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JP2005276739A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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JP2005276739A JP2004091342A JP2004091342A JP2005276739A JP 2005276739 A JP2005276739 A JP 2005276739A JP 2004091342 A JP2004091342 A JP 2004091342A JP 2004091342 A JP2004091342 A JP 2004091342A JP 2005276739 A JP2005276739 A JP 2005276739A
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light emitting
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Tetsuyuki Matsusue
哲征 松末
Hisao Haku
久雄 白玖
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】 発光層における発光効率が低下せず、かつ電子注入電極の光の透過率を高くすることにより、発光した光を効率よく取り出すことがでる有機EL素子を提供する。
【解決手段】 ホール注入電極と電子注入電極の間に、発光層を含む有機層を備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、電子注入電極が、MgAuなどの金を含む金属薄膜と、その上に形成される透明な導電性金属酸化物薄膜からなる補助電極との積層構造を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、より詳細には、基板と反対側から発光を取り出すトップエミッション構造の有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
近年、情報機器の多様化等に伴って、従来から一般的に使用されている陰極線管(CRT)と比較して消費電力が少なく、かつ容積の小さい平面表示素子の需要が高くなってきている。このような平面表示素子の一つとしてエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)が注目されている。このEL素子は材料によって、2種類に大別される。すなわち、発光層が無機材料から形成されている無機EL素子と、発光層が有機材料から形成されている有機EL素子に大別される。無機EL素子は、高い駆動電圧を必要とするのに対し、有機EL素子は、低い電圧により駆動可能という利点がある。
一般的に、有機EL素子は、ホール注入電極と電子注入電極との間に、発光層などを含む有機層を備えている。ホール注入電極と電子注入電極の間に電圧を印加すると、ホール注入電極からホールが注入され、電子注入電極から電子が注入される。注入されたホールと電子は、発光層まで到達し、再結合する。ホールと電子が再結合する際に、発光層内に存在する発光材料の分子は励起状態になり、この励起された分子が基底状態に戻るとき、
蛍光またはリン光を発光する。
通常、発光した光は、透明電極が形成されている基板側から取り出される。しかしながら、有機EL素子を、例えばディスプレイなどに用いる場合には、製造工程上の優位さや薄膜トランジスタ(TFT)基板における開口率の優位さなどから、基板とは反対側の電子注入電極側から光を取り出す方が好ましい。
そこで、近年、電子注入電極を透明にすることが研究されている。透明な電子注入電極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属やマグネシウムなどのアルカリ土類金属のような仕事関数の小さい材料などが挙げられる。しかしながら、アルカリ金属やアルカリ土類金属は、大気中で不安定な金属である。従って、これら不安定な金属からなる電極材料を用いた有機EL素子は、その不安定性が素子の寿命に影響する。比較的優れた素子特性を示すマグネシウム−銀合金(MgAg)においても、素子寿命は実用化のレベルには達していない。
そこで、大気中において安定な透明電子注入電極が、種々提案されている。
例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、マグネシウム−銀合金(MgAg)と、インジウム−スズ酸化物(ITO)またはインジウム−亜鉛酸化物(IZO)との積層構造を有する透明な電子注入電極が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載の有機EL素子においては、電子注入電極の光透過率及び導電率が低く、かつ素子寿命も短かった。また、ITOやIZOなどの薄膜は、通常RFスパッタ法などにより形成されており、その際、MgAgからなる金属薄膜やその下の有機層が、スパッタダメージを受けるので、電極にMgAgからなる金属薄膜を用いた有機EL素子においては、発光効率が低下するなどの問題があった。特許文献4には、無機化合物と有機電子輸送材料の共蒸着膜と、透明電極との積層構造を有する透明な電子注入電極が開示されている。
特許文献4に記載の有機EL素子においては、電子注入電極の光透過率が、高くなるものの、透明電極を形成する時のスパッタダメージを低減することはできず、発光効率が低下するなどの問題を生じていた。
特許文献5には、アルミニウム(Al)またはマグネシウム−銀合金(MgAg)と、金(Au)との積層構造を有する光透過率が高い透明な電子注入電極が開示されている。しかしながら、特許文献5に記載の有機EL素子においては、電子注入電極の光透過率が依然として十分ではなく、発光を効率良く取り出すことができなかった。
特開平8−185984号公報 特開平10−162959号公報 特開2001−291595号公報 特開2000−260572号公報 特開2003−45673号公報
本発明の目的は、上述した従来技術の問題を解消し、発光層における発光効率が低下せず、かつ電子注入電極の透過率を高めて、発光を効率良く取り出すことができる有機EL素子を提供することにある。
本発明は、ホール注入電極と電子注入電極の間に、発光層を含む有機層を備える有機EL素子であって、電子注入電極が、金を含む金属薄膜と、その上に形成される透明な導電性金属酸化物薄膜からなる補助電極との積層構造を有することを特徴としている。
本発明においては、金を含む金属薄膜の上に、透明な導電性金属酸化物薄膜からなる補助電極を積層することにより、電子注入電極を形成している。本発明者らは、金を含む金属薄膜が、その上にスパッタリング法により導電性金属酸化物薄膜を形成する際、スパッタダメージを受けにくいことを見出した。従って、金を含む金属薄膜を用いることにより、その下層である有機層がスパッタダメージを受けにくくすることができ、この結果、発光層における発光効率の低下を抑制することができる。
本発明における金を含む金属薄膜としては、金単体薄膜、及び金合金薄膜などが挙げられる。金合金薄膜としては、マグネシウム−金合金(MgAu)が好ましく用いられる。また、金合金としては、金とアルカリ金属またはアルカリ土類金属との合金などが挙げられる。また、金単体薄膜とアルカリ金属薄膜またはアルカリ土類金属薄膜とを積層させたものであってもよい。
本発明における補助電極は、透明な導電性金属酸化物薄膜から形成されるものであり、このような導電性金属酸化物薄膜としては、特に限定されるものではなく、ITO、IZOなどの従来一般に用いられている透明導電性金属酸化物を用いることができる。
本発明における金を含む金属薄膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、RFスパッタ法、ECRスパッタ法などの各種スパッタ法、及び真空蒸着法などで形成することができる。
本発明における導電性金属酸化物薄膜の形成方法も、特に限定されるものではなく、RFスパッタ法、ECRスパッタ法などの各種スパッタ法などで形成することができる。
本発明における金を含む金属薄膜の厚みは5nm未満であることが好ましく、さらに好ましくは1〜4nmの範囲である。金属薄膜の厚みが厚過ぎると、金属薄膜の可視光域における透過率が低下し、効率良く光を取り出すことができない場合がある。また、金属薄膜の厚みが薄過ぎると、補助電極の形成時に、下層にある有機層へのスパッタダメージを低減できなくなる場合がある。
本発明において、補助電極の厚みは、金属薄膜の厚みよりも厚いことが好ましい。補助電極の厚みが薄過ぎると、補助電極として十分な導電性を発揮できない場合がある。
本発明において、電子注入電極の可視光域における透過率は、60%以上であることが好ましい。透過率が60%未満になると、発光した光を効率良く取り出すことができない場合がある。
本発明におけるホール注入電極は、特に限定されるものではなく、従来より一般的に用いられているホール注入電極を用いることができ、例えば、ITO、IZOなどの透明導電性金属酸化物から形成することができる。
本発明における有機層は、ホール注入電極と電子注入電極の間に設けられるものであり、発光層を含むものである。発光層以外に、電子輸送層、ホール輸送層、電子注入層、及びホール注入層などのキャリア輸送層及びキャリア注入層を適宜設けることができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、トップエミッション構造に適した有機エレクトロルミネッセンス素子である。従って、発光層において発光した光は、少なくとも電子注入電極側から取り出されることが好ましい。この場合、基板側からも光が取り出される構造となっていてもよい。
また、本発明において、発光層は、複数の発光層から構成されていてもよい。例えば、青色発光層とオレンジ色発光層を積層して設けることにより、白色発光する素子であってもよい。この場合、金を含む金属薄膜の厚みを5nm未満とすることにより、透過率を高めることができ、また良好な色調の白色発光を得ることができる。すなわち、金を含む金属薄膜の厚みが5nm以上になると、金属薄膜が共振器構造となり、良好な色調の白色が得られない場合がある。
本発明によれば、発光素子作製の際に有機層が受けるダメージを低減することができる。このため、発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子とすることができる。また、電子注入電極の光透過率を高くすることができ、発光層からの光を効率良く取り出すことができる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能なものである。
(実施例1)
ガラス基板上に光反射膜として、厚み100nmのモリブデン(Mo)薄膜を形成し、その後、このMo薄膜の上にホール注入電極として、厚み60nmのITO薄膜を形成した。
次に、この光反射膜とホール注入電極が形成されたガラス基板を中性洗剤で洗浄し、純水中で10分間、さらにエタノール中で10分間超音波洗浄した。超音波洗浄後、ガラス基板の表面をオゾンクリーナーで洗浄した。
オゾンクリーナーで洗浄後、ITO薄膜が形成された基板の上に、厚み10nmのCuPc薄膜からなるホール注入層、厚み50nmのNPB薄膜からなるホール輸送層、厚み70nmのAlq薄膜からなる発光層、厚み3nmのMgAu(原子比Mg:Au=1:1)薄膜からなるAuを含む金属薄膜を、この順で形成した。いずれの層も、真空度1×10-6Torr、基板温度制御なしの条件で真空蒸着法により形成した。なお、CuPc、NPB、及びAlqは、以下の化合物である。
・CuPc:銅フタロシアニン
・NPB:ビス{N−(1−ナフチル)−N−フェニル}ベンジジン
・Alq:トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体
次に、Auを含む金属薄膜の上に、厚み50nmのIZO薄膜からなる補助電極を形成した。薄膜形成条件としては、圧力1.9×10-1Pa、RF出力300Wの条件とし、ECRスパッタ法により形成した。スパッタガスとしては、KrガスとO2ガスの混合ガスを用い、O2ガスの配合比は0.3%としている。
(実施例2)
Auを含む金属薄膜の厚みを1nmとした以外は、実施例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(比較例1)
Auを含む金属薄膜の代わりに、厚み3nmのMgAg薄膜を形成した以外は、実施例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(比較例2)
MgAg薄膜の厚みを1nmとした以外は、比較例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
〔発光特性の評価〕
実施例1及び2並びに比較例1及び2において作製した有機エレクトロルミネッセンス素子に電圧を印加し、発光特性を評価した。ホール注入電極をプラス、電子注入電極をマイナスにバイアスして電圧を印加した。
実施例1及び2の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、発光面積3mm×3mmで、Alqによる緑色の均一な発光が得られた。これに対し、比較例1及び2の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、均一な発光が得られなかった。実施例1及び2の有機エレクトロルミネッセンス素子において均一な発光が得られた理由としては、発光層を含む有機層の上に設けられたMgAu薄膜が、IZO薄膜を形成する際、スパッタダメージを受けないように有機層を保護したためと考えられる。このため、発光層から均一な発光が得られたと考えられる。
〔金属薄膜の透過率の測定〕
ガラス基板の上に、MgAu薄膜、Au薄膜、及びMgAg薄膜を形成し、各薄膜の透過率を測定した。MgAu薄膜及びAu薄膜については、1nm、3nm及び5nmの3種類の厚みで作製し、透過率を測定した。また、MgAg薄膜については、3nm及び5nmの2種類の厚みで薄膜を作製し、透過率を測定した。なお、MgAg薄膜は、厚み1nmで均一な薄膜を形成することができなかった。
図1は、各薄膜の透過スペクトルを示す図である。図1(a)は、MgAu薄膜の透過スペクトルであり、(b)は、Au薄膜の透過スペクトルである。(c)は、MgAg薄膜の透過スペクトルである。
図1(a)から明らかなように、MgAu薄膜においては、厚み5nm未満の薄膜で、可視光域における透過率は60%以上となっている。Au薄膜については、厚み3nm以下で、可視光域における透過率が60%以上になっている。
図1(c)に示すように、従来から用いられているMgAg薄膜は、MgAu薄膜よりやや低い透過率を示している。
(実施例3)
発光層として、青色発光層とオレンジ色発光層を形成し、白色発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。オレンジ色発光層は、3重量%のDBzRを含むNPB薄膜(厚み30nm)から形成した。また、青色発光層は、2重量%TBPを含むTBADN薄膜(厚み40nm)から形成した。ホール輸送層の上にオレンジ色発光層を形成し、その上に青色発光層を形成した。ホール輸送層の厚みを65nmとし、電子輸送層としてAlqとLi(リチウム)(Alq:Li=1:1)からなる薄膜(厚み10nm)を形成し、金を含む金属薄膜として、Au単体薄膜(厚み3nm)を形成し、補助電極としてIZO薄膜(厚み25nm)を形成する以外は、実施例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
なお、TBADN、TBP及びDBzRは、以下の化合物である。
・TBADN:2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン
・TBP:2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン
・DBzR:5,12−ビス{4−(6−メチルベンゾチアゾール−2−イル)フェニル}−6,11−ジフェニルナフタセン
(実施例4)
Au単体薄膜の厚みを1nmとした以外は、実施例3と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(実施例5)
Au単体薄膜の厚みを5nmとした以外は、実施例3と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
〔発光特性の評価〕
実施例3〜5で得られた有機エレクトロルミネッセンス素子のホール注入電極にプラス、電子注入電極にマイナスをバイアスして電圧を印加し、発光特性を評価した。
図2は、実施例3の素子の発光スペクトルであり、図3は実施例4の素子の発光スペクトルであり、図4は実施例5の素子の発光スペクトルである。図2及び図3から明らかなように、実施例3及び4の素子においては、白色発光が得られている。これに対し、図4から明らかなように、実施例5の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、オレンジ色に発光している。これは、Au単体薄膜の厚みが5nmであるため、共振器構造が形成され、オレンジ色が強調されたものと思われる。従って、白色発光素子を作製する場合、Au単体薄膜の厚みは5nm未満が好ましいことがわかる。
MgAu薄膜、Au薄膜及びMgAg薄膜の透過スペクトルを示す図。 本発明に従う一実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルを示す図。 本発明に従う他の実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルを示す図。 本発明に従うさらに他の実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルを示す図。

Claims (8)

  1. ホール注入電極と電子注入電極の間に、発光層を含む有機層を備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記電子注入電極が、金を含む金属薄膜と、その上に形成される透明な導電性金属酸化物薄膜からなる補助電極との積層構造を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 発光した光が、少なくとも電子注入電極側から取り出されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記電子注入電極の可視光域における透過率が、60%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記金属薄膜の膜厚が、5nm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記補助電極の膜厚が、前記金属薄膜の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記金属薄膜が、金とマグネシウムの合金からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記補助電極が、インジウム−スズ酸化物またはインジウム−亜鉛酸化物からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、白色発光素子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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