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JP2005212445A - 液吐出装置及び画像形成装置 - Google Patents

液吐出装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP2005212445A
JP2005212445A JP2004025585A JP2004025585A JP2005212445A JP 2005212445 A JP2005212445 A JP 2005212445A JP 2004025585 A JP2004025585 A JP 2004025585A JP 2004025585 A JP2004025585 A JP 2004025585A JP 2005212445 A JP2005212445 A JP 2005212445A
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ink
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liquid
scanning
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JP2004025585A
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Takashi Hirakawa
孝志 平川
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

【課題】ヘッドから吐出されたインクなどの液を素早くメディアに定着させる液吐出装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】UV硬化型インクが供給されている印字ヘッド50から吐出された飛翔中のインクには光源100から放出された紫外線114がビーム状に成形されたビーム光112をポリゴンミラー106によって印字ヘッド50の幅方向に走査され照射される。飛翔中のインクにビーム光112を照射させ、ある程度硬化させてから記録紙16上に着弾させるので、記録紙16上でのインクの定着時間を短縮させることができる。また紫外線114をビーム状に成形することで紫外線のエネルギーを効率よくインクに照射させることができる。また、ビーム光112を走査させるポリゴンミラー106の走査タイミングに同期して各印字ヘッドにおけるインクの吐出タイミングが制御される。
【選択図】 図6

Description

本発明は液吐出装置及び画像形成装置に係り、特に被吐出媒体上に吐出される液滴を素早く定着させ、被吐出媒体上での滲み等を防止する液滴定着技術に関する。
近年、画像やドキュメント等のデータ出力装置としてインクジェットプリンターが普及している。インクジェットプリンターは記録ヘッドに備えられたノズル等の記録素子をデータに応じて駆動させ、該ノズルから吐出されるインクによって記録紙などの被記録媒体上にデータを形成することができる。
インクジェットプリンターには多数のノズルを有する記録ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させ、該ノズルからインク滴を吐出させることによって記録紙上に画像を形成する。
高画質印字を実現するために画素 (ドット)高密度化及び微小化が進み、高画質印字では隣接するドットが重なり合うようにして形成されるようになっている。このようにドットが重なり合うように形成されると、それぞれのドットを形成するインクが被記録媒体上で混合されることがあり、滲みや混色など印字品質の劣化につながる恐れがある。前述したインクの混合を防止するために、先に着弾したインクの定着を待って次のインクを吐出させるように吐出を制御したり、ヒータ等の加熱手段を用いて被記録媒体を加熱して被記録媒体へのインクの定着(乾燥)を促進したりしている。
また、紫外線硬化型インクを用いて、被記録媒体着弾後のインクに紫外線を照射して、インクの硬化 (定着)を促進させる方法もある。
特許文献1に記載されたインクジェットプリンター及びインクでは、紫外線硬化型インクを用い、インクが射出されてから被印刷物に到達する前に紫外線ランプから紫外線を照射し、インクを硬化させつつ被印刷物に到達するように構成されている。
特開平7−214763号公報
しかしながら、ヒータなどを用いてインクの定着を促進する方法では、ヒータなどの発熱手段を備えなければならず、気温、湿度などの印字環境によってインクが定着するまでの時間が変わるので、印字制御への負担が大きくなり、また、先に着弾したインクの定着を待って次のインクを吐出させると、吐出インターバルを短くすることができず、高速印字に対応することができない。
紫外線硬化型インクを用い、被記録媒体着弾後のインクに紫外線を照射させる方法では、被記録媒体から反射される紫外線などによって記録ヘッド部(ノズル内)のインクを硬化させてしまう恐れがある。
特許文献1に開示されたインクジェットプリンター及びインクでは、飛翔中のインクに紫外線を照射できる時間は極めて短く、その代わりに紫外線の密度を上げる必要があるが、この点については具体的に開示されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ヘッドから吐出されたインクなどの液を素早くメディアに定着させる液吐出装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、光硬化型液を供給する液供給手段と、前記液供給手段から供給された前記光硬化型液を被吐出媒体上に吐出させる吐出孔を有する吐出ヘッドと、前記吐出孔から吐出される前記光硬化型液を硬化させる光を放出する光源と、前記光源から放出された光を集光させて所定の光径よりも小さな光径を有するビーム状に成形するビーム光成形手段と、前記ビーム光成形手段によって成形されたビーム光を走査させる走査型光学手段と、少なくとも前記吐出ヘッドから吐出された飛翔中の液に前記ビーム光を照射させるように前記走査型光学手段による前記ビーム光の走査を制御する走査制御手段と、を備えたことを特徴としている。
即ち、光源から出された光を集光させてビーム状に成形し、吐出ヘッドから吐出された飛翔中の液に照射するように構成したので、光源から出される光を効率よく液に照射させることができると共に光源のパワーを抑えることが可能になる。また、被吐出媒体上で短時間のうちに液を硬化させることが可能になり、被吐出媒体上での液の滲みを防止することができる。
液滴に照射させる光は周波数領域を問わず様々な光が適用可能である。当該光は光径(ビーム径)が所定の値以下になるように絞ることができればよい。
ビーム状の光には、2次元的な広がりをある範囲内に制限し、光線の断面形状が略円形状のものや、2次元的な広がりを有し、光線の断面形状が略だ円(長だ円)形状のものなどがあり、光源から放射状に放出された光の進行方向を制限しているもの等が含まれる。言い換えると、所定の領域内にある構造物に干渉することなく通過できれば、ある方向には光径に幅を持っている光を含んでもよい。
光源から放出される光をビーム状に成形すること(即ち、ビーム径を絞ること)によって指向性を高めると共に光源から放出されたときに比べてエネルギー密度を高めることができる。
液滴に照射される光のビーム径は複数の液滴に同時に照射させるようにしてもよいし、1滴だけに照射されるようにしてもよい。ビーム径を絞ることで液滴に与えるエネルギー密度を上げることができる。
走査型光学手段には多面回転体ミラーを回転させて各面に照射される光を略扇状に走査させる態様がある。また、fθレンズなどの偏向手段を備え、光を略直線状に走査させてもよい。
被吐出媒体は、吐出ヘッドから液滴を吐出される媒体(メディア)であり、具体的には連続用紙やカット紙、シール用紙などの紙類、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
吐出ヘッドには、被吐出媒体の全幅に対応した長さの吐出孔列を有するフルライン型のヘッド、被吐出媒体の全幅より短い長さの短尺ヘッドを被吐出媒体の幅方向に走査させて被吐出媒体の幅方向の1ラインの吐出を行うシリアル型ヘッド(シャトルスキャン型ヘッド)がある。本発明は上述した何れのヘッドにも適用可能である。
あるタイミングで同時に行われる液の吐出をビーム光の走査に合わせてタイミングをずらして順次行うように制御する吐出制御手段を備える態様が好ましい。
走査型光学手段には多角形(円形を含む)回転体を回転させて、該回転体が有する反射面の反射角度に応じて光を走査させるものを含んでもよい。
請求項2に示すように、請求項1に記載された発明は、前記走査型光学手段は前記ビーム光を前記吐出ヘッドの液吐出面側に走査させ、前記走査制御手段は前記吐出ヘッドの液吐出タイミングに同期して前記ビーム光を走査させるように制御することを特徴としている。
即ち、液滴に与える光のパワーを1滴に集中させることで、液をより効率よく硬化させることができる。また、光源から出される光が迷光して吐出孔へ回り込み、吐出孔内の液を硬化させてしまうことを防止することができる。
吐出ヘッドの吐出面と被吐出媒体との空間を通過させるために、該ビーム光のビーム径は液の吐出方向と略同一方向には吐出ヘッドの吐出面と被吐出媒体とのクリアランスの1/2以下であることが好ましい。更に好ましくは、該ビーム光のビーム径は該クリアランスの1/10以下である。
ビームの形状は、その断面形状が一様な、被吐出媒体の吐出面と略平行な面に幅をもつ面ビーム形状でもよい。
また、請求項3に示すように、請求項1又は2に記載された発明は、前記吐出ヘッドは複数の吐出孔を有し、前記複数ノズルの配置及び前記走査光学手段の走査速度に応じて各ノズルの吐出タイミングを変える吐出制御手段を備えたことを特徴としている。
即ち、各ノズルの位置には製造時や装置組み立て時に発生する誤差があり、また、液に照射されるビーム光の走査速度にも吐出ヘッドの場所によって誤差が生じることがあるので、ビーム光の走査タイミングと液滴の吐出タイミングを一致させて確実にビーム光を液滴に照射させることができる。
本発明は、被吐出媒体の幅方向全幅に対応した長さの吐出孔列を有するフルライン型の吐出ヘッドにおいて特に有効な構成であり、吐出孔数より少ない数の光源を用いて吐出ヘッド内の全ノズルをカバーできる。
また、請求項4に示すように、請求項1、2又は3に記載された発明は、前記光硬化型液には、紫外線硬化型液を含むことを特徴としている。
また、請求項5に示すように、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載された発明は、前記ビーム光を照射させる液を吐出させる吐出ヘッドの該ビーム光進行方向下流側に当該吐出ヘッドから吐出された液に照射されずに当該吐出ヘッドを通過したビーム光を折り返して被吐出媒体上へ照射させる屈折手段或いは反射手段のうち少なくとも何れか一方を含んだ光学手段を備えたことを特徴としている。
即ち、液滴に照射されずに吐出ヘッドの位置を通過した光を被吐出媒体上に導くことで、光源から出される光を有効に使うことができる。
屈折手段にはプリズム等を適用でき、反射手段にはミラー等を適用可能である。これ以外にも様々な光学部材を適用できる。
また、請求項6に示すように、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載された発明は、前記吐出ヘッドは複数の吐出ヘッドを含み、前記光源及び前記ビーム光成形手段を吐出ヘッド毎に備え、前記走査制御手段は各吐出ヘッドから吐出される液に略同一タイミングで前記ビーム光を照射させるように前記光学走査手段による前記ビーム光の走査を制御することを特徴としている。
複数の吐出ヘッドに対応して光源及びビーム光成形手段を備えたので、同一タイミングで吐出ヘッド毎に当該吐出ヘッドから吐出された飛翔中の液に前記ビーム光を照射させることができる。
該ビーム光の進行方向下流側の吐出ヘッドから吐出された飛翔中の液へ確実にビーム光が照射されるように、走査光学手段の走査タイミングと各ヘッドの吐出タイミングを合わせるように制御されることが好ましい。
また、前記目的を達成するために請求項7に記載された発明は、光硬化型インクを供給するインク供給手段と、前記インク供給手段から供給された前記光硬化型インクを被吐出媒体上に吐出させる吐出孔を有する吐出ヘッドと、前記吐出孔から吐出される前記光硬化型インクを硬化させる光を放出する光源と、前記光源から出された光をビーム状に成形するビーム光成形手段と、前記ビーム光成形手段によって成形されたビーム光を走査させる走査型光学手段と、少なくとも前記記録ヘッドから吐出されて飛翔中のインクに前記ビーム光を照射させるように前記走査型光学手段による前記ビーム光の走査を制御する走査制御手段と、を備えたことを特徴とする。
即ち、被吐出媒体 (メディア)へインクを素早く定着させることができるので、インクの滲みを防止することができる。
被吐出媒体には、被記録媒体、画像形成媒体、印字媒体、受像媒体などと呼ばれるものもある。
本発明によれば、光源から出される光をビーム状に形成し、光学走査手段によって走査させて、吐出ヘッドから吐出された飛翔中の光硬化型液に該ビーム光を照射させるように構成したので、ビーム光を成形することで光源から出される光を液滴に効率よく照射させることができ、また、飛翔中の液に該ビーム光を照射させることで、被吐出媒体上に着弾する前にある程度液を硬化させ、被吐出媒体への液の定着を促進させることができ、吐出ヘッドから吐出される液滴を短時間で硬化させて被吐出媒体上での液の滲みが防止できる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
本例では、インクを受けて画像が形成される印字媒体に記録紙16(紙類)を適用したが、これ以外にも金属、樹脂、皮、など、吸着ベルト搬送部22を用いて搬送可能であり、表面にインクによって画像を形成し得る様々な材質のメディアを適用可能である。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図5中符号88として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出孔(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、記録紙搬送方向と記載)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、副走査方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字部12の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
インクジェット記録装置10には、紫外線硬化型インク(UV硬化型インク)が用いられ、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yから吐出された飛翔中のインク滴に紫外線を照射し、インク滴をある程度硬化させてから記録紙16上へ着弾させて、記録紙16上でのインクの定着時間を短縮させるように構成されている。
図1及び図2には図示しないが、インクジェット記録装置10には紫外線ランプを有する光源 (図5等の符号100)、該光源から出される紫外線のビーム光を成形する集光レンズなどのビーム光成形手段(図5等の符号104)、該ビーム光を印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのインク吐出面側へ導くポリゴンミラー(図5等の符号106)などの光学走査手段を備えている。なお、本インク定着時間短縮機能の詳細は後述する。
次に、印字ヘッドの構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3(a) に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する不図示の圧力室等からなる複数のインク室ユニット不図示)を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
即ち、本実施形態における印字ヘッド50は、図3(a) に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が記録紙搬送方向と略直交する方向(図3にKと図示)に記録紙16の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図3(b) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、記録紙16の全幅に対応する長さとしてもよい。
なお、図3(a) 、(b) に示した印字ヘッド50(印字ヘッド50’)は、インクに吐出力を付与させるPZT (ピエゾ)型アクチュエータをインク室ユニット53の天面に備え、該アクチュエータの駆動によってノズル51からインク滴を吐出させるピエゾジェット方式が適用される。
また図3(a) 、(b) に示すように、ノズル51の配列は、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってノズル51を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
即ち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているものとして説明する。
なお、用紙の全幅に対応したノズル列を有するフルライン型の印字ヘッドでノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(記録紙搬送方向と直交する方向)に1ライン又は1個の帯状を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図3(a) 、(b) に示すようなマトリクスに配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26 を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36 を1つのブロック、…として)記録紙16の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16 を順次駆動することで記録紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン又は1個の帯状の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
図4は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク60はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図6のインク供給タンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図4に示したように、インク供給タンク60と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図4には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出)が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
図5はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図5において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド50のアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ84には印字ヘッド50の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
不図示のプログラム格納部には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、該制御プログラムが実行される。プログラム格納部はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用させてもよい。
また、システムコントローラ72から送られる制御信号に応じて光源100はオンオフされる。更に、システムコントローラ72は走査制御手段104を介してポリゴンミラー106を走査させる走査光学手段の制御を行う。即ち、システムコントローラ72は、プリント制御部80を介して行われる印字制御と同期させて、光源100のオンオフを制御すると共にポリゴンミラー106を用いて光源100から出されビーム状に成形されたビーム光を走査させ、印字ヘッド50から吐出されるインクに該ビーム光を照射させる制御を実行する。
〔インク定着時間短縮機能〕
次に、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置10のインク定着時間短縮機能について詳説する。
図6は、インクジェット記録装置10のインク定着時間短縮機能の概略を示す図である。なお、図6中、図1と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
本インクジェット記録装置10では、UV硬化型インクが使用され、記録紙搬送方向と略直交する主走査方向に複数のノズルが配置された長尺の印字ヘッド50を備え、印字ヘッド50から吐出されたインクが記録紙16に着弾する前の飛翔中のインク滴110にビーム状のUV光(以下、ビーム光と記載)112が照射される。
その際に、光源100から出されたUV光114は、集光レンズなどのビーム光成形手段116(116A,116B,116C,116D)を用いてビーム光112に形成され、ポリゴンミラー106などによって構成される走査光学手段に導かれる。
該ポリゴンミラー106によって走査されたUV光が、fθレンズ118によって印字ヘッド50の幅方向(即ち、記録紙搬送方向と略直交する方向)と略平行になるように偏向され、印字ヘッド50の下部をスキャンするような配置とし、印字ヘッド50からのインク吐出とUV光スキャンを同期させるように印字ヘッド50のインク吐出タイミングが制御されると共に、ポリゴンミラー106の回転周波数が設定される。
言い換えると、ビーム状に成形されたビーム光112は、ポリゴンミラー106を回転させることで、印字ヘッド50のインク吐出面側を記録紙搬送方向と略平行な方向に印字ヘッド50の幅方向に全幅にわたって走査される。
なお、光源100に集光レンズなどの集光手段を含んだ光学系が備えられていてもよいし、光源100とビーム成形手段116とを一体型に構成してもよい。
また、ビーム光112を偏向させなくてもよい場合にはfθレンズ118は省略可能である。
図6に示した構成によって、光源から出されるUV光のパワーをインク1滴に集中させることができ、インクを効率的に硬化させることができる。また、光源100を走査させるより走査型光学手段を用いて光源から放出される光を走査させる方が、UV光の走査速度を上げることができる。
図6に示した態様では、印字ヘッド50は4色に対応した印字ヘッド12K,C,M,Yを備えており、UV光進行方向の下流側に位置する印字ヘッドに照射されるUVはUV光進行方向の上流側に位置する印字ヘッドの下部(吐出面側)を通過するように構成されている。
したがって、UV光進行方向の下流側に位置する印字ヘッドに照射されるUV光がUV光進行方向上流側の印字ヘッドから吐出されるインクと干渉しないように、各印字ヘッドのインク吐出タイミングが制御される。
即ち、印字ヘッド12Mから吐出されるインクにUV光を照射させる場合、光源100Cから照射されるUV光を走査させている間は、印字ヘッド12Yではインクを吐出させないように制御するとよい。同様に、印字ヘッド12Cから吐出されるインク滴に光源100Bから出されるUV光を照射させる場合には、光源100Bから出されたUV光を走査させている間は印字ヘッド12Y及び印字ヘッド12Mからインク吐出させないように制御するとよい。
UV光のビーム径がインク滴に比べて十分小さく、各印字ヘッドから吐出されるインク滴の間を通過することができる場合(即ち、UV光進行方向上流側の印字ヘッドからインク吐出中に、該印字ヘッドから吐出されるインクと該UV光が干渉せずに、該印字ヘッドの下部を該UV光が通過できる場合)には、UV光進行方向下流側の印字ヘッドから吐出されるインクにUV光を照射させる際にUV光進行方向上流側の吐出制御を行わなくてもよい。
図6には、印字ヘッド50の記録紙搬送方向下流側からUV光線を照射させる態様を例示したが、印字ヘッド50の記録紙搬送方向上流側からUV光を照射させてもよい。また、記録紙搬送方向とある角度をなす方向からUV光を入射させ、ミラーなどの光学手段によって各印字ヘッド下部へ該UV光を導いてもよい。
図6に示す態様のように、印字ヘッド50と少なくとも同数の光源を備え、各光源と各印字ヘッドを1対1(或いは複数対1)で対応させてもよいし、複数の光源を共通化して1つの光源を複数の印字ヘッドに対応させてもよい。
また、図7に示すように、印字ヘッド50を1つだけ備える態様では、該印字ヘッド50のUV光進行方向下流側に折り返しミラー130を設け、印字ヘッド50の下部を通過したUV光を記録紙16の印字面に照射されるように構成すると、記録紙16上に着弾したインク滴にUV光を照射させることができ、光源100から出されたUV光を有効に使用することができる。
なお、図7に示す態様では、印字ヘッド50の記録紙搬送方向下流側の印字ヘッド50近傍に折り返しミラー130を備え、記録紙16着弾後のインク滴にUV光を照射させるために、UV光を入射させる方向は記録紙搬送方向と同一となるように構成される。
なお、複数の印字ヘッドを備える場合において、UV光進行方向の最下流(図6中印字ヘッド12KのUV光進行方向下流側)にミラーを備えてもよい。もちろん、各印字ヘッドのUV光進行方向下流側にミラーを備えてもよいが、UV光が迷光してノズルに照射されないようにしなければならない。
図8及び図9にはポリゴンミラー106の設置例を示す。図8に示すように、ポリゴンミラー106によって導かれるUV光を記録紙16の印字面に垂直な方向から入射させ、ミラー等の変更手段140によって偏向させて印字ヘッド50の下部へ導いてもよい。
また、図9に示すように、ポリゴンミラー106によって導かれるUV光を記録紙16の印字面に平行な方向から入射させて、印字ヘッド50から吐出されるインク滴に照射させるように構成してもよい。
図8及び図9に示した態様はあくまでも一例であり、ポリゴンミラー106はこれ以外の位置に配置されてもよい。
また、UV光のビーム径を絞ることでUV光のエネルギーを集中させることができると共に、UV光が迷光してノズル内のインクに照射され、ノズル内のインクを硬化させることを防止できる。
即ち、印字ヘッド50と記録紙16とのクリアランスは略1mm程度であり、UV光がノズルへ迷光しないためにUV光のビーム径は0.5mm以下(即ち、印字ヘッド50と記録紙16とのクリアランスの半分以下)である必要がある。また、確実に迷光を防止するためには、UV光のビーム径はこの1/10程度(即ち、略50μm以下)であることが好ましい。
なお、UV光のビーム形状は、例えば、記録紙16の印字面に略平行な面ではある広がりを持つようなビーム形状でもよい。つまり、UV光の断面形状は略円形状でもよいし、略だ円形状や略長だ円形状でもよい。
本インクジェット記録装置10では、ポリゴンミラー106は、6面ポリゴンミラー、回転数12000rpm 、走査速度1走査あたり1.2kHz を適用し、UV硬化型インクの吸収波長400nm、硬化エネルギー1mJ/cm 2 、ノズル数10000、インク滴量2pl、照射効率25% として100mWの光源を用いる。このときにインク1滴あたりに照射されるエネルギーは2×10-6mJである。このインクに照射されるエネルギーはインクを予備硬化させることが可能なレベルのエネルギーである。
本実施形態では、UV硬化型インクを適用したが、UV光以外の光に反応して硬化される光硬化型インクでもよく、光源100もそのインクの吸収波長に応じた波長であり、所定の値以下にビーム径を絞ることができるものを用いればよい。
次に、本インクジェット記録装置10の吐出タイミング制御について説明する。本インクジェット記録装置10では、インク滴の吐出位置(即ち、ノズル位置)に対応してポリゴンミラー106を走査させる制御を行うだけでなく、ポリゴンミラー106の走査タイミングと各ノズルの吐出タイミングとを同期させるように制御される。
即ち、隣り合うノズルの吐出タイミングの時間差Δtは、ポリゴンミラー106の走査速度及びノズル間隔(ノズル間の距離)などの印字ヘッド50の設計値及び生産時 (検査時)の調整値から決められる。言い換えると、印字ヘッド50内の位置による走査速度の違いや各ノズル間隔の誤差などから、Δtは各ノズル固有の値を持つことになる。
また、各ノズルの配置が印字ヘッド50の長手方向に一直線ではなく、印字ヘッド50の短手方向に位置を変えながら斜めに配列されるマトリクス型のヘッドにおいても、UV光の走査タイミングと印字ヘッド50の吐出タイミングが一致するように、各ノズルは固有のΔtを持っている。
図10は、図3(a) ,(b) に示すようなマトリクス配列されたノズル51を備えた印字ヘッド50の吐出タイミングの制御を説明する図である。なお、図10は、10000個のノズルが印字ヘッド50の幅方向に配列されてものとして表されており、UV光は記録紙搬送方向上流側から照射されるものとする。
図10の符号200(数字1,2…、n、…10000と記載された実線で描かれた丸)は、記録紙搬送方向最上流側でインク滴の吐出を行うタイミングt1でインクの吐出を行うノズル列を示し、実線丸内に示された数字はタイミングt1におけるUV光の走査順(即ち、t1におけるインク滴の吐出順)を示している。
また、符号202で示した、破線で描かれた丸はタイミングt1から1/f秒後のタイミングt2でインクの吐出を行うノズル列を示している。2列目のインク滴内に表示される1’、2’、3’、4’…はタイミングt2におけるUV光の走査順を示している。
ここで、図10では、印字ヘッド50の吐出周波数をfHz、ノズル数をn個、UV光(ポリゴンミラー)の走査速度をvとしている。なお、吐出周波数fは1/(t2−t1)で表される。
一般に、フルライン型の印字ヘッドを用いた印字では、記録紙16上に記録紙搬送方向と略直交する方向に1ラインを形成する場合には、図10に示したノズル1、2、…、m、…10000から同一タイミングで同時に吐出が行われる。
一方、本インクジェット記録装置10では、ポリゴンミラー106の走査速度に同期して、1、2、…、m、…10000の順に順次吐出が行われるように吐出制御が行われる。
同様に、記録紙搬送方向と略直交する方向の次ライン印字では、1’、2’、…、m’、…10000’の順に順次吐出が行われる。このように記録紙16上に順次印字を行うことで、記録紙16上に所望の画像を形成することができる。
上述したインクジェット記録装置10の吐出制御の具体例は、次のようになる。
タイミングt1において、m番目に吐出されるノズル210の吐出タイミングΔtmは次式〔数1〕表される。
〔数1〕
Δtm=m/(f×n)
また、m番目のノズル位置で吐出された液滴の吐出位置ずれ量をΔdm、その位置での光源の走査速度ずれをΔvmとすると、これらの誤差に応じた調整値αm(Δdm,Δvm)を考慮したm番目の吐出タイミングΔt’mは次式〔数2〕で表される。
〔数2〕
Δt’m=Δtm×αm
即ち、記録紙搬送方向の各吐出タイミングt1、t2、…において、〔数2〕によって求められる吐出タイミングで吐出が行われるとポリゴンミラーの走査速度の誤差及び印字ヘッド50におけるノズル位置の誤差を吸収した好ましい吐出タイミングでインク滴の吐出が行われ、飛翔中のインクへ確実にUV光を照射させることができる。
また、図11には、1走査(1つのビーム光112)を同一タイミングで複数のインク滴に照射させる態様を示している。
図11はUV光の進行方向から見たUV光(ビーム光)112及び、印字ヘッド50から吐出されたインク滴110を示している。即ち、図11に示したビーム光112及びインク滴110はUV光進行方向から見た断面形状を示している。なお、図11に示したインク滴110内に記載された数字は、記録紙搬送方向の同一吐出タイミングにおける吐出順を表している。
図11に示すように、ビーム光112のビーム径をR、インク滴の液滴径をrとすると、液滴径rとビーム径Rとの比R/rがh倍(但し、hは2以上の整数)の場合、図11に示したm番目の吐出タイミングΔt’mはh以内の範囲で同じ値を設定してもよい。
具体的には、r=20μm、R=100μmの場合、h=5となるので、1から5までの整数単位でΔt’mを同じ値に設定することができる。
即ち、図11に示すようにΔt’1 =Δt’2 =Δt’3 、Δt’4 =Δt’5 =Δt’6 のように3ノズル単位で同じ値を用いてもよい。このようにΔt’mを設定すると、1ビーム光を同時に3滴のインクに照射させることができ、これに合わせて3滴単位で同じタイミングで吐出させることができる。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、印字ヘッド50にはUV硬化型インクが供給され、印字ヘッド50から吐出された飛翔中のインク滴110には、光源100から出されたUV光をビーム状に形成したビーム光が照射され、インク滴をある程度硬化させてから記録紙16上へ着弾させるので、記録紙16上でのインク滴の定着時間を短縮させることができる。
UV光を効率よくインク滴に照射させるために、UV光は光径が絞られたビーム状に形成される。
また、印字ヘッド50が記録紙16の印字可能幅全幅に対応した長さのノズル列を有するフルライン型の印字ヘッドの場合、ポリゴンミラー106などの走査光学手段を用いて、ノズル列の幅方向にビーム光を走査させるように構成されている。走査光学手段によるビーム光の走査タイミングと印字ヘッド50の吐出タイミングが一致するように制御される。
本実施形態では紫外線硬化型インクを適用したが、レーザ光など紫外線以外の波長を有する光に反応して硬化する光硬化型インクを適用可能である。使用されるインクに対応して光源100の光源種を決めればよい。
光源には紫外線ランプを例示したが、ランプ以外にもLEDなどの発光部材を広く適用可能である。
また、本実施形態では印字ヘッド50から吐出されるインク滴110によって記録紙16上に画像を形成させるインクジェット記録装置を例示したが、本発明はインク滴によって記録紙16上に立体インクジェット記録装置形状を形成する液吐出装置にも適用可能である。
なお、本明細書において「印字」という用語は、文字の形成のみならず、文字を含む広い意味での画像を形成する概念を表すものとする。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の基本構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 図1に印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 本実施形態に係るインクジェット記録装置におけるインク供給部の構成を示した概要図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のインク定着時間短縮機能の概略説明図 図6に示したインクジェット記録装置の変形例を示す図 ポリゴンミラーの配置例を示す図 図8に示したポリゴンミラーの他の配置例を示す図 印字ヘッドの吐出制御をと走査光学手段の走査制御との関係を説明する図 同一タイミングで複数のインク滴にビーム光を照射させる態様を示す図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51…ノズル、60…インク供給タンク、100…光源、104…走査制御手段、106…ポリゴンミラー、110…インク滴、112…ビーム光、114…UV光、130…折り返しミラー

Claims (7)

  1. 光硬化型液を供給する液供給手段と、
    前記液供給手段から供給された前記光硬化型液を被吐出媒体上に吐出させる吐出孔を有する吐出ヘッドと、
    前記吐出孔から吐出される前記光硬化型液を硬化させる光を放出する光源と、
    前記光源から放出された光を集光させて所定の光径よりも小さな光径を有するビーム状に成形するビーム光成形手段と、
    前記ビーム光成形手段によって成形されたビーム光を走査させる走査型光学手段と、
    少なくとも前記吐出ヘッドから吐出された飛翔中の液に前記ビーム光を照射させるように前記走査型光学手段による前記ビーム光の走査を制御する走査制御手段と、
    を備えたことを特徴とする液吐出装置。
  2. 前記走査型光学手段は前記ビーム光を前記吐出ヘッドの液吐出面側に走査させ、前記走査制御手段は前記吐出ヘッドの液吐出タイミングに同期して前記ビーム光を走査させるように制御することを特徴とする請求項1記載の液吐出装置。
  3. 前記吐出ヘッドは複数の吐出孔を有し、
    前記複数ノズルの配置及び前記走査光学手段の走査速度に応じて各ノズルの吐出タイミングを変える吐出制御手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の液吐出装置。
  4. 前記光硬化型液には、紫外線硬化型液を含むことを特徴とする請求項1、2又は3記載の液吐出装置。
  5. 前記ビーム光を照射させる液を吐出させる吐出ヘッドの該ビーム光進行方向下流側に当該吐出ヘッドから吐出された液に照射されずに当該吐出ヘッドを通過したビーム光を折り返して被吐出媒体上へ照射させる屈折手段或いは反射手段のうち少なくとも何れか一方を含んだ光学手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載された液吐出装置。
  6. 前記吐出ヘッドは複数の吐出ヘッドを含み、
    前記光源及び前記ビーム光成形手段を吐出ヘッド毎に備え、前記走査制御手段は各吐出ヘッドから吐出される液に略同一タイミングで前記ビーム光を照射させるように前記光学走査手段による前記ビーム光の走査を制御することを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の液吐出装置。
  7. 光硬化型インクを供給するインク供給手段と、
    前記インク供給手段から供給された前記光硬化型インクを被吐出媒体上に吐出させる吐出孔を有する吐出ヘッドと、
    前記吐出孔から吐出される前記光硬化型インクを硬化させる光を放出する光源と、
    前記光源から出された光をビーム状に成形するビーム光成形手段と、
    前記ビーム光成形手段によって成形されたビーム光を走査させる走査型光学手段と、
    少なくとも前記記録ヘッドから吐出されて飛翔中のインクに前記ビーム光を照射させるように前記走査型光学手段をによる前記ビーム光の走査を制御する走査制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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