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JP2005264108A - El蛍光体粒子の製造方法およびel蛍光体粉末 - Google Patents

El蛍光体粒子の製造方法およびel蛍光体粉末 Download PDF

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JP2005264108A
JP2005264108A JP2004082519A JP2004082519A JP2005264108A JP 2005264108 A JP2005264108 A JP 2005264108A JP 2004082519 A JP2004082519 A JP 2004082519A JP 2004082519 A JP2004082519 A JP 2004082519A JP 2005264108 A JP2005264108 A JP 2005264108A
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Shigeji Urabe
茂治 占部
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Abstract

【課題】高い輝度を有するエレクトロルミネッセンス蛍光体素子を形成できるエレクトロルミネッセンス蛍光体粉末を提供する。
【解決手段】水に不溶で、平均粒子サイズが3nm〜10μm微粒子の存在下で、水熱合成法により合成するエレクトロルミネッセンス蛍光体粒子の製造方法。および、多重双晶構造を有する硫化亜鉛蛍光体粒子からなるエレクトロルミネッセンス蛍光体粉末であって、平均粒子サイズが5nm〜20μmであり、粒子サイズ分布の変動係数が35%以下であるエレクトロルミネッセンス蛍光体粉末。
【選択図】なし

Description

本発明は、エレクトロルミネッセンス(EL)蛍光体粉末に関し、詳しくは、硫化亜鉛を母体とし発光の中心となる付活剤及び共付活剤を含有するEL蛍光体粉末、特に、高輝度で長寿命のEL蛍光体粉末に関する。
EL蛍光体は電圧励起型の蛍光体であり、蛍光体粉末を電極の間に挟んで発光素子とした分散型ELと薄膜型ELが知られている。分散型EL蛍光体の一般的な形状は、蛍光体粉末を高誘電率のバインダー中に分散したものを、少なくとも一方が透明な二枚の電極の間に挟み込んだ構造からなり、両電極間に交流電場を印加することにより発光する。EL蛍光体粉末を用いて作成された発光素子は数mm以下の厚さとすることが可能で、面発光体であり、発熱がなく発光効率が良いなど数多くの利点を有する為、道路標識、各種インテリアやエクステリア用の照明、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用の光源、大面積の広告用の照明光源等としての用途が期待されている。
EL蛍光体粉末としては、硫化亜鉛を母体として、銅等の付活剤(発光中心としての金属イオン)及び塩素等の共付活剤が添加されたものが広く知られている。しかし、この蛍光体粉末を用いて作成された発光素子は、他の原理に基づく発光素子に較べて発光輝度が低く、また発光寿命が短いという欠点があり、この為従来から種々の改良が試みられてきた。特許文献1には、高い輝度の発光をもたらす蛍光体粒子の構造として従来、面状の積層面欠陥を粒子全体に均一且つ高密度に有しており、その積層面欠陥の平均面間隔が0.2〜10nmであることを特徴とする硫化亜鉛蛍光体粒子が開示されている。該粒子では、硫化亜鉛母体結晶に、付活剤である銅イオンが積層面欠陥に偏在し、それが導電層を形成して、電圧が印加された時、高い効率で電子と正孔を放出することができ、それによって高い発光輝度を得ることができると記載されている。
一方、硫化亜鉛の単結晶を用いて、その発光機構と粒子構造の関係が詳細に研究され、特に印加される電場の方向と蛍光体粒子の構造の関係に関して、重要な結論が得られた、
即ち、印加された電場の方向と、硫化亜鉛蛍光体粒子の(111)面が、平行である場合、得られる発光輝度が最大であり、且つその発光はこの(111)面上に存在する転位線にそって起こることが示された。この知見から、硫化亜鉛粒子をEL発光体として用いる場合は、粒子に存在する双晶面及び/又は面欠陥を含むことが重要であることが示唆された。
分散型無機ELにおける蛍光体粒子を合成するには、例えば特許文献1にあるように原料の硫化亜鉛粒子をフラックスと呼ばれる無機塩と共に1300℃〜1000℃の非常に高い温度で第一焼成を行って粒子を成長させ、続いて500〜1000℃で第二焼成を行うことにより、発光効率の高いEL用の硫化亜鉛粒子を得る方法が主流であった。この製造法に関しては、例えば特許文献2、3に記載されている。
しかしながら、この焼成法では、高温の炉内で焼成を行う為、焼成を始めてから終えるまでに、系に物質を添加することが難しく、例えば粒子内部における付活剤もしくは共付活剤の濃度分布を粒子内で変化させるということは不可能である。ところが、液相中で硫化亜鉛粒子を合成する場合は、付活剤もしくは共付活剤を含む溶液を、粒子成長中に反応液中に、その量を制御して添加することによって、粒子内部における付活剤もしくは共付活剤の濃度分布を変化させることができ、焼成法では得られない構造の粒子を得ることができる。また粒子サイズ分布の制御において、核形成過程と成長過程を明確に分離することができ、かつ粒子成長中の過飽和度を自由に制御することにより、粒子サイズ分布を制御することが可能で、サイズ分布の狭い単分散な硫化亜鉛粒子を得ることが可能となる。液相にて無機ELの発光材料用の硫化亜鉛粒子を合成する方法に関しては、特許文献4に見られるように、水系でナノサイズの粒子を合成する方法、また、非特許文献1、2及び3に記載された水系で硫化亜鉛の結晶をサブミクロンサイズまで成長させた報告がある。非特許文献1では得られたサブミクロンの球形粒子は、ナノサイズの微結晶の凝集体粒子であり、また、非特許文献2においても粒子サイズがミクロンオーダーの球径粒子が得られているが、同様に粒子は小サイズ粒子の凝集体であって、双晶構造もない。また、非特許文献3では、得られたサブミクロン粒子に、双晶構造が僅かに見られてはいるが、双晶密度は非常に低いものであった。これまで液相で結晶成長させかつ、多重双晶構造がある粒子の合成を示す報告は開示されていない。
この様に液中で硫化亜鉛粒子を形成することによって、従来の焼成法ではできなかった、粒子サイズ及び粒子サイズ分布の制御、さらにはドーピングの制御によって粒子内の付活剤及び共付活剤のトポグラフィーを制御できるが、一方、液中での核形成及び粒子成長を制御する為には、粒子同志の凝集を防ぐことが非常に重要となる。一般的には、水中での粒子形成においては、この凝集を防ぐ為に、保護コロイドが使用される。保護コロイドとしては種々の物質が用いられるが、天然及び合成のポリマーがよく用いられる。このポリマーは粒子表面に吸着して、ある厚さのポリマー吸着層を形成し、ファンデルワールス力による凝集が起こる距離以内に粒子同士が近づくことを防ぎ、粒子同志の凝集を阻止する。また硫化亜鉛粒子は、水への溶解度が10−12mol/Lのオーダーと非常に低く、通常行われている水中での粒子形成の条件である100℃以下では、粒子成長速度が非常に低く、ナノサイズの粒子しか得られない。
特開平8−183954号公報(第3〜4頁、第1図) 特開平7−62342号公報 特開平6−330035号公報 特開2002−313568号公報 ファイン・パーティクルス・サーファクタント・サイエンス・シリーズ(FINE PARTICLES surfactant science series) volume 92 edited by Sugimoto, p.190−196 コロイズ・アンド・サーフェイス・A(Colloids and Surface A) vol.135 207−226 (1998) クリスタル・リサーチ・テクノロジー(Crystal Research Technology) vol.35 279−289 (2000)
本発明は、従来のEL蛍光体粉末における上記課題を解決し、サイズ分布が狭く、かつ従来の粒子に比べてより平均粒子サイズの小さいEL蛍光体粉末を提供し、それを用いることで発光素子として充分な高い輝度を有するEL蛍光体素子を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下の手段で実現される。
[1]水に不溶で、平均粒子サイズが3nm〜10μmの微粒子の存在下で、水熱合成法(Hydrothermal System)により合成することを特徴とするEL蛍光体粒子の製造方法。
[2]水を溶媒として、粒子成長における温度が100〜370℃で、硫黄イオンを含む水溶液と亜鉛イオンを含む水溶液を反応させることを特徴とする[1]項に記載のEL蛍光体粒子の製造方法。
[3]アミノ基又はカルボキシル基を有するキレート剤を用いた[1]又は[2]項に記載のEL蛍光体粒子の製造方法。
[4]前記微粒子が保護コロイドである[1]〜[3]のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体粒子の製造方法。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体粒子の製造方法を用いて製造され、5nm〜20μmの平均粒径をもつ硫化亜鉛蛍光体粒子からなることを特徴とするEL蛍光体粉末。
[6]前記硫化亜鉛蛍光体粒子が、付活剤として銅、マンガン、銀、金及び希土類元素から選択された少なくとも一種のイオンを含有する[5]項に記載のEL蛍光体粉末。
[7]前記硫化亜鉛蛍光体粒子が、共付活剤として塩素、臭素、ヨウ素、及びアルミニウムから選択された少なくとも一種のイオンを含有する[5]又は[6]項に記載のEL蛍光体粒子粉末。
[8]前記硫化亜鉛蛍光体粒子が、付活剤として銅イオンを含有し、共付活剤として塩素イオンを含有する[5]〜[7]のいずれか一項に記載のEL蛍光体粉末。
本発明の製造方法により製造された蛍光体粒子は、粒子サイズの分布が狭く、この粒子の集合体からなる蛍光体粉末を用いると、高い輝度を示すEL素子を得ることができる。
本発明において蛍光体粒子は、これまで当業界で広く用いられてきた焼成法(固相)による方法とは全く異なった、高い温度で溶媒に水を用いた系、即ち水熱合成法(Hydrothermal System)によって調製される。蛍光体粒子は、好ましくは硫化亜鉛(ZnS)蛍光体粒子である。
焼成法においては、例えば既述の特許文献1には、原料硫化亜鉛と付活剤ないし共付活剤となる金属化合物と金属塩化物フラックスを含む混合粉末を磁製るつぼに添加し、1200℃で6時間第一焼成し、平均径28μmの中間蛍光体を得る。この後、粒子に物理的衝撃を加えた後、700℃で6時間第二焼成し、続いて塩酸水溶液で表面エッチング処理をして、平均粒子サイズ21μmのEL用蛍光体粒子を得ることが開示されている。この様な焼成法においては、例えば塩化バリウムや塩化マグネシウム、塩化カリウム等のフラックスが高い温度で溶融し、硫化亜鉛の成長をもたらすが、フラックスの量は少なく硫化亜鉛粒子の表面を覆う程度であり、系は攪拌されていない為、フラックス液に粒子が分散されて、粒子が液中を自由に動いたり、或いは亜鉛イオン、硫黄イオンが自由にかつ均一に拡散する状況になく、粒子成長は専ら、凝集機構によってのみ進行し、またるつぼ内にはフラックス液の対流も起こらない為、るつぼ内に温度分布が生ずることは避けられない。
特に工業的に焼成を行う場合、ルツボのサイズを大きくする必要があり、その場合ルツボの表面に近い部分と内部の部分では、前者の方が高い温度になることは避けられない。かくして焼成法においては、粒子成長が均一に行われないことは先見的に明らかである。従来から行われて来た焼成法の欠点を解決するのが本発明で開示した水熱合成系での硫化亜鉛粒子形成法である。本発明の水熱合成系では、粒子は、よく攪拌された水溶媒に分散されており、かつ粒子成長を起こす亜鉛イオン及び/又は硫黄イオンは、反応容器外から、水溶液で制御された流量で、決められた時間で添加される。従って、この系では粒子は水溶媒中で自由に動くことができ、かつ添加されたイオンは水中を拡散して粒子成長を均一に起こすことができ、また反応容器中の液の温度は均一である。
本発明の製造方法における系は下記の二つに大別される。
1.閉じた系
亜鉛イオン水溶液及び硫黄イオン水溶液を全量添加した後、系を閉じてそのままオスオワルド熟成をする。その際、反応イオン溶液の添加の方法は、どちらかの溶液に、もう一方の溶液を添加するか、一定量の水の中に両者の溶液を添加するかどちらでも良い。この際、銅イオンの様な付活剤、或いは塩素イオンの様な共付活剤を同時に添加することもできる。オストワルド熟成の時間は好ましくは100時間以内、より好ましくは12時間以内で10分以上である。オストワルド熟成が行われる温度は、好ましくは150〜370℃であり、より好ましくは200〜370℃である。
2.開いた系
粒子を構成する亜鉛イオンと硫黄イオンは、水溶液として連続的に添加される、その際付活剤、共付活剤も同時に添加することができる。添加のパターンは種々可能である。例えば、核形成と成長の工程は分けて、それぞれの最適の過飽和度を実現すべくそれぞれのイオン溶液の添加速度を決めることが好ましく、亜鉛イオン或いは硫黄イオン溶液を一定流量で添加してもよいし、間欠的に添加してもよく、また段階的に或いは連続的に添加流量を増加させたり、或いは段階的或いは連続的に添加流量を減少させたりすることもできる。これらは付活剤及び共付活剤の添加に関しても同様である。核形成及び粒子成長の温度は、好ましくは100℃〜370℃、より好ましくは200℃〜350℃であり、粒子調製にかける時間は好ましくは100時間以内、より好ましくは12時間以内で5分以上である。核形成過程と成長過程の間に、オストワルド熟成工程を入れることが粒子サイズの調節及び、多重双晶構造の実現の為に好ましい。このオストワルド熟成は、好ましくは温度が100℃〜370℃、より好ましくは200℃〜350℃で行われ、また熟成時間は、5分から50時間が好ましく、より好ましくは、20分から10時間である。
硫化亜鉛結晶は、水における溶解度が非常に低く、室温における溶解度は10−12mol/Lのオーダーであることが知られており、これは水溶液中でイオン反応で粒子を成長させることにおいて非常に不利な性質である。この問題を解決する為、本発明では硫化亜鉛粒子調製を高い温度で行う。硫化亜鉛結晶の水での溶解度は、温度を高くすればする程、上昇し、例えば300℃では10−8mol/Lのオーダーに上昇するが、375℃以上では水は超臨界状態となって、イオンの溶解度は激減する。従って本発明での粒子調製温度は、100℃以上375℃以下が好ましく、200℃以上350℃以下がさらに好ましい。
本発明においては、水熱合成法における、水中での硫化亜鉛の核形成工程、粒子成長工程或いはオストワルド熟成工程の少なくとも1つの工程において、水に不溶で、平均粒子サイズが3nm〜10μm微粒子の存在させる。ここで本発明における水に不溶とは、25℃において純水への溶解度が10−4M以下であることである。該微粒子を存在させることにより、硫化亜鉛粒子同士の凝集を防ぎ、粒子サイズ、粒子サイズ分布及びドーパンドのトポグラフィーを制御することを可能ならしめる。この様な機能は、一般に保護コロイド作用と言われており、本発明においても、該微粒子を“保護コロイド微粒子”と呼ぶ。保護コロイド微粒子は、硫化亜鉛粒子表面に吸着するか、溶媒である水中に存在して硫化亜鉛粒子同士が接近を妨げることによって硫化亜鉛粒子同士の凝集を防ぐ。本発明で用いられる保護コロイド微粒子の平均粒子サイズは、3nm〜10μmであり、好ましくは10nm〜5μmであり、より好ましくは50nm〜1μmである。保護コロイド微粒子の粒子サイズ分布は、変動係数(粒子サイズ分布の標準偏差÷平均粒子サイズ×100%)で50%以下、好ましくは30%以下より好ましくは20%以下である。本発明で用いられる微粒子を構成する元素としては、例えば、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、銀、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、タングステン、タンタル等が挙げられる。これらの元素の単体、酸化物、窒化物、或いは炭化物の微粒子が好ましく用いられ、シリカ、アルミナがさらに好ましい。また微粒子を構成する元素は、単独でもいいし、二つ以上から構成されていても良い。本発明の保護コロイド微粒子は、粒子形成の初めから存在させてもよいし、粒子形成の途中で添加しても良いし、また粒子形成が終了してから添加しても良い。
本発明において、水熱合成法で得られた硫化亜鉛粒子分散液は、デカンテーションすることで、生成した塩(硝酸ナトリウム等)と共に、過剰の保護コロイドを除去することができ、得られた硫化亜鉛粒子のスラリーを乾燥することによって硫化亜鉛粒子粉末を得ることができる。
保護コロイド微粒子の中には、高温の水の中でそれ自身が凝集し易い場合がある。硫化亜鉛粒子形成中に保護コロイド微粒子が凝集してしまっては、最早硫化亜鉛粒子の凝集を防ぐことができなくなる。この様な場合は、保護コロイド微粒子を粒子形成途中又は、粒子形成後或いは、粒子形成終了後に系の温度を降下させる時点で添加することが望ましい。粒子形成終了後に温度降下の途中で保護コロイド微粒子を添加する時の温度は、250〜100℃が好ましく、より好ましくは250〜150℃である。
硫化亜鉛の水での溶解度を増加させる他の方法として、本発明ではキレート剤を用いることが好ましい。Znイオンのキレート剤としては、アミノ基、カルボキシル基を有するものが好ましく、例えば、エチレンジアミン四酢酸(以下EDTAと表す)、N,2−ヒドロオキシエチルエチレンジアミン三酢酸(以下EDTA−OHと表す)、ジエチレントリアミン五酢酸、2−アミノエチルエチレングリコール四酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、2−ヒドロキシエチルグリシン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリアミノトリエチルアミン、アリルアミン、エタノールアミン等があげられる。
本発明に用いられる装置は種々考えられるが、高温で硫化亜鉛粒子調製が行われる為、耐圧構造であることが好ましい。また反応容器を高温にする為には、発熱体とその制御装置が必要である。さらに高圧下で反応溶液を添加する為には、耐圧性の精密ポンプを使用することが好ましい。EL用の硫化亜鉛粒子を形成をする際、不純物となる金属イオンは非常に有害で、特に鉄、ニッケル、コバルトは避ける必要がある。この為、粒子調製に用いられる容器、添加パイプ、攪拌機、その他の接液する部品は、これらの金属の含量が少ないかあるいは全くない材質を用いることが好ましい。これらの本発明に好ましい材質としては、チタン、テフロン(商品名)、ハステロイ(商品名)等が挙げられる。本発明の粒子調製装置には、攪拌機構が具備されることが好ましい。攪拌装置に関しては、特公昭55−10545号公報及び特公昭49−48964号公報を参考にすることができる。また別の粒子調製法として、あらかじめ調製した微粒子を反応容器に添加して、容器内でオストワルド熟成を起こさせることによって粒子を成長させることが好ましい。さらに、微粒子を反応容器に添加する直前に調製してそれを連続的に反応容器に添加することも好ましい方法である。これに関しては、特公平7−23218号公報及び特開平10−43570号公報を参考にすることができる。
反応容器内での、反応液の濃度に関しては生成した硫化亜鉛の濃度として、1mM以上5M以下が好ましく、5mM以上3M以下がさらに好ましい。
本発明の硫化亜鉛粒子は、水熱合成系を用い且つ水不溶性の微粒子を保護コロイドとして硫化亜鉛形成中及び/または形成後に存在させることによって調製が可能となった、サイズ分布が狭く、かつ従来の粒子に比べてより平均粒子サイズの小さいEL用硫化亜鉛粒子である。本発明においては、粒子サイズ分布は、変動係数(COV:Coefficient of Variation)で表す。
変動係数=(サイズの標準偏差/平均粒子サイズ)×100
本発明の硫化亜鉛蛍光体粒子の変動係数は、好ましくは35%以下、さらに好ましくは20%以下、より好ましくは、15%以下である。本発明の蛍光体粒子の平均粒子サイズは好ましくは5nm〜20μmであり、より好ましくは10nm〜10μmである。本発明において、個々の粒子サイズは、体積を球換算してその直径で表す。粒子サイズは、その個々の粒子の写真をとって測定してもよいし、光学的にその分布を測定してもよいし、沈降速度から分布を割り出してもよい。
本発明によって得られた硫化亜鉛粒子は、好ましくは一つの粒子に3枚以上の双晶面を含む粒子数が全体の粒子数の30%以上であり、さらに好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上である。双晶面を検出するには、得られた硫化亜鉛粒子をそのまま直接透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope,以下TEMと称する)で観察する。電子顕微鏡観察における加速電圧は高い方がより鮮明な像が得られて、双晶面の確認が容易となる。加速電圧は、200KV以上が好ましく、より好ましは400KV以上である。硫化亜鉛粒子のサイズがより大きくなると、そのままではTEM像が得られにくくなるので、フィロソフィカル・マガジン・A(Pilosophical Magazine A.) vol.62, No.4, 387−394, 1990に示される様に、硫化亜鉛蛍光体粒子をアルコール中でめのうの乳鉢ですり潰した後、そのTEM像を得ることで双晶面の数、その密度を観察することができる。
本発明の硫化亜鉛粒子を効率の良い蛍光発光体(光励起蛍光体:Photoluminescence、電場励起蛍光体:Electroluminescence)にし、さらにはその発光波長の制御をする為には、付活剤及び/又は共付活剤を粒子内にドーピングすることが必要である。発光中心となる付活剤は、付活剤として蛍光体に一般に使用されているものであれば良く、例えば、銅、マンガン、銀、金及び希土類元素等の各種の金属イオンが好ましく用いられる。具体的には、これらの元素の酢酸塩、硫酸塩等が好ましく用いられる。これらは単独でも、複数を組み合わせて用いてもよい。蛍光発光の波長(色)は付活剤の種類に依存しており、例えば、青緑色(銅)、オレンジ色(マンガン)、青色(銀)等の蛍光が得られる。付活剤の好ましい濃度は付活剤の種類によるが、例えば、銅付活剤の場合は最終製品の母体の硫化亜鉛に対して銅濃度で0.01〜0.1wt%の範囲であればよい。付活剤を硫化亜鉛粒子中にドープするに為には、ドープ物質の錯体を形成して、粒子調製中あるいはその前後に添加することが好ましい。その際、ドープ物質の錯体の溶解度が、硫化亜鉛粒子の溶解度に近いことが好ましい。これに関しては、特開2002−338961号公報を参照することができる。
共付活剤としては、ハライド化合物の溶液を添加することにより、硫化亜鉛粒子内にドープされる。特に塩化物を用いることが好ましい。化合物としては、食塩、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。
付活剤、共付活剤の硫化亜鉛粒子内ドーピングに関しては、いったん水熱系で硫化亜鉛粒子を調製した後、それを乾燥し粉末にして、その粉末に付活剤、及びまたは共付活剤を添加して、焼成することによってドーピングすることができる。その際焼成温度は300から1200℃が好ましく、より好ましくは400〜1000℃であり、焼成時間は、30分〜10時間が好ましく、より好ましくは1〜7時間である。この焼成の際、フラックスを添加することもできる。フラックスとしては食塩、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。
このように得られた付活剤、共付活剤がドープされた硫化亜鉛蛍光体は、水洗、乾燥した後、塩酸、青酸カリウム溶液で洗條した後、乾燥してEL蛍光体粉末を得る。この蛍光体を有機バインダー中に分散し、塗布してEL発光層が形成される。この発光層を、背面電極上の反射絶縁層と透明電極との間に配置した電界発光素子を外皮フィルムで密封封止すると、電界発光灯(EL発光素子)が完成する。両電極の間に電圧を印加すると、両電極に形成される高い電界によって、発光層の蛍光体が発光する。
蛍光体粒子が高い電場におかれると、粒子内の付活剤、たとえば銅イオンが局在する電動層に電場が集中し、そこで非常に高い電場が生じ、この電動層から電子と正孔が発生し、それらが付活剤、共付活剤を介して、再結合することによって発光する。EL蛍光体粒子においてはこの電子発生を効率良く行うことが非常に大切である。付活剤である銅イオン、共付活剤である塩素イオンは、粒子内に存在する欠陥、特に面欠陥である双晶面に局在しやすいと考えられている。本発明の硫化亜鉛粒子は、多重双晶構造を有する為、これらの付活剤、共付活剤の局在を容易に起こすことができ、効率の高い発光をもたらすと考えられる。さらに本発明によれば、粒子サイズ分布の均一性、さらに粒子構造の粒子間のばらつきが少ない為、さらに高い発光効率をもたらすことができる。
蛍光発光体としての硫化亜鉛粒子においては、面欠陥即ち双晶面が高い密度で存在していることが観察され、その重要性が論じられて来た。それに関しては、フィロソフィカル・マガジン・A(Philosophical Magazine A), vol.62, No.4, 387−394, 1990及びフィロソフィカル・マガジン・B(Philosophical Magazine B), vol.81, No.3, 279−297, 2001を参照することができる。
上記文献において、硫化亜鉛蛍光体粒子内部には非常に高密度に存在する、平行な多数の双晶面がTEM写真で明示されている。硫化亜鉛結晶は、立方晶(zincblend)と六方晶(wurtzite)の二種があり、双晶面は、この立方体型と六方型が互いに入り混じることにより形成されることが上記フィロソフィカル・マガジン・A(Philosophical Magazine A), vol.62, No.4, 387−394, 1990において、図2、3、7、9、10に図示されている。さらにEL発光効率が、この双晶面密度によって強く影響を受け、双晶面密度が高くかつ全ての粒子に双晶面が高密度に存在することが必要であることがフィロソフィカル・マガジン・B(Philosophical Magazine B), vol.81, No.3, 279−297, 2001の図1〜4、表1、から理解される。さらに同文献で、Fig.7に示されている、個々の粒子の発光状態の写真は、非常に重要な事実を提示している。即ち、焼成法で調製されたEL用硫化亜鉛粒子は、その粒子サイズの分布が広く、かつ発光効率の粒子間のばらつきが非常の大きいことである。特に粒子サイズの小さい粒子は発光にあまり寄与していないことが観察され、また大きなサイズの粒子間にもよく発光する粒子とそうでない粒子があることも認められる。ここに硫化亜鉛粒子の均一性が改善されるべきであることが明確に認識されるであろう。
硫化亜鉛粒子のEL発光の機構に関しては、単結晶を用いたフィジカル・レビュー(Physical Review) vol.125, No.1, 149−158, 1962に研究されている。
本文献で得られた、Cuをドープした硫化亜鉛単結晶のEL発光機構に関する知見は下記の通りである。
1.EL発光は、立方晶が主体でそれに六方晶が混じった場合が効率が良い。
2.EL発光は立方晶の(111)面である六方晶の面に限定される。
3.発光は、この(111)面上で線状に起こる。
この結果は、発光における双晶面の重要性を示唆する。即ち、双晶面である立方晶/六方晶界面において硫化亜鉛のEL発光現象が起こることを意味する。この双晶面は、立方晶或いは六方晶中の正規な面に比べて、より広い格子点空間を有し、そこにドーパントが優先的に分布し、有効な電子、正孔の発生、及び発光の為の線状のサイトを提供するであろう。多重双晶面がEL発光に必要である原因はここにある。
かくして、より高いEL効率をもった硫化亜鉛粒子を調製するには、下記を達成することが必要となる。
1.全ての粒子が均一に多重双晶構造を有する。
2.粒子サイズ分布が狭い。
これまで行われてきた焼成法では、上記は達成できていないことはこれまで述べた通りである。本発明の水熱合成法によって、より均一性の高い硫化亜鉛粒子集団が得られ、より高いEL発光性能が達成される。
かくして、粒子の均一性、特に粒子サイズ分布を狭くすることは、効率の良いEL発光素子を形成する為の最も重要な因子となる。EL発光素子の構造については、フィロソフィカル・マガジン・B(Philosophical Magazine B), vol.81, No.3, 279−297, 2001の図5の(a)にSeikosha EL sheetの断面写真が示されている。この発光シートにの構造は、透明の支持体ポリマーフィルムの隣に、蛍光体粒子を分散した層があり、そこでは最大の粒子の粒子サイズは40μmにもなる。この二つの層の間には、酸化インジウム(In)の薄い層があり、透明電極として機能する。さらにそれに隣接してチタン酸バリウム粒子(BiTiO、粒子サイズ:0.5〜2μm)がポリマーに分散された層があって、この粒子は非常に高い誘電率(ε=1000〜2000)を持っているので、素子にかけられた電場を蛍光体層に有効に振り向けることができる。さらにそれに隣接するバック層には、カーボングラフアイトが分散された導電層が儲けられている。ある電場をこの素子に加えた場合、蛍光体層の厚さが薄ければ薄い程、高い電場が蛍光体層、即ち蛍光体粒子にかかり、より有効にEL発光を起こすことができるが、一方高い電圧がかかると蛍光体層の厚さが薄い部分により高い電圧がかかり、そこで短絡が起こって素子が破壊することになる。特にここで引用した断面写真では、蛍光体粒子の分布が大きくて、大きな粒子は、隣の層まではみ出した状態になっていることが観察される。この様な状態では、蛍光体層を薄くすることは不可能であることが容易に認識される。即ち、蛍光体層とそれに隣接する誘電体層の界面は、滑らかで平面が厳密に保たれていることが非常に重要である。従来用いられて来た、平均粒子サイズ20〜30μmでかつその粒子サイズ分布が非常に広い粒子の替わりに、本発明の粒子サイズ分布が狭い蛍光体粒子を用いれば、この様な事態は防ぐことができ、またその際、平均粒子サイズがより小さくすれば、より薄い蛍光体層を設けることが可能となる。つまり蛍光体粒子の粒子サイズ分布及び平均粒子サイズは、より高い発光効率をもつEL素子を作る際に非常に重要な因子となることが明白に理解されるであろう。
次に、実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣意を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
実施例1
本実施例で使用した水熱合成用の装置の概要を図1に示す。図1において、装置は加熱ヒーター3を具備した耐圧容器1と耐圧蓋2からなり、20MPの圧力に耐えられるよう設計されている。耐圧容器の内部には試料を保持する試料容器4があり、該容器内の試料液は、攪拌装置5によって攪拌される。ヒーター3は、試料容器4の周りを螺旋状に取り巻いている。添加液は、30MP耐圧性を有する耐圧精密ポンプ7によって、導入管6を通して、試料液中に添加される。硫化亜鉛蛍光体は、微量の鉄が混入すると発光輝度が著しく低下するので、試料溶液に接する部品は、全てチタン製となっている。
図1に示した装置を用い、容量1リットルのチタン製の試料容器4に、0.005Mの硫化ナトリウム水溶液400ccを添加し、耐圧容器1中で300℃に加熱した。30.09Mの硝酸亜鉛溶液300ccと0.09Mの硫化ナトリウム溶液300ccを、チタン製の試料容器4に耐圧精密ポンプ7を用いて、120分かけて同じ速度(2.5cc/min)で添加した。この時、試料容器4の内圧は8.7MPaであった。添加開始後30分で、平均粒子サイズが8nmの30重量%のシリカゾル(酸化ケイ素粒子の分散物)10ccを、耐圧ポンプ7を用いて60秒かけて添加した。硝酸亜鉛溶液及び硫化ナトリウム溶液添加終了後、10分後に耐圧容器1の冷却を始めて、60分かけて室温にもどした。得られた硫化亜鉛粒子分散液を、デカンテーションすることで、生成した塩(硝酸ナトリウム)、過剰の硫化ナトリウム及びシリカゾルを除去し、得られた硫化亜鉛粒子のスラリーを120℃で乾燥することによって硫化亜鉛粒子粉末を得た。得られた粒子の30%以上は、3枚以上の双晶面を有していた。硫化亜鉛粒子は、SEM(二次電子顕微鏡)で撮影し、200個の粒子について、平均粒子サイズ、粒子サイズ分布、及び凝集粒子の全体に占める個数での割合(%)を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
シリカゾル10ccを硝酸亜鉛溶液及び硫化ナトリウム溶液の添加を始めて30分で添加する代わりに、90分で添加した以外は実施例1と同様に硫化亜鉛粒子粉末を得た。硫化亜鉛粒子は、実施例1と同様に平均粒子サイズ、粒子サイズ分布、及び凝集粒子の全体に占める個数での割合(%)を測定した。結果を表1に示す。
実施例3
シリカゾル10ccを硝酸亜鉛溶液及び硫化ナトリウム溶液の添加を始めて30分で添加する代わりに、122分で添加した以外は実施例1と同様に硫化亜鉛粒子粉末を得た。硫化亜鉛粒子は、実施例1と同様に平均粒子サイズ、粒子サイズ分布、及び凝集粒子の全体に占める個数での割合(%)を測定した。結果を表1に示す。
実施例4
シリカゾル10ccを、硝酸亜鉛溶液及び硫化ナトリウム溶液の添加を始めて30分で添加する代わりに、温度降下中200℃になった所で、60秒かけて添加した以外は実施例1と同様に硫化亜鉛粒子粉末を得た。硫化亜鉛粒子は、実施例1と同様に平均粒子サイズ、粒子サイズ分布、及び凝集粒子の全体に占める個数での割合(%)を測定した。結果を表1に示す。
実施例5
シリカゾル10ccを、硝酸亜鉛溶液及び硫化ナトリウム溶液の添加を始めて30分で添加する代わりに、温度降下中150℃になった所で、60秒かけて添加した以外は実施例1と同様に硫化亜鉛粒子粉末を得た。硫化亜鉛粒子は、実施例1と同様に平均粒子サイズ、粒子サイズ分布、及び凝集粒子の全体に占める個数での割合(%)を測定した。結果を表1に示す。
比較例
シリカゾルを全く添加しない以外は実施例1と同様に硫化亜鉛粒子粉末を得た。得られた粒子の30%以上は、3枚以上の双晶面を有していた。硫化亜鉛粒子は、実施例1と同様に平均粒子サイズ、粒子サイズ分布、及び凝集粒子の全体に占める個数での割合(%)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005264108
比較例では、粒子サイズ分布が55%と広く、凝集粒子の全体に占める個数での割合も45%と高かったのに対し、実施例ではいずれも、粒子サイズ分布が30%以下と狭く、凝集粒子の全体に占める個数での割合も20%以下と小さい蛍光体粉末を得ることができた。
実施例6
実施例1〜5及び比較例で得られた硫化亜鉛蛍光体粒子を用いて、下記の手順に従ってEL素子を調製した。なお、本発明の蛍光体粉末を用いることができるEL素子は、以下の記載の構成に制限されるものではない。
第二次焼成
蛍光体粉末に0.1モルのCuSO・5HOと1.3モルのZnClを添加し、700℃で、6時間焼成した。冷却後、粉末は水洗し、さらに酸溶液及びKCN溶液で処理して、蛍光体表面に生成した、酸化亜鉛及び亜鉛を除去する。これによってZnS;Cu、Cl型のEL蛍光体粒子が完成した。
EL素子の作成
なお、本実施例のEL素子作成における各塗布液の粘度は、粘度計(VISCONIC ELD.R及び VISCOMETER CONTROLLER E−200 ローターNo.71、東京計器(株)製)を用い、撹拌(回転数:20rpm)下、16℃液温において測定した。
結合剤としてシアノレジン(信越化学社製;CR−S)、結合剤を溶解する溶媒としてDMFを準備する。下記組成物をDMF有機溶媒中に添加し、プロペラミキサー(回転数3000rpm)で分散させ、16℃における粘度が0.5Pa・sであるEL蛍光体粒子含有塗布液を調製した。
・EL蛍光体(ZnS:Cu,Cl) ・・・・100重量部
・シアノレジン ・・・・・25重量部
次に、支持体としてITO透明電極がスパッタリングされているポリエチレンテレフタレート(厚み100μm)上に、スライドコーターを用いてEL蛍光体粒子含有塗布液を乾燥塗膜の目標膜厚が20μmになるように塗布した。塗布後、120℃で乾燥して、EL蛍光体層がITO上に形成されたシート状積層体を得た。
上記により得られたシート状積層体に、誘電体層、背面電極層を形成した。誘電体微粒子として、チタン酸バリウムBT−8(キャボットスペシャリティケミカルズ製:平均粒子サイズ120nm)、結合剤としてシアノレジン(信越化学社製;CR−S)、結合剤を溶解する溶媒としてDMFを準備する。下記組成物をDMF有機溶媒中に添加し、プロペラミキサー(回転数3000rpm)で分散させ、25℃における粘度が0.5Pa・sである誘電体微粒子含有塗布液を調製した。
・BT−8 ・・・・・90重量部
・シアノレジン ・・・・・30重量部
前記シート状積層体を、前述のスライドコーターを配置した塗布装置に再度配置し、発光層の塗布と同様の方法で誘電体微粒子含有塗布液を、塗膜の乾燥膜厚が10μmになるように、塗布、乾燥して、ITO上にEL蛍光体層と誘電体層を積層したシート状積層体を得た。
上記により得られたシート状積層体の上に、背面電極として30μm厚のアルミ箔を貼り合わせ、透明電極と背面電極に電圧を供給するためのリード線を付設した後、全体を封止フィルムで封止してEL素子を得た。
実施例1〜5による蛍光体からなるEL素子と、比較例による蛍光体からなるEL素子を比較すると、本発明による実施例1〜5によるEL素子がより高い輝度を示した。
実施例で使用した水熱合成用装置の概要説明図である。
符号の説明
1 耐圧容器
2 耐圧蓋
3 ヒーター
4 試料容器
5 攪拌装置
6 導入管
7 耐圧精密ポンプ

Claims (8)

  1. 水に不溶で、平均粒子サイズが3nm〜10μmの微粒子の存在下で、水熱合成法により合成することを特徴とするエレクトロルミネッセンス蛍光体粒子の製造方法。
  2. 水を溶媒として、粒子成長における温度が100〜370℃で、硫黄イオンを含む水溶液と亜鉛イオンを含む水溶液を反応させることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体粒子の製造方法。
  3. アミノ基又はカルボキシル基を有するキレート剤を用いた請求項1又は2に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体粒子の製造方法。
  4. 前記微粒子が保護コロイドである請求項1〜3のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体粒子の製造方法を用いて製造され、5nm〜20μmの平均粒径をもつ硫化亜鉛蛍光体粒子からなることを特徴とするエレクトロルミネッセンス蛍光体粉末。
  6. 前記硫化亜鉛蛍光体粒子が、付活剤として銅、マンガン、銀、金及び希土類元素から選択された少なくとも一種のイオンを含有する請求項5に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体粉末。
  7. 前記硫化亜鉛蛍光体粒子が、共付活剤として塩素、臭素、ヨウ素、及びアルミニウムから選択された少なくとも一種のイオンを含有する請求項5又は6に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体粉末。
  8. 前記硫化亜鉛蛍光体粒子が、付活剤として銅イオンを含有し、共付活剤として塩素イオンを含有する請求項5〜7のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス蛍光体粉末。
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