JP2005250078A - 光偏向器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 単一の素子で2次元の偏向走査を行うことができる小型の光偏向器を提供する。
【解決手段】 固有振動モードを用いながら、略等角速度の偏向走査領域を有する駆動を実現する。
【選択図】 図1
【解決手段】 固有振動モードを用いながら、略等角速度の偏向走査領域を有する駆動を実現する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光を偏向する光偏向器、更にはそれを用いた画像形成装置に関する。例えば、光の2次元偏向走査によって画像を投影するプロジェクションディスプレイなどの画像形成装置に好適なものである。
光偏向器として、側面が反射面である多角柱を回転させて、入射した光の反射方向を変化させるポリゴンミラー、平面鏡を電磁アクチュエータによって軸中心に振動させるガルバノミラーなどがよく知られている。2次元的に光を走査させる場合、これらポリゴンミラーとガルバノミラーの組み合わせ、あるいはポリゴンミラー2枚の組み合わせが用いられるが、複数の光偏向器を必要とするため装置が大型となるばかりでなく、それぞれの鏡による走査方向が直交するよう配置する必要があり、光学調整が非常に煩雑であった。
このような課題を改善するため、単一の光偏向器で2次元的に光を偏向走査できる特許文献1、特許文献2、特許文献3のジンバル型光偏向器が開示されている。
図9は特許文献1、特許文献2、特許文献3に代表されるジンバル型光偏向器の典型例を説明する概略図である。外側可動子1023は、第1のねじりバネ1024によって支持体1025と第1のねじり軸1017まわりにねじり振動可能に連結されている。一方、可動子1021は、第2のねじりバネ1022によって、外側可動子1023と第2のねじり軸1018まわりにねじり振動可能に連結されている。可動子1021には、例えば反射面のような光を偏向する光偏向体(不図示)が設置されている。したがって、外側可動子1023、可動子1021が、駆動手段1016によってそれぞれ第1のねじり軸1017、第2のねじり軸1018まわりにねじり振動することにより光源からの光を2次元に偏向走査することができる。ここで、駆動手段1016は例えば、可動子1021、外側可動子1023に設けられた永久磁石とそれぞれの永久磁石を駆動するための固定コイルとすることなどで実現できる。特に、光偏向器の形状や材質で決定されるねじり軸まわりの固有振動モードの周波数で、光偏向器を駆動すると小さなエネルギーで大きな変位が得られるため好適である。
さて、第2のねじり軸1018まわり、第1のねじり軸1017まわりのそれぞれのねじり振動によって光が偏向走査される方向を、それぞれ主走査方向、副走査方向とすると、図11に示したように、主走査方向の偏向走査の周波数が、副走査方向に比べ非常に大きい2次元走査(以下、本明細書ではラスタスキャンとする)を行うことが一般的である。また主走査方向と副走査方向の偏向走査の周波数比を非常に近接して設定し、それらを固定して被走査面上を図10(a)に示すようなリサージュ図形の軌跡で走査する方法もある(図は特に、主走査方向に周波数比5:6、位相差90°の場合を示している)。また、図10(b)(c)に示すように主走査方向と副走査方向の偏向走査の周波数比を任意のある値に固定して、それぞれの振幅比も固定したまま、それぞれの振幅を偏向走査と共に徐々に減少させ、図10(b)(c)のように被走査面上を走査曲線に沿ったα方向と、その略法線方向のβ方向へ2次元走査する例などがある。
このようなジンバル型光偏向器は、2次元の偏向走査を単一の光偏向器で行うため、小型で光学調整などが簡単な2次元走査系を実現しうる可能性があるが、以下に示す課題を有している。
米国特許第6044705号公報
特開平7―27989号公報
特開2003−295102号公報
上記従来例において、固有振動モードの周波数と略一致した駆動周波数で光偏向器を駆動し、ラスタスキャンを実現しようとすると、主走査方向と副走査方向共に正弦振動であるため、偏向走査の角速度が一定とならず余弦的に変化する。偏向走査の両端に向かうにつれ偏向走査の角速度は減少するため、被走査領域の中央部分では、光の走査速度が速く被走査領域を照射する時間が両端部と比べ短時間となってしまう。
特に、副走査方向の角速度が変化すると、主走査方向への偏向走査による主走査ラインのライン間隔が一定とならず、被走査領域中央では、間隔が大きく、副走査方向両端に向かうほど間隔が小さくなってしまう。したがって、光偏向器を画像形成装置に用いた場合、画像の歪みや輝度ムラを引き起こしてしまう。
一方、主走査方向、副走査方向共に固有振動モードの周波数と略一致した駆動周波数で駆動し、ラスタスキャンを用いず、図10(a)(b)(c)のようなリサージュ図形状の軌跡で2次元走査する場合も、偏向走査される光の角速度は、軌跡に沿って一定ではなく被走査領域の中央部では特に速い。また、被走査領域内で走査ラインのライン間隔が一定ではない2次元走査となる。したがって、画像形成装置に用いると、被走査領域の中央部で光を画像形成に有効利用出来ないばかりか、画像の歪みや輝度ムラを起してしまう。
更に、図10(b)(c)の場合、偏向走査の軌跡が四角形と異なるため、光偏向器を画像形成装置に用いた場合、実際に画像形成に利用する領域より大きな偏向走査を行う必要がある。そのため、偏向走査の利用効率が悪く、装置が大型化、大消費電力化する。
また、副走査方向の偏向走査の周波数を固有振動モードの周波数とせず、駆動波形も正弦振動ではなく、等角速度の領域を有する三角波などの振動とした場合は、所望の振動振幅に駆動させるため大きな発生力が必要で、駆動手段が大型化、大消費電力化してしまう。
本発明は、上記従来の光偏向器の問題点に鑑みてなされたものであって、副走査方向の偏向走査に、固有振動モードを用いながら、略等角速度の偏向走査領域を有する駆動を実現することにより、単一の素子で2次元の偏向走査を行うことができる小型の光偏向器を提供することを目的とする。
本発明の目的は、光源からの光を偏向走査する光偏向器であって、該光偏向器は、支持体と振動系と該振動系を駆動する駆動手段とで構成され、該振動系は、第1のねじり軸まわりに、複数の第1軸ねじりバネで弾性的に直列に連結された2つ以上の第1軸揺動可動子と、前記第1のねじり軸と直交した第2のねじり軸まわりに、第2軸ねじりバネで弾性的に連結された第2軸揺動可動子と、第2軸揺動可動子に設置された光偏向体とを有し、少なくとも1つの前記第1軸揺動可動子は、前記第1のねじり軸まわりに、前記第1軸ねじりバネで前記支持体と弾性的に連結され、前記第2軸揺動可動子は、前記第2のねじり軸まわりに、前記第2軸ねじりバネで、少なくとも1つの前記第1軸揺動可動子と弾性的に連結され、前記振動系は、前記第1のねじり軸まわりに周波数が異なる少なくとも2つの固有振動モードを有し、前記駆動手段は、前記振動系を前記第1のねじり軸まわりに少なくとも2つの前記固有振動モードで同時にねじり振動させることを特徴とする光偏向器により達成される。
本発明の光偏向器によって、副走査方向の偏向走査に、固有振動モードを用いながら、略等角速度の偏向走査領域を有する駆動を実現することにより、単一の素子で2次元の偏向走査を行うことができる小型の光偏向器を提供することができる。
以下本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の光偏向器の第1実施例を示す上面図である。図1に示すように、本実施例の光偏向器は、第1のねじり軸108、第2のねじり軸109の2つのねじり軸まわりに、第1の第1軸揺動可動子104、第2の第1軸揺動可動子105、第2軸揺動可動子107の3つの可動部分がねじり振動自在に弾性支持された構成を有している。
機械的な接地面である支持体101と、第1の第1軸揺動可動子104とは、2つの第1の第1軸ねじりバネ102によって、第1のねじり軸108まわりにねじり振動自在に連結されている。また、第2の第1軸揺動可動子105は、図示のように第1の第1軸揺動可動子104の内側に位置しており、第1の第1軸揺動可動子104と2つの第2の第1軸ねじりバネ103によって第1のねじり軸108まわりにねじり振動自在に連結されている。つまり、第1の第1軸揺動可動子104、第2の第1軸揺動可動子105は第1のねじり軸108まわりに機械的に直列に弾性支持されている。
一方、第2軸揺動可動子107は、図示のように、第2の第1軸揺動可動子105の内側に位置しており、第2の第1軸揺動可動子と2つの第2軸ねじりバネ106によって第2のねじり軸109まわりにねじり振動自在に連結されている。また、第2軸揺動可動子107の表面には図示しない反射面を光偏向体として有しており、入射した光を反射して、偏向することができる。尚、本実施例では、光偏向体として反射面としたが、回折格子など他の光偏向体で構成してもよい。
更に、第1のねじり軸108と第2のねじり軸109とは略直交しているため、第2軸揺動可動子107は、第2のねじり軸109まわりのねじり変位と共に、第1の第1軸揺動可動子104、第2の第1軸揺動可動子105の第1ねじり軸108まわりの変位によって、第1のねじり軸108、第2のねじり軸109の2つの軸まわりに変位することができる。したがって、第2軸揺動可動子107の反射面に入射した光は、第2軸揺動可動子107の2つの軸まわりのねじり振動により、2次元的に偏向走査される。以下、第1のねじり軸108、第2のねじり軸109まわりの偏向走査を、それぞれ副走査、主走査と呼ぶ。本発明の実施例の光偏向器は、図11に示すように、主走査方向の偏向走査のスピードが副走査方向の偏向走査に比べ非常に速い、ラスタスキャン状に光の2次元走査を行う。以下により詳しい駆動原理を説明する。
図2(a)は、電極110a、110b、110c、110dを有する電極基板111を示す上面図である。電極基板111は、第1の第1軸揺動可動子104、第2の第1軸揺動可動子105、第2軸揺動可動子107と空隙をはさんで対向して設置される。図2(a)には、電極基板111と第1の第1軸揺動可動子104、第2の第1軸揺動可動子105、第2軸揺動可動子107の上面から見た位置関係を示すため、特に、第1ねじり軸108、第2ねじり軸109の位置が示してある。図示のように、電極110a、110bは第2のねじり軸109をはさんで両側に、電極110c、110dは第1のねじり軸108をはさんで両側に設置されている。また、4つの電極110a、110b、110c、110dには独立して電圧を印加することができる。図2(b)は、本実施例の光偏向器の第1のねじり軸108での断面を示す断面図である。図は特に第2軸揺動可動子107付近を拡大して示すものである。前述の通り、第2軸揺動可動子107と空隙をはさんで電極110a、110bが配置されている。第2軸揺動可動子107は電気的に接地されており、電極110bには電圧が印加されている。電極110bに電圧が印加されることにより静電引力が発生し、第2のねじり軸109まわりのトルクが第2軸揺動可動子107にかかる。したがって、第2のねじり軸109まわりに第2軸揺動可動子107を変位することができる。また、電極110aに電圧を印加すれば逆方向のトルクを発生することができるため、電極110a、110bに電圧を交互に印加することで第2軸揺動可動子107を第2のねじり軸109まわりにねじり振動することができる。同様の原理で、第1の第1軸揺動可動子104を電極110c、110dにより、第1のねじり軸108まわりにねじり振動することができる。したがって、第2の第1軸ねじりバネ103で連結された第2の第1軸揺動可動子105も第1のねじり軸108まわりにねじり振動することができる。
さて、本実施例の光偏向器は、第2のねじり軸109を中心としたねじり振動について、主走査周波数として周波数s0の固有振動モードを有している。特に、本実施例では、周波数s0は22kHzである。電極110a、110bにより、第2軸揺動可動子107は略この周波数で第2のねじり軸109まわりに駆動される。
一方、第1のねじり軸108を中心としたねじり振動については、副走査周波数となる周波数f0の1次の固有振動モードと副走査周波数の2倍の周波数2f0の2次の固有振動モードを有している2自由度振動系として扱うことができる。第1のねじり軸108まわりへの変位の駆動手段である電極111c、111dは、この1次の固有振動モードの周波数f0とこれに対して2倍の周波数2f0の2つの周波数で本実施例の光偏向器を第1のねじり軸108まわりに駆動する。本実施例では、周波数f0は60Hzである。
図3は、横軸を時間tとして、第2の第1軸揺動可動子105の周波数f0のねじり振動の変位角を説明する図である。図は、特に第2の第1軸揺動可動子105のねじり振動の1周期T0に相当する部分を示している(−T0/2<X<T0/2)。
曲線61は、電極110c、110dを駆動する駆動信号のうち、副走査周波数f0の成分を示しており、最大振幅±Φ1の範囲で往復振動し時間t、角周波数w0=2πf0として、
一方、曲線62は、副走査周波数f0の2倍の周波数成分を示しており、最大振幅±Φ2の範囲で振動し、
曲線63は、このような駆動の結果生じる第2の第1軸揺動可動子105のねじり振動の変位角を示している。本実施例の光偏向器は、前述のように第1のねじり軸108まわりのねじり振動について、2自由度振動系として扱うことができ、副走査周波数f0の固有振動モードと周波数が2f0の2次の固有振動モードを第1のねじり軸108中心のねじり振動について有している。そのため、本実施例の光偏向器には、第1のねじり軸108まわりについて、上記θ1θ2の駆動信号に励起された共振がそれぞれ生じる。つまり、曲線63の第2可動子105の変位角は、2つの正弦振動の重ね合わせの振動となり、
で表される鋸波状の振動となる。ここで、図3の曲線63は特にΦ1を1.20、Φ2を−0.25とした場合の曲線である。図4は、図3の曲線61、63、直線64を微分した曲線61a、63a、直線64aを示しており、これらの曲線の角速度を説明している。周波数f0の正弦振動の角速度である曲線61aと比べ、第2の第1軸揺動可動子105の鋸波状の往復振動の角速度を示す曲線63aは、区間N−N’において、極大点の角速度V1、極小点の角速度V2を最大・最小とする範囲に角速度が収まっている。したがって、本実施例の光偏向器による光の偏向走査を利用する応用において、等角速度走査である直線64aからの角速度の許容誤差以内にV1、V2が存在するならば、区間N−N’は実質的な等角度走査とみなすことができる。このように、鋸波状の往復振動によって、副走査の角速度は、変位角が正弦波であったときと比べ、実質的な等角速度となる領域を広く設定することができる。そのため、主走査、副走査とも固有振動モードで駆動することで、駆動手段の発生力が小さくても、大きな変位を実現でき、更にラスタスキャンを行っても区間N−N’内での主走査方向の偏向走査が形成する走査ラインを略等間隔にすることができる。したがって、本実施例によって、単一の素子で良好な2次元の偏向走査を行うことができる小型の光偏向器を実現できる。特に、鋸波状の往復振動である本実施例では、偏向走査の往路(または復路)の一方の走査を利用する応用に好適な実施例となる。更に、本実施例では、第1の第1軸揺動可動子104、第2の第1軸揺動可動子105、第2軸揺動可動子107がそれぞれ2つのねじりバネで連結されているため、それぞれのねじり軸が弾性支持するねじり方向以外の回転・並進成分の力に対して高剛性を有している。そのため、偏向走査方向のねじり振動の固有振動モードを他の固有振動モードから分離しやすく、更に、外部からの衝撃に強い光偏向器とすることができる。
図5は本発明の光偏向器の第2実施例を示す上面図である。本実施例では、第1実施例と同一の機能を有する部分には同一の符号を付した。図5に示すように、本実施例の光偏向器は、第1のねじり軸108、第2のねじり軸109の2つのねじり軸まわりに、第1の第1軸揺動可動子203、第2の第1軸揺動可動子205、第3の第1軸揺動可動子207、第2軸揺動可動子209の4つの可動部分がねじり振動自在に弾性支持された構成を有している。
機械的な接地面である支持体201と、第1の第1軸揺動可動子203とは、第1の第1軸ねじりバネ202によって、第1のねじり軸108まわりにねじり振動自在に連結されている。また、第2の第1軸揺動可動子205、第3の第1軸揺動可動子207も図示のように、それぞれ第2の第1軸ねじりバネ204、第3の第1軸ねじりバネ206によって、第1のねじり軸108まわりにねじり振動自在に連結されている。つまり、第1の第1軸揺動可動子203、第2の第1軸揺動可動子205、第3の第1軸揺動可動子207は第1のねじり軸108まわりに機械的に直列に弾性支持されている。
一方、第2軸揺動可動子209は、図示のように、第3の第1軸揺動可動子207の内側に位置しており、第3の第1軸揺動可動子と第2軸ねじりバネ208によって第2のねじり軸109まわりにねじり振動自在に連結されている。また、第2軸揺動可動子209の表面には図示しない反射面を有しており、入射した光を反射して偏向することができる。
更に、第1のねじり軸108と第2のねじり軸109とは略直交しているため、第2軸揺動可動子209は、第2のねじり軸109まわりのねじり変位と共に、第1の第1軸揺動可動子203、第2の第1軸揺動可動子205、第3の第1軸揺動可動子207の第1のねじり軸108まわりのねじり変位によって、第1のねじり軸108、第2のねじり軸109の2つの軸まわりに変位することができる。したがって、第2軸揺動可動子209の反射面に入射した光は、第2軸揺動可動子209の2つの軸まわりのねじり振動により、2次元的に偏向走査される。本発明の実施例の光偏向器は、第1実施例と同様に、図11に示すように、主走査方向の偏向走査のスピードが副走査方向の偏向走査に比べ非常に速い、ラスタスキャン状に光の2次元走査を行う。
駆動手段は、第1実施例と同様の方法で静電引力によって駆動することができる。
さて、本実施例の光偏向器は、第2のねじり軸109を中心としたねじり振動について、主走査周波数として周波数s0の固有振動モードを有している。特に、本実施例では、周波数s0は22kHzであり、略この周波数で第2のねじり軸109まわりに駆動される。
一方、第1のねじり軸108を中心としたねじり振動については、副走査周波数となる周波数f0の1次の固有振動モードと副走査周波数の3倍の周波数となる2次の固有振動モード、更に副走査周波数の5倍の周波数となる3次の固有振動モードを有している3自由度振動系として扱うことができる。第1のねじり軸108まわりへの変位の駆動手段(不図示)は、この1次の固有振動モードの周波数f0とこれに対して3倍の周波数3f0、5倍の周波数5f0の3つの周波数で本実施例の光偏向器を第1のねじり軸108まわりに駆動する。本実施例では、周波数f0は60Hzである。
図5は、横軸を時間tとして、第3の第1軸揺動可動子207の周波数f0のねじり振動の変位角を説明する図である。図は、特に第3の第1軸揺動可動子207のねじり振動の1周期T0に相当する部分を示している(−T0/2<X<T0/2)。
曲線211は、第3の第1軸揺動可動子207の変位のうち、副走査周波数f0の成分を示しており、最大振幅±Φ1の範囲で往復振動し、時間t、角周波数w0=2πf0として、
であらわされる正弦振動である。本実施例の光偏向器を駆動する駆動信号は、第1の実施例の光偏向器を駆動する駆動信号が2つの固有振動モードに対応した2つの周波数成分の駆動信号を有していたのと同様に、3つの固有振動モードに対応した周波数f0、3f0、5f0の成分を有している。
曲線210は、このような駆動の結果生じる第3の第1軸揺動可動子207のねじり振動の変位角を示している。本実施例の光偏向器は、前述のように第1のねじり軸108まわりのねじり振動について、3自由度振動系として扱うことができ、副走査周波数f0の固有振動モードと周波数が3f0、5f0の2次、3次の固有振動モードを第1のねじり軸108中心のねじり振動について有している。そのため、本実施例の光偏向器には、第1のねじり軸108まわりについて、上記3つの異なる周波数成分の駆動信号に励起された共振がそれぞれ生じる。つまり、曲線210の第3可動子207の変位角は、3つの正弦振動の重ね合わせの振動となり、
で表される三角波状の振動となる。ここで、図5の曲線210は特にΦ1を1、Φ2を−0.08、Φ3を0.01とした場合の曲線である。図6は、図5の曲線210、211を微分した曲線210a、211aを示しており、これらの曲線の角速度を説明している。周波数f0の正弦振動の角速度である曲線211aと比べ、第3の第1軸揺動可動子207の三角波状の往復振動の角速度を示す曲線210aは、区間M−M’、区間L−L’(L−L’については、図6上のLから更に時間軸の右側に現れる図中L’に相当する位相までの区間)において、極大点の角速度V1、極小点の角速度V2(区間L−L’では、極小点の角速度極大点の角速度−V2、極小点の角速度−V1)を最大・最小とする範囲に角速度が収まっている。したがって、本実施例の光偏向器による光の偏向走査を利用する応用において、第1の実施例と同様に、角速度の許容誤差以内にV1、V2が存在するならば、区間M−M’、区間L−L’は実質的な等角度走査とみなすことができる。このように、三角波状の往復振動によって、副走査の角速度は、変位角が正弦波であったときと比べ、実質的な等角速度となる領域を広く設定することができる。そのため、主走査、副走査とも固有振動モードで駆動することで、駆動手段の発生力が小さくても、大きな変位を実現でき、更にラスタスキャンを行っても、区間M−M’、区間L−L’内での主走査方向の偏向走査が形成する走査ラインを略等間隔にすることができる。したがって、本実施例によって、単一の素子で良好な2次元の偏向走査を行うことができる小型の光偏向器を実現できる。特に、第1の実施例と異なり三角波状の往復振動である本実施例では、偏向走査の往路、復路両方の走査を利用する応用に好適な実施例となる。
図7は上記光偏向器を用いた光学機器の実施例を示す図である。ここでは光学機器として画像表示装置を示している。図7において、2001は、本発明の光偏向器であり、投影面2005にラスタスキャン状に入射光を偏向走査する。2002はレーザ光源である。2003はレンズ或いはレンズ群であり、2004は書き込みレンズまたはレンズ群、2005は投影面である。レーザ光源2002から入射したレーザ光は光走査のタイミングと関係した所定の強度変調を受けて光偏向器2001により2次元的に走査する。この走査されたレーザ光は書き込みレンズ2004により投影面2005上に画像を形成する。
さて、本発明の光偏向器を用いることによって、小型で省電力な共振を利用した光偏向器でありながら、略等角速度に光をラスタスキャン状に偏向走査することができる。そのため、描画される画像の主走査ライン(ここでは投影面2005の水平方向のライン)のライン間隔を略一定とすることができ、画像の輝度むらをなくし、画像の垂直方向の全体サイズを一定にすることが可能となる。
61、61a 曲線
62 曲線
63、63a 曲線
64、64a 直線
71、71a 曲線
72、72a 曲線
101 支持体
102 第1の第1軸ねじりバネ
103 第2の第1軸ねじりバネ
104 第1の第1軸揺動可動子
105 第2の第1軸揺動可動子
106 第2軸ねじりバネ
107 第2軸揺動可動子
108 第1のねじり軸
109 第2のねじり軸
110a、110b、110c、110d 電極
111 電極基板
201 支持体
202 第1の第1軸ねじりバネ
203 第1の第1軸揺動可動子
204 第2の第1軸ねじりバネ
205 第2の第1軸揺動可動子
206 第3の第1軸ねじりバネ
207 第3の第1軸揺動可動子
208 第2軸ねじりバネ
209 第2軸揺動可動子
210、210a 曲線
211、211a 曲線
1016 駆動手段
1018 第2のねじり軸
1017 第1のねじり軸
1021 可動子
1022 第2のねじりバネ
1023 外側可動子
1024 第1のねじりバネ
1025 支持体
2001 光偏向器
2002 レーザ光源
2003 レンズ
2004 書き込みレンズ
2005 投影面
62 曲線
63、63a 曲線
64、64a 直線
71、71a 曲線
72、72a 曲線
101 支持体
102 第1の第1軸ねじりバネ
103 第2の第1軸ねじりバネ
104 第1の第1軸揺動可動子
105 第2の第1軸揺動可動子
106 第2軸ねじりバネ
107 第2軸揺動可動子
108 第1のねじり軸
109 第2のねじり軸
110a、110b、110c、110d 電極
111 電極基板
201 支持体
202 第1の第1軸ねじりバネ
203 第1の第1軸揺動可動子
204 第2の第1軸ねじりバネ
205 第2の第1軸揺動可動子
206 第3の第1軸ねじりバネ
207 第3の第1軸揺動可動子
208 第2軸ねじりバネ
209 第2軸揺動可動子
210、210a 曲線
211、211a 曲線
1016 駆動手段
1018 第2のねじり軸
1017 第1のねじり軸
1021 可動子
1022 第2のねじりバネ
1023 外側可動子
1024 第1のねじりバネ
1025 支持体
2001 光偏向器
2002 レーザ光源
2003 レンズ
2004 書き込みレンズ
2005 投影面
Claims (5)
- 光源からの光を偏向走査する光偏向器であって、
該光偏向器は、
支持体と振動系と、
該振動系を駆動する駆動手段とで構成され、
該振動系は、
第1のねじり軸まわりに、複数の第1軸ねじりバネで弾性的に直列に連結された2つ以上の第1軸揺動可動子と、
前記第1のねじり軸と直交した第2のねじり軸まわりに、第2軸ねじりバネで弾性的に連結された第2軸揺動可動子と、
第2軸揺動可動子に設置された光偏向体とを有し、
少なくとも1つの前記第1軸揺動可動子は、
前記第1のねじり軸まわりに、前記第1軸ねじりバネで前記支持体と弾性的に連結され、
前記第2軸揺動可動子は、
前記第2のねじり軸まわりに、前記第2軸ねじりバネで、少なくとも1つの前記第1軸揺動可動子と弾性的に連結され、
前記振動系は、
前記第1のねじり軸まわりに、
周波数が異なる少なくとも2つの固有振動モードを有し、
前記駆動手段は、前記振動系を、
前記第1のねじり軸まわりに少なくとも2つの前記固有振動モードで、
同時にねじり振動させることを特徴とする光偏向器。 - 前記振動系は、2つの前記第1軸揺動可動子と、4つの前記第1軸ねじりバネとを有し、
前記第1軸揺動可動子は、互いに、2つの前記第1軸ねじりバネで連結され、
一方の前記第1軸揺動可動子は、前記支持体と、2つの前記第1軸ねじりバネで連結され、
他方の前記第1軸揺動可動子は、前記第2軸揺動可動子と2つの前記第2軸ねじりバネで連結されることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。 - 前記振動系は、前記第1のねじり軸まわりに、周波数が異なる2つの前記固有振動モードを有し、該固有振動モードの一方の周波数が他方の周波数の2倍であることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
- 前記振動系は、前記第1のねじり軸まわりに、周波数が異なる2つの前記固有振動モードを有し、該固有振動モードの一方の周波数が他方の周波数の3倍であることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
- 光源と、請求項1〜4の何れか1つに記載の光偏向器とを有し、該光偏向器は、前記光偏向器制御装置で制御され、前記光源からの光を前記光偏向器により偏向し、該光の少なくとも一部を画像表示体上に投影することを特徴とする画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004060062A JP2005250078A (ja) | 2004-03-04 | 2004-03-04 | 光偏向器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004060062A JP2005250078A (ja) | 2004-03-04 | 2004-03-04 | 光偏向器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005250078A true JP2005250078A (ja) | 2005-09-15 |
Family
ID=35030616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004060062A Withdrawn JP2005250078A (ja) | 2004-03-04 | 2004-03-04 | 光偏向器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
2004
- 2004-03-04 JP JP2004060062A patent/JP2005250078A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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