)膜は、他の方法を適用して形成した場合よりピンホールの発生が非常に少なく、凹凸を有するp形CIGS結晶の表面に対するカバレージもよい。これにより、最終的には、n形CIGS膜4に対するZn(O,S)膜5のカバレージもまた良好となる。また、100℃以下の温度でZn(O,S,OH)膜を成膜することができる。100℃以下の温度で製膜できるので溶液成長装置の構成が簡単でかつ温度制御が容易である利点がある。また、製膜時に、CIGS膜に与えるダメージが非常に小さくなる。また、材料溶液に積層体を浸漬した際に、材料溶液がアルカリ性であるために、p形CIGS結晶の表面がわずかにエッチングされることでその表面が改質される。表面の改質により、Zn(O,S,OH)膜の結晶性が向上し、かつp形CIGS結晶とZn(O,S,OH)膜との界面における界面欠陥が低減する。これにより、最終的には、n形CIGS膜4とZn(O,S)膜5との界面欠陥が低減する。
次に、Zn(O,S)膜5上に、ZnO膜6を成膜する。ZnO膜6の形成には、スパッタ法等の公知のいかなる方法を用いてもよい。なお、ZnO膜6は高抵抗膜でもよいが、わずかにn形キャリア(ドナー)を有する膜の方が好ましい。ZnO膜6が高抵抗膜であれば、太陽電池の等価回路における直列抵抗の抵抗値が増加するためにエネルギー変換効率等の太陽電池特性と低下させるからである。ZnO膜6のキャリア濃度を調整するためのn形不純物としては、Al、In等が好ましい。また、Zn(O,S)膜5を0.8μm以上0.1μm以下の膜厚で形成するため、スパッタ法を適用してZnO膜6を成膜してもp形CIGS膜3及びn形CIGS膜4にスパッタダメージはほとんど生じない。
次に、ZnO膜6上に、n形透明導電層7を成膜する。n形透明導電層7の形成には、スパッタ法等の公知のいかなる方法を用いてもよい。
本実施例1においては、上記の実施の形態1に係る太陽電池の一例について、より具体的に説明する。なお、図1を便宜的に参照する。
本実施例1の太陽電池は、基板1としてのソーダライムガラス基板と、導電層2としてのMo膜と、p形化合物半導体層としてのp形CIGS膜3と、n形化合物半導体層としてのn形CIGS膜4と、n形バッファー層としてのZn(O,S)膜5と、n形窓層としてのZnO膜6と、n形透明導電層7としてのITO膜とを含む構成である。
本実施例1の太陽電池の製造方法を説明する。まず、基板1としてのソーダライムガラス基板上に、導電層2としてMo膜をスパッタ法により約0.4μmの膜厚まで成膜する。例えば、ソーダライムガラス基板は加熱しないで、投入電力は1.5kW、雰囲気圧力は1Paの製膜条件で製膜を行う。次に、Mo膜上に、p形CIGS結晶を蒸着法により約2μmの膜厚まで成膜する。蒸着源として、Cu蒸着源,In蒸着源,Ga蒸着源,Se蒸着源を備えた蒸着装置を用い、まず、Cu/(In+Ga)=0.85〜0.9、Ga/(In+Ga)=0.25の設定で、ソーダライムガラス基板温度350℃で形成し、次にソーダライムガラス基板温度を500℃にして、Cu/(In+Ga)=0.7、Ga/(In+Ga)=0.25の設定で製膜を行った。次に、n形バッファー層として、温度が80℃に保持された材料溶液に、ソーダライムガラス基板、Mo膜及びp形CIGS膜を有する積層体を浸漬してZn(O,S,OH)膜を約0.1μmの膜厚まで成膜した。材料溶液は、ZnSO4、SC(NH2)2、NH3の混合溶液であり、ZnSO4濃度は0.16M(モル)、SC(NH2)濃度は0.6M、NH3濃度は7.5Mとした。また、混合溶液にはドーパントとしてAlを0.01mg入れて、十分に溶かしたものを用いた。次に、Zn(O,S,OH)膜が更に形成された積層体に対して、窒素ガス雰囲気中において200℃で10分間アニール処理を行った。これにより、実質的にOH基を含有しないZn(O0.78S0.22)膜5が形成され、かつ、p形CIGS結晶の表面層にZnを含有するn型CIGS膜4(n形化合物半導体層)が形成された。次に、Zn(O,S)膜5上に、スパッタ法によりn形窓層としてZnO膜6を約0.1μmの膜厚まで成膜する。ソーダライムガラス基板を加熱しないで、投入電力200W、雰囲気圧力3Paの条件で製膜した。次に、ZnO膜6上に、スパッタ法によりn形透明導電層7としてITO膜を約0.4μmの膜厚まで成膜する。ソーダライムガラス基板を加熱しないで、投入電力1.5kW、雰囲気圧力0.3Paの条件で製膜した。これにより、図1に示された構造を有する本実施例1の太陽電池の製造が完了した。
本実施例1の太陽電池のp形CIGS膜3において、Cu、In、Ga及びSeの含有率は、それぞれ、25原子%、18原子%、7原子%及び50原子%であり、エネルギーギャップは1.12eVであり、キャリア濃度は、1×1016cm-3であった。また、本実施例1の太陽電池のn形CIGS膜4において、Cu、In、Ga、及びSeの含有率は、それぞれ、25原子%、18原子%、7原子%及び50原子%であり、エネルギーギャップは1.12eVであり、第2のエネルギー差(EC−EF)は0.21eVであり、表面層近傍の平均キャリア濃度は2×1014cm-3であり、膜厚は約0.3μmであった。また、本実施例1の太陽電池のZn(O,S)膜5において、Zn、O、及びSの含有率は、それぞれ、50原子%、39原子%、及び11原子%であり、第1のエネルギー差(EC−EF)は0.21eVであり、キャリア濃度は1×1015cm-3であった。また、ZnO膜6において、n形不純物によるキャリア濃度は1×1015cm-3であった。
ここで、各組成(含有率)は、EDXによって測定した。各キャリア濃度は ホール測定あるいはCV測定によって求めた。n形化合物半導体層4の膜厚は、SIMS等によるZn拡散のプロファイルを分析することにより測定した。
また、本実施例1の太陽電池では、第1のエネルギー差とオフセットエネルギー差との和が0.2eVであった。バンドオフセットは、XPS又はUPSによって求められる。
本実施例1の太陽電池に対して、AM(エアマス)が1.5であり、強度が100mW/cm2である擬似太陽光下で太陽電池特性を測定したところ、解放端電圧(VOC)が0.67Vであり、短絡電流(JSC)が38mA/cm2であり、曲線因子(FF)が0.73であり、エネルギー変換効率が18.5%であり、ダイオード指数(n値)が1.5であった。これらの測定値からわかるように、本実施例1の太陽電池は、エネルギー変換効率等の太陽電池特性が非常に優れた太陽電池となった。
本発明は、太陽電池のエネルギー変換効率等の特性を向上させるために利用できる。
1 基板
2 導電層
3 p形CIGS膜(p形化合物半導体層)
4 n形CIGS膜(n形化合物半導体層)
5 Zn(O,S)膜(n形バッファー層)
6 ZnO膜(n形窓層)
7 n形透明導電層
2 導電層
3 p形CIGS膜(p形化合物半導体層)
4 n形CIGS膜(n形化合物半導体層)
5 Zn(O,S)膜(n形バッファー層)
6 ZnO膜(n形窓層)
7 n形透明導電層
Claims (9)
- 基板と、
前記基板上に形成された導電層と、
前記導電層上に形成された、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するp形化合物半導体層と、
前記p形化合物半導体層上に形成された、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するn形化合物半導体層と、
前記n形化合物半導体層上に形成されたn形バッファー層と、
前記n形バッファー層上に形成されたn形窓層と、
前記n形窓層上に形成されたn形透明導電層と、
を含む太陽電池であって、
フェルミ準位から前記n形バッファー層における伝導帯の底準位までの第1のエネルギー差から、前記フェルミ準位から前記n形化合物半導体層における伝導帯の底準位までの第2のエネルギー差を減じた差が、−0.1eV以上0.1eV以下の範囲内であり、
前記n形バッファー層と前記n形化合物半導体層との接合部におけるバンドオフセットの最小準位から最大準位までのオフセットエネルギー差の半値と前記第1のエネルギー差との和が、0.3eV以上0.9eV以下の範囲内であることを特徴とする太陽電池。 - 基板と、
前記基板上に形成されたn形透明導電層と、
前記n形透明導電層上に形成されたn形窓層と、
前記n形窓層上に形成されたn形バッファー層と、
前記n形バッファー層上に形成された、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するn形化合物半導体層と、
前記n形化合物半導体層上に形成された、Ib族元素、IIIb族元素及びVIb族元素を含有するp形化合物半導体層と、
前記p形化合物半導体層上に形成された導電層と、
を含む太陽電池であって、
フェルミ準位から前記n形バッファー層における伝導帯の底準位までの第1のエネルギー差から、前記フェルミ準位から前記n形化合物半導体層における伝導帯の底準位までの第2のエネルギー差を減じた差が、−0.1eV以上0.1eV以下の範囲内であり、
前記n形バッファー層と前記n形化合物半導体層との接合部におけるバンドオフセットの最小準位から最大準位までのオフセットエネルギー差の半値と前記第1のエネルギー差との和が、0.3eV以上0.9eV以下の範囲内であることを特徴とする太陽電池。 - 前記第1のエネルギー差と前記第2のエネルギー差とが略同一である請求項1又は2に記載の太陽電池。
- 前記オフセットエネルギー差の半値と前記第1のエネルギー差との和が、0.5eV以下である請求項1又は2に記載の太陽電池。
- 前記p形化合物半導体層が、p形Cu(In,Ga)Se2膜であり、
前記n形化合物半導体層が、n形Cu(In,Ga)Se2膜であり、
前記n形バッファー層が、Zn(O,S)系化合物膜であり、
前記n形窓層が、ZnO膜である請求項1又は2に記載の太陽電池。 - 前記Zn(O,S)系化合物膜が、Zn(O,S)膜又はZn(O,S,OH)膜である請求項5に記載の太陽電池。
- 前記n形Cu(In,Ga)Se2膜における前記n形バッファー層側の表面層近傍の平均キャリア濃度が、1×1014cm-3以上3×1014cm-3以下の範囲内であり、
前記Zn(O,S)系化合物膜における前記n形Cu(In,Ga)Se2膜側の表面層近傍の平均キャリア濃度が、1×1015cm-3以上3×1015cm-3以下の範囲内である請求項5に記載の太陽電池。 - 前記n形Cu(In,Ga)Se2膜の厚さが、0.3μm以下の範囲内である請求項5に記載の太陽電池。
- 前記Zn(O,S)系化合物膜の厚さが、0.08μm以上0.1μm以下の範囲内である請求項5に記載の太陽電池。
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