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JP2005131216A - キット製剤用中間摺動弁、及び、キット製剤用注射筒 - Google Patents

キット製剤用中間摺動弁、及び、キット製剤用注射筒 Download PDF

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JP2005131216A JP2003372369A JP2003372369A JP2005131216A JP 2005131216 A JP2005131216 A JP 2005131216A JP 2003372369 A JP2003372369 A JP 2003372369A JP 2003372369 A JP2003372369 A JP 2003372369A JP 2005131216 A JP2005131216 A JP 2005131216A
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syringe
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Tetsuo Tokawa
哲郎 東川
Hideo Akiyama
英郎 秋山
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Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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Abstract

【課題】注射操作終了後の注射筒内の残液をできるだけ少なくすることが可能で、薬液内残留気泡のない、注射操作開始直後からスムーズに操作可能なキット製剤用中間摺動弁と直列順次分注型注射器型キット製剤とを提供する。
【解決手段】柱状の本体部の側面の一方の端に形成された環状のリップ部と、注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と該柱状の本体部の軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部による区画水密性を保つための摺接部とを有する中間摺動弁であって、上記中間摺動弁が注射筒内部へ収納されたときの上記摺接部と注射筒内壁との接触が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有せず、かつ、上記摺接部の周方向の長さが本体部の側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げない長さであることを特徴とするキット製剤用中間摺動弁。
【選択図】図1

Description

本発明は、予め注射筒内に薬液が導入されているキット製剤用中間摺動弁に関し、特に、2液を順次注射することが可能なキット製剤用中間摺動弁に関する。
注射器型キット製剤は必要な薬液が予め注射筒内に充填されているため、迅速な操作が可能であるのみならず、従来の注射のようにアンプルやバイアルから薬液を注射筒内へ吸い上げる必要がないため、ガラス粉やゴム片などの夾雑物の混入のおそれが全くなく、また、感染などの医療事故を予め防止できるなどの利点を多く持つ優れた技術である。
ここで、例えば、治療には物理的、化学的あるいは薬理学的特性の異なる2種類以上の薬剤が必要であるが、これらの薬剤が安定性確保等の問題で混合液とすることができないもの(例えば酸性薬剤とアルカリ性薬剤との組み合わせ等)、あるいは、治療薬(第2の薬液)の注射の際に投与部位にはげしい痛みを与えるため、その除痛の目的で第2の薬液の投与の前に予め局所麻酔剤を第1の薬液として投与するものなどが知られている。
このうち、後者の例として変形性膝関節症、肩関節周囲炎などの、第1の薬液が例えば塩酸リドカインなどの局所麻酔剤と、注射針の太さの影響、pHや浸透圧比が体液と大きく異なり、また、医師の拙劣手技等の理由により患者の患部に激痛を与えるおそれのあるヒアルロン酸ナトリウムなどの治療剤などと、あるいは、世界中で汎用されているものの、静脈血管に激痛を与えることが知られている導入麻酔剤(プロポフォール)などとの組み合わせがその典型的な事例として考えられる。
このような注射器型キット製剤として、本発明者等による、1回の注射操作で2種類の薬剤を混合することなく、順次注射することができる直列順次分注型注射器を用いた特許第2656665号公報記載の注射器型キット製剤について説明する。
このキット製剤では図8に示すような中間摺動弁αを用いる。
略円筒状の中間摺動弁であって、その側面には3つのリップ状の部分が形成されているが、実際にリップとして機能するのはリップ部α1のみであって、他の2つ、α2及びα3は注射筒内壁に当接し、該中間摺動弁の注射筒内部での摺動の際にも該中間摺動弁の軸線を注射筒の軸線と一致させるための保持部である。
これら保持部α2及びα3には中間摺動弁進行方向前後を連絡する連絡部α4が形成されているため、この中間摺動弁を用いたキット製剤ではリップ部α1と保持部α2との間の溝α5と注射筒内面とにより形成される空間、及び、保持部α2およびα3との間の溝α6と注射筒内面とにより形成される空間には、空気が排出されて液が充填できる。
次にこの注射器型キット製剤として用いる注射筒βを図9に示す。図9は注射筒βには内部にはすでに中間摺動弁αがセットされている状態を示す。
注射筒βの内側面の注射針側端付近にはバイパス形成用溝β1が(この例では4つ)設けられている。注射筒βの注射針側底面β3内側にはこれらバイパス形成用溝β1と針接続部β4とを接続する誘導用溝β5がそれぞれ設けられている。
図10(a)にはこれら中間摺動弁αと注射筒βとを用いる、キット2種類の薬剤を1回の操作で注射することができる直列順次分注型注射器を用いた製剤の例をモデル断面図で示す。
注射筒β内には針装着側から中間摺動弁α及びプランジャ摺動弁γの順でセットされ、針装着部β4はシール栓δによって密栓されていて、針装着部β4と中間摺動弁αとの間の注射筒β内部には第1の薬液ζが、中間摺動弁αとプランジャ摺動弁γとの間の注射筒β内部には第2の薬液ηがそれぞれ充填されている。
このようなキット製剤は使用に先立ち、図10(b)に示すよう、プランジャ摺動γにプランジャ操作部θが、また、注射筒βの注射針接続部β4に注射針εがそれぞれ装着される。
このとき、第1の薬液ζの内部に注射針装着操作等で気泡が生じた場合、注射針装着側を上にしてプランジャ操作部θを操作することによりその気泡を除去することができる。なお、第1の薬液ζの注射量を特に少なくする場合には、この段階でプランジャ操作部θを操作して第1の薬液ζの量を減らす。
次いで注射針εを要注射部位に刺し、その後プランジャ操作部θを注射筒βの注射針装着側に移動させる操作を行って第1の薬液ζを注射する(図10(c)参照)。
このとき中間摺動弁αが注射筒βの注射針装着側に移動し、第1の薬液ζの全量の注射が終了する直前に中間摺動弁αのリップ部α1がバイパス形成用溝β1のプランジャ操作側端に達し、注射筒β内の中間摺動弁αの後方(プランジャ操作側)の部分に充填された第2の薬液ηが中間摺動弁αのリップα1を注射筒βの中間摺動弁αの前方にバイパスするバイパス通路が形成される。このとき、中間摺動弁αのリップ部α1と保持部α2との間の溝α5と注射筒β内面とにより形成される空間、及び、保持部α2およびα3との間の溝α6と注射筒β内面とにより形成される空間にはいずれも気泡がなく、薬液が充填されているので、薬液内に気泡が混入するおそれがない。
その後、さらにプランジャ操作部θの操作を続けると、今度は第2の薬液ηが、上記で形成されたバイパス通路を通過し、さらに、注射筒βの注射針側底面β3内側に設けられたバイパス形成用溝β1と針接続部β4とを接続する誘導用溝β5を通って注射針εに達し要注射部位に注射される。
図10(d)はプランジャ操作部θの操作が終了し第2の薬液ηの注射が終了した状態(注射完了状態)を示す。通常、この状態で要注射部位から注射針を抜くが、第2の薬液ηの注射量を少なくする場合には、第2の薬液ηが注射筒β内に残った状態で注射針を注射部位から抜いても良い。
このような直列順次分注型注射器型キット製剤において、第1の薬液ζが局所麻酔剤であって第2の薬液ηが治療薬の場合、第1の薬液ζが注射された部位に第2の薬液ηが確実に注射されるため、第2の薬液ηが体液に比して、pH、浸透圧、温度などが大きく異なっていても、痛みのない、あるいは、痛みの少ない注射が可能となる。
このような2液直列順次分注型注射器型キット製剤は図11中(a)〜(f)にモデル的に示したように、製造することができる。
まず、注射筒βの注射針装着部β4にシール栓δにより密栓を施した注射筒βに第1の薬液ζを注入し(図11(a)参照)、注射筒β内部を減圧雰囲気とし、この減圧雰囲気を維持しながら、中間摺動弁αを注射筒βのプランジャ操作側開口部に浅く挿入し(図11(b)参照)、その後注射筒β外部雰囲気の圧力により、該中間摺動弁αを前記薬液ζの液面ないし液面付近まで移動させる(図11(c)参照)。
次いで、所定の第2の薬液を所定量充填し(図11(d)参照)、再度注射筒内を減圧雰囲気とした状態で、プランジャ摺動弁γを注射筒βのプランジャ操作側開口部に浅く挿入し(図11(e)参照)、その後注射筒外部雰囲気の圧力により、該プランジャ摺動弁γを前記薬液ηの液面ないし液面付近まで移動させて(図11(f)参照)充填が終了する。
しかしながら、図1にその構造をモデル的に示した中間摺動弁αでは、上記製造方法ではある程度の割合で、中間摺動弁αのリップ部α1と保持部α2との間の溝α5と注射筒β内面とにより形成される空間、及び、保持部α2およびα3との間の溝α6と注射筒β内面とにより形成される空間に、気泡が残留してしまう事態が生じ、キット製剤としての安全性ないし信頼感に疑念が生じる場合があり、改善が求められていた。しかしながら上記空間を大きくすることにより解決を図った場合、これら空間内に残留した薬液は用いられることなく廃棄されることとなり、特に高価薬の場合には問題が大きい。
このような2液用直列順次分注型注射器型キット製剤では通常の注射器に比べ、摺動弁が2つあるために注射操作に必要な力が必然的に大きいが、特に注射操作を開始するときの負荷が予想される範囲を超えて大きく、被注射者身体に針を刺した状態でこのような大きな力を注射操作に加えることは、何らかの事故に結びつくおそれがあり、早急な改良が求められていた。
特許第2656665号公報
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、注射操作終了後の注射筒内の残液をできるだけ少なくすることが可能で、薬液内残留気泡のない、注射操作開始直後からスムーズに操作可能なキット製剤用中間摺動弁と直列順次分注型注射器型キット製剤とを提供することを目的とする。
本発明者等は過去に図12(a)(摺動方向斜め前方から見た斜視図)及び図12(b)(摺動方向後ろから見た斜視図)に示すような形状の中間摺動弁Iを用いた2液用直列順次分注型注射器についてその実用化を検討したことがあった。
この中間摺動弁は突出して形成された、注射筒内壁に当接し、中間摺動弁Iの注射筒内部での摺動の際にも中間摺動弁Iの軸線を注射筒の軸線と一致させる保持部I2が大きく、摺動の際にも中間摺動弁Iの軸線がぶれないので、確実に2種の薬液を別々に順次注射することができる優れた中間摺動弁であった。なお、図中符号I1はリップ部を示す。
しかし、この中間摺動弁の実用化を目指した上記検討の過程で、このような形状の中間摺動弁をポリプロピレン樹脂製の注射筒で用いた場合に、特に注射操作開始直後の操作に要する力が大きいと云う経験を得た。
ここで、2液用直列順次分注型注射器で用いる注射筒は例えば図9に示した注射筒βのように通常の注射筒とは異なった複雑な形状をしたものを用いるため、所定の形状が得られやすいポリプロピレンあるいは環状オレフィレンコポリマー等の樹脂製のものを用いる。
注射筒を形成する樹脂と摺動弁を形成するゴムとの組み合わせでは材質的に摺動性が低いため、摺動弁はシリコーンオイルが塗布されて用いられていた。
上記図12に示すような形状の中間摺動弁Iでもやはりシリコーンオイルを塗布して2液用直列順次分注型注射器を作製した。
このとき作製当初は注射操作開始直後からスムーズに操作可能であったが、作製からしばらく経つと注射操作開始直後に操作のために必要な力が大きくなると云うことを見出した。
これらの知見に基づき本発明者等がその原因について検討を行ったところ、以下のような結論に至った。
すなわち、中間摺動弁に塗布されたシリコーンオイルは注射筒内壁との間に存在してこれら同士の摺動性向上に寄与するが、その寄与は注射筒内部にセットされた直後のみであり、その後のキット製剤としての保管の期間に中間摺動弁と注射筒内壁との間のシリコーンオイルは中間摺動弁のゴム弾性による付勢により中間摺動弁の注射筒との接触面から押し出されてしまい、中間摺動弁と注射筒内壁とが潤滑剤なしに直接接触するようになり、結果として注射操作開始直後では潤滑剤なしに中間摺動弁が摺動することになり、予想を超えた力が必要となっていた。
一方、中間摺動弁側面に気泡が残留してしまう問題に対しては次のように対策を試みた。薬液充填時の雰囲気を通常の減圧状態ではなく、一旦、二酸化炭素雰囲気とした後に減圧を行うようにして、気泡を薬液に吸収されやすい二酸化炭素に富んだものとすることについて検討を行った。
また、気泡を形成するガスを吸収しやすくなるように、デガッサー等によって一旦溶存気体の除去を行った薬液を充填する検討を行った。
しかしながらこれら2つの方法では確実な気泡除去ができず、確実に気泡を除去できる方法が求められていた。
本発明のキット製剤用中間摺動弁は上記課題を解決するため、上記知見及び検討結果に基づき、請求項1に記載の通り、柱状の本体部の側面の一方の端あるいは一方の端付近に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部と、該中間摺動弁の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と該柱状の本体部の軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部による区画水密性を保つための摺接部とを有する中間摺動弁であって、上記中間摺動弁が注射筒内部へ収納されたときの上記摺接部と注射筒内壁との接触が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有せず、かつ、上記摺接部の周方向の長さが本体部の側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げない長さであるキット製剤用中間摺動弁である。
また、本発明のキット製剤用注射器は上記課題を解決するため、上記知見及び検討結果に基づき、請求項5に記載の通り、中間摺動弁とプランジャ摺動弁とを備えたキット製剤用注射器であって、該中間摺動弁が、柱状の本体部の側面の一方の端あるいは一方の端付近に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部と、該中間摺動弁の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と該柱状の本体部の軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部による区画水密性を保つための摺接部とを有し、上記中間摺動弁が注射筒内部へ収納されたときの上記摺接部と注射筒内壁との接触が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有せず、かつ、上記摺接部の周方向の長さが本体部の側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げない長さであるキット製剤用注射器である。
本発明のキット製剤用中間摺動弁によれば、注射操作終了後の注射筒内の残液をできるだけ少なくすることが可能でありながら、薬液内残留気泡のない、注射操作開始直後からスムーズに操作可能な直列順次分注型注射器を可能とするキット製剤用中間摺動弁を得ることができる。
すなわち、摺接部の周方向の長さが薬液の流れを妨げないものであると第2の薬液の薬液充填時に中間摺動弁側面と注射筒内面との間の空間に残留しやすい気泡が排出されやすく、かつ、万一残留した場合であっても、充填後に対流等による気泡と薬液との充分な接触が生じるため、気泡が薬液に吸収されやすくなる。なお、後者の効果は充填時の雰囲気を二酸化炭素や水蒸気などの薬液に吸収されやすいものとする、あるいは/または、充填する第2の薬液をデガッサー等により予め脱気処理を行ってガスを吸収しやすい状態とすることにより高いものとすることができる。
本発明において中間摺動弁が注射筒内部へ収納されたときの上記摺接部と注射筒内壁との接触部が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有しない必要がある。本発明において、中間摺動弁が注射筒内部へ収納されたときの上記摺接部と注射筒内壁との接触が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有しないとは、中間摺動弁が注射筒内部へ両者の軸が一致するように収納されたときに、摺接部が注射筒内壁とまったく接触しないか、摺接部の先端が細くなっておりかつ注射筒内壁に接触はするものの圧着することはないためその接触部が点であるか、あるいは、接触部が中間摺動弁周方向に平行な線状の接触であるかの3つのいずれかであることを指す。
図1に本発明に係るキット製剤用中間摺動弁の一例1を示す。図1(a)は摺動方向斜め前方から見たモデル斜視図であり、図1(b)は摺動方向後ろから見たモデル図(背面図)、図1(c)はモデル側面図、図1(d)はこのキット製剤用中間摺動弁が注射筒10に収納された状態を示すモデル断面図である。
キット製剤用中間摺動弁1は円柱状の本体部1aの側面の一方の端に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部1bと、この中間摺動弁1の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と円柱状の本体部1aの軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部1bによる区画水密性を保つための摺接部1cとを有する中間摺動弁であって、中間摺動弁1が注射筒内部へ収納されたときに形成される摺接部1cと注射筒内壁との接触部が中間摺動弁1の摺動方向に対して実質的に長さを有せず、かつ、上記摺接部1cの周方向の長さが本体部1aの側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際にこの薬液の流れを妨げない長さであるキット製剤用中間摺動弁である。
具体的にはこの例では摺接部1cはすべて同じ先端が丸くなった円錐台形状(突起状)となっており、円柱状の本体部1aの側面の、リップ部が形成されている一端に対しての他端に、部分的に突出して一体に形成されていて、その数は10個であって中間摺動弁1の軸を中心にそれぞれ30°ずつずれた位置に設けられている。
摺接部がこのように突起形状の場合にはその数は2つ以上(このとき、摺動弁の軸を中心に互いに180°の位置に1つずつ配置する)であることが必要であり、摺接部が3つ以上設けてあるであることが望ましく、このとき、摺接部の数をnとすると通常、摺動弁の軸を中心に(360°/n)ずつずらした位置にそれぞれ1つずつ配置する。
上記においては摺接部1cは円柱状の本体部1aの側面の、リップ部が形成されている一端に対しての他端に設けられているが、必ずしも他端である必要はなく、より中央寄りであっても、リップ部1bによる区画水密性が保たれる位置であれば良い。
これら図中符号1dを付して示されているのは密着防止用凸部であり、この中間摺動弁1が注射筒針装着側底部と密着するのを防止し、中間摺動弁1と注射筒針装着側底部との間に薬液が通過できる通路を確保するためのものである。なお、この密着防止用凸部1dが高いと注射筒内に残留する薬液が多くなってしまう、成型時の型からの取り出しが困難になったり、この摺接部のみが本体部から分離して型内に残ってしまう、取り扱い時に摺接部が取れてしまうなどの問題が生じやすいので通常はわずかに突出する高さとする。
なお、図1に示した例ではこれら摺接部1cの先端すべては1つの円(外接円)に外接し、その外接円の中心は円柱状の本体部1aの軸と一致していて、その外接円の直径はリップ部1aの直径より小さく、この中間摺動弁1を用いるキット製剤用注射器の注射筒の内径に等しい。
なお、上記外接円の直径(図1(c)中R2)はリップ部1bの直径(図1(c)中R1)以下とすることが好ましく、さらに上記外接円の直径は併用する注射筒の内径(図1(d)中R3)以下であると、摺接部の注射筒内壁への密着が完全に防止できるのでより好ましいが、上記外接円の直径R3はこの中間摺動弁1の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と円柱状の本体部1aの軸とがなす角度を規制してリップ部1bによる区画水密性を保つことができる大きさである必要がある。なお、リップ部1b中間摺動弁1を用いるキット製剤用注射器の注射筒10の内壁に圧接してリップ部1b前後の空間を遮断する充分な水密性が保たれるために、その直径R1は注射筒10の内径R3より大きい必要がある。
図1に示した例では中間摺動弁1が注射筒内部へ両者の軸が一致するように収納された場合に、摺接部1cの先端が細くなっており、かつ、外接円の直径R3が注射筒10の内径R3よりわずかに大きいだけなので、注射筒内壁に接触はするものの圧着することはないため、摺接部と注射筒内壁との接触が点である。
なお、図1(b)の背面図から理解できるように摺接部1cの大きさは中間摺動弁進行方向後方から見たときに充分小さく、その中間摺動弁の周方向の長さは本体部の側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げない長さである。
この中間摺動弁1によれば、本体部1a側面と注射筒内壁とが形成する空間が小さいので、注射筒内の薬液残留量は極めて少なく、また、薬液充填時に本体部1と注射筒内壁とが形成する空間内に気泡が残留することがなく、さらに、注射動作開始時もスムーズに操作できる。
ここで本発明に係る中間摺動弁の他の例について図2を用いて説明する。
進行方向斜め前方から見た斜視図である図2(a)、進行方向後方から見た背面図である図2(b)、および、側面図である図2(c)によって示された本発明に係る中間摺動弁2は上記中間摺動弁1で本体部1a側面の他方の端部に設けられた10個の摺接部に加えて本体部1a側面の他方の端部付近(端部より中央寄りの位置)の位相を半分ずらした位置にそれぞれ更なる10個の摺接部を、計20個の摺接部を有する中間摺動弁である。
すなわち、円柱状の本体部2aの側面の一方の端に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部2bと、この中間摺動弁2の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と円柱状の本体部2aの軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部2bによる区画水密性を保つために本体部2aの他の端部に10個の円錐台形状(突起状)の摺接部2cと該他の端部付近(他の端部より中央寄り)に10個の円錐台形状(突起状)の摺接部2c’とをそれぞれ位相をずらして千鳥状に有する中間摺動弁であって、中間摺動弁が注射筒内部へ収納されたときに形成される上記摺接部2c及び2c’と注射筒内壁との接触部が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有せず、かつ、上記摺接部2c及び2c’の周方向の長さが本体部2aの側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げない長さであるキット製剤用中間摺動弁である。
中間摺動弁2が図1(d)における中間摺動弁1の代わりに注射筒10内部へ両者の軸が一致するように収納された場合に、摺接部2c及び2c’の先端が細くなっており、リップ部2bの直径は上記中間摺動弁1のリップ部1bの直径と、摺接部2cの外接円の直径及び摺接部2c’の外接円の直径は上記中間摺動弁1の摺接部1cの外接円の直径と、それぞれ等しく、かつ、これら摺接部2cの外接円の直径および摺接部2c’の外接円の直径が注射筒10の内径よりわずかに大きいだけなので、注射筒内壁に接触はするものの圧着することはないため、摺接部と注射筒内壁との接触が点である。
この中間摺動弁2によれば、本体部2a側面と注射筒内壁とが形成する空間が小さいので、注射筒内の薬液残留量は極めて少なく、また、薬液充填時に本体部1と注射筒内壁とが形成する空間内に気泡が残留することがなく、さらに、注射動作開始時もスムーズに操作できる。
上記は柱状の本体部から突出して設けられた円錐台形状(突起状)の摺接部を設けた例を示したが、リップ部が設けられていないほうの本体部の端、すなわち、中間摺動弁進行方向後方の、他の端自体が摺接部となった本発明に係る中間摺動弁の例3について、進行方向斜め前方から見た斜視図である図3(a)および進行方向後方から見た背面図である図3(b)を用いて説明する。
円柱状の本体部3aの側面の一方の端に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部3b(リップ部3bの直径は図1に示された中間摺動弁のリップ部の直径R1と等しい)と、中間摺動弁3の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と円柱状の本体部3aの軸とがなす角度を図中のθ以内に規制することにより上記リップ部3bによる区画水密性を保つための摺接部3cとを有する中間摺動弁であって、上記摺接部3cは、リップ部3bが設けられていないほうの本体部3aの端、すなわち、中間摺動弁3進行方向後方の、他の端自体であり、中間摺動弁3が注射筒内部へ両者の軸が一致するように収納されたときには上記摺接部3cと注射筒内壁との接触部は存在しないので本体部の側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げないキット製剤用中間摺動弁である。
なお、上記円柱状の本体部3aの直径R4は当然のことながら摺動部3cの頂上を外接する円の直径に等しく、また、併用する注射筒10の内径(図3(d)中R3)以下である。
この中間摺動弁3によれば、本体部3a側面と注射筒内壁とが形成する空間が小さいので、注射筒内の薬液残留量は極めて少なく、また、薬液充填時に本体部1と注射筒内壁とが形成する空間内に気泡が残留することがなく、さらに、注射動作開始時もスムーズに操作できる。
一方、例えば図3(d)に中間摺動弁3’として示すように、円柱状の本体部3a’の直径が充分に大きくなく、中間摺動弁の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と円柱状の本体部の軸とがなす角度が上記θ’がリップ部3b’による区画水密性を保つには大きすぎる角度まで取りうる場合には、リップ部3b’による水密性が保たれず、リップ部3b’前後の薬液が混合してしまう場合が生じるので、中間摺動弁としての機能を果たさない。
なお、薬液の残留量を減らす目的で上記中間摺動弁1〜3においては、併用する注射筒内壁との空隙を少なくすることができるので、本体部を併用する注射筒の内径に近い太さを有する円筒形としたが、注射筒内に残留する薬液の量が多少多くなっても上記空間内に気泡の残留をより確実に排除したい場合には、本体部形状を円柱であってもより細径のものとするか、あるいは、例えば三角柱、四角柱、六角柱などの本体部の側面と注射筒内面との間隙が大きい構造とすることにより対応することができる。
ここで本体部が正三角柱形状のキット製剤用中間摺動弁の例について図4を用いて説明する。
図4(a)は正三角柱形状のキット製剤用中間摺動弁の進行方向斜め前方から見たモデル斜視図、図4(b)は側面図、図4(c)は進行方向後方からの背面図である。
すなわち、正三角柱状の本体部4aの側面の一方の端に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部4bと、この中間摺動弁4の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と正三角柱状の本体部4aの軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部4bによる区画水密性を保つために本体部4bの他の端部の角部にそれぞれ1個の円錐台形状(突起状)の摺接部4c、計4個を有する中間摺動弁であって、中間摺動弁4が注射筒内部へ収納されたときに形成される上記摺接部4cと注射筒内壁との接触部が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有せず、かつ、上記摺接部4c及び4c’の周方向の長さが本体部4aの側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げない長さであるキット製剤用中間摺動弁である。
中間摺動弁4が図1(d)における中間摺動弁1の代わりに注射筒10内部へ両者の軸が一致するように収納された場合に、摺接部4c先端が細くなっており、リップ部4aの直径は上記中間摺動弁1のリップ1aの直径と、摺接部4cの外接円の直径は上記中間摺動弁1の摺接部1cの外接円の直径とそれぞれ等しく、かつ、摺接部4cの外接円の直径が注射筒10の内径よりわずかに大きいだけなので、注射筒内壁に接触はするものの圧着することはないため、摺接部と注射筒内壁との接触が点である。
この中間摺動弁4では本体部4a側面と注射筒内壁とが形成する空間が大きいので、上記中間摺動弁1〜3を用いた場合に比べ、注射筒内の薬液残留量は若干多くなるが、比較的安価な薬液を用いる場合に適しており、薬液充填時に本体部1と注射筒内壁とが形成する空間内に気泡が残留しにくく、さらに、注射動作開始時も上記中間摺動弁1または2を用いたときと同様にスムーズに操作できる。
次に上記中間摺動弁1〜4に併用する注射筒についてその一例を図5及び図6を用いて説明する。
注射筒10の軸を含む面でのモデル断面図を図5(a)に、針装着部付近の斜視図を図5(b)に、また図5(a)のLLにおける断面図を図5(c)に示す。
この注射筒10はバイパス通路形成部10aを3つ有する以外は一般的な注射筒と同じものである。
バイパス通路形成部10aは注射筒10の針装着側底部からプランジャ操作側に向かって内側に突出して注射筒10と一体に形成されているそれぞれ1組の直方体により形成されている。ただしこれらバイパス通路形成部10aの突部はプランジャ操作側端がすべて斜めとなっていて、図6(a)に示すように本発明に係る中間摺動弁(ここでは図1に示した中間摺動弁1を用いた例で説明する)が注射操作の結果、このバイパス通路形成部10aの位置に達したときに、そのリップ部1bのバイパス通路形成部10aに当接した箇所がこのバイパス通路形成部10aの傾斜部により摺動弁1の円柱径の本体部の軸側に押しつけられながら、バイパス通路形成部10aに乗り上げる。
このとき、中間摺動弁1のリップ1bが図6(a)のLLにおける断面図である図6(b)及びその拡大図である図6(c)に示されるように軸側に押しつけられると中間摺動弁1の後方(プランジャ操作側)の薬液が中間摺動弁1の前方(針装着側)に通過可能なバイパス路11がバイパス通路形成部10aの2つの凸部の中間及び両脇に形成される。なお、中間摺動弁1のリップ1bの形状、材質によってはバイパス通路形成部10aの2つの凸部の両脇にバイパス路が形成されない場合が想定されるので、確実にバイパス路が形成されるようにバイパス通路形成部10aは近接した複数からなる1組の凸部によって形成されることが望ましい。
なお、バイパス路の断面積の総計は、通常、そのキット製剤で用いる注射針の孔の断面積に比べて充分大きいことが必要である。従って使用が予想される注射針の内径太さを勘案して充分なバイパス路の断面積が得られるように設計する。
次に本発明に係る中間摺動弁の上記例1を用いたキット製剤についてその使用方法を説明する。
図7(a)には、1回の注射操作で2種類の薬剤を混合することなく、1回の動作で順次注射することができる直列順次分注型注射器を用いた注射器型キット製剤のモデル断面図を示した。
注射筒10内には針装着側から中間摺動弁1及びプランジャ摺動弁12の順でセットされ、針装着部10cはシール栓13によって密栓されていて、針装着部10cと中間摺動弁1との間の注射筒10内部には第1の薬液14が、中間摺動弁1とプランジャ摺動弁12との間の注射筒10内部には第2の薬液15がそれぞれ充填されている。なお、このようなキット製剤は図11を用いて説明した方法と全く同様にして製造することができる。
このようなキット製剤は使用に先立ち、図7(b)に示すよう、プランジャ摺動弁12にプランジャ操作部12aが、また、注射筒10の注射針接続部10cに注射針16がそれぞれ装着される。なお、必要に応じて注射針の代わりに、例えば留置針に接続するためのチューブなどを取り付けても良い。
このとき、第1の薬液14の内部に注射針装着操作等で気泡が生じた場合、注射針装着側を上にしてプランジャ操作部12aを操作することによりその気泡を除去することができる。なお、第1の薬液14の注射量を特に少なくする場合には、この段階でプランジャ操作部12aを操作して第1の薬液14の量を減らす。
次いで注射針16を要注射部位に刺し、その後プランジャ操作部12aを注射筒10の注射針装着側に移動させる注射操作を行って第1の薬液14を注射する(図7(c)参照)。
このとき中間摺動弁1が注射筒10の注射針装着側に移動し、第1の薬液14の全量の注射が終了する直前に中間摺動弁1のリップ部1bがバイパス通路形成部のプランジャ操作側端に達し、図6(a)及び図6(c)を用いて上記で説明したように注射筒10内の中間摺動弁1の後方(プランジャ操作側)の部分に充填された第2の薬液15が中間摺動弁1のリップ1bを注射筒10の中間摺動弁1の前方にバイパスするバイパス通路が形成される。このとき、中間摺動弁1のリップ部1bと摺接部1cとの間の本体部1a側面と注射筒10内面とにより形成される空間にはいずれも気泡がなく、薬液15が充填されているので、薬液内に気泡が混入するおそれがない(図7(c)参照)。
なお、中間摺動弁1進行方向前方正面に設けられた密着防止用凸部1dが中間摺動弁1と注射筒10の針装着側底部1dとの密着を防止するため上記バイパスを通過した薬液の注射針16への流れは妨げられない。
その後、さらにプランジャ操作部12aの操作を続けると、今度は第2の薬液15が、上記で形成されたバイパス通路を通過し、さらに、注射筒10の注射針側底面10bと中間摺動弁1との間を通過して注射針16に達し要注射部位に注射される。
図7(d)はプランジャ操作部12aの操作が終了し第2の薬液15の注射が終了した状態(注射完了状態)を示す。通常、この状態で要注射部位から注射針を抜くが、第2の薬液15の注射量を少なくする場合には、第2の薬液15が注射筒10内に残った状態で注射針を注射部位から抜いても良い。
このような直列順次分注型注射器型キット製剤において、第1の薬液14が局所麻酔剤であって第2の薬液15が治療薬の場合、第1の薬液14が注射された部位に第2の薬液15が確実に注射されるため、第2の薬液15が体液に比して、pH、浸透圧、温度などが大きく異なっていても、痛みのない、あるいは、痛みの少ない注射が可能となる。
本発明の中間摺動弁は1回の注射操作で2種類の薬剤を混合することなく、順次注射することができる直列順次分注型注射器の中間摺動弁として、注射操作終了後の注射筒内の残液をできるだけ少なくすることが可能で、薬液内残留気泡のない、注射操作開始直後からスムーズに操作可能な直列順次分注型注射器型キット製剤を可能とする。
本発明に係る中間摺動弁1をモデル的に示す図である。(a)進行方向前方より見た斜視図(b)後方より見た背面図(c)側面図(d)注射筒10に収納された状態を示すモデル断面図 本発明に係る中間摺動弁2をモデル的に示す図である。(a)進行方向前方より見た斜視図(b)後方より見た背面図(c)側面図 本発明に係る中間摺動弁3及び比較例をモデル的に示す図である。(a)進行方向前方より見た斜視図(b)後方より見た背面図(c)注射筒10に収納された状態を示すモデル断面図(d)比較例の中間摺動弁3’を注射筒10に収納した状態を示すモデル拡大図 中間摺動弁4をモデル的に示す図である。(a)進行方向前方より見た斜視図(b)側面図(c)後方より見た背面図 本発明のキット製剤用注射器で用いる注射筒の一例10を示すモデル図である。(a)軸を含む断面を示すモデル断面図(b)注射針装着部付近のモデル斜視図(c)図5(a)のLLにおけるモデル断面図 本発明に係る中間摺動弁1と注射筒10とによりバイパス路が形成されることを説明する図である。(a)軸を含む断面を示すモデル断面図(b)図6(a)のLLにおけるモデル断面図(c)図6(b)の部分拡大図 本発明に係るキット製剤用注射器を用いてなるキット製剤の操作の説明図である。(a)キット製剤のモデル断面図(b)注射針とプランジャ操作部とをセットした状態を示すモデル断面図(c)第1液の注射が終わった状態を示すモデル断面図(d)注射動作完了時の状態を示すモデル断面図 従来技術に係る中間摺動弁を示す斜視図である。 従来技術に係るキット製剤用注射器の注射針装着部付近のモデル斜視図である。 図9の従来技術に係るキット製剤用注射器を用いてなるキット製剤の操作の説明図である。(a)キット製剤のモデル断面図(b)注射針とプランジャ操作部とをセットした状態を示すモデル断面図(c)第1液の注射が終わった状態を示すモデル断面図(d)注射動作完了時の状態を示すモデル断面図 図9の従来技術に係るキット製剤用注射器を用いてなるキット製剤の製造方法を示す説明図である。(a)第1の薬液の充填が完了した状態(b)中間摺動弁をセットする直前の状態(c)中間摺動弁のセット後の状態(d)第2の薬液の充填が完了した状態(e)プランジャ摺動弁をセットする直前の状態(f)完成された状態 本発明者等がかって実用化を検討した中間摺動弁の1つを示す図である。(a)進行方向前方より見た斜視図(b)後方より見た背面図
符号の説明
1,2,3 本発明に係る中間摺動弁
4 中間摺動弁
1a,2a,3a,4a 本体部
1b,2b,3b,4b リップ部
1c,2c,3c,4c 摺接部
1d,2d,3d,4d 密着防止用凸部
10 本発明のキット製剤用注射器で用いる注射筒の一例
10a バイパス通路形成部
10b 注射針側底面
10c 針装着部
12 プランジャ摺動弁
13 シール栓
14 第1の薬液
15 第2の薬液
16 注射針

Claims (8)

  1. 柱状の本体部の側面の一方の端あるいは一方の端付近に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部と、該中間摺動弁の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と該柱状の本体部の軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部による区画水密性を保つための摺接部とを有する中間摺動弁であって、
    上記中間摺動弁が注射筒内部へ収納されたときの上記摺接部と注射筒内壁との接触が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有せず、かつ、
    上記摺接部の周方向の長さが本体部の側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げない長さであることを特徴とするキット製剤用中間摺動弁。
  2. 上記摺動部の頂上を外接する円の直径がリップ部外径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のキット製剤用中間摺動弁。
  3. 柱状の本体部の側面の一方の端あるいは一方の端付近に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部と、該中間摺動弁の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と該柱状の本体部の軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部による区画水密性を保つための摺接部とを有する中間摺動弁であって、
    上記摺接部の周方向の長さが本体部の側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げない長さであることを特徴とするキット製剤用中間摺動弁。
  4. 柱状の本体部の側面の一方の端あるいは一方の端付近に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部と、該中間摺動弁の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と該柱状の本体部の軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部による区画水密性を保つための摺接部とを有する中間摺動弁であって、
    上記中間摺動弁が注射筒内部へ収納されたときの上記摺接部と注射筒内壁との接触が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有しないことを特徴とするキット製剤用中間摺動弁。
  5. 中間摺動弁とプランジャ摺動弁とを備えたキット製剤用注射器であって、該中間摺動弁が、柱状の本体部の側面の一方の端あるいは一方の端付近に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部と、該中間摺動弁の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と該柱状の本体部の軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部による区画水密性を保つための摺接部とを有し、
    上記中間摺動弁が注射筒内部へ収納されたときの上記摺接部と注射筒内壁との接触が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有せず、かつ、
    上記摺接部の周方向の長さが本体部の側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げない長さであることを特徴とするキット製剤用注射器。
  6. 上記摺動部の頂上を外接する円の直径が注射筒内径よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載のキット製剤用注射器。
  7. 中間摺動弁とプランジャ摺動弁とを備えたキット製剤用注射器であって、該中間摺動弁が、柱状の本体部の側面の一方の端あるいは一方の端付近に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部と、該中間摺動弁の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と該柱状の本体部の軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部による区画水密性を保つための摺接部とを有し、
    上記摺接部の周方向の長さが本体部の側面と注射筒内面との間に形成される空間に薬液が充填される際に該薬液の流れを妨げない長さであることを特徴とするキット製剤用注射器。
  8. 中間摺動弁とプランジャ摺動弁とを備えたキット製剤用注射器であって、該中間摺動弁が、柱状の本体部の側面の一方の端あるいは一方の端付近に、拡径して形成された、注射筒内壁に接して注射筒の前後の空間を水密に区画する環状のリップ部と、該中間摺動弁の注射筒内部での摺動の際に注射筒内壁に摺接して注射筒の軸と該柱状の本体部の軸とがなす角度を規制することにより上記リップ部による区画水密性を保つための摺接部とを有し、
    上記中間摺動弁が注射筒内部へ収納されたときの上記摺接部と注射筒内壁との接触が該中間摺動弁の摺動方向に対して実質的に長さを有しないことを特徴とするキット製剤用注射器。
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