JP2005200997A - 人工芝生および運動競技場 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、充填材を、簡単、容易に、均一に充填することができる上に、天然芝生に近似した外観と、優れた衝撃吸収性と、長期間の使用に耐えうる耐久性とを有する人工芝生および運動競技場を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の人工芝生は、複数本の繊維束を撚って構成された撚糸で、かつ、撚り固定されてなるパイルが基布に植設されてなる人工芝生であって、該パイルのパイル長さが、該基布表面からパイル先端までの仮想的直線長さで測定したとき少なくとも40mmであり、かつ、その先端部は開繊されているが、繊維束基部より10〜70%の範囲の撚り残留率で該撚り固定が残されていることを特徴とするものである。
また、本発明の運動競技場は、かかる人工芝生を下地上に敷設して構成されていることを特徴とするものである。
【選択図】図1
本発明は、充填材を、簡単、容易に、均一に充填することができる上に、天然芝生に近似した外観と、優れた衝撃吸収性と、長期間の使用に耐えうる耐久性とを有する人工芝生および運動競技場を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の人工芝生は、複数本の繊維束を撚って構成された撚糸で、かつ、撚り固定されてなるパイルが基布に植設されてなる人工芝生であって、該パイルのパイル長さが、該基布表面からパイル先端までの仮想的直線長さで測定したとき少なくとも40mmであり、かつ、その先端部は開繊されているが、繊維束基部より10〜70%の範囲の撚り残留率で該撚り固定が残されていることを特徴とするものである。
また、本発明の運動競技場は、かかる人工芝生を下地上に敷設して構成されていることを特徴とするものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、充填材の散布・充填作業が簡単、容易であり、充填材入り人工芝生用途に特に好適に用いられる上に、衝撃吸収性および耐久性に優れた人工芝生、およびそれからなる充填材入り人工芝生および運動競技場に関する。
近年、各種スポーツが活性化するにつれ、各運動競技場の利用頻度が多くなったことから、メンテナンスが容易で、天候の影響を受けにくい運動競技場が要望されている。特にJリーグ発足後ワールドカップの影響を大きく受けたサッカー競技場においては、天然芝生グランドの育成維持管理に莫大な費用が掛かることから、既にヨーロッパで見られるように、人工芝生のパイル間隙に充填材を充填した人工芝生運動競技場が注目をあびている。天然芝生が主流であるアメリカにおいてさえも、かかる充填材入り人工芝生が野球場に採用されつつある。
かかる人工芝生運動競技場における人工芝生は、ロングパイルと称されている人工芝生が使用され、かかるパイルの抜けを防ぐために基布裏面をスチレンブタジエンラバー(SBR)樹脂等で塗布乾燥して仕上げているのが通常である。かかる人工芝生では、カバーリング性が不十分であるために、ワイヤの付いた回転ブラシ等を用いて、充填材層から突出しているパイルを強制的に割繊、開繊し、カバーリング性を付与して仕上げているのが通常であるが、かかる方法によっても満足なものを提供することができなかった。
なお、かかる充填材入り人工芝生においては、従来から、パイル素材にポリオレフィン系フィルムスプリット糸のカットパイルが主に採用されているが、一部にはポリアミド系マルチフィラメント糸も用いられている。
しかしながら、パイル素材にポリオレフィン系フィルムスプリット糸単体を用いた人工芝生の場合には、カバーリング性が不十分となるため、充填したあとの充填材がプレーヤーの動きや風雨の影響によって移動しやすく、場合によっては流出することもあった。そのためにワイヤの付いた回転ブラシ等を用いて、パイルの隙間に硬質充填材と軟質充填材とを充填した充填材層から突出しているパイルを強制的に割繊し、カバーリング性を付与していたものである。元来ポリアミド系樹脂からなるパイルに比較して耐摩耗性の低いポリオレフィン系フィルムスプリット糸は耐摩耗性がさらに低下しパイル寿命を一層短くしてしまうことになっていた。
このような欠点を補うために、パイルの植設ゲージ、もしくは植設ステッチの間隔を規制したり、パイルの繊度やフィラメント糸の1束内の本数を規制したり、さらには硬質充填材と軟質充填材の配合や最大粒径を規制した方法が提案(特許文献1参照)されている。
しかし、かかる方法によっても、まだまだ、人工芝生の耐久性が不十分で、実作業面においても充填材の充填がしにくく、簡単に均一な充填ができない上に、衝撃吸収性にバラツキが生じてくるという欠点があった。
特許第3257673号公報
本発明の課題は、かかる従来技術の背景に鑑み、充填材を、簡単、容易に、均一に充填することができる上に、天然芝生に近似した外観と、優れた衝撃吸収性と、長期間の使用に耐えうる耐久性とを有する人工芝生、それからなる充填材入り人工芝生および運動競技場を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の人工芝生は、複数本の繊維束を撚って構成された撚糸で、かつ、撚り固定されてなるパイルが基布に植設されてなる人工芝生であって、該パイルのパイル長さが、該基布表面からパイル先端までの仮想的直線長さで測定したとき少なくとも40mmであり、かつ、その先端部は開繊されているが、繊維束基部より10〜70%の範囲の撚り残留率で該撚り固定が残されていることを特徴とするものである。
また、本発明の運動競技場は、かかる充填材入り人工芝生を下地上に敷設して構成されていることを特徴とするものである。
本発明の充填材入り人工芝生によれば、テニス、サッカー、野球、ラグビー、ホッケー
フットサル、アメリカンフットボール、陸上競技場等の競技者が激しい運動を行う運動施設に用いるのに好適な充填材入り人工芝生および運動競技場を提供することができる。
フットサル、アメリカンフットボール、陸上競技場等の競技者が激しい運動を行う運動施設に用いるのに好適な充填材入り人工芝生および運動競技場を提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり充填材を、簡単、容易に、均一に充填することができる上に、天然芝生に近似した外観と、優れた衝撃吸収性と、長期間の使用に耐えうる耐久性とを有する充填材入り人工芝生に特に好適に用いることのできる人工芝生について、鋭意検討し、使用するパイルとして、撚り固定された撚糸を用いて、これを植設して人工芝生を作成したところ、前記課題を一挙に解決することを究明したものである。
すなわち、本発明者らは、かかる人工芝生において、パイル糸の撚り残留率に着目して検討したところ、撚り残留率が多すぎる場合には、パイルが開繊不十分となり、充填材を均一に充填することが困難となり、逆に撚り残留率が少なすぎる場合には、パイルが開繊しすぎて、パイルが倒れやすくなり、充填材散布機のタイヤの加圧によってパイルが倒れたりして、充填しにくく不均一な充填となり、さらに芝生としての外観や隠蔽性にも乏しいものとなることを究明し、さらに、かかる充填材入り人工芝生では、衝撃吸収性にバラツキが生じ標準偏差が大きくなることを究明したものである。
なお、本発明の人工芝生は、パイルを除いては、従来からの人工芝生と同様にして製造することができる。すなわち、基布として、合成繊維からなるマルチフィラメント糸またはスリット糸等で構成された平織物等の布帛が使用され、かかる基布にポリアミド系マルチフィラメント糸などからなるパイルを、タフティングなどの手段により植設した後、その基布の裏面にSBR樹脂等の塗布層を設けてパイルを固定することにより人工芝生を形成する。さらに、こうして得られた人工芝生を下地上に敷設し、該人工芝生のパイルの隙間に充填材を充填して充填材入り人工芝生を形成するものである。
なお、本発明では、該人工芝生のパイルの隙間に充填材を充填する充填材の充填時期とパイルの開繊時期を特定するものではないが、一般的には充填材を充填すると同時に撚り固定の開繊をする方法を採用するのが好ましいが、別にパイル糸の撚り固定の開繊を先にした後に充填材を充填してもよい。後者の方法でも本発明によれば、従来の撚り固定をしていない従来のパイルに比して格段の前記効果を奏するものである。人工芝生のパイル長が長い場合には、一般に充填材の充填量が多く散布ムラが生じやすいため、充填材を数回に分けて充填することが好ましい。その場合、パイルの開繊は、充填材を順次充填すると同時に行うとよい。
すなわち、本発明の人工芝生は、複数本の繊維束を撚って構成された撚糸をパイル糸として使用して構成したところに特徴を有するものであり、さらにかかるパイル糸を植設してなる人工芝生を構成するパイルは、その一部が撚り固定されたままであるところにも特徴を有するものである。かかる繊維束を構成する繊維としては、通常使用されている合成繊維からなるマルチフィラメント糸およびスリット糸から選ばれた少なくとも1種を使用することができる。かかるマルチフィラメント糸およびスリット糸は、ポリアミド系樹脂およびポリオレフィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種が使用される。すなわち、ポリアミド系マルチフィラメント糸あるいはポリアミド系マルチフィラメント糸とポリオレフィン系スプリット糸、ポリアミド系マルチフィラメント糸とポリオレフィン系スリット糸が用いられる。なお、マルチフィラメント糸は芝生の強度や耐久性に優れ、スリット糸は芝生の外観や隠蔽性などの性質に優れているので、それぞれ単独で使用することもできるが、これらを必要に応じて組み合わせて使用するのが好ましい。かかる性質を全て有するパイル糸として、マルチフィラメント糸で、かつ、扁平な断面形状を有するものが好ましく、特にポリアミド系マルチフィラメント糸の扁平な断面糸が好ましく使用される。かかる断面形状としては、楕円形、菱形、三角形、多角形などのいずれを用いても良く、さらには楕円形と菱形などと組み合わせても良い。パイルの表面は平滑でも良いが、凹凸を設けたものは、天然芝生の表面状態に近似するのでより好ましく使用される。
かかるパイル糸は、前記マルチフィラメント糸およびスリット糸から選ばれた少なくとも1種からなる繊維束の撚糸で構成されるが、好ましくは単糸繊度が400〜700dtexの繊維からなり、かつ、トータル繊度が8,000〜16,000dtexであるという構成が採用される。
すなわち、単糸繊度が400dtex未満になると適正な剛性を失い、倒れやすいパイルとなり充填材を均一に充填することができない。また700dtexを越えると撚りの熱固定が不十分になり、充填材充填作業前からパイルが開繊するため、充填材散布機のタイヤの加圧によってパイルが倒れ不均一に充填される欠点がある。さらに総繊度が8,000dtex未満の場合、一束のパイル本数が減少するため、パイルが倒れやすくなり、16,000dtexを越えると、繊維束の一束のパイル本数が多くなりすぎて、パイルの隙間に充填材を均一に充填することができなくなる傾向がでてくる。
かかる繊維束の撚糸としては、初期下撚り数が60〜120T/m、より好ましくは初期下撚り数が70〜100T/m付与されているものが、パイル糸として好ましく使用される。初期下撚り数が60T/m未満になるとパイルの収束性が不足し、タフト時のミスカットが増加すると共に充填材を充填する以前からパイルが開繊しているため、パイルがへたり易くなり、充填作業がしにくくなり、かつ、均一に充填することが困難となる。また初期下撚り数が120T/mを越えると、パイルが未開繊状態となり、芝生外観からほど遠いものとなるし、隠蔽性にも劣るものとなる。さらに好ましくは初期下撚り数を60〜120T/m付与した後、上撚り40〜100T/mを付与して、熱固定したものが使用される。かかる熱固定したパイル糸は、植設しやすく、かつ、その後の開繊によって、パイル糸がランダムな方向に広がり、より天然芝に近似した状態となるという利点がある。
本発明の特徴は、かかる撚り固定されたパイル糸を使用するところにあり、かかるパイル糸は、基布の裏面に樹脂を塗布、乾燥して仕上げた人工芝生を下地上に敷設した後、さらに充填材を充填すると同時に回転ブラシで強制的に開繊されることが好ましい。かかる状態での人工芝生におけるパイルは、該パイル糸の先端部は開繊されており、残りの部分、特に下地下に被覆されている部分は撚り固定されたままであるという点に特徴を有するものである。かかる撚り固定の手段としては、撚りが固定される手段であれば別に如何なる方法でもよいが、樹脂固定でも、熱固定でもよいが、簡便で、開繊性とのバランスの上から、熱固定が好ましく採用される。
本発明の人工芝生のかかるパイル糸は、いわゆるロングパイルといわれるもので、そのパイル長さが、該人工芝生の基布表面からパイル先端までの仮想的直線長さで測定したとき、好ましくは少なくとも40mm、さらには40〜70mm程度のものが使用される。ここで仮想的直線長さとは、該パイルをピンセットでつまんで引っ張って略直線状に伸ばして測定した長さである。
かかる該パイル糸の該撚りが残されている割合は、かかるパイル長さの10〜70%の範囲で撚りが残されているのが好ましい。これを撚り残留率でいうと、かかる撚り残留率が10%未満になると、充填作業前からパイルが開繊しているため、充填材散布機のタイヤの加圧によってパイルが一定方向に倒れ不均一に充填される欠点がある。また、撚り残留率が70%を越えると、パイルの開繊状態が不十分となり、芝生とは言えない外観となり、その隠蔽効果も乏しいものとなる。
かかる残留率は次式から算出される。ここで非開繊部とは、前記パイルの撚りが残されている部分であって、非開繊部の長さとは、基布表面から開繊部までの距離である。パイル長さとは、基布表面から開繊部を含めたパイルの全長さである。
撚り残留率(%)=(非開繊部の長さ/パイル長さ)×100
かかるパイル糸の状態をより明確に示すために図1で説明する。図1は、本発明の人工芝生を構成するパイルの植設状態の一例を示す概略側面図である。図1において、aはパイルが植え付けられた基布であり、bはバッキング材、cは熱固定されたパイル糸が開繊した部分を示し、dは撚りが熱固定され収束している非開繊部の長さを示す。eはパイル糸が植え付けられた基布の表面からパイル先端までの長さでありパイル長さを示す。
かかるパイル糸の状態をより明確に示すために図1で説明する。図1は、本発明の人工芝生を構成するパイルの植設状態の一例を示す概略側面図である。図1において、aはパイルが植え付けられた基布であり、bはバッキング材、cは熱固定されたパイル糸が開繊した部分を示し、dは撚りが熱固定され収束している非開繊部の長さを示す。eはパイル糸が植え付けられた基布の表面からパイル先端までの長さでありパイル長さを示す。
かかる撚り残留率を得る手段としては、次のような処理方法を採用することができる。すなわち撚りを付与したポリアミド系マルチフィラメント糸あるいはポリアミド系マルチフィラメント糸とポリオレフィン系スプリット糸、ポリアミド系マルチフィラメント糸とポリオレフィン系スリット糸を真空状態の乾燥機内で湿熱処理を施こす。この時の処理条件を湿熱温度80〜120℃、処理時間20〜40分とすることが好ましい。湿熱温度が80℃未満であったり、120℃を越える場合、さらには処理時間が20分未満であったり、40分を越える場合には、何れの条件下においてもパイルの開繊性に悪影響を及ぼすことになり、充填材を均一に充填することが不可能となる。
本発明の充填材入り人工芝生に採用される充填材としては、通常使用される充填材を使用することができ、すなわち硬質粒体およば軟質粒体から選ばれた少なくとも1種を使用することができる。かかる硬質粒体としては、珪砂、破砕屑、セラミック、陶磁器屑粉砕物、ガラス玉、廃ガラス粒状物、下水汚泥溶融スラグ、ゴミ溶融スラグおよび鉄鋼スラグから選ばれた少なくとも1種を使用することができるが、安価でかつ量的に入手が可能な珪砂が好適である。また、軟質粒体としては、ゴムチップおよびプラスチックチップから選ばれた少なくとも1種を使用することができるが、好適にはゴムチップ充填材であり、種類としては、発泡ゴムチップ(スポンジゴムチップ)や無発泡ゴムチップ(ソリッドゴムチップ)等があり、スポンジゴムチップとソリッドゴムチップは単独でも混合して用いることができる。なお、前記ゴムチップ充填材の素材としては、スチレンブタジエンラバー、エチレンプロピレンジエン共重合体、ニトリルラバ、クロロプレンラバー、イソブチレンイソプレンラバー等を用いることができる。ゴム製品の廃タイヤや自動車窓枠廃ゴムなどを粉砕加工後、粒度調整して再利用することによって産廃物の削減に寄与することができる。
かかる充填材としては、天然芝生に近似する外観、衝撃吸収性を得るために、硬質充填材と軟質充填材を混合充填することが好ましく採用される。
かかる硬質充填材としては、好ましくは粒径3mm以下の粒状物が用いられ、軟質充填材としては、好ましくは粒径5mm以下に粉砕したチップなどが用いられる。
また、本発明の充填材入り人工芝生は、運動施設に用いると極めて好適な運動競技場を提供することができる。すなわち、かかる充填材入り人工芝生を下地上に敷設して運動競技場を構成するものである。優れた衝撃吸収性と、長期間の使用に耐えうる耐久性とを有するものであるから、激しい運動を行う競技場、特に球技用運動競技場、特にサッカー競技場や、球技用運動競技場のアシスタントレフェリー走路に好適に使用することができる。
前記運動競技場としては、その他にも、たとえばテニス、野球、ラグビー、ホッケー、フットサル、アメリカンフットボール、陸上競技場等に採用することができる。
さらには、かかる運動競技場に限らず、安全性が要求される幼稚園グランドなどにも応用することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。以下に示す実施例および比較例において、充填材充填状態の均一性を評価する方法を次に示す。
外観評価:肉眼により観察して、次の評価基準により示した。
◎:均一に充填されている
○:やや均一に充填されている
△:やや不均一に充填されている
×:不均一に充填されている
衝撃吸収性標準偏差と衝撃吸収性Ia値の評価:
近畿地方建設局近畿技術事務所発行に係る「簡易支持力測定器による試験方法」(1996年5月15日)記載される地盤支持力の測定方法に準拠し、(株)マルイ社製簡易支持力測定機「商標名:キャスポル」を用いて、加速度計を内蔵した、重量4.5kg、外径50mmの鋼製の円筒形のランマー(重錘)を45cmの高さから自由落下させ、ランマーが地盤に衝突したときの加速度の最大値であるIa値を測定する。測定個所はm2 あたり25箇所として標準偏差を算出し、その評価基準は下記の通りである。標準偏差は小さいほど均一に充填されているといえる。
○:やや均一に充填されている
△:やや不均一に充填されている
×:不均一に充填されている
衝撃吸収性標準偏差と衝撃吸収性Ia値の評価:
近畿地方建設局近畿技術事務所発行に係る「簡易支持力測定器による試験方法」(1996年5月15日)記載される地盤支持力の測定方法に準拠し、(株)マルイ社製簡易支持力測定機「商標名:キャスポル」を用いて、加速度計を内蔵した、重量4.5kg、外径50mmの鋼製の円筒形のランマー(重錘)を45cmの高さから自由落下させ、ランマーが地盤に衝突したときの加速度の最大値であるIa値を測定する。測定個所はm2 あたり25箇所として標準偏差を算出し、その評価基準は下記の通りである。標準偏差は小さいほど均一に充填されているといえる。
標準偏差値
0 〜2.0:均一に充填されている
2.1〜4.0:やや均一に充填されている
4.1〜6.0:やや不均一に充填されている
6.1以上 :不均一に充填されている
衝撃吸収性Ia値
7〜30 :天然芝生運動競技場レベル
31以上 :土グランドレベル。
0 〜2.0:均一に充填されている
2.1〜4.0:やや均一に充填されている
4.1〜6.0:やや不均一に充填されている
6.1以上 :不均一に充填されている
衝撃吸収性Ia値
7〜30 :天然芝生運動競技場レベル
31以上 :土グランドレベル。
実施例1
ポリプロピレンフイルム製スリット糸(厚み:130μm、巾1mm)からなる織密度が24本/25.4mmの平織物に、ポリエチレンテレフタテート製不織布(目付:90g/m2 )をニードルパンチによって一体化し、さらにその不織布の上に上述の平織物を重ね合わせて基布を得た。
ポリプロピレンフイルム製スリット糸(厚み:130μm、巾1mm)からなる織密度が24本/25.4mmの平織物に、ポリエチレンテレフタテート製不織布(目付:90g/m2 )をニードルパンチによって一体化し、さらにその不織布の上に上述の平織物を重ね合わせて基布を得た。
一方、単糸繊度460dtex(扁平断面、厚み:90μm、巾800μm)の単糸を本数8本引き揃えた束を3束用意し、撚糸機を用いて各々の束に初期下撚り数80T/mを付与した。次に3束を引き揃えて上撚り数60T/mを付与し、総繊度11,040dtexのポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸を得た。この上撚りを付与したポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸を真空状態の乾燥機内で湿熱温度90℃、処理時間30分間の湿熱処理を施して、熱固定したポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸を得た。
次に、この熱固定したポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸を、上記基布にゲージ15.9mmでタフティングし、基布の裏面にSBR樹脂を塗布、乾燥してパイルを固定し、基布の表面からパイルの先端までの長さ、すなわちパイル長が60mmの人工芝生を得た。この人工芝生のパイルの目付は1,330g/m2 であった。この時パイルの上撚り残留率が55%であった。
該人工芝生をアスファルトコンクリート上に敷設し、硬質充填材として珪砂を17kg/m2 、軟質充填材としてスチレンブタジエンラバー製ゴムチップを17kg/m2 の重量で混合したものを、パイルの隙間に充填した。このようにして得られた充填材入り人工芝生について、外観評価と衝撃吸収性の標準偏差ならびに衝撃吸収性Ia値の評価を行った。
外観評価値 :◎
標準偏差値 :0.6
衝撃吸収性Ia値:11。
標準偏差値 :0.6
衝撃吸収性Ia値:11。
実施例2
実施例1において、該ポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸の初期下撚り数45T/m、上撚り30T/m、撚り残留率を30%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
実施例1において、該ポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸の初期下撚り数45T/m、上撚り30T/m、撚り残留率を30%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
外観評価値 :○
標準偏差値 :2.8
衝撃吸収性Ia値:10。
標準偏差値 :2.8
衝撃吸収性Ia値:10。
実施例3
実施例1において、該ポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸の初期下撚り数85T/m、上撚り40T/m、撚り残留率を65%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
実施例1において、該ポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸の初期下撚り数85T/m、上撚り40T/m、撚り残留率を65%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
外観評価値 :○
標準偏差値 :3.4
衝撃吸収性Ia値:13。
標準偏差値 :3.4
衝撃吸収性Ia値:13。
比較例1
実施例1において、該ポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸の初期下撚り50T/m、上撚り30T/m、撚り残留率5%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
実施例1において、該ポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸の初期下撚り50T/m、上撚り30T/m、撚り残留率5%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
外観評価値 :×
標準偏差値 :7.4
衝撃吸収性Ia値:7。
標準偏差値 :7.4
衝撃吸収性Ia値:7。
比較例2
実施例1において、該ポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸の初期下撚り130T/m、上撚り110T/m、撚り残留率80%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
実施例1において、該ポリアミド系マルチフィラメント糸の撚糸の初期下撚り130T/m、上撚り110T/m、撚り残留率80%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
外観評価値 :×
標準偏差値 :8.1
衝撃吸収性Ia値:6。
標準偏差値 :8.1
衝撃吸収性Ia値:6。
実施例4
ポリプロピレンフイルム製スリット糸(厚み:130μm、巾1mm)からなる織密度が24本/25.4mmの平織物に、ポリエステル製不織布(目付:50g/m2 )をニードルパンチによって一体化し、さらにその不織布の上に上述の平織物を重ね合わせて基布を得た。
ポリプロピレンフイルム製スリット糸(厚み:130μm、巾1mm)からなる織密度が24本/25.4mmの平織物に、ポリエステル製不織布(目付:50g/m2 )をニードルパンチによって一体化し、さらにその不織布の上に上述の平織物を重ね合わせて基布を得た。
一方、単糸繊度460dtex(扁平断面、厚み:90μm、巾800μm)のポリアミド系マルチフィラメント糸を8本引き揃えた束を用意し、撚糸機を用いて初期下撚り数80T/mを付与した。次に、このポリアミド系マルチフィラメント糸に、単糸繊度7,200dtex(厚み:70μm、スプリット巾600μm)のポリオレフィン系スプリット糸を引き揃えて、上撚り数40T/mを付与し、総繊度10,880dtexのパイル糸を得た。この撚糸からなるパイル糸を真空状態の乾燥機内で湿熱温度80℃、処理時間30分間の湿熱処理を施して、熱固定された撚糸パイル糸を得た。
次に、上記基布に上記パイル糸をゲージ15.9mmでタフティングし、基布の裏面にSBR樹脂を塗布、乾燥してパイルを固定し、基布の表面からパイルの先端までの長さ、すなわちパイル長が60mmの人工芝生を得た。パイルの目付は1,200g/m2 であった。この時パイルの撚り残留率が40%であった。
該人工芝生をアスファルトコンクリート上に敷設し、硬質充填材として珪砂を15kg/m2 、軟質充填材としてスチレンブタジエンラバー製ゴムチップを17kg/m2 の重量でパイルの隙間に充填した。このようにして得られた充填材入り人工芝生について、外観評価と衝撃吸収性の標準偏差ならびに衝撃吸収性Ia値の評価を行った。
外観評価値 :○
標準偏差値 :1.0
衝撃吸収性Ia値:13。
標準偏差値 :1.0
衝撃吸収性Ia値:13。
実施例5
実施例4において、該パイル糸の初期下撚り数85T/m、上撚り50T/m、撚り残留率を65%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
実施例4において、該パイル糸の初期下撚り数85T/m、上撚り50T/m、撚り残留率を65%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
外観評価値 :○
標準偏差値 :2.4
衝撃吸収性Ia値:15。
標準偏差値 :2.4
衝撃吸収性Ia値:15。
比較例3
実施例4において、該パイル糸の初期下撚り50T/m、上撚り30T/m、撚り残留率0%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
実施例4において、該パイル糸の初期下撚り50T/m、上撚り30T/m、撚り残留率0%に変更する以外は、同一方法で充填材入り人工芝生をつくって評価を行った。
外観評価値 :×
標準偏差値 :6.4
衝撃吸収性Ia値:10。
標準偏差値 :6.4
衝撃吸収性Ia値:10。
上記実施例と比較例との対比から明らかなように、実施例の充填材入り人工芝生は、比較例のものに比して、充填材が均一に充填され、衝撃吸収性にバラツキが小さく、かつ、天然芝生運動競技場と同レベルの衝撃吸収性を得ることができることがわかった。
本発明は各種の運動に適したスポーツ用人工芝に限らず、安全性が要求される幼稚園グランドなどにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
a:基布
b:バッキング材
c:開繊部
d:非開繊部長さ
e:パイル長さ
b:バッキング材
c:開繊部
d:非開繊部長さ
e:パイル長さ
Claims (14)
- 複数本の繊維束を撚って構成された撚糸で、かつ、撚り固定されてなるパイルが基布に植設されてなる人工芝生であって、該パイルのパイル長さが、該基布表面からパイル先端までの仮想的直線長さで測定したとき少なくとも40mmであり、かつ、その先端部は開繊されているが、繊維束基部より10〜70%の範囲の撚り残留率で該撚り固定が残されていることを特徴とする人工芝生。
- 該撚り固定が、熱固定であることを特徴とする請求項1に記載の人工芝生。
- 該パイルを構成する繊維束の撚糸が、マルチフィラメント糸およびスリット糸から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の人工芝生。
- 該マルチフィラメント糸およびスリット糸が、ポリアミド系樹脂およびポリオレフィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の人工芝生。
- 該マルチフィラメント糸が、扁平な断面形状を有する繊維の繊維束からなるものであることを特徴とする請求項3または4に記載の人工芝生。
- 該パイルを構成する繊維束の撚糸が、単糸繊度が400〜700dtexの繊維からなり、かつ、トータル繊度が8,000〜16,000dtexからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の人工芝生。
- 該人工芝生が、該基布裏面に樹脂塗布層を有するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の人工芝生。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の人工芝生のパイル間隙に充填材が充填されていることを特徴とする充填材入り人工芝生。
- 該充填材が、硬質粒体およば軟質粒体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項8に記載の充填材入り人工芝生。
- 該硬質粒体が、珪砂、破砕屑、セラミック、陶磁器屑粉砕物、ガラス玉、廃ガラス粒状物、下水汚泥溶融スラグ、ゴミ溶融スラグおよび鉄鋼スラグから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項9に記載の充填材入り人工芝生。
- 該軟質粒体が、ゴムチップおよびプラスチックチップから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項9に記載の充填材入り人工芝生。
- 請求項8〜11のいずれかに記載の充填材入り人工芝生を下地上に敷設して構成されていることを特徴とする運動競技場。
- 請求項8〜11のいずれかに記載の充填材入り人工芝生を、球技用運動競技場のアシスタントレフェリー走路に敷設してなることを特徴とする請求項12に記載の運動競技場。
- 該球技用運動競技場が、サッカー競技場であることを特徴とする請求項12または13に記載の運動競技場。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004010182A JP2005200997A (ja) | 2004-01-19 | 2004-01-19 | 人工芝生および運動競技場 |
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JP2004010182A JP2005200997A (ja) | 2004-01-19 | 2004-01-19 | 人工芝生および運動競技場 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005200997A true JP2005200997A (ja) | 2005-07-28 |
Family
ID=34822983
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007126850A (ja) * | 2005-11-02 | 2007-05-24 | Nippon Field System Kk | 人工芝とそれを用いた人工芝グランドの施工方法 |
JP2007327216A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Tokiwa Kogyo Co Ltd | 砂及びその製造法とこれを目砂とする人工芝生 |
-
2004
- 2004-01-19 JP JP2004010182A patent/JP2005200997A/ja active Pending
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