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JP2005207328A - 圧縮機 - Google Patents

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JP2005207328A JP2004015163A JP2004015163A JP2005207328A JP 2005207328 A JP2005207328 A JP 2005207328A JP 2004015163 A JP2004015163 A JP 2004015163A JP 2004015163 A JP2004015163 A JP 2004015163A JP 2005207328 A JP2005207328 A JP 2005207328A
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Toshiro Fujii
俊郎 藤井
Fumihiro Suzuki
文博 鈴木
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Toyota Industries Corp
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Abstract

【課題】接続端子の絶縁性を図るための絶縁材の熱膨張率が、圧縮機のハウジングや導線の熱膨張率と異なる場合でも、絶縁材との接触面において間隙を生じることがなく、ハウジングに対する接続端子の確実な絶縁性を確保することができる圧縮機の提供にある。
【解決手段】少なくとも、圧縮機10の外殻を構成するハウジングと、吸入気体を圧縮する圧縮機構部と、該圧縮機構部を駆動する電動機構部と、電動機構部に外部電力を通電する電力通電手段33が備えられ、該電力通電手段33は、電動機構部に連通される導線34と、外部電力を通電するとともに該導線34と接続される接続端子とを含み、前記ハウジングを貫通する貫通孔40が設けられ、前記導線34と前記接続端子との接合部41が前記ハウジングの内側へ向けて貫通孔40内に収容されるように、前記接続端子が前記ハウジングの貫通孔40に装着され、粘弾性の絶縁材Mが前記貫通孔40に充填される。
【選択図】 図2

Description

この発明は圧縮機に関し、特に、ハウジングに内蔵されるモータ等の電動機構部に対し、外部電力を通電させる接続端子を備えた圧縮機に関するものである。
従来、この種の圧縮機としては、例えば、図6に示される圧縮機90が知られている。
図6に示される圧縮機90は、圧縮機90の外殻を構成する複数のハウジング91、92、93と、吸入気体を圧縮する圧縮機構部94と、該圧縮機構部94を駆動する電動機構部95と、電動機構部95に外部電力を通電する電力通電手段96とを備えている。
この圧縮機構部94及び電動機構部95はハウジング91〜93に内蔵されており、電力通電手段96を介して電動機構部95に外部電力が通電され、外部電力の通電により電動機構部95が圧縮機構部94を駆動するものとなっている。
また、電力通電手段96には、電動機構部95と連通される導線97と、接続端子98とが含まれており、接続端子96と導線97は接合された状態にある。
そして、この圧縮機90ではハウジング93に形成した貫通孔93aに接続端子98を圧入し、接続端子98と導線97との接合部99は絶縁材であるエポキシ樹脂P内に埋没させている。
接続端子98と導線97との接合部99が埋没されるエポキシ樹脂Pは当初は液状であるが時間の経過とともに硬化するものである。
そして、この圧縮機90によれば、硬化されたエポキシ樹脂Pが接続端子98や導線97等に対する絶縁性を高め、電気系統における漏電のおそれが増大することを防止することができるとしている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平6−235388号公報(第6−8頁、図1)
ところが、前記の従来技術では、圧縮機が駆動することにより圧縮機の温度が上昇し、駆動する圧縮機が停止することにより圧縮機の温度は下降する。
圧縮機の温度が昇降することにより圧縮機の各部の温度も昇降するが、圧縮機の各部は温度の昇降に応じて膨張又は収縮される。
このとき、各部の膨張又は収縮は、各部を構成する材料の熱膨張率により支配されるが、ハウジングを形成する材料とエポキシ樹脂の熱膨張率が互いに異なることから、冷却により各部が収縮する場合では、ハウジングとエポキシ樹脂との接触面に微小な間隙が生じることになる。
また、エポキシ樹脂と導線も互いに熱膨張率が異なることから、導線とエポキシ樹脂との接触面にも同様の微小な間隙が生じることになる。
ハウジングの内側に水分が含まれている場合では、こうした微小な間隙の発生がハウジングの内側の水分を毛細管現象により間隙に浸入させ、こうした水分が導線と接合部に達すると接続端子の絶縁不良を招くことになる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、接続端子の絶縁性を図るための絶縁材の熱膨張率が、圧縮機のハウジングや導線の熱膨張率と異なる場合でも、絶縁材との接触面において間隙を生じることがなく、ハウジングに対する接続端子の確実な絶縁性を確保することができる圧縮機の提供にある。
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、少なくとも、圧縮機の外殻を構成するハウジングと、吸入気体を圧縮する圧縮機構部と、該圧縮機構部を駆動する電動機構部と、該電動機構部に外部電力を通電する電力通電手段とが備えられる圧縮機において、前記電力通電手段は、前記電動機構部に連通される導線と、外部電力を通電するとともに前記導線と接続される接続端子とを含み、前記ハウジングを貫通する貫通孔が設けられ、前記導線と前記接続端子との接合部が前記ハウジングの内側へ向けて前記貫通孔内に収容されるように、前記接続端子が前記貫通孔に装着され、粘弾性の絶縁材が前記貫通孔に充填されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、圧縮機の各部において冷却による収縮や熱膨張が生じても、絶縁材の弾性が絶縁材と各部との収縮差及び膨張差を吸収するほか、絶縁材と各部が接触する接触面は常に絶縁材との接着状態が保たれ、接触面を通じて水分が導線と接続端子との接合部へ浸入することがない。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の圧縮機において、前記接続端子が前記貫通孔を外側から覆うように前記ハウジングに固定されることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、貫通孔における接続端子と導線との接合部がハウジングの内側を臨むことになり、絶縁材をハウジングの内側から十分に充填することができる空間が確保される。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の圧縮機において、前記接続端子と前記ハウジングとの間にシール部材が介在されていることを特徴とすることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、接続端子と前記ハウジングとの間にシール部材が介在されていることから、ハウジングの外側の水分が接続端子とハウジングとの間から浸入することがない。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項記載の圧縮機において、前記粘弾性の絶縁材が前記貫通孔の内側寄りに充填されているとともに、前記絶縁材と異なる異種絶縁材が前記貫通孔における前記接続端子と前記絶縁材との間に充填される。
請求項4記載の発明によれば、粘弾性の絶縁材と、粘弾性の絶縁材と異なる異種絶縁材とを組み合わせて用いることにより、粘弾性の絶縁材の使用量が抑制される。
従って、粘弾性の絶縁材が高価である場合には、粘弾性の絶縁材の使用量を抑制することにより、圧縮機の製作コストを低減することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項記載の圧縮機において、前記接続端子がハーメチック端子であることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、接続端子がハーメチック端子であることから、ハウジングとの絶縁性が比較的簡単な構造により実現される。
この発明によれば、接続端子の絶縁性を図るための絶縁材の熱膨張率が、圧縮機のハウジングや導線の熱膨張率と異なる場合でも、絶縁材との接触面において間隙を生じることがなく、ハウジングに対する接続端子の確実な絶縁性を確保することができる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る圧縮機10を図1〜図3に基づいて説明する。
この実施形態の圧縮機10は、所謂スクロール型圧縮機と称されるものであって密閉型電動圧縮機の範疇に属する。
そして、圧縮機10は、具体的には燃料電池用スクロール型圧縮機(以下、単に圧縮機と称する)であり、図1においてその一例を示している。
図1に示される圧縮機10は、主に圧縮機構部、駆動機構部、電動機構部とからなり、燃料電池の酸素極に空気を圧送するものである。
圧縮機10における圧縮機構部は、固定スクロール11と、旋回スクロール12と、該固定スクロール11と旋回スクロール12とにより形成された圧縮室13とからなる。
固定スクロール11は、円盤状の固定基盤11aと、この固定基盤11aから立設される渦巻状の固定ラップ11bと、固定ラップ最外壁11cとからなる。
そして、固定基盤11aと固定ラップ最外壁11cにより固定スクロールハウジング16が形成される。
この固定スクロールハウジング16は、圧縮機10の外殻の一部を構成するものであるが、この実施形態では圧縮機10の軽量化を図るため、アルミ系金属材料により形成されている。
この固定スクロールハウジング16の側面には圧縮室13内に空気を吸入するための吸入通路14が設けられており、固定基盤11aの中央には、燃料電池の酸素極に吐出配管等により連通される吐出通路15が設けられている。
旋回スクロール12は、円盤状の旋回基盤12aと、この旋回基盤12aから立設される渦巻状の旋回ラップ12bとからなり、旋回基盤12aの背面側中央には、ころ軸受17を保持する有底円筒状の主保持部12cが設けられ、その外周側に3箇所(図1においては1箇所のみ示す)に均等に配設され、ラジアルボールベアリング18を支承する有底円筒状の従保持部12dが設けられている。
圧縮機10における駆動機構部は、旋回スクロール12に旋回運動(公転運動)を行わせる駆動クランク機構19と、旋回スクロール12の自転を防止する従動クランク機構20と、それらを収納するクランク室21とからなる。
このクランク室21は吸入通路14と連通されており、クランク室21内には吸入空気が充満される。
駆動クランク機構19は、主保持部12cと、駆動軸22のクランクピン22aと、このクランクピン22aを支承するころ軸受17とにより構成される。
従動クランク機構20は、従保持部12dと、従動軸23のクランクピン23aを支承するラジアルボールベアリング18とにより構成され、従動軸23のリヤ側は、複列のボールベアリング23cにより支承されている。
また、旋回スクロール12の旋回時に生じる慣性モーメントを打ち消すために、駆動軸22にはバランスウエイト22b、22c、22dが、従動軸23にはバランスウエイト23bが設けられており、振動の低減化が図られている。
電動機構部は、センターハウジング24と、このセンターハウジング24にボルト固定されたリヤハウジング25と、両者の間で駆動モータ26を収容するモータ室27と、駆動モータ26とにより構成されている。
まず、駆動モータ26は、この駆動モータ26の中央を貫通する駆動軸22と、この駆動軸22に嵌入されたロータ28と、さらにその外周側に設けられ、コイル29が巻回されたステータ30とからなる同期モータである。
従って、駆動モータ26は、図示しないインバータにより回転数等が制御され得る。
駆動モータ26のコイル29には、後述する電力通電手段33が接続されており、この電力通電手段33を通じて外部電力を駆動モータ26へ通電するようにしている。
駆動軸22は、ボールベアリング22eによりフロント側が支承されており、リヤハウジング25の中央にて、ボールベアリング22fにより支承されるとともに、シール22gにより密閉されている。
さらに、この駆動モータ26を覆うセンターハウジング24には、ステータ30の位置に合わせてウォータジャケット31が設けられており、駆動モータ26が冷却水により冷却されるようになっている。
このセンターハウジング24とセンターハウジング24と接続されるリヤハウジング25は、固定スクロールハウジング16と共に圧縮機10の外殻を構成するハウジングであるが、この実施形態では圧縮機10の軽量化を図るため、アルミ系金属材料により形成されている。
この電動機構部は前記駆動機構部とともにセンターハウジング24内に収容され、該駆動機構部と該電動機構部とはセンターハウジング24の略中央に一体成形されて配設された支持フレーム32により仕切られている。
なお、前記ボールベアリング22eとボールベアリング23cとは、該支持フレーム32に嵌入されている。
また、該支持フレーム32は、駆動軸22の周面とボールベアリング22eとの間隙、及び従動軸23の周面とボールベアリング23cとの間隙を除いて、前記駆動機構部と前記電動機構部とを互いに隔絶している。
次に、この圧縮機10の電動機構部における電力通電手段33について詳述する。
電力通電手段33は外部電力を駆動モータ26へ通電するためのものであることを既に説明したが、この実施形態における電力通電手段33は、図2に示されるように、駆動モータ26のコイル29と連通されている絶縁被膜付きの導線34と、接続端子としてのハーメチック端子35とから構成されている。
導線34の一端はコイル29に接続され、他端はハーメチック端子35と接合されている。
ハーメチック端子35は、導線34への通電を意図するものであるほか、センターハウジング24に対する絶縁を図るためのものであり、この実施形態では、センターハウジング24に貫通孔40が形成され、貫通孔40の外側からハーメチック端子35を装着するとしている。
貫通孔40の外側付近には、ハーメチック端子35を装着するためのやや径を大きくした装着部40aが形成されている。
ハーメチック端子35は、図3に示されるように、センターハウジング24の貫通孔40に装着可能な円盤状のキャップ体36を備えている。
このキャップ体36の側面には、図2に示されるように環状の溝36aが形成されているが、この溝36aはシール部材としてのOリング37の装着を図るものとなっている。
そして、このキャップ体36には3個の挿通孔36b、36c、36dが穿孔されており、各挿通孔に端子ピン38が挿通されている。
さらに、各端子ピン38の周囲を埋めるように、硝子部材39が挿通孔36b、36c、36dに充填されており、硝子部材39により端子ピン38とキャップ体36とは絶縁され、挿通孔36b、36c、36dは密封されている。
上記のように構成されたハーメチック端子35は貫通孔40の装着部40aに装着されるが、キャップ体36が備えるOリング37により密閉状態で装着部40aに装着することができるものとなっている。
そして、ハーメチック端子35が貫通孔40に装着された状態では、キャップ体36からセンターハウジング24の外側へ突設された端子ピン38の外側端は、図示しないがコネクタ等を介して外部電源と接続されている。
また、キャップ体36からセンターハウジング24の内側へ突設された端子ピン38の内側端は貫通孔40内に位置し、各端子ピン38の内側端は、駆動モータ26のコイル29と連通されている導線34と接合されている。
従って、この端子ピン38の内側端と導線34との接合部41は、貫通孔40内に位置することになり、導線34において接合部41を除く部分は絶縁被膜により覆われている。
この実施形態では、センターハウジング24の貫通孔40を埋めるように、センターハウジング24の内側から粘弾性の絶縁材Mが充填されている。
このため、充填された絶縁材Mはハーメチック端子35と導線34との接合部41を埋没させるものとなっている。
ここでいう粘弾性とは、接触する物体に対する粘着性と外力に対する弾性を兼ね備えた物性を意味している。
この実施形態に係る粘弾性の絶縁材Mは、具体的には弾性シリコン樹脂が採用されており、接触する物体に対する粘着性と外力に対する弾性を具備している。
この弾性シリコン樹脂は当初は液体状であるが外気に曝されることにより徐々に固化するものであるが、固化された状態において一定の粘弾性を有するものである。
次に、この実施形態に係る圧縮機10の作用について説明する。
圧縮機10が駆動されると、吸入気体が圧縮室13内において圧縮され、圧縮された気体は吐出通路15を通じて吐出される。
吸入気体が圧縮されることにより生じる熱等は圧縮機10の温度を上昇させることになり、また、温度が上昇した圧縮機10を停止させると圧縮機10は冷却されることになる。
圧縮機10が冷却されると、圧縮機10の各部は冷却により収縮されるが、このとき、センターハウジング24は収縮により貫通孔40を縮小しようとし、他方、貫通孔40に充填されている粘弾性の絶縁材Mも体積を減少させるように収縮する。
センターハウジング24、粘弾性の絶縁材Mの収縮の度合いは、両者24、Mを構成する材料が夫々有する熱膨張率に応じて異なり、一般的に樹脂材の方が熱膨張率が大きいことは周知である。
従って、このセンターハウジング24と絶縁材Mとの接触面においては、センターハウジング24と絶縁材Mが冷却による収縮により互いに剥離しようとする。
しかし、貫通孔40に充填されている絶縁材Mが粘弾性の性質を有することから、両者24、Mを構成する材料の熱膨張率が異なっていても、絶縁材Mがセンターハウジング24との接着状態を保つことになる。
つまり、絶縁材Mが有する弾性が冷却による両者24、Mの収縮差を吸収し、また、絶縁材Mが有する粘性が両者24、Mとの接着状態を保つためである。
このため、センターハウジング24と絶縁材Mとの接触面には間隙が生じることがなく密封状態が維持される。
また、導線34と絶縁材Mとの接触面においても同様に間隙が生じることがなく密封状態が維持される。
このように、絶縁材Mが接触する対象物に対しては密封状態が維持されることから、センターハウジング24の内側に水分が存在する場合でも、水分がハーメチック端子35と導線34との接合部41に水分が浸入することがなく、センターハウジング24に対するハーメチック端子35の絶縁性を確実に保持することができる。
ところで、圧縮機10が駆動されると圧縮機10の温度が上昇することを既に説明したが、圧縮機10の各部では温度上昇に伴い熱膨張が生じるが、絶縁材Mが接触するセンターハウジング24、ハーメチック端子35、導線34に対し、絶縁材Mが各部24、35、34の熱膨張を吸収するから、絶縁材Mはセンターハウジング24、ハーメチック端子35、導線34に対して接着状態を保つことになる。
このため、圧縮機10の温度が上昇した状態であっても、センターハウジング24の内側から水分がハーメチック端子35と導線34との接合部41に水分が浸入することがない。
さらに、絶縁材Mが粘弾性を有することから、駆動される圧縮機10の振動を絶縁材Mが吸収するから、絶縁材Mと接触する各部24、35、34との接触面において振動による間隙が生じることがない。
なお、ハーメチック端子35のキャップ体36の側面に装着されたシール部材としてのOリング37が貫通孔40との密封状態を確保していることから、センターハウジング24の外側から貫通孔40へ浸入しようとする水分はこのOリング37により遮られる。
この実施形態に係る圧縮機10によれば以下の効果を奏する。
(1)前記導線34とハーメチック端子35との接合部41が粘弾性の絶縁材Mにより埋没されているから、圧縮機10が冷却されたとき、ハウジングと絶縁材Mとの接触面、あるいは導線34又はハーメチック端子35と絶縁材Mとの接触面に生じがちな微小な間隙は、絶縁材Mの弾性により吸収される。また、絶縁材Mが有する粘性によりセンターハウジング24と絶縁材Mとの接触面、あるいは導線34又はハーメチック端子35と絶縁材Mとの接触面は互いに接着された状態にあり、こうした接触面に水分が浸入することがない。
(2)前記導線34とハーメチック端子35との接合部41が粘弾性の絶縁材Mにより埋没されているから、圧縮機10の駆動等により圧縮機10の各部が振動する場合でも絶縁材Mの具備する粘弾性により振動が吸収され、センターハウジング24と絶縁材Mとの接触面、あるいは導線34又はハーメチック端子35と絶縁材Mとの接触面において微小な間隙が生じることがない。
(3)前記導線34とハーメチック端子35との接合部41が粘弾性の絶縁材Mにより埋没されているから、絶縁材M自体が圧縮機10の駆動等による振動を受けて亀裂を生じたり、圧縮機10の温度昇降による熱応力を繰り返し受けても絶縁材Mが損傷を受けることがない。
(4)前記導線34とハーメチック端子35との接合部41が粘弾性の絶縁材Mにより埋没されているから、センターハウジング24の貫通孔40を通じてセンターハウジング24の内側の気体が接続端子へ向けて漏出することがない。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る圧縮機50について説明する。
この実施形態の圧縮機50は先の実施形態の圧縮機10とほぼ同じであるが、粘弾性の絶縁材Mと、粘弾性の絶縁材Mと異なる別の絶縁材(以降、説明の便宜上「異種絶縁材」という)Nの2種類を用いる点で、先の実施形態の圧縮機10と異なる。
従って、この実施形態では説明の便宜上、圧縮機50の全容は図示せず要部のみを図4に示し、先に説明した第1の実施形態で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、第1の実施形態の説明を援用する。
この実施形態では、図4に示されるように、圧縮機50のセンターハウジング51の貫通孔52にハーメチック端子35が装着され、ハーメチック端子35と導線34との接合部41は貫通孔52内に位置している。
そして、この実施形態では、2種類の絶縁材M、Nが貫通孔52内において2層構造を形成するように充填されている。
まず、貫通孔52の内側から始めに充填される絶縁材Nは、粘弾性の絶縁材Mとは異なる種類の絶縁材であり、具体的にはエポキシ樹脂等の硬化樹脂である。
そして、ハーメチック端子35のキャップ体36から端子ピン38と導線34との接合部41がこの異種絶縁材Nに埋没され、かつ、貫通孔52を完全に埋めないように、異種絶縁材Nが貫通孔52に充填される。
さらに、貫通孔52を完全に埋めるように粘弾性の絶縁材Mが充填されており、粘弾性の絶縁材Mは、先の硬化樹脂の異種絶縁材Nと、センターハウジング51と、導線34にのみ接触している状態にある。
この実施形態に係る圧縮機50では、貫通孔52に装着されたハーメチック端子35のセンターハウジング51に対する絶縁は、ハーメチック端子35自体の絶縁機能と、硬化樹脂である異種絶縁材Nの絶縁機能と、粘弾性の絶縁材Mによる絶縁機能とから確保される。
また、貫通孔52の内側寄りに充填されている粘弾性の絶縁材Mにより、圧縮機50の各部が冷却による収縮を生じても、粘弾性の絶縁材Mが接触する異種絶縁材Nと、センターハウジング51と、導線34に対して粘弾性の絶縁材Mが間隙を生じることなく接着状態を保つことになる。
この実施形態に係る圧縮機50によれば以下の効果を奏する。
(1)粘弾性の絶縁材Mが高価である場合には、異種絶縁材Nと粘弾性の絶縁材Mを組み合わせて使用することにより、粘弾性の絶縁材Mの使用量を削減することができ、圧縮機の製作コストを低減することができる。
(2)貫通孔52に充填された硬化樹脂である異種絶縁材Nがハーメチック端子35のキャップ体36に接触することから、ハーメチック端子35のセンターハウジング51に対する装着状態を補強することができる。
(変形例1〜3)
次に、圧縮機のセンターハウジングに形成される貫通孔の変形例1〜3について図5に基き説明する。
ここでは、ハーメチック端子35、導線34、接合部41の符号は説明の便宜上、第1の実施形態の符号と共通とする。
変形例1について説明すると、図5(a)に示されるように、この例に係るセンターハウジング61の貫通孔62の周囲には、センターハウジング61の外側へ突設される外付リブ63が形成されている。
そして、ハーメチック端子35が外付リブ63の外側付近に装着され、ハーメチック端子35の貫通孔62側には粘弾性の絶縁材Mが充填されている。
次に、変形例2について説明すると、図5(b)に示されるように、この例に係るセンターハウジング71の貫通孔72の周囲には、センターハウジング71の内側へ突設される内付リブ73が形成されている。
そして、ハーメチック端子35が貫通孔72の外側付近に装着され、ハーメチック端子35の貫通孔72側には粘弾性の絶縁材Mが内付リブ73の端部まで充填されている。
最後に変形例3について説明する。
図5(c)に示されるように、この例に係るセンターハウジング81の貫通孔82の周囲には、センターハウジング81の外側へ突設される外付リブ84と、内側へ突設される内付リブ83が形成されている。
そして、ハーメチック端子35が外付リブ84の外側付近に装着され、ハーメチック端子35の貫通孔側には粘弾性の絶縁材Mが内付リブ83の端部まで充填されている。
このように、変形例1〜3によれば、センターハウジングの貫通孔の周囲に外付リブ及び内付リブの少なくとも一方を形成させることにより、粘弾性の絶縁材Mの充填量を十分に確保する空間部を得ることができ、この空間部に対して絶縁材Mを十分に充填することにより、ハーメチック端子35のセンターハウジングへの絶縁をより高めることが可能となる。
また、粘弾性の絶縁材Mは圧縮機の使用条件に応じて必要とする充填量を設定することが可能となる。
因みに、変形例1〜3においても、第2の実施形態で説明したように、粘弾性の絶縁材Mと異種絶縁材Nを組み合わせて用いてもよいことは言うまでもない。
なお、本発明は、上記した第1、第2の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○上記の第1、第2の実施形態では、スクロール型圧縮機としたが、少なくとも、電動機構部がハウジングに内蔵される密閉型電動圧縮機であれば圧縮機の種類、形式は問われず、例えば、ルーツ式の圧縮機に本発明を適用することもできる。
○上記の第1、第2の実施形態では、粘弾性の絶縁材として具体的には弾性シリコン樹脂を採用したが、例えば、少なくとも、絶縁機能と粘弾性を具備する樹脂系又はゴム系材料であればよく、また、燃料電池に接続される圧縮機の場合、粘弾性の絶縁材は耐酸性を有することが好ましい。
○上記の第1、第2の実施形態では、圧縮機のセンターハウジングに貫通孔を形成し、貫通孔に接続端子であるハーメチック端子を装着するとしたが、センターハウジングに限定する趣旨ではなく、リヤハウジングに貫通孔を形成してハーメチック端子を装着してもよく、少なくとも、圧縮機の外殻を構成するハウジングに貫通孔を形成してハーメチック端子を装着すればよい。
○上記の第1、第2の実施形態では、シール部材としてのOリングを接続端子であるハーメチック端子のキャップ体に装着したが、Oリングに限らず、シール機能を有する部材であれば、その種類や形態は問われない。
この発明の第1の実施形態に係る圧縮機の断面図である。 第1の実施形態に係る圧縮機の要部を示した断面図である。 ハーメチック端子の概要を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る圧縮機の要部を示した断面図である。 貫通孔の変形例1〜3を示す断面図である。 従来技術に係る圧縮機の要部を示した断面図である。
符号の説明
10、50、90 圧縮機
16 固定スクロールハウジング
24、61、71、81 センターハウジング
25 リヤハウジング
26 駆動モータ
29 コイル
33、96 電力通電手段
34、97 導線
35 ハーメチック端子
40、52、62、72、82、93a 貫通孔
41、99 接合部
63、84 外付リブ
73、83 内付リブ
91、92、93 ハウジング
98 接続端子
M 粘弾性の絶縁材
N 異種絶縁材
P エポキシ樹脂

Claims (5)

  1. 少なくとも、圧縮機の外殻を構成するハウジングと、吸入気体を圧縮する圧縮機構部と、該圧縮機構部を駆動する電動機構部と、該電動機構部に外部電力を通電する電力通電手段とが備えられる圧縮機において、
    前記電力通電手段は、前記電動機構部に連通される導線と、外部電力を通電するとともに前記導線と接続される接続端子とを含み、
    前記ハウジングを貫通する貫通孔が設けられ、
    前記導線と前記接続端子との接合部が前記ハウジングの内側へ向けて前記貫通孔内に収容されるように、前記接続端子が前記貫通孔に装着され、
    粘弾性の絶縁材が前記貫通孔に充填されることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記接続端子が前記貫通孔を外側から覆うように前記ハウジングに固定されることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記接続端子と前記ハウジングとの間にシール部材が介在されていることを特徴とする請求項1又は2記載の圧縮機。
  4. 前記粘弾性の絶縁材が前記貫通孔の内側寄りに充填されているとともに、前記絶縁材と異なる異種絶縁材が前記貫通孔における前記接続端子と前記絶縁材との間に充填されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の圧縮機。
  5. 前記接続端子がハーメチック端子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の圧縮機。
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