JP2005298458A - ベンゾフェノン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ローダミン型染料の含有量が少ない非対称なアルキル基を有するベンゾフェノン誘導体を製造する方法を提供すること。
【解決手段】 一般式(1)で表される化合物と無水フタル酸を有機溶媒の存在下に反応し、得られた反応液に水を装入しpHを4.0〜7.0に調整した後、分液して得られた有機溶媒層に水を装入しpHを8.0〜14.0に調整した後、分液して得られた水層と水溶性有機溶媒を混合して結晶を析出させ、濾別分離することを特徴とする、一般式(2)で表される化合物の製造方法。
【化1】
(式中、R1およびR2は、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基、ベンジル基、または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。ただし、R1とR2は同一ではない。)
【化2】
(式中、R1およびR2は、前記一般式(1)中のR1およびR2の定義と同義ある。)
【選択図】なし
【解決手段】 一般式(1)で表される化合物と無水フタル酸を有機溶媒の存在下に反応し、得られた反応液に水を装入しpHを4.0〜7.0に調整した後、分液して得られた有機溶媒層に水を装入しpHを8.0〜14.0に調整した後、分液して得られた水層と水溶性有機溶媒を混合して結晶を析出させ、濾別分離することを特徴とする、一般式(2)で表される化合物の製造方法。
【化1】
(式中、R1およびR2は、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基、ベンジル基、または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。ただし、R1とR2は同一ではない。)
【化2】
(式中、R1およびR2は、前記一般式(1)中のR1およびR2の定義と同義ある。)
【選択図】なし
Description
本発明は、アミノフェノール類と無水フタル酸を反応させて、ベンゾフェノン誘導体を製造する方法に関する。
ベンゾフェノン誘導体は、感圧記録用又は感熱記録用の色素として有用なフルオラン化合物の製造中間体として重要である。
ベンゾフェノン誘導体の製造方法としては、m−アミノフェノール誘導体1モルと無水フタル酸0.5〜2モルとを無溶媒あるいは不活性有機溶媒中において、80〜150℃の温度条件下で数時間反応させる方法が知られている。
この方法では、生成したベンゾフェノン誘導体がさらにアミノフェノールと反応し、赤色染料であるローダミン型染料等が副生するため、ベンゾフェノン誘導体の収率の低下および高純度なベンゾフェノン誘導体が得にくいなどの問題がある。
これらの問題点を解決する方法として、例えば、次の方法が報告されている。
(1)m−アミノフェノール誘導体と無水フタル酸とを不活性有機溶媒の存在下に反応させた後、次いでm−アミノフェノール誘導体に対して2〜7倍モルのアルカリを5〜30重量%濃度の水溶液として加え、加熱・溶解した後、冷却晶析し、濾別して目的物であるベンゾフェノン誘導体を製造する方法(特許文献1参照)。
(2)m−アミノフェノール誘導体と無水フタル酸との反応において、ベンゾフェノン誘導体を析出させ、反応をスラリー状態で行った後、濾取して得られたベンゾフェノン誘導体をメタノール/水の混合溶媒中で再結晶させて得る方法(特許文献2参照)。
特開平5−213840号公報
特開平6−049008号公報
しかしながら、前記の(1)の方法は、得られるベンゾフェノン誘導体が赤味の着色を帯びやすく、反応終了後に残存する無水フタル酸やアミノフェノール類、さらにはローダミン型染料が100ppm〜1%程度含有する等の問題がある。
このローダミン型染料を微量含有するベンゾフェノン誘導体をフルオラン化合物の原料として使用した場合、得られた色素を使用した感圧、感熱記録材料の品質に悪影響を及ぼす事もしばしば見られることから、求められるベンゾフェノン誘導体の品質としてはローダミン型染料の含有量を100ppm以下とする要望が強く、このため高品質のものを得るには非常に繁雑な精製工程を必要とし、さらに収率を低下させてしまう等の問題があった。
また、前記(2)の方法は、非対称なアルキル基を有するm−アミノフェノール誘導体からベンゾフェノン誘導体を得ようとすると、非対称なアルキル基を有するベンゾフェノン誘導体の結晶性が悪いことから、非対称なアルキル基を有するベンゾフェノン誘導体を高収率で得ることは困難である。
本発明は、上記の従来技術に鑑み、副生物であるローダミン型染料の含有量が少ない非対称なアルキル基を有するベンゾフェノン誘導体を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、一般式(1)で表される化合物と無水フタル酸を有機溶媒中で反応させて得られる反応混合物に水を加えて、pHを4.0〜7.0に調整した後、分液して得られた有機溶媒層に水を装入しpHを8.0〜14.0に調整した後、分液して得られた水層と水溶性有機溶媒を混合して結晶を析出させ、濾別分離することにより、最終的に得られる一般式(2)で表されるベンゾフェノン誘導体中のローダミン型染料の含有量を100ppm以下に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(式中、R1およびR2は、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基、ベンジル基、または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。ただし、R1とR2は同一ではない。)
(式中、R1およびR2は、前記一般式(1)中のR1およびR2の定義と同義である。)
本発明によれば、ローダミン型染料の含有量が少なく、かつ高純度なベンゾフェノン誘導体を容易に収率よく製造することができる。
以下、本発明の方法について、さらに詳しく説明する。
本発明において一般式(1)で表される化合物としては、例えば、N−メチル−N−エチル−m−アミノフェノール、N−エチル−N−n−プロピル−m−アミノフェノール、N−エチル−N−iso−プロピル−m−アミノフェノール、N−エチル−N−n−ブチル−m−アミノフェノール、N−エチル−N−iso−ブチル−m−アミノフェノール、N−エチル−N−sec−ブチル−m−アミノフェノール、N−エチル−N−n−ペンチル−m−アミノフェノール、N−エチル−N−iso−アミル−m−アミノフェノール、N−メチル−N−p−トリル−m−アミノフェノール、N−エチル−N−p−トリル−m−アミノフェノール等を挙げることができる。
一般式(1)で表される化合物と無水フタル酸との反応は、公知の方法が適用できる。具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、テトラクロロエタン、トリクレン、パークレン、アニソール、シクロヘキサンなどの有機溶媒中にて、温度60〜150℃で、数時間〜数十時間加熱反応させる事によって行われる。
反応終了後は系内に、一般式(1)で表される化合物に対して1〜5重量部、好ましくは1.5〜3重量部の水を添加し、pHを4.0〜7.0、好ましくは5.0〜7.0の範囲に調整したのちに静置、分液し有機溶媒層と水層とを分離する。添加する水の量が1重量部未満では不溶物が析出して分液性を悪化させ、5重量部を超えると有機溶媒層との比重差が小さくなり、分液操作に多大な時間を要し生産性の低下を招き好ましくない。また、pH=4.0未満では加水分解して生成したフタル酸の結晶が析出して分液性が悪化し、pH=7.0を超えると目的物である一般式(2)で表される化合物の水層へのロスが増大し、収率の低下を招き好ましくない。
分液して得られた有機溶媒層はさらに一般式(1)で表される化合物に対して1〜5重量部、好ましくは1.5〜3重量部の水を添加し、pHを8.0以上、好ましくは12.0以上に調整したのちに静置、分液し有機溶媒層と水層とを分離する。
添加する水の量が1重量部未満では不溶物が析出して分液性を悪化させ、5重量部を超えると有機溶媒層との比重差が小さくなり、分液操作に多大な時間を要し生産性の低下を招き好ましくない。また、pH=8.0未満では有機溶媒層中の一般式(2)で表される化合物が水層へ分配しにくいことから好ましくない。
分液して得られた水層には目的物である一般式(2)で表される化合物を含有しており、副生物であるローダミン型染料についても数百から数千ppm程含有していることから、この水層を数回有機溶媒で抽出することで更に精製効果を高めることができる。
本発明において反応液のpHを調整する際には塩基性化合物が使用される。使用される塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の無機塩基化合物が挙げられる。
これらの塩基性化合物は常温で通常固体状であるため、水などの溶媒に溶解し、均一な溶液として使用される。また、これらの塩基性化合物は単独又は2種以上を混合して用いることもできる。通常好ましい塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが挙げられる。
本発明において有機溶媒層と水層を分液する際の温度としては30〜80℃、好ましくは40〜60℃である。30℃未満では分液性が悪く、80℃を超えると有機溶媒層と水層との相互溶解度が大きくなり、ローダミン型染料の除去効率が悪化する等の点から好ましくない。
本発明においては、一般式(1)で表される化合物と無水フタル酸を有機溶媒の存在下に反応し、得られた反応液に水を装入しpHを4.0〜7.0に調整した後、分液して得られた有機溶媒層に水を装入しpHを8.0以上に調整した後、分液して得た水層を水溶性有機溶媒と混合することにより、一般式(2)で表される化合物をアルカリ金属塩として晶析させる。
本発明における水溶性有機溶媒とは、水を10wt%以上溶解させる有機溶媒を意味するものと定義する。水溶性有機溶媒としては、分子内にカルボニル基、シアノ基、エステル基、エーテル基のいずれかの官能基を有する溶媒が好ましい。
このような溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸メチル、乳酸ブチル、γ-ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられるが、特にアセトン、およびアセトニトリルは好ましい。
本発明で使用する水溶性有機溶媒の量は水層に対して0.5〜10重量部、好ましくは1.0〜5.0重量部である。0.5重量未満では本発明の効果が小さく、ローダミン型染料を100ppm以下にできない場合がある。10重量部以上では容積効率を低下させ、生産性を低下させるのみで、本発明の効果が特に促進される事は無い。
本発明において分液して得た水層と水溶性有機溶媒を混合して一般式(2)で表される化合物のアルカリ金属塩を晶析させる方法としては、分液して得た水層中に水溶性有機溶媒を滴下して晶析させる方法或いは水溶性有機溶媒中に分液して得た水層を滴下して晶析させる方法等が挙げられるが、特に限定はされない。
また分液して得た水層と水溶性有機溶媒を混合する際の温度としては0〜80℃、好ましくは30〜60℃である。0℃未満ではローダミン型染料や他の不純物の溶解度も小さくなることから得られる一般式(2)で表される化合物のアルカリ金属塩の純度低下を招き、80℃を超えると不純物由来の着色成分が生成し、得られる一般式(2)で表される化合物のアルカリ金属塩が着色しやすくなり好ましくない。
晶析後の一般式(2)で表される化合物のアルカリ金属塩を濾別分離する際は、加圧あるいは減圧濾過機、或いはセントル濾過機等を用いることができる。
本発明の方法によって得られる一般式(2)で表される化合物のアルカリ金属塩は、通常はこれを水に溶解させ、硫酸または塩酸水溶液等により中和して析出した結晶を濾別、乾燥することにより遊離酸の形で一般式(2)で表される化合物として得る事ができる。
本発明において一般式(2)で表される化合物のアルカリ金属塩を水に溶解し、硫酸または塩酸水溶液等により中和、析出させる方法としては特に限定はされないが、均一な粒子形を有する結晶を析出させる方法としては硫酸または塩酸水溶液中に一般式(2)で表される化合物のアルカリ金属塩を溶解させた水層を滴下していく方法が好ましい。
上記の方法で得られる一般式(2)で表される化合物の色相は良好であり、ローダミン型染料の含有量が100ppm以下、かつ高純度であり、フルオラン誘導体の製造中間体として非常に有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、高速液体クロマトグラフィーおよび分光光度計による分析条件を以下に示す。なお、ここでOD値はローダミン型染料による着色度合いを表すのに用い、ベンゾフェノン誘導体中のローダミン型染料含有率と比例関係にある。ローダミン型染料含有量率100ppmでOD値は0.2である。
分析条件:
カラム:YMC‐PACK ODS‐A A‐312
展開液:メタノール/水=2400:600(pH=4.5)
流速 :1.2ml/min
波長 :254nm
カラム:YMC‐PACK ODS‐A A‐312
展開液:メタノール/水=2400:600(pH=4.5)
流速 :1.2ml/min
波長 :254nm
OD値分析条件:
サンプル調製条件 試料1g・酢酸1ml精秤後、MeOHで100mlにメスアップ
対照資料調製条件 酢酸1ml精秤後、MeOHで100mlにメスアップ
測光モード Abs(吸光度)
スペクトルバンド幅 3nm
測光範囲 0‐2Abs
ローダミン測定波長 554‐556nm
OD値=吸光度/ケト酸の重量(g)
サンプル調製条件 試料1g・酢酸1ml精秤後、MeOHで100mlにメスアップ
対照資料調製条件 酢酸1ml精秤後、MeOHで100mlにメスアップ
測光モード Abs(吸光度)
スペクトルバンド幅 3nm
測光範囲 0‐2Abs
ローダミン測定波長 554‐556nm
OD値=吸光度/ケト酸の重量(g)
純度97.8%のN−エチル−N−イソアミルーm−アミノフェノール42.4g(0.2モル)と無水フタル酸41.5g(0.28モル)およびトルエン42.4gを混合し、87〜91℃で12Hr加熱攪拌した。反応マスにトルエンを90g、蒸留水100gを装入し55〜60℃で攪拌しpHを測定したところ、pH=2.0であった。この反応マスに47.2%NaOH水溶液を17.0g装入しpH=6.3に調整した。55〜60℃で30分静置後分液し、水層(下層)を分離した。得られたトルエン層に蒸留水60gを装入し、60〜70℃でと47.2%NaOH水溶液33.9gを装入し反応マスのpHを12.2に調整した。その後70℃で30分静置後分液し、トルエン層(上層)を分離した。さらにトルエン50gを加えて70℃で30分攪拌後静置、分液しトルエン層を分離した。得られたベンゾフェノン誘導体を含んだ水層をアセトン200g中に15〜20℃に保持しながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間攪拌した後、5℃まで冷却し、析出した結晶を濾過、乾燥して微帯黄色結晶78.1g(ローダミン含有量10ppm以下)を得た。
この結晶を蒸留水300gに溶解させ、蒸留水100g、36%HCl水溶液39.7gを仕込んだ水溶液を10〜15℃に保持しながら、1時間かけて滴下した。滴下後同温度で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過し、80℃で乾燥して目的とする4−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−2−ヒドロキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン57.2gを得た。これを高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、N−エチル−N−イソアミル−m−アミノフェノールに対する収率は79.6%、純度99.0%、ローダミン含有量10ppm以下、OD値は0.01以下であった。
実施例1と同様にして4−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−2−ヒドロキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンの合成を行った。反応終了後、反応マスにトルエンを80.7g、蒸留水100gを装入し55−60℃で1時間攪拌した後、45.9%NaOH水溶液を20.4g装入し、pH=6.3に調整した。55−60℃で30分静置後分液し、水層(下層)を分離した。得られたトルエン層に蒸留水100gを装入し、60−70℃で45.9%NaOH水溶液34.8gを装入し、反応マスのpHを12.2に調整した。その後、70℃で30分攪拌後静置、分液し、トルエン層を分離した。得られたベンゾフェノン誘導体を含んだ水層をアセトニトリル200g中に15〜20℃を保持しながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間攪拌した後、5℃まで冷却し、析出した結晶を濾過、乾燥して微帯黄色結晶68.9g(ローダミン含有量10ppm以下)を得た。
この結晶を蒸留水200gに溶解させ、蒸留水100g、36%HCl水溶液32.4gを混合した水溶液を10〜15℃に保持しながら、1時間かけて滴下を行った。滴下後同温度で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過し、80℃で乾燥して目的とする4−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−2−ヒドロキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン53.1gを得た。これを高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、N−エチル−N−イソアミル−m−アミノフェノールに対する収率は63.0%、純度96.0%、ローダミン含有量10ppm以下、OD値は0.01以下であった。
[比較例1]
実施例1と同様にして4−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−2−ヒドロキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンの合成を行った。反応終了後、反応マスにトルエンを90g、蒸留水100gを装入し55−60℃で1時間攪拌した後、46.3%NaOH水溶液を17.1g装入し、pH=6.3に調整した。55−60℃で30分静置後分液し、水層(下層)を分離した。得られたトルエン層に蒸留水60gを装入し、70−75℃で46.3%NaOH水溶液34.6gを装入し、反応マスのpHを12.2に調整した。その後、70−75℃で30分攪拌後静置、分液し、トルエン層を分離した。得られたベンゾフェノン誘導体を含んだ水層を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾過・洗浄して濃ピンク色の結晶96.2gを得た。この結晶にトルエン200g・蒸留水67.2gをこの順に加え、その後36%HCl水溶液40.5gを1時間かけて滴下した。反応ますの温度を55−60度に昇温し、分液して水層を除いた。得られたトルエン層を0℃まで冷却し、析出した結晶を濾別し、60℃で乾燥することによって目的とする4−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−2−ヒドロキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンの濃ピンク結晶50.7gが得られ、これを高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、N−エチル−N−イソアミル−m−アミノフェノールに対する収率は69.6%、純度97.7%、ローダミン含有量650ppm、OD値は1.45であった。
実施例1と同様にして4−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−2−ヒドロキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンの合成を行った。反応終了後、反応マスにトルエンを90g、蒸留水100gを装入し55−60℃で1時間攪拌した後、46.3%NaOH水溶液を17.1g装入し、pH=6.3に調整した。55−60℃で30分静置後分液し、水層(下層)を分離した。得られたトルエン層に蒸留水60gを装入し、70−75℃で46.3%NaOH水溶液34.6gを装入し、反応マスのpHを12.2に調整した。その後、70−75℃で30分攪拌後静置、分液し、トルエン層を分離した。得られたベンゾフェノン誘導体を含んだ水層を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾過・洗浄して濃ピンク色の結晶96.2gを得た。この結晶にトルエン200g・蒸留水67.2gをこの順に加え、その後36%HCl水溶液40.5gを1時間かけて滴下した。反応ますの温度を55−60度に昇温し、分液して水層を除いた。得られたトルエン層を0℃まで冷却し、析出した結晶を濾別し、60℃で乾燥することによって目的とする4−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−2−ヒドロキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンの濃ピンク結晶50.7gが得られ、これを高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、N−エチル−N−イソアミル−m−アミノフェノールに対する収率は69.6%、純度97.7%、ローダミン含有量650ppm、OD値は1.45であった。
[比較例2]
実施例1と同様にしてN−エチル−N−イソアミル−m−アミノフェノールと無水フタル酸の反応を行い、反応終了後、反応マスを60℃・15torrで1時間脱トルエンし、これに50%メタノール溶液200gを加え、70℃まで昇温した後、5℃まで冷却し、結晶を析出させ、20℃で1時間熟成した。これを濾過・洗浄後、60℃で乾燥させることにより、濃ピンクの結晶58.9gを得た。この結晶を68℃の75%メタノール水溶液150gに溶解させた後、再結晶させ、濾別・乾燥する工程を3回繰り返すことにより、目的とする4−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−2−ヒドロキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンのピンク色結晶37.7gを得た。これを高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、N−エチル−N−イソアミル−m−アミノフェノールに対する収率は52.3%、純度99.6%、ローダミン含有量80ppm、OD値0.15であった。
実施例1と同様にしてN−エチル−N−イソアミル−m−アミノフェノールと無水フタル酸の反応を行い、反応終了後、反応マスを60℃・15torrで1時間脱トルエンし、これに50%メタノール溶液200gを加え、70℃まで昇温した後、5℃まで冷却し、結晶を析出させ、20℃で1時間熟成した。これを濾過・洗浄後、60℃で乾燥させることにより、濃ピンクの結晶58.9gを得た。この結晶を68℃の75%メタノール水溶液150gに溶解させた後、再結晶させ、濾別・乾燥する工程を3回繰り返すことにより、目的とする4−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−2−ヒドロキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンのピンク色結晶37.7gを得た。これを高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、N−エチル−N−イソアミル−m−アミノフェノールに対する収率は52.3%、純度99.6%、ローダミン含有量80ppm、OD値0.15であった。
本発明方法により製造されたベンゾフェノン誘導体は副生物のローダミン型染料の含有量が100ppm以下であり感圧・感熱記録材料の高品質化に貢献できる中間体として有用である。
Claims (3)
- 一般式(1)で表される化合物と無水フタル酸を有機溶媒の存在下に反応し、得られた反応液に水を装入しpHを4.0〜7.0に調整した後、分液して得られた有機溶媒層に水を装入しpHを8.0〜14.0に調整した後、分液して得られた水層と水溶性有機溶媒を混合して結晶を析出させ、濾別分離することを特徴とする、一般式(2)で表される化合物の製造方法。
- 水溶性有機溶媒が水を10wt%以上溶解させる有機溶媒であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 使用する水溶性有機溶媒の使用量が水層に対して0.5重量倍以上である請求項1又は2記載の製造方法。
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