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JP2005270735A - 水質浄化剤 - Google Patents

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Iichiro Ohira
猪一朗 大平
Shinsuke Kuwaki
信輔 桑木
Masumi Ohira
真澄 大平
Yasuyoshi Miyake
康賀 三宅
Yoshiyuki Murata
芳行 村田
Mikiro Tada
幹郎 多田
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Abstract

【課題】 安全性と有効性を兼ね備えた、微生物を用いた水質浄化剤を提供すること。特に、魚の養殖又は飼育用の水を浄化するのに適した水質浄化剤、あるいは排水を浄化するのに適した水質浄化剤を提供すること。
【解決手段】 エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に分類される微生物、特にエンテロコッカス・フェカリス)TH−10の生菌体、死菌体又はその産生物を含有する水質浄化剤である。好適な実施態様は、魚の養殖又は飼育用の水を浄化するための水質浄化剤、特に観賞魚飼育用の水を浄化するための水質浄化剤である。また、別の好適な実施態様は排水を浄化するための水質浄化剤、特に食品廃棄物を含有する排水や脂肪分と水とが分離している排水を浄化するための水質浄化剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水質浄化剤に関する。特にエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に分類される微生物の生菌体、死菌体又はその産生物を含有する水質浄化剤に関する。好適には、魚の養殖又は飼育用の水を浄化するため、あるいは排水を浄化するための水質浄化剤に関する。
水質を浄化するために微生物を活用することは広く行われている。例えば特開2000−51891号公報(特許文献1)には、一般家庭排水、産業排水、川、沼、池などの水を浄化するための、エンテロコッカス・マロドラタス(Enterococcus malodoratus)を含有する水浄化剤が記載されている。また、特開平11−47790号公報(特許文献2)には、糖質と蛋白質を含む廃水、特に食品工場で発生する高濃度有機廃水に乳酸菌を接種して培養する廃水処理方法が記載されている。ここで使用可能な乳酸菌の一例としてエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)が記載されている。
特開平9−205922号公報(特許文献3)には、魚介類の養殖池中に乳酸菌及び又はその代謝産物を供給する魚介類の養殖方法が記載されている。この方法によれば、残餌や排泄物を分解資化し、養殖水の抗菌力を高め、養殖場を汚染することなく、魚介類の病害を予防できる旨が記載されている。特開平6−46762号公報(特許文献4)には、魚介類を養殖する水域に餌料と共に生きた乳酸菌を施して魚介類を生育させる魚介類の養殖方法が記載されている。好適な乳酸菌としてエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)が記載されている。この方法によれば、魚介類の病害の発生が防止されると共に魚介類の成育が促進され、かつ安全性にも優れる旨が記載されている。
特開2003−306437号公報(特許文献5)には、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)TH−10が産生する物質を含有することを特徴とする、糸状菌に対する抗真菌剤が記載されている。エンテロコッカス・フェカリスTH−10は、安全性の高い微生物であり、安全性と有効性を兼ね備えた抗真菌剤を提供できる旨が記載されているが、水質浄化剤についての記載はない。
特開2000−51891号公報(特許請求の範囲、第5頁) 特開平11−47790号公報(特許請求の範囲、第4頁) 特開平9−205922号公報(特許請求の範囲、発明の効果) 特開平6−46762号公報(特許請求の範囲、第2頁、発明の効果) 特開2003−306437号公報(特許請求の範囲、発明の効果)
魚の養殖又は飼育用の水を浄化するための手段としては、例えば、微生物を担持した担体を含む装置に水を循環させる方法などが採用されている。しかしながら、そのような装置は設備費用もかかるし、運転のための動力も必要である。しかも、養殖又は飼育中に蓄積されるアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素あるいは硝酸態窒素を有効に分解することが困難な場合も多かった。特に、観賞魚の飼育水については、個人の趣味で行われる場合も多く、定期的な水替えの作業が大きな負担であった。したがって、魚に対する安全性が確保され、しかも簡単な方法で水質の悪化を防止できる水質改良剤が求められている。
また、排水を浄化するための手段としては、微生物を担持した担体を含む装置に水を循環させる方法や、活性汚泥槽を使用する方法などが広く採用されている。しかしながら、これらの方法においても設備費用や運転のための動力が必要な場合が多い。したがって、各家庭や小規模な事業所から排出される排水を簡単に浄化できる方法が望まれているところである。特に、家庭や、食品工場、飲食店などから排出される食品廃棄物を含有する排水の処理は、水系の富栄養化を引き起こしやすく問題である。また、脂肪分と水とが分離している排水の場合には、水と分離している部分については微生物の作用が働きにくく、分解が困難であった。しかも、脂肪分が分離したままの排水はその汚れが目立つという問題点も有していた。したがって、このような排水を安全にかつ効果的に浄化する水質浄化剤が求められているところである。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、安全性と有効性を兼ね備えた、微生物を用いた水質浄化剤を提供することを目的とするものである。特に、魚の養殖又は飼育用の水を浄化するのに適した水質浄化剤、あるいは排水を浄化するのに適した水質浄化剤を提供することを目的とするものである。
上記課題は、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に分類される微生物の生菌体、死菌体又はその産生物を含有する水質浄化剤を提供することによって解決される。このとき、前記微生物がエンテロコッカス・フェカリスTH−10であることが好適である。また、前記微生物による発酵生産物からなることも好適である。
好適な実施態様は魚の養殖又は飼育用の水を浄化するための水質浄化剤であり、観賞魚飼育用の水を浄化するための水質浄化剤であることが特に好適である。また、別の好適な実施態様は排水を浄化するための水質浄化剤であり、前記排水が食品廃棄物を含有する排水であること、あるいは前記排水が脂肪分と水とが分離している排水であることが特に好適である。
本発明の水質浄化剤によれば、安全な微生物を用いて効果的に水質を浄化することができる。特に、魚の養殖又は飼育用の水に蓄積されたアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素あるいは硝酸態窒素を効果的に分解することができる。また、食品廃棄物や脂肪を含有する排水を効果的に浄化することもできる。
本発明の水質浄化剤は、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に分類される微生物の生菌体、死菌体又はその産生物を含有するものである。このような微生物が水質浄化に対して有用であることを見出したものである。エンテロコッカス・フェカリスは、多くの場合、人間の腸内などに常在しても悪影響のない安全性の高い細菌であり、これらの産生する物質もまた安全性が高いことが多いものである。
なかでも、本発明で使用することが最も好適な菌株はエンテロコッカス・フェカリスTH−10である。エンテロコッカス・フェカリスTH−10は、産業技術総合研究所特許生物寄託センターでは受託拒否に該当するもの(バイオセーフティーレベル2)であるが、本件出願人がその分譲について保証する。エンテロコッカス・フェカリスTH−10は、本発明者らがマレーシアの発酵食品であるテンペ(Tempeh)から単離したものである(酪農科学・食品の研究(Japanese Journal of Dairy and Food Science) vol. 39, No. 4, A115-A121 (1990))。食品中に含有される乳酸菌であることから、この細菌の人体に対する安全性は十分である。
エンテロコッカス・フェカリスTH−10の菌学的性質は以下のとおりである。
グラム染色 +
形態 双球菌、連鎖球菌
酸素要求性:
絶対好気性 −
通性嫌気性 +
カタラーゼ活性 −
リトマスミルクで示す性質:
還元性 +
酸形成能 +
凝固性 +
ゼラチン液化能 +
生成乳酸の旋光性 L−(+)
グルコースからのガス生成能 −
6.5%NaCl含有培地での生育 +
pH9.6調整培地での生育 +
アルギニン分解性 +
馬尿酸塩分解性 +
糖類発酵性:
セロビオース +
グルコン酸カリウム −
グルコース +
グリセロール −
イヌリン −
ラクトース +
マンニトール ±
ラフィノース −
リボース +
サリシン +
ソルビトール −
ソルボース −
スクロース ±
トレハロース +
耐塩性:
5%NaCl含有培地での生育 +
10%NaCl含有培地での生育 ±
15%NaCl含有培地での生育 −
耐熱性:
40℃保持培地での生育 +
45℃保持培地での生育 ±
50℃保持培地での生育 −
55℃保持培地での生育 −
耐酸性:
pH3.0調整培地での生育 −
pH3.5調整培地での生育 ±
pH4.0調整培地での生育 ±
pH4.5調整培地での生育 +
酸度(%):
0%NaCl含有培地での生酸性 0.22
(0%NaCl含有スキムミルク(対照) 0.14)
5%NaCl含有培地での生酸性 0.24
(5%NaCl含有スキムミルク(対照) 0.16)
pH値:
0%NaCl含有培地での生酸性 6.11
5%NaCl含有培地での生酸性 5.94
タンパク質分解能(遊離チロシン含量;mg/5ml):
0%NaCl含有培地、38℃、24hr培養 1.32
5%NaCl含有培地、38℃、24hr培養 0.04
G+C含量(mol%) 38.6
本発明の水質浄化剤は、エンテロコッカス・フェカリスに分類される微生物を利用するものである。しかしながら、現段階では、エンテロコッカス・フェカリスの生菌体、死菌体及びその産生物のそれぞれが、どのように水質浄化に寄与しているのかは、必ずしも完全に明らかになっているわけではない。
後述の実施例1及び2でも示されるように滅菌処理を行った発酵液を使用した場合には、滅菌前の発酵液よりも効果が低下した。したがって、エンテロコッカス・フェカリスの生菌体自体が水質浄化に寄与していることは明らかなようである。ところが、実施例2の結果では滅菌後であっても水質浄化効果は認められたので、エンテロコッカス・フェカリスの死菌体あるいはその産生物であっても水質浄化に寄与すると考えられる。このとき、滅菌処理を行った発酵液を投入してから所定時間経過した後においても、継続的な水質浄化効果が発揮されていることから、被処理水中に元から存在していた別の微生物が活性化されていることが想定される。しかしながらこのとき、当該他の微生物を活性化しているものがエンテロコッカスの死菌体であるのか、その産生物であるのかは必ずしも明らかではない。
したがって、本発明の水質浄化剤は、エンテロコッカス・フェカリスの生菌体、死菌体又はその産生物のいずれを含有するものであっても構わない。水質浄化効果を考慮すれば生菌体を含有することが望ましいが、長期的な保存性などを考慮するのであれば滅菌処理を施した後の死菌体を含有するものが好ましい場合もある。また、生菌体及び死菌体を濾別又は遠心分離するなどして除去した産生物のみを使用しても構わない。しかしながら、製造の容易さと効果とを考慮すれば、エンテロコッカス・フェカリスの生菌体、死菌体及びその産生物を全て含有するものであることが好ましい。
水質浄化剤の製造方法は特に限定されず、無菌条件下で調製した培地中で培養しても良いし、開放条件下で発酵させても良い。しかしながら、無菌条件下で培養するために調製される培地に対しては、通常、糖やアミノ酸など、滅菌された高価な原料を使用する場合が多い。また、培地調製操作や培養操作も無菌条件下で行う必要があることから、長期間にわたる培養を行うのであれば、その設備費用も多大なものになる。したがって、これらの点からは開放条件下で発酵させる方が好ましい。
発酵させる場合の原料は特に限定されるものではないが、天然物をその原料とすることが、安全性あるいは生産コストの面から有利である。具体的には炭素源及び窒素源となる成分、好適には炭水化物及び蛋白質を含有する原料にエンテロコッカス・フェカリスを接種して発酵させる方法が好適である。炭水化物及び蛋白質を含む天然原料、特に植物原料としては、米、麦、とうもろこしなどの穀類や、さとうきび、豆類、種子類などが例示され、それらの加工品である米ぬか、菜種油粕、糖蜜、砂糖、柚子蜜、大豆タンパク質などを使用することもできる。
発酵の条件は特に限定されるものではない。特に滅菌処理を施すことなく調製された原料に、エンテロコッカス・フェカリスを接種して発酵させる。発酵温度は、15〜40℃とすることが好ましい。発酵時間は、用途や原料などによって適宜調整されるが、通常1週間以上、好適には1月以上の期間をかけて発酵させることが好ましい。発酵期間中、エンテロコッカス・フェカリス以外の微生物が混入した状態で発酵が進行しても、当該微生物が優勢であれば特に問題はない。
本発明の水質浄化剤は、上記発酵あるいは培養などによって得られるものであり、エンテロコッカス・フェカリスの生菌体、死菌体あるいはその産生物を錠剤化しても良いし、それらを含む液剤としても構わない。なかでも、生菌体あるいは死菌体を含有する発酵生産物からなる液剤とすることが好ましい。この場合、必要に応じて、他の成分を加えたり希釈したりしてから水質浄化剤として使用する。
本発明の水質浄化剤の好適な実施態様は、魚の養殖又は飼育用の水を浄化するための水質浄化剤である。後の実施例にも示されるように、本発明の水質浄化剤は、養殖又は飼育中に蓄積されるアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素あるいは硝酸態窒素を有効に分解することができる。したがって、陸上養殖における水質の維持期間を長くするのに寄与することが可能である。しかも、食品由来の安全な微生物で天然物を発酵させて得られたものを使用することもできるので、魚に対する安全性も高く、広く受け入れられやすいものである。
ここで対象とされる魚は特に限定されず、淡水魚であっても海水魚であっても構わず、また食用魚であっても観賞魚であっても構わない。しかしながら、特に好適な実施態様は、観賞魚飼育用の水、特に淡水を浄化するための水質浄化剤である。錦鯉、金魚、熱帯魚などの観賞魚の飼育は広く個人的に趣味として行われていることが多いが、個人的に行われている場合には飼育水の水を浄化する大掛かりな設備を導入することは困難であるし、頻繁な水替えも面倒である。これに対して、本発明の水質浄化剤は飼育水に添加するだけでよいので、このような用途に特に好適である。添加方法については、水質浄化剤を単独で添加することもできるし、餌に混ぜて投入することも可能である。
前述のように、本発明の水質浄化剤は、それ自体が含有する微生物(エンテロコッカス・フェカリス)の直接的な水質浄化効果のみではなく、処理水の中に存在する他の微生物の水質浄化作用を活性化する効果も有しているようである。したがって、他の微生物の作用を利用する水質浄化手段を別途備えている水槽中の水を浄化することも好ましい。例えば、微生物を担持させた担体中に水を循環させて浄化する装置などを備えた水槽に対して、本発明の水質浄化剤を添加することも好ましい。
また、本発明の水質浄化剤の別な好適な実施態様は、排水を浄化するための水質浄化剤である。処理される排水は特に限定されるものではなく、微生物による分解の可能な有機物を含有する水であれば構わない。しかしながら、微生物を担持した担体を含む装置に水を循環させる方法や、活性汚泥槽を使用する方法など大規模な排水処理を行うことについて、経済的なメリットの少ないような用途、例えば各家庭や小規模な事業所から排出される排水を浄化する場合に好適に適用される。本発明の水質浄化剤は、排水の中に投入するだけでよいし、環境に対して悪影響を与えるおそれのある物質を含んでいないからである。
特に、家庭や、食品工場、飲食店などから排出される食品廃棄物を含有する排水の処理に適している。また、脂肪分と水とが分離している排水に対して本発明の水質浄化剤を投入した場合には、後の実施例でも示すように、脂肪分の分解又は分散が促進される効果が認められた。水と分離した形で存在する脂肪分については、水系で生存する微生物の作用が働きにくく、分解が困難であったが、本発明の水質浄化剤はそのような脂肪分をも効果的に分解することが明らかになった。これらの排水を処理するに際しては、排水を一時的に貯蔵する容器、例えば排水桝の中に本発明の水質浄化剤を投入する方法などが推奨される。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。以降の実施例で使用した発酵液は、以下のようにして製造されたものである。
発酵のための原料は、糖蜜(正友興業(株)製)、上白糖(塩水港精糖(株)製)、米ヌカ(精米店から入手)、菜種油粕(加藤製油(株)製)を主原料とし、柚子蜜、大豆タンパク質を副原料としたものである。これらに水を加え、撹拌したものを原料とした。これに、エンテロコッカス・フェカリスTH−10をオキソイド社(Oxoid Ltd.)製液体MRS培地に接種して37℃で2日間培養したものをスターターとして上記原料に接種、撹拌して発酵を開始させた。
上記原料の配合量を配合後の原料組成物の1リットル当たりの重量(g)で表現すると以下の通りである。
糖蜜 300.0g/リットル
米ヌカ 19.0g/リットル
上白糖 19.0g/リットル
菜種油粕 19.0g/リットル
柚子蜜 6.0g/リットル
大豆タンパク質 3.0g/リットル
スターター 2.0g/リットル
これらの原料は、炭水化物、蛋白質及び脂質を微生物に提供するものである。特に、糖蜜、上白糖、柚子蜜は炭水化物を供給するのに、米ヌカ、菜種油粕、大豆タンパク質は蛋白質を供給するのに役立つものである。
開放条件下、室温で3ヶ月間発酵を行い、その間、1週間に2回の割合で撹拌した。発酵期間中、エンテロコッカス・フェカリスTH−10以外の乳酸菌も発酵液中に混じって存在していたが、顕微鏡観察したところでは、エンテロコッカス・フェカリスTH−10が終始優勢であった。
実施例1
錦鯉の飼育水1Lをビーカーに入れ、上記方法で製造した発酵液を1mL(0.1体積%)添加し、23℃で放置した。添加直後、1時間後、24時間後に(株)共立理化学研究所製の水質分析器具「パックテスト」を用いて、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素の含有量を測定した。その結果を表1にまとめて示す。
実施例2
実施例1において、滅菌処理した発酵液を添加した以外は実施例1と同様にして試験を行った。その結果を表1にまとめて示す。
比較例1
実施例1において、発酵液を添加せず、そのまま放置した以外は実施例1と同様にして試験を行った。その結果を表1にまとめて示す。
Figure 2005270735
表1からわかるように、発酵液あるいは滅菌処理した発酵液を添加した実施例1及び2では、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素のいずれもが有効に減少していることがわかる。また、滅菌した発酵液を使用した実施例2でも脱窒されることから、エンテロコッカス・フェカリスの死菌体あるいはその産生物であっても水質浄化効果を有することがわかる。しかしながら、生菌体をも含有する発酵液を添加した実施例1の方が水質浄化効果が大きかった。
実施例3
塩素を中和した水道水200Lに、上記方法で製造した発酵液を100mL(0.05体積%)添加し、体重約40gのランチュウを10尾入れ、水温20〜23℃で飼育した。飼育期間中、1日当たり魚体重に対して約10重量%の餌を与えた。飼育開始直後、3日後及び7日後に(株)共立理化学研究所製の水質分析器具「パックテスト」を用いて、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素の含有量を測定した。その結果を表2にまとめて示す。
比較例2
実施例3において、発酵液を添加せず、そのまま飼育を開始した以外は実施例3と同様にして飼育試験を行い、飼育開始直後、2日後及び4日後に実施例3と同様にアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素の含有量を測定した。その結果を表2にまとめて示す。
Figure 2005270735
表2からわかるように、発酵液を添加した実施例3では、添加しない比較例2に比べてアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素の増加速度を大きく抑制できた。実施例3における7日間飼育後の水の汚染度は、比較例2における2日間飼育後の水の汚染度よりも良好であることから、本発明の水質浄化剤を添加することによって、良好な水質が維持される期間を大きく延長できることがわかる。
実施例4
上記方法で製造した発酵液50mLをビーカーに入れ、5gの牛脂を投入し、20℃で放置した。1日経過後に牛脂は多孔質状になり、試験管ミキサーで10秒間撹拌したところ、多数の小さな塊に分裂した。
比較例3
水50mLをビーカーに入れ、5gの牛脂を投入し、20℃で放置し、1日ごとに試験管ミキサーで10秒間撹拌した。その結果、5日経過しても牛脂の形と大きさに変化は見られなかった。
実施例5
上記方法で製造した発酵液500mLを、自然食品店の調理場からの排水が流れ込む排水桝の中に投入した。投入前の排水桝の中には卵白やバターに由来すると考えられる白い浮遊物が大量に浮遊しており、悪臭も漂っていた。これに対し、投入してから10日経過後には、排水桝の中の浮遊物の量は大きく減少し、悪臭も減少した。
実施例4、5及び比較例3の結果から、上記発酵液は、牛脂や食品残渣を分解又は分散させることが明らかになった。すなわち、本発明の水質浄化剤は脂肪分と水とが分離している排水の浄化に有効であることがわかった。

Claims (8)

  1. エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に分類される微生物の生菌体、死菌体又はその産生物を含有する水質浄化剤。
  2. 前記微生物がエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)TH−10である請求項1記載の水質浄化剤。
  3. 前記微生物による発酵生産物からなる請求項1又は2記載の水質浄化剤。
  4. 魚の養殖又は飼育用の水を浄化するための水質浄化剤である請求項1〜3のいずれか記載の水質浄化剤。
  5. 観賞魚飼育用の水を浄化するための水質浄化剤である請求項4記載の水質浄化剤。
  6. 排水を浄化するための水質浄化剤である請求項1〜3のいずれか記載の水質浄化剤。
  7. 前記排水が、食品廃棄物を含有する排水である請求項6記載の水質浄化剤。
  8. 前記排水が、脂肪分と水とが分離している排水である請求項6又は7記載の水質浄化剤。
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