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JP2005139167A - 有害生物防除組成物 - Google Patents

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JP2005139167A JP2004214119A JP2004214119A JP2005139167A JP 2005139167 A JP2005139167 A JP 2005139167A JP 2004214119 A JP2004214119 A JP 2004214119A JP 2004214119 A JP2004214119 A JP 2004214119A JP 2005139167 A JP2005139167 A JP 2005139167A
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Abstract

【課題】
3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼンを利用しながら、農園芸における有害生物に対して、より低薬量にて優れた防除効果を有する有害生物防除剤の開発が望まれていた。
【解決手段】
3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼン及びバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質を含有することを特徴とする有害生物防除組成物等。
【選択図】 なし






Description

本発明は、有害生物防除組成物、より具体的には、3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼン及びバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質を含有する有害生物防除組成物に関する。
3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼンが殺虫活性を有することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−151172号公報
3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼンを利用しながら、農園芸における有害生物に対して、より低薬量にて優れた防除効果を有する有害生物防除剤の開発が望まれている。
本発明者等は、かかる状況下に鋭意検討した結果、単に混合した時に得られる相加効果以上の相乗効果を得ることが出来、使用する薬量の低減を可能とする有害生物防除組成物における組み合わせを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼン(以下、本化合物と記すこともある。)及びバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質(以下、本タンパク質と記すこともある。)を含有することを特徴とする有害生物防除組成物(以下、本発明組成物と記すこともある。);
2.3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼン及びバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質が重量比で1:1000〜10:1の割合で含有されてなることを特徴とする前項1記載の有害生物防除組成物;
3.殺虫性タンパク質が、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の培養物、生菌体、その菌芽胞、それらを熱若しくは化学的手段により死菌化処理された菌体、又はそれら菌体の破砕物に含まれた状態である殺虫性タンパク質であることを特徴とする前項1又は2記載の有害生物防除組成;
4.3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼンと、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質との両者としての有効量を、保護すべき植物、有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法;
5.有害生物防除のための、3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼンと、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質との組み合わせ使用;
等を提供するものである。
本発明は、単に混合した時に得られる相加効果以上の相乗効果を得ることが出来、使用する薬量の低減を可能とする有害生物防除組成物を提供可能とする。
本発明組成物において一つの有効成分として用いられる本化合物は、下記の式(1)
Figure 2005139167
で示される殺虫活性を有する化合物であって、特開平9−151172号公報に記載された化合物である。本化合物は、前記公報に記載された方法で製造することができる。
本発明組成物において他の一つの有効成分として用いられる本タンパク質は、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質であれば特に制限はないが、具体的には例えば、CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIB、CryIC、CryID、CryIF、CryIIA、CryIIB、CryIIIA、CryIIIB、CryIIIC、CryIIID、CryV、CryVI等をあげることができる。
これら本タンパク質は、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌により産生されるが、その中でも例えば、クルスタキ(kurstaki)、アイザワイ(aizawai)、テネブリオニス(tenebrionis)、ヤポネンシス・ブイブイ(japonensis Buibui)等の亜種に属する前記細菌により産生されるものが本発明組成物に好ましく用いられる。
また、本タンパク質は、天然に存在するバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌により産生されるものであっても、通常の遺伝子工学的な手法を用いて作製された形質転換体(例えば、大腸菌、枯草菌、植物等)により産生されるものであってもよい。尚、このような形質転換体を作製する際に用いられる、本タンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子(以下、本遺伝子と記すこともある。)は、(1)天然に存在する遺伝子の中からクローニングされたものであってもよいし、(2)天然に存在する遺伝子であっても、このクローニングされた遺伝子の塩基配列において、その一部の塩基の欠失、置換又は付加が人為的に導入されてなる遺伝子(即ち、天然に存在する遺伝子を変異処理(部分変異導入法、突然変異処理等)を行ったものであってもよいし、(3)人為的に合成されたものであってもよい。
上記のような微生物は、天然から分離してもよいし、菌株保存機関等から購入してもよい。
天然から分離する場合には、まず、土壌を野外から採取する。採取された土壌を滅菌水で懸濁させた後、当該懸濁液を、例えば、枯草菌等の微生物分離用固体培地上に塗布し、これを25℃で培養し、数日後に生えてきた菌の独立したコロニーを切り取り、新しい、例えば、枯草菌等の微生物分離用固体培地に移植し、これをさらに25℃で培養する。生育してきた菌について、SNEATH, (P.H.A.), MAIR, (N.S.) SHARPE, (M.E.) and HOLT, (J.G.):Bergey's manual of Systematic Bacteriorogy. Vol.2. 1984, Williams and Wilkins, Baltimore.等に記載される方法等に従って、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌であるかを同定することにより、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌を選抜すればよい。
つぎに、選抜されたバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌から、当該細菌中に存在する殺虫性タンパク質の有無を、例えば、生物活性評価法や顕微鏡観察法等に従って確認することにより、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌を選抜すればよい。
本発明組成物で用いられる本タンパク質は、当該タンパク質自体そのままでもよいが、例えば、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の培養物、生菌体、その菌芽胞、それらを熱若しくは化学的手段により死菌化処理された菌体、又はそれら菌体の破砕物に含まれた状態である殺虫性タンパク質であってもよい。
尚、殺虫性タンパク質を産生するバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌を培養する培地としては、一般的細菌用培地、普通ブイヨン液体培地等があげられるが、当該細菌が増殖する培地であれば何でもよい。前述の如く、上記の培地を用いて培養されたバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌及びその産生物を培地ごと遠心分離及び/又は乾燥して本発明組成物の他の一つの有効成分である本タンパク質として用いるか、或いは公知の方法に従って前記培地から分離された殺虫性タンパク質自体そのままを本タンパク質として用いればよい。因みに、本タンパク質自体そのままの分子量は、数万〜十数万ダルトンであり、所定回数の分裂を繰り返したバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌が崩壊する際に菌芽胞とともに放出される結晶性物質である。
また、本発明組成物で用いられる本タンパク質は、市販のBT製剤品を用いてもよく、好ましくは、ダイポール(商標登録)(住友化学工業(株))、エスマルク(商標登録)(住友化学工業(株))、フローバック(商標登録)(住友化学工業(株))、ゼンターリ(商標登録)(住化武田農薬(株))、Novodor(商標登録) (Valent BioSciences co.)、ブイハンター(商標登録)(住友化学工業(株):クボタバイオテックから2003.12に事業譲渡。)、Design(商標登録)(Thermo Trilogy co.)等をあげることができる。
本発明組成物は、広範囲な農園芸における有害生物(例えば、昆虫類や有害ダニ類等)の防除に利用できる。その代表例として、下記のものが挙げられる。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis pserudobrassicae)等のアブラムシ類、カメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolli)等のコナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、シバツトガ(Parapediasia teterrella)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brasicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)、ヘリオティス属(Heliothis spp.)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp.)、エアリアス属(Earias spp.)等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)等のシロチョウ類、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、コドリングモス(Cydia pomonella)等のハマキガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)等のチビガ類、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)等のホソガ類、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)等のコハモグリガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ドクガ(Euproctis taiwana)、マイマイガ(Lymantria dispar)、モンシロドクガ(Euproctis similis)等のドクガ類、ヒメクロイラガ(Scopelodes contracus)等のイラガ類、マツカレハ(Dendrolimus spectabilis)等のカレハガ類、ピンクボールワーム(Pectinophora gossypiella)等のキバガ類、ヒトリガ類、ヒロズコガ類等。
双翅目害虫:マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、ナスハモグリバエ(Liriomyza bryoniae)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、ヨメナスジハモグリバエ(Liriomyza asterivora)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)等のハモグリバエ類、イエカ類、ヤブカ類、ハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ハナバエ類、タマバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類等
鞘翅目害虫:ハムシ類、コガネムシ類、ゾウムシ類、オトシブミ類、テントウムシ類、カミキリムシ類、ゴミムシダマシ類等
アザミウマ目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)等のスリップス属、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)等のフランクリニエラ属、チャノキイロアザミウマ(Sciltothrips dorsalis)等のシルトスリップス属等のアザミウマ類、クダアザミウマ類等
膜翅目害虫:ハバチ類、アリ類、スズメバチ類等
網翅目害虫:ゴキブリ類、チャバネゴキブリ類等
直翅目害虫:バッタ類、ケラ類
隠翅目害虫:ヒトノミ等
シラミ目害虫:ヒトジラミ等
シロアリ目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)等のシロアリ類
ダニ目害虫:テトラニカス属(Tetranychus spp.)、パノニカス属(Panonychus spp.)等のハダニ類、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)等のフシダニ類、コナダニ類、マダニ類等。
本発明組成物は、特に限定されるものではないが、キャベツ、ハクサイ、チンゲンサイ、ダイコン、ブロッコリー、レタス、ホウレンソウ、トマト、ナス、ピーマン、トウガラシ、キュウリ、スイカ、メロン、アスパラガス、ネギ、イチゴ、バナナ、米、ライ麦、小麦、大麦、オート麦、アワ、サツマイモ、ジャガイモ、トウモロコシ、インゲン、野豆(field bean)大豆、小豆、テンサイ、サトウキビ、茶、タバコ、飼い葉、ビート食用根、カカオ、ニンジン、キャサバ、セロリ、ヒヨコマメ、柑橘類、ココナッツ、コーヒー、棉、イチジク、ブドウ、リンゴ、オウトウ、ナシ、モモ、ウメ、カキ、グアバ(guava)、オクラ、鑑賞用植物、パパイヤ、落花生、胡椒、キマメ、パイナップル等の各種の異なる植物や果実における多様な農園芸上での適用のための有害生物の防除に用いることができる。
また、例えば、芝、カーネーション、サクラ、バラの木、ガーベラ、キク、鉢植えの草花、及びサボテン等の栽培花も本発明により保護することができる。尚、栽培草木の例は、全ての観賞用や開花低木を含むであろう。
本発明組成物において、本化合物と本タンパク質との混合比としては、例えば、重量比で1:10000〜10000:1の割合、好ましくは1:1000〜10:1の割合、より好ましくは1:1000〜5:1の割合、より好ましくは1:40〜1:1の割合、特に好ましくは1:20〜1:1の割合等をあげることができる。
本発明組成物を用いる場合には、他の何らの成分も加えず、そのまま本化合物と本タンパク質とを混合しても用いてよいが、通常は当該混合物にさらに固体坦体、液体坦体、ガス状担体等、必要により界面活性剤、その他の製剤用補助剤を加えることにより、油剤、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、粉剤、粒剤、エアゾール、マイクロカプセル剤、加熱燻蒸剤、毒餌剤等の各種製剤して用いることが好ましい。これらの製剤には、有効成分として本発明組成物を、通常、重量比で約0.01〜95%含有させることがよい。
製剤化の際に用いられる固体坦体としては、例えば、粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク類、セラミック類、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末や粒状物があげられる。
液体坦体としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、非芳香族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド類)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、植物油(大豆油、綿実油等)等があげられる。
また、ガス状担体、即ち、噴射剤としては、例えばフロンガス、ブタンガス、液化石油ガス、ジメチルエーテル、炭酸ガス等があげられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化合物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等があげられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、糖類(澱粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール及び3−tert−ブチル−4−メトキシフェノール)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸、脂肪酸エステル等が挙げられる。
毒餌剤の基材としては、例えば、穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末等の誤食防止剤、チーズ香料、タマネギ香料等の誘引性香料等が挙げられる。
水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤は、通常、約1〜75重量%の有効成分化合物を、約0.5〜15重量%の懸濁補助剤(例えば保護コロイドやチクソトロピー性を付与しうる物質)、約0〜10重量%の補助剤(例えば消泡剤、防錆剤、安定剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤等)を含む水中で、微少に分散させることにより得ることができる。
本発明組成物は、各々の有効成分を上記の製剤手法により製剤した後、これら製剤を混合することにより調製することもできる。即ち、本発明組成物は、その製剤形態によっては、本化合物を予め製剤化したものと、本タンパク質を予め製剤化したものとを混合することにより調製してもよく、また、両者を施用時に混用又は併用することもできる。
このようにして製剤化された本発明組成物は、そのままで、あるいは水等に希釈して用いる。また、さらに他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料等を混用又は併用することもできる。
本発明組成物は、有害生物、有害生物の生息場所、有害生物から保護すべき植物等に施用される。その際、本発明組成物が乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等に製剤化されたものである場合には、通常、水等で希釈して処理される。
本発明組成物を農園芸における有害生物に対して処理する場合には、本発明組成物の有効量又は施用量は、通常、1000m当たりの施用量で約0.1〜1000gである。尚、有害生物防除のための有効成分を粒剤、粉剤、油剤等のまま施用する場合には、通常、上記の有効量又は施用量となるように何ら希釈することなくそのまま施用すればよい。また、有害生物防除のための有効成分を乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等を水に希釈して施用する場合でも、上記の有効量又は施用量となるように水で希釈して施用すればよい。具体的には例えば、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等を水で希釈して用いる場合には、本発明組成物の施用濃度としては、通常、約1〜10000ppmをあげることができる。
上記の有効量又は施用量は、いずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲に関わることなく増減して適宜選択することができる。
以下、本発明を製剤例及び試験例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に限定されるものではない。
尚、後述された「BT菌培養物」とは、1ml当たり1×10個のバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌由来の生芽胞を含む胞子懸濁液100μlを、500mlフラスコに入れて滅菌されたL−broth液体培地(100ml)に接種し、25℃の条件下で、2〜5日間程度振とう培養(150rpm)を行い、その後、得られた培養液からバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌由来の芽胞と形成殺虫性タンパク質との両者を遠心分離により回収し、乾燥することにより得られた培養物(即ち、本タンパク質の一つの形態)を意味する。
製剤例1 乳剤
本化合物1部と、BT菌培養物10部とを、キシレン36.5部及びジメチルホルムアミド36.5部に溶解し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル10部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部を加え、よく攪拌混合して乳剤を得る。
製剤例2 水和剤
本化合物5部と、BT菌培養物45部とを、ラウリル硫酸ナトリウム4部リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末22部及び珪藻土22部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
製剤例3 粒剤
本化合物1部に、BT菌培養物5部、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部及びクレー54部を加え、よく攪拌混合し、次いでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して粒剤を得る。
製剤例4 粉剤
本化合物0.5部と、BT菌培養物4部、合成含水酸化珪素微粉末1部、凝集剤としてドリレスB(三共社製)1部及びクレー7部とを乳鉢でよく混合した後にジュースミキサーで攪拌混合する。得られた混合物にカットクレー86.5部を加えて、充分攪拌混合して粉剤を得る。
製剤例5 フロアブル剤
本化合物1部と、BT菌培養物10部及びソルビタントリオエレート1.5部とを、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液26部中に加え、よく攪拌混合し、次いでこれらの混合物をサンドグライダーで微粉砕(粒径3μm以下)した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液48部を加え、さらにプロピレングリコール15部を加えて攪拌混合してフロアブル剤を得る。
製剤例6 油剤
本化合物0.1部と、BT菌培養物0.8部とを、キシレン5部及びトリクロロエタン5部に溶解し、これを脱臭灯油89.1部に混合して油剤を得る。
製剤例7 マイクロカプセル剤
本化合物2部と、BT菌培養物8部、フェニルキシリルエタン10部及びスミジュールL−75(住友バイエルウレタン株式会社社製トリレンジイソシアネート)0.5部とを混合した後、アラビアガムの10%水溶液20部中に加え、ホモミキサーで攪拌して平均粒径20μmのエマルションを得る。次に、これにエチレングリコール2部を加え、さらに60℃の温浴中で24時間反応させてマイクロカプセルスラリーを得る。一方、ザンサンガム0.2部及びビーガムR(三洋化成株式会社製アルミニウムマグネシウムシリケート)1.0部をイオン交換水56.3部に分散させて増粘剤溶液を得る。上記マイクロカプセルスラリー42.5部及び増粘剤溶液57.5部を混合してマイクロカプセル剤を得る。
次に本発明組成物が優れた有害生物防除効果を示すことを試験例により示す。尚、2種類の有効成分を混合して処理した際に予想される殺虫率の理論値は、E=X+Y−(X・Y/100)(因みに、当該式は、Colbyの計算式と一般的に呼ばれている薬剤の組み合わせに対する相乗効果及び拮抗効果の判定基準を算出するために用いられている式である。)により求められる。当該式において、
X:有効成分AをMppmで処理した際の殺虫率(%)
Y:有効成分BをNppmで処理した際の殺虫率(%)
E:有効成分AをMppm、有効成分BをNppmで処理した際に予想される殺虫率の理論値(%)
試験例1 (Heliothis virescens に対する人工試料試験)
本化合物の10%乳剤と、BT菌製剤品:Design(登録商標)(Bacillus thuringiensis var. aizawai strain GC91 (conjugant)、Wettable granules製剤品、Thermo Trilogy Corporation社製)の水希釈液とを混合して各々の所定濃度に希釈した試験液を調製した。プラスチックカップ(30cc)内の底面に、人工飼料(約2g)を注入した後、試験液0.2mlを処理した。処理後2時間程度風乾した後、供試虫(Heliothis virescens )の2齢幼虫を1頭放飼した(20反復)。処理5日後に死虫率を求め、当該死虫率を下記の式によって補正することにより殺虫率(%)を算出した。その結果を表1に示す。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:供試化合物処理区における死虫率(%)
Mc:供試化合物無処理区における死虫率(%)
Figure 2005139167
試験例2 (Spodoptera litura に対する食葉浸漬試験)
本化合物の10%乳剤と、BT菌製剤品:フローバック(登録商標)(Bacillus thuringiensis var. aizawai )ドライフロアブル製剤品、住友化学工業株式会社製)の水希釈液とを混合して各々の所定濃度に希釈した希釈液に、展着剤(特製リノー:日本農薬株式会社製)を当該希釈液の1/5000量加えることにより、試験用薬液を調製した。この試験用薬液に、ポット植えの5〜8葉期のキャベツの葉を切り取り60秒間浸漬した。プラスチックカップ(500cc)内に、直径90mmの濾紙を敷き、この上に浸漬後風乾したキャベツの葉を置いた。当該キャベツの上に、供試虫(Spodoptera litura )の3齢幼虫を10頭放飼した(3反復)。処理6日後に供試虫の死虫率を求め、当該死虫率を下記の式によって補正することにより殺虫率(%)を算出した。その結果を表2に示す。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:供試化合物処理区における死虫率(%)
Mc:供試化合物無処理区における死虫率(%)
Figure 2005139167
本発明は、単に混合した時に得られる相加効果以上の相乗効果を得ることが出来、使用する薬量の低減を可能とする有害生物防除組成物を提供可能とする。

Claims (5)

  1. 3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼン及びバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質を含有することを特徴とする有害生物防除組成物。
  2. 3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼン及びバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質が重量比で1:1000〜10:1の割合で含有されてなることを特徴とする請求項1記載の有害生物防除組成物。
  3. 殺虫性タンパク質が、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の培養物、生菌体、その菌芽胞、それらを熱若しくは化学的手段により死菌化処理された菌体、又はそれら菌体の破砕物に含まれた状態である殺虫性タンパク質であることを特徴とする請求項1又は2記載の有害生物防除組成物。
  4. 3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼンと、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質との両者としての有効量を、保護すべき植物、有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法。
  5. 有害生物防除のための、3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピルオキシ]ベンゼンと、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の殺虫性タンパク質との組み合わせ使用。
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