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JP2005257188A - ハイブリッド蓄熱システム - Google Patents

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JP2005257188A JP2004070347A JP2004070347A JP2005257188A JP 2005257188 A JP2005257188 A JP 2005257188A JP 2004070347 A JP2004070347 A JP 2004070347A JP 2004070347 A JP2004070347 A JP 2004070347A JP 2005257188 A JP2005257188 A JP 2005257188A
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Abstract

【課題】 太陽熱を熱源とした給湯用貯湯システムにおいて、燃料電池を熱源とする蓄熱を可能にする。
【解決手段】 給水管31および流量センサが装着された給湯管32を備えた貯湯タンク2に、太陽熱集熱器4に往き配管7c,戻り配管7dで接続されて熱媒が循環する加熱コイル5bを内装するとともに、燃料電池3に往き配管7a,戻り配管7bで接続されて熱媒が循環する加熱コイル5aを前記加熱コイル5bの上方に内装し、戻り配管7bと戻り配管7dにそれぞれ循環ポンプ8a,8b及びシスターン6a,6bを介装し、貯湯タンク2の上下方向3箇所で水温を検出する温度センサ22a,22b,22cと前記流量センサの出力に基づいて前記燃料電池3から加熱コイル5aへの熱媒の循環を制御する制御盤21を設けたハイブリッド蓄熱システムとする。
【選択図】 図1

Description

太陽熱と燃料電池を熱源として蓄熱、給湯するハイブリッド蓄熱システムに関する。
従来、太陽熱を利用して温水を作って貯湯、給湯するとともに、必要な温度の貯湯の量が不足する場合に、補助熱源を用いて給湯を瞬間湯沸し器的に加熱する装置として、例えば特許文献1に開示されているものがある。また、特許文献2には、太陽熱を利用して温水を作って貯湯槽に貯湯する場合に、貯湯槽内の水が得ている集熱量を表示する例が示されている。さらに、燃料電池の開発に伴い、燃料電池のオフガスの燃焼熱を利用して温水を作り、貯湯するシステムが知られている(特許文献3参照)。
しかし、これらの装置はそれぞれ、太陽熱専用、あるいは燃料電池専用の貯湯槽を使用するシステムであり、太陽熱で加熱された貯湯槽内の水をさらに燃料電池を利用して昇温するというものではない。
1基の貯湯槽を用いて異なる二つの熱源の熱を利用する貯湯式給湯システムとしては、特許文献4に記載されたものがあるが、これは、一方の熱源に太陽熱あるいは機器の排熱を利用して貯湯槽に蓄熱し、他方の熱源としてガス焚きボイラーなどの給湯システムの必要に応じて熱を発生する補助熱源を用いて給湯を加熱するものであって、前記他方の熱源の熱を蓄熱するものではない。
特開平5―322304号公報 特開2002−181393号公報 特開2003−217603号公報 特開2002−22280号公報
燃料電池の開発が進むにつれ、自家発電装置として燃料電池を用いることが期待されている。これに伴い、太陽熱集熱器と燃料電池を組み合わせ、燃料電池の放熱を太陽熱で加熱された貯湯槽内の水の加熱に利用することが考えられている。しかし、上記従来技術では、太陽熱で加熱された貯湯槽内の水をさらに燃料電池の反応熱を利用して昇温することは考えられていなかった。前記特許文献1に記載された例は、太陽熱で加熱された貯湯槽内の水の水温が必要な水温に達していない場合に、補助熱源を用いて、瞬間湯沸し器方式で給湯を加熱するものであるが、燃料電池の反応熱を補助熱源に利用しようとしても、燃料電池の反応熱を用いて瞬間湯沸し器方式で給湯を加熱するのは困難である。
本発明の目的は、太陽熱を熱源とした給湯用貯湯システムにおいて、太陽熱の集熱が十分でないときに、燃料電池の反応熱を利用して貯湯槽内の水を昇温するにある。
上記課題を解決する本発明の第1の手段は、給水管および給湯管を備えた貯湯タンクと、前記貯湯タンクに内装され熱媒が循環する加熱コイルと、前記加熱コイルに熱媒循環配管で接続された燃料電池及び太陽熱集熱器と、前記燃料電池から加熱コイルへの熱媒の循環を制御する制御手段と、を含んでなるハイブリッド蓄熱システムである。
上記手段によれば、貯湯タンクに内装された加熱コイルに燃料電池の反応熱を熱源とする熱媒および太陽熱集熱器を熱源とする熱媒を循環させることが可能になり、かつ、必要なときに前記燃料電池から加熱コイルへの熱媒の循環を行わせることができる。また、一つの貯湯槽で太陽熱集熱器を熱源とする熱媒による蓄熱と燃料電池を熱源とする熱媒による蓄熱の双方が可能になる。
前記加熱コイルは、前記貯湯タンクに内装され、かつ燃料電池に熱媒循環配管で接続されて熱媒が循環する第1の加熱コイルと、前記貯湯タンクに内装され、かつ太陽熱集熱器に熱媒循環配管で接続されて熱媒が循環する第2の加熱コイルと、を含んで構成し、前記制御手段は、前記燃料電池の運転を制御して第1の加熱コイルへの熱媒の循環、停止を行うよう構成されていることが望ましい。燃料電池を熱源とする熱媒が循環する加熱コイルと太陽熱集熱器を熱源とする熱媒が循環する加熱コイルを別にすることで、制御が単純化されるとともに、燃料電池あるいは太陽熱集熱器の保守作業の際の管理が容易になる、熱源により異なる種類の熱媒を使用することが可能になる、などの利点がある。また、制御手段が前記燃料電池の運転を制御することで、燃料電池が停止していても、貯湯タンクへの蓄熱が必要な場合、燃料電池を起動して熱媒を循環させることが可能になる。
また、前記第1の加熱コイルは前記第2の加熱コイルの上方に配置されていることが望ましい。燃料電池を熱源とする熱媒が循環する第1の加熱コイルを、太陽熱集熱器を熱源とする熱媒が循環する第2の加熱コイルよりも上方に配置することにより、第1の加熱コイルより上部の水量が第2の加熱コイル上方の水量よりも少なくなる。この結果、燃料電池の熱による追加の蓄熱、言い換えると太陽熱集熱器に接続された第2の加熱コイルによる蓄熱が不足している場合の加熱を、短時間で効果的に行うことができる。
上記課題はまた、前記第1の手段において、前記加熱コイルの入側と出側にそれぞれ接続された往きヘッダー及び戻りヘッダーを備え、前記燃料電池及び太陽熱集熱器は前記往きヘッダーにそれぞれ開閉可能な弁を備えた熱媒循環配管で接続されるとともに戻りヘッダーにそれぞれ熱媒循環配管で接続され、前記制御手段は、前記燃料電池の運転と前記弁の開閉を制御して前記燃料電池から加熱コイルへの熱媒の循環を制御するよう構成されているハイブリッド蓄熱システムによっても解決される。
この構成によれば、貯湯タンクに内装する加熱コイルが一つでよく、貯湯タンクの構造が簡易化される。また、貯湯タンクとヘッダー間の配管は1系統で済むほか、循環ポンプも貯湯タンクとヘッダー間に設けることにより一基ですむという効果がある。
上記課題はまた、前記第1の手段において、前記加熱コイルの入側と出側にそれぞれ接続された往きヘッダー及び戻りヘッダーを備え、前記燃料電池及び太陽熱集熱器は前記往きヘッダーにそれぞれ逆止弁と循環ポンプを備えた熱媒循環配管で接続されるとともに戻りヘッダーにそれぞれ熱媒循環配管で接続され、前記制御手段は、前記燃料電池の運転を制御して前記燃料電池から加熱コイルへの熱媒の循環を制御するよう構成されているハイブリッド蓄熱システムによっても解決される。
この構成によれば、貯湯タンクに内装する加熱コイルが一つでよく、貯湯タンクの構造が簡易化される。また、貯湯タンクとヘッダー間の配管は1系統で済むほか、いずれか一つのポンプの保守を行う場合でも、システムの運転を継続できるという効果がある。
なお、前記制御手段は、貯湯タンクの複数箇所の水温を検出する温度センサと、前記温度センサの出力に基づいて毎日の給湯可能量の時系列変化を算出し、給湯可能量の時系列データとして格納すると共に前記温度センサの出力に基づいてその時点における給湯可能量を算出して算出された給湯可能量と過去の給湯可能量の時系列データを対照して給湯予定時刻における給湯可能量を推定し、設定された給湯予定量に対して給湯予定時刻における給湯可能量の増加の要否を判断する演算手段と、この演算手段の出力に基づいて燃料電池の運転を制御する運転制御手段と、を含んで構成されていることが望ましい。
制御手段をこのように構成することで、燃料電池の熱を利用して給湯量が不足することが避けられる効果がある。
本発明によれば、太陽熱による集熱を行った貯湯槽の水に対して、燃料電池の放熱を熱源とした蓄熱を行うことが可能になり、太陽熱による集熱が不足した場合に、燃料電池の放熱を熱源として集熱の不足を補う効果がある。
(実施例1)
本発明の実施例1を図1を参照して説明する。図1に示すハイブリッド蓄熱システムは、貯湯ユニット1と、貯湯ユニット1に熱媒循環配管である往き配管7a,戻り配管7bで接続された燃料電池3と、貯湯ユニット1に同じく熱媒循環配管である往き配管7c,戻り配管7dで接続された太陽熱集熱器4と、戻り配管7bに介装された循環ポンプ8aおよびシスターン6aと、戻り配管7dに介装された循環ポンプ8bおよびシスターン6bと、貯湯ユニット1にセンサ電線23a,23b,23cで接続されるとともに燃料電池3に制御ケーブル24で接続されて燃料電池3の運転を制御する運転制御手段を備えた制御盤21と、制御盤21に制御ケーブル26で接続された屋内リモコン27と、を含んで構成されている。
貯湯ユニット1は、第1の加熱コイル(加熱コイル5a)、第2の加熱コイル(加熱コイル5b)の二つの加熱コイルを、第1の加熱コイルを上にして上下2段に内装した貯湯タンク2と、貯湯タンク2の上下方向3箇所に分けて設置され、水温を検出して出力する温度センサ22a,22b,22cと、貯湯タンク2の底部に接続されて貯湯タンク2に給水する給水管31と、貯湯タンク2の上部に接続されて給湯を取り出す給湯管32と、給湯管32に装着されて流量を検出する図示されていない流量センサと、を含んで構成されている。
貯湯タンク2の容積は、最下段の温度センサ22cの位置とその上の温度センサ22bの位置の間の貯湯タンクの容積が0.2m、温度センサ22bの位置とその上の温度センサ22aの位置の間の貯湯タンクの容積が0.2m、温度センサ22aの位置よりも上の貯湯タンクの容積が0.1mとしてある。
前記温度センサ22a,22b,22cは、それぞれセンサ電線23a,23b,23cで制御盤21に接続されている。流量センサも図示されていない電線で制御盤21に接続されている。循環ポンプ8aおよび循環ポンプ8bも図示されていない電線で制御盤21に接続されている。制御盤21と屋内リモコン27と温度センサ22a,22b,22cと流量センサを含んで制御手段が形成される。
また、上側の加熱コイル5aに往き配管7a,戻り配管7bで燃料電池3が接続されている。往き配管7a,戻り配管7bには熱媒が充填され、充填された熱媒は循環ポンプ8aにより、燃料電池3と加熱コイル5aの間を循環して燃料電池3の反応熱を集熱し貯湯タンク2内の水に放熱する。下側の加熱コイル5bには、往き配管7c,戻り配管7dで太陽熱集熱器4が接続されている。往き配管7c,戻り配管7dにも熱媒が充填され、充填された熱媒は循環ポンプ8bにより、太陽熱集熱器4と加熱コイル5bの間を循環して太陽熱集熱器4で集熱した熱を貯湯タンク2内の水に放熱する。
なお、燃料電池3に接続された加熱コイル5aは、図示のように、太陽熱集熱器4に接続された加熱コイル5bよりも上方に設置されている。これは、太陽熱集熱器4は、集熱した熱量で貯湯タンク2内の水全体を加熱、蓄熱するのが目的であり、それには加熱コイル5bをできるだけ低い位置に設置するのがよいが、燃料電池3による加熱は、不足分の加熱を速やかに行うことであり、貯湯タンク2内の水全体を加熱する必要はないからである。
屋内リモコン27は、給湯開始予定時間や給湯予定量が入力される押しボタンを備え、利用者が屋内リモコン27から給湯開始予定時間や給湯予定量を制御盤21に入力して予約できるようになっている。もちろん、給湯開始予定時間や給湯予定量は必ずしも予約する必要はない。
制御盤21は、前記流量センサの出力に基づき日々の時系列的な給湯量の変動、すなわち給湯データ(時刻、給湯量などの給湯パターン)を記録し、格納するとともに、前記温度センサ22a,22b,22cの出力に基づいてその時点の給湯可能量(複数の給湯基準温度以上に昇温されている各水量)を算出し、過去の給湯データに基づいてその時点以降あらかじめ設定した時間後までの時刻ごとの累計給湯量を予測し、予測した給湯量と算出された前記給湯可能量とを対照して給湯可能量を増加する必要があるかどうかを判断する演算手段と、演算手段の出力に基づいて燃料電池3を制御する運転制御手段を備えている。ここでいう給湯基準温度は、給湯が給湯タンクを出るときのあらかじめ設定される最低温度である。
演算手段はまた、毎日の貯湯タンクの各温度センサ22a〜22cの値に基づいて、あらかじめ設定されている複数の給湯基準温度ごとの給湯可能量を算出し、その時系列変化のデータを1日ごとに格納している。燃料電池の運転による貯湯タンクの水温上昇速度は燃料電池の能力により異なるが、演算手段は、各給湯基準温度ごとに、給湯可能量を単位量(例えば0.01m)増加させるのに必要な燃料電池3の運転時間のデータをも格納している。
屋内リモコン27から給湯開始予定時間や給湯予定量が入力された場合は、演算手段は、入力された給湯開始予定時間に入力された給湯予定量を超える給湯可能量があるかどうかを判断する。
前記運転制御手段は、演算手段の出力に基づいて、燃料電池3によるバックアップ運転を行う。例えば、太陽熱集熱器4は曇天の日には集熱量が低下するし夜間には集熱しないから、そのような場合に、予測した給湯量あるいは入力された給湯予定量に対して貯湯タンク2内の給湯可能水量が不足している可能性がある。制御盤21は、常に、予測した給湯量に対して貯湯タンク2内の給湯可能水量が不足していないかどうかを判断し、不足している場合、燃料電池3を運転するとともに循環ポンプ8aを運転し、燃料電池3の熱で加熱された熱媒を加熱コイル5aに循環させるバックアップ運転を行う。
次に、制御盤21の制御手順、つまり演算手段の制御について説明する。演算手段の制御手順は次の三つを基本的な手順として含んでいる。
制御a.常にある量の給湯が可能であるようにする制御
制御b.給湯量、給湯時刻の予約がなされた後の制御
制御c.給湯量、給湯時刻の予約がなされるまでの制御
以下、制御a.制御b.制御c.につき、順に説明する。
制御a.常にある量の給湯が可能であるようにする制御
太陽熱を集熱して蓄熱するシステムであっても給湯を目的とするシステムである以上、常にある程度の給湯が可能であることが望ましい。例えばキッチン等で湯を使用する場合を考慮し、演算手段は、常にある一定量(例えば0.05m)の給湯が可能であるように、貯湯タンク2の水温を保持するよう制御する。すなわち演算手段は、定められた時間間隔で最上部の温度センサ22aの検出温度が定められた温度以上であるかどうかを確認し、温度センサ22aの検出温度が定められた温度に達していない場合、定められた温度以上に維持されるよう、運転制御手段を介して燃料電池3を運転して貯湯タンク2の水を昇温する。
制御b.給湯量、給湯時刻の予約がなされた後の制御
図4を参照して説明する。ここでは、給湯開始予定時間と給湯予定量が屋内リモコン27から入力された場合について説明するが、屋内リモコン27からそれらの数値が入力されるまでは、後述する制御cの手順で制御される。
まず、給湯開始予定時間と給湯予定量A0が屋内リモコン27から入力されると(手順a)、演算手段はその時点での給湯可能量を検出し(手順b)、次いでその時点以降給湯開始予定時間までの給湯可能量の時系列的な変化を把握する(手順c)。つまり、太陽熱の集熱の実際的な効果がある時間帯は、設置条件にもよるが、9−15時と考えてよい。したがって15時以前に給湯開始予定時間と給湯予定量A0が入力された場合、給湯可能量はその時点以後給湯開始予定時間までに増加する可能性があるから給湯可能量の時系列的な変化を推定する必要がある。
給湯可能量の時系列的な変化を把握したら、給湯開始予定時間(設定時刻)における給湯可能量Aを予測する(手順d)。そして、設定時刻における予測した給湯可能量Aと設定された給湯予定量A0を比較する(手順e)。給湯可能量Aが給湯予定量A0よりも多ければ、手順fに進み、燃料電池(以下、FCという)は運転しない。なお、演算手段は、FCの運転不要を判断したあとも、設定時刻になるまであらかじめ定められた時間間隔(例えば30分ごと)で上記手順b〜手順eを繰り返し、設定時刻における予測した給湯可能量Aが設定された給湯予定量A0を下回ることがないかどうかを監視する(手順j)。
給湯可能量Aが給湯予定量A0よりも少なければ、手順gに進み、FCの運転開始時刻を何時にすればよいかが判断される。すなわち、演算手段は格納してあるデータに基づいて、給湯可能量Aを給湯予定量A0にするには、FCを何時間運転する必要があるかを求める。そして、求めた運転時間だけ設定時刻から遡った時刻になったら、運転制御手段に、FC運転を指示する。運転制御手段は、演算手段の指示に基づいてFC及び循環ポンプ7aを運転する(手順h)。
なお、演算手段は、FCの運転開始時刻を何時にすればよいかを判断したあとも、あらかじめ定められた時間間隔(例えば30分ごと)で上記手順b〜手順gを繰り返し、最終的に得られたFCの運転開始時刻になったとき、運転制御手段に、FC運転を指示する(手順i)。
手順bにおける給湯可能量の検出について、以下に説明する。給湯の温度(給湯基準温度)が45℃に設定されているとする。
演算手段は、温度センサ22a〜22cの検出値が60℃、50℃、40℃であれば、温度センサ22cと温度センサ22bの間の真ん中の位置が45℃であると判断し、その位置よりも上部の容積、すなわち温度センサ22cと温度センサ22bの間の真ん中の位置から温度センサ22bまでの容積0.1mと、温度センサ22bと温度センサ22aの間の容積0.2mと、温度センサ22aよりも上の容積0.1mと、を合計した0.4m(400リットル)が45℃以上の給湯可能な量であると判断する。温度センサ間の温度は、比例配分で内挿する。
手順cにおける給湯可能量の時系列変化の把握について以下に説明する。演算手段は、毎日の貯湯タンクの各温度センサ22a〜22cの値に基づいて、あらかじめ設定されている複数の給湯基準温度ごとの給湯可能量の時系列変化のデータを一日ごとに格納している。給湯可能量の時系列変化のデータの例を図5〜図7に示す。演算手段は過去のデータ(但し、燃料電池による昇温が行われたデータを除く)の中から、まず設定された給湯基準温度に対応する給湯可能量の時系列変化のデータを選択し、さらに、その時点における給湯可能量が類似のデータ(差があらかじめ定めた許容範囲内のデータ)を選択する。次いで、選択したデータのなかで、当日のその時点までの給湯可能量の時系列変化が最も似ているデータを選択し、選択したデータのその時点以降の給湯可能量の時系列変化のデータを、当日のその時点以降の、推定された給湯可能量の時系列変化のデータとする。
なお、毎日の外気温の時系列的変化を記録しておき、その時点における給湯可能量が類似のデータを選択したのち、選択したデータのなかで、当日のその時点までの外気温の時系列変化と外気温の時系列変化が最も似ている日の過去の給湯可能量の時系列変化のデータを選択し、選択したデータのその時点以降の給湯可能量の時系列変化のデータを、当日のその時点以降の、推定された給湯可能量の時系列変化のデータとしてもよい。
さらに具体的な例で説明する。18時に0.3mを給湯するよう設定されたとする。現在時刻が12時とする。図5の場合、実線が曇天日の給湯可能量の時系列変化を、破線が晴天日の給湯可能量の時系列変化を、それぞれ示している。12時時点における給湯可能量が約0.18mで晴天日のデータが選択された場合、18時時点では給湯可能量は約0.3mが予測されるため、燃料電池3を運転する必要はない。一方、12時時点における給湯可能量が約0.09mで曇天日のデータが選択された場合、18時時点の給湯可能量は0.15mが予測されるため、不足する0.15mを燃料電池3を運転して補うこととなる。
次に、18時に0.5mを給湯予定とする。図6に示すように、晴天日のデータが選択された場合でも曇天日のデータが選択された場合でも、太陽熱だけでは18時に0.5mを給湯することはできない。この場合は、いずれにしろ、不足する量(図の晴天日のデータが選択された場合は0.2m、図の曇天日のデータが選択された場合は0.35m)を燃料電池3を運転して補うこととなる。
先に、18時に0.3mを給湯予定のとき、12時時点における給湯可能量が約0.18mで晴天日のデータが選択された場合、燃料電池による加熱昇温は必要ないと述べた。しかし、図7に示すように、予測では破線のように給湯可能量が増加することになっていたが、気象変化のために、実線のように給湯可能量が推移する場合がある。また、予定外の給湯が行われて貯湯タンク内の水温が低下する場合がある。したがって、演算手段は、一旦手順fに進んだ後も、所定の時間間隔で手順b〜手順eを繰り返し、給湯予定時刻における給湯可能量が給湯予定量を下回ることがないかどうかを監視する。
この場合、手順b〜手順eを繰り返す代わりに、給湯可能量の増加の勾配を算出し、算出された増加の勾配で給湯予定時刻における給湯可能量が給湯予定量に達するか否かを求め、給湯予定時刻における給湯可能量が給湯予定量に達しない場合、手順gに進むようにしておいてもよい。
制御c.給湯量、給湯時刻の予約がなされるまでの制御
ある量の給湯をある時刻に行うという設定(予約)がなされるまでは、演算手段は、格納されている過去の給湯データ(例えば当該暦日の前後10日間の平均データ)に基づいて制御を行う。まず、過去の給湯データに基づいてその時点以降例えば5時間後までの累計給湯量を1時間毎に算出する。一方、前記手順b,cの演算を行って、その時点以降5時間後までの1時間毎の各時刻における給湯可能量を算出する。前記1時間毎の各時刻における累計給湯量と1時間毎の各時刻における給湯可能量を、各同一時刻で比較し、累計給湯量が給湯可能量を上回る時刻がないかどうかを判断する。
累計給湯量が給湯可能量を上回る時刻がない場合は、上記手順を定められた時間間隔で繰り返す。累計給湯量が給湯可能量を上回る時刻がある場合、演算手段は累計給湯量と給湯可能量の差に基づいて前記手順gで説明した演算を行い、運転制御手段にFCの運転を指示する。
制御cを実行中にある量の給湯をある時刻に行うという設定が入力された場合、演算手段はその時点で制御cから前記制御bに制御を切り替えるが、制御cにおいて、前記1時間毎の各時刻における累計給湯量に、給湯設定時刻における給湯量が追加されたとして制御cを継続することも可能である。
本実施例によれば、太陽熱を熱源とした給湯用貯湯システムにおいて、太陽熱の集熱が十分でないときに、燃料電池の熱を利用して貯湯タンク内の水を昇温することが可能になる。また、一つの貯湯タンクで、太陽熱を熱源とした蓄熱と燃料電池の熱を熱源とした蓄熱の双方が可能になる。
なお、本実施例では、戻り配管7b, 戻り配管7dにシスターンが介装されているが、シスターンに代えて膨張タンクとしてもよい。
(実施例2)
図2に本発明の実施例2を示す。本実施例が実施例1と異なるのは、貯湯タンク2aに内装された加熱コイルが加熱コイル5cのひとつだけであることと、加熱コイル5c入り側に接続して往きヘッダー9aが、加熱コイル5c出側に接続して戻りヘッダー9bが、それぞれ設けられ、燃料電池3の反応熱を運ぶ熱媒が循環する熱媒循環配管(往き配管7eと戻り配管7f)及び太陽熱集熱器4で集熱された熱を運ぶ熱媒が循環する熱媒循環配管(往き配管7hと戻り配管7g)は、前記往きヘッダー9aと戻りヘッダー9bに接続されていることと、シスターン6c及び循環ポンプ8cが戻りヘッダー9bと加熱コイル5c出側を接続する配管に介装されていることと、往き配管7eと往き配管7hにそれぞれ制御盤21で開閉される電動弁10a,10bが介装されていることである。他の構成は前記実施例1と同じなので、説明を省略する。
制御盤21の運転制御手段は、太陽熱集熱器4による集熱時は往き配管7hに介装された電動弁10bを開いて往き配管7eに介装された電動弁10aを閉じ、燃料電池3の熱を利用する場合は、燃料電池3を運転するとともに往き配管7eに介装された電動弁10aを開いて往き配管7hに介装された電動弁10bを閉じるように制御する。なお、本実施例では、循環ポンプ8cは、太陽熱集熱器4による集熱時も燃料電池3の熱を利用する時も運転される。
本実施例によっても、実施例1と同様に、太陽熱を熱源とした給湯用貯湯システムにおいて、太陽熱の集熱が十分でないときに、燃料電池の熱を利用して貯湯タンク内の水を昇温することが可能になる。また、当日の予測した給湯量に対して貯湯タンク2内の給湯可能水量が不足していないかどうかを常に判断し、不足している場合、燃料電池3によるバックアップ運転を行うことが可能である。
(実施例3)
次に本発明の実施例3を図3を参照して説明する。本実施例が前記実施例2と異なるのは、戻りヘッダー9bと加熱コイル5c出側を結ぶ配管に介装されていた循環ポンプ8c、シスターン6cに代えて、往き配管7eに循環ポンプ8d及びシスターン6dが、往き配管7hに循環ポンプ8e及びシスターン6eが、それぞれ介装され、電動弁10a、10bに代えて逆止弁11a、11bが設けられ、制御盤21は、循環ポンプ8d、8eを個別に制御することである。他の構成は前記実施例2と同じであるので同一の符号を付して説明は省略する。
制御盤21の運転制御手段は、太陽熱集熱器4による集熱時は往き配管7hに介装された循環ポンプ8eを運転して循環ポンプ8dを停止し、燃料電池3の熱を利用する場合は、循環ポンプ8dを運転して循環ポンプ8eを停止するように制御する。
本実施例によっても、実施例1と同様に、太陽熱を熱源とした給湯用貯湯システムにおいて、太陽熱の集熱が十分でないときに、燃料電池の熱を利用して貯湯タンク内の水を昇温することが可能になる。また、当日の予測した給湯量に対して貯湯タンク2内の給湯可能水量が不足していないかどうかを常に判断し、不足している場合、燃料電池3によるバックアップ運転を行うことが可能である。
なお、上記各実施例では、貯湯タンクの蓄熱に必要な場合に燃料電池の運転を行うように説明したが、他の理由で燃料電池が運転される場合には、制御盤21が、運転に伴う燃料電池の発生熱を貯湯タンクの蓄熱に利用するよう各機器を制御するのは云うまでもない。
本発明の実施例1に係るハイブリッド蓄熱システムの要部構成を示す系統図である。 本発明の実施例2に係るハイブリッド蓄熱システムの要部構成を示す系統図である。 本発明の実施例3に係るハイブリッド蓄熱システムの要部構成を示す系統図である。 本発明の実施例1に係る制御手順の例を示す手順図である。 本発明の実施例1に係る給湯可能量の時系列変化と燃料電池による昇温の例を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る給湯可能量の時系列変化と燃料電池による昇温の他の例を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る給湯可能量の時系列変化と燃料電池による昇温のさらに他の例を示すグラフである。
符号の説明
1,1a 貯湯ユニット
2,2a 貯湯タンク
3 燃料電池
4 太陽熱集熱器
5a,5b,5c 加熱コイル
6a,6b シスターン
7a,7c,7e,7h 往き配管
7b,7d,7f,7g 戻り配管
8a,8b,8c,8d,8e 循環ポンプ
9a 往きヘッダー
9b 戻りヘッダー
10a,10b 電動弁
11a,11b 逆止弁
21 制御盤
22a,22b,22c 温度センサ
23a,23b,23c センサ電線
24、26 制御ケーブル
27 屋内リモコン
31 給水管
32 給湯管

Claims (6)

  1. 給水管および給湯管を備えた貯湯タンクと、前記貯湯タンクに内装され熱媒が循環する加熱コイルと、前記加熱コイルに熱媒循環配管で接続された燃料電池及び太陽熱集熱器と、前記燃料電池から加熱コイルへの熱媒の循環を制御する制御手段と、を含んでなるハイブリッド蓄熱システム。
  2. 請求項1記載のハイブリッド蓄熱システムにおいて、前記加熱コイルは、前記貯湯タンクに内装され、かつ燃料電池に熱媒循環配管で接続されて熱媒が循環する第1の加熱コイルと、前記貯湯タンクに内装され、かつ太陽熱集熱器に熱媒循環配管で接続されて熱媒が循環する第2の加熱コイルと、を含んでなり、前記制御手段は、前記燃料電池の運転を制御して第1の加熱コイルへの熱媒の循環、停止を行うよう構成されていることを特徴とするハイブリッド蓄熱システム。
  3. 請求項2記載のハイブリッド蓄熱システムにおいて、前記第1の加熱コイルは前記第2の加熱コイルの上方に配置されていることを特徴とするハイブリッド蓄熱システム。
  4. 請求項1記載のハイブリッド蓄熱システムにおいて、前記加熱コイルの入側と出側にそれぞれ接続された往きヘッダー及び戻りヘッダーを備え、前記燃料電池及び太陽熱集熱器は前記往きヘッダーにそれぞれ開閉可能な弁を備えた熱媒循環配管で接続されるとともに戻りヘッダーにそれぞれ熱媒循環配管で接続され、前記制御手段は、前記燃料電池の運転と前記弁の開閉を制御して前記燃料電池から加熱コイルへの熱媒の循環を制御するよう構成されていることを特徴とするハイブリッド蓄熱システム。
  5. 請求項1記載のハイブリッド蓄熱システムにおいて、前記加熱コイルの入側と出側にそれぞれ接続された往きヘッダー及び戻りヘッダーを備え、前記燃料電池及び太陽熱集熱器は前記往きヘッダー及び戻りヘッダーにそれぞれ逆止弁を備えた熱媒循環配管で接続され、前記制御手段は、前記燃料電池の運転を制御して前記燃料電池から加熱コイルへの熱媒の循環を制御するよう構成されていることを特徴とするハイブリッド蓄熱システム。
  6. 請求項1から5のうちのいずれか1項記載のハイブリッド蓄熱システムにおいて、前記制御手段は、貯湯タンクの複数箇所の水温を検出する温度センサと、温度センサの出力に基づいて毎日の給湯可能量の時系列的変化を算出して給湯可能量の時系列データとして格納すると共に前記温度センサの出力に基づいてその時点における給湯可能量を算出して算出された給湯可能量と過去の給湯可能量の時系列データを対照して給湯予定時刻における給湯可能量を推定し、設定された給湯予定量に対して給湯予定時刻における給湯可能量の増加の要否を判断する演算手段と、この演算手段の出力に基づいて燃料電池の運転を制御する運転制御手段と、を含んでなることを特徴とするハイブリッド蓄熱システム。
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