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JP2005220801A - エンジン制御装置 - Google Patents

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JP2005220801A
JP2005220801A JP2004028897A JP2004028897A JP2005220801A JP 2005220801 A JP2005220801 A JP 2005220801A JP 2004028897 A JP2004028897 A JP 2004028897A JP 2004028897 A JP2004028897 A JP 2004028897A JP 2005220801 A JP2005220801 A JP 2005220801A
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Shigeki Soeda
茂樹 添田
Akiyoshi Takita
晃良 滝田
Shogo Ide
省吾 井手
Tomohiko Hasegawa
倫彦 長谷川
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Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Abstract

【課題】外部負荷投入、開放時にトルク変動を抑制することのできるエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関によって駆動され電力を発生する発電機を駆動することによって車両バッテリの発充電を行なう発電制御装置とを有する車輌システムにおいて,内燃機関の発生する出力トルクを推定する出力トルク推定装置と,外部負荷による内燃機関に加わるトルク変動を推定するトルク変動推定装置とを設け,出力トルク推定装置において推定される出力トルクよりもトルク変動推定装置によって推定されるトルクの方が大きい値または小さい値となるようなトルク変動が生じる場合には、発電制御装置によって発電に伴う発電負荷を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明はエンジン制御装置に係り、特に車輌の運転状態に拘わらず、内燃機関の補機負荷の投入/開放状況において車輌静粛性を得ることのできるエンジン制御装置に関するものである。
従来、内燃機関の外部負荷作用に対してエンジン回転数の変化を抑制するものが提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1は、外部負荷変動に対して吸入空気量あるいは点火時期の少なくてもいずれかによってアイドル回転数を制御しようとするものである。具体的には吸入空気量の増減の遅れに起因する内燃機関の回転数の低下あるいは増大を防止するものである。外部負荷変動に応じて空気量を変更する一方で、実際の空気量の変化に応じて点火時期を進角補正あるいは遅角補正して、その結果内燃機関の出力トルクの変化の遅れを是正して内燃機関の回転数の一時的な低下や増大を防止するものである。
また、内燃機関の外部負荷作用に対して発電装置を元に電気負荷量を推定してエンジン回転数を補正するものが提案されている(例えば特許文献2参照)。この特許文献2は、アイドル回転数を制御するISCバルブの駆動量に発電装置の励磁コイル駆動量及び運転状態、例えば内燃機関の回転数とするとともに内燃機関への燃料供給量や点火時期を演算する装置を設けて自由度高くして動力性能向上、燃費低減あるいはアイドル時の回転変動を抑制しようとするものである。
特開2002−13885号公報(第3頁 第1図) 特開平8−284719号公報(第3頁 第17図)
車両の走行状態を考慮すると、排気量の大きい内燃機関においては、走行時に内燃機関の外部負荷が変動しても、内燃機関の外部負荷によって変動するトルクは、内燃機関自体の発生トルクからすると小さいもので、内燃機関自体の発生トルクに余裕があるために車輌静粛性への影響はほとんどなく商品性への影響もない。しかしながら、排気量の小さい特に軽自動車のような内燃機関においては、走行時であっても外部負荷が変動すると、内燃機関自体の発生トルクが比較的小さく外部負荷によって変動するトルクが内燃機関自体の発生トルクに大きな変動となって影響を与えることになる。このように排気量の小さい特に軽自動車のような内燃機関においては、外部負荷が変動すると、車輌自体の突き出し感とか引き込まれ感が発生し運転者への走行時に違和感を与えている。特にエアコンのような大きな負荷変動に関しては運転者への違和感が大きいものとなっている。
前記の特許文献1、2は、いずれもアイドル状態あるいは内燃機関の環境(エンジン水温)違いの中でアイドル回転数の安定化を目的としたもので、外部負荷の変動による車輌自体の突き出し感とか引き込まれ感の発生を防止するものではない。特許文献2には、動力性能改善という概念は示されているが、発電装置の負荷を平均レベルで調整して動力性能への負荷軽減あるいは負荷軽減をもとにしての燃費低減を図るものであり、走行状態での外部負荷の変動に関する考慮はされていない。
本発明の目的は、走行状態において内燃機関の余裕を超える負荷変動が予想されるような外部負荷変動を事前に考慮して、外部負荷投入、開放時にトルク変動を抑制することのできるエンジン制御装置を提供することにある。
本願請求項1に記載の発明は、車輌に搭載された内燃機関と、前記内燃機関の回転数及び絞り弁開度及び冷却水温度等の運転状態を検出し前記内燃機関の吸気管に設けられた前記絞り弁をバイパスする空気量を調量して前記内燃機関の出力を制御する出力制御装置と、前記内燃機関によって駆動される外部負荷の投入/開放を検知する外部負荷投入/開放検知装置と、前記内燃機関によって駆動され電力を発生する発電機を駆動することよって車両バッテリの発充電を行なう発電制御装置とを有する車輌システムにおいて,
前記内燃機関の発生する出力トルクを推定する出力トルク推定装置と,
前記外部負荷による前記内燃機関に加わるトルク変動を推定するトルク変動推定装置とを設け,
前記出力トルク推定装置において推定される出力トルクよりも前記トルク変動推定装置によって推定されるトルクの方が大きい値または小さい値となるようなトルク変動が生じる場合には、前記発電制御装置によって発電に伴う発電負荷を制御するようにしたものである。
本願請求項2に記載の発明は、外部負荷投入/開放検知装置において、内燃機関によって駆動される外部負荷の投入を検知した場合には発電制御装置による発電負荷の抑制を行い、内燃機関によって駆動される外部負荷の開放を検知した場合には発電制御装置による発電負荷の増加を行なうようにしたものである。
本願請求項3に記載の発明は、外部負荷を、エアコン負荷としたものである。
本願請求項4に記載の発明は、トルク変動推定装置は、少なくとも内燃機関の発生トルク情報によって推定するようにしたものである。
本発明によれば、エンジンの外部負荷投入あるいは開放時に極端なトルク段差を発生させずに外部負荷の制御を行なうことが可能であり、特にエンジン低回転あるいは停止間際での車輌の引き込まれ感あるいは突っ走り感を回避することが可能になり、車輌全体の商品性向上に寄与することができる。
また、本発明によれば、特に排気量の小さいエンジンで出力トルクに余裕のないエンジン及び車輌に適用することでより効果的である。
さらに、本発明によれば、排気量の大きなエンジンであっても出力トルクの小さい運転領域に適用することで効果を発揮することができる。
本発明は、内燃機関の発生する出力トルクを推定する出力トルク推定装置と,外部負荷による内燃機関に加わるトルク変動を推定するトルク変動推定装置とを設け,出力トルク推定装置において推定される出力トルクよりもトルク変動推定装置によって推定されるトルクの方が大きい値となるようなトルク変動が生じる場合に発電制御装置によって発電に伴う発電負荷を制御することによって実現される。すなわち、本発明は、内燃機関自体でのトルク抑制、上昇と合わせて内燃機関の発電装置自体の発電量を制御することで発電装置の負荷増減と外部負荷例えばエアコン負荷増減を相殺して内燃機関ひいては車輌全体としてのトルク変動をかぎりなく抑制することによって実現される。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1には、本発明に係るエンジン制御装置のシステム構成が、図2には、図1に図示のエンジン制御装置の制御システムの全体構成が示されている。
図1において、例えば自動車等の車両に搭載された内燃機関65は、回転トルクを出力する出力軸、すなわちクランク軸を備えている。このクランク軸には、プーリ、ベルトを介して車両用交流発電機51が機械的に連結されている。
また、内燃機関65は、その回転トルクをトランスミッションを介して駆動軸に伝達されているのは一般の車輌と同じである。本実施例においては、内燃機関65として、図1に示す如きいわゆるMPI(多気筒燃料噴射)方式の4気筒内燃機関について説明するが、内燃機関65は、これに限定されるものではない。
図1において、空気はエアクリーナ60の出口部に設けられた空気流量計2に導かれる。この空気流量計2には熱線式空気流量センサーが使用されている。この空気は接続されたダクト61、空気流量を制御する絞り弁40を有するスロットルボディ及びスロットルボディをバイパスするように設けられたISCバルブ41を通り、コレクタ62に入る。ここで空気はエンジンと直結する各吸気管63に分配されシリンダー内に吸入される。
一方、燃料は、燃料タンク21から燃料ポンプ20で吸引、加圧されプレッシャレギュレータ22によって一定圧力に調圧され、吸気管63に設けられたインジェクタ23から前記吸気管63内に噴射される。
また、空気流量計2からは、吸入空気量に相当する信号が出力される。また、ディストリビュータ32に内蔵されたクランク角センサ7からは、所定のクランク角毎にパルスが出力されこれらの出力はコントロールユニット71に入力され、クランク角及びエンジン回転数が演算され、更に吸入空気量とエンジン回転数から充填効率に相当する基本パルス幅TPを求める。
また、絞り弁40には、開度を検出するスロットルセンサ1が取り付けられており、このスロットルセンサ1から出力されるセンサ信号は、コントロールユニット71に入力され、絞り弁40の全開位置やアイドル位置、加速判定等を行なう。
また、内燃機関65には、冷却水温を検出するための水温センサ3が取り付けられており、この水温センサ3から出力される信号がコントロールユニット71に入力され、内燃機関65の暖機状態を検出し、燃料噴射量の増量や点火時期の補正、ラジエータファン75のON/OFFや、アイドル時の目標回転数の設定を行なう。
さらに、空燃比センサ8は、エンジンの排気管に装着されており排気ガスの酸素濃度に応じた信号を出力するものである。この空燃比センサ8から出力される信号は、コントロールユニット71に入力され目標空燃比(A/F)になるように燃料パルス幅を調整する。
また、図示しないエアコンを作動するエアコンスイッチ11のON/OFF信号によってコントルールユニット71では、エアコンクラッチ74の投入、開放の制御を実施する。このエアコンスイッチ11からのON/OFF信号は、図示しないエアコン用の制御ユニットから送られる構成となっている。このエアコン用の制御ユニットではエアコンの設定温度、実際の車室温度等を考慮してコントロールユニット71に対してON/OFF信号を送るものである。
また、コントルールユニット71は、図2に示すように演算装置であるCPU100、読み出し専用メモリであるROM101、読み出し及び書き込み可能なメモリーであるRAM102、イグニションキー72を切っても内容がクリアされないバックアップRAM111、割り込みコントローラ104、タイマー105、入力処理回路106、出力処理回路107によって構成されており、これらはバス108によって接続されている。
CPU100は、入力処理回路106で処理された様々な情報をもとにROM101に記憶されているプログラムに基づき、RAM102及びイグニションキー72がOFF時も記憶内容を保持可能なバックアップRAM111を用いて処理を行なう。この際タイマー105や入力処理回路106からの情報をもとに割り込み処理も適時行なうものである。
次に、エンジン制御装置の発電システムについて説明する。
発電機51は、従来の発電機と同様、外周に励磁コイル54を巻き回してなる回転子と、この回転子の外周面に対向するように3相巻線53a、53b、53cを巻き回した固定子とから構成されており、この回転子は、前記内燃機関65のクランク軸に連動して回転駆動される。また、前記発電機51の3相巻線53a、53b、53cには、例えば6個のダイオードを直並列接続してなる整流回路55が接続され、前記発電機51の3相交流出力を整流して車載用バッテリ50に供給して充電するように構成されている。
前記コントロールユニット71には、前記の車載用バッテリ50の電圧を検出しながら出力電圧を調整する発電制御用プログラムが内臓されている。 前記励磁コイル54の制御量は、前記励磁コイル54を駆動する励磁コイル駆動回路56と、前記発電機51の発電電力により充電される車載用バッテリ50と前記車載用バッテリ50の電圧を検出する電圧検出手段すなわち入力処理回路106で取り込んだ結果と、前記内燃機関の運転状態に応じて発電目標電圧を演算した結果を比較して前記蓄電手段の電圧が目標電圧に近づくように前記例示コイル54の駆動量を演算して前記励磁コイル駆動回路に駆動信号を出力するものである。
このような内燃機関においては、内燃機関の発生トルクと内燃機関によって駆動する外部負荷との状況は、図3に示す如く分類整理することができる。すなわち、内燃機関の発生トルクは、大枠として(1)内燃機関のフリクション分、(2)外部負荷分、(3)走行分に分類でき、この総和の発生トルクで車輌走行状態がバランスしている。そして、内燃機関の発生トルクは、定常時(a)では、図3(a)に示すように(1)フリクション分、(2)外部負荷分、(3)走行分がバランスされた状態にある。この状態で、運転者が加速意図があればアクセルを踏むことで内燃機関の走行分の相当のトルクが増大することになる。
いま、内燃機関に高負荷が掛かった高負荷状態(b)のときは、加速あるいは高負荷運転状態で図3(b)に示すように走行分(3)が大半を占めることになる。したがって、このような高負荷状態(b)の状況下では、仮に外部負荷(2)が多少変動しても内燃機関の全体としての発生トルクが大きいため、内燃機関の発生トルクの変動に与える影響は少ない。すなわち、このような高負荷状態(b)の状況下での外部負荷(2)の変動は、内燃機関のトタールとしてのトルク変動への寄与率が少なく、運転者に走行上違和感を与えることは殆どない。
一方、内燃機関に負荷が軽減された減速、停止間際(c)のとき、すなわち車両の減速状態あるいは停車間際の状況では、図3(c)に示すように発生トルクに占める走行分トルク(3)が全体の中で寄与率が最も低くなる。
このような減速、停止間際(c)の状況下では、仮に外部負荷(2)が多少変動しても内燃機関の全体としての発生トルクが小さいため、内燃機関の発生トルクの変動に与える影響は非常に大きい。すなわち、このような減速、停止間際(c)の状況下での外部負荷(2)の変動は、内燃機関のトタールとしてのトルク変動への寄与率が非常に大きく、運転者に走行上違和感を与える。
自動車等の車両に搭載された内燃機関65によって駆動する外部負荷の中で特に大きなものがエアコン負荷である。このエアコンは、設定温度及び車室内温度の関係だけで調整されるように構成されており、設定温度及び車室内温度の高低によってエアコンクラッチ74がON/OFF(投入/開放)を繰り返すものである。このエアコンの設定温度、車室内温度は、大気の温度等によって異なり、種々の要因で上昇・下降を行うもので、その設定温度、車室内温度によってエアコンクラッチ74がON/OFF(投入/開放)するものであるから、エアコンクラッチ74のON/OFF(投入/開放)がどのような状況で発生するかは、予め特定することはできない。
このエアコンのエアコンクラッチ74がON/OFF(投入/開放)しても、内燃機関に高負荷が掛かった高負荷状態(b)のとき、加速あるいは高負荷運転状態で図3(b)に示すように走行分(3)が大半を占めている状態であれば内燃機関の全体の発生トルクが大きいため走行に当たって違和感を生じさせないが、図3(c)に示すように全体の発生トルクが小さくなる減速あるいは停車間際でエアコンクラッチ74のON/OFF(投入/開放)が発生する状況では、車両は、次のような状態となる。
投入(ON)時:瞬間的に負荷トルク増大になり車輌全体としては駆動力が落ちるので車輌の引き込まれ感が発生する。
開放(OFF)時:外部負荷が急に開放されることにより、瞬間的に駆動力が増大して運転者の意図とは別の突っ走り感が発生する。
図4に本発明に係るエンジン制御装置の基本構成が示されている。
図4において、400は発生トルク推定で、この発生トルク推定400は、車両の情報を基に現在の内燃機関の発生トルクを推定するものである。また、410はトルク変動判定で、このトルク変動判定410は、発生トルク推定400によって推定された現在の内燃機関の発生トルクと、外部負荷情報(外部負荷の変動信号)の入力に基づいて加減されるトルク(投入あるいは開放されるトルク)によって変動するトルク変動を推定するものである。420は発電制御/外部負荷制御で、この発電制御/外部負荷制御420は、このトルク変動判定410におけるトルク変動の推定の結果、トルク変動が車両挙動に与える影響の有無を判定するものである。すなわち、この発電制御/外部負荷制御420においては、外部負荷の投入/開放があっても車両挙動への影響が少ないと判断された場合(トルク変動幅が所定値より小さい場合)には、該当する外部負荷の制御を実行するが、投入/開放があると車両挙動への影響が大きいと判断された場合(トルク変動幅が所定値より大きい場合)には、車両の引き込まれ感あるいは突っ走り感の発生が予想されると判定し、瞬間的に発電装置の目標電圧を操作することで投入/開放される外部負荷によるトルク負荷を相殺する方向に操作して瞬間的なトルク変動を抑制するものである。
車両の走行時に、外部負荷が投入されたときの瞬間的な動きが図5に示されている。図5において、走行分、外部負荷分、フリクション分がバランスされた定常状態において、いま、切り換えA点において新たな外部負荷投入がある場合には、発電機51に対して発生していた内燃機関の負荷トルクを発電機51の機能を瞬間的に抑える。すなわち、発電機51の目標電圧を低下させて、新たな外部負荷投入によるトルク不足を補うように制御する。この発電機51は、内燃機関から見れば外部負荷であり、この発電機51の発電負荷は発電電圧に依存するものであるので、瞬間的に発電電圧を下げることによって発電機51の負荷を軽減させ、新たな外部負荷投入によって落ち込むトルク不足を補うことができる。したがって、発電機51の発電電圧を下げるタイミング(切り換えA点)で他の外部負荷の投入を許可することで投入のタイミングでのトルク変動を抑制する。このような制御を行うと、必要な発電量が瞬間的に不足することになるが、この動きは瞬間的なものであり、この程度の時間の発電量の不足は、車載用バッテリ50からの補充でまかなうことが可能である。
さらに定常に近づけば運転者の意図でアクセル操作が緩やかに行なわれることで大きなトルク変動を回避することが可能になるものである。ここでの運転者の意図というのは、運転者は自分の意図する車両の速度が逸脱すればその時点で自分の意図する車両状態にするためにアクセル操作をするわけである。
外部負荷が開放される場合には、この反対の制御が行なわれる。すなわち、トルク変動が予想される場合には発電機51の目標電圧を所定分高く設定することで開放される負荷分を補う。その後、定常に移行させるものであり、その動作状態は、図6に示してある。
図6において、いま、切り換えA点で今まで投入されていた外部負荷が開放される場合には、内燃機関を定常に駆動させるために必要な発生トルクは、開放された外部負荷の分が余分となり、この余分となった発生トルクは、走行に寄与することになり、運転者は、走行に必要以上の発生トルクが加えられ、運転者に突っ走り感を与え、違和感を与えることになる。そこで、切り換えA点で今まで投入されていた外部負荷が開放される場合には、発生していた内燃機関の負荷トルクの軽減した分、発電機51に対して発電機51の機能を瞬間的に抑える。すなわち、発電機51の発電負荷を大きく(発電機51の目標電圧を上昇)し、外部負荷の開放によるトルク過多を相殺するように制御する。この発電機51は、内燃機関から見れば外部負荷であり、この発電機51の発電負荷は発電電圧に依存するものであるので、瞬間的に発電電圧を上げることによって発電機51の負荷を増加させ、外部負荷の開放によって跳ね上がるトルク過剰を補正することができる。したがって、発電機51の発電電圧を上げるタイミング(切り換えA点)で他の外部負荷の開放を許可することで開放のタイミングでのトルク変動を抑制する。
なお、図4、図5、図6に示される制御は、コントロールユニット71の中の所定のプログラムで実施される形態が望ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
図7には、本発明に係るエンジン制御装置の実施例のフローチャートが示されている。
図7に図示のプログラムは、コントロールユニット71内の処理として実施されるようになっており、所定の時間間隔で実行されるようになっているが、これに限られるものではなく、何らかの信号でのトリガーでプログラムが起動するようにすることもできる。
図7において、プログラムがスタートすると、まず、ステップ500において、発生トルクを演算する。この発生トルクの演算は、図4に図示の発生トルク推定400において車両の情報を基に現在の内燃機関の発生トルクを演算することによって求める。この発生トルクを演算する方法には、種々の方法があるが本実施例においては、図8に示すようにエンジン回転数と吸入空気量のマップとして発生トルクを演算する方法を採っている。この図8に示される方法以外には、直接エンジン出力の軸トルクを測定する方法等でも可能である。
このステップ500において発生トルクの演算を行うと、ステップ501において、外部負荷の投入あるいは開放要求を判定する。この外部負荷の投入あるいは開放要求の判定は、図4に図示のトルク変動判定410において外部負荷情報(外部負荷の変動信号)の入力に基づいて判定する。このステップ501において外部負荷の投入あるいは開放要求を判定し、外部負荷の投入あるいは開放要求がないと判定すると、このフローを終了する。
また、このステップ501において外部負荷の投入あるいは開放要求があると判定すると、ステップ502において、トルク変動の推定を行なう。このトルク変動の推定は、図4に図示のトルク変動判定410において、図4に図示の発生トルク推定400によって推定された現在の内燃機関の発生トルクと、外部負荷情報(外部負荷の変動信号)の入力に基づいて加減されるトルク(投入あるいは開放されるトルク)によって変動するトルク変動を推定して行う。このトルク変動の推定方法は、本実施例においては、出力トルクに対しての外部負荷の割合で判定する方法を採っているが、このトルク変動の推定方法には、種々の方法があり、この方法に限定されるものではない。
このステップ502においてトルク変動の推定を行なうと、ステップ503において、トルク変動が許容可能か否かの判定を行う。すなわち、トルク変動の推定を行なうと、図4に図示のトルク変動判定410において、図4に図示の発生トルク推定400によって推定された現在の内燃機関の発生トルクに対して、外部負荷情報(外部負荷の変動信号)の入力に基づいて加減されるトルク(投入あるいは開放されるトルク)によって変動するトルク変動値が予め設定してある許容値の範囲内か否かの判定を行う。
このステップ503においてトルク変動が許容可能か否かの判定を行い、トルク変動が許容可能、すなわち変動するトルク変動値が予め設定してある許容値の範囲内であると判定すると、このフローを終了する。
また、このステップ503において変動するトルク変動値が予め設定してある許容値の範囲を外れると判定すると、ステップ504において、図5の処理または図6の処理の実行を行う。このいずれかの処理は、図4に図示の発電制御/外部負荷制御420で行われる。すなわち、図4に図示のトルク変動判定410において、図4に図示の発生トルク推定400によって推定された現在の内燃機関の発生トルクに対して、外部負荷情報(外部負荷の変動信号)の入力に基づいて加減されるトルク(投入あるいは開放されるトルク)によって変動するトルク変動値が予め設定してある許容値の範囲を外れる信号が図4に図示の発電制御/外部負荷制御420に入力されてくる信号によって、判断している。すなわち、トルク変動判定410から入力されてくる信号が外部負荷の投入の場合は、図5に図示の処理を行い、トルク変動判定410から入力されてくる信号が外部負荷の開放の場合は、図6に図示の処理を行う。
このステップ504においては、外部負荷投入あるいは外部負荷開放のタイミングで発電制御を実行させ、瞬間的にエンジンでの発電に要する負荷の軽減あるいは追加を実行させ、同タイミングで外部負荷の投入あるいは開放を実行する。このステップ504において図5の処理または図6の処理の実行を行うと、ステップ505において、所定のタイミングで発電制御を定常状態に移行する。このステップ505における発電制御の定常状態への移行が行われると、このフローを終了する。
このステップ504、ステップ505における発電制御、外部負荷の処理または発電制御の復帰のタイミングについては特定の条件に限定されるものではなく、車輌あるいはエンジン特性等に合わせて設定することができるものであり、基本的には、車輌あるいはエンジン特性等に合わせて設定される。
このように本実施例においては、内燃機関の出力制御装置により内燃機関及び車両情報をもとに内燃機関と車両全体の制御が行なわれる。アイドル運転であろうが走行状態であろうが運転中には発生トルク推定装置により瞬時瞬時の内燃機関の発生トルクを推定する。同時に外部負荷とその制御装置からの情報をもとに外部負荷の投入、開放状態を監視する。投入あるいは開放の過渡状態を検出した時にはその外部負荷変動により車両としてどのような挙動になるかを予測して、走行時の車両挙動に影響ない範囲であれば外部負荷の投入、開放を実施する。
一方、車両の停車間際のようなエンジントルク自体が抑制された状況で外部負荷の投入の可能性が検出された場合には車両全体としては引き込まれ感が発生する。これは外部負荷投入による瞬間的にトルク低下が発生するためであり運転者には違和感を与えることになる。このような状況は発生トルクと外部から加えられる負荷トルクとから過渡時に瞬間的なトルク不足を推定する。この状態の時には車両の発電制御装置で発電自体を抑制して内燃機関へかかる発電装置の負荷を軽減させ、その分を外部負荷への相殺トルクとして与えるように発電装置を制御して内燃機関ひいては車両全体のトルク変動を抑制するようにする。
これに対して、今まで加わっていた外部負荷、例えばエアコンが開放される場合には、トルク過剰になることで瞬間的には車両としては突っ走り感が発生する。この状況では発電量を多くすることで外部負荷開放にともなうトルク増加分を発電させることで内燃機関に負荷を掛けて全体のトルク変動を抑制する。
したがって、本実施例によれば、外部負荷の投入開放時に発生する内燃機関あるいは車両全体のトルク変動にともなう車両自体の挙動を安定方向に導くことが可能であり、車両とくに減速時のような発生トルクが非常に小さい状況であっても運転者に不快感を与えずに外部負荷の投入開放を行うことができる。
なお、本実施例においては、内燃機関による発生トルクが十分に期待できる領域では、外部負荷の投入開放を自由に行なうことができる構成となっている。
本発明に係る実施例を示すエンジン制御装置の構成図である。 図1に図示のエンジン制御装置のシステム構成図である。 図1に図示のエンジン制御装置における内燃機関の発生トルクと内燃機関によって駆動する外部負荷との状況を分類した図である。 図1に図示のエンジン制御装置の基本構成を示す図である。 図1に図示のエンジン制御装置において車両の走行時に外部負荷が投入されたときの図3に示す状況分類の瞬間的な動きを示す図である。 図1に図示のエンジン制御装置において車両の走行時に外部負荷が開放されたときの図3に示す状況分類の瞬間的な動きを示す図である。 図1に図示のエンジン制御装置のフローチャートを示す図である。 図1に図示のエンジン制御装置の発生トルクを演算するためのエンジン回転数と吸入空気量のマップを示す図である。
符号の説明
11…………………エアコンスイッチ
50…………………車載用バッテリ
51…………………発電機
65…………………内燃機関
71…………………コントロールユニット
400………………発生トルク推定
410………………トルク変動判定
420………………発電制御/外部負荷制御

Claims (4)

  1. 車輌に搭載された内燃機関と、前記内燃機関の回転数及び絞り弁開度及び冷却水温度等の運転状態を検出し前記内燃機関の吸気管に設けられた前記絞り弁をバイパスする空気量を調量して前記内燃機関の出力を制御する出力制御装置と、前記内燃機関によって駆動される外部負荷の投入/開放を検知する外部負荷投入/開放検知装置と、前記内燃機関によって駆動され電力を発生する発電機を駆動することよって車両バッテリの発充電を行なう発電制御装置とを有する車輌システムにおいて,
    前記内燃機関の発生する出力トルクを推定する出力トルク推定装置と,
    前記外部負荷による前記内燃機関に加わるトルク変動を推定するトルク変動推定装置とを設け,
    前記出力トルク推定装置において推定される出力トルクよりも前記トルク変動推定装置によって推定されるトルクの方が大きい値または小さい値となるようなトルク変動が生じる場合には、前記発電制御装置によって発電に伴う発電負荷を制御することを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 前記外部負荷投入/開放検知装置において、前記内燃機関によって駆動される外部負荷の投入を検知した場合には前記発電制御装置による発電負荷の抑制を行い、前記内燃機関によって駆動される外部負荷の開放を検知した場合には前記発電制御装置による発電負荷の増加を行なうことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 前記外部負荷は、エアコン負荷である請求項1又は2のいずれかに記載のエンジン制御装置。
  4. 前記トルク変動推定装置は、少なくとも前記内燃機関の発生トルク情報によって推定するようにしたものである請求項1、2又は3のいずれかに記載のエンジン制御装置。
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