JP2005265956A - 画像形成装置、外部管理装置、画質管理方法、コンピュータプログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
状態量及び制御パラメータを検知し(S101,102)、像担持体上に画質検知用パターンを形成し(S103)そのパターンの反射光量から画質特性を演算し(S104,105)、演算結果から画質の劣化を判定する(S106)。劣化していなければ状態量、制御パラメータ、画像特性の演算結果から状態履歴を作成する(S107)。そして、画質劣化が発生し、その劣化が制御パラメータの変更では回復できないと判定されたとき(S108)、状態量、制御パラメータ、画像特性の演算結果と状態履歴情報とから異常部の発生個所を特定する(ステップS110)。
【選択図】 図24
Description
、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
まず、最初に画質検出の概略について図1ないし図11を参照して説明する。
図1は画質検出の対象となる画像形成装置全体の概略構成を示す図、図2は図1の画像
形成装置に使用される潜像担持体としての感光体ドラムをタンデム配列した乾式二成分現
像方式のフルカラー作像装置の画像形成部を示す図である。
され、この画像形成部1のすぐ下方には給紙部2が配置され、給紙部2には各段に給紙ト
レイ21が設けられている。また、画像形成部1の上方には、原稿を読み取るスキャナ部
3が配設されている。画像形成部1の用紙搬送方向下流側(図示左側)には排紙収納部、
所謂排紙トレイ4が設けられ、排紙された画像形成済みの記録紙が積載される。
に、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)用の複数の作像ユ
ニット6が並置されている。各々の作像ユニット6では、各色毎に設けられたドラム状の
感光体(感光体ドラム)61の外周に沿って、帯電チャージャ62、露光部65、現像ユ
ニット63、クリーニングユニット64、イレーサ(QL)67などが配置されている。
を感光体61表面にレーザ光で照射する書込ユニット7からのレーザ光が照射される。現
像ユニット63は、感光体61の表面に露光されて形成された静電潜像をトナー現像して
可視化し、クリーニングユニット64は転写後に感光体61の表面に残留したトナーを除
去回収する。
ト5上に4色が重畳されて1つのカラー画像が形成される。その際、最初に、イエロー(
Y)の作像部で、イエロー(Y)のトナーを現像し、中間転写ベルト5に一次転写装置(
ローラ)66によって転写する。次に、シアン(C)の作像部で、シアンのトナーを現像
し、中間転写ベルト5上に転写しする。次に、マゼンタ(M)の作像部で、マゼンタのト
ナーを現像し、中間転写ベルト5に転写し、最後に、ブラック(K)のトナーを現像し、
中間転写ベルト5上に転写し、4色が重畳されたフルカラーのトナー画像が形成される。
た記録紙20に二次転写装置(ローラ)51で転写され、定着ユニット8によって定着さ
れた後、排紙ローラによって排紙トレイ4に排紙され、あるいは両面ユニット9に搬送さ
れる。両面印刷時は、搬送経路は分岐部91で分岐され、両面ユニット9を経由して、記
録紙20は反転される。そして、レジストローラ23で用紙のスキューが補正され、表面
への画像形成動作と同様にして裏面への画像形成動作が行われる。一方、フルカラーのト
ナー像が転写された後、中間転写ベルト5の表面に残留したトナーはクリーニングユニッ
ト52によって除去回収される。なお、符号92は両面ユニット9からの際給紙反転経路
である。また、図2では、各部の符号の後に色を表すY,C,M,Kを付けて各色の作像
部を区別している。
20がピックアップローラ25によってピックアップされ、給紙ローラ26の回転により
、縦搬送路27を介してレジストローラ23側へと搬送される。レジストローラ23は記
録紙20の搬送を一時止め、中間転写ベルト5上のトナー像と記録紙20の先端との位置
関係が所定の位置になるよう、タイミングをとって記録紙20を送り出す。
、原稿照明用光源とミラーを搭載した第1および第2の走行体が往復移動する。この走行
体により走査された画像情報は、レンズによって後方に設置されているCCDの結像面に
集光され、CCDによって画像信号として読み込まれる。この読み込まれた画像信号は、
デジタル化され画像処理される。そして、画像処理された信号に基づいて、書込ユニット
7内のレーザダイオードLDの発光により感光体61の表面に光書き込みが行われ、静電
潜像が形成される。LDからの光信号は、公知のポリゴンミラーやレンズを介して感光体
61に至る。また、スキャナ部3の上部には、原稿を自動的にコンタクトガラス上に搬送
する自動原稿搬送装置(ADF)36が取り付けられている。
み取り、デジタル化して用紙に複写する、いわゆるデジタルカラー複写機としての機能の
他に、図示せぬ制御装置により原稿の画像情報を遠隔地と授受するファクシミリの機能や
、コンピュータが扱う画像情報を用紙上に印刷するいわゆるプリンタの機能を有する多機
能の画像形成装置である。どの機能によって形成された画像も同様の画像形成プロセスに
よって記録紙20上に画像が形成され、すべて1つの排紙トレイ4に排紙され、収納され
る。画質劣化を検出して画質の劣化が確認された場合には適切な作像条件制御を自動的に
行うことができるために、現像剤や感光体などを即座に交換する必要がなく、現像剤や感
光体などの寿命を極限まで長くすることができる。
のフルカラー機が図示されているが、これは画像形成装置の代表例として描いているだけ
であり、後述のように4連タンデム型直接転写方式や1ドラム型中間転写方式などのフル
カラー機でも良いし、直接転写方式のモノクロ機に、あるいは他の方式の画像形成装置に
おいても本発明は適用できる。
図3及び図4は600dpi書き込み系を有する前記図1及び図2の画像形成装置MFPによって記録紙20上に形成された網点画像(1つの網点の大きさは「2ピクセル×2ピクセル」)の拡大写真(記載上の都合により便宜上、写真撮影時に2値化処理を施している)であり、図3は初期の画像PT1を、図4はある条件において非常に長期に渡りプリントを行った後での画像PT2を示す。図3に示すように初期的には均一であったハーフトーン画像PT1が、長期の作像過程における現像剤や感光体の劣化などの諸要素により、ざらつき感のあるハーフトーン画像PT2となってしまっている。このようなざらつき感は微細な濃度ムラの空間周波数特性として数値化することができ、例えば「粒状度」といった特性値として表現される。
の低い(粒状性の良い)画像はざらつき感の少ない均一な画像を示す。しかし、濃度ムラ
の全てが視覚に訴えるざらつき感となる訳ではなく、プリント画像の画質に関しては人間
が目視した時にざらつき感を感じなければ良い。濃度ムラに関する平均的な被験者による
視覚の空間周波数特性を図5に示す。このように、人間の視覚により濃度ムラを感じる空
間周波数は、前述のように約1[cycle/mm]をピークとして
0[cycle/mm]〜約10[cycle/mm]
の範囲の空間周波数領域に限定されることが知られている。
図6は画像の微細な濃度ムラを測定する画質検出装置の概略構成を示す図である。同図
において、画質検出装置100は、光反射型センサ(フォトリフレクタ)110と、この
光反射型センサ110からの電気信号を増幅する増幅回路120と、この増幅回路120
によって増幅された信号に基づいて所定の演算処理を行う演算手段としての演算回路13
0と、この演算回路130からの演算出力に基づいて光書き込み制御のための信号を生成
する信号生成手段としての信号生成回路140とからなる。前記光反射型センサ110は
、光源としてのLED(発光ダイオード−発光素子)101と、LED101からの出射
光を所定のビーム径の光ビームに集光する集光レンズ102と、像担持体150上の画像
パターン151からの反射光を受光して電気信号に変換する光電変換素子(受光素子)1
03と、光電変換素子103の結像面に前記画像パターン151からの反射光を結像させ
る結像レンズ104とからなる。光反射型センサ110は、図7の走査方向の距離(ビー
ム径)と光量との関係を示す特性図から分かるように照射ビーム径を絞ってスポット光S
Pとした光反射型センサを用いる。
02によって集光し、像担持体150上に形成された画像パターン151面における円形
ビーム径がおおよそ400[μm]になるようにしている。ここから反射する光はフォト
ダイオードなどの光電変換素子103によって検出され、画像パターン151内のトナー
粒子152の付着ムラは光電変換素子103へ入射する光量変動として捕らえることがで
きる。
おける正反射特性もしくは乱反射特性の違いによって検出する方法や、トナー粒子と像担
持体表面の反射分光特性の違いによって検出する方法などがあり、これらを組み合わせる
ことでより感度の高い検出を行うこともできる。正反射特性もしくは乱反射特性の違いを
利用する場合には、一般にトナー像は乱反射特性が強いことから、像担持体150表面は
光沢度が高く正反射特性の強い材質とするのが好ましい。また、反射分光特性の違いによ
って検出する場合には、トナー粒子152の反射分光特性と像担持体150表面の反射分
光特性とが大きく異なる光源波長を用いることが好ましい。図6の測定装置は、870[
nm]の発光波長を有するLED101を用い、トナー粒子152と像担持体150表面
との乱反射特性の違いを利用した検出方法を実施する例である。ビーム径に関しては図5
に示したような人間の視覚の空間周波数特性において最も感度の高い約1[cycle/
mm]の濃度ムラが検出できるように、少なくともスポット光SPの走査方向に関するビ
ーム径(図7のd1)は1[mm]以下とする必要がある。このビーム径d1は、図5に
おける空間周波数が最大となる値1[cycle/mm]の逆数である1[mm]から導
かれ、ここでは、ビーム径(d1)は、およそ400[μm]としている。前記ビーム径
d1は、ビーム照射面における前記スポット光SPの単位面積当たりのパワーが最大値の
1/eに低下する光ビームの両側の点の間の距離でここでは定義している。
ト5に対向させて設置した画像形成装置MFPの作像プロセスの構成の一例を示す図である。スポット光SPによる感光体61Y,61C,61M,61K上の画像の走査は感光体61Y,61C,61M,61Kの回転駆動によってなされ、図3または図4に示したような画像PT1,PT2を用紙搬送方向(図においては長手方向)に走査したときの反射光の出力を検出する。この反射光の前記増幅回路20からの光量(電圧)変動の状態を図8に示す。このときのスポット光SPの走査条件は、走査速度が200[mm/s]、走査距離が約11[mm]、データのサンプリング周期が75[μs]、すなわち、画像上でのサンプリング間隔は約15[μm]ピッチであり、平均処理工程などを含まない1回の走査のみである。なお、図8の光量平均値を求めることによってパターンに付着するトナー粒子152の平均付着量を算出することもできる。
1.4.1 ノイズ量の算出
図8に示した時間をパラメータとして光量を出力する出力状態のままでは、画像濃度ム
ラの空間周波数特性が読み取れないため、前記演算回路130によって空間周波数特性を
算出する。空間周波数特性の算出においては、高速フーリエ変換(FFT)等の公知の手
法を適用するのが処理速度的にも好ましい。高速フーリエ変換による変換結果を図9に示
す。なお、図9の6[cycle/mm]に見られるピークは図3および図4のドットパ
ターンの繰り返し周波数によるものである。
ムラに非常に敏感であることから、例えば図9における1[cycle/mm]付近のノ
イズ量を比較することにより、図4に示したパターン(画像PT2)の図3のパターン(
画像PT1)に対する画質低下度を知ることができる。このように画質の低下が検出され
た場合には、適切な画像形成条件の制御を促すよう図6の測定装置における信号生成回路
40により信号の生成を行う。この信号を受けて、図6に示した画像形成装置MFPの制
御回路CONによって画像形成条件を自動的に制御し、可能な限り正常な画質に復元でき
るような自動制御を行う。
しない表示装置に現像剤や感光体等のパーツの交換を指示し、前記パーツの交換を促す。
最低限必要なパターンの大きさが、約1[mm]×約10[mm]程度であるため、パタ
ーン画像形成によって消費されてしまうトナー量も最小レベルに抑えることができる。
射されているが、感光体61Y,61C,61M,61K表面や記録媒体20に形成され
た画像に対してスポット光SPを照射するように構成することもできる。
図9の空間周波数特性を得た後に、前記演算回路130によって前記空間周波数特性に
対して図5に示した視覚空間周波数特性の重み付けを行い、視覚ノイズ量を求める。図1
0は、この視覚ノイズ量と空間周波数との関係を示す図で、演算回路130の視覚ノイズ
量の出力状態を示している。この重み付けは図9の特性に対して図5の特性を乗算するこ
とによって行う。この演算により、視覚に訴える空間周波数特性のみを抽出することがで
きるため、狙いとする画質の検出が容易に行える。また、6[cycle/mm]付近に
出現していた画像パターン構造による信号分を除去することも可能となるので、注目して
いる画質に関係のない情報を除去することもできる。このように画質に関係のない情報を
除去することができると、誤検出の発生をほとんどなくすことができる。
図10に示した視覚ノイズ量を演算回路130を用いて0.2[cycle/mm]〜
4[cycle/mm]の空間周波数領域に関して積分すると、図11に示すように視覚
ノイズの総量が算出される。この値により視覚に訴えるほぼ全ての空間周波数領域におい
て総合的な画質変化を知ることができる。
は画像パターン上、副走査方向の濃度変動連続データ、ラインセンサの場合には主副両走
査方向の濃度変動連続データを収集する。モノクロセンサの場合にはある特定波長(色)
のみの連続データ、カラーセンサの場合には複数波長(色)の連続データが収集される。
トラムを得る。このパワースペクトラムの平方根(変動の振幅)に視覚の空間周波数特性
(VTF)を乗算し、前述のように周波数領域において視覚特性に基づいた濃度変動の重
み付けを行う。この重み付けされた濃度変動量を積分することによって、粒状度を求める
。これは濃度基準の粒状度の求め方であるが、最近は人間の視覚とのリニアリティーが良
い明度の粒状度も採用されている。よって明度の粒状度を求める場合には、最初に濃度デ
ータを明度データに変換しておく必要がある。またカラー粒状度を求める場合には、明度
情報に色度情報も加えて粒状度を算出する。以上が濃度変動データからの、粒状性情報の
求め方である。このようにして求められた粒状性情報に基づいてフィードバック制御をか
けることにより、粒状性の安定した画像を連続出力することができる。
以外に例えば最小単位が600dpiのドットを2ピクセル×2ピクセルで1つの単位と
し、スポット光SPの走査方向におけるドット配列の繰り返し周期z1を例えばおよそ1
70[μm](空間周波数f1はおよそ5.9[cycle/mm])とすると、前述の
ように400[μm]程度のビーム径を有するスポット光SPによって走査を行った場合
には、図9のように6[cycle/mm]付近の空間周波数にスペクトルが現れる。こ
の画像パターンそのものに起因するスペクトルが画質検出信号検出領域と重複してしまう
のを避けるためには、走査方向におけるドット配列の繰り返し周期z1は250[μm]
よりも小さく、好ましくは200[μm]よりも小さくする必要がある。そこで、ここで
はz1=170[μm]としている。
前記像担持体上に画像パターンを形成する手順と、前記画像パターンに対してスポット光
を照射する手順と、前記画像パターンを前記スポット光により走査して前記画像パターン
から反射する光量を検出する手順と、前記検出された光量に基づいて画質を検出する手順
とを備えたコンピュータプログラムにより画質検出機能を実現することも可能であり、こ
のようなコンピュータプログラムはコンピュータによって読み取り可能に記録された記録
媒体から、あるいはネットワークを介してサーバなどからダウンロードされて使用される
。
画像形成装置MFPの制御回路CONのCPUが実行する。CPUは、図示しないROM
あるいはダウンロードされたプログラムに基づいて図示しないRAMをワークエリアとし
て使用しながら各処理を実行する。プログラムデータは図示しないネットワークを介して
サーバから、あるいは図示しない記録媒体駆動装置を介して例えばCD−ROMやSDカ
ードなどの記録媒体から図示しないハードディスクなどの記憶装置にダウンロードされ、
あるいはバージョンアップが行われる。
2.1 画像形成部
図12ないし図14は、本実施例に係る画像形成装置MFPの要部を示す図である。図12は直接転写方式のモノクロの画像形成装置、図13は図1及び図12でも触れた4連タンデム型中間転写方式のフルカラーの画像形成装置、図14は4連タンデム型直接転写方式のフルカラーの画像形成装置の画像形成部をそれぞれ示す。
ニット62、露光部65、現像ユニット63、一次転写ローラ53、感光体クリーニング
ユニット64及びクエンチングランプ67が配置され、一次転写ローラ53と感光体61
とのニップには記録紙搬送ベルト69が通されている。この記録紙搬送ベルト69の用紙
搬送方向上流側にはレジストローラ23が、下流側には定着ローラ8aと加圧ローラ8b
とからなる定着ユニット8が設けられている。露光は帯電ユニット62と現像ユニット6
3との間に設けられた露光部65において図示しない露光ユニットから出射されたレーザ
ビームによって行われる。なお、この図12に示す実施例では、画質検知センサ100aは用紙搬送方向最下流側の記録紙搬送用ベルト69の端部の当該記録紙搬送ベルトに対向する位置に設けられている。この位置は画像形成工程の定着前の最後段にあたる。この位置は記録紙上の画像と近い状態の画像を検知する位置である。なお、前記位置に限らず記録紙に転写する直前の位置でも、記録用紙の代わりに記録紙搬送部材に転写した直後の位置でも、感光体61から被転写体側に転写する直前の位置でもよい。しかし、これらの場合には、2次転写が原因となる画質の劣化を検知することはできない。以下の例でも同様である。また、符号68は機内の雰囲気温度と湿度を検知する温湿度センサである。
、この記録紙搬送ベルト69とYCMKの各感光体(ドラム)61との間に用紙を通過さ
せて、用紙表面にYCMKの順に画像を転写して各色を順次重畳してフルカラーの画像を
形成するように構成したものである。この実施例においては画質センサ100aは図12の場合と同様に画像形成工程の定着前の最後段にあたる記録紙搬送用ベルト69の端部に対向させて設けられている。その他、特に説明しない各部は前述の各実施例と同等に構成されている。
6の画質検出装置が光ファイバを用いない直接投受光式であるのに対してセンサ光学系に
光ファイバを用いた例である。
感光体61上に画質検出用パターン200を形成し、そのパターン200からの反射光量
を微小領域において検出し、その検出結果から画像の特性を演算する演算回路130を備
え、画質を検出する。さらに前記演算回路130の演算結果に基づいてフィードバック制
御を行うようにしてもよい。図15にはフィードバック制御系を描いていないが、図6に
示したように演算回路130からの出力を画像形成装置MFP本体の制御回路CONが受け取って、フィードバック制御をかけることになる。
02を通して光ファイバ105に入光する。光は光ファイバ105の先端から射出された
後、レンズ106によって光束の径が所望の大きさに絞られ、検出対象である像担持体(
感光体)150及びその表面上のトナー像からなる検出パターン151に照射される。像
担自体(感光体)150や検出パターン151から反射されてきた光は今度は受光側の光
ファイバ107に入光し、レンズ104を介して受光素子103に照射される。受光素子
103の近傍には増幅回路120が設置されており、受光素子103で発生する微弱電流
若しくは微弱電圧を、ある程度の大きさの出力電圧に増幅する。更にこの増幅回路120
からの増幅信号が演算回路130に入力され、典型的には粒状度等の画質情報として算出
される。画質情報として粒状度を計算するならば、この演算回路130においては、前述
のようにフーリエ変換による信号のノイズスペクトラムの算出、人間の視覚の空間周波数
特性VTFによるノイズスペクトラムデータの重み付け、有効周波数帯域のデータ積分、
等の処理を行うことになる。
12ないし図14の画像定着直前の画像を検出する構成となっており、記録紙20上に転写された画像と近い状態の画像を検出している。
図16は正反射光を検出する画質検出センサの検出時の状態を示す、図17は乱反射光
を検出する画質検出センサの検出時の状態を示す図である。いずれも光ファイバを利用し
た形態で描かれており、図16においては投光ファイバ105に対して受光ファイバ10
7を正反射の位置に設置している様子を、図7においては検出面に対して傾けて投光ファ
イバ105と受光ファイバ107とが同軸に形成された同軸ファイバを設置することによ
り乱反射光を受光している様子を示している。効率良い検出を達成するためには、投受光
共になるべく検出面に対して垂直に立てるのが良いという実験データが得られているので
、図16に示した正反射光を検出する場合には投受光ファイバ105,107とも垂直上
方から、図17に示した乱反射光を検出する場合には同軸ファイバの傾きをなるべく浅く
して垂直上方に近い角度で乱反射光を受光するようにすると、効率の良い検出が行われる
。また、これらの図においては光ファイバ105,107を利用して描いているが、直接
投受光タイプのセンサでも何ら問題はない。
0の色や表面光学特性やトナー色の組み合わせで決定される。像担持体150の色やトナ
ー色については、投光波長に対して感度があるかないかということであり、像担持体15
0の表面光学特性については、光沢面(光を正反射的に反射する)か拡散面(光を乱反射
的に反射させる)かということである。また、像担持体150上のトナー像152は光を
乱反射的に散乱させる性質を持っている。分かり易くするために、以下では光源波長を6
50nmとする。この波長に対して感度を有する色はY、M、R、W(白)、感度のない
色はC、G、B、Kである。像担自体150は黒っぽいものが多く、この波長に対しては
あまり感度がないものが多い。よってトナー色に関しては感度のある色をM、感度のない
色をKとして、像担持体150の表面光学特性(光沢面または拡散面)との組み合わせを
考える。
面)とトナー色(MまたはK)の4つの組み合わせについて、それぞれの反射の状態を概
念的に描いた図である。図18の(a)〜(d)の各条件において、画像パターン(トナ
ー像)151の表面と像担持体(感光体)150表面からの正反射光、乱反射光の大きさ
が図示されている。
(c)、(d)はKトナーである。トナー像は拡散面を形成するので、理想的にはどの角
度にも均等に反射光を発生する。実験的には、投光方向に最も強い反射光を返し、角度が
大きくなるにしたがって反射光量が減るという傾向が出ている。しかし、これはトナー粒
子自体の表面性にも影響され、絶対値としては普遍的なことではないので、ここでは理想
的な拡散面と考えて図を描いている。650nmの赤色投光に対して、Mトナーは感度よ
く反射し、Kトナーは殆ど反射しない。よって(a)、(b)のMトナーからの反射光は
、正反射、乱反射共にある程度の大きさを持っているが、(c)、(d)のKトナーから
の反射光は、反射方向に関わらず微弱である。
散面であるトナー像152と同様に考えて良いが、光沢面からの反射は、正反射光に限っ
て言えば感度のない色からでも生じる。表面性だけで光が反射されてくるのである。つま
り、光源に対して正反射の位置に目を置けば、光の当たっているところが何色かに見える
ということではなく、そこに光源が写って見えるということになる。これが(a)、(c
)の図において、感光体表面(黒、光沢面)から正反射光が生じているという意味である
。この正反射光の強さはもちろん光沢度にもよるので、ここで絶対値は論じられない。こ
のような検討に基づいて(a)〜(d)の反射光強度を描いているのであるが、図中、ト
ナー像152からの反射光と、像担持体150表面からの反射光に差のあるものは測定可
能で、差のないものは測定不可能である。どちらの反射光に差があるかを読み取った結果
を図19に示す。図19は光沢面及び拡散面と正反射及び乱反射の関係を示している。
粒状性の演算・制御であるが、粒状性は図6あるいは図15に示した演算回路130で
計算されるが、ここでは図20を用いてさらに詳細に説明する。粒状性は画像の濃度に影
響されることがわかっている。よって測定する画像パターンが一階調であると、濃度の影
響を受け、正確な粒状性の検出が行えない。この実施例では粒状性を測定するための画像
パターンとして数種類から十数種類の階調パッチを使用し、そのうちのある画像濃度の範
囲に入ってくる階調パッチを検出に用いる。このように常に同じ濃度範囲のパターンを検
出することにより、画像全体の濃度が変動したとしても検出する粒状性から濃度変動の影
響を排除することができる。
ターンで各階調パッチを作り出すのがいいのかは明白な指標がないが、パターン形状の不
均一性が粒状性を左右すると言われているので、同じ形状のパターンが繰り返し形成され
ているパッチであれば、パターン形状はそれほど重要ではないと思われる。この階調パタ
ーン200をセンサで検出することにより、各パッチ200a〜200iに対して図20
中左端200aの時間に対するセンサ出力生データが取れる。この各パッチ200aのセ
ンサ出力を画像濃度に変換し、予め定められたある濃度範囲に入ってくるパッチの生デー
タだけを使用する。
グラフで、この縦軸の値SS(f)が各パッチ200a〜200iの空間周波数特性を表
している。更に、人間の視覚の空間周波数特性であるVTFをこのSS(f)に乗算し、
これを積分した値に明度補正を加える。最後に数種のパッチの値を平均することにより粒
状性としている。この粒状性は下記の式によって示される。
このようにして算出される粒状性が変動した場合、粒状性を制御できる制御因子を変化させることによって、粒状性を良い状態に保つことができる。制御因子としては現像バイアス、帯電グリッドバイアス、LDパワー、現像スリーブ線速、等が考えられる。これらの制御因子によって粒状性を良好に保つことにより、画像視認者に画像のざらつきを感じさせない画像を形成し続けることができる。
鮮鋭性は画像の空間周波数特性(MTF)を算出することにより評価している。MTF
の算出方法は色々あるのでここでは特に説明しないが、実際的には図21に示すような周
波数パターン210を微小領域濃度検出可能なセンサ、例えば前記図6あるいは図15に
示した画質検出センサ100aで検出して解析・演算するのが現実的である。鮮鋭性が劣
化してくると周波数パターン210のエッジがぼやけて、解像できなくなってくる。これ
を防ぐために、鮮鋭性を制御できる制御因子で制御するのである。これらの因子は粒状性
と同様、現像バイアス、帯電グリッドバイアス、LDパワー、現像スリーブ線速等が考え
られる。
階調性は数種類(若しくは十数種類)の階調パターンを出力して、これを画像濃度セン
サで検出して評価している。これは市場に出ている機種で以前から行われていることであ
り、濃度センサを利用して実施されている。よって、技術としては目新しくないが、粒状
性・鮮鋭性を検出できる微小領域濃度センサ(ここでは、画質検出センサ100a)で階
調性制御も兼ねられるというところが利点であり、濃度センサを置き換えることができる
。また、濃度センサは光束を絞っていないためにある程度(20mm角程度)の大きさの
階調パターンが必要だったが、微小領域濃度センサは光束を1mm以下程度に絞っている
ので、階調パターンの主走査方向の長さは従来のPセンサ用パターンよりもかなり小さく
できることになる。また、副走査方向の長さに関しても、微小領域濃度センサ(ここでは
、画質検出センサ100a)は粒状性・鮮鋭性などの微小濃度ムラを検出するために、高
応答速度でデータを収集しているため、従来の濃度センサパターンよりもかなり短くでき
ることになる。なお、階調性の制御因子はLDパワーである。
粒状性、鮮鋭性といった画質の制御因子としては、現像バイアス、帯電グリッドバイア
ス、LDパワー、現像スリーブ線速であり、これらはすべて現像条件である。さらに現像
バイアス、帯電グリッドバイアス、LDパワーは現像ポテンシャル(電位的な現像能力)
の調整であり、現像スリーブ線速は現像チャンス(物理的な現像能力)の調整ということ
になる。どちらもトナー付着量を変化させる能力があるが、現像バイアスを上げると静電
潜像に対して山盛り状にトナーを載せる効果、現像スリーブ線速を上げると静電潜像に対
して電位井戸形状に忠実にトナーを擦り切って載せる効果がある。
ワーの調整、現像チャンスが不足している場合は現像スリーブ線速の調整で画質(粒状性
、鮮鋭性)を改善することができる。これらの現像条件のうち、現像バイアスと現像スリ
ーブ線速を組み合わせて制御した場合の粒状性変動の様子を図22に示す。同図において
、横軸はトナー付着量で縦軸は粒状性である。図中右上がりの1点鎖線が等スリーブ線速
線Mで、右下がりの点線が等現像バイアス線Nである。つまり現像スリーブ線速を変化さ
せていくと、その時固定されている現像バイアス値に従って等スリーブ線速線M上を粒状
性とトナー付着量が動いていく。現像バイアスを変化させた場合はその逆である。よって
この2者を組み合わせて制御した場合には、例えば図22中の“標準画質”の点から、経
時劣化によって“劣化画質”の点まで画質が劣化した場合に、矢印S1,S2のような制
御で画質を復元できる。また、トナー付着量が別の制御アルゴリズムで制御されている場
合も考えられるが、その場合はトナー付着量を変動させないように矢印T1,T2のよう
に制御して、画質のみを標準画像の値に復元する(画質Aの点)ことも可能である。
アスと帯電グリッドバイアスとLDパワーは現像ポテンシャルを変化させる因子であり、
他の組み合わせ(帯電グリッドバイアスと現像スリーブ線速、またはLDパワーと現像ス
リーブ線速)やこれら4つの因子をすべて組み合わせて制御しても、同じ効果が得られる
。このように、制御因子を組み合わせることによって画質制御の幅を広げることができる
。上記の検知・制御は、画像形成装置MFP内で定期的に行われる。タイミングとしては、電源投入時、ある出力枚数毎、ある時間経過毎、ユーザやサービスマンが強制的に行う等、いろいろ考えられるが、ここでは特に限定しない。
次に濃度を検出する場合を考える。濃度は、像担持体(感光体)150上のパターンの
濃度を光学的に検出しているが、検出するパターンが異なるだけで、画質を検出する場合
の反射光量検出手段と同じ検出手段(ここでは、画質検出センサ100a)によって検出
することができる。濃度を検出する場合は、像担持体(感光体)150上に濃度検出用パ
ターンを形成し、そのパターンからの反射光量を微小領域において検出し、得られたセン
サ出力の平均値から求めてきている。像担持体(感光体)150上のパターンの濃度を正
反射光(図16)で検出すべきか、または乱反射光(図17)で検出すべきかは、像担持
体(感光体)150の色や表面光学特性やトナー色の組み合わせで決定される。これも画
質検出の場合と同様であり、図18や図19での説明が濃度検出の場合にもあてはまる。濃度検出用パターンとしては階調パターンが用いられる。
像担持体(感光体)150上の濃度や画質は、環境変動(温湿度)の影響を大きく受け
る。よって図12ないし図14に示すように画像形成装置MFT内に温湿度センサ68を
設置し、温度と湿度を検出している。この温湿度センサ68の設置位置については、図1
2〜14に示した位置以外にもいろいろ考えられ、設置位置を限定するものではなく、画
像形成装置MFT内の画質形成領域の温度や湿度を検出できる位置ならどこでもよい。し
かし、定着ユニット8の近傍では、定着ローラ8aの温度の影響を受け、画像形成装置M
FT内の温度や湿度を正確に検出できないので、定着ユニット8の近傍は避ける必要があ
る。
2.8.1 像担持体
濃度や画質の検出に影響を与えるのもとして、像担持体(感光体)150の経時変化も
考えられる。像担持体(感光体)150の表面は、紙紛や残トナーによる汚れや、帯電・
転写時による放電やクリーニング部での摩耗などによってキズや削れが発生し、経時で表
面劣化が起こる。このような汚れやキズや削れなどによって表面が劣化した像担持体(感
光体)150上で濃度や画質を検出する場合、パターンや像担持体(感光体)150上か
らの反射光量が汚れやキズ・削れの影響を受け、正確な濃度や画質の検出が行えない。実
際には現像剤は劣化していないのにもかかわらず、濃度や画質が異常値を示し、剤劣化と
判定され、無駄な現像剤交換が行われる可能性は十分考えられる。よって、濃度や画質を
検出する前に、像担持体(感光体)150の表面状態の検出を行っている。
を微小領域で検出している。検出手段は、濃度の場合と同様、画質を検出する反射光量検
出手段(画質検出センサ100a)と同じ検出手段で検出できる。感光体61の表面が劣
化していない場合、反射光量は一定値を示すが、感光体61の表面に汚れやキズや削れが
ある場合、反射光量が異常値を示し、劣化が検出できる。感光体61の表面劣化を検出し
た場合は、画像形成装置MFTの表示部に該当部材の交換のメッセージを表示させたり、
外部管理装置に表面劣化の情報を送信する。
電後の残存電荷)
さらに濃度や画質の検出に影響を与える経時変化として、フィルミング、膜厚、画像部
と非画像部の電位、除電後の残存電荷が考えられる。そこで、これらの経時変化を検出す
る場合には、例えばクエンチングランプ67の感光体回転方向下流側に第1の電位センサを、さらにその下流側にフィルミング検出センサを、露光部65の下流側に第2の電位センサを設け、また、膜厚検出測定器を帯電ユニット(帯電ローラ)に接続する。
射光量を検出することによって行うことができる。正反射光で検出するべきか、拡散反射
光で検出するべきかは、画質検出や濃度検出の場合と同様に、図18や図19を参照して
説明したようにして決定される。フィルミングが発生していない部分からの反射光量と比
べ、フィルミングが発生している部分からの反射光量は異常値を示すので、反射光量を検
出することによってフィルミングの検出ができる。
によって測定することによって行う
感光体61上の画像部と非画像部の電位は、露光後の感光体61の表面の電位を第2の
電位センサで検出することによって行う。除電後の残存電荷は、クエンチングランプ67で除電を行った後の感光体61の表面の電位を第1の電位センサで検出することによって行う。感光体61の経時変化異常を検出した場合は、画像形成装置MFPの表示部に該当部材の交換のメッセージを表示させ、あるいは外部管理装置に異常の情報を送信する。
図25は現像剤の劣化と粒状度との関係を示す特性図である。劣化状態のうち「初期」
は新しい現像剤のことであり、劣化はまったくない状態である。「劣化小」は多少劣化し
ているが許容範囲の劣化状態である。「劣化大」はかなり劣化が進んでおり、劣化剤と判
定できる程度の状態である。図25から現像剤の劣化が進むにつれて粒状度の値が大きく
なっており、画質が劣化していることが分かる。
ある。現像剤が劣化した場合の濃度の変化であるが、この図26から現像剤の劣化が進む
につれてトナーの付着量が低下していることが分かる。よって、感光体61上のパターン
の濃度から現像剤の劣化の程度を判定することができる。
たトナー(逆帯電トナー)が発生してくる。この弱帯電トナーや逆帯電トナーは感光体61上の非画像部に付着しやすく、地汚れやチリの原因となり、画質劣化につながる。よって、非画像部の弱帯電トナーや逆帯電トナーを検出することによって、画質劣化や剤劣化が分かる。弱帯電トナーや逆帯電トナーの検出は、感光体61上の非画像部の濃度を検出することによって行う。
画質劣化は、算出した粒状性、階調性、鮮鋭性の各指標と、それぞれの閾値とを比較す
ることにより行う。それぞれの閾値に関しては、あらかじめ実験などで求め、画像形成装
置MFP内のRAMに記憶しておく。同様に剤劣化についても、得られた濃度と閾値との
比較、非画像部の濃度の値に基づいて判定する。濃度については温湿度によって濃度が影
響を受けるので、温湿度の検出結果を用いて閾値のキャリブレーションを行う。
画質や剤の劣化は画像形成装置MFP内の制御回路CONによって行われる。この制御
構成を図23に示す。図23は本実施例に係るデジタル複合機の制御装置の概略を示すブ
ロック図である。同図において、ADF36、書き込みユニット7、作像ユニット6、定
着ユニット8、給紙部2、スキャナ部3の制御を制御回路CONが司り、また、操作表示
部1a、画像処理部1b、画像メモリ1c、不揮発メモリ1d、画質検出センサ100a
、各種センサ100bがそれぞれ制御回路CONに接続されている。制御回路CONは、
操作表示部1aからの指示入力によりユーザが所望する制御を実行し、スキャナ部3で読
み取った画像データを一旦画像メモリ1cに格納した上で、所定のあるいはユーザが所望
する画像処理を画像処理部1bで行って書き込みユニット7に出力し、作像ユニット6で
作像し、給紙部2から給紙された記録紙20に転写し、定着部8で定着した後、排紙し、
あるいは両面ユニット9側に搬出する。これらの制御プログラムは不揮発メモリ1dに格
納され、制御回路CONはこの制御プログラムに従って所定の制御を実行する。
図24は検知した状態量に基づいて状態履歴を作成し、これらから異常部を特定する本発明の第1の実施形態における制御手順を示すフローチャートである。
現像剤は経時で劣化していくことはよく知られており、前述のように現像剤が劣化すると、画質や現像剤の帯電特性に影響を与える。前述の図25から分かるように初期剤と比較して劣化度が大きくなるにしたがって粒状度も大きくなり、画質が悪くなっている。また、感光体61の帯電バイアス、LDパワー、現像バイアスはすべて一定としているため、画像部電位と現像バイアスの差である現像ポテンシャルも初期剤と劣化剤の両方において一定である。そこで、前述の図26を見ると、初期剤と比較して劣化度が大きくなるにしたがって付着量が小さくなっている。このことは、現像ポテンシャルが一定であるため、帯電量が増加していることを示している。画像形成装置MFP内では、感光体61上の付着量は一定に制御されている。よって、現像剤の劣化によって帯電量が増加すると、現像ポテンシャルを大きくすることによって、付着量は一定になる。
転写バイアスは湿度等によって決定される適正値に制御されているべきであるが、制御不良等で変動した場合画質に影響を与える。図28に粒状度と転写バイアスの経時変動を示す。横軸は画像形成装置MFPの出力画像である。図28において、2個所で転写バイアスの制御不良による大きな変動が見られる。それにともなって粒状度も急激に増加していることがわかる。この結果から転写バイアスの変動が画質に大きく影響を与えることがわかる。よって制御不可能まで画質が劣化してしまった場合、状態履歴の転写バイアスと湿度から、転写部の異常を特定することができる。
感光体61は、膜厚減少やフィルミング、光疲労等で経時で劣化する。感光体61が劣化すると、帯電特性にも影響を与える。同じ帯電バイアスをかけた場合でも、劣化によって帯電される電位が減少する。図29に、経時での非画像部での電位の変動を示す。横軸は画像形成装置MFPの出力画像枚数である。初期では非画像部電位は一定であるが、出力画像が増加するにつれて非画像部電位の値が減少していることがわかる。経時で感光体の帯電電位が低下すると、それ以後の露光・現像・転写における画質にも影響を与える。よって、制御不可能まで画質が劣化してしまった場合、状態履歴の帯電バイアスと非画像部電位から、感光体61の異常を特定することができる。
この第2実施例は、第1実施例における制御方法を変更したもので、第1実施例では、状態履歴の作成は各画像形成装置MFP内で行っていたが、本実施例では、各画像形成装置MFPに送信手段を設置し、外部管理装置に画質演算結果や制御パラメータやそのときの状態量を送信し、送られた情報をもとに外部管理装置が各画像形成装置MFPの状態履歴を作成するようにしたものである。この実施例の処理手順を図30のフローチャートに示す。
第1実施例では、感光体61、中間転写ベルト5、記録紙搬送用ベルト69などの像担持体上の検知用パターンを直接検知しているが、検知用パターンが表面に転写される専用転写ローラを像担持体とセンサの間に設置し、その専用転写ローラ上の検知用パターンをセンサで検知するようにしてもよい。この例を図31に示す。なお、前記位置に代えて前述のように記録紙に転写する直前の位置でも、記録用紙の代わりに記録紙搬送部材に転写した直後の位置でも、感光体61から被転写体側に転写する直前の位置でもよい。
(1)状態履歴を作成することができるので、実際に作成されるパターンの画質に基づいて画像形成装置を管理することが可能となる。
1a 操作表示部
1e 外部I/F
5 中間転写ベルト
51 2次転写ローラ
53 1次転写ローラ
61 感光体
62 帯電部
63 現像ユニット
69 記録紙搬送ベルト
100a センサ
100c センサユニット
101 発光素子
102,104,106 レンズ
103 受光素子
108 センサヘッド
109a 専用転写ローラ
130 演算回路
130a 演算部
150 像担持体
CON 制御回路
Claims (20)
- 画質検知用パターンを像担持体上に形成するパターン形成手段と、前記パターン形成手段によって前記像担持体上に形成されたパターンからの反射光量を微小領域において検知する検知手段とを備え、当該検知手段の検知出力に基づいて画質を評価する手段を備えた画像形成装置において、
機内温度、機内湿度、現像器内のトナー濃度、像担持体上のトナー付着量、感光体上の画像部・非画像部の電位、及び転写バイアスの少なくとも1つを含む状態量を検知する状態量検知手段と、
前記検知手段の検知結果から粒状性、鮮鋭性及び階調性の少なくとも1つを含む画像特性を演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果に基づいて現像バイアス、帯電グリットバイアス、LDパワー及び現像スリーブ線速の少なくとも1つを含む制御パラメータを設定し、設定された制御パラメータに基づいて画像形成を行わせる制御手段と、
前記状態量検知手段によって検知された状態量、前記演算手段によって演算された画像特性の演算結果、及び前記制御手段によって設定された制御パラメータから状態履歴を作成する状態履歴作成手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記検知された状態量、前記演算された演算結果及び前記設定された制御パラメータと、前記作成された状態履歴とから画質異常が生じた個所を特定する特定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 画質検知用パターンを像担持体上に形成するパターン形成手段と、前記パターン形成手段によって前記像担持体上に形成されたパターンからの反射光量を微小領域において検知する検知手段とを備え、当該検知手段の検知出力に基づいて画質を評価する手段を備えた画像形成装置において、
機内温度、機内湿度、現像器内のトナー濃度、像担持体上のトナー付着量、感光体上の画像部・非画像部の電位、及び転写バイアスの少なくとも1つを含む状態量を検知する状態量検知手段と、
前記検知手段の検知結果から粒状性、鮮鋭性及び階調性の少なくとも1つを含む画像特性を演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果に基づいて現像バイアス、帯電グリットバイアス、LDパワー及び現像スリーブ線速の少なくとも1つを含む制御パラメータを設定し、設定された制御パラメータに基づいて画像形成を行わせる制御手段と、
前記状態量検知手段によって検知された状態量、前記演算手段によって演算された画像特性の演算結果、及び前記制御手段によって設定された制御パラメータを記憶する記憶手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記記憶手段に記憶された情報を外部管理装置に送信する通信手段を有することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記検知手段が画像を定着する直前の画像形成工程の最終段に設けられていることを特徴とする請求項1または3記載の画像形成装置。
- 少なくとも1つの画像形成装置から送信されてくる機内温度、機内湿度、現像器内のトナー濃度、像担持体上のトナー付着量、感光体上の画像部・非画像部の電位、及び転写バイアスの少なくとも1つを含む状態量、前記画像形成装置の演算手段によって演算された粒状性、鮮鋭性及び階調性の少なくとも1つを含む画像特性の演算結果、及び現像バイアス、帯電グリットバイアス、LDパワー及び現像スリーブ線速の少なくとも1つを含む制御パラメータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された情報に基づいて前記画像形成装置の状態履歴を作成する状態履歴作成手段と、
を備えていることを特徴とする外部管理装置。 - 画質劣化の回復制御が不可能な場合に、前記検知された状態量、前記演算された演算結果及び前記設定された制御パラメータと、前記作成された状態履歴とから画質異常が生じた個所を特定する特定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項6記載の外部管理装置。
- 画像形成装置の像担持体に形成された画質検知用パターンから画質の状態を判定し、その判定結果に基づいて画質を管理する画質管理方法において、
前記画質検知用パターンの検知結果に基づいて粒状性、鮮鋭性及び階調性の少なくとも1つを含む画像特性を演算する工程と、
前記演算の演算結果から画質の劣化状態を判定する工程と、
前記判定で画質が劣化していない場合には状態量履歴を作成する工程と、
を備えていることを特徴とする画質管理方法。 - 前記劣化状態を判定する工程で画質が劣化していると判定された場合には、画質が現像バイアス、帯電グリットバイアス、LDパワー及び現像スリーブ線速の少なくとも1つを含む制御パラメータの変更により回復可能か否かを判定する工程と、
前記回復可能か否かを判定する工程で回復可能と判定された場合には、前記制御パラメータを変更して再度画質検知用パターンを形成し、再度、画質の劣化状態を判定する工程と、
をさらに備えていること特徴とする請求項8記載の画質管理方法。 - 前記判定で画質が劣化している場合には、画質が前記制御パラメータの変更により回復可能か否かを判定する工程と、
前記回復可能か否かを判定する工程で回復不能であると判定された場合には、回復不能な個所を特定する工程と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項8または請求項9記載の画質管理方法。 - 前記回復不能な個所を特定する工程で特定された前記個所と回復不能な旨を画像形成装置に表示する工程とをさらに備えていることを特徴とする請求項10記載の画質管理方法。
- 少なくとも1つの画像形成装置から通信手段を介して相互に情報の授受が可能な外部管理装置によって前記画像形成装置の画質の管理を行う画質管理方法において、
前記画像形成装置から送信されてくる機内温度、機内湿度、現像器内のトナー濃度、像担持体上のトナー付着量、感光体上の画像部・非画像部の電位、及び転写バイアスの少なくとも1つを含む状態量、粒状性、鮮鋭性及び階調性の少なくとも1つを含む画像特性の演算結果、及び現像バイアス、帯電グリットバイアス、LDパワー及び現像スリーブ線速の少なくとも1つを含む制御パラメータを記憶する工程と、
前記記憶する工程で記憶された情報に基づいて前記画像形成装置の状態履歴を作成する工程と、
を備えていることを特徴とする画質管理方法。 - 画質が前記制御パラメータの変更により回復することができない旨の情報を前記画像形成装置から受信したときに、前記状態量、前記演算結果及び前記制御パラメータと、前記作成された状態履歴とから画質異常が生じた個所を特定する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項12記載の画質管理方法。
- 画像形成装置にロードされ、画像形成される画像の画質の制御を行うためのコンピュータプログラムにおいて、
機内温度、機内湿度、現像器内のトナー濃度、像担持体上のトナー付着量、感光体上の画像部・非画像部の電位、及び転写バイアスの少なくとも1つを含む状態量を検知する第1の手順と、
現像バイアス、帯電グリットバイアス、LDパワー及び現像スリーブ線速の少なくとも1つを含む制御パラメータを検知する第2の手順と、
検知用パターンを形成する第3の手順と、
前記第3の手順で形成された前記検知用パターンからの反射光量を検知する第4の手順と、
前記第4の手順で検知された反射光量から粒状性、鮮鋭性及び階調性の少なくとも1つを含む画像特性を演算する第5の手順と、
第5の手順で演算された画像特性に基づいて画質の劣化を判定する第6の手順と、
前記状態量、前記制御パラメータ及び前記画質特性の演算結果から状態履歴を作成する第7の手順と、
を備えていることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 前記第7の手順は、前記第6の手順で画質劣化が生じていないと判定されたとき実行されることを特徴とする請求項14記載のコンピュータプログラム。
- 前記第6の手順で、画像劣化が生じていると判定されたとき、前記画像劣化が制御パラメータの変更により制御可能か否かを判定する第8の手順を備えていることを特徴とする請求項14記載のコンピュータプログラム。
- 前記第8の手順で、画像劣化が制御パラメータの変更により制御不能であると判定されたとき、前記第7の手順で作成された状態履歴と、制御不能であると判定されたときの状態量、制御パラメータ及び画質特性の演算結果とから回復不能な画像劣化を生じている個所を特定する第9の手順をさらに備えていることを特徴とする請求項14ないし16のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
- 外部管理装置にロードされ、当該外部管理装置から画像形成装置で形成される画像の画質に関する制御を行うためのコンピュータプログラムにおいて、
前記画像形成装置から送信されてくる機内温度、機内湿度、現像器内のトナー濃度、像担持体上のトナー付着量、感光体上の画像部・非画像部の電位、及び転写バイアスの少なくとも1つを含む状態量、粒状性、鮮鋭性及び階調性の少なくとも1つを含む画像特性の演算結果、及び現像バイアス、帯電グリットバイアス、LDパワー及び現像スリーブ線速の少なくとも1つを含む制御パラメータを記憶する第1の手順と、
前記第1の手順で記憶された情報に基づいて前記画像形成装置の状態履歴を作成する第2の手順と、
を備えていることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 画質が前記制御パラメータの変更により回復することができない旨の情報を前記画像形成装置から受信したときに、前記状態量、前記演算結果及び前記制御パラメータと、前記作成された状態履歴とから画質異常が生じた個所を特定する第3の手順をさらに備えていることを特徴とする請求項18記載のコンピュータプログラム。
- 請求項14ないし19のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムが、コンピュータによって読み取られ、実行可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
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