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JP2005264079A - 水性分散型粘着剤組成物 - Google Patents

水性分散型粘着剤組成物 Download PDF

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JP2005264079A JP2004081501A JP2004081501A JP2005264079A JP 2005264079 A JP2005264079 A JP 2005264079A JP 2004081501 A JP2004081501 A JP 2004081501A JP 2004081501 A JP2004081501 A JP 2004081501A JP 2005264079 A JP2005264079 A JP 2005264079A
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恵子 安藤
Satoshi Tazaki
智 田▲崎▼
Norinobu Yamamoto
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Abstract

【課題】 凝集力等および粘着力等の両物性を十分に持ち合わせた粘着剤層を、より一層短時間で得させることのできる、水性分散型粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の組成物は、アルキル基の炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位(a)50〜99.9重量%、カルボキシル基を持つ不飽和単量体に由来する構成単位(b)0.1〜5重量%、および、その他の共重合可能な不飽和単量体に由来する構成単位(c)0〜49.9重量%からなる共重合体と、オキサゾリン基を有する水溶性架橋剤と、を必須の構成成分としてなる水性分散型の粘着剤組成物であり、該組成物を乾燥して得られた粘着剤層を有する粘着シートのポリプロピレン板に対する粘着力が8.0N/25mm以上である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性分散型の粘着剤組成物に関する。詳しくは、乾燥等により水分を除去することで粘着剤層を得させる、水性分散型の粘着剤組成物に関する。
従来から、水性分散型樹脂を主成分とする粘着剤組成物が、粘着テープ、粘着シートおよびラベル等の粘着剤層を有する製品を得るために用いられている。この水性分散型樹脂を主成分とする粘着剤組成物は、有機溶剤溶液型樹脂を主成分とする粘着剤組成物に比べ、コスト面や環境面において優れている反面、十分な凝集力および耐水性を発現し得る粘着剤層を得難いため、その使途が極めて限定されてしまう、という問題があった。また、凝集力等を高めるためには、一般に、見かけの分子量を大きくすればよいことが知られており、具体的には、樹脂(重合体)内部を架橋すること等が考えられるが、このようにして凝集力等を向上させると、一方では粘着力やタックが低下することになり、得られる粘着剤層は実用性に欠けるものとなる、という問題があった。
上述のような問題に対し、本発明者は、互いに異なる特定組成の2種の重合体(乳化重合により得られた重合体粒子)を含む水性分散型の粘着剤組成物であれば、凝集力等が飛躍的に改善され、かつ、粘着力等も保持し得ると言う、従来相反する関係にあったはずの両物性を十分に持ち合わせた、優れた粘着剤層を得させることができることを見出した(例えば、特許文献1参照。)。詳しくは、上記特定組成の2種の重合体として、カルボキシル基を有する重合体(I)とオキサゾリン基を有する重合体(II)とを用い、これら2種の重合体を特定の配合割合で含んでなる水性分散型の粘着剤組成物である。この技術では、粘着性を発揮させ得る重合体(I)同士が、重合体(II)によって凝集させられ、全体として凝集力等に優れた粘着剤層が得られることとなるが、これは重合体(I)の有するカルボキシル基と重合体(II)の有するオキサゾリン基との結合反応により、重合体(I)同士の間で重合体(II)を介した架橋的構造が形成され、見かけの分子量が高くなっていることに起因する。しかも、重合体(I)自身は、その内部に架橋構造が形成されるわけではないため、重合体(I)に起因する粘着性は十分に保持し得ることとなる。
特公平7−68499号公報
しかしながら、上記特定組成の2種の重合体を含む水性分散型の組成物を用いて粘着剤層を得る場合、前述した架橋的構造の形成速度が遅く、乾燥後において十分に長い時間置いてからでないと、製品として加工等できなかったり使用できなかったりするという問題があった。例えば、粘着テープの製造過程においては、フィルム状の基材に上記粘着剤組成物を塗布して乾燥し、ロールに巻き取った後に、該ロールの両端の部分を切断したり、該ロールを所定の幅に切断したりする際に、粘着剤層の凝集力が十分でないと(架橋的構造が十分に形成されていないと)、切断面から粘着剤層がはみ出してしまい、該切断面に広がって製品品質を低下させるという問題や、カッターに付着して再度切断する前にクリーニングする必要が生じコストアップにつながるという問題などがあった。
よって、乾燥後に架橋的構造の形成に長時間要することから、生産性に劣るということは言うまでも無く、上記粘着テープにおける問題に見るように、製品品質を低下させ、経済性にも劣ることとなっていた。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、凝集力等および粘着力等の両物性を十分に持ち合わせた粘着剤層を、より一層短時間で得させることのできる、水性分散型粘着剤組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その過程において、水性分散型粘着剤組成物を用いて、前記架橋的構造を形成させ粘着剤層を得るに際しては、粒子状の重合体(I)同士を互いの表面で架橋させるために、架橋剤的な働きする物質は、やはり、重合体(I)同士の間にできるだけ均一かつ効率的に介在し得る必要があると考えた。そして、前記従来の水性分散型粘着剤組成物においては、架橋剤的な働きする物質は、重合体(I)と同様に粒子状の重合体(II)であったため、上述のように、均一かつ効率的には介在し難く、そのため、乾燥後の架橋的構造の形成に長時間要することとなっているのではないか、ということに気付いた。
また、重合体(II)が架橋剤的な働きをし得るためには、該重合体の粒子表面にオキサゾリン基を有している必要があるが、重合体(II)の調製過程において選択的にオキサゾリン基を粒子表面に存在させることは容易ではなく、粒子表面のオキサゾリン基の量は実際には設定量よりも少なくなっている場合があり、これが要因となって前記同様に長時間要することとなっているとも考えられる。
さらに、カルボキシル基とオキサゾリン基との結合反応の見かけの速度は、一般の反応と同様、両官能基が近接する単位時間当たりの確率に依存するが、粒子状という重合体(II)の物理的構造が要因となり、上記確率がある範囲で制限され見かけの反応速度が十分に高くならず、前記同様に長時間要することとなっているとも考えられる。
そこで、本発明者は、前記従来の組成物において、粒子状(すなわち非水溶性)の重合体(II)を架橋剤として用いるのではなく、水溶性の架橋剤を用いるようにすれば、上述した均一かつ効率的な介在を容易に行わせることができ、設定量のオキサゾリン基を効率的に反応させることができるため、前述した課題を一挙に解決できることを見出し、それを確認して本発明を確認した。また、得られる粘着剤層が、十分な粘着性を有する材料として実用性のあるものであるためには、所定の条件で測定した粘着力の値が特定範囲を満たす必要がある。
したがって、本発明にかかる水性分散型粘着剤組成物は、アルキル基の炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位(a)50〜99.9重量%、カルボキシル基を持つ不飽和単量体に由来する構成単位(b)0.1〜5重量%、および、その他の共重合可能な不飽和単量体に由来する構成単位(c)0〜49.9重量%からなる(ただし、前記(a)、(b)、(c)の合計は100重量%である。)共重合体と、オキサゾリン基を有する水溶性架橋剤と、を必須の構成成分としてなる水性分散型の粘着剤組成物であり、該組成物を乾燥して得られた厚み30μmの粘着剤層を有する25mm幅の粘着シートを、23℃、65%RHの雰囲気下で、前記粘着剤層が下になるようにポリプロピレン板の上に重ね、その上から2kgのローラーで1往復させることで前記粘着シートを圧着させ、該圧着から24時間経過後に前記粘着シートの一端を180°方向に300mm/分の速度で引っ張って、前記粘着シートを前記ポリプロピレン板から剥離させるときに要する力を前記粘着シートの粘着力としたときに、該粘着力が8.0N以上である。
本発明によれば、凝集力等および粘着力等の両物性を十分に持ち合わせた粘着剤層を、より一層短時間で得させることが容易にできる、すなわち、上記粘着剤層を得る際の、カルボキシル基とオキサゾリン基との結合反応の見かけの反応速度をより一層高くし、架橋的構造の形成をより一層短時間で完了させることが容易にできる、水性分散型粘着剤組成物を提供することができる。
以下、本発明にかかる水性分散型粘着剤組成物について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本発明にかかる水性分散型粘着剤組成物(以下、本発明の組成物と称することがある。)は、前述したように、アルキル基の炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位(a)、カルボキシル基を持つ不飽和単量体に由来する構成単位(b)、および、その他の共重合可能な不飽和単量体に由来する構成単位(c)がそれぞれ所定の割合で含有されてなる共重合体(以下、共重合体(A))と、オキサゾリン基を有する水溶性架橋剤(以下、水溶性架橋剤(B))と、を必須の構成成分としてなる水性分散型の組成物である。
本発明の組成物は、乾燥させる(水分を除去する)ことによって粘着剤層(粘着性を有する材料)を得させることができる。なお、本明細書においては、特に言及しない限り、粘着剤組成物とは乾燥等する前のものを言い、該組成物を塗布・乾燥等したものを粘着剤層と言うこととする。
以下では、まず上記必須の構成成分である共重合体(A)および水溶性架橋剤(B)それぞれについて具体的に説明し、引き続き、本発明の組成物の構成および特性について、詳しく説明する。
〔共重合体(A)〕
共重合体(A)は、前述した(a)、(b)および(c)の、不飽和単量体由来の構成単位からなり、それぞれが後述する特定の割合で含有されてなる共重合体である。
構成単位(a)は、共重合体(A)を得るための不飽和単量体として用いる、アルキル基の炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレート(以下、不飽和単量体(a’)と称する。)に由来する構成単位である。
不飽和単量体(a’)は、アルキル基の炭素数が4〜12であることが重要であるが、該炭素数は、好ましくは4〜10、より好ましくは4〜8である。上記炭素数が4未満(3以下)であるか、または、12を超える(13以上)と、粘着力およびタックが低下するおそれがある。
不飽和単量体(a’)としては、限定はされないが、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、等を好ましく挙げることができ、なかでもブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートおよびイソオクチルアクリレートがより好ましい。これらは、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよく、限定はされない。
構成単位(a)の含有割合は、共重合体(A)全体に対し50〜99.9重量%であることが重要であり、好ましくは60〜99.7重量%、より好ましくは70〜99.5重量%である。構成単位(a)の含有割合が上記範囲を満たすことにより、得られる粘着剤層において十分な粘着力およびタックを発現させることができる。上記含有割合が、50重量%未満であると、得られる粘着剤層において十分な粘着力およびタックを発現させることができないおそれがあり、99.9重量%を超えると、構成単位(b)の含有割合が低くなり、得られる粘着剤層において凝集力および耐水性が低下するおそれがある。
構成単位(b)は、共重合体(A)を得るための不飽和単量体として用いる、カルボキシル基を有する不飽和単量体(以下、不飽和単量体(b’)と称する。)に由来する構成単位である。
不飽和単量体(b’)は、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基と少なくとも1個の重合性不飽和基を有するものであればよく、限定はされないが、例えば、(メタ)アクリル酸、ケイ皮酸、およびクロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、およびシトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノエステル;等を好ましく挙げることができ、なかでも(メタ)アクリル酸およびイタコン酸がより好ましい。これらは、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよく、限定はされない。
構成単位(b)の含有割合は、共重合体(A)全体に対し0.1〜5重量%であることが重要であり、好ましくは0.3〜4重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。構成単位(b)の含有割合が上記範囲を満たすことにより、得られる粘着剤層において十分な凝集力および耐水性を発現させることができる。上記含有割合が、0.1重量%未満であると、得られる粘着剤層において十分な凝集力および耐水性を発現させることができないおそれがあり、5重量%を超えると、得られる粘着剤層において粘着力およびタックが低下するおそれがある。
構成単位(c)は、共重合体(A)を得るための不飽和単量体として必要に応じ用い得る、その他の共重合可能な不飽和単量体(すなわち、前記アルキル基の炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレートおよび/または前記カルボキシル基を有する不飽和単量体と共重合することができ、かつ、これら以外の不飽和単量体。以下、不飽和単量体(c’)と称する。)に由来する構成単位である。
不飽和単量体(c’)は、限定はされないが、例えば、不飽和単量体(a)以外のアルキル(メタ)アクリレート;水酸基、アミノ基、アミド基、エポキシ基およびエーテル基等を有する(メタ)アクリレート類;エチレンおよびブタジエン等の脂肪族不飽和炭化水素類ならびに塩化ビニル等の脂肪族不飽和炭化水素類のハロゲン置換体;スチレンおよびα−メチルスチレン等の芳香族不飽和炭化水素類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルエーテル類;アリルアルコールと各種有機酸とのエステル類;アリルアルコールと各種アルコールとのエーテル類;アクリロニトリル等の不飽和シアン化化合物;等を好ましく挙げることができる。これら不飽和単量体(c)は、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよく、限定はされない。
構成単位(c)の含有割合は、共重合体(A)全体(100重量%)から構成単位(a)および構成単位(b)の含有割合を差し引いた割合であればよく、限定はされないが、例えば、共重合体(A)全体に対し0〜49.9重量%であることが重要であり、好ましくは0〜39.7重量%、より好ましくは0〜29.5重量%である。上記含有割合が、49.9重量%を超えると、構成単位(a)および構成単位(b)の含有割合が所定の範囲を満たさず、得られる粘着剤層において、凝集力および耐水性が低下するおそれや、粘着力およびタックが低下するおそれがある。
本発明においては、構成単位(c)が、水酸基を有する不飽和単量体に由来する構成単位(c1)を含むことが好ましい。構成単位(c1)を含有することにより、構成単位(b)が有するカルボキシル基と、構成単位(c1)の水酸基とが水素結合を形成し、共重合体(A)の内部において、単量体由来の構成単位のみによる架橋的構造を形成させることができ、得られる粘着剤層における凝集力を容易に調整することができる。
上記水酸基を有する不飽和単量体としては、限定はされないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、および、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
構成単位(c1)を含む場合、その含有割合は、共重合体(A)全体(すなわち、構成単位(a)、(b)および(c)の合計)に対し、0.1〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜8重量%、さらに好ましくは0.5〜6重量%である。上記含有割合が、10重量%を超えると、得られる粘着剤層において粘着力およびタックが低下するおそれがある。
共重合体(A)の調製方法としては、各構成単位(a)、(b)および(c)の由来元である、不飽和単量体(a’)、(b’)および(c’)からなる不飽和単量体成分を原料化合物とし、乳化剤の存在下または不存在下において、乳化重合する方法が好ましく挙げられるが、乳化重合法により得られる共重合体(A)と同様の、粒子状の共重合体(A)が得られる方法であれば、いずれの方法(例えば、懸濁重合法のほか、塊状重合法や溶液重合法で得られたポリマーを後分散する方法等)も採用できる。なお、乳化重合を行う際の具体的手段および条件については、従来公知の乳化重合方法における手段および技術を適宜選択し採用することができる。
上記乳化重合を行う際に用い得る乳化剤としては、限定はされないが、従来公知の乳化剤、例えば、各種アニオン性乳化剤、各種カチオン性乳化剤および各種ノニオン性乳化剤等が挙げられる。これらは、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよく、限定はされない。乳化剤を用いる場合、その使用量は、限定はされないが、例えば、使用する不飽和単量体(a’)、(b’)および(c’)の合計量に対し、10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは7重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。なお、必要に応じ保護コロイド類を単独または乳化剤と共に使用することもできる。
上記乳化重合を行う際に用い得る重合触媒(重合開始剤)としては、限定はされないが、例えば、過硫酸アンモニウムや過酸化水素等の無機の過酸化物;t−ブチルハイドロパーオキシド等の有機の過酸化物;その他のラジカル生成性重合開始剤等が挙げられる。これらは、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよく、限定はされない。重合触媒の使用量は、一般に、不飽和単量体(a’)、(b’)および(c’)の合計量を100重量部としたときに、0.01〜3重量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部である。重合触媒として過酸化物を使用する場合に、重合速度を増大させたり反応温度を低下させたりする必要があれば、可溶性亜硫酸塩やアスコルビン酸等の還元剤あるいは硫酸第1鉄等の水中で重金属イオンを発生する金属化合物を、上記過酸化物と組合せてレドックス系の開始剤とすることができる。
上記乳化重合を行う際の反応温度は、得られる共重合体(A)の重量平均分子量や、不飽和単量体(a’)、(b’)および(c’)の配合割合、および、重合触媒の種類等を考慮し、適宜設定できるが、一般に、0〜100℃であることが好ましく、より好ましくは50〜95℃、さらに好ましくは60〜90℃である。
上記乳化重合を行う際の水系溶媒(水や、アルコール等の親水性溶媒と水との混合溶媒など)の使用量は、限定はされないが、一般に、不飽和単量体(a’)、(b’)および(c’)の合計量を100重量部としたときに、300〜40重量部であることが好ましく、より好ましくは200〜40重量部、さらに好ましくは150〜40重量部である。
上記乳化重合における具体的な重合方法としては、例えば、モノマー滴下重合法、プレエマルシヨン滴下重合法、シード重合法および多段重合法等を挙げることができる。
上記乳化重合においては、例えば、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類に代表される分子量調節剤を用いることができる。
共重合体(A)のガラス転移温度(Tg(℃))は、限定はされないが、例えば、−35℃以下であることが好ましく、より好ましくは−40℃以下である。上記Tgが−35℃を超えると、得られる粘着剤層の粘着力が低下し、実用性に欠けるものとなるおそれがある。なお、共重合体(A)のTg(℃)は、下記計算式(1)から求められるTg(K)から換算する。
Figure 2005264079
(計算式(1)中、Tg:共重合体(A)のTg(K)、Tg:使用した各不飽和単量体の単独重合体のTg(K)、W:使用した各不飽和単量体の配合割合(重量%))
〔水溶性架橋剤(B)〕
オキサゾリン基を有する水溶性架橋剤(B)としては、分子内にオキサゾリン基を有する水溶性化合物であればよく、限定はされず、例えば、2−オキサゾリン基、3−オキサゾリン基および4−オキサゾリン基のうちの少なくとも1種を分子内に有する水溶性化合物が挙げられ、なかでも、分子内に2−オキサゾリン基を有する水溶性化合物が好ましい。水溶性架橋剤(B)としては、具体的には、下記一般式(1):
Figure 2005264079
(ただし、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェニルまたは置換フェニル基であり、Rは付加重合性不飽和結合を有する非環状有機基である。)
で表される付加重合性オキサゾリンの1種または2種以上から得られる重合体(ホモポリマーまたはコポリマー)や、上記一般式(1)で表される付加重合性オキサゾリンの1種または2種以上とそれ以外の不飽和単量体とから得られる共重合体などが好ましく挙げられ、市販品としては、エポクロスWS−500やエポクロスWS−700(いずれも(株)日本触媒製)等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される付加重合性オキサゾリンとしては、限定はされないが、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができる。なかでも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
〔水性分散型粘着剤組成物〕
本発明の組成物の必須構成成分である、共重合体(A)および水溶性架橋剤(B)の配合割合は、限定はされないが、例えば、共重合体(A)のカルボキシル基に対する水溶性架橋剤(B)のオキサゾリン基の当量比が0.005〜0.3となる配合割合であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.25、さらに好ましくは0.02〜0.2である。上記配合割合(上記当量比)が、上記範囲を満たすことによって、粘着力およびタックと、凝集力および耐水性とをいずれも高い水準で且つバランスよく備えた、粘着剤層を得ることができる。また、前述した従来の水性分散型粘着剤組成物において架橋剤的役割を有していた、オキサゾリン基を有する粒子状の重合体に比べ、上記水溶性架橋剤(B)の方が、上限をより低く抑えた使用量範囲内で用いることができ、非常に経済性に優れる。
上記配合割合(上記当量比)が、上記範囲の下限を下回ると、得られる粘着剤層において、十分な凝集力および耐水性を発揮させることができないおそれがある。また、上記配合割合(上記当量比)が、上記範囲の上限を上回ると、得られる粘着剤層において凝集力が高くなりすぎ、粘着力の点で実用性に欠けることとなるおそれがあるが、この要因については以下のように推測できる。すなわち、水溶性架橋剤(B)を所定の上限量を超えて使用すると、粒子状である共重合体(A)の表面同士を架橋させることに留まらず、個々の共重合体(A)粒子の内部に浸透する量が多くなる。その結果、共重合体(A)粒子間での架橋形成のみならず、該粒子内部における架橋形成が必要以上になされ、共重合体(A)粒子に含有される共重合体分子どうしの物理的な自由度が低下する。そうすると、全体として高い凝集力を発揮しつつ、高い粘着力をも発揮し得るという物性のバランスが崩れ、一定の粘着力を維持することができず、その低下とともに凝集力ばかりが増加することとなる、と推測できる。
本発明の組成物は水性分散型の組成物である。すなわち、本発明の組成物においては、必須構成成分である共重合体(A)が、水系溶媒に分散されてなる。
水系溶媒としては、共重合体(A)を乳化重合により調製する際に用いる水系溶媒と同様のものが好ましい。
本発明の組成物全体における、共重合体(A)の含有割合は、限定はされないが、例えば、25〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは33〜70重量%、さらに好ましくは40〜70重量%である。上記含有割合が、25重量%未満であると、塗布した後等の乾燥が長時間となり、生産性が低下するおそれがある。また、70重量%を超えると、組成物全体の粘度が高くなり、ハンドリング性および塗布性に欠け、実用性に乏しくなるおそれがある。
本発明の組成物は、特定範囲の粘着力を有する粘着剤層を得させる組成物であることが重要である。すなわち、本発明の組成物から得られた粘着剤層を有する粘着シートのポリプロピレン板に対する粘着力が、8.0N/25mm以上であることが重要であり、好ましくは上記粘着力が9.0N/25mm以上であり、より好ましくは上記粘着力が10.0N/25mm以上である。上記粘着力が8.0N/25mm未満となる場合、粘着剤層として実用性に欠けることとなるおそれがある。
本発明においては、上記粘着シートの作製方法、および、該粘着シートの粘着力の測定方法は、後述する実施例において記載した作製方法・測定方法に基づくものとする。なお、上記単位「N/25mm」において、「/25mm」の部分は、ポリプロピレン板に圧着させた粘着シートの幅を意味し、粘着力の測定に用いられた粘着シートの幅が明らかである場合は記載しなくても構わない。
本発明の組成物の製造方法については、限定はされず、共重合体(A)の水性分散体に、水溶性架橋剤(B)が含まれてなる組成物が得られる方法であれば、いかなる製造方法も採用できるが、例えば、(i)乳化重合等により共重合体(A)を調製した後に得られる共重合体(A)の水性分散体について、必要に応じ共重合体(A)の含有割合(固形分)を水系溶媒の増減等により調整した後、これに水溶性架橋剤(B)を溶解させることにより得る方法や、(ii)乳化重合等により得られた共重合体(A)を一旦ろ過等により単離し、前記水系溶媒に分散(再分散)させるとともに、水溶性架橋剤(B)を溶解させることにより得る方法等が好ましく挙げられるが、簡便性や経済性の面では上記(i)の方法がより好ましい。また、上記(ii)の方法で行う共重合体(A)の単離や分散については、従来公知の方法・技術を適宜採用できる。
本発明の組成物は、あらかじめ共重合体(A)と水溶性架橋剤(B)とを混合したものであってもよいし、共重合体(A)と水溶性架橋剤(B)とを別々に備え、使用する直前に混合するものであってもよく、限定はされない。
本発明の組成物は、必要な成分を全て含有させた最終製品としての粘着剤組成物であってもよいし、後述する各種添加剤等を含有させる必要がある場合に、これらを含有させる前の中間製品としての粘着剤組成物であってもよく、限定はされない。
本発明の組成物は、そのままでも十分使用可能なものであるが、保存安定性(一液での保存安定性)をより高めることができる点で、例えばアンモニア等の塩基性物質(pH調整剤)を添加し、該組成物(該組成物中の水溶液部分)のpHを7〜10に調整しておくことが好ましい。このようにpHを調整しておくことで、水溶性架橋剤(B)が有するオキサゾリン基と共重合体(A)が有するカルボキシル基との反応による架橋構造の形成が、本発明の組成物を(塗布等した後)乾燥するときまで効果的に抑制できるので、その結果、本発明の組成物の長期にわたる保存安定性(一液での保存安定性)をより一層高めることができる。塩基性物質の添加のタイミングは、限定はされないが、水溶性架橋剤(B)を混合する(水溶性架橋剤(B)と共重合体(A)とを接触させる)より前に添加しておくのが好ましい。
本発明の組成物は、構成成分として粘着付与樹脂を含んでいてもよく、得られる粘着剤層の粘着力を更に高める必要がある場合に有効である。用い得る粘着性付与樹脂としては、軟化点が60℃程度以上の樹脂が好ましく、例えば、ロジン系樹脂、石油樹脂系樹脂、クマロンインデン系樹脂およびフェノール系樹脂等が挙げられる。粘着性付与樹脂を用いる場合は、共重合体(A)100重量部に対し、40重量部以下であることが好ましく、より好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは25重量部以下である。
本発明の組成物は、得られる粘着剤層のタックを更に高める必要がある場合は、例えば、液状粘着付与樹脂、可塑剤、および、重量平均分子量が8,000〜20,000の低分子量重合体等を、本発明の効果が損なわれない範囲で、含んでいてもよい。
本発明の組成物は、得られる粘着剤層の凝集力を更に高める必要がある場合は、例えば、外部架橋剤として作用し得るエポキシ化合物、メラミン化合物およびイソシアネート化合物等を含んでいてもよい。これらは、水溶液、水性分散液あるいは有機溶剤溶液とした状態で、共重合体(A)100重量部に対し0.005〜2重量部の範囲内で、添加することができる。
本発明の組成物は、必要に応じ、消泡剤、増粘剤、粘性調節剤、着色剤、消臭剤、防腐剤、充填剤および老化防止剤等の従来公知の各種添加剤を、本発明の効果が損なわれない範囲で、含んでいてもよい。
本発明の組成物は、例えば、粘着テープ、粘着シートおよびラベル等の粘着剤層が適用され得るすべての用途に好適である。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と、「重量%」を「wt%」と記すことがある。
実施例および比較例における、作成方法、測定方法および評価基準を以下に示す。
<粘着シート(サンプル)の作製方法>
得られた水性分散型粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが30μmとなるように、離型紙((株)サンエー化研製、商品名:K−80HS)に塗布し、105℃で2分間乾燥することで、粘着剤層を形成した。この粘着剤層の表面(乾燥後の塗布面)に、基材となる上質紙(55g/m)を貼り合わせ、23℃、65%RH雰囲気下で7日間養生(放置)し、粘着シート(離型紙付き)を作製した。なお、粘着シートの使用時は、この離型紙を剥がし、粘着剤層を対象物に圧着等して貼り付ける。
<粘着力>
粘着シートを25mm幅にカットした。この25mm幅の粘着シートを、23℃、65%RHの雰囲気下で、該粘着シートの粘着剤層が下になるようにしてポリプロピレン板の上に重ね、その上から2kgのローラーで1往復させることで前記粘着シートを圧着させ、該圧着から24時間経過後に前記粘着シートの一端(長さ方向の一端)を180°方向に300mm/分の速度で引っ張って、前記粘着シートを前記ポリプロピレン板から剥離させるときに要する力を粘着シートの粘着力とし、以下の基準により評価した。
なお、上記剥離させるときに要する力(粘着力)は、引張試験機(テスター産業(株)社製、製品名:QC引張試験機)により平均値として測定した。
○:8.0N/25mm以上
×:8.0N/25mm未満
<保持力>
保持力は、凝集力の評価の指標となるものである。
(7日間養生後の粘着シートの保持力(α))
25mm幅に切り取った粘着シートを、23℃、65%RHの雰囲気下で、該粘着シートの粘着剤層が下になるようにして、貼付長さ25mmでステンレス板の上に重ね、その上から2kgのローラーで1往復させることで前記粘着シートを圧着させ、該圧着から20分間、40℃、65%RHの雰囲気下で放置した。その後、該粘着シートに1kgの荷重を吊り下げ、引き続き、同雰囲気下で放置し、保持力(α)を評価した。
具体的には、前記荷重を吊り下げてから16時間経過する前にステンレス板から剥がれて落下したものについては、落下するまでの時間を測定し、16時間経過しても落下しなかったものについては、16時間経過後の貼り付け位置のズレ距離を測定して、以下の基準により評価した。
○:16時間経過前に落下したもの(落下するまでの時間を記録)
×:16時間経過しても落下しなかったもの(ズレ距離を記録)
(30日間養生後の粘着シートの保持力(β))
前記粘着シートの作成方法において、7日間養生するところを、30日間養生(放置)することとした以外は、同様にして、別途、粘着シートを作成した。
この粘着シートの保持力(β)について、上記保持力(α)と同様の測定・評価を行った。
(養生時間の違いによる保持力の差)
保持力(α)および保持力(β)に関する測定結果を比較し、以下の基準により評価した。粘着力の評価が「○」で、保持力(α)も「○」(好ましくはズレ距離が小さい)であり、かつ、保持力の差についても「○」と評価できる粘着シートを得させる水性分散型粘着剤組成物は、適度な粘着力を発揮させ得るとともに、十分な凝集力(保持力)を乾燥後のより短い時間で発揮させ得る、優れた組成物であると言える。
○:ズレ距離の値の差(絶対値)が0.3mm未満、または、落下するまでの時間の差(絶対値)が1時間未満。
×:ズレ距離の値の差(絶対値)が0.3mm以上、もしくは、落下するまでの時間の差(絶対値)が1時間以上、または、保持力(α)では落下するが保持力(β)では落下しない場合。
〔合成例1〕
ビーカーに、ブチルアクリレート92部、メチルメタクリレート4部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3部、アクリル酸1部、tert−ドデシルメルカプタン0.02部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(第一工業製薬(株)製、商品名:ハイテノールLA−16)1.5部、および、脱イオン水30部をとり、撹拌してプレエマルションを得た。
撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素導入管が装着されたフラスコに、脱イオン水24部を仕込み、窒素置換して70℃に昇温した。ここに、過硫酸アンモニウム10wt%水溶液0.2部と、重亜硫酸水素ナトリウム10wt%水溶液0.2部とを添加した後、上記プレエマルションを3時間かけて滴下し、並行して過硫酸アンモニウム10wt%水溶液3.8部と、重亜硫酸水素ナトリウム10wt%水溶液3.8部とを滴下した。滴下終了後、70℃で3時間熟成した後、室温まで冷却し、固形分62.0wt%の共重合体エマルション(e1)を得た。
〔合成例2〜5〕
合成例1において、単量体成分の組成を表1に示したように変更した以外は、同様にして、共重合体エマルション(e2)〜(e5)を得た。共重合体エマルション(e2)〜(e5)のそれぞれの固形分は表1に示した。
〔実施例1〕
共重合体エマルション(e1)100部を、25wt%アンモニア水で中和した後、オキサゾリン基を含有する水溶性架橋剤((株)日本触媒製、商品名:エポクロスWS−700、固形分:25wt%、オキサゾリン基当量:220g・solid/eq.)0.4部を混合し、さらに、粘着付与樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名:スーパーエステルE−788、固形分:50wt%)6.2部を添加した後、増粘剤(ローム&ハース社製、商品名:プライマールASE−60)で粘度を調整して、固形分61.0wt%、pH8.1、粘度13,000mPa・sの、水性分散型粘着剤組成物(1)を得た。
このとき、共重合体エマルション(e1)中に含まれるカルボキシル基1当量に対する、使用した水溶性架橋剤中に含まれるオキサゾリン基の量は、0.05当量であった。
水性分散型粘着剤組成物(1)を用いて得られた粘着剤層を有するシート(粘着シート)について、前述した方法により、粘着力および保持力について測定・評価した。それらの結果を表2および表3に示した。
〔実施例2〜9〕
実施例1において、共重合体エマルション、架橋剤および粘着付与樹脂それぞれの種類と使用量を、表2および表3に示すようにした以外は、同様にして、水性分散型粘着剤組成物(2)〜(9)を得た。水性分散型粘着剤組成物(2)〜(9)それぞれの、固形分、pH、粘度は、表2および表3に示した。
このとき、各共重合体エマルション中に含まれるカルボキシル基1当量に対する、使用した架橋剤中に含まれるオキサゾリン基の量は、表2および表3に示した。
水性分散型粘着剤組成物(2)〜(9)それぞれを用いて得られた粘着剤層を有するシート(粘着シート)について、前述した方法により、粘着力および保持力について測定・評価した。それらの結果を表2および表3に示した。
〔比較例1〜3〕
実施例1において、共重合体エマルション、架橋剤および粘着付与樹脂それぞれの種類と使用量を、表2および表3に示すようにした以外は、同様にして、水性分散型粘着剤組成物(c1)〜(c3)を得た。水性分散型粘着剤組成物(c1)〜(c3)それぞれの、固形分、pH、粘度は、表2および表3に示した。
このとき、各共重合体エマルション中に含まれるカルボキシル基1当量に対する、使用した架橋剤中に含まれるオキサゾリン基の量は、表2および表3に示した。
なお、比較例2において用いた架橋剤は、オキサゾリン基含有エマルション架橋剤((株)日本触媒製、商品名:エポクロスK−2010E、固形分:40wt%、オキサゾリン基当量:550g・solid/eq.)である。
水性分散型粘着剤組成物(c1)〜(c3)それぞれを用いて得られた粘着剤層を有するシート(粘着シート)について、前述した方法により、粘着力および保持力について測定・評価した。それらの結果を表2および表3に示した。
Figure 2005264079
Figure 2005264079
Figure 2005264079
なお、表1〜3においては、単量体化合物名を以下のように略記した。
BA :ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
MMA :メチルメタクリレート
AA :アクリル酸
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
本発明の組成物は、例えば、粘着テープ、粘着シートおよびラベル等の粘着剤層が適用され得るすべての用途に好適である。

Claims (5)

  1. アルキル基の炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位(a)50〜99.9重量%、カルボキシル基を持つ不飽和単量体に由来する構成単位(b)0.1〜5重量%、および、その他の共重合可能な不飽和単量体に由来する構成単位(c)0〜49.9重量%からなる(ただし、前記(a)、(b)、(c)の合計は100重量%である。)共重合体と、オキサゾリン基を有する水溶性架橋剤と、を必須の構成成分としてなる水性分散型の粘着剤組成物であり、
    該組成物を乾燥して得られた厚み30μmの粘着剤層を有する25mm幅の粘着シートを、23℃、65%RHの雰囲気下で、前記粘着剤層が下になるようにポリプロピレン板の上に重ね、その上から2kgのローラーで1往復させることで前記粘着シートを圧着させ、該圧着から24時間経過後に前記粘着シートの一端を180°方向に300mm/分の速度で引っ張って、前記粘着シートを前記ポリプロピレン板から剥離させるときに要する力を前記粘着シートの粘着力としたときに、該粘着力が8.0N以上である、
    水性分散型粘着剤組成物。
  2. 前記共重合体のカルボキシル基に対する前記水溶性架橋剤のオキサゾリン基の当量比が0.005〜0.3である、請求項1に記載の水性分散型粘着剤組成物。
  3. 前記共重合体のガラス転移温度(Tg)が−35℃以下である、請求項1または2に記載の水性分散型粘着剤組成物。
  4. 前記不飽和単量体に由来する構成単位(c)が水酸基を有する不飽和単量体に由来する構成単位(c1)を含み、かつ、前記(c1)の含有割合が前記共重合体全体に対し0.1〜10重量%である、請求項1から3までのいずれかに記載の水性分散型粘着剤組成物。
  5. 構成成分として粘着付与樹脂を含む、請求項1から4までのいずれかに記載の水性分散型粘着剤組成物。
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