JP2005241937A - トナー、フルカラートナーキット、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、およびブラックトナーとからなるトナーであって、前記ブラックトナーは酸化鉄を含有した球形トナーであって、次の関係式(1)を満たすことを特徴とするトナーである。
|Qカラー|−|Qブラック|>5‥式(1)
(Qカラーは、カラートナーの摩擦帯電量の平均値、Qブラックは、ブラックトナーの摩擦帯電量を表す。)
【選択図】 図3
Description
高抵抗の絶縁性の磁性トナーを用いるその他の現像方法として、トナー粒子相互の摩擦、トナー粒子とスリーブ等との摩擦等によりトナー粒子を摩擦帯電し、これを静電像保持部材に接触して現像する方法が知られている。しかしこの方法は、トナー粒子と摩擦部材との接触回数が少なく、また、用いられる磁性トナーはトナー粒子表面に磁性体が多く露出しているため、摩擦帯電が不十分となりやすく帯電不良による画像不良などの問題があった。
しかしながら、絶縁性磁性トナーを用いる現像方法には、用いる絶縁性磁性トナーに関わる不安定要素がある。それは、絶縁性磁性トナー中には微粉末状の磁性体が相当量混合分散されており、該磁性体の一部がトナー粒子の表面に露出しているため、磁性トナーの流動性及び摩擦帯電性に影響し、結果として、磁性トナーの現像特性、耐久性等の磁性トナーに要求される種々の特性の変動あるいは劣化を引き起こすというものである。
重合トナー中の磁性体の分散性を向上させるための表面改質に関しては、数多く提案されている。例えば、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12等に磁性体の各種シランカップリング剤処理技術が提案されており、特許文献13、特許文献14では、ケイ素元素含有磁性粒子をシランカップリング剤で処理する技術が開示されている。
特に、タンデム型のフルカラー画像形成装置であって、その黒色を出すブラックトナーが磁性重合トナーで、その他のカラートナーが非磁性トナーである場合、ブラックトナーステーションの感光体だけ早く劣化してしまい、フルカラーとしてのカラーバランスが崩れてしまう。
すなわち、経時でのフルカラーとしてのカラーバランスがくずれたり、または経時でのブラックトナーに由来する地肌汚れが発生したりしないトナー、またはフルカラートナーキット、プロセスカートリッジ及び画像形成装置にを提供することにある。
即ち、本発明は、少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、およびブラックトナーとからなるトナーであって、前記ブラックトナーは酸化鉄を含有した球形トナーであって、次の関係式(1)を満たすことを特徴とするトナーである。
|Qカラー|−|Qブラック|>5‥式(1)
(Qカラーは、カラートナーの摩擦帯電量の平均値、Qブラックは、ブラックトナーの摩擦帯電量を表す。)
本発明者らは鋭意検討の結果、フルカラー画像形成におけるカラーバランスを経時においても良好に維持するには、酸化鉄含有重合トナーを使用しているブラックトナーのクリーニング性を向上させることが肝要であることを見出し、本発明に至った。
そこで、そのような性質(酸化鉄含有重合トナーは球形であることから、表面に露出している全ての酸化鉄がそのほかのものに対して研磨力をもっている)を有する酸化鉄含有重合トナーのシステム的な使いこなしが必要となった。酸化鉄含有重合トナーがこのような研磨性を発現するのは、ほとんどの場合、クリーニングブレードのような感光体に接触しているクリーナーによって感光体に押圧されているときである。よって、前記酸化鉄含有重合トナーがクリーニングブレードによって感光体表面から容易にかきとられるようにすれば、クリーニングブレードをすり抜けようとして(クリーニング不良となって)クリーニングブレードと感光体との接触部分においてクリーニングブレードの押圧でトナー表面に露出した酸化鉄が感光体表面をけずりとるという現象がおさえられる。
上述のように、酸化鉄含有重合トナーを使用しているブラックトナーのクリーニング性を、その他のカラートナーのクリーニング性よりも、徹底的に向上させることで、タンデムエンジンの全ての感光体の劣化具合がほぼ同等となって、フルカラー画像形成におけるカラーバランスが経時においても崩れずに、優れた画像品質が維持できるようになったと考えられる。
図1は、電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置の一実施形態であるカラーレーザープリンターの概略断面図である。この画像形成装置は、1つの静電荷像担持体に対して1つの現像装置を有するものであり、複数の静電荷像担持体上に順次形成される各色のトナー像を、中間転写体である中間転写ベルト上に、各色トナー像が重なるように順次転写することによって、中間転写ベルト上にフルカラーのトナー画像を形成するものである。本構成においては、中間転写体を用いずに、搬送ベルトによって搬送される転写材上に直接、複数の静電荷像担持体上に順次形成される各色のトナー像を重ねるように順次転写する構成であっても良い。
図1に示すカラーレーザープリンターは、複数個の現像器を有し、一旦第2の画像担持体である中間転写ベルト60に連続的に多重転写し、フルカラープリント画像を得る4連ドラム方式(インライン)プリンターである。
図1において無端状の中間転写ベルト60が、駆動ローラー6a、テンションローラ6b及び2次転写対向ローラー6cに懸架され、図中矢印の方向に回転している。現像器は、上記中間転写ベルト60に直列に各色に対応し4本配置されている。
イエロートナーを現像する現像器(Y)内に配置される、感光体1はその回転過程で、一次帯電ローラー2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の画像露光手段(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャンによる走査露光系等)による画像露光3を受けることにより目的のカラー画像の第1の色成分像(イエロー成分像)に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像が第1現像器(イエロー現像器)により第1色であるイエロートナーにより現像される。
この場合、すり抜けてしまっても、わずかな量であれば、現像手段によってその中に回収されてしまうため異常画像とはならない。一次転写残トナーがクリーニング装置4と感光体1とのあいだをすり抜けるときには、トナーがクリーニングブレード4によって感光体1に対して押圧されるため、感光体1の表面を削ったり、逆に感光体1の表面にトナー成分がついたりする。ただし通常は、感光体1の削れ量やフィルミング量が問題ないレベルで使いこなしをしている。
そこで、本発明では、ブラックトナーである酸化鉄含有重合トナーの帯電量を他のカラートナーにくらべ低くすることにした。その効果は、酸化鉄含有重合トナーと感光体1とのあいだの静電的な付着力を低下させ、クリーニング装置4によって容易にトナーをかきとることができるようになって、結果的に、ブラックの一次転写残トナーがクリーニング装置4と感光体1とのあいだをすり抜けるのを防止できるか、すり抜けるトナー量を激減させることができる。更に感光体1の削れ量が激減して、その他のカラートナーに対応する感光体1と同等以上の寿命を得ることができるようになる。
中間転写ベルト60上に残留する二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーナ9でブレードクリーニングされ、次作像工程に備える。
転写ベルト60の材質の選定としては、各色ポートでのレジストレーションを良くするため、伸縮する材料は望ましくなく、樹脂系或いは、金属芯体入りのゴムベルト、樹脂+ゴムベルトが望ましい。
図2を参照しながら、本発明に用いることが出来るオートリフレッシュ現像方法について説明する。
図2は、画像形成装置に劣化現像剤を回収するための現像剤回収部を配設した現像装置の構成を示す概略断面図である。オートリフレッシュ現像方式を用いた現像装置においては、現像を繰り返しによるトナー濃度の低下を検知すると、補給用現像剤貯蔵室61から、トナーとキャリアとを混合した補給用現像剤が、補給口58を経て、現像装置4に補給される。繰り返し補給が行われ、過剰になった現像剤(主に、劣化したキャリア)は、現像装置5に設けられた現像器側現像剤排出口62から溢出され、現像剤中間回収室63から、現像剤回収オーガ64を経て、図示されていない現像剤回収容器に排出される。
本発明において、トナーとキャリアとを混合し、オートリフレッシュ現像方法用の補給用現像剤を調製する場合、キャリアとトナーを質量比でキャリア1質量部に対してトナー1〜30質量部の配合割合にすると良好な結果が得られる。この割合の範囲内であれば、現像槽のキャリアの帯電付与能を効率よく安定化することができる。
本発明のトナーは、ワックスを含有している。ワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対し2〜30質量部用いることが好ましく、より好ましくは5〜20質量部、更に好ましくは8〜20質量部、特に好ましくは13〜20質量部使用するのが良い。
粉砕トナー製法に比べ重合トナー製法においては、用いるワックスがバインダー樹脂より極性が低いことから、水系媒体中での重合方法ではトナー粒子内部に多量のワックスを内包化させ易いため粉砕トナー製法と比較し、多量のワックスを用いることが可能となり、定着時のオフセット防止効果には特に有効となる。
ワックスの配合量が下限より少ないとオフセット防止効果が低下しやすく、上限を超える場合、耐ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響を与えやすく、ドラム融着やスリーブ融着を起こしやすく、特に重合トナー製法の場合には粒度分布の広いトナーが生成する傾向にある。
本発明に用いることが可能なワックスとしては、例えば、パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、これらの変性物(例えば、酸化物やグラフト処理物)、高級脂肪酸、およびその金属塩、アミドワックス、及びエステル系ワックスが挙げられる。
また、本発明のブラックトナーの製造方法に関わるトナーにおいて用いられる酸化鉄は、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい、四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものであり、これらを1種または2種以上併用して用いられる。これら酸化鉄は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2〜30m2/g、特に3〜28m2/g、更にモース硬度が5〜7のものが好ましい。
酸化鉄の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、8面体、6面体、球形、不定型等の異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。これらの形状はSEMなどによって確認することができる。酸化鉄の平均粒径としては0.01〜1.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.5μmが好ましい。平均粒径が0.01μm未満の場合、黒色度の低下が顕著となり、白黒用トナーの着色剤としては着色力が不十分となるうえに、複合酸化物粒子どうしの凝集が強くなるため、分散性が悪化する傾向となる。
一方、平均粒径が1.0μmを超えてしまうと、一般の着色剤と同様に着色力が不足するようになる。加えて、特に小粒径トナー用の着色剤として使用する場合、個々のトナー粒子に同個数の酸化鉄粒子を分散させることが確率的に困難となり、分散性が悪化しやすい。なお、酸化鉄粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、測定するトナーの粉体サンプルを透過型電子顕微鏡で観察し、視野中の100個の酸化鉄粒子径を測定して、平均粒径を求める。
カップリング剤を水系媒体中で加水分解しながら酸化鉄粒子表面を処理する方法は、クロロシラン類やシラザン類のようにガスを発生するようなカップリング剤を使用する必要もなく、さらに、これまで気相中では酸化鉄粒子同士が合一しやすくて、良好な処理が困難であった高粘性のカップリング剤も使用できるようになり、疎水化の効果は絶大である。本発明に係わる酸化鉄粒子の表面処理において使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、一般式(4)
Rm−SiYn………式(4)
[式中、Rはアルコオキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整数を示す。]で示されるものである。
CpH2p+1−Si−(OCqH2q+1)3………式(5)
[式中、pは2〜20の整数を示し、qは1〜3の整数を示す。]
で示されるアルキルトリアルコキシシランカップリング剤を使用して水系媒体中で酸化鉄粒子を疎水化処理するのが良い。
上記式(5)におけるpが2より小さいと、疎水化処理は容易となるが、疎水性を十分に付与することが困難であり、トナー粒子からの酸化鉄粒子の露出を抑制するのが難しくなる。またpが20より大きいと、疎水性は十分になるが、酸化鉄粒子同士の合一が多くなり、トナー中へ酸化鉄粒子を十分に分散性させることが困難になり、カブリや転写性が悪化傾向となる。
また、qが3より大きいとシランカップリング剤の反応性が低下して疎水化が十分に行われにくくなる。
特に、式(5)中のpが2〜20の整数(より好ましくは、3〜15の整数)を示し、qが1〜3の整数(より好ましくは、1又は2の整数)を示すアルキルトリアルコキシシランカップリング剤を使用するのが良い。
その処理量は酸化鉄粒子100質量部に対して、0.05〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部とするのが良い。
結着樹脂の架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよい。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;例えば、ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォンの如きジビニル化合物;および3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
架橋剤の添加量としては、結着樹脂を合成するのに用いられる重合性単量体100質量部に対して0.001〜10質量部が好ましい。
1.00<(D4/D1)<1.25…式(3)
一般に、(D4/D1)が小さいほど、トナーの粒径分布がシャープとなり、単一粒径にそろった場合、(D4/D1)が1となる。本発明では、(D4/D1)が1.25未満となるようにトナーの粒径分布をシャープにすることで、トナー粒子によらず均一な転写状態が得られるので、全体としての転写率が向上し、感光体のクリーニング余裕度が上昇し、結果的に感光体の削れを抑制することができる。
ここで円形度とはトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。その計算式は次のとおりである。
円形度a=L0/L…式(6)
(L0は、粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長で、Lは、粒子の投影像の周囲長を示す。)
次に、円形度の測定方法について説明する。
円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状を測定する。
本発明に係るトナーとしては、良好な転写性、帯電量を得ることができ、長期にわたり安定なフルカラー画像品質を維持しやすいという観点から、重合トナーを用いることが好ましい。
イオン交換水710質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
・スチレン
165質量部
・n−ブチルアクリレート
35質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3(着色剤)
15質量部
・ジアルキルサリチル酸金属化合物(荷電制御剤)
5質量部
・飽和ポリエステル(極性樹脂)
10質量部
・エステルワックス(融点70℃)
50質量部
上記材料を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、11000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
得られたシアントナー粒子100質量部に対して、疎水化処理シリカ微粉体(一次粒子の個数平均粒径:0.03μm)を1.6質量部外添し、重量平均粒径6.8μmの重合シアントナーを得た。
電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、前述したコールターカウンターマルチサイザーにより17μmまたは100μm等の適宜トナーサイズに合わせたアパチャーを用いて体積を基準として0.3〜40μmの粒度分布等を測定するものとする。この条件で測定した個数平均粒径、重量平均粒径をコンピュータ処理により求めた。
トナーの製造例1で用いたピグメントブルーに代えてキナクリドンを8質量部用いたことを除いては、トナーの製造例1と同様にして、重量平均粒径6.8μmの重合マゼンタトナーを得た。
トナーの製造例1で用いたピグメントブルーに代えてピグメントイエロー93を6.5質量部用いたことを除いては、トナーの製造例1と同様にして、重量平均粒径6.8μmの重合イエロートナーを得た。
(表面処理磁性体の製造例)
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを9前後に維持しながら、空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗浄、濾過して一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを約6に調整し、十分撹拌しながらシランカップリング剤(n−C10H21Si(OCH3)3)を磁性酸化鉄に対し1.0部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、カップリング処理を行った。生成した疎水性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで若干凝集している粒子を解砕処理して、表面処理磁性体1を得た。
表面処理磁性体の製造例1と同様に酸化反応を進め、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗浄、濾過後、表面処理を行わずに、乾燥し、凝集している粒子を解砕処理し磁性体1を得た。
80部
・n−ブチルアクリレート
20部
・不飽和ポリエステル樹脂
1部
・飽和ポリエステル樹脂
3部
・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物)
1部
・表面処理磁性体1
90部
・エステルワックス(DSCにおける吸熱ピークの極大値72℃) 6部
上記処方を60℃に加温し、溶解槽(撹拌機付)を用いて、均一に溶解又は分散混合した。これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を溶解して重合性単量体組成物を調製した。
前記水系分散媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下において、重合性単量体組成物を造粒した。この時の図4及び5に示す関係は
L/D=1.3、l/L=0.1、d/D=0.25
であり、造粒容器内存在物容積V(m3)と該撹拌装置の使用動力P(kW)の関係は、P/V=25であった。
また、重合性単量体組成物を造粒容器内に投入直後、造粒容器内を上記高速ビデオカメラで確認したところ、重合性単量体組成物がスムーズに水系媒体中に混入していくのを確認することができた。
上記着色懸濁粒子をコールタマルチサイザーで粒度分布を測定したところ、体積平均粒径6.5μmで個数変動係数は30%であった。個数変動係数は、
個数変動係数=[S/D1]×100…式(7)
で示され、式(7)中、Sはトナー粒子の個数分布における標準偏差を示し、D1はトナー粒子の個数平均径(μm)を示す。
すなわち、変動係数の値が小さいほどトナー粒子の粒度分布はシャープであり、値が大きいとブロードな粒度分布であることを示す。また、トナー断層面を観察したところコア/シェル構造が確認された。
トナーの製造例4での外添剤処理の代わりに、トナーの製造例4の疎水性チタニア微粉体のみを1.2質量部外添すること以外は、トナーの製造例4と同様にして重量平均粒径6.5μmの重合ブラックトナー2を得た。
トナーの製造例4での外添剤処理の代わりに、トナーの製造例1の疎水化処理シリカ微粉体を1.6質量部外添すること以外は、トナーの製造例4と同様にして重量平均粒径6.5μmの重合ブラックトナー3を得た。
・フェノール
7.5質量部
・ホルマリン溶液
11.25質量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0質量%で親油化処理した
マグネタイト微粒子
62質量部
(平均粒径0.24μm、比抵抗5×105Ω・cm)
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0質量%で親油化処理した
α−Fe2O3微粒子
26質量部
(平均粒径0.60μm、比抵抗2×109Ω・cm)
ここで用いたマグネタイト及びα−Fe2O3の親油化処理は、マグネタイト99質量部及びα−Fe2O3 99質量部のそれぞれに対して1.0質量部のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加え、ヘンシェルミキサー内で100℃で30分間、予備混合撹拌することによって行った。
その後、トルエン溶媒を用いて希釈したγ−アミノプロピルトリメトキシシランA3質量%を剪断応力を連続して印加しつつ、コア表面に処理した。またその際、40℃、100torr、乾燥窒素気流下で溶媒を揮発させながら行った。引き続き、置換基がすべてメチル基であるストレートシリコーン樹脂0.5質量%及び、γ−アミノプロピルトリメトキシシランB0.015質量%の混合物をトルエンを溶媒として被覆した。その際、40℃、500torr、乾燥窒素気流下で溶媒を揮発させながら行った。
その後、23℃、60%内で保たれたホッパー内で100時間、20℃/60%RHで調湿してキャリア1を得た。得られたキャリア1の物性を表1に示す。
トナー及びキャリアの帯電量の測定方法を記載する。
トナー及びキャリアの帯電量の測定は、ブローオフ法で測定を行う。
図6は、トリボ電荷量を測定する装置の説明図である。測定試料としては、トナー1.0gと磁性キャリア19.0gを50ccのポリエチレン製の容器に入れ、常温常湿環境下(23℃/50%)に開放状態で一日放置し、その後、ターブラミキサーで600秒混合したものを用いる。底に目開き20μm(625メッシュ)のスクリーン213のある金属製の測定容器212に、上記試料約0.3g(W(g))を入れ、金属製のフタ214をする。この時測定容器212全体の重量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機211(測定容器212と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口217から吸引し風量調節弁216を調整して真空計215の圧力を250mmAqとする。この状態で十分、好ましくは2分間吸引を行い、トナーを吸引除去する。この時の電位計219の電位をV(ボルト)とする。ここで218はコンデンサーであり、容量をC(μF)とする。吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。この時、トナー及びキャリアの帯電量(μC/g)は下式の如く計算される。尚、表1、2に示した摩擦帯電量Qカラー、Qブラックは、標準キャリアとして鉄粉EFV200、300を用いて測定を行った際の値である。
トナーの帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
キャリアの帯電量(mC/kg)=−C×V/(W−(W1−W2))
また、耐久時の現像剤のトナーの摩擦帯電量は、現像スリーブ上の現像剤を1gサンプリングし、混合撹拌することなく上記測定装置を使用して測定を行った。
キャリア1と重合イエロートナー、重合マゼンタトナー、重合シアントナー、または重合ブラックトナー1を全質量に対するトナーの割合が8質量%となるようにそれぞれ混合してそれぞれ4色の二成分系現像剤を製造した。得られた4色の二成分系現像剤を市販のプリンタIPSiO COLOR 8000(リコー社製)を使用して、黒化率:画像DUTY5%のオリジナル画像を入力して4万枚画出しし、各色に対応する感光体の削れ量に関して評価を行った。結果を表1に示す。
それぞれの測定条件及び評価基準を以下に示す。
キャリア1と重合イエロートナー、重合マゼンタトナー、重合シアントナー、または重合ブラックトナー2を全質量に対するトナーの割合が8質量%となるようにそれぞれ混合してそれぞれ4色の二成分系現像剤を製造した。
得られた4色の二成分系現像剤を実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
キャリア1と重合イエロートナー、重合マゼンタトナー、重合シアントナー、または重合ブラックトナー3を全質量に対するトナーの割合が8質量%となるようにそれぞれ混合してそれぞれ4色の二成分系現像剤を製造した。得られた4色の二成分系現像剤を実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
重合イエロートナー、重合マゼンタトナー、重合シアントナー、または重合ブラックトナー1をそれぞれの色に対応するプロセスカートリッジに充填して、市販のプリンタLBP−2810(キヤノン社製)を使用して、黒化率:画像DUTY5%のオリジナル画像をインプットして2万枚画出しし、各色のプロセスカートリッジの感光体の削れ量に関して評価を行った。結果を表2に示す。
重合イエロートナー、重合マゼンタトナー、重合シアントナー、または重合ブラックトナー2をそれぞれの色に対応するプロセスカートリッジに充填して、市販のプリンタLBP−2810(キヤノン社製)を使用して、黒化率:画像DUTY5%のオリジナル画像をインプットして2万枚画出しし、各色のプロセスカートリッジの感光体の削れ量に関して評価を行った。結果を表2に示す。
重合イエロートナー、重合マゼンタトナー、重合シアントナー、または重合ブラックトナー3をそれぞれの色に対応するプロセスカートリッジに充填して、市販のプリンタLBP−2810(キヤノン社製)を使用して、黒化率:画像DUTY5%のオリジナル画像をインプットして2万枚画出しし、各色のプロセスカートリッジの感光体の削れ量に関して評価を行った。結果を表2に示す。
2 帯電装置
3 画像露光
4 クリーニング装置
5 現像装置
51 現像スリーブ
52 現像剤
53 供給ローラ
54 搬送ローラ
55 規制部材
56 トナー
57 キャリア
58 補給口
61 補給用現像剤貯蔵室
62 現像器側現像剤排出口
63 現像剤中間回収室
64 現像剤回収オーガ
7 転写装置
70 中間転写ベルト
73 一次転写ローラ
76 二次転写ローラ
79 一次転写バイアス源
81 攪拌槽
82 攪拌槽蓋
83 分散部
84 攪拌ローター軸
85 温度調節媒体ジャケット
86 モーター
87 制御装置
91 攪拌ローター軸
92 攪拌ローター
93 攪拌ステーター
100 画像形成装置
110 プロセスカートリッジ
200 帯電量測定装置
211 吸引機
212 測定容器
213 スクリーン
214 フタ
215 真空計
216 風量調節弁
217 吸引口
218 コンデンサー
219 電位計
P 転写材
Claims (14)
- 記録媒体上にカラー画像を形成するカラー画像形成装置に用いられる、少なくとも結着樹脂と着色剤とからなるトナーにおいて、
ブラックトナーは、酸化鉄を含有した球形トナーであって、他の有彩色のカラートナーに対して、次の関係式(1)を満たす
|Qカラー|−|Qブラック|>5…式(1)
(Qカラーは、カラートナーの摩擦帯電量の平均値、Qブラックは、ブラックトナーの摩擦帯電量を表す。)
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1に記載のトナーであって、
ブラックトナーとカラートナーとは、次の関係式(2)を満たす
|Qカラー|−|Qブラック|>10…式(2)
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1、2のいずれかに記載したトナーであって、
ブラックトナーは、平均円形度が0.97以上である
ことを特徴としたトナー。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載したトナーであって、
ブラックトナーは、次の関係式(3)を満たす
1.00<(D4/D1)<1.25…(3)
(ここで、D4は、体積平均粒径で、D1は数平均粒径を表す。)
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーであって、
ブラックトナーは、いずれのカラートナーよりも離型剤を多く含む
ことを特徴としたトナー。 - 記録媒体上にカラー画像を形成する同一のカラー画像形成装置に用いられる、少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、およびブラックトナーとからなるフルカラートナーキットであって、
ブラックトナーは、酸化鉄を含有した球形トナーであって、他の有彩色のカラートナーに対して、次の関係式(1)を満たす
|Qカラー|−|Qブラック|>5…式(1)
(Qカラーは、カラートナーの摩擦帯電量の平均値、Qブラックは、ブラックトナーの摩擦帯電量を表す。)
ことを特徴とするフルカラートナーキット。 - 請求項6に記載のフルカラートナーキットであって、
ブラックトナーとカラートナーとは、次の関係式(2)を満たす
|Qカラー|−|Qブラック|>10…式(2)
ことを特徴とするフルカラートナーキット。 - 請求項6又は7に記載したフルカラートナーキットであって、
ブラックトナーは、平均円形度が0.97以上である
ことを特徴としたフルカラートナーキット。 - 請求項6ないし8のいずれかに記載したフルカラートナーキットであって、
ブラックトナーは、次の関係式(3)を満たす
1.00<(D4/D1)<1.25…式(3)
(ここで、D4は、体積平均粒径で、D1は数平均粒径を表す。)
ことを特徴とするフルカラートナーキット。 - 請求項6ないし9のいずれかに記載のフルカラートナーキットであって、
ブラックトナーは、いずれのカラートナーよりも離型剤を多く含む
ことを特徴としたフルカラートナーキット。 - 少なくとも、感光体と現像装置とを備え、記録媒体上にカラー画像を形成するカラー画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、
ブラックトナーが入っているプロセスカートリッジとカラートナーが入っているプロセスカートリッジとは、感光体表面の電位設定が異なる
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項11に記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記プロセスカートリッジに用いられるトナーは、請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーである
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 静電荷による静電潜像を形成する像担持体と、像担持体に露光して潜像を形成する潜像形成手段と、像担持体表面の潜像にトナーを供給し可視像化する現像手段と、像担持体と接触しつつ表面移動する中間転写体を介して記録材上に転写させる転写手段と、転写後に像担持体表面に残留した転写残トナーを像担持体から回収するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、現像されるトナーにより感光体表面の電位設定が異なる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置に用いられるトナーは、請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーである
ことを特徴とする画像形成装置。
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