JP2005283197A - 画面のスジ欠陥検出方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コントラストの低いスジ欠陥や様々なサイズ、方向をもつスジ欠陥を高精度に検出することができ、さらにスジの太さが途中で変わるような場合でも正確な形状のスジ欠陥として検出することができる画面のスジ欠陥検出方法及び装置を提供する。
【課題手段】 検査対象の画面を含む画像を基にして複数段階の縮小画像を作成する工程と、前記縮小画像のそれぞれに対して、縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタを用いて欠陥強調のためのフィルタ処理を行う工程と、前記フィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果をテーブルに反映して1つのスジ欠陥として合成する工程とを含む。
【選択図】 図7
【課題手段】 検査対象の画面を含む画像を基にして複数段階の縮小画像を作成する工程と、前記縮小画像のそれぞれに対して、縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタを用いて欠陥強調のためのフィルタ処理を行う工程と、前記フィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果をテーブルに反映して1つのスジ欠陥として合成する工程とを含む。
【選択図】 図7
Description
本発明は、液晶パネル等の表示デバイスやその応用製品であるプロジェクタ等の製造における検査工程において、スジ欠陥を精度よく自動的に検出する画面のスジ欠陥検出方法及び装置に関する。
従来のLCDパネル検査における線ムラ検出方法は、LCDパネルの濃淡画像の各画素を注目画素とし、各注目画素毎に、注目画素を中心とする所定範囲内において、垂直方向、水平方向および少なくとも2つの斜め方向毎に、画素値の足し込み演算を行い、各演算結果のうちの最大値を当該注目画素の画素値とする処理を行うことにより、線ムラ抽出用画像を生成するステップ、ならびに線ムラ抽出用画像を所定の閾値を用いて2値化処理することにより、線ムラを検出するステップを備えてなるものである(例えば、特許文献1参照。)。
従来のLCDパネル検査における線ムラ検出方法は、LCDパネルの濃淡画像の各注目画素毎に、注目画素を中心とする所定範囲内において、垂直方向、水平方向および少なくとも2つの斜め方向毎に、画素値の足し込み演算を行い、各演算結果のうちの最大値を当該注目画素の画素値とする処理を行うことにより、線ムラ抽出用画像を生成し、背景よりも輝度の高い線ムラを検出するようにしているから、背景よりも輝度の低い線ムラ、例えば黒スジは検出することができない。
また、一般的に、スジ欠陥の太さが途中で変わるような場合には、積算する領域のサイズを変更するか、検出画像を縮小して対応を行うが、領域のサイズや縮小画像で検出できるスジの太さは変わるため、1つのスジ欠陥が分離する場合があり、同じ欠陥として検出することができず、分離した欠陥としてしか認識することができない。従って、その分検出精度が低下することになる。
また、一般的に、スジ欠陥の太さが途中で変わるような場合には、積算する領域のサイズを変更するか、検出画像を縮小して対応を行うが、領域のサイズや縮小画像で検出できるスジの太さは変わるため、1つのスジ欠陥が分離する場合があり、同じ欠陥として検出することができず、分離した欠陥としてしか認識することができない。従って、その分検出精度が低下することになる。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、コントラストの低いスジ欠陥や様々なサイズ、方向をもつスジ欠陥を高精度に検出することができ、さらにスジの太さが途中で変わるような場合でも正確な形状のスジ欠陥として検出することができる画面のスジ欠陥検出方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画面のスジ欠陥検出方法は、検査対象の画面を含む画像を基にして複数段階の縮小画像を作成する工程と、前記縮小画像のそれぞれに対して、縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタを用いて欠陥強調のためのフィルタ処理を行う工程と、前記フィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果をテーブルに反映して1つのスジ欠陥として合成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、検査対象の画面を含む画像を複数段階にわたって縮小し、それぞれの縮小画像に対して縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタを用いて欠陥強調処理を行うことにより、コントラストの低いスジ欠陥や様々なサイズ、方向をもつスジ欠陥を高精度に検出することができる。そのうえに、フィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果をテーブルに反映して1つのスジ欠陥として合成するので、スジの太さが途中で変わるような場合でも分離させることなく正確な形状のスジ欠陥として検出することができる。
また、本発明の画面のスジ欠陥検出方法は、検査対象の画面を撮像する工程と、撮像により取り込まれた画像から、予め作成しておいた背景画像との差をとる工程と、その背景差分画像又は背景差分画像の平坦化処理により得られる平坦化画像から複数段階の縮小画像を作成する工程と、前記縮小画像のそれぞれに対して、縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタを用いて欠陥強調のためのフィルタ処理を行う工程と、前記フィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果をテーブルに反映して1つのスジ欠陥として合成する工程とを含むものとすることにより、上記と同様の効果が得られる。
また、本発明において、検査対象の画面を含む入力画像のデータは、12ビット階調以上とするのが好ましい。
このような高解像度の画像データを用いることにより、スジ欠陥検出精度が向上することになる。また、欠陥候補の評価値の精度も向上する。
このような高解像度の画像データを用いることにより、スジ欠陥検出精度が向上することになる。また、欠陥候補の評価値の精度も向上する。
また、本発明において、前記フィルタ処理に用いる4種類の線検出フィルタは、それぞれ特定方向に領域を3分割し、中央領域と2つの周辺領域に対して、特定の係数をかけて求めた輝度の差を求めるものであって、中央領域の輝度と、2つの周辺領域の輝度とを求め、中央領域の輝度が2つの周辺領域の輝度よりも大きいか、小さい場合に、中央領域の輝度と2つの周辺領域の輝度の和との差を求めてスジ欠陥の輝度値として検出し、同時にその画像の階調の半分の値をオフセット値として加算するものである。
このように構成された線検出フィルタを用いてフィルタ処理を行うことにより、白スジ欠陥も、黒スジ欠陥も同時に高精度に検出することができる。なお、画像処理ではプラスの値しか取り扱うことができないので、暗欠陥(黒スジ欠陥)の検出の際にはオフセット値として12ビットの4096の半値2048を加えることでプラスの値となるように調整している。
また、本発明において、前記背景画像は、同一の光学系及び同一の撮像系により撮像された複数の画像を平均化したものであることが好ましい。
背景画像は、検査対象以外によって生じる輝度変化を除去し、検査対象の欠陥を抽出するためにつくられる。従って、背景画像は検査対象以外によって生じる輝度変化のみの画像であり、同一の光学系および同一の撮像系により、できるだけ欠陥の少ない表示画面を複数撮像し、それらの撮像された複数の画像を平均化することによって、画像内にランダムに存在する検査対象の欠陥部分の成分は弱められ、画像内に常に同じ位置に存在する、スクリーンや照明、もしくはレンズ特性等検査対象以外によって生じる輝度変化のみが残る背景画像が得られる。
背景画像は、検査対象以外によって生じる輝度変化を除去し、検査対象の欠陥を抽出するためにつくられる。従って、背景画像は検査対象以外によって生じる輝度変化のみの画像であり、同一の光学系および同一の撮像系により、できるだけ欠陥の少ない表示画面を複数撮像し、それらの撮像された複数の画像を平均化することによって、画像内にランダムに存在する検査対象の欠陥部分の成分は弱められ、画像内に常に同じ位置に存在する、スクリーンや照明、もしくはレンズ特性等検査対象以外によって生じる輝度変化のみが残る背景画像が得られる。
また、本発明の画面のスジ欠陥検出方法は、1つのスジ欠陥として合成された検出画像の全画素について輝度値の統計データを計算する工程と、その統計データをもとに計算して閾値を決定し欠陥候補を抽出する工程と、抽出された欠陥候補の評価値を算出する工程とをさらに有するものである。
ここに、検出画像の輝度値の統計データは、平均値、標準偏差、最大値及び最小値であり、これらの統計データを用いることにより、欠陥候補を抽出するための閾値を所定の式により自動的に決定することができる。従って、欠陥候補の評価値を算出することにより、製品のランク判定が可能となる。
ここに、検出画像の輝度値の統計データは、平均値、標準偏差、最大値及び最小値であり、これらの統計データを用いることにより、欠陥候補を抽出するための閾値を所定の式により自動的に決定することができる。従って、欠陥候補の評価値を算出することにより、製品のランク判定が可能となる。
また、本発明において、前記欠陥候補の評価値を算出する工程は、欠陥候補の特性値を求めるblob処理を行い、blob処理により求められた欠陥候補の特性値と前記統計データに基づいて評価値を算出するものである。
blob処理ではさらに欠陥候補の面積も特性値の1つとして求められるので、スジの太さ(幅)が変化する場合でも、スジ欠陥の形状に合致した評価値が得られ、より具体的・客観的にスジ欠陥を把握することが可能となる。
blob処理ではさらに欠陥候補の面積も特性値の1つとして求められるので、スジの太さ(幅)が変化する場合でも、スジ欠陥の形状に合致した評価値が得られ、より具体的・客観的にスジ欠陥を把握することが可能となる。
本発明の画面のスジ欠陥検出装置は、検査対象の画面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により取り込まれた画像の画像処理手段とを備え、前記画像処理手段は、入力画像を複数段階に縮小して得られた縮小画像に対して欠陥強調処理を行うための、縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタと、このフィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果を反映して1つのスジ欠陥として合成するための結果テーブルとを有することを特徴とする。
従って、本発明のスジ欠陥検出装置によれば、コントラストの低いスジ欠陥や様々なサイズ、方向をもつスジ欠陥だけでなく、スジの太さが途中で変わるようなスジ欠陥でも分離することなく正確な形状の1つのスジ欠陥として高精度に検出することができる。
従って、本発明のスジ欠陥検出装置によれば、コントラストの低いスジ欠陥や様々なサイズ、方向をもつスジ欠陥だけでなく、スジの太さが途中で変わるようなスジ欠陥でも分離することなく正確な形状の1つのスジ欠陥として高精度に検出することができる。
また、本発明の画面のスジ欠陥検出装置は、検査対象の画面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により取り込まれた画像から、予め作成しておいた背景画像との差をとる背景画像差分処理手段と、その背景差分画像を平坦化処理する平坦化処理手段と、その平坦化画像から複数段階に縮小された縮小画像を作成する縮小画像作成手段と、前記縮小画像のそれぞれに対してスジ欠陥を検出する線検出フィルタをかけるフィルタ処理手段とを備え、前記フィルタ処理手段は、前記複数段階の各縮小画像に対して、縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタと、このフィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果を反映して1つのスジ欠陥として合成するための結果テーブルとを有するものとすることにより、上記と同様の効果が得られる。
また、本発明の画面のスジ欠陥検出装置は、検査対象の画面だけを抽出する表示エリア抽出手段をさらに有することが好ましい。
例えば、スクリーン上に投影した画面を撮像した画像は周囲に縁部を有するものとなるので、周囲の縁部を除いた実際の表示エリアの画面だけを抽出することにより、検査が容易となる。
例えば、スクリーン上に投影した画面を撮像した画像は周囲に縁部を有するものとなるので、周囲の縁部を除いた実際の表示エリアの画面だけを抽出することにより、検査が容易となる。
また、本発明の画面のスジ欠陥検出装置は、1つのスジ欠陥として合成された検出画像の全画素について輝度値の統計データを計算する統計データ計算手段と、その統計データをもとに計算して閾値を決定し欠陥候補を抽出するblob処理手段と、抽出された欠陥候補について、欠陥評価値を算出する評価値処理手段とをさらに有するものである。
このように構成することにより、抽出された欠陥候補をより具体的・客観的に評価することが可能となり、製品のランク判定をより正確に行うことが可能となる。
このように構成することにより、抽出された欠陥候補をより具体的・客観的に評価することが可能となり、製品のランク判定をより正確に行うことが可能となる。
図1は本発明の実施の形態に係る画面のスジ欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は検査対象である液晶ライトバルブ、2は画像投影装置であるプロジェクタであり、液晶ライトバルブ1を外部からセットできるようになっている。3は液晶ライトバルブ1に各種パターンを出力するパターン生成装置であるパターンジェネレータ、4はスクリーン、5はスクリーン4に投影された画像を撮影する撮像手段であるCCDカメラであり、液晶ライトバルブ1の解像度以上の解像度を有するCCDを搭載している。6はパターンジェネレータ3及びCCDカメラ5を制御し、液晶ライトバルブ1のスジ欠陥を検出する画像処理手段であるコンピュータ装置、7はコンピュータ装置6に接続された表示装置である。
図1において、1は検査対象である液晶ライトバルブ、2は画像投影装置であるプロジェクタであり、液晶ライトバルブ1を外部からセットできるようになっている。3は液晶ライトバルブ1に各種パターンを出力するパターン生成装置であるパターンジェネレータ、4はスクリーン、5はスクリーン4に投影された画像を撮影する撮像手段であるCCDカメラであり、液晶ライトバルブ1の解像度以上の解像度を有するCCDを搭載している。6はパターンジェネレータ3及びCCDカメラ5を制御し、液晶ライトバルブ1のスジ欠陥を検出する画像処理手段であるコンピュータ装置、7はコンピュータ装置6に接続された表示装置である。
コンピュータ装置6は、画像入力手段60と、背景画像差分処理手段61と、表示エリア抽出手段62と、平坦化処理手段63と、縮小画像作成手段64と、線検出フィルタ処理手段65と、統計データ計算手段66と、欠陥候補有無判断手段67と、blob処理手段68と、評価値処理手段69とから構成されている。
コンピュータ装置6の画像入力手段60には、CCDカメラ5で撮像された取込画像の画像データが入力される。その取込画像は図示しない記憶手段に記憶される。
背景画像差分処理手段61は、入力画像と予め作成された背景画像との差を取って検査対象以外のものによって生じるスジを除去した背景差分画像を得る。表示エリア抽出手段62は、背景差分画像から被検査部の画像部分だけを抽出する。
コンピュータ装置6の画像入力手段60には、CCDカメラ5で撮像された取込画像の画像データが入力される。その取込画像は図示しない記憶手段に記憶される。
背景画像差分処理手段61は、入力画像と予め作成された背景画像との差を取って検査対象以外のものによって生じるスジを除去した背景差分画像を得る。表示エリア抽出手段62は、背景差分画像から被検査部の画像部分だけを抽出する。
平坦化処理手段63は、抽出された表示エリア画像の広い範囲のムラの影響を除去する。縮小画像作成手段64は、平坦化処理された画像から複数段階の縮小画像を作成する。線検出フィルタ処理手段65は、各縮小画像に対して異なる方向の線検出フィルタをかけてスジ欠陥を強調して検出する。
統計データ計算手段66はスジ欠陥が強調された画像の全領域における各画素の輝度値から画面全体の輝度値の平均値、標準偏差、最大値及び最小値を算出する。
統計データ計算手段66はスジ欠陥が強調された画像の全領域における各画素の輝度値から画面全体の輝度値の平均値、標準偏差、最大値及び最小値を算出する。
欠陥候補有無判断手段67は、輝度値の平均値、標準偏差、最大値及び最小値に基づいて白スジ及び黒スジの閾値を設定し、これらの値と該閾値とから欠陥候補の有無を判断する。
blob処理手段は68は、欠陥候補の白スジ又は黒スジの抽出と最大輝度、最小輝度、面積を求める。
評価値処理手段69は、blob処理により求めた白スジ又は黒スジの欠陥候補の最大輝度、最小輝度、面積の情報と画面全体の輝度値の平均値、標準偏差に基づいて所定の式により欠陥評価値を算出する。
blob処理手段は68は、欠陥候補の白スジ又は黒スジの抽出と最大輝度、最小輝度、面積を求める。
評価値処理手段69は、blob処理により求めた白スジ又は黒スジの欠陥候補の最大輝度、最小輝度、面積の情報と画面全体の輝度値の平均値、標準偏差に基づいて所定の式により欠陥評価値を算出する。
次に、本発明の実施の形態によるスジ欠陥検出装置の動作について説明する。
図2はこの実施の形態のスジ欠陥検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。図2に示す動作はコンピュータ装置6上で実行されるプログラムにより実現されているものである。
まず、プロジェクタ2に検査対象の液晶ライトバルブ1をセットし、コンピュータ装置6によりパターンジェネレータ3を制御して液晶ライトバルブ1上に特定の明るさのパターンを表示させ、それをプロジェクタ2によりスクリーン4に投影する。そして、スクリーン4上に投影された画像をCCDカメラ5で撮影し、その撮影データの画像をコンピュータ装置6に出力し、コンピュータ装置6によりスジ欠陥検出処理を行い、液晶ライトバルブ1のスジ欠陥の検出結果を表示装置7に表示する。
図2はこの実施の形態のスジ欠陥検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。図2に示す動作はコンピュータ装置6上で実行されるプログラムにより実現されているものである。
まず、プロジェクタ2に検査対象の液晶ライトバルブ1をセットし、コンピュータ装置6によりパターンジェネレータ3を制御して液晶ライトバルブ1上に特定の明るさのパターンを表示させ、それをプロジェクタ2によりスクリーン4に投影する。そして、スクリーン4上に投影された画像をCCDカメラ5で撮影し、その撮影データの画像をコンピュータ装置6に出力し、コンピュータ装置6によりスジ欠陥検出処理を行い、液晶ライトバルブ1のスジ欠陥の検出結果を表示装置7に表示する。
ここで、コンピュータ装置6によるスジ欠陥検出の動作について図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、スクリーン4上に投影された画像をCCDカメラ5で撮影し、その撮影データの画像がコンピュータ装置6の画像入力手段60に取り込まれる、このとき撮影データは、図示しないA/D変換器により、4096階調のデジタルデータとして、コンピュータ装置6に取り込まれる(ステップS1)。
次に、背景画像差分処理手段61は、取り込まれた画像データの中から、照明やレンズなど液晶ライトバルブ1以外のものによって生じる欠陥状の輝度変化を除去するための背景画像差分処理を行う(ステップS2)。
この背景画像差分処理は、図3(a)に示す検査対象画像データの被検査部の画面部分だけが抽出された画像から図3(b)に示す背景画像を減算し、輝度データがマイナスにならないように、オフセット値として2048(4096階調の1/2の値)を加算して、図3(c)に示す背景差分画像を作成するもので、その背景差分画像は2つの画像で対応する画素毎の差の画像となる。なお、この背景画像は、図1と同一の光学系及び同一の撮像系をもつ装置で、できるだけ欠陥のないサンプルを複数枚撮像し、その平均化画像を作成して、その画像から被検査部の画面部分だけを抽出して作成したものである。
まず、スクリーン4上に投影された画像をCCDカメラ5で撮影し、その撮影データの画像がコンピュータ装置6の画像入力手段60に取り込まれる、このとき撮影データは、図示しないA/D変換器により、4096階調のデジタルデータとして、コンピュータ装置6に取り込まれる(ステップS1)。
次に、背景画像差分処理手段61は、取り込まれた画像データの中から、照明やレンズなど液晶ライトバルブ1以外のものによって生じる欠陥状の輝度変化を除去するための背景画像差分処理を行う(ステップS2)。
この背景画像差分処理は、図3(a)に示す検査対象画像データの被検査部の画面部分だけが抽出された画像から図3(b)に示す背景画像を減算し、輝度データがマイナスにならないように、オフセット値として2048(4096階調の1/2の値)を加算して、図3(c)に示す背景差分画像を作成するもので、その背景差分画像は2つの画像で対応する画素毎の差の画像となる。なお、この背景画像は、図1と同一の光学系及び同一の撮像系をもつ装置で、できるだけ欠陥のないサンプルを複数枚撮像し、その平均化画像を作成して、その画像から被検査部の画面部分だけを抽出して作成したものである。
なお、図5(a)に示すグラフは、図3(a)と同様の図4(a)の被検査部の画面部分だけが抽出された画像である背景差分処理前画像の点線部分における輝度値をプロットしたものである。図5(b)に示すグラフは、図3(b)と同様の図4(b)の背景画像の点線部分における輝度値をプロットしたものである。図5(c)に示すグラフは、図3(c)と同様の図4(c)の背景差分処理後画像の点線部分における輝度値をプロットしたものである。
このように図4及び図5を見ると、背景画像差分処理によって照明やレンズなど液晶ライトバルブ1以外のものによって生じる欠陥状の輝度変化が除去されていることが分かる。
このように図4及び図5を見ると、背景画像差分処理によって照明やレンズなど液晶ライトバルブ1以外のものによって生じる欠陥状の輝度変化が除去されていることが分かる。
続いて、表示エリア抽出手段62は、被検査部の画面部分だけを抽出する表示エリア抽出を行う(ステップS3)。
この抽出画面は、被検査部画像の四隅の座標をパターンマッチング処理(画像データの四隅付近の数十画素×数十画素の4つの小領域に対して、それぞれ予め用意した4つの隅基準画像とパターンマッチング処理を行い、四隅の座標を特定する)により検出し、この四隅の座標の位置関係が長方形になるようにアフィン変換することで抽出することができる。これによって、スクリーン4上の周囲の縁部が除去され、且つ正確な長方形とされた画面部分だけが抽出される。
この抽出画面は、被検査部画像の四隅の座標をパターンマッチング処理(画像データの四隅付近の数十画素×数十画素の4つの小領域に対して、それぞれ予め用意した4つの隅基準画像とパターンマッチング処理を行い、四隅の座標を特定する)により検出し、この四隅の座標の位置関係が長方形になるようにアフィン変換することで抽出することができる。これによって、スクリーン4上の周囲の縁部が除去され、且つ正確な長方形とされた画面部分だけが抽出される。
次に、平坦化処理手段63は、抽出された表示エリアの背景差分画像に対して平坦化処理を行う(ステップS4)。この平坦化処理は、その表示エリアの背景差分画像の輝度の緩やかな変化を平坦にする処理であり、比較的広い範囲にわたるムラの影響を除去するために行われるものである。
かかる平坦化処理は、フィルタ処理又はモフォロジ処理によって行われる。
かかる平坦化処理は、フィルタ処理又はモフォロジ処理によって行われる。
次に、縮小画像作成手段64は、平坦化処理された平坦化画像を複数段階にわたって縮小する画像サイズ変更処理を行う(ステップS5)。
この画像サイズ変更処理は、図6に示すように、平坦化処理された画像を1/2、1/4、1/8、1/16及び1/32と5段階の縮小画像を作成するものである。例えば、1/2の縮小画像は平坦化処理された画像の4画素の平均値を1画素として作成するものである。また、1/4の縮小画像は1/2の縮小画像の4画素の平均値を1画素として作成する。これを順次繰り返すことにより、画像を1/2ずつ縮小することができる。
この画像サイズ変更処理は、図6に示すように、平坦化処理された画像を1/2、1/4、1/8、1/16及び1/32と5段階の縮小画像を作成するものである。例えば、1/2の縮小画像は平坦化処理された画像の4画素の平均値を1画素として作成するものである。また、1/4の縮小画像は1/2の縮小画像の4画素の平均値を1画素として作成する。これを順次繰り返すことにより、画像を1/2ずつ縮小することができる。
従って、平坦化処理された原画像が1200×1000の120万画素とすると、1/2の縮小画像は600×500の30万画素、1/4の縮小画像は300×250の7万5千画素、1/8の縮小画像は150×125の1万8750画素、1/16の縮小画像は75×62の4650画素、1/32の縮小画像は38×31の1178画素を有する画像ということになる。
このように、平坦化処理された画像から5段階の縮小画像を作成するのは、後述する線検出フィルタが所定の大きさのスジ欠陥しか強調させて検出できないので、逆に画像サイズを変えて種々の大きさのスジ欠陥を検出できるようにしたものである。
このように、平坦化処理された画像から5段階の縮小画像を作成するのは、後述する線検出フィルタが所定の大きさのスジ欠陥しか強調させて検出できないので、逆に画像サイズを変えて種々の大きさのスジ欠陥を検出できるようにしたものである。
次に、線検出フィルタ処理手段65は、5段階の縮小画像に対してそれぞれ線検出フィルタ処理を行う(ステップS6)。この線検出フィルタ処理は、そのままでは微少なレベルの白スジ・黒スジ・ラビスジ欠陥の検出が難しいために、画像の中のスジ欠陥のみを強調するように、1つの縮小画像に対して、3枚の画像のコピーを作成して、それぞれの画像に対して1種類ずつの線検出フィルタを適用し、計4種類の線検出フィルタをかけて欠陥強調演算を行うものである。
4種類の線検出フィルタには、水平の線の強調処理を行う横線検出フィルタと、垂直の線の強調処理を行う縦線検出フィルタと、+45°の線の強調処理を行う斜め線検出フィルタと、−45°の線の強調処理を行う斜め線検出フィルタとがある。図9から図12に各種の線検出フィルタの例を示している。
4種類の線検出フィルタには、水平の線の強調処理を行う横線検出フィルタと、垂直の線の強調処理を行う縦線検出フィルタと、+45°の線の強調処理を行う斜め線検出フィルタと、−45°の線の強調処理を行う斜め線検出フィルタとがある。図9から図12に各種の線検出フィルタの例を示している。
次に、線検出フィルタ処理によるスジ欠陥の検出について図7のフローチャートに基づいて詳細に説明する。なお、図8は線検出フィルタによりスジ欠陥を検出する原理を説明する図である。
まず、縮小画像作成手段64により作成された縮小画像の画像データを用意する(ステップS11)。
次に、縮小画像の画像データに対して、例えば縦線検出を行う場合には3つの縦線検出フィルタをかけて畳み込み演算を行う(ステップS12)。
まず、縮小画像作成手段64により作成された縮小画像の画像データを用意する(ステップS11)。
次に、縮小画像の画像データに対して、例えば縦線検出を行う場合には3つの縦線検出フィルタをかけて畳み込み演算を行う(ステップS12)。
この3つの縦線検出フィルタは、画像の着目する画素周辺を含む数画素×数画素(例えば7×7画素)サイズと同じ大きさの領域にそれぞれ形成されているが、その領域を図8(a)に示すように左側A、中央B及び右側Cと3分割し、図9に示すように左側の分割領域だけを重み付けした左側強調フィルタFA、中央の分割領域だけを重み付けした中央強調フィルタFB、右側の分割領域だけを重み付けした右側強調フィルタFCの3つからなり、中央強調フィルタFBは左側強調フィルタFA及び右側強調フィルタFCに対して2倍の重み付けがされている。
そして、この3つの縦線検出フィルタであるFA、FB、FCを画像の7×7画素サイズに対してそれぞれかけて畳み込み演算を行う。
そして、この3つの縦線検出フィルタであるFA、FB、FCを画像の7×7画素サイズに対してそれぞれかけて畳み込み演算を行う。
その後、画像の7×7画素サイズに対して行った3つの縦線検出フィルタであるFA、FB、FCによる畳み込み演算の結果が後述する条件1の式を満足するかどうかでスジ欠陥の検出を行う(ステップS13)。
条件1の式を満足すれば、スジ欠陥が有りということとなり(ステップS14)、条件1の式を満足しなければ、スジ欠陥が無しということとなる(ステップS15)。
さらに、スジ欠陥が検出された場合には、3つの縦線検出フィルタによる畳み込み演算の結果から後述の式に基づいて7×7画素サイズの平均輝度値を算出する(ステップS16)。
次に、算出した平均輝度値にオフセット値を加算する(ステップS17)。さらに、詳しくは後述するように、結果テーブルを作り、各縮小画像の検出結果を結果テーブルに反映して1つに合成し(ステップS18)、縦線検出フィルタ処理を終了する。
条件1の式を満足すれば、スジ欠陥が有りということとなり(ステップS14)、条件1の式を満足しなければ、スジ欠陥が無しということとなる(ステップS15)。
さらに、スジ欠陥が検出された場合には、3つの縦線検出フィルタによる畳み込み演算の結果から後述の式に基づいて7×7画素サイズの平均輝度値を算出する(ステップS16)。
次に、算出した平均輝度値にオフセット値を加算する(ステップS17)。さらに、詳しくは後述するように、結果テーブルを作り、各縮小画像の検出結果を結果テーブルに反映して1つに合成し(ステップS18)、縦線検出フィルタ処理を終了する。
このように、画像の7×7画素サイズに対して行った3つの縦線検出フィルタである左側強調フィルタFA、中央強調フィルタFB及び右側強調フィルタFCによる畳み込み演算の結果が後述の条件1の式を満足するかどうかでスジ欠陥が検出できる理由を図8に基づいて説明する。
一般に、例えば7×7画素サイズに対して1つの縦線検出フィルタをかけて畳み込み演算を行い、畳み込み演算によりスジ欠陥が強調されるようにしたものでは、その縦線検出フィルタは左側、中央及び右側と3つの領域に分けたときに、中央を左側及び右側よりも重み付けを強くして、且つ左側及び右側の重み付けをマイナス側に設定して中央にスジ欠陥を検出するようにしている。
一般に、例えば7×7画素サイズに対して1つの縦線検出フィルタをかけて畳み込み演算を行い、畳み込み演算によりスジ欠陥が強調されるようにしたものでは、その縦線検出フィルタは左側、中央及び右側と3つの領域に分けたときに、中央を左側及び右側よりも重み付けを強くして、且つ左側及び右側の重み付けをマイナス側に設定して中央にスジ欠陥を検出するようにしている。
ところが、左側及び右側の重み付けをマイナス側に設定すると、中央にスジ欠陥を検出するが、スジ欠陥の左側及び右側に本来はないはずのスジ欠陥の成分とは逆方向成分が現れてしまい(白スジ欠陥の場合、黒スジ欠陥の成分)、これを検出してしまうために誤検出が生じてしまい、精度を向上させることができないという欠点があるものであった。
そこで、このような欠点を解消するものが、この実施の形態の図9で示す上述した3つの縦線検出フィルタである左側強調フィルタFA、中央強調フィルタFB及び右側強調フィルタFCを用いて畳み込み演算を行う方法である。
そこで、このような欠点を解消するものが、この実施の形態の図9で示す上述した3つの縦線検出フィルタである左側強調フィルタFA、中央強調フィルタFB及び右側強調フィルタFCを用いて畳み込み演算を行う方法である。
この3つの縦線検出フィルタである左側強調フィルタFA、中央強調フィルタFB及び右側強調フィルタFCを用いて畳み込み演算を行う方法では、例えば7×7画素サイズに対して3つの縦線検出フィルタである左側強調フィルタFA、中央強調フィルタFB及び右側強調フィルタFCをそれぞれかけた畳み込み演算の結果FVA、FVB、FVCを比較するものである。
この場合、左側強調フィルタFAは左側の分割領域だけを重み付けし、中央強調フィルタFBは中央の分割領域だけを重み付けし、右側強調フィルタFCは右側の分割領域だけを重み付けしており、いずれの強調フィルタも強調領域以外は重み付けをしておらず、数値としては0である。
この場合、左側強調フィルタFAは左側の分割領域だけを重み付けし、中央強調フィルタFBは中央の分割領域だけを重み付けし、右側強調フィルタFCは右側の分割領域だけを重み付けしており、いずれの強調フィルタも強調領域以外は重み付けをしておらず、数値としては0である。
従って、左側強調フィルタFAと中央強調フィルタFBの畳み込み演算の結果FVA、FVBや、右側強調フィルタFCと中央強調フィルタFBの畳み込み演算の結果FVC、FVBを比較して線欠陥の成分が存在するときにのみ演算結果を算出するため、それらの演算結果に本来はないはずのスジ欠陥の成分とは逆方向成分が現れてしまうことはない。
つまり、畳み込み演算の結果FVA、FVB、FVCをそれぞれ比較すると、図8(b)に示すように7×7画素サイズの中央に白のスジ欠陥があったときには、中央強調フィルタFBの畳み込み演算の結果FVBの数値が高く、左側・右側強調フィルタFA、FCの畳み込み演算の結果FVA、FVCの数値が低いものとして現れる。
つまり、畳み込み演算の結果FVA、FVB、FVCをそれぞれ比較すると、図8(b)に示すように7×7画素サイズの中央に白のスジ欠陥があったときには、中央強調フィルタFBの畳み込み演算の結果FVBの数値が高く、左側・右側強調フィルタFA、FCの畳み込み演算の結果FVA、FVCの数値が低いものとして現れる。
また、図8(c)に示すように7×7画素サイズの中央に黒スジ欠陥があったときには、中央強調フィルタFBの畳み込み演算の結果FVBの数値が低く、左側・右側強調フィルタFA、FCの畳み込み演算の結果FVA、FVCの数値が高いものとして現れることとなる。
従って、これをスジ欠陥の検出のための条件1とすると、条件1は次の数式で表すことができる。
条件1
白の線状欠陥の検出の場合((FVA×2<FVB)and(FVC×2<FVB))
若しくは
黒の線状欠陥の検出の場合((FVA×2>FVB)and(FVC×2>FVB))
上記条件1で、FVA×2及びFVC×2としたのは、左側強調フィルタFA及び右側強調FCに対して中央強調フィルタFBの重み付けを2倍にしたからである。
従って、これをスジ欠陥の検出のための条件1とすると、条件1は次の数式で表すことができる。
条件1
白の線状欠陥の検出の場合((FVA×2<FVB)and(FVC×2<FVB))
若しくは
黒の線状欠陥の検出の場合((FVA×2>FVB)and(FVC×2>FVB))
上記条件1で、FVA×2及びFVC×2としたのは、左側強調フィルタFA及び右側強調FCに対して中央強調フィルタFBの重み付けを2倍にしたからである。
そして、上記条件1を満たすときは、次式により検出されたスジ欠陥の平均輝度値を求めることができる。
FV=(FVB−(FVA+FVC))/42×α
上記式で、42は中央強調フィルタFBの重み付けをした数値の合計であり、平均輝度値を導き出すために除算する数であり、αは輝度値を検出するための係数である。
また、条件1を満たさない状態のときはFV=0として扱う。
ここで、条件1を満たさない状態のときに、FV=0として扱うのは、図8の(b)、(c)以外の状態を排除する趣旨である。即ち、白と黒のスジ欠陥だけを検出するようにしたものである。
FV=(FVB−(FVA+FVC))/42×α
上記式で、42は中央強調フィルタFBの重み付けをした数値の合計であり、平均輝度値を導き出すために除算する数であり、αは輝度値を検出するための係数である。
また、条件1を満たさない状態のときはFV=0として扱う。
ここで、条件1を満たさない状態のときに、FV=0として扱うのは、図8の(b)、(c)以外の状態を排除する趣旨である。即ち、白と黒のスジ欠陥だけを検出するようにしたものである。
また、図7のステップS17で、算出した平均輝度値にオフセット値を加算するのは次の理由による。
3つの縦線検出フィルタをかけた画像は、図14(a)に示すように白スジ欠陥はプラスの値の階調として現れ、黒スジ欠陥はマイナスの値の階調として現れるが、画像処理のフォーマットでは画像データは通常、正の値しかとれないため、そのままでは黒スジ欠陥の成分は0となり、処理した画像データには黒スジ欠陥のデータは存在しないため検出することができない。
そこで、同じ画像から黒スジ欠陥も検出できるように、画面が12bitの4096階調で表されるときにはその半分の2048の値を、フィルタ処理の結果にオフセット値として加える処理を行う。これにより、図14(b)に示すように黒スジのデータもプラスの階調として現れるので、1回のフィルタ処理で白スジと黒スジの欠陥を検出することが可能となる。なお、画像フォーマットが、8bitのグレイスケールの場合、256階調となり、その半分の128の値をフィルタ処理の結果にオフセット値として加える。
3つの縦線検出フィルタをかけた画像は、図14(a)に示すように白スジ欠陥はプラスの値の階調として現れ、黒スジ欠陥はマイナスの値の階調として現れるが、画像処理のフォーマットでは画像データは通常、正の値しかとれないため、そのままでは黒スジ欠陥の成分は0となり、処理した画像データには黒スジ欠陥のデータは存在しないため検出することができない。
そこで、同じ画像から黒スジ欠陥も検出できるように、画面が12bitの4096階調で表されるときにはその半分の2048の値を、フィルタ処理の結果にオフセット値として加える処理を行う。これにより、図14(b)に示すように黒スジのデータもプラスの階調として現れるので、1回のフィルタ処理で白スジと黒スジの欠陥を検出することが可能となる。なお、画像フォーマットが、8bitのグレイスケールの場合、256階調となり、その半分の128の値をフィルタ処理の結果にオフセット値として加える。
以上は、縦線検出フィルタについての説明であるが、横線検出フィルタや±45°の斜め線検出フィルタについても、図10〜図12に示すように縦線検出フィルタと同様にそれぞれ3つの強調フィルタを用いて、縦線検出フィルタの線検出フィルタ処理と同様の線検出フィルタ処理を行い、スジ欠陥を検出し、そのスジ欠陥の平均輝度値を算出する。
なお、横線検出フィルタの場合には、図10に示すように上側A、中央B及び下側Cと3分割し、左側の分割領域だけを重み付けした上側強調フィルタFA、中央の分割領域だけを重み付けした中央強調フィルタFB、下側の分割領域だけを重み付けした下側強調フィルタFCの3つからなる。
なお、横線検出フィルタの場合には、図10に示すように上側A、中央B及び下側Cと3分割し、左側の分割領域だけを重み付けした上側強調フィルタFA、中央の分割領域だけを重み付けした中央強調フィルタFB、下側の分割領域だけを重み付けした下側強調フィルタFCの3つからなる。
また、+45°斜め線検出フィルタの場合には、図11に示すように左上側A、斜め中央B及び右下側Cと斜めに3分割し、左上側の分割領域だけを重み付けした左上側強調フィルタFA、斜め中央の分割領域だけを重み付けした斜め中央強調フィルタFB、右下側の分割領域だけを重み付けした右下側強調フィルタFCの3つからなる。
さらに、−45°斜め線検出フィルタの場合には、図12に示すように左下側A、斜め中央B及び右上側Cと斜めに3分割し、左下側の分割領域だけを重み付けした左下側強調フィルタFA、斜め中央の分割領域だけを重み付けした斜め中央強調フィルタFB、右上側の分割領域だけを重み付けした右上側強調フィルタFCの3つからなる。
さらに、−45°斜め線検出フィルタの場合には、図12に示すように左下側A、斜め中央B及び右上側Cと斜めに3分割し、左下側の分割領域だけを重み付けした左下側強調フィルタFA、斜め中央の分割領域だけを重み付けした斜め中央強調フィルタFB、右上側の分割領域だけを重み付けした右上側強調フィルタFCの3つからなる。
また、横線検出フィルタの場合、スジ欠陥を検出するための条件2は、次式で表される。即ち、図10に示す横線検出フィルタFA、FB、FCの畳み込み演算結果をそれぞれFHA、FHB、FHCとすると、
条件2
白の線状欠陥の検出の場合((FHA×2<FHB)and(FHC×2<FHB))
若しくは
黒の線状欠陥の検出の場合((FHA×2>FHB)and(FHC×2>FHB))
従って、条件2を満たすときには、次式によりスジ欠陥の平均輝度値を算出する。
FH=(FHB−(FHA+FHC))/42×α
また、条件2を満たさないときには、
FH=0
とする。
条件2
白の線状欠陥の検出の場合((FHA×2<FHB)and(FHC×2<FHB))
若しくは
黒の線状欠陥の検出の場合((FHA×2>FHB)and(FHC×2>FHB))
従って、条件2を満たすときには、次式によりスジ欠陥の平均輝度値を算出する。
FH=(FHB−(FHA+FHC))/42×α
また、条件2を満たさないときには、
FH=0
とする。
同様に、+45゜の斜め線検出フィルタの場合、スジ欠陥を検出するための条件3は、次式で表される。即ち、図11に示す+45゜の斜め線検出フィルタFA、FB、FCの畳み込み演算結果をそれぞれFP45A、FP45B、FP45Cとすると、
条件3
白の線状欠陥の検出の場合((FP45A×2<FP45B)and(FP45C×2<FP45B))
若しくは
黒の線状欠陥の検出の場合((FP45A×2>FP45B)and(FP45C×2>FP45B))
従って、条件3を満たすときには、次式によりスジ欠陥の平均輝度値を算出する。
FP45=(FP45B−(FP45A+FP45C))/28×α
また、条件3を満たさないときには、
FP45=0
とする。
条件3
白の線状欠陥の検出の場合((FP45A×2<FP45B)and(FP45C×2<FP45B))
若しくは
黒の線状欠陥の検出の場合((FP45A×2>FP45B)and(FP45C×2>FP45B))
従って、条件3を満たすときには、次式によりスジ欠陥の平均輝度値を算出する。
FP45=(FP45B−(FP45A+FP45C))/28×α
また、条件3を満たさないときには、
FP45=0
とする。
同様に、−45゜の斜め線検出フィルタの場合、スジ欠陥を検出するための条件4は、次式で表される。即ち、図12に示す−45゜の斜め線検出フィルタFA、FB、FCの畳み込み演算結果をそれぞれFM45A、FM45B、FM45Cとすると、
条件4
白の線状欠陥の検出の場合((FM45A×2<FM45B)and(FM45C×2<FM45B))
若しくは
黒の線状欠陥の検出の場合((FM45A×2>FM45B)and(FM45C×2>FM45B))
従って、条件4を満たすときには、次式によりスジ欠陥の平均輝度値を算出する。
FM45=(FM45B−(FM45A+FM45C))/28×α
また、条件4を満たさないときには、
FM45=0
とする。
なお、+45゜、−45゜の斜め線検出フィルタは、検出感度を上述の縦線検出フィルタや横線検出フィルタと合わせるため、9×9画素のフィルタサイズとしている。
条件4
白の線状欠陥の検出の場合((FM45A×2<FM45B)and(FM45C×2<FM45B))
若しくは
黒の線状欠陥の検出の場合((FM45A×2>FM45B)and(FM45C×2>FM45B))
従って、条件4を満たすときには、次式によりスジ欠陥の平均輝度値を算出する。
FM45=(FM45B−(FM45A+FM45C))/28×α
また、条件4を満たさないときには、
FM45=0
とする。
なお、+45゜、−45゜の斜め線検出フィルタは、検出感度を上述の縦線検出フィルタや横線検出フィルタと合わせるため、9×9画素のフィルタサイズとしている。
上述したように、図13(a)に示す5段階の縮小画像に対してそれぞれ3枚の画像のコピーを作成して、それぞれの画像に対して1種類、計4種類の線検出フィルタ処理を行うと、図13(b)に示すように各縮小画像から横線検出処理、縦線検出処理、+45°線検出処理及び−45°線検出処理がされた4つの画像が得られ、合計20個のスジ欠陥が強調処理された画像を得ることとなる。
なお、上記の説明では、縮小画像作成手段64でサイズ変更処理を行う画像は平坦化処理された画像としているが、画像入力手段60によって取り込まれた画像を縮小画像作成手段64によって直ちに縮小し、線検出フィルタ処理手段65によって線検出フィルタ処理を行っても欠陥強調演算ができることはいうまでもない。
なお、上記の説明では、縮小画像作成手段64でサイズ変更処理を行う画像は平坦化処理された画像としているが、画像入力手段60によって取り込まれた画像を縮小画像作成手段64によって直ちに縮小し、線検出フィルタ処理手段65によって線検出フィルタ処理を行っても欠陥強調演算ができることはいうまでもない。
ここで、図7のステップS18で、線検出フィルタの検出結果を1つに合成する理由を説明する。
線検出フィルタでは、検出感度に角度依存があるため、上述のように複数のフィルタを必要とするが、各フィルタの検出結果は異なるため、良不良判断時に元のスジ欠陥形状と検出結果を一致させるため、1つに合成する必要がある。
例えば、図15は線検出フィルタの検出感度に角度依存があることを示す説明図であるが、図15(a)のような人工的につくった円形のスジ欠陥に対して、それぞれ横線、縦線、+45゜斜め線、及び−45゜斜め線の線検出フィルタをかけて欠陥強調処理をすると、図15(b)〜(e)のようにスジ欠陥が分離された形で検出されることになる。
従って、これを図15(a)のように元の円形のスジ欠陥に合成しなければ、正確な形状のスジ欠陥として認識することができない。
線検出フィルタでは、検出感度に角度依存があるため、上述のように複数のフィルタを必要とするが、各フィルタの検出結果は異なるため、良不良判断時に元のスジ欠陥形状と検出結果を一致させるため、1つに合成する必要がある。
例えば、図15は線検出フィルタの検出感度に角度依存があることを示す説明図であるが、図15(a)のような人工的につくった円形のスジ欠陥に対して、それぞれ横線、縦線、+45゜斜め線、及び−45゜斜め線の線検出フィルタをかけて欠陥強調処理をすると、図15(b)〜(e)のようにスジ欠陥が分離された形で検出されることになる。
従って、これを図15(a)のように元の円形のスジ欠陥に合成しなければ、正確な形状のスジ欠陥として認識することができない。
さらに、線検出フィルタでは、検出可能なスジの幅も限定されるため、上述のように縮小画像を用いて様々な幅のスジを検出するが、各縮小画像で検出結果が異なるため、元のスジ欠陥形状と検出結果を一致させるため、1つに合成する必要がある。
例えば、図16は人工的につくった幅の異なるスジ欠陥に対して、1/2、1/4、1/8、1/16の縮小画像における検出結果を示す説明図である。このように、画像の縮小率が小さくなるに従って、細いスジ欠陥は検出されなくなり分離した状態となる。
従って、各フィルタ及び各縮小画像の検出結果を1つに合成しなければ、正しい形状のスジ欠陥として認識することができない。
例えば、図16は人工的につくった幅の異なるスジ欠陥に対して、1/2、1/4、1/8、1/16の縮小画像における検出結果を示す説明図である。このように、画像の縮小率が小さくなるに従って、細いスジ欠陥は検出されなくなり分離した状態となる。
従って、各フィルタ及び各縮小画像の検出結果を1つに合成しなければ、正しい形状のスジ欠陥として認識することができない。
そこで次に、各フィルタ及び各縮小画像の検出結果から1つのスジ欠陥として合成する方法について、図17から図20を参照して説明する。ここでは、わかりやすくするため、1/2、1/4、1/8の縮小画像の検出結果を使用する例を示す。
図17(a)は、検出するスジ欠陥の形状、つまり1つに合成すべきスジ欠陥の形状をあらわしている。このスジ欠陥に対して、1/8、1/4、1/2の縮小画像の処理結果はそれぞれ図17(b)、(c)、(d)のようになる。各図における斜線部は検出領域を示し、数値はその検出領域の平均輝度値を換算した値(例えば、コントラスト値)を示している。
このように、各縮小画像の処理結果を見ると、それぞれの縮小画像でスジ欠陥を検出できるものの、そのスジ欠陥が2つに分離したり、形状が違ったりしていることがわかる。
図17(a)は、検出するスジ欠陥の形状、つまり1つに合成すべきスジ欠陥の形状をあらわしている。このスジ欠陥に対して、1/8、1/4、1/2の縮小画像の処理結果はそれぞれ図17(b)、(c)、(d)のようになる。各図における斜線部は検出領域を示し、数値はその検出領域の平均輝度値を換算した値(例えば、コントラスト値)を示している。
このように、各縮小画像の処理結果を見ると、それぞれの縮小画像でスジ欠陥を検出できるものの、そのスジ欠陥が2つに分離したり、形状が違ったりしていることがわかる。
図18から図20は、各縮小画像の処理結果を1つに合成するための手法を示す説明図である。
(1)1/8縮小画像処理結果の結果テーブルへの反映
まず、図18(a)に示すように、各縮小画像の処理結果を反映させるための結果テーブル100を作成する。このときテーブルの初期値は0である。
次に、この結果テーブル100に、図18(c)(図17(b)と同じ)に示す1/8縮小画像の処理結果を反映させると、図18(b)に示すような結果テーブル100aが得られる。
(2)1/4縮小画像処理結果の結果テーブルへの反映
次に、上で得られた結果テーブル100a(図19(a)参照)に、図19(c)(図17(c)と同じ)に示す1/4縮小画像の処理結果を反映させる。このとき、1/8縮小画像の処理結果を反映したテーブルの値より大きい結果を反映していく。すると、図19(b)に示すような結果テーブル100bが得られる。
(3)1/2縮小画像処理結果の結果テーブルへの反映
1/4縮小画像の場合と同様に、1/2縮小画像の処理結果を結果テーブルに反映していく(図20参照)。すると、図20(b)に示すような結果テーブル100cが得られ、これは、図17(a)に示したものと同じ形状のスジ欠陥をあらわしている。
(1)1/8縮小画像処理結果の結果テーブルへの反映
まず、図18(a)に示すように、各縮小画像の処理結果を反映させるための結果テーブル100を作成する。このときテーブルの初期値は0である。
次に、この結果テーブル100に、図18(c)(図17(b)と同じ)に示す1/8縮小画像の処理結果を反映させると、図18(b)に示すような結果テーブル100aが得られる。
(2)1/4縮小画像処理結果の結果テーブルへの反映
次に、上で得られた結果テーブル100a(図19(a)参照)に、図19(c)(図17(c)と同じ)に示す1/4縮小画像の処理結果を反映させる。このとき、1/8縮小画像の処理結果を反映したテーブルの値より大きい結果を反映していく。すると、図19(b)に示すような結果テーブル100bが得られる。
(3)1/2縮小画像処理結果の結果テーブルへの反映
1/4縮小画像の場合と同様に、1/2縮小画像の処理結果を結果テーブルに反映していく(図20参照)。すると、図20(b)に示すような結果テーブル100cが得られ、これは、図17(a)に示したものと同じ形状のスジ欠陥をあらわしている。
以上のように、結果テーブルへそれぞれの縮小画像の検出結果を反映させることで、正確なスジ欠陥の形状を取得することができる。なお、上記の説明では、例として、1/2、1/4、1/8縮小画像の処理結果を結果テーブルに反映したものであるが、実際には検出対象の画像サイズと検出に使用した縮小画像を用いて同様の処理を行って、結果テーブルを得る。これによって、スジ欠陥が実際の大きさ、形状で正確に把握される。
次に、統計データ計算手段66は、5段階の縮小画像に対してそれぞれ4種類の線検出フィルタ処理を行って得た20個のスジ欠陥が強調処理された画像から、上述のように1つのスジ欠陥として合成されたスジ欠陥検出画像について全画素の輝度値を取得し、画面全体の平均値、標準偏差、最大値及び最小値を求める統計データ計算処理を行う(ステップS7)。
即ち、スジ欠陥検出画像の全画素の輝度値を取得し、画面全体の平均値、標準偏差、最大値及び最小値を求める。
即ち、スジ欠陥検出画像の全画素の輝度値を取得し、画面全体の平均値、標準偏差、最大値及び最小値を求める。
そして、欠陥候補有無判断出手段67では、上記検出画像から求めた平均値、標準偏差、最大値及び最小値に基づいて次式により、欠陥を検出するための閾値を計算により求める。
欠陥検出閾値=average(スジ欠陥検出画像の平均値)±a*σ(スジ欠陥検出画像の標準偏差)
aは、ある決められた定数である。
なお、1つの式の計算結果として2つの値が欠陥検出閾値として算出されるが、+で求めた閾値は白スジ検出のための閾値となり、線検出処理画像の中でこの閾値以上のものを白スジ欠陥候補として検出し、−で求めた閾値は黒スジ検出のための閾値となり、線検出処理画像の中でこの閾値以下のものを黒スジ欠陥候補として検出することになる。
欠陥検出閾値=average(スジ欠陥検出画像の平均値)±a*σ(スジ欠陥検出画像の標準偏差)
aは、ある決められた定数である。
なお、1つの式の計算結果として2つの値が欠陥検出閾値として算出されるが、+で求めた閾値は白スジ検出のための閾値となり、線検出処理画像の中でこの閾値以上のものを白スジ欠陥候補として検出し、−で求めた閾値は黒スジ検出のための閾値となり、線検出処理画像の中でこの閾値以下のものを黒スジ欠陥候補として検出することになる。
しかし、その前にスジ欠陥検出画像内にスジ欠陥候補があるかどうか調べる、すなわち、スジ欠陥検出画像から取得した画面全体の輝度値の最大値と最小値と、計算された欠陥検出閾値から、スジ欠陥検出画像の中にスジ欠陥の候補が存在するかどうか判断を行う(ステップS8)。
スジ欠陥検出画像の輝度値の最大値が欠陥検出閾値(+計算)を超えている場合に、白スジのある欠陥候補のものとして、次の粒子解析処理(blob処理)へと進む。
また、その画像の輝度値の最小値が欠陥検出閾値(−計算)を超えていない場合に、黒スジのある画像として、次のblob処理へと進む。輝度値の最大値が欠陥検出閾値(+計算)を超えておらず、且つ輝度値の最小値が欠陥検出閾値(−計算)を超えている場合には、白スジ、黒スジがなく良品のものとして次のblob処理は行わない。
また、その画像の輝度値の最小値が欠陥検出閾値(−計算)を超えていない場合に、黒スジのある画像として、次のblob処理へと進む。輝度値の最大値が欠陥検出閾値(+計算)を超えておらず、且つ輝度値の最小値が欠陥検出閾値(−計算)を超えている場合には、白スジ、黒スジがなく良品のものとして次のblob処理は行わない。
次に、blob処理手段68は、画像に白スジ、または黒スジの欠陥候補があると判定された画像についてだけ、欠陥候補の抽出を行い、その評価値を求めるため、前処理としてスジ欠陥検出画像の中の、白スジ又は黒スジの欠陥候補の最大輝度、最小輝度、面積を求めるblob処理を行う(ステップS9)。
blob処理を行うためには、画像を2値化しなければならないが、このための閾値は欠陥検出閾値を使用する。図21はblob処理を行うために2値化された画像を示す。
blob処理を行うためには、画像を2値化しなければならないが、このための閾値は欠陥検出閾値を使用する。図21はblob処理を行うために2値化された画像を示す。
例えば、スジ欠陥検出画像に、白スジ欠陥候補があると判定されたならば、+で計算された欠陥検出閾値を使い、それ以上の部分を白スジ欠陥候補として2値化する。2値化された画像には、複数点の欠陥候補がクラスタとして存在するが、その全てについて面積を求め、2値化してクラスタとなった領域の範囲内で、2値化をかける前の画像から最大輝度値を求める。
また、スジ欠陥検出画像に、黒スジ欠陥候補があると判定されたならば、−で計算された欠陥検出閾値を使い、それ以下の部分を黒スジ欠陥候補として2値化する。白スジの場合と同様に、2値化された画像には、複数点の欠陥候補がクラスタとして存在するが、その全てについて面積を求め、2値化してクラスタとなった領域の範囲内で、2値化をかける前の画像から最小輝度値を求める。
また、スジ欠陥検出画像に、黒スジ欠陥候補があると判定されたならば、−で計算された欠陥検出閾値を使い、それ以下の部分を黒スジ欠陥候補として2値化する。白スジの場合と同様に、2値化された画像には、複数点の欠陥候補がクラスタとして存在するが、その全てについて面積を求め、2値化してクラスタとなった領域の範囲内で、2値化をかける前の画像から最小輝度値を求める。
そして、評価値処理手段69は、blob処理により求めたスジ欠陥検出画像の中の、白スジ又は黒スジの欠陥候補の最大輝度、最小輝度、面積の情報と、画面全体の輝度値の平均値、標準偏差に基づいて欠陥評価値を算出する評価値の計算処理を行う(ステップS10)。
欠陥候補における白スジ又は黒スジの欠陥評価値(Ev)は次式により計算して求める。
白スジ
Ev(n)=S(n)*(Lmax(n)−Lave)/σ
黒スジ
Ev(n)=S(n)*(Lave−Lmin(n))/σ
n=blob番号、
Lmax(n)=欠陥候補の最大輝度、Lmin(n)=欠陥候補の最小輝度、
S(n)=欠陥候補の面積、Lave=画面全体の平均輝度、
σ=画面全体の輝度の標準偏差
そして、全ての評価値の最大値を取得して、この値により検査対象パネルの白スジ又は黒スジの欠陥のランクを決定する。
欠陥候補における白スジ又は黒スジの欠陥評価値(Ev)は次式により計算して求める。
白スジ
Ev(n)=S(n)*(Lmax(n)−Lave)/σ
黒スジ
Ev(n)=S(n)*(Lave−Lmin(n))/σ
n=blob番号、
Lmax(n)=欠陥候補の最大輝度、Lmin(n)=欠陥候補の最小輝度、
S(n)=欠陥候補の面積、Lave=画面全体の平均輝度、
σ=画面全体の輝度の標準偏差
そして、全ての評価値の最大値を取得して、この値により検査対象パネルの白スジ又は黒スジの欠陥のランクを決定する。
この実施の形態によれば、コンピュータ装置6は、まず検査対象である液晶ライトバルブ1の画面全体を含むCCDカメラ5によって取り込まれた画像に対し、液晶ライトバルブ以外のものによって生じるスジを除去する背景画像差分処理を行い、その背景差分画像の中から被検査部の画面部分だけを抽出する表示エリア抽出処理を行い、その後、背景差分画像の比較的広い範囲にわたるムラの影響を除去する平坦化処理をし、さらに平坦化処理された画像を5段階に縮小する縮小画像作成処理を行い、5段階の縮小画像に対してそれぞれ横線、縦線、±45°の斜め線の欠陥を強調して検出するために4種類の線検出フィルタにより線検出フィルタ処理を行う。
この線検出フィルタ処理を行う場合に、4種類の線検出フィルタは、それぞれ特定方向に領域を3分割し、中央領域と2つの周辺領域に対して、特定の係数をかけて求めた輝度の差を求めるものであって、中央領域の輝度と、2つの周辺領域の輝度とを求め、中央領域の輝度が2つの周辺領域の輝度よりも大きいか、小さい場合に、中央領域の輝度と2つの周辺領域の輝度の和との差を求めてスジ欠陥の輝度値として検出し、同時にその画像の階調の半分の値をオフセット値として加算することとしているので、白スジ欠陥の成分とは逆方向成分を誤検出することなく、白スジ欠陥だけでなくコントラストの低い黒スジ欠陥も高精度に検出することができる。
さらに、線検出フィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果を結果テーブルに反映して1つのスジ欠陥として合成するものであるため、スジの太さ(幅)が途中で変化するような場合でも、分離することなく正確な形状のスジ欠陥として検出できる。よって、検出精度が向上する。
そして、1つのスジ欠陥として合成されたスジ欠陥検出画像の全画素の輝度値を取得し、画面全体の輝度値の平均値、標準偏差、最大値及び最小値を求める統計データ計算処理を行い、統計データ計算処理で求めた平均値と標準偏差から白スジを判定する欠陥検出閾値を設定し、また黒スジを判定する欠陥検出閾値を設定し、画面の輝度値の最大値がこれら白スジを判定する欠陥検出閾値を超えているか否かで画面に白スジの欠陥がないかどうかの一次判定を行い、画面の輝度値の最小値がこれら黒スジを判定する欠陥検出閾値を超えているか否かで画面に黒スジの欠陥がないかどうかの一次判定を行うようにしたので、スジ欠陥検出画像について、白スジ、黒スジの欠陥がなく、さらに各種サイズのスジもない良品かどうかの判定を短時間で容易にすることができる。
さらに、欠陥があると判定されたスジ欠陥検出画像に対しては、評価値計算の前処理として欠陥候補の白スジ又は黒スジの最大輝度、最小輝度、面積を求めるblob処理を行い、その後にblob処理により求めた欠陥候補の白スジ又は黒スジの最大輝度、最小輝度、面積の情報と、画面全体の輝度値の平均値、標準偏差に基づいて所定の式により欠陥評価値を算出する評価値計算処理を行い、評価値計算処理により求めた評価値の最大値により白スジ又は黒スジの欠陥のランクを決定するようにしたので、白スジ又は黒スジについて欠陥サイズの大小にかかわらず、スジ欠陥を高精度に検出することができ、しかもblob処理の対象が欠陥候補有りの画像だけであるために演算時間が短かくて済み、欠陥の客観的なランク付けも短時間に行うことができることとなった。
本発明は、前記のようなTFT素子を用いた液晶ライトバルブに限られるものではなく、その他のダイオード素子を用いた液晶パネルやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、DMD(ダイレクト・ミラー・デバイス)などの表示体部品、ならびにそれらを使用した表示装置・製品の検査に利用することができるものであり、これらに使用した場合でも本発明の範囲から除外されるものでないことはいうまでもない。
1 検査対象の液晶ライトバルブ、2 プロジェクタ、3 パターンジェネレータ、3 スクリーン、5 CCDカメラ、6 コンピュータ装置、7 表示装置、64 縮小画像作成手段、65 線検出フィルタ処理手段、66 統計データ計算手段、67 欠陥候補有無判断手段、100、100a、100b、100c 結果テーブル
Claims (11)
- 検査対象の画面を含む画像を基にして複数段階の縮小画像を作成する工程と、
前記縮小画像のそれぞれに対して、縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタを用いて欠陥強調のためのフィルタ処理を行う工程と、
前記フィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果をテーブルに反映して1つのスジ欠陥として合成する工程と、
を含むことを特徴とする画面のスジ欠陥検出方法。 - 検査対象の画面を撮像する工程と、
撮像により取り込まれた画像から、予め作成しておいた背景画像との差をとる工程と、
その背景差分画像又は背景差分画像の平坦化処理により得られる平坦化画像から複数段階の縮小画像を作成する工程と、
前記縮小画像のそれぞれに対して、縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタを用いて欠陥強調のためのフィルタ処理を行う工程と、
前記フィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果をテーブルに反映して1つのスジ欠陥として合成する工程と、
を含むことを特徴とする画面のスジ欠陥検出方法。 - 検査対象の画面を含む入力画像のデータは、12ビット階調以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の画面のスジ欠陥検出方法。
- 前記フィルタ処理に用いる4種類の線検出フィルタは、それぞれ特定方向に領域を3分割し、中央領域と2つの周辺領域に対して、特定の係数をかけて求めた輝度の差を求めるものであって、中央領域の輝度と、2つの周辺領域の輝度とを求め、中央領域の輝度が2つの周辺領域の輝度よりも大きいか、小さい場合に、中央領域の輝度と2つの周辺領域の輝度の和との差を求めてスジ欠陥の輝度値として検出し、同時にその画像の階調の半分の値をオフセット値として加算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画面のスジ欠陥検出方法。
- 前記背景画像は、同一の光学系及び同一の撮像系により撮像された複数の画像を平均化したものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画面のスジ欠陥検出方法。
- 1つのスジ欠陥として合成された検出画像の全画素について輝度値の統計データを計算する工程と、
その統計データをもとに計算して閾値を決定し欠陥候補を抽出する工程と、
抽出された欠陥候補の評価値を算出する工程と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画面のスジ欠陥検出方法。 - 前記欠陥候補の評価値を算出する工程は、欠陥候補の特性値を求めるblob処理を行い、blob処理により求められた欠陥候補の特性値と前記統計データに基づいて評価値を算出するものであることを特徴とする請求項6記載の画面のスジ欠陥検出方法。
- 検査対象の画面を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により取り込まれた画像の画像処理手段とを備え、
前記画像処理手段は、入力画像を複数段階に縮小して得られた縮小画像に対して欠陥強調処理を行うための、縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタと、
このフィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果を反映して1つのスジ欠陥として合成するための結果テーブルとを有することを特徴とする画面のスジ欠陥検出装置。 - 検査対象の画面を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により取り込まれた画像から、予め作成しておいた背景画像との差をとる背景画像差分処理手段と、
その背景差分画像を平坦化処理する平坦化処理手段と、
その平坦化画像から複数段階に縮小された縮小画像を作成する縮小画像作成手段と、
前記縮小画像のそれぞれに対してスジ欠陥を検出する線検出フィルタをかけるフィルタ処理手段とを備え、
前記フィルタ処理手段は、前記複数段階の各縮小画像に対して、縦・横・+45度・−45度の方向に重み付けされた4種類の線検出フィルタと、
このフィルタ処理の結果、スジ欠陥有りと判断された場合に、各縮小画像の検出結果を反映して1つのスジ欠陥として合成するための結果テーブルとを有することを特徴とする画面のスジ欠陥検出装置。 - 検査対象の画面だけを抽出する表示エリア抽出手段をさらに有することを特徴とする請求項8又は9記載の画面のスジ欠陥検出装置。
- 1つのスジ欠陥として合成された検出画像の全画素について輝度値の統計データを計算する統計データ計算手段と、その統計データをもとに計算して閾値を決定し欠陥候補を抽出するblob処理手段と、抽出された欠陥候補について、欠陥評価値を算出する評価値処理手段とをさらに有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の画面のスジ欠陥検出装置。
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JP2004094272A JP2005283197A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | 画面のスジ欠陥検出方法及び装置 |
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-
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- 2004-03-29 JP JP2004094272A patent/JP2005283197A/ja not_active Withdrawn
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