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JP2005272588A - 近赤外線吸収組成物、およびそれを使用して成る近赤外線吸収積層体 - Google Patents

近赤外線吸収組成物、およびそれを使用して成る近赤外線吸収積層体 Download PDF

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JP2005272588A
JP2005272588A JP2004086764A JP2004086764A JP2005272588A JP 2005272588 A JP2005272588 A JP 2005272588A JP 2004086764 A JP2004086764 A JP 2004086764A JP 2004086764 A JP2004086764 A JP 2004086764A JP 2005272588 A JP2005272588 A JP 2005272588A
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祐子 須貝
Shunichi Kato
俊一 加藤
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Abstract

【課題】 本発明は、プラズマディスプレイから放出される近赤外線を吸収して周辺電子機器の誤動作を防止し、且つ可視光域の透過率が高い近赤外線吸収組成物であって、ディスプレイの前面に配置され高温に長期間曝されても近赤外線吸収能の低下し難い近赤外線吸収フィルターに好適な近赤外線吸収組成物、特に近赤外線吸収組成物のうち、PDP前面パネルのコンパクト化に好適な近赤外線吸収粘着剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 ベンゾチアジノ基およびハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)と、ジイモニウム系化合物(B)とを含有する近赤外線吸収組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、近赤外線吸収機能を有する、粘着剤、コーティング剤、成形品等の種々の近赤外線吸収組成物に関し、詳しくは近赤外線吸収粘着剤に関する。より詳しくはプラズマディスプレイ(以下、PDPともいう)、CRT、液晶などの画像出力装置などから発生される近赤外線を吸収する事で、近赤外線の進入を遮断し周辺電子機器の誤動作を防ぐ、ディスプレイの前面に配置する前面パネルの使用に好適な近赤外線吸収粘着剤に関する。
近年、大型ディスプレイとして様々な形式のディスプレイが開発、商品化されている。プラズマディスプレイもその1つであり、特に40inchサイズ以上の大型化、薄型化及び軽量化の点から壁掛け用の大型ディスプレイとして注目されている。このプラズマディスプレイは光源或いは放電部を構成する各々の画素部分の構造的要因により、可視光領域から赤外線波長領域にわたってカラー映像の3原色(赤、緑、青)の波長帯以外の光線が発せられ、例えば、波長が820nm、880nm、980nm付近等に強い近赤外線の放出がある。これら近赤外線は周辺電子機器、例えばテレビ、ビデオやクーラーのリモートコントローラー、携帯通信、パソコン等の近赤外線通信機器等の作動波長と合致しているため、誤作動の問題が生じる。
そこで、近赤外線を吸収する光学フィルターを利用することが提案されている。このような近赤外線吸収フィルターとしては、2価の銅イオンを含むリン酸塩ガラス製フィルター、ガラス等の表面に金属(例えば銀)の薄い層を蒸着法、スパッター法やイオンプレーティング法その他の方法により成型したフィルターや、近赤外領域の波長を吸収する色素を樹脂中に添加したフィルター等を挙げることができる。
しかしながら、上記のような近赤外線吸収フィルターのうち、リン酸塩含有ガラス製フィルターは、製造が煩雑であり、しかも吸湿しやすいという問題がある。また、ガラス等の表面に金属の薄い層を設ける場合は、近赤外線領域と比較すれば少ないものの、可視光領域の光も反射してしまうため膜厚を厚くしすぎると透過率が低下することや、製造コストが高い等の問題がある。さらに、これらの方法はいずれも共通してガラスを用いるので、得られるフィルターが重く割れやすい、加工が困難等といった問題がある。
これに対し、近赤外線領域の波長を吸収する色素を樹脂中に添加したフィルターは、ガラスを用いたフィルターに比べ軽量であり、製造も簡便であるという様に利点が多い。
しかし、近赤外線領域の光を吸収する色素には、同時に可視光領域においても吸収をもつものが多く、これら色素を添加した近赤外線吸収フィルターは、近赤外線領域以外にも吸収を有する。可視領域の光の吸収は、プラズマディスプレーなどの画像表示装置にとっては大きな問題となる。したがって、近赤外線領域の光を吸収する色素としては、できるだけ可視光領域の吸収の小さいものが望まれる。
近赤外線吸収領域の波長を吸収する色素のうち、ジイモニウム系化合物は
(1)可視光領域における光吸収率が極めて小さく、
(2)紫外線領域を吸収し、
(3)近赤外線領域に有する極大吸収波長が極めて大きく、
(4)更に近赤外線吸収領域も850〜1200nmと広いので、
プラズマディスプレイ用近赤外線吸収フィルター用の色素としては特に好ましい。
しかしながら、ジイモニウム系化合物は一般に耐熱性に劣る。従って、例えばジイモニウム系化合物を加熱下に熱可塑性樹脂に溶融・混練して近赤外線吸収フィルターを製造する場合、溶融・混練時の熱によりジイモニウム系化合物が分解し易く、近赤外線領域の吸収の低いものしか得られない。
近赤外線吸収フィルターを製造する方法としては、近赤外線領域の波長を吸収する色素を樹脂中に添加してなるコーティング剤を、プラスチックフィルム等の基材に塗布し、近赤外線吸収層を形成してなる近赤外線吸収積層体を近赤外線吸収フィルターとして使用する方法もある。
このようなコーティング法は、上記の溶融・混練法に比べ比較的低温でフィルターを製造することができる。
ところで、プラズマディスプレイは発光体基板表面が約50℃〜80℃となり、その前面板に積層される近赤外線吸収フィルターも長時間このような温度に曝されることとなる。
従って、近赤外線吸収フィルターに用いられる近赤外線吸収機能を有す得る色素には、近赤外線吸収フィルター製造時の耐熱性もちろん、近赤外線吸収フィルターとしての長期にわたる耐熱性(熱安定性ともいう)が要求される。
ジイモニウム系化合物を含有する近赤外線吸収フィルターの熱安定性を改善する方法として、種々の方法が提案されている。
例えば、銅金属錯体化合物やニッケル錯体化合物をジイモニウム系化合物のクエンチャーとして併用する方法が特許文献1〜3に記載されている(特許文献1:特開2001−174626公報、特許文献2:特開2001−175185公報、特許文献3:特開2003−43244公報参照)。
また、ガラス転移温度(以下、Tgともいう)の高いポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂等を利用して、ジイモニウム系化合物を含有する近赤外線吸収フィルターの熱安定性を改善する方策が、特許文献4〜5に記載されている(特許文献4:特許第3451228号公報、特許文献5:特許第3321705号公報参照)。
ところで、PDP前面パネルは、一般に近赤外線吸収機能を有する層の他に電磁波吸収層、反射防止層等種々の機能を有する層を積層して構成される。そして、各層を積層する際には、図1に示すように粘着剤層(3a、3b、3c)が用いられることが一般的であった。
そこで、PDP前面パネルのコンパクト化、工程数の低減の観点等から、積層に用いられる接着剤層や粘着剤層に近赤外線吸収機能を付与するという発明が、引用文献6:特開平7−178861公報、特許文献7:特開平10−156991公報、特許文献8:特開2001−207142公報等に提案された。
引用文献6:特開平7−178861公報には、近赤外線吸収色素及び紫外線吸収剤を含有するエチレン−酢酸ビニル(EVA)系接着性ポリマーとガラスあるいは樹脂板とを加熱下に貼り合わせて近赤外線吸収板を得る発明が記載されている。
引用文献7:特開平10−156991公報には、ジイモニウム系化合物やジチオール金属錯体化合物等種々の近赤外線吸収剤を含有する粘着剤を用いてなる近赤外線吸収粘着剤層と、透明樹脂フィルムと、反射防止層とが順次積層されてなる近赤外線吸収特性を備えた反射防止性フィルムが記載されている。
引用文献7に開示される粘着剤は、感圧性接着剤とも呼ばれるものであり、上記引用文献6記載の接着性ポリマーとは異なり、一般に貼着の際に加熱する必要はない。従って、耐熱性の点で難があるジイモニウム系化合物を使用するという観点からは、接着剤よりも粘着剤の方が好ましい。
ところで、貼着の際に加熱を要しないということは、粘着剤を構成する主たる成分のガラス転移点(Tg)は十分に低い必要がある。具体的には少なくとも20℃前後で貼着できる程度にはTgが低い必要がある。
Tgの低い主成分の使用を余儀なくされる粘着剤は、そのTgの低さ故に、近赤外線吸収フィルター中のジイモニウム系化合物の熱分解を長期にわたって抑制・防止することが、高Tgの成分を使用し得るコーティング剤や接着剤の場合よりも極めて困難である。
引用文献8:特開2001−207142公報には、粘着性樹脂、700〜1100nmに極大吸収波長を有する近赤外線吸収剤、多官能(メタ)アクリレートモノマー及び光重合開始剤を含有する近赤外線吸収性粘着剤組成物が記載されている。具体的には製造時の熱的ダメージを回避すべく紫外線を利用してモノマーを重合し、且つ赤外線吸収フィルターとしての近赤外線吸収性能の高温高質下における長期間の安定化を図るべく、多官能(メタ)アクリレートモノマーを利用して架橋構造を粘着剤中に導入しようとする発明が記載されている。
しかし、引用文献8に開示される粘着性組成物を用いて赤外線吸収フィルターを得るためには、粘着剤組成物を他の機能層上に塗工、乾燥した後、紫外線等のエネルギー線を照射する必要があり、製造工程が煩雑になる。
特開2001−174626公報 特開2001−175185公報 特開2003−43244公報 特許第3451228号公報 特許第3321705号公報 特開平7−178861公報 特開平10−156991公報 特開2001−207142公報
本発明は、プラズマディスプレイから放出される近赤外線を吸収して周辺電子機器の誤動作を防止し、且つ可視光域の透過率が高い近赤外線吸収組成物であって、ディスプレイの前面に配置され高温に長期間曝されても近赤外線吸収能の低下し難い近赤外線吸収フィルターに好適な近赤外線吸収組成物を提供することを目的とし、特に近赤外線吸収組成物のうち、PDP前面パネルのコンパクト化に好適な近赤外線吸収粘着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、ベンソチアジノ基およびハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)が、ジイモニウム系化合物(B)の熱分解を抑制することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、第1の発明は、ベンゾチアジノ基およびハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)と、ジイモニウム系化合物(B)とを含有する近赤外線吸収組成物である。
第2の発明は、フタロシアニン系化合物(A)が、下記一般式(1)で表される化合物である、第1発明記載の近赤外線吸収組成物である。
Figure 2005272588
(式中、R1〜R4は、互いに同一もしくは相異なる水素、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基等であり、X1〜X4は、ハロゲンであり、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価または4価の置換金属、あるいはオキシ金属を表す。)
第3の発明は、ジイモニウム系化合物(B)が、下記一般式(2)で表される部分構造を有する化合物である、第1又は第2の発明いずれか記載の近赤外線吸収組成物である。
Figure 2005272588
第4の発明は、ジイモニウム化合物(B)が、下記一般式(3)または下記一般式(4)で表される化合物である第1ないし第3の発明いずれか記載の近赤外線吸収組成物である。
Figure 2005272588
(式中、R5〜R12は互いに同一もしくは相異なる水素、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアリールオキシ基、ヒドロキシ基などであり、X-は、1価の陰イオンを表している。)
Figure 2005272588
(式中、R13〜R18は互いに同一もしくは相異なるアルキル基であり、X-は1価の陰イオンを表している。)
第5の発明は、ジチオール金属錯体化合物(C)をさらに含有することを特徴とする第1ないし第4の発明いずれか記載の近赤外線吸収組成物である。
第6の発明は、ジチオール金属錯体化合物(C)が、下記一般式(5)で表される化合物である第5の発明記載の近赤外線組成物である。
Figure 2005272588
(式中、R19〜R22は互いに同一もしくは相異なる水素原子、ハロゲン、シアノ基、アシル基、カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換または未置換のアルキル基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、かつ、隣り合う2個の置換基が連結基を介して繋がっていてもよい。また、Mはニッケル、白金、パラジウム、または銅の金属である。)
第7の発明は、粘着剤(D)を含有することを特徴とする上記第1ないし第6の発明のいずれかに記載の近赤外線吸収組成物である。
第8の発明は、基材に上記第7の発明に記載の近赤外線吸収組成物により形成される近赤外線吸収粘着剤層が積層されてなる近赤外線吸収積層体に関する。
第9の発明は、紫外線吸収層、電磁波吸収層、傷つき防止層、反射防止層及び色調補正層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層が、基材側に積層されてなる上記第8の発明に記載の近赤外線吸収積層体に関する。
本発明により、プラズマディスプレイから放出される近赤外線を吸収して周辺電子機器の誤動作を防止し、且つ可視光域の透過率が高い近赤外線吸収組成物であって、ディスプレイの前面に配置され高温に長期間曝されても近赤外線吸収能の低下し難い近赤外線吸収フィルターに好適な近赤外線吸収組成物を提供することができるようになった。耐熱性に優れる近赤外線吸収組成物のうち、近赤外線吸収粘着剤を用いてPDP前面パネルを形成すると、耐熱性に優れる近赤外線吸収コーティング剤を用いてPDP前面パネルを形成する場合よりもPDP前面パネルをコンパクトにすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用する、ベンゾチアジノ基およびハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)は、後述するジイモニウム系化合物(B)と併用することにより、ジイモニウム系化合物(B)の耐熱性を向上させるクエンチャーとなる。
このようなフタロシアニン系化合物(A)としては、具体的には下記一般式(1)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2005272588
式中、R1〜R4は、互いに同一もしくは相異なる水素、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基等であり、X1〜X4は、ハロゲンであり、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価または4価の置換金属、あるいはオキシ金属を表す。
置換又は未置換のアルキル基のうち、未置換のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、3−メチル−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、neo−ペンチル基、シクロペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−iso−プロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2−メチル−1−iso−プロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル1−iso−プロピルブチル基、2−メチル−1−iso−プロピル基、1−t−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状の炭化水素基が挙げられる。
置換アルキル基とは、上記の未置換のアルキル基の少なくとも1つの水素が種々の官能基に置換されたものである。
例えば、
未置換のアルキル基の水素がアルコキシ基に置換されたアルコキシアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がアルコキシアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がアルコキシアルコキシアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシアルコキシアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がハロンゲンに置換されたハロゲン化アルキル基、
未置換のアルキル基の水素がアミノ基に置換されたアミノアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がアルキルアミノ基に置換されたアルキルアミノアルキル基やジアルキルアミノアルキル基、
その他アルコキシカルボニルアルキル基、アルキルアミノカルボニルアルキル基、アルコキシスルホニルアルキル基等が挙げられる。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエチル基、ジメトキシメチル基、ジエトチキシメチル基、ジメトキシエチル基、ジエトキシエチル基等が挙げられ、
ハロゲン化アルキル基としては、クロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ2−プロピル基等が挙げられる。
これら置換又は未置換のアルキル基のうち、好ましくは、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、3−メチル−ブチル基が挙げられる。
置換又は未置換のアリール基のうち未置換のものとしては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられ、置換アリール基とは、上記の未置換のアリール基の少なくとも1つの水素が種々の官能基に置換されたものである。
例えば、置換フェニル基としては、
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、フロロフェニル基、ペンタフロロフェニル基、ヨウ化フェニル基等のハロゲン化フェニル基、
トリル基、キシリル基、メシチル基、エチルフェニル基、ジメチルエチルフェニル基、iso−プロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、t−ブチルメチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、トリフロロメチルフェニル基等のアルキル誘導体置換フェニル基、
メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−エチルヘキシルオキシフェニル基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシフェニル基、メチルエトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、1−メトキシ−5−エトキシフェニル基、1−メトキシ−2−エトキシフェニル基、1−メトキシ−3−エトキシフェニル基、1−メトキシ−4−エトキシフェニル基、1−エトキシ−2−メトキシフェニル基、2−メトキシ−3−エトキシフェニル基、2−メトキシ−4−エトキシフェニル基、2−メトキシ−5−エトキシフェニル基、1−エトキシ−4−メトキシフェニル基、2−メトキシ−3−エトキシフェニル基、ジエトキシフェニル基、エトキシエトキシフェニル基、ジ(エトキシエトキシ)フェニル基、エトキシエトキシエトキシフェニル基、ジ(エトキシエトキシエトキシ)フェニル基、3−メトキシ−4−(2−メトキシエトキシ)フェニル基、3−メトキシ−4−(2−エトキシエトキ)シフェニル基、3−エトキシ−4(2−メトキシエトキ)シフェニル基、3−エトキシ−4−(2−エトキシエトキ)シフェニル基、3−プロポキシ−4−(2−メトキシエトキシ)フェニル基、3−プロポキシ−4−(2−エトキシエトキ)シフェニル基、3−iso−プロポキシ−4−(2−メトキシエトキ)シフェニル基、3−iso−プロポキシ−4−(2−エトキシエトキ)シフェニル基、2−(2−ヒドロキシ)−3−メトキシフェニル基、3−メトキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル基、クロロメトキシフェニル基、クロロエトキシフェニル基等のアルコキシ置換フェニル基、
メチルチオフェニル基、エチルチオフェニル基、t−ブチルチオフェニル基、ジ−tert−ブチルチオフェニル基、2−メチル−1−メチルチオフェニル基等のアルキルチオ基置換フェニル基、
N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、N,N−ジブチルアミノフェニル基、N,N−ジアミルアミノフェニル基、N,N−ジヘキシルアミノフェニル基、N−メチル−N−エチルアミノフェニル基、N−ブチル−N−エチルアミノフェニル基、N−ヘキシル−N−エチルアミノフェニル基、4−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルフェニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)−エチルフェニル基、3−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルフェニル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルフェニル基等のアルキルアミノフェニル基等が挙げられる。
また、置換ナフチル基としては、
クロロナフチル基、ジクロロナフチル基、トリクロロナフチル基、ブロモナフチル基、フロロナフチル基、ペンタフロロナフチル基、ヨウ化ナフチル基等のハロゲン化ナフチル基、
エチルナフチル基、ジメチルエチルナフチル基、iso−プロピルナフチル基、t−ブチルナフチル基、t−ブチルメチルナフチル基、オクチルナフチル基、ノニルナフチル基、トリフロロメチルナフチル基のアルキル誘導体置換ナフチル基、
メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロポキシナフチル基、ヘキシルオキシナフチル基、シクロヘキシルオキシナフチル基、オキチルオキシナフチル基、2−エチルヘキシルオキシナフチル基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシナフチル基、メチルエトキシナフチル基、ジメトキシナフチル基、クロロメトキシナフチル基、エトキシエトキシナフチル基、エトキシエトキシエトキシナフチル基等のアルコキシ基置換ナフチル基、
メチルチオナフチル基、エチルチオナフチル基、t−ブチルチオナフチル基、メチルエチルチオナフチル基、ブチルメチルチオナフチル基等のアルキルチオ基置換ナフチル基、
N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、N,N−ジブチルアミノナフチル基、N,N−ジアミルアミノナフチル基、N,N−ジヘキシルアミノナフチル基、N−メチル−N−エチルアミノナフチル基、N−ブチル−N−エチルアミノナフチル基、N−ヘキシル−N−エチルアミノナフチル基、4−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルナフチル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)−エチルナフチル基、3−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルナフチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルナフチル基等のアルキルアミノナフチル基が挙げられる。
置換又は未置換のアリール基としては、これらの他、置換又は未置換のp−ニトロフェニル基、置換又は未置換のピリジル基、置換又は未置換のピロジリル基、置換又は未置換のピペリジル基、置換又は未置換のモルホリン基、置換又は未置換のテトラヒドロピリジル基、置換又は未置換のチオフェニル基、置換又は未置換のイミダゾリル基、置換又は未置換のフリル基等も挙げられる。
一般式(1)におけるX1〜X4はハロゲンであり、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、沃素が挙げられ、塩素が好ましい。
一般式(1)におけるMは、2個の水素原子、2価の金属、3価または4価の置換金属、あるいはオキシ金属のいずれかを表す。
尚、Mが2個の水素原子の場合は、一般に無金属フタロシアニン系化合物と言われるものである。
2価の金属の例としては、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Co(II)、Ni(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(II)、Pt(II)、Mn(II)、Mg(II)、Ti(II)、Be(II)、Ca(II)、Ba(II)、Cd(II)、Hg(II)、Pb(II)、Sn(II)などが挙げられる。
1置換の3価金属の例としては、Al−Cl、Al−Br、Al−F、Al−I、Ga−Cl、Ga−F、Ga−I、Ga−Br、In−Cl、In−Br、In−I、In−F、Tl−Cl、Tl−Br、Tl−I、Tl−F、Al−C65、Al−C64(CH3)、In−C65、In−C64(CH3)、Mn(OH)、Mn(OC65)、Mn〔OSi(CH33〕、Fe−Cl、Ru−Cl等が挙げられる。
2置換の4価金属の例としては、CrCl2、SiCl2、SiBr2、SiF2、SiI2、ZrCl2、GeCl2、GeBr2、GeI2、GeF2、SnCl2、SnBr2、SnF2、TiCl2、TiBr2、TiF2、Si(OH)2、Ge(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、Sn(OH)2、TiR2、CrR2、SiR2、SnR2、GeR2〔Rはアルキル基、フェニル基、ナフチル基、およびその誘導体を表す〕、Si(OR')2、Sn(OR')2、Ge(OR')2、Ti(OR')2、Cr(OR')2〔R'はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基およびその誘導体を表す〕、Sn(SR")2、Ge(SR")2(R"はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、およびその誘導体を表す〕などが挙げられる。
オキシ金属の例としては、VO、MnO、TiOなどが挙げられる。
これらのうち一般式(1)におけるMとしては、Cu、Pd、AlCl、TiO、VOが好ましい。
フタロシアニン系化合物(A)としては、下記一般式(6)で示されるものが好ましく、特にMがVOの式(7)で示されるものが好ましい。
Figure 2005272588
Figure 2005272588
本発明において使用する、ベンゾチアジノ基およびハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)は、公知の任意の方法で製造することができる。例えば、フタロシアニン−化学と機能−、第1篇、第1章(白井、小林、編・著、株式会社アイピーシー)に記載されているような方法で得ることができる。
このようなベンゾチアジノ基およびハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)は、後述するジイモニウム化合物(B)に対してクエンチャーとして機能し、ジイモニウム化合物(B)の熱分解を抑制・防止する。従って、本発明の近赤外線吸収組成物は、ジイモニウム化合物(B)100重量部に対して、ベンゾチアジノ基およびハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)を0.01〜200重量部含有することが好ましくは、0.5〜200重量部含有することがより好ましい。
フタロシアニン系化合物(A)の添加量が少なすぎると、近赤外線吸収フィルターとしての耐熱性が不足する傾向にあり、多すぎると本発明の近赤外線吸収組成物から形成される近赤外線吸収層が着色し易くなり、近赤外線吸収フィルターの外観が悪くなる傾向にある。
次に本発明において使用するジイモニウム系化合物(B)について説明する。本発明において使用するジイモニウム系化合物(B)としては、下記一般式(2)で表される部分構造を有するものが挙げられる。
Figure 2005272588
具体的には、下記一般式(3)で表されるものや、後述する一般式(4)表されるものを例示する事ができる。一般式(3)で表されるものと一般式(4)表されるものとを併用することもできるし、また各一般式で表されるもの同士を複数使用することもできる。
Figure 2005272588
式中、R5〜R12は互いに同一もしくは相異なる水素、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換のアルコキシ基、置換又は未置換のアリールオキシ基、ヒドロキシ基等である。
置換又は未置換のアルキル基としては、具体的には一般式(1)におけるR1〜R4の1つとして先に例示した種々の置換又は未置換のアルキル基を同様に例示することができる。
置換又は未置換のアリール基としては、具体的には一般式(1)におけるR1〜R4の1つとして先に例示した種々の置換又は未置換のアルキル基を同様に例示することができる。
一般式(3)におけるR5〜R12のうち、未置換のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、neo−ペンチルオキシ基、1,2−ジメチル−プロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクリヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルブチルオキシ基、1−iso−プロピルプロピルオキシ基、1,2−ジメチルブチルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、2−メチル−1−iso−プロピルプロピルオキシ基、1−エチル−3−メチルブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−メチル−1−iso−プロピルブチルオキシ基、2−メチル−1−iso−プロピルオキシ基、1−t−ブチル−2−メチルプロピルオキシ基、n−ノニルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルコキシ基が挙げられる。
置換アルコキシ基とは、上記の未置換のアルコキシ基の少なくとも1つの水素が種々の官能基に置換されたものである。
例えば、
未置換のアルコキシ基の水素がアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシ基、
未置換のアルコキシ基の水素がアルコキシアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシアルコキシ基、
未置換のアルコキシ基の水素がハロンゲンに置換されたハロゲン化アルコキシ基、
未置換のアルコキシ基の水素がアミノ基に置換されたアミノアルコキシ基、
未置換のアルコキシ基の水素がアルキルアミノ基に置換されたアルキルアミノアルコキシ基やジアルキルアミノアルコキシ基等が挙げられる。
アルコキシアルコキシ基としては、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、3−メトキシプロポピルオキシ基、3−エトキシプロポピルオキシ基、ジメトキシメトキシ基、ジエトキシメトキシ基、ジメトキセトキシ基等が挙げられる。
アルコキシアルコキシアルコキシ基としては、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、ブチルオキシエトキシエトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン化アルコキシ基としては、クロロメトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ2−プロピルオキシ基等が挙げられる。
ジアルキルアミノアルコキシ基としては、ジメチルアミノエトキシ基、ジエチルアミノエトキシ基等が挙げられる。
一般式(3)におけるR5〜R12のうち、置換又は未置換のアリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、ナフトキシ基、アルキルフェニキシ基等が挙げられる。
一般式(3)におけるX-は、陰イオンである。
-の例としては、塩素化イオン、臭素化イオン、ヨウ素化イオン、過塩素酸塩イオン、硝酸塩イオン、ベンゼンスルホン酸塩イオン、p−トルエンスルホン酸塩イオン、メチル硫酸塩イオン、エチル硫酸塩イオン、プロピル硫酸塩イオン、テトラフルオロホウ酸塩イオン、テトラフェニルホウ酸塩イオン、ヘキサフルオロリン酸塩イオン、ベンセンスルフィン酸塩イオン、酢酸塩イオン、トリフルオロ酢酸塩イオン、プロピオン酢酸塩イオン、安息香酸塩イオン、シュウ酸塩イオン、コハク酸塩イオン、マロン酸塩イオン、オレイン酸塩イオン、ステアリン酸塩イオン、クエン酸塩イオン、一水素二リン酸塩イオン、二水素一リン酸塩イオン、ペンタクロロスズ酸塩イオン、クロロスルホン酸塩イオン、フルオロスルホン酸塩イオン、トリフルオロメタンスルホン酸塩イオン、ヘキサフリオロヒ酸塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸塩イオン、モリブデン酸塩イオン、タングステン酸塩イオン、チタン酸塩イオン、ジルコン酸塩イオン等が挙げられる。
本発明においては、先に述べたようにジイモニウム系化合物(B)として、一般式(4)で表されるものを使用することができる。
Figure 2005272588
一般式(4)における、R13〜R18は互いに同一もしくは相異なる置換又は未置換のアルキル基であり、具体的には一般式(1)におけるR1〜R4、一般式(3)におけるR5〜R12の1つとして先に例示した種々の置換又は未置換のアルキル基を同様に例示することができる。
また、一般式(4)におけるX-は、陰イオンであり、これも一般式(3)の場合に例示したものが同様に例示できる。
本発明において用いられるジイモニウム系化合物(B)としては、一般式(3)で表されるものが好ましく、一般式(3)におけるR5〜R12がアルキル基であり、X-の陰イオンが過塩素酸塩イオン又はヘキサフルオロアンチモン酸塩イオンである化合物が好ましい。
即ち、このような化合物は、近赤外線領域に比べて可視光領域に殆ど吸収を持たず、また、溶媒に対する溶解性が高いので、粘着剤やコーティング剤等の組成物中の色素濃度を高めることができる。その結果、前記粘着剤やコーティング剤から形成される近赤外線吸収層の厚みを薄くすることができるので好ましい。
尚、このようなジイモニウム系化合物(B)は、850〜1200nmの範囲で近赤外線吸収能があり、特に1000nm前後の近赤外線吸収が強く、リモコン等に使用される近赤外線の波長の光以外に、将来使用が見込まれるコンピューター通信の波長の光をも遮断し、この誤作動の防止にも効果的である。
本発明の耐熱性に優れる近赤外線吸収組成物には、さらにジチオール金属錯体化合物(C)を含有することができ、併用するジチオール金属錯体化合物(C)としては、下記一般式(5)で表されるものが好ましい。
Figure 2005272588
一般式(5)中、R19〜R22は互いに同一もしくは相異なる水素原子、ハロゲン、シアノ基、アシル基、カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換又は未置換のアルキル基、あるいは置換又は未置換のアリール基を表し、かつ、隣り合う2個の置換基が連結基を介して繋がっていてもよい。また、Mはニッケル、白金、パラジウム、又は銅の金属であり、ニッケルが好ましい。これら一般式(5)で表されるジチオール金属錯体化合物(C)は、1種類を使用しても2種類以上を使用してもよい。
一般式(5)で表されるジチオール金属錯体化合物(D)中、R19〜R22で表される置換基について、以下に具体的に記載する。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
アシル基の例としては、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、p−t−ブチルベンゾイル基等が挙げられる。
アルキルアミノカルボニル基の例としては、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、n−プロピルアミノカルボニル基、n−ブチルアミノカルボニル基、sec−ブチルアミノカルボニル基、n−ペンチルアミノカルボニル基、n−ヘキシルアミノカルボニル基、n−ヘプチルアミノカルボニル基、n−オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジ−n−プロピルアミノカルボニル基、ジ−n−ブチルアミノカルボニル基、ジ−sec−ブチルアミノカルボニル基、ジ−n−ペンチルアミノカルボニル基、ジ−n−ヘキシルアミノカルボニル基、ジ−n−ヘプチルアミノカルボニル基、ジ−オクチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、iso−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、iso−ペンチルオキシカルボニル基、neo−ペンチルオキシカルボニル基、1,2−ジメチル−プロピルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、1,3−ジメチル−ブチルオキシカルボニル基、1−iso−プロピルプロピルオキシカルボニル基、1,2−ジメチルブチルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、1,4−ジメチルペンチロキシカルボニル基、2−メチル−1−iso−プロピルプロピルオキシカルボニル基、1−エチル−3−メチルブチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、3−メチル−iso−プロピルブチルオキシカルボニル基、2−メチル−1−iso−プロピルオキシカルボニル基、1−t−ブチル−2−メチルプロピルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基等の炭素数2〜20の直鎖又は分岐のアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基の例としては、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、トリオキシカルボニル基、キシリルオキシカルボニル基、クロロフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換又は未置換のアルキル基としては、具体的には一般式(1)におけるR1〜R4、一般式(3)におけるR5〜R12、一般式(4)におけるR13〜R18等の1つとして先に例示した種々の置換又は未置換のアルキル基を同様に例示することができる。
置換又は未置換のアリール基としては、具体的には一般式(1)におけるR1〜R4、一般式(3)におけるR5〜R12、一般式(4)におけるR13〜R18等の1つとして先に例示した種々の置換又は未置換のアリール基を同様に例示することができる。
一般式(5)で表されるジチオール金属錯体化合物(C)のR19〜R22で表される置換基で特に好ましいものは、互いに同一もしくは相異なるアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、iso−プロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、t−ブチルメチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジブチルアミノフェニル基、エチルナフチル基、ジメチルエチルナフチル基、iso−プロピルナフチル基、t−ブチルナフチル基、t−ブチルメチルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロポキシナフチル基、メチルチオナフチル基、エチルチオナフチル基、t−ブチルチオナフチル基、メチルエチルチオナフチル基、ブチルメチルチオナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、N,N−ジブチルアミノナフチル基等の炭素数3〜20の置換又は未置換のアルキル基、フェニル基或いはナフチル基であり、
また、特に好ましいMはニッケルである。
これら一般式(5)で表されるジチオール金属錯体化合物(C)は、800〜900nmの近赤外線領域で吸収極大を持ち、且つ可視光領域での吸収が小さいという特徴を持つ。そこでジイモニウム系化合物(B)と組み合わせることにより、両者の相乗効果で800〜1000nmの近赤外線領域を効率良く吸収遮蔽するので、プラズマディスプレイが発する不要な近赤外線を吸収することができる。
また、ジイモニウム系化合物(B)は、一般に他の色素と混合した場合に、その耐熱性が著しく低下することが知られているが、ジチオール金属錯体化合物(C)との混合においてはジイモニウム系化合物(B)の耐熱性を低下することは少なく、この点においても両者の併用は好ましい。
本発明の近赤外線吸収組成物は、フタロシアニン系化合物(A)及びジイモニウム系化合物(B)を含有するものであり、その他に種々の造膜性の成分を含有することによって、近赤外線吸収粘着剤や近赤外線吸収コーティング剤とすることができる。
PDP前面パネルは、一般に電磁波吸収層や反射防止層等の種々の機能を有する層を複数積層して形成される。積層の際に使用される粘着剤として近赤外線吸収機能を有するものを用いると、近赤外線吸収層を別途設け、近赤外線吸収機能を有しない粘着剤で積層する場合に比して、PDP前面パネルをコンパクト化できる。そこで、造膜性の成分として、粘着剤(D)を用い、近赤外線吸収粘着剤とすることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収組成物のうち近赤外線吸収粘着剤を構成する粘着剤(D)について説明する。尚、本発明の近赤外線吸収粘着剤と粘着剤(D)とは、前者が近赤外線吸収機能を有するものであり、後者が有しないという点において相違する。
本発明において使用する粘着剤(D)としては、通常の粘着シート、粘着フィルム等に使用するものであれば特に限定することなく使用することができる。
例えばアクリル系、ウレタン系、ポリイソブチレン系、SBR系、天然ゴムなどのゴム系、シリコーンゴム系、塩化ビニル系または酢酸ビニル含有量が20〜40%のエチレン−酢酸ビニル系などの粘着剤を挙げることができ、アクリル系、ウレタン系粘着剤が好ましい。
粘着剤(D)のうち本発明において好適に使用し得るアクリル系粘着剤について説明する。アクリル系粘着剤は、アクリル共重合体を主たる構成成分とするものであり、主成分たるアクリル系共重合体と反応し得る架橋剤をさらに使用することが好ましい。
アクリル系粘着剤の主成分であるアクリル系共重合体は、種々のアクリル系モノマーをラジカル重合して得られる。
アクリル系共重合体としては、後述する架橋剤との反応し得る反応性官能基およびエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(a)と、(a)と共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体(b)とをラジカル共重合して得られる共重合体が好ましい。
反応性官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、マレイミド基、イタコンイミド基、スクシンイミド基、エポキシ基等があげられる。
また、単量体(a)および単量体(b)としては、(メタ)アクリル系単量体、ビニル系単量体が好適に用いられる。
カルボキシル基を有する単量体(a)の具体例としては、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、無水フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸ブチル等があげられる。
水酸基を有する単量体(a)の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルヘキシル)−メチルアクリレート、クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
アミノ基を有する単量体(a)の具体例としては、アミノメチル(メタ)、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミド基を有する単量体(a)の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
マレイミド基を有する単量体(a)の具体例としては、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。
イタコンイミド基を有する単量体(a)の具体例としては、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等が挙げられる。
スクシンイミド基を有する単量体(a)の具体例としては、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等が挙げられる。
エポキシ基を有する単量体(a)の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの単量体(a)は、単独であるいは複数組み合わせて使用することができる。
次に上記単量体(a)と共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体(b)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル等も挙げられる。
アクリル系共重合体を構成する単量体(a)と他の単量体(b)の共重合比率は、単量体の全量を基準として(a)=0.1〜15重量%、(b)=85〜99.9重量%であることが好ましい。
単量体(a)の共重合比率が0.1重量%より少ない場合には、粘着剤の凝集力が低下し、加熱環境下で粘着剤の発泡や浮きハガレが起こることがある。また、15重量%より多い場合には、粘着剤の粘着力が低下したり、基材の伸縮に起因する応力集中を十分に吸収・緩和する性質が発現しにくい。
単量体(b)の共重合比率が85重量%より少ない場合には、被着体への密着性が低下する。また、単量体(b)の共重合比率99.9重量%より多い場合には、反応性官能基を有する単量体(a)の含有量が相対的に少なくなり、粘着剤の凝集力が低下し、加熱環境下で粘着剤の発泡や浮きハガレが起こることがある。
アクリル系共重合体は、公知の任意の方法で製造することができる。
例えば、アクリル系共重合体は、単量体の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部の重合開始剤を用いて、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、分散重合などの方法、好ましくは溶液重合法により合成される。上述のフタロシアニン系化合物(A)ジイモニウム系化合物(B)及びジチール金属錯体化合物(C)の溶解性を考慮すると、アクリル系共重合体は、有機溶媒中で種々のアクリル系モノマーをラジカル重合してなることが好ましい。
重合開始剤としては、アゾ系化合物、有機過酸化物が用いられ、重合開始剤は2種類以上を併用しても良い。また、溶液重合の場合、重合溶媒としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン等が用いられる。重合溶媒は2種類以上混合して用いても良い。
重合開始剤のうちアゾ系化合物としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
また、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等があげられる。
溶液重合で形成されるアクリル系共重合体の重量平均分子量は、10万以上100万以下であることが好ましく、更に20万以上70万以下であることが好ましい。重量平均分子量が10万よりも小さいアクリル系共重合体は、架橋して使用しても粘着剤の凝集力が不足して、発泡や浮きハガレが生じることがある。また、重量平均分子量が100万より大きいと、粘着剤の粘度が高くなり塗工等の作業性が劣ることがある。
アクリル系粘着剤は、粘着剤の凝集力を向上させる目的で、上記アクリル系共重合体と反応可能な官能基を少なくとも2個有する多官能性化合物を架橋剤として添加することができる。
かかる、反応性官能基を少なくとも2個有する多官能性化合物の例としては、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物、金属キレート系化合物、アジリジン系化合物などが挙げられる。特に、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物が好ましい。多官能性化合物は、単独であるいは複数組み合わせて使用することができる。
アクリル系共重合体が水酸基を有する場合には、架橋剤としてイソシアネート系化合物を組み合わせることが好ましい。
イソシアネート系化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、およびこれらポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体、更にはこれらポリイソシアネート化合物と公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられる。
アクリル系共重合体がカルボキシル基を有する場合には、架橋剤としてエポキシ系化合物やアジリジン系化合物を組み合わせることが好ましい。
エポキシ系化合物の例としては、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1、3−ビス(N、N‘−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N'−テトラグリシジルアミノフェニルメタン、トリグルシジル等が挙げられる。
また、アジリジン化合物の例としては、N,N‘−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N‘−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N‘−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、トリメチロールプロパントリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン等が挙げられる。
架橋剤として用いる多官能性化合物の含有量は、上記アクリル系共重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましい。多官能化合物の含有量が0.1重量部未満では、粘着剤の凝集力が不足して、発泡や浮きハガレが生じやすい。また、10重量部より多い場合には、基材の伸縮に起因する応力集中を十分に吸収・緩和する性質が発現しにくい。
また、アクリル系粘着剤は、粘着付与剤を含有していてもよい。粘着付与剤としては、ロジン、ロジンエステルおよびその誘導体、テルペン樹脂、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、炭化水素樹脂等が使用される。
さらに、アクリル系粘着剤は、軟化剤を含有していてもよく、軟化剤としては、脂肪酸エステル、動植物油脂、ワックス、石油重質留分などが用いられ、透明で主成分樹脂との相溶性より適宜選択される。
さらにまたアクリル系粘着剤には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘着付与樹脂、可塑剤、消泡剤、レベリング調整剤を配合することもできる。
次に粘着剤(D)のうち本発明において好適に使用し得るウレタン系粘着剤について説明する。本発明で使用されるウレタン系粘着剤は、ウレタン樹脂を主成分とするものであれば特に制限はない。
ウレタン樹脂は、例えばポリオールとポリイソシアネート化合物を、ウレタン化反応の触媒の存在下、または非存在下にて、ウレタン化反応させて得ることができる。また、必要に応じて、グリコール、多官能アミンなどの鎖延長剤、単官能アルコール、単官能アミンなどの反応停止剤を用いることができる。
ウレタン樹脂を構成するポリオールとしては、ポリエステルポリオール類やポリエーテルポリオール類が挙げられる。
ポリエステルポリオール類は、酸成分とグリコール成分とを水酸基過剰の条件下に反応させて得ることができる。
例えば、酸成分としてテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。
グリコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3'−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、ポリオール成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。その他、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール等も挙げられる。
ウレタン樹脂の原料となるポリエステルポリオールは、低分子量から高分子量まで使用可能ではあるが、数平均分子量が1,000〜5,000のポリエステルポリオールが好ましく、数平均分子量2,500〜3,500のポリエステルポリオールを用いることがより好ましい。数平均分子量が1,000未満では反応性が高くなり、ゲル化しやすくなる。また、数平均分子量が5,000を超えると反応性が低くなり、さらにはウレタン樹脂自体の凝集力が小さくなる。
ウレタン樹脂の原料となるポリエーテルポリオール類としては、公知のポリエーテルポリオールを用いることができる。
例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の低分子量ポリオールを開始剤として用いて、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を重合させることにより得られるポリエーテルポリオール、具体的にはポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の官能基数が2以上のものが用いられる。
ポリエーテルポリオールは、低分子量から高分子量まで使用可能であるが、好ましくは数平均分子量が1,000〜5,000のポリエーテルポリオールであり、更に好ましくは数平均分子量2,500〜3,500のポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。数平均分子量が1,000未満では反応性が高くなり、ゲル化しやすくなる。また、数平均分子量が5,000を超えると反応性が低くなり、さらにはウレタン樹脂自体の凝集力が小さくなる。
また、必要に応じて、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のグリコール類、エチレンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン等の多価アミン類も併用することができる。
ウレタン樹脂を構成するポリイソシアネート化合物としては、公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4',4"−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ω,ω'−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また一部上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。
ウレタン樹脂を構成する、ポリイソシアネートとしては、耐候性の点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、キシリレンジイソシネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)等の無黄変型または難黄変型のポリイシソアネート化合物が好ましい。
ウレタン樹脂を得る際に用いられる鎖伸長剤としては、各種公知の多官能アミン類およびグリコール類を使用できる。
多官能アミン類としては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジアミン、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2- ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2- ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2- ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類およびダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等が代表例として挙げられる。
グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5- ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチルジオール、ジプロピレングリコール等の飽和および不飽和の各種公知の低分子グリコール類およびダイマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマージオール等が代表例として挙げられる。
ウレタン樹脂を得る際に反応停止剤を用いることもできる。かかる反応停止剤としては、例えば、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
ウレタン樹脂を合成する際、ウレタン化反応に使用される公知の触媒を使用することができる。例えば、3級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
3級アミン系化合物としてはトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)等が挙げられる。
有機金属系化合物としては錫系化合物、非錫系化合物を挙げることができる。
錫系化合物としてはジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
ウレタン樹脂を構成するポリオールとポリイソシアネート化合物と比は、ポリオール100部(重量部)に対してイソシアネート化合物1〜20部が好ましい。1部未満では凝集力が低下し易く、20部よりも多いと粘着力が低下する傾向にある。
ウレタン樹脂は、常法に従い、得ることができる。例えば、
(1)ポリオールとポリイソシアネート化合物とを、水酸基過剰の条件下に反応せしめる、
(2)ポリオールとポリイソシアネート化合物とを、イソシアネート基過剰の条件下に反応せしめ、イソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーを得、次いで該ポリウレタンプレポリマーと、鎖伸長剤として多官能アミン化合物又はグリコール化合物とを反応せしめる、
(3)上記(2)の場合において、必要に応じて反応停止剤として単官能のアミン化合物又は単官能のアルコールを反応せしめる。
上記(2)(3)の場合において、鎖伸長剤としての多官能アミン化合物とグリコール化合物、反応停止剤としての単官能アミン化合物と単官能アルコールとをそれぞれ併用することもできるし、また鎖伸長剤としての多官能アミン化合物と反応停止剤としての単官能アルコールとを組み合わせることも、鎖伸長剤としてのグリコール化合物と反応停止剤としての単官能アミン化合物とを組み合わせることもできる。
ウレタン樹脂の合成時には、公知の溶剤が使用される。例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメトルスルホキシド、N-メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド等が挙げられる。
本発明で使用されるウレタン系粘着剤は、粘着剤の凝集力を向上させる目的で、上記ウレタン樹脂と反応し得る官能基を少なくとも2個有する多官能性化合物をさらに含有することができる。かかる、反応性官能基を少なくとも2個有する多官能性化合物の例としては、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物、金属キレート系化合物、アジリジン系化合物などが挙げられる。イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物が好ましく、特にイソシアネート系化合物が好ましい。多官能性化合物は、単独であるいは複数組み合わせて使用することができる。
架橋剤として使用し得るイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物としては、上記アクリル系共重合体の場合に例示したものを同様に例示することができる。
多官能性化合物の含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましい。多官能化合物の含有量が0.1重量部未満では、粘着剤の凝集力が不足して、発泡や浮きハガレが生じやすい。また、10重量部より多い場合には、基材の伸縮に起因する応力集中を十分に吸収・緩和する性質が発現しにくい。好ましくは1〜5重量部である。
配合方法は、公知の配合方法を用いることができる。
ウレタン系粘着剤にも必要に応じて、粘着付与剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、光安定剤等の添加剤をさらに配合することができる。
本発明の近赤外線吸収組成物のうち、近赤外線吸収粘着剤中に含まれるフタロシアニン系化合物(A)、ジイモニウム系化合物(B)及びジチオール金属錯体化合物(C)の含有量は、本発明の粘着剤により形成される近赤外線吸収層が積層されてなる近赤外線吸収積層体を近赤外線吸収フィルターとして使用する場合、当該近赤外線吸収フィルター厚さや要求される吸収能により決定される。
一定の吸収能を得るためには、形成される粘着剤層の膜厚が薄い場合は、近赤外線吸収粘着剤中に各化合物を多く添加する必要があり、逆に形成される粘着剤層の膜厚が厚い場合は、近赤外線吸収粘着剤中の各化合物は少なくても良い。即ち、要求される近赤外線吸収能に応じて、近赤外線吸収粘着剤中の各化合物の量及び形成される近赤外線吸収粘着剤層の膜厚を決定することができる。
例えば、ジイモニウム系化合物(B)及び必要に応じて併用されるジチオール金属錯体化合物(C)の添加量は、本発明の近赤外線吸収粘着剤により形成される近赤外線吸収粘着剤層が積層されてなる近赤外線吸収積層体を近赤外線吸収フィルターとして使用する場合、フィルターの単位面積1m2当たり、それぞれ1〜800mg、好ましくは5〜500mgである。
より具体的には粘着剤(D)の固形分の100重量部に対し、一般式(3)又は一般式(4)で表されるジイモニウム系化合物(B)を0.1〜30重量部添加して近赤外線吸収粘着剤とすることが好ましく、0.5〜15重量部添加して近赤外線吸収粘着剤とすることがより好ましい。
またジチオール金属錯体化合物(C)を併用する場合には、粘着剤(D)の固形分の100重量部に対し、一般式(5)で表されるジチオール金属錯体化合物(C)を0.05〜20重量部添加することが好ましく、0.2〜10重量部添加することがより好ましい。
ジイモニウム系化合物(B)やジチオール金属錯体化合物(C)の添加量が上記範囲未満の場合、所望の近赤外線吸収能を得るためには近赤外線吸収粘着剤層の厚みを相当厚くすることが好ましい。一方、ジイモニウム系化合物(B)やジチオール金属錯体化合物(C)の添加量が上記範囲を超えると可視光の透過率が低下することがあるので、近赤外線吸収粘着剤層の厚みを相当薄くすることが好ましい。
また、ジイモニウム系化合物(B)とジチオール金属錯体化合物(C)とを併用する場合、一般式(3)や一般式(4)で表されるジイモニウム系化合物(B)と一般式(5)で表されるジチオール金属錯体化合物(D)との配合比は、5:1〜1:1(重量比)とすると、近赤外線領域の波長を効率良く吸収するので好ましい。
また、本発明の近赤外線吸収粘着剤には、ベンゾチアジノ基およびハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)、ジイモニウム系化合物(B)、およびジチオール金属錯体化合物(C)の安定性を低下させない範囲で、他の近赤外線吸収化合物を添加することもできる。かかる、近赤外線吸収化合物としては、シアニン(ポリメチン)系、アズレニウム系、スクアリウム系、クロコニウム系、オキサジン系、アジン系、トリスアゾトリフェニルアミン系、他のフタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、インドアニリン系、アミニウム系等の近赤外線吸収色素の他、金属銅あるいは硫化銅等の銅塩、酸化亜鉛を主成分とする金属混合物、タングステン化合物、YbPO4、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、ATO(錫ドープ酸化アンチモン)等の微粒子も添加できる。これらの平均粒径は1μm以下、好ましくは0.2μm以下、更に好ましくは0.1μmであり、これらは単独で加えることもできるし、2種類以上を併用することもできる。
本発明の近赤外線吸収粘着剤は、さらに色調補正用色素を用いて色調を調節することも可能である。このような色調補正用色素としては、長時間安定であり溶媒や粘着剤樹脂に可溶で、可視光吸収領域が狭くそれ以外の波長での透過率が高い物が好ましい。色調補正用色素としては、シアニン(ポリメチン)系、キノン系、アゾ系、インジゴ系、ポリエン系、スピロ系、ポルフィリン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系等の色素が挙げられるがこれに限られたものではない。
また、本発明の近赤外線吸収粘着剤に紫外線吸収剤、可塑剤、架橋剤、酸化防止剤、重合遅延剤等も添加することができる。
本発明の近赤外線吸収粘着剤を製造するには、ベンゾチアジノ基およびハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)、ジイモニウム系化合物(B)、および必要に応じて使用されるジチオール金属錯体化合物(C)を、粘着剤(D)を構成する主成分、例えばアクリル系共重合体やウレタン樹脂に添加し、その後架橋剤として多官能成分を添加することが好ましい。
次に本発明の近赤外線吸収積層体について説明する。
本発明の近赤外線吸収積層体は、上述の近赤外線吸収組成物、好ましくは近赤外線吸収粘着剤から形成される近赤外線吸収粘着剤層を基材上に積層してなるものである。
具体的には、上述の近赤外線吸収粘着剤を種々の方法で平たい状態の基材の少なくとも一方の面に塗布、乾燥し、粘着剤中の溶剤を除去することによって、近赤外線吸収粘着剤層を基材上に形成し、本発明の近赤外線吸収粘着積層体を得ることができる。近赤外線吸収粘着剤層の解放されている表面を剥離性シートで覆うこともできる。
あるいは、剥離性シートの剥離性の表面に上述の近赤外線吸収粘着剤を種々の方法で塗布し、乾燥し、粘着剤中の溶剤を除去することによって、近赤外線吸収粘着剤層を形成し、形成された近赤外線吸収粘着剤層の表面を基材で覆うことによっても、本発明の本発明の近赤外線吸収粘着積層体を得ることができる。
本発明の近赤外線吸収粘着剤を基材に塗工する方法としては、バーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースコーティング、ダイティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、リップコーティングなどにより塗布し、赤外線、熱風、蒸気などにより加熱乾燥し、近赤外線吸収積層体を得る。
本発明でいう基材としては、フィルム状、シート状、板状のものが好ましく、プラスチックフィルムやガラス板が挙げられる。透明性が高いことはもちろんのこと、コスト、取り扱いやすさという点で、プラスチックフィルムが好ましい。
具体的には、ポリエステル系、アクリル系、トリアセチルセルロース系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系、ポリシクロオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリカーボネート系、フェノール系、ウレタン系樹脂から成形されたフィルムが挙げられるが、物理的特性、光学特性、耐薬品性、環境負荷等の点からポリエステルフィルムが好ましい。
基材としては、ポリエステルフィルム上に、更にアクリル系樹脂、共重合ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン−マレイン酸グラフトポリエステル樹脂、アクリルグラフトポリエステル樹脂等の樹脂層を設けた易接着タイプのフィルムも用いることができる。
本発明においては、上述のプラスチックフィルムに近赤外線吸収粘着剤層を設ける前に、紫外線吸収層、電磁波吸収層、傷つき防止層、反射防止層、色調補正層等の各種機能を有する層を少なくとも一層予め積層させたものも基材として使用することができる。
紫外線吸収層としては、400nm以下の波長の紫外線を効率よく吸収できるものであり、350nmの波長を80%以上吸収できるものが好ましい。紫外線吸収層は特に制限されないが、紫外線吸収剤を樹脂中に添加し、コーティング法、カレンダー法、キャスト法等によりプラスチックフィルムに成膜するのが好ましい。
樹脂としては、透明な高分子樹脂でプラスチックフィルムに接着すれば特に限定はなく、共重合ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、シクロオレフィン、ポリウレタン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース等の樹脂が使用できる。
紫外線吸収剤としては、無機系あるいは有機系のいずれも使用できるが、有機系の紫外線吸収剤が実用的である。有機系の紫外線吸収剤としては、300〜400nmの間に極大吸収を有し、その領域の光を効率よく吸収ものであり、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、オギザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいが、数種類組み合わせて用いることがより好ましい。また、上記紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤、あるいは酸化防止剤をブレンドすることで安定化が向上できる。また、紫外線吸収剤を含有するプラスチックフィルムを基材として使用することで、紫外線吸収剤層の代替とすることもできる。
電磁波吸収層は、プラズマディスプレイからでる電磁波を遮断するものであり、それらの作成方法は特に制限を受けない。例えば、電磁波吸収層は、透明な導電フィルムであり、プラスチックフィルムに金属、金属酸化物、金属塩等の薄膜を蒸着したものが好ましく用いられる。導電フィルムの面抵抗が低いほど、電磁波の吸収能は高いが、逆に蒸着層が厚くなると可視光透過率は低下する。また、スクリーン印刷等で導電性の塗料をメッシュ状に印刷したものや、プラスチックフィルムに導電性金属を張り合わせこれをエッチング等により導電性金属をメッシュ状に形成したものも使用できる。
傷つき防止層は、プラズマディスプレイの表面の傷つきを防止するものであり、それらの作成方法は特に制限を受けない。例えば、種々の(メタ)アクリレート類、光重合開始剤及び必要に応じて有機溶剤を主成分とするコート剤により形成することができる。種々の(メタ)アクリレート類としては、ポリウレタン(メタ)アクリレートやエポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート、あるいは他の多官能(メタ)アクリレート類を好適に使用することができる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂のエポキシ基を(メタ)アクリル酸でエステル化し官能基を(メタ)アクリロイル基としたものであり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂への(メタ)アクリル酸付加物、ノボラック型エポキシ樹脂への(メタ)アクリル酸付加物等がある。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを、水酸基を有する(メタ)アクリレート類と反応させて得ることができる。あるいは、ポリオールとポリイソシアネートとを水酸基過剰の条件下に反応させてなる水酸基含有ウレタンプレポリマーを、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類と反応させて得ることもできる。
ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサントリオール、トリメリロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸とエチレングリコールとの縮重合物等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基をもつ(メタ)アクリレート類としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリテート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類としては、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート等が挙げられる。
その他の多官能の(メタ)アクリレート類は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものであり、分子内に3個以上のアクリロイル基を有するものが好ましい。具体的にはトリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロイルキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロイルキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及びこれら2種以上の混合物が挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ゲンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種以上を適宜併用することもできる。
傷つき防止層形成用コート剤に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−iso−プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸−iso−ブチル等のエステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル等のエーテル類、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類が挙げられ、またこれらの2種以上を混合して使用することもできる。
また、上記成分の他、耐摩耗性向上のため、コロイド状金属酸化物、あるいは有機溶剤を分散媒としたシリカゾル等を加えることもできる。傷つき防止層は、上記コート剤の塗工液をバーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースコーティング、ダイティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、ディッピング法等の塗工方法で塗工した後、溶剤を乾燥させ、更に活性エネルギー線を照射することにより塗工したコート剤を架橋硬化せしめることによって形成される。前記活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線あるいは、通常20〜2000KeVの電子線加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。このようにして形成される傷つき防止層は、通常1〜50μm、好ましくは3〜20μmの厚みとする。
反射防止層は、表面反射を防ぎ、可視光線透過率を上げると同時にギラツキを防止するものであり、形成方法に任意の加工方法選択することができ特に制限はない。外光を乱反射させることにより視感反射率を低減させる方法、例えばプラスチックフィルムの片面に二酸化ケイ素、アクリル、メラミン等の微粒子を塗料化してコーティングすることにより光の乱反射が生じる反射防止膜を形成する方法、またはプラスチックフィルムの片面に硬化膜を形成し、その上にフッ化マグネシウム層を蒸着法により反射防止層を形成する方法、もしくはプラスチックフィルムの片面または両面に薄膜の屈折率層を形成し薄膜の表面反射光と界面における屈折反射光との光の干渉により反射率を低減する方法等が一般的である。
また、特にプラズマディスプレイ、CRT、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような蛍光体を用いる表示装置では、塗布した蛍光体に電子線や紫外線を照射して、蛍光体を発光させ、蛍光面を透過あるいは反射した光により表示を行う。蛍光体は一般に白色で反射率が高いため、蛍光面での外部光の反射が多い。そのため、外部光の写り込みによる表示コントラストの低下問題は、蛍光体を用いる表示装置において、特に深刻である。蛍光面での反射を防止することは技術的に難しい。上記の反射防止層による対策は、蛍光体を用いる表示装置では不充分である。蛍光体を用いる表示装置では、更に別の対策として反射光を吸収するために、ニュートラルグレーのフィルターをディスプレイ前面に設置することが行われる。ニュートラルグレーのフィルターは、NDフィルターとも呼ばれ、その透過率は一般に40〜80%である。
また、蛍光体発光型の表示装置でカラー表示を行う場合、赤、青、緑の三原色蛍光体の発光を用いる。プラズマディスプレイでは視感度の最も良い緑色の輝度が強いため、表示画面が緑がかる傾向がある。表示色の色バランスを補正するため、緑色の発光の輝度を抑える色調整フィルターをディスプレイ前面に設置することが行われている。以上のように、プラズマディスプレイ表示装置では、表示のコントラストを改善したり表示品位を向上させる目的で色調整フィルター、ニュートラルグレーのフィルター等色調補正フィルターをディスプレイ前面に設置することが多い。特に色調整を主目的とした、色調補正フィルターは重要である。この色調補正フィルターはプラスチックフィルムに色調補正層を積層して形成される。
かかる色調補正層としては、色調補正用色素を樹脂中に添加し、コーティング法、カレンダー法、キャスト法等によりプラスチックフィルムに成膜するのが好ましい。樹脂としては、透明な高分子樹脂でプラスチックフィルムに接着すれば特に限定はなく、紫外線吸収層で記載している樹脂が使用できる。色調補正用色素としては、シアニン(ポリメチン)系、キノン系、アゾ系、インジゴ系、ポリエン系、スピロ系、ポルフィリン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系等の色素が挙げられるがこれに限られたものではない。
上記種々の機能を有する層を予めプラスチックフィルム上に設ける場合、プラスチックフィルムの一方の面に順次積層しておくこともできるし、プラスチックフィルムの両面に種々の機能を有する層を積層しておくこともできる。
あるいは、本発明の近赤外線吸収粘着積層体は、プラスチックフィルムに近赤外線吸収粘着剤層を設けた後、プラスチックフィルムの反対側の面に紫外線吸収層、電磁波吸収層、反射防止層、色調補正層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層を設けることもできる。
本発明の近赤外線吸収粘着剤をPDP前面パネルの他の部材、例えば、電磁波吸収材、色調補正材、透明フィルムを介した傷つき防止材、反射防止材などに貼りつける方法としては、特に制限はなく、粘圧着、あるいは熱融着などの方法が適宜選択される。また、粘着層を保護するための保護フィルム、マスキングフィルムを有していてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら具体例のみに限定されるものではない。なお、例中[部]とあるのは[重量部]を示す。
[実施例1]
アクリル系粘着剤の主剤溶液[商品名オリバインBPS5896、固形分37.0%、粘度4000mPa・s(東洋インキ製造株式会社製)]100部に、下記式(7)で表されるフタロシアニン系化合物0.185部、下記式(8)で表されるジイモニウム系化合物0.185部、酢酸エチル36.8部、およびポリイソシアネート系硬化剤[商品名BXX4773、固形分37.5%(東洋インキ製造株式会社製)]0.5部を加え、固形分27%の近赤外線吸収粘着剤を調整した。
この近赤外線吸収粘着剤を厚さ50μmのPETフィルム[商品名E5101(東洋紡績株式会社製)]にアプリケーターを用いて塗工し、100℃で2分乾燥させ、塗膜厚20μmの近赤外線吸収積層体を得た。次に、この面に対向するように、シリコーン樹脂により剥離処理が施された厚さ50μmのPETフィルムを重ね、ローラーで貼り合わせ、粘着剤付フィルム(1)を得、耐熱性を評価した。
Figure 2005272588
Figure 2005272588
[耐熱性試験]
得られた近赤外線吸粘着剤付フィルム(1)を、分光光度計(日本分光株式会社製、V−570型)にて900nmと1000nmの各波長での透過率(%)を測定した(試験前の透過率)。
次いで、得られた近赤外線吸収粘着剤付フィルム(1)を恒温槽中に80℃で500時間静置した後の透過率(%)を上記と同様に測定した(試験後の透過率)。結果を表1に表す。
[実施例2]
アクリル系粘着剤の主剤溶液[商品名オリバインBPS5896]100部に、式(7)で表されるフタロシアニン系化合物0.185部、式(8)で表されるジイモニウム系化合物0.185部、酢酸エチル36.8部、式(9)で表されるジチオールニッケル錯体系化合物0.048部、およびポリイソシアネート系硬化剤[商品名BXX4773]0.5部を加え、固形分27%の近赤外線吸収粘着剤を調整した。
この近赤外線吸収粘着剤を厚さ50μmのPETフィルム[商品名E5101]にアプリケーターを用いて塗工し、100℃で2分乾燥させ、塗膜厚20μmの近赤外線吸収積層体を得た。次に、この面に対向するように、シリコーン樹脂により剥離処理が施された厚さ50μmのPETフィルムを重ね、ローラーで貼り合わせ、粘着剤付フィルム(2)を得た。
得られた近赤外線吸収フィルム(2)を、実施例1と同様に耐熱性を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2005272588
[比較例1]
アクリル系共粘着剤の主剤溶液[商品名オリバインBPS5896]100部に、式(8)で表されるジイモニウム系化合物0.185部、酢酸エチル36.8部、およびポリイソシアネート系硬化剤[商品名BXX4773]0.5部を加え、固形分27%の近赤外線吸収粘着剤を作成した。
この近赤外線吸収粘着剤を厚さ50μmのPETフィルム[商品名E5101(東洋紡績株式会社製)]にアプリケーターを用いて塗工し、100℃で2分乾燥させ、塗膜厚20μmの近赤外線吸収積層体を得た。次に、この面に対向するように、シリコーン樹脂により剥離処理が施された厚さ50μmのPETフィルムを重ね、ローラーで貼り合わせ、粘着剤付フィルム(3)を得た。
得られた近赤外線吸粘着剤付フィルム(3)を、実施例1と同様に耐熱性を評価した。その結果を表1に表す。
[比較例2]
アクリル系共重合体溶液[商品名オリバインBPS5896]100部に、下記式(10)で表されるフタロシアニン系化合物0.185部、式(8)で表されるジイモニウム系化合物0.185部、酢酸エチル36.8部、およびポリイソシアネート系硬化剤[商品名BXX4773]0.5部を加え、固形分27%の近赤外線吸収粘着剤を調整した。
この粘着剤を厚さ50μmのPETフィルム[商品名E5101]にアプリケーターを用いて塗工し、100℃で2分乾燥させ、塗膜厚20μmの近赤外線吸収積層体を得た。次に、この面に対向するように、シリコーン樹脂により剥離処理が施された厚さ50μmのPETフィルムを重ね、ローラーで貼り合わせ粘着剤付フィルム(4)を得た。
得られた近赤外線吸粘着剤付フィルム(4)を、実施例1と同様に耐熱性を評価した。その結果を表1に表す。
Figure 2005272588
Figure 2005272588
表1から、実施例1〜2で得られた近赤外線吸収粘着剤付フィルムは、波長900nmおよび1000nmにおける試験前の透過率と試験後の透過率の差が小さく、耐熱性に優れている。それに対して、比較例1および2で得られた近赤外線吸収粘着剤付フィルムは、波長900nmおよび1000nmにおける試験前の透過率と試験後の透過率の差が大きく、耐熱性に劣っていることがわかる。
ベンゾチアジノ基及びハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)をジイモニウム系化合物(B)と併用することによって、ジイモニウム系化合物(B)の熱分解を著しく抑制することができる。この性質を利用することによって、PDP前面パネルの形成に好適な近赤外線吸収粘着剤や近赤外線吸収コーティング剤等の近赤外線吸収組成物を得ることができる。
そして、これら近赤外線吸収組成物を用いることによって、高温に長時間さらされても安定した近赤外線遮蔽効果を発揮する、プラズマディスプレイパネル用の前面パネルを得ることができる。
一般的なPDP前面パネルの断面図(模式図)
符号の説明
1:反射防止層
2:透明フィルム
3a、3c、3d:粘着剤層
4:近赤外線吸収層
5:電磁波吸収層

Claims (9)

  1. ベンゾチアジノ基およびハロゲンを有するフタロシアニン系化合物(A)と、ジイモニウム系化合物(B)とを含有する近赤外線吸収組成物。
  2. フタロシアニン系化合物(A)が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1記載の近赤外線吸収組成物。
    Figure 2005272588
    (式中、R1〜R4は、互いに同一もしくは相異なる水素、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基等であり、X1〜X4は、ハロゲンであり、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価または4価の置換金属、あるいはオキシ金属を表す。)
  3. ジイモニウム系化合物(B)が、下記一般式(2)で表される部分構造を有する化合物である、請求項1又は2記載の近赤外線吸収組成物。
    Figure 2005272588
  4. ジイモニウム化合物(B)が、下記一般式(3)または下記一般式(4)で表される化合物である請求項1ないし3いずれか記載の近赤外線吸収組成物。
    Figure 2005272588
    (式中、R5〜R12は互いに同一もしくは相異なる水素、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアリールオキシ基、ヒドロキシ基などであり、X-は、1価の陰イオンを表している。)
    Figure 2005272588
    (式中、R13〜R18は互いに同一もしくは相異なるアルキル基であり、X-は1価の陰イオンを表している。)
  5. ジチオール金属錯体化合物(C)をさらに含有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の近赤外線吸収組成物。
  6. ジチオール金属錯体化合物(C)が下記一般式(5)で表される化合物である請求項5記載の近赤外線吸収組成物。
    Figure 2005272588
    (式中、R19〜R22は互いに同一もしくは相異なる水素原子、ハロゲン、シアノ基、アシル基、カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換または未置換のアルキル基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、かつ、隣り合う2個の置換基が連結基を介して繋がっていてもよい。また、Mはニッケル、白金、パラジウム、または銅の金属である。)
  7. 粘着剤(D)を含有することを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の近赤外線吸収組成物。
  8. 基材に請求項7記載の近赤外線吸収組成物により形成される近赤外線吸収粘着剤層が積層されてなる近赤外線吸収積層体。
  9. 紫外線吸収層、電磁波吸収層、傷つき防止層、反射防止層及び色調補正層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層が、基材側に積層されてなる請求項8記載の近赤外線吸収積層体。

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