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JP2005203556A - 電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法 - Google Patents

電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法 Download PDF

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JP2005203556A
JP2005203556A JP2004008180A JP2004008180A JP2005203556A JP 2005203556 A JP2005203556 A JP 2005203556A JP 2004008180 A JP2004008180 A JP 2004008180A JP 2004008180 A JP2004008180 A JP 2004008180A JP 2005203556 A JP2005203556 A JP 2005203556A
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Takuji Shin
拓治 新
Taichi Fujita
太一 藤田
Fumio Mase
文雄 間瀬
Akira Higuchi
朗 樋口
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RIIPURU KK
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Reaple Inc
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RIIPURU KK
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Reaple Inc
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Abstract

【課題】 試料の温度変化による伸縮により生じる転写倍率誤差を補正する電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法を提供する。
【解決手段】 電子ビーム露光装置1を、試料40の温度を測定する試料測温部61と、試料測温部61の出力信号に基づき、マスク30のマスクパターンから試料40への転写倍率を決定する転写倍率決定部66と、電子ビーム15のマスク上照射位置と、試料40及びマスク30の間隔とに基づいて、マスクパターンが、決定された転写倍率で試料40に転写されるように電子ビーム15の入射角度を制御する偏向器51、52とを備えて構成する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、半導体集積回路などの製造工程で使用される微細パターンを露光する電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法に関し、特に露光パターンを有するマスクを半導体ウエハなどの試料の表面に近接して配置し、マスクを通過した電子ビームで露光を行う近接露光式の電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化のニーズに伴い、回路パターンの一層の微細化が要望されている。現在、微細化の限界を規定しているのは主として露光装置であり、電子ビーム直接描画装置やX線露光装置などの新しい方式の露光装置が開発されている。
最近では新しい方式の露光装置として、量産レベルで超微細加工用に使用可能な電子ビーム近接露光装置が開示されている(例えば特許文献1、およびこれに対応する日本国特許出願の特許文献2)。
図1は、特許文献1に開示された電子ビーム近接露光装置の基本構成を示す図である。この図を参照して、従来の電子ビーム近接露光装置について簡単に説明する。
図示するように、電子ビーム近接露光装置1は、電子光学鏡筒(カラム)10及び試料室(チャンバ)8を備えている。カラム10内には、電子ビーム15を発生する電子ビーム源14と整形アパチャ16と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ18とを有する電子銃12、対となる主偏向器22、24と、対となる副偏向器51、52とを含み、電子ビームを光軸に平行に走査する走査手段21、露光するパターンに対応する開口を有するマスク30、マスク30を保持するマスクステージ31、静電チャック44とXYステージ46とから構成される。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、静電チャック44上に保持されている。
露光用のマスク30は露光するパターンに対応する開口33が設けられている。そしてステージ46上に吸着された試料40の表面に近接するように(マスク30と試料40とのギャップが、例えば、50μmとなるように)配置される。この状態で、マスクに垂直に電子ビームを照射すると、マスクの開口を通過した電子ビームが試料40の表面のレジスト層42に照射される。
電子ビーム15は、走査手段21の主偏向器22、24により偏向制御されて、図2に示すようにマスク30上を走査して全面にわたって露光する。これにより、マスク30のマスクパターンがウエハ40上のレジスト層42に等しい倍率で転写される。
また、走査手段21中の副偏向器51、52は、マスク歪みを補正するように電子ビームのマスクパターンへの入射角度を制御(傾き補正)する。いま図3に示すように電子ビーム15の露光用のマスク30への入射角度をα、露光用のマスク30と試料40とのギャップをGとすると、入射角度αによるマスクパターンの転写位置のずれ量δは、次式、
δ=G・tanα (1)
で表される。
図4上でマスクパターンは、ずれ量δだけ正規の位置からずれた位置に転写される。したがって、露光用のマスク30に例えば図4(A)に示されるようなマスク歪みがある場合には、電子ビーム走査位置におけるマスク歪みに応じて電子ビームの傾き制御を行うことにより、図4(B)に示されるようにマスク歪みのない状態でのマスクパターンが転写される。
XYステージ46は、載置する試料40を水平の直交2軸方向(XY方向)に移動させるもので、マスクパターンの等倍転写が終了する毎に試料40を所定量移動させ、これにより1枚の試料40に複数のマスクパターンを転写できるようにしている。なおXYステージ46は、垂直方向(Z方向)を回転軸にして、試料40を回転させることも可能である。
電子ビーム露光装置では、試料40への電子ビームの照射(露光)は、真空状態にあるチャンバ8内で行われる。ここで大気圧環境にある試料40を真空状態のチャンバ8内に搬入する必要がある。
したがって、電子ビーム露光装置には、内部を大気圧環境にして外部との試料40の出し入れを行いかつ内部を真空状態にしてチャンバ8との出し入れを行うロードロック室が設けられている。
ロードロック室では、試料をその内部に格納した状態で急速に真空排気を行う。そのために断熱膨張によってロードロック室内の気温が低下し、その結果、試料が冷却されて収縮を生じる。収縮が生じた状態でウエハへのマスクパターンを等倍転写すると、試料上に露光されるパターンは、本来予定される大きさと異なる大きさで(本来の露光すべき大きさよりも大きく)露光されてしまうこととなる。
このため、下記特許文献3に記載の電子ビーム露光装置では、上記真空排気に先だって、試料40を設定温度(チャンバ8内に搬入された状態の試料40の温度)よりも高めに加熱しておき、上記断熱膨張による温度低下分を補っている。
また下記特許文献4には、前の露光工程で試料上に露光されたマークの間隔を基準として試料の伸縮率を測定し、転写倍率を制御する電子ビーム露光装置が記載されている。
米国特許第5,831,272号公報 日本特許第2951947号公報 特開平10−284373号公報 特開2003−7596号公報
しかし、上記特許文献3に記載の電子ビーム露光装置では、試料に加えるべき熱量を、断熱膨張による温度低下分を予測して求めているため、実際の試料の温度を調整することは困難であった。
また、上記特許文献4に記載の電子ビーム露光装置では、未だ露光工程を経ていない1回目の露光(第1層目の露光)の際には、試料上に前記マークが設けられていないため、伸縮率の測定ができないという問題があった。
上記問題点を鑑みて、本発明は試料の温度変化による伸縮により生じる転写倍率誤差を補正する電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法では、試料温度を測定して、測定された試料温度に基づいて転写倍率の補正量を求め、この補正値に基づきマスクへの電子ビームの入射角度を制御して、マスクパターンの試料への転写倍率を変更することとする。
すなわち、本発明の第1形態である電子ビーム露光装置は、電子ビームを発生する電子ビーム源と、試料表面に露光するパターンに応じたマスクパターンを備えるマスクと、電子ビームがマスク上を走査するように電子ビームを偏向する走査手段とを備え、電子ビームをマスク上で走査し、マスクを通過した電子ビームで、試料表面にマスクパターンを転写する電子ビーム露光装置であって、試料の温度を測定する試料測温部と、試料測温部の出力信号に基づき、マスクパターンの試料への転写倍率を決定する転写倍率決定部と、電子ビームのマスク上照射位置と試料及びマスクの間隔とに基づいて、マスクパターンが決定された転写倍率で試料上に転写されるように電子ビームの入射角度を制御する偏向器とを備える。
また、本発明の第2形態である電子ビーム露光方法は、電子ビーム源より生じる電子ビームを、該電子ビームの経路中に配置されたマスクに照射して、前記マスクを通過した電子ビームで、試料の表面に前記マスクのマスクパターンを露光する電子ビーム露光方法であって、試料の温度を測定し、測定された試料の温度に基づき、マスクパターンの試料への転写倍率を決定し、電子ビームのマスク上照射位置と試料及びマスクの間隔とに基づいて、マスクパターンが決定された転写倍率で試料上に転写されるように電子ビームの入射角度を制御する。
上述の温度変化による伸縮により生じる転写倍率誤差は、露光時の試料の伸縮率とマスクの伸縮率の差異により生じるものである。したがって本発明に係る電子ビーム露光装置及び露光方法では、マスク測温部とマスク伸縮率決定部を備え、マスク温度を測定してマスクの伸縮率を決定した後、試料とマスクとの伸縮率の比に基づいて上記転写倍率を決定することが、上記決定される転写倍率の精度を高める上で好適である。
本発明による電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法では、試料の実際の温度を測定して転写倍率を変更するために、高精度に転写倍率誤差の補正が可能となる。特に、チャンバ内にロードされた状態の試料温度をリアルタイムに測定して転写倍率を補正することにより、上記ロードロック室内の断熱膨張により生じる収縮だけでなく、露光中の温度変化に伴う試料の伸縮に対応することも可能となる。
さらにまた、本発明による電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法では、試料の伸縮率を求めるときに試料上に設けられたマークを使用しないため、1回目の露光の際にも、転写倍率誤差の補正が可能となる。
図5は、本発明の実施例である電子ビーム近接露光装置の構成図である。なお、以下の図においては、同一の構成の要素が複数設けられている場合には、同一の参照番号にアルファベットを付して表し、各要素の説明においては参照番号のみで表す場合がある。また、電子ビーム近接露光装置の基本構成は、図1に示した構成及び上記の文献1に開示された構成に類似した構成を有している。よって、図1と同一の機能部分には同一の参照番号を付して表し、詳しい説明は省略する。
図5に示すように、電子ビーム近接露光装置1は、電子光学鏡筒(電子光学カラム)10及び真空試料室(真空チャンバ)8を備えている。カラム10内には、電子ビーム15を発生する電子ビーム源14と整形アパチャ16と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ18とを有する電子銃12、対となる主偏向器22、24と、対となる副偏向器51、52とを含み、電子ビームを光軸に平行に走査する走査手段21、露光するパターンに対応する開口を有するマスク30、マスク30を保持するマスクステージ31と、XYステージ46とから構成される。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、ステージ44上に、静電チャック等の手段により保持されている。
そして、マスク30は試料40の表面に近接するように(マスク30と試料40とのギャップが、例えば、50μmとなるように)配置される。
また、電子ビーム近接露光装置1は、ステージ46上に載置された試料40の温度を測定するためにステージ上に設けられる試料測温部61と、マスク30の温度を測定するためのマスク測温部62と、試料測温部61の出力信号に基づき試料40の伸縮率を決定する試料伸縮率決定部64と、マスク測温部62の出力信号に基づきマスク30の伸縮率を決定するマスク伸縮率決定部65と、決定された試料40及びマスク30の伸縮率の比に基づき、マスク30上のマスクパターンの試料40への転写倍率を決定する転写倍率決定部66と、決定された転写倍率と、試料40とマスク30との間隔と電子ビーム15のマスク30上照射位置とに基づいて副偏向器51、52により電子ビーム15のマスク30への入射角度を制御する副偏向器制御部67とを備える。
図6は、本発明に係る電子ビーム近接露光方法のフローチャートである。
試料測温部61は、チャンバ8内にロードされ、ステージ46上に載置された試料40の温度を測定する(S101)。この試料40は、上述のように生じる温度低下等によって、予め定められた露光時の設定温度(例えばチャンバ内に保持されるマスク30と同温度)と温度差を有しており、その結果として伸縮率が予定される所定の伸縮率から変動しているとする。
また、マスク測温部62は、チャンバ8内に保持されているマスク30の温度を測定する(S102)。
次に、試料伸縮率決定部64は、試料測温部61の出力信号が示す試料40の温度に基づいて試料40の伸縮率を決定する(S103)。この伸縮率は、試料40の温度から試料40の伸縮率を求める所定の算出式を用いて計算により決定してもよく、あるいは予め測定した各温度における試料40の伸縮率測定値のテーブルデータを参照して決定してもよい。
同様に、マスク伸縮率決定部65は、マスク測温部62の出力信号が示すマスク30の温度に基づいてマスク30の伸縮率を決定する(S104)。
転写倍率決定部66は、決定された試料40及びマスク30の伸縮率の比に基づき、マスク30上のマスクパターンの試料40への転写倍率を決定する(S105)。
副偏向器制御部67は、マスク30上における電子ビーム15の現在の照射位置と、試料40及びマスク30の既知の間隔に基づいて、マスクパターンが試料40上に決定された転写倍率で露光されるように、電子ビーム15のマスク30への入射角度を定め、決定した入射角度で電子ビーム15がマスク30の開口部に入射するように副偏向器51、52を制御する(S106)。
すなわち、あるマスク30上位置に存在するマスクパターン部分が、マスク30面に垂直に入射する電子ビーム15によって試料上に転写される試料上位置と、決定された転写倍率により定まる前記パターン部分の試料上転写位置と、の変位がδであるとき、副偏向器制御部67は、電子ビーム15が上式(1)、
δ=G・tanα (1)
により定まる角度αで、マスク30面に入射するよう副偏向器51、52を制御する。
露光が行われるたびに交換される試料40の場合と異なり、マスク30は長時間チャンバ8内に保持されているため、試料40に比べて温度が安定している。したがって本発明に係る電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法では、マスク測温部62およびマスク伸縮率決定部65を省略し(すなわちマスク30については温度の測定と伸縮率の決定を行うことなく)、試料40の温度測定と伸縮率決定のみに基づき転写倍率を決定することとしてもよい。
また、本発明に係る電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法では、試料伸縮率決定部64及び/又はマスク伸縮率決定部65を省略し、試料40及び/又はマスク30の伸縮率を求めることなく、試料測温部61及び/又はマスク測温部62の出力信号が示す試料40及び/又はマスク30の温度に基づいて、直接に転写倍率を決定することとしてもよい。この転写倍率は、試料40及び/又はマスク30の温度から転写倍率を所定の算出式を用いて計算により決定してもよく、あるいは予め測定した(試料40及びマスク30の)各温度における好適な転写倍率のテーブルデータを参照することにより決定してもよい。
さらに、試料40及びマスク30が同じ熱膨張係数を有する材料からなる場合には、試料40及びマスク30の間の伸縮率の比を、両者の温度比により決定することが可能である。したがって、本発明に係る電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法では、前記転写倍率を試料40及び/又はマスク30の温度比に基づいて決定してもよい。
実際に、試料40及びマスク30は、同じ半導体ウエハ基板から作られることが多く、この場合、試料40及びマスク30が同じ熱膨張係数を有するため、前記手法は装置の簡略化の上で有効である。
また、電子ビーム15の入射角度制御による転写倍率補正では、高精度の補正が可能な補正量に限度がある。したがって試料40及び/又はマスク30の温度差を所定の範囲内にとどめ、前記補正量を許容しうる補正量よりも小さくするために、試料40を加熱及び/又は冷却する試料調温器71と、マスク40を加熱及び/又は冷却するマスク調温器72と、試料測温部61及びマスク測温部62の出力信号が示す試料40及びマスク30の温度に基づいて試料調温器71及びマスク調温器72を制御する調温器制御部73とを備えることとしてもよい。なお、試料調温器71として、所定温度に制御された液体又は気体が循環する循環パイプをステージ46内に内蔵して設けてもよく、又はニクロムヒータをステージ46に内蔵して設け、若しくはステージ46の周囲に加熱ランプを設けて実現してもよい。
実際の電子ビーム露光装置内では、試料40は、チャンバ8内に搬送されるときパレットと呼ばれる平板形状の部材に保持されたまま搬送され、パレットを介在させたまま、ステージ46上に載置される。したがって電子ビーム露光装置1は、図7に示すように、ステージ46と試料40の間に介在するパレット44の温度を測定するためのパレット温度センサ61をステージ46上に設けることとしてもよい。この場合にはパレット温度センサ61の出力信号に基づきパレット44上に載置された試料40の温度を決定する試料温度決定部63を備える。試料温度決定部63は、パレット44の温度から試料40の温度を所定の算出式を用いて計算により決定してもよく、あるいは予め測定したパレット44の各温度における試料40の各温度のテーブルデータを参照することにより決定してもよい。
また、電子ビーム露光装置1は、パレット44を介して試料30を加熱/冷却するパレット調温器71と、パレット測温部61の出力信号に基づいてパレット調温器71を制御する調温器制御部73とを備えることとしてもよい。
図7に示す電子ビーム露光装置1では、前記パレット44の温度を測定するパレット温度センサ61をステージ46上に設け、チャンバ8内における試料40の温度を測定することとした。しかしパレット温度センサ61は上述のロードロック室内に設けることとしてもよく、ロードロック室内において試料温度を測定することとしてもよい。以下にパレット温度センサ61を備えるウエハ40の搬送経路を説明する。
図8は、電子ビーム近接露光装置1のウエハ40の搬送経路の基本構成図である。図8において、矢印はウエハ搬送経路を示す。
チャンバ8の内部は高真空状態に維持され、露光するウエハ40を保持したXYステージ46を移動する移動機構が設けられている。そして、XYステージ46に保持されたウエハ40はカラム10のマスク30の直下に移動される。
プリロードチャンバ89内のウエハアーム93は、ウエハカセット94A,94B内の未露光ウエハを取り出してコーター/デベロッパ92に搬送する。コーター/デベロッパ92でレジストを塗布された未露光ウエハは、エッジクランプアーム90により保持され、ウエハアライナ91で位置及び回転位置を調整するウエハアライメントが行われる。以上の動作は、大気圧中状態のプリロードチャンバ89内で行われる。
この例では、2個のロードロック室87A,87Bが設けられており、一方のロードロック室からチャンバ10内に搬送されたウエハ40に露光している間に、他方のロードロック室は露光済みのウエハ40をプリロードチャンバ89からウエハカセット94A,94Bに戻すと共に、未露光のウエハ40を受け取り、ウエハ40をパレット44に固定した上で内部を真空状態にして、露光中のウエハの露光が終了して一方のロードロック室に搬送されるとすぐにウエハ40を固定したパレット44をチャンバ10内に搬送する。
例えば、プリロードチャンバ89からロードロック室87Aにウエハを搬送する時には、ゲート86Aを閉じ、ゲート88Aを開き、エッジクランプアーム90がウエハアライメントの終了したウエハ40をロードロック室87A内のパレット上に搬送する。ロードロック室87Aでは、真空吸着によりウエハ40をパレット44に吸着した状態で静電チャックにより固定した後、ゲート88Aを閉じ、内部を大気圧状態から真空状態にする。この状態で露光中のウエハの露光が終了するまで待機する。
露光が終了し、チャンバ8内のXYステージ46から露光済みウエハを固定したパレットがロードロック室87Bに搬送され、ゲート86Bが閉じられると、ステージはロードロック室87Aとのパレット受け渡し位置に移動し、ゲート86Aが開かれる。パレットはロードロック室87Aからステージに搬送されて静電チャックにより固定され、カラム10の下に移動して露光が行われる。露光が終了すると、ステージはロードロック室87Aとのパレット受け渡し位置に移動し、露光済みウエハが固定されたパレットは、ロードロック室87Aに搬送される。ロードロック室87Aでは、ゲート86Aを閉じ、内部を真空状態から大気圧状態にして、ゲート88Aを開く。そしてエッジクランプアーム90がウエハをクランプした状態でパレットからウエハを取り外し、コーター/デベロッパ92に搬送する。コーター/デベロッパ92でレジストを現像し、現像の終了したウエハはウエハアーム93によりウエハカセット94A,94B内に戻される。
図9は、ロードロック室87とチャンバ8内のステージ46との間のパレット44を利用したウエハ40の受け渡しのための構成を示す図である。ロードロック室87には、上面にパレット44を機械的に固定するパレット台96が設けられており、内部を真空状態と大気圧状態の間で変化できるようになっている。また、チャンバ8には、ステージ46が設けられており、内部は真空状態に保持されている。
プリロードチャンバ89のエッジクランプアーム90によりロードロック室87に搬送されたウエハ40は、パレット台96上のパレット44に静電チャックにより固定される。その後、ロードロック室87内は真空状態にされ、パレット44がステージ46に搬送され、パレット44に設けたパレット固定機構によりパレット44はステージ46に固定される。ウエハ40を固定したパレット44は、マスク30の直下に移動し、露光が行われる。露光の終了したウエハ40を固定したパレット44はステージ46からロードロック室87に搬送され、ロードロック室87の内部を大気圧状態にした後、パレット44から露光済みのウエハ40を取り外す。その後、エッジクランプアーム90によりプリロードチャンバ89に搬送され、ウエハカセットに戻される。チャンバ8とロードロック室87の間には開閉可能なゲート86を設ける必要があるので、パレット44にローラを設け、チャンバ8とロードロック室87にパレット44を搬送するためのレール95,97を設けて、パレット44はレールに沿って移動する。図示していないが、ロードロック室87には、パレット44をレールに沿って移動させるアクチュエータが設けられる。
本発明に係る電子ビーム露光装置1では、前述のパレット温度センサ61及びパレット調温器71がパレット台96上に設けられる。そして、パレット温度センサ61は、試料40がプリロードチャンバ89からロードロック室87に搬送され、ロードロック室87内を大気圧環境から真空状態へ真空排気を行った後、又はチャンバ8内に搬入される直前に、試料40が載置されるパレット44の温度を測定して試料40の温度を決定する。
このように試料40は、前記真空排気に伴う断熱膨張により生じる温度低下を生じた後に、試料40の温度を測定することにより、前記真空排気に伴う断熱膨張により生じる転写倍率誤差を減少することが可能となる。
なお、試料調温器71として、所定温度に制御された液体又は気体が循環する循環パイプをパレット台96内に内蔵して設けてもよく、又はニクロムヒータをパレット台96に内蔵して設け、若しくはパレット台96の周囲に加熱ランプを設けて実現してもよい。
電子ビーム近接露光装置の基本構成図である。 電子ビームの走査方法の説明図である。 電子ビームの傾き制御の説明図である。 マスク歪み補正の説明図である。 本発明の実施例に係る電子ビーム近接露光装置の構成図(その1)である。 本発明の実施例に係る電子ビーム近接露光方法のフローチャートである。 本発明の実施例に係る電子ビーム近接露光装置の構成図(その2)である。 マスク及びウエハの搬送経路の基本構成図である。 ロードロック室の構成図である。
符号の説明
1…電子ビーム近接露光装置
8…チャンバ
10…カラム
15…電子ビーム
30…マスク
40…試料
46…マスクステージ
51、52…副偏向器
61…試料測温部
62…マスク測温部
64…試料伸縮率決定部
65…マスク伸縮率決定部
66…転写倍率決定部
67…副偏向器制御部

Claims (19)

  1. 電子ビームを発生する電子ビーム源と、試料表面に露光するパターンに応じたマスクパターンを備えるマスクと、前記電子ビームが前記マスク上を走査するように前記電子ビームを偏向する走査手段とを備え、前記電子ビームを前記マスク上で走査し、前記マスクを通過した前記電子ビームで、前記試料表面に前記マスクパターンを転写する電子ビーム露光装置であって、
    前記試料の温度を測定する試料測温部と、
    前記試料測温部の出力信号に基づき、前記マスクパターンの前記試料への転写倍率を決定する転写倍率決定部と、
    前記電子ビームの前記マスク上照射位置と、前記試料及び前記マスクの間隔と、に基づいて、前記マスクパターンが、決定された前記転写倍率で前記試料上に転写されるように前記電子ビームの入射角度を制御する偏向器と、
    を備えることを特徴とする電子ビーム露光装置。
  2. 前記試料測温部の出力信号に基づき、前記試料の伸縮率を決定する試料伸縮率決定部を備え、
    前記転写倍率決定部は、決定された前記試料の伸縮率に基づき、前記転写倍率を決定することを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  3. 前記マスクの温度を測定するマスク測温部を備え、
    前記転写倍率決定部は、前記試料測温部と前記マスク測温部との出力信号に基づき、前記転写倍率を決定することを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  4. 前記試料測温部の出力信号に基づき、前記試料の伸縮率を決定する試料伸縮率決定部と、
    前記マスク測温部の出力信号に基づき、前記マスクの伸縮率を決定するマスク伸縮率決定部を備え、
    前記転写倍率決定部は、決定された前記試料及び前記マスクの伸縮率の比に基づき、前記転写倍率を決定することを特徴とする請求項3に記載の電子ビーム露光装置。
  5. 前記マスクと前記試料とは同じ熱膨張係数を有する材料からなり、
    前記転写倍率決定部は、測定された前記試料と前記マスクとの温度の比に基づき、前記転写倍率を決定することを特徴とする請求項3に記載の電子ビーム露光装置。
  6. 電子ビームを発生する電子ビーム源と、試料表面に露光するパターンに応じたマスクパターンを備えるマスクと、前記電子ビームが前記マスク上を走査するように前記電子ビームを偏向する走査手段とを備える電子光学カラムと、
    前記試料を載置して移動するステージを収納し、前記電子光学カラムと接続する真空試料室と、を備え、
    前記電子ビームを前記マスク上で走査し、前記マスクを通過した前記電子ビームで、前記試料表面に前記マスクパターンを転写する電子ビーム露光装置であって、
    前記試料を載置して前記真空試料室内に搬送されるパレットの温度を測定するパレット温度センサと、
    前記パレット温度センサの出力信号に基づき、前記マスクパターンの前記試料への転写倍率を決定する転写倍率決定部と、
    前記電子ビームの前記マスク上照射位置と、前記試料及び前記マスクの間隔と、に基づいて、前記マスクパターンが、決定された前記転写倍率で前記試料上に転写されるように前記電子ビームの入射角度を制御する偏向器と、
    を備えることを特徴とする電子ビーム露光装置。
  7. 前記パレット温度センサの出力信号に基づき、前記試料の伸縮率を決定する試料伸縮率決定部を備え、
    前記転写倍率決定部は、決定された前記試料の伸縮率に基づき、前記転写倍率を決定することを特徴とする請求項6に記載の電子ビーム露光装置。
  8. 前記マスクの温度を測定するマスク測温部を備え、
    前記転写倍率決定部は、前記パレット温度センサと前記マスク測温部との出力信号に基づき、前記転写倍率を決定することを特徴とする請求項6に記載の電子ビーム露光装置。
  9. 前記パレット温度センサの出力信号に基づき、前記試料の伸縮率を決定する試料伸縮率決定部と、
    前記マスク測温部の出力信号に基づき、前記マスクの伸縮率を決定するマスク伸縮率決定部とを備え、
    前記転写倍率決定部は、決定された前記試料及びマスクの伸縮率の比に基づき、前記転写倍率を決定することを特徴とする請求項8に記載の電子ビーム露光装置。
  10. 前記マスクと前記試料とは同じ熱膨張係数の材料からなり、
    前記パレット温度センサの出力信号に基づき、前記試料の温度を決定する試料温度決定部を備え、
    前記転写倍率決定部は、測定された前記試料と前記マスクとの温度の比に基づき、前記転写倍率を決定することを特徴とする請求項8に記載の電子ビーム露光装置。
  11. 前記試料は、前記パレットに載置されたまま前記ステージ上に載置され、
    前記パレット温度センサは、前記ステージ上に載置される前記パレットの温度を測定することを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載の電子ビーム露光装置。
  12. 前記パレット温度センサは、前記ステージ上に設けられることを特徴とする請求項11に記載の電子ビーム露光装置。
  13. 前記試料を大気状態で受け取った後、内部を真空状態にしてから前記真空試料室へ搬送し、前記真空試料室から前記試料を真空状態で受け取った後、内部を大気状態にして搬出するロードロック室を備え、
    前記パレット温度センサは、前記ロードロック室内に収納される前記パレットの温度を測定することを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載の電子ビーム露光装置。
  14. 前記パレット温度センサは、前記ロードロック室内に収納される前記パレットを載置するパレット台上に設けられることを特徴とする請求項13に記載の電子ビーム露光装置。
  15. 測定した前記パレットの温度に基づき、前記試料が所定温度になるまで前記パレットを加熱する調温器を備えることを特徴とする請求項6〜14に記載の電子ビーム露光装置。
  16. 電子ビーム源より生じる電子ビームを、該電子ビームの経路中に配置されたマスクに照射して、前記マスクを通過した電子ビームで、試料の表面に前記マスクのマスクパターンを露光する電子ビーム露光方法であって、
    前記試料の温度を測定し、
    測定された前記試料の温度に基づき、前記マスクパターンの前記試料への転写倍率を決定し、
    前記電子ビームの前記マスク上照射位置と、前記試料及び前記マスクの間隔と、に基づいて、前記マスクパターンが、決定された前記転写倍率で前記試料上に転写されるように前記電子ビームの入射角度を制御することを特徴とする電子ビーム露光方法。
  17. 前記マスクの温度を測定し、
    前記転写倍率の決定は、測定された前記試料と前記マスクとの温度に基づき、前記転写倍率を決定することを特徴とする請求項16に記載の電子ビーム露光方法。
  18. 前記マスクと前記試料とは、同じ熱膨張係数の材料からなり、
    前記転写倍率の決定は、測定された前記試料と前記マスクとの温度の比に基づき、前記転写倍率を決定することを特徴とする請求項17に記載の電子ビーム露光方法。
  19. 電子ビーム源より生じる電子ビームを、該電子ビームの経路中に配置されたマスクに照射して、前記マスクを通過した電子ビームで、試料の表面に前記マスクのマスクパターンを露光する電子ビーム露光方法であって、
    前記試料を搬送するためのパレットの温度を、前記試料が載置される状態で測定し、
    測定した前記パレットの温度に基づき、前記マスクパターンの前記試料への転写倍率を決定し、
    前記電子ビームの前記マスク上照射位置と、前記試料及び前記マスクの間隔と、に基づいて、前記マスクパターンが、決定された前記転写倍率で前記試料上に転写されるように前記電子ビームの入射角度を制御することを特徴とする電子ビーム露光方法。
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