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JP2005123241A - シリコンウエーハの製造方法及びシリコンウエーハ - Google Patents

シリコンウエーハの製造方法及びシリコンウエーハ Download PDF

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Abstract

【課題】シリコンウエーハを製造する際に、ウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥を効率的にかつ効果的に消滅させることができ、酸化膜耐圧特性を改善したウエーハを高い生産性で製造できるシリコンウエーハの製造方法を提供する。
【解決手段】チョクラルスキー法によりシリコン単結晶棒を育成し、該育成した単結晶棒をスライスしてシリコンウエーハを作製した後、該シリコンウエーハに急速加熱・急速冷却熱処理を行うシリコンウエーハの製造方法において、前記急速加熱・急速冷却熱処理を行う前に、シリコンウエーハにHF処理によりウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥の内壁酸化膜を除去する内壁酸化膜除去工程を行い、その後、該シリコンウエーハに還元性雰囲気下、1150℃より高くシリコンの融点未満の熱処理温度で急速加熱・急速冷却熱処理を行ってウエーハ表層部のボイド型欠陥を消滅させることを特徴とするシリコンウエーハの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウエーハ表層部のボイド型欠陥を効率的に消滅させたシリコンウエーハを製造する製造方法に関する。
シリコンウエーハの酸化膜耐圧等の電気特性を改善するためには、デバイスが作製されるウエーハ表層部を無欠陥層とする必要がある。通常、チョクラルスキー法(以下、CZ法と略すことがある)により製造されたシリコンウエーハの表層部には結晶成長時に導入されるCOP(Crystal Originated Particle)と呼ばれるボイド型欠陥(Grown−in(グローンイン)欠陥とも呼ばれる)が存在する。このボイド型欠陥は、結晶内部に存在する場合には正八面体構造を形成しており、またウエーハの状態に加工した後に表面に露出した場合には、四角錐形の凹状のピットとして観察される。
このようなボイド型欠陥がシリコンウエーハの表層部に存在していると、酸化膜耐圧特性を劣化させるため、半導体デバイス等における電気的特性を低下させる原因の一つとなっている。従って、近年の高度に集積されたデバイスでは、デバイス活性領域にボイド型欠陥の存在しないウエーハが求められてきており、ウエーハ上にエピタキシャル成長を行ったエピタキシャルウエーハや単結晶育成の際に結晶成長速度を低速化して製造したウエーハ等が用いられている。しかし、このようなエピタキシャルウエーハや結晶成長速度を低速化したウエーハ等は、生産性が低くコストが極めて高いという問題がある。
そこで、シリコンウエーハの酸化膜耐圧特性を改善するともに生産性の問題を解消するために、例えば特許文献1では、急速加熱・急速冷却装置(以下、RTA装置(Rapid Thermal Annealer)ということがある)を用いてシリコンウエーハを水素とアルゴンの混合ガスの還元性雰囲気下で熱処理する熱処理方法が開示されている。
通常、CZ法を用いてシリコンウエーハを製造すると、例えば図3(a)に示したように、シリコンウエーハ11の表面や内部にはグローンイン欠陥12が存在しており、このグローンイン欠陥12の内面には内壁酸化膜13が形成されている。そして、上記特許文献1のような水素を含む還元性のある雰囲気下でウエーハにRTA処理を実施することにより、ウエーハ表面に露出したグローンイン欠陥12の内壁酸化膜13を除去することができる。
またそれと同時に、このようなRTA処理においてウエーハを高温に加熱した際に、ウエーハ内部にInterstitial Si及びVacancyの両方の点欠陥が高濃度に発生する。そして、その後ウエーハを急冷することにより、これらの点欠陥が過剰となり、シンク(Sink)であるウエーハ表面に外方拡散していく。この時、拡散係数が高いInterstitial Siが外方拡散していく過程で、例えば図3(b)に示したように、ウエーハ表面に露出している内壁酸化膜が除去されたグローンイン欠陥12にInterstitial Si14が捕獲され、グローンイン欠陥が埋められる。そのため、ウエーハ表面に存在するボイド型欠陥を低減することができる。
しかしながら、このような熱処理方法では、ウエーハ表面に露出したグローンイン欠陥を消滅させることはできるものの、表面には露出してないウエーハ表層部に存在するグローンイン欠陥や、また膜厚の厚い内壁酸化膜が形成されているグローンイン欠陥を消滅させることはできず、グローンイン欠陥がデバイス活性領域に残留したままとなる。通常、シリコンウエーハに酸化膜を形成する際に、基板であるシリコンウエーハを酸化しながら酸化膜を形成するので、酸化膜の厚さの40〜50%程度はウエーハ表層部から取り込まれる。したがって、上記のような還元性雰囲気下でウエーハにRTA処理をしても、ウエーハ表面に露出した欠陥を消滅させただけでは、ウエーハ表層部のグローンイン欠陥まで取り込まれる酸化膜の耐圧特性を改善することは難しく、近年の要望に応えるような充分な効果を得ることはできないという問題があった。
また、特許文献2では、シリコンウエーハ表面上の自然酸化膜を除去した後に、急速加熱・急速冷却装置を用いてシリコンウエーハを水素を含有する還元性雰囲気下、950〜1150℃で1〜300秒間熱処理するシリコンウエーハの熱処理方法が開示されている。しかしながら、この特許文献2の熱処理方法は、ウエーハ表面のマイクロラフネスを低減させ、それによって酸化膜耐圧等の電気特性を改善させているものの、デバイス活性領域に存在するボイド型欠陥については考慮されてなく、グローンイン欠陥を除去できないので膜耐圧特性の改善に関して上記特許文献1と同様に近年の要望に応えるような充分な効果を得ることは難しかった。
さらに、特許文献3では、ウエーハ表層部のデバイス活性領域におけるグローンイン欠陥を完全に消滅する方法として、水素及び/または不活性ガス雰囲気下の熱処理で、表面近傍の酸素を外方拡散させて、酸素の未飽和領域を形成して表面近傍の八面体ボイドの内壁酸化膜を除去した後、酸素または酸素と不活性ガスの混合ガス雰囲気での酸化熱処理を行い強制的に格子間シリコン原子を注入し、表面近傍の八面体ボイドを完全に消滅させる方法が提案されている。
この特許文献3の方法によれば、ウエーハ表面から10μm程度の深さのグローンイン欠陥を完全に消滅させることができるとしている。しかし、このような方法は、上記特許文献1等のRTA処理を用いた方法に比べると熱処理時間が長時間であるため、RTA処理が本来有している生産性の向上、水素ガス等の少量化等といった利点が得られず、RTA処理に比べて生産性が低く、コストへの負担が大きいという問題がある。
特開平11−135514号公報 特開2000−91342号公報 特開平11−260677号公報
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、CZ法により育成したシリコン単結晶棒からシリコンウエーハを製造する際に、ウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥を効率的にかつ効果的に消滅させることができ、酸化膜耐圧特性を改善したウエーハを高い生産性で製造することのできるシリコンウエーハの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶棒を育成し、該育成した単結晶棒をスライスしてシリコンウエーハを作製した後、該シリコンウエーハに急速加熱・急速冷却熱処理を行うシリコンウエーハの製造方法において、前記急速加熱・急速冷却熱処理を行う前に、シリコンウエーハにHF処理によりウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥の内壁酸化膜を除去する内壁酸化膜除去工程を行い、その後、該シリコンウエーハに還元性雰囲気下、1150℃より高くシリコンの融点未満の熱処理温度で急速加熱・急速冷却熱処理を行ってウエーハ表層部のボイド型欠陥を消滅させることを特徴とするシリコンウエーハの製造方法が提供される(請求項1)。
このように、CZ法により育成した単結晶棒からスライスしたシリコンウエーハに、HF処理による内壁酸化膜除去工程を行うことによって、ウエーハ表面に露出しているボイド型欠陥の内壁酸化膜だけでなく、ウエーハ表面に殆ど露出してないウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥の内壁酸化膜や膜厚の厚い内壁酸化膜も極めて容易に溶解・除去することが可能となり、そしてその後、シリコンウエーハに還元性雰囲気下、1150℃より高くシリコンの融点未満の高温の熱処理温度で急速加熱・急速冷却熱処理を行うことによって、Interstitial Siの外方拡散によりウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥を埋めることができる。したがって、ウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥を効率的にかつ効果的に消滅させることができ、酸化膜耐圧特性が非常に優れている高品質のシリコンウエーハを簡便に製造することができる。また、このようにシリコンウエーハの製造を行えば、例えば内壁酸化膜除去工程を行う際に大掛りな設備を必要としないため、コストアップの要因とはならず、急速加熱・急速冷却熱処理が本来有する生産性の向上や水素ガス等の少量化等の利点を十分に生かして、高品質のシリコンウエーハを高い生産性で製造することができる。尚、本発明でいうウエーハ表層部は、ウエーハの表面のみならず、ウエーハ表面から極浅いデバイスが作製される領域を含むものであり、いわゆるデバイス活性領域となるウエーハ表面近傍の領域を含むものである。
このとき、前記急速加熱・急速冷却熱処理の熱処理温度を、1200℃以上1350℃以下とすることが好ましい(請求項2)。
このように、シリコンウエーハに急速加熱・急速冷却熱処理を行う際に、1200℃以上1350℃以下の熱処理温度でウエーハに熱処理することによって、Interstitial Siの外方拡散を非常に効果的に行ってウエーハ表層部のボイド型欠陥を短時間で効果的に消滅させることができるとともに、シリコンウエーハの変形や金属汚染等を確実に防止することができる。
この場合、前記急速加熱・急速冷却熱処理を、水素の割合が10〜80容量%となる水素とアルゴンの混合ガス雰囲気下で1〜60秒間行うことが好ましい(請求項3)。
このように急速加熱・急速冷却熱処理を、水素の割合が10〜80容量%となる水素とアルゴンの混合ガス雰囲気下で1〜60秒間行うことにより、ウエーハにスリップ転位等を発生させずに、ウエーハ表層部のボイド型欠陥を十分に消滅させることができる。
また、前記内壁酸化膜除去工程において、HF処理を0.5〜50%の濃度のフッ酸を用いて行うことが好ましい(請求項4)。
通常、一般的に使用されている高純度のフッ酸の濃度は50%であるから、これを原液のままで使用したり、または水(HO)等で希釈することによって得られたフッ酸を質量%で0.5〜50%にした水溶液を用い、これにシリコンウエーハを浸漬してHF処理を行うことによって、ウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥の内壁酸化膜を短時間で容易にかつ確実に溶解・除去することができる。
さらに、本発明のシリコンウエーハの製造方法では、前記チョクラルスキー法によりシリコン単結晶棒を育成する際に、ボイド型欠陥の発生するV−rich領域を含む領域内で単結晶棒の育成を行うことが好ましい(請求項5)。
本発明では、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶棒を育成する際に、結晶引上げ速度を比較的高速に設定してボイド型欠陥の発生するV−rich領域を含む領域内で単結晶棒の育成を行うことにより、単結晶棒の生産性を向上させることができる。そして、この単結晶棒から得られたボイド型欠陥が存在するウエーハに、上記のように内壁酸化膜除去工程及び急速加熱・急速冷却熱処理を行うことによって、デバイス活性領域であるウエーハ表層部のボイド型欠陥を消滅させることができる。したがって、シリコンウエーハの製造における生産性を著しく改善することができ、酸化膜耐圧特性が非常に優れている高品質のシリコンウエーハを低コストで製造することが可能となる。
そして、本発明によれば、上記のシリコンウエーハの製造方法によって製造されたシリコンウエーハを提供することができる(請求項6)。
本発明により製造されたシリコンウエーハは、ウエーハ表層部にボイド型欠陥がなく、酸化膜耐圧特性に優れたシリコンウエーハとすることができ、TZDB(Time Zero Dielectric Breakdown:酸化膜耐圧)評価等で良品率が70%以上、さらには100%を示すような優れた品質を示すウエーハとなる。さらに、本発明のシリコンウエーハは、高生産性で製造されたものであるので、コスト的にも非常に優れている安価なシリコンウエーハとなる。
以上のように、本発明によれば、シリコンウエーハに先ずHF処理による内壁酸化膜除去工程を行うことによって、ウエーハ表面に露出しているボイド型欠陥の内壁酸化膜だけでなく、ウエーハ表面に殆ど露出してないウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥の内壁酸化膜や膜厚の厚い内壁酸化膜も極めて容易に溶解・除去することができ、その後シリコンウエーハに還元性雰囲気下、1150℃より高くシリコンの融点未満の熱処理温度で急速加熱・急速冷却熱処理を行うことによってウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥を効率的にかつ効果的に消滅させることができるため、酸化膜耐圧特性が非常に優れている高品質のシリコンウエーハを簡便に製造することができる。また、このようにシリコンウエーハの製造を行えば、例えば内壁酸化膜除去工程を行う際に大掛りな設備を必要としないため、コストアップの要因とはならず、急速加熱・急速冷却熱処理が本来有する生産性の向上や水素ガス等の少量化等の利点を十分に生かして、高品質のシリコンウエーハを高い生産性で製造することができる。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者は、酸化膜耐圧の非常に優れたシリコンウエーハを高い生産性で得るために、ウエーハ表面に露出しているボイド型欠陥だけでなく、ウエーハ表層部に存在し、ウエーハ表面に殆ど露出してないボイド型欠陥も効率的に消滅させることのできるシリコンウエーハの製造方法について鋭意実験及び検討を重ねた。その結果、CZ法により育成した単結晶棒からシリコンウエーハを作製した後、急速加熱・急速冷却熱処理(RTA処理)を行うシリコンウエーハの製造方法において、RTA処理を行う前にシリコンウエーハにHF処理による内壁酸化膜除去工程を行うことによってウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥の内壁酸化膜を除去でき、そしてその後、還元性雰囲気下、1150℃より高くシリコンの融点未満の高温の熱処理温度でRTA処理を行うことによってウエーハ表層部のボイド型欠陥を効率的にかつ効果的に消滅させることができるため、酸化膜耐圧特性が非常に優れているシリコンウエーハを高い生産性で製造することが可能となることを見出して、本発明を完成させた。
以下に、本発明のシリコンウエーハの製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は、本発明のシリコンウエーハの製造方法の一例を示すフロー図であり、図2は、シリコンウエーハに存在するボイド型欠陥の消滅を模式的に説明する概略説明図である。尚、図2はボイド型欠陥の消滅を解り易く記載したものであって、その寸法や形状等は実際のものとは異なるものであり、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
先ず、従来一般的に用いられている単結晶育成装置でCZ法により円筒状のシリコン単結晶棒を例えばボイド型欠陥の発生するV−rich領域を含む領域内で育成し、この育成したシリコン単結晶棒をワイヤーソーあるいは内周刃スライサー等の切断装置で薄板状にスライスしてシリコンウエーハを作製する(図1の(A))。本発明において、シリコンウエーハを作製する方法は特に限定されるものではなく、従来用いられている方法で製造することができる。このようにしてシリコンウエーハを作製することによって、例えば図2(a)に示すように、ウエーハ表面や内部に内壁酸化膜13が形成されたボイド型欠陥12を有するシリコンウエーハ11を得ることができる。尚、本発明では、単結晶棒からシリコンウエーハをスライスした後、従来行われているような面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨等の各工程を順次施すことができる。
次に、このようにして作製したシリコンウエーハにHF処理による内壁酸化膜除去工程を行う(図1の(B))。
この内壁酸化膜除去工程では、HF処理によりウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥の内壁酸化膜(SiO)を溶解・除去できれば良く、HF処理を行う方法は特に限定されるものではないが、例えばシリコンウエーハをフッ酸に浸漬したり、または水素雰囲気に1%程度のHFガスが含まれる気相中でシリコンウエーハを1秒〜10分間程度処理すること等によってシリコンウエーハにHF処理を行うことができる。
特に、シリコンウエーハをフッ酸に浸漬してHF処理を行う場合、高純度のフッ酸(濃度50%)を原液のままで使用したり、またはそれを水(HO)等で希釈して得られるようなフッ化水素を0.5〜50%の濃度で含む水溶液を用いて、これにシリコンウエーハを1秒〜10分間程度浸漬することによりHF処理を容易にかつ短時間で行うことができる。
このようにしてシリコンウエーハにHF処理を行うことによって、図2(b)に示したように、シリコンウエーハ11の表面に露出したボイド型欠陥12aやウエーハ表面に殆ど露出してないウエーハ表層部のボイド型欠陥12bに形成されている内壁酸化膜13を容易にかつ確実に溶解・除去することができる。また、このようにして内壁酸化膜除去工程を行えば、内壁酸化膜除去工程前にシリコンウエーハが有しているウエーハの平坦度やマイクロラフネス等に悪影響を及ぼすことは殆どない。
そして、このようにシリコンウエーハに内壁酸化膜除去工程を行った後、得られたシリコンウエーハに還元性雰囲気下、1150℃より高くシリコンの融点未満の熱処理温度で急速加熱・急速冷却熱処理を行う(図1の(C))。
ここで、本発明で用いたシリコンウエーハを還元性雰囲気下で急速加熱・急速冷却熱処理できる熱処理装置(RTA装置)の一例を図4に示す。
図4のRTA装置10は、例えば炭化珪素あるいは石英からなるベルジャ1を有し、このベルジャ1内でシリコンウエーハを熱処理するようになっている。加熱は、ベルジャ1を囲繞するように配置される加熱ヒータ2,2’によって行う。この加熱ヒータは上下方向で分割されており、それぞれ独立に供給される電力を制御できるようになっている。加熱ヒータ2,2’の外側には、熱を遮蔽するためのハウジング3が配置されている。もちろん、RTA装置および加熱方式は、これに限定されるものではなく、いわゆる輻射加熱、高周波加熱方式としてもよい。
炉の下方には、水冷チャンバ4とベースプレート5が配置され、ベルジャ1内と、外気とを封鎖している。そしてシリコンウエーハ8はステージ7上に保持されるようになっており、ステージ7はモータ9によって上下動自在な支持軸6の上端に取りつけられている。水冷チャンバ4には横方向からウエーハを炉内に出し入れできるように、ゲートバルブによって開閉可能に構成される不図示のウエーハ挿入口が設けられている。
また、ベースプレート5には、ガス流入口と排気口が設けられており、炉内ガス雰囲気を調整できるようになっている。
以上のようなRTA装置10によって、内壁酸化膜除去工程が施されたシリコンウエーハに、還元性雰囲気下、1150℃より高くシリコンの融点未満の熱処理温度で急速加熱・急速冷却熱処理が、例えば図5に示したようなダイヤグラムに従って行われる。
まず、熱処理は、加熱ヒータ2,2’によってベルジャ1内を、1150℃より高くシリコンの融点未満の所望温度に加熱し、その温度で一定に保持する。分割された加熱ヒータはそれぞれ独立して供給電力を制御すれば、ベルジャ1内に高さ方向に沿って温度分布をつけることができる。従って、ウエーハの熱処理温度は、ステージ7の位置、すなわち支持軸6の炉内への挿入量によって決定することができる。
ベルジャ1内が所望温度で維持されたなら、RTA装置10に隣接して配置される、不図示のウエーハハンドリング装置によってウエーハを水冷チャンバ4の挿入口から入れ、最下端位置で待機させたステージ7上に例えばSiCボードを介してシリコンウエーハ8を載せる。この時、水冷チャンバ4およびベースプレート5は水冷されているので、シリコンウエーハはこの位置では高温化しない(およそ750℃程度)。
そして、シリコンウエーハ8のステージ7上への載置が完了したなら、すぐにモータ9によって支持軸6を炉内に挿入することによって、ステージ7を1150℃より高くシリコンの融点未満の所望温度位置、特に1200℃以上1350℃以下の所望温度位置まで上昇させ、ステージ7上のシリコンウエーハ8に熱処理を加える。この場合、水冷チャンバ4内のステージ下端位置から、所望温度位置までの移動には、例えば20秒程度しかかからないので、ウエーハは急速に加熱されることになる。
そして、ステージ7を所望温度位置で、所定時間(1〜60秒)停止させることによって、ウエーハに還元性雰囲気下、1150℃より高くシリコンの融点未満の高温の熱処理温度で熱処理を加えることができる。所定時間が経過し所望の熱処理温度での熱処理が終了したなら、すぐにモータ9によって支持軸6を炉内から引き抜くことによってステージ7を下降させ、水冷チャンバ4内の下端位置とする。この下降動作も、例えば20秒程度で行うことができる。ステージ7上のシリコンウエーハ8は、水冷チャンバ4およびベースプレート5が水冷されているので、急速に冷却される。最後に、ウエーハハンドリング装置によって、シリコンウエーハを取り出すことによって、急速加熱・急速冷却熱処理を完了する。
さらに熱処理するシリコンウエーハがある場合には、RTA装置10の温度を降温させていないので、次々にシリコンウエーハを投入し連続的に急速加熱・急速冷却熱処理を行うことができる。
以上、急速加熱・急速冷却熱処理の一例として、RTA装置10による熱処理を説明したが、本発明でいう急速加熱・急速冷却装置(RTA装置)を使用する急速加熱・急速冷却する熱処理とは、上記所望の温度範囲に設定された熱処理炉中にウエーハを直ちに投入し、上記熱処理時間の経過後、直ちに取り出す方法の他、ウエーハを熱処理炉内の設定位置に配置した後、ランプ加熱器等で直ちに加熱処理する方法であってもよい。尚、上記の直ちに投入し、取り出すというのは、従来より行われている一定時間での昇温、降温操作や熱処理炉内にウエーハを、ゆっくり投入し、取り出すいわゆるローディング、アンローディング操作を行わないということである。ただし、炉内の所定位置まで運ぶには、ある程度の時間を有するのは当然であり、ウエーハを投入するための移動装置の能力に従い、数秒から数分間で行われるというものである。
このようにして内壁酸化膜除去工程が行われたシリコンウエーハに急速加熱・急速冷却熱処理を行うことによって、例えば図2(c)に示したように、シリコンウエーハを高温の熱処理温度で保持した際に、ボイド型欠陥の内壁酸化膜を除去した状態を保持しながら、Interstitial SiとVacancyの両方の点欠陥が高濃度に発生し、その後ウエーハを急冷することにより、これらの点欠陥が過剰となり、シンクであるウエーハ表面に外方拡散していく。この時、拡散係数が高いInterstitial Si14が外方拡散していく過程で、ウエーハ表層部の内壁酸化膜が除去されたボイド型欠陥12a及び12bに捕獲され、ボイド型欠陥がInterstitial Siで埋められる。その結果、ウエーハ表層部に存在しているボイド型欠陥12a、12bを効率良く、また効果的に消滅させることができる。
ここで、急速加熱・急速冷却熱処理の熱処理温度と、熱処理を行った後のウエーハにTZDB評価を行ったときの良品率との関係を調べるために、以下のような実験を行った。
(実験)
先ず、チョクラルスキー法により製造されたV−rich領域を含むシリコン単結晶棒をワイヤソーでスライスした後、面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨の工程を順次施して、直径200mm、結晶方位<100>のシリコンウエーハを作製した。次に、このように作製したシリコンウエーハを2%の濃度のフッ酸に3分間浸漬することにより内壁酸化膜除去工程を行い、その後、図4に示すようなRTA装置10を用い、水素の割合が50容量%となる水素とアルゴンの混合ガス雰囲気中でシリコンウエーハに急速加熱・急速冷却熱処理を行った。熱処理の温度条件は1000〜1350℃の範囲で行ない、熱処理時間は1〜30秒の範囲で実施した。
尚、これらのシリコンウエーハは、急速加熱・急速冷却熱処理を加える前に予めウエーハ表面のCOP密度を測定し、その表面に約380個/ウエーハのCOPが存在していることを確認した。COPの測定は、一般に行なわれている方法である、パーティクルカウンター(LS−6000 日立電子エンジニアリング社製商品名)の700Vレンジで、0.12〜0.20μmまでの値を測定した。
そして、シリコンウエーハに各熱処理条件で急速加熱・急速冷却熱処理を行った後、得られたシリコンウエーハに乾燥雰囲気中で熱酸化処理を行って25nmのゲート酸化膜を形成し、その上に8mmの電極面積を有するリンをドープしたポリシリコン電極を形成した。そして、この酸化膜上に形成したポリシリコン電極に電圧を印加し、判定電圧を8MV/cmとしてTZDB評価を行った。このTZDB評価によって得られたシリコンウエーハの良品率と熱処理温度との関係を図6に示す。
図6に示したように、1150℃より低い温度で熱処理を行った場合、TZDB評価でおよそ60%またはそれ以下の良品率しか達成できないが、1150℃より高い温度で熱処理を行うことによって、TZDB評価で良品率が70%以上となる品質の優れたシリコンウエーハを製造することが可能となり、特に熱処理温度が1200℃以上になるとほぼ100%の良品率を達成できることが確認できる。また本発明において、熱処理温度の上限は、シリコンの融点未満の温度とすれば良いが、熱処理温度が高過ぎると熱処理中にシリコンウエーハが変形したり、また金属汚染が生じる恐れがあるので、熱処理温度は1350℃以下とすることが好ましい。
また、熱処理時間については、1秒以上、特には1秒を越えて長く熱処理を行うほど、良品率が高くなりウエーハの酸化膜耐圧特性を著しく向上させることができる。しかしながら、熱処理時間としては30秒も行なえば十分であり、安全を見込んで60秒程度行なってもよいが、それ以上長く熱処理を施しても得られる効果は少なく、またコストへの負担も大きくなる。従って、ウエーハの熱処理時間は1〜60秒とすることが好ましい。
さらに、本発明において、急速加熱・急速冷却熱処理を行う際の還元性の熱処理雰囲気としては、水素の割合が10〜80容量%ととなる水素とアルゴンの混合ガス雰囲気とすることが好ましい。還元性雰囲気の水素の割合を10容量%以上とすることにより、急速加熱・急速冷却熱処理におけるボイド型欠陥の消滅を著しく促進することができ、水素濃度が高くなるに従ってウエーハ表層部のボイド型欠陥をより効率的かつ効果的に消滅させることができる。一方、還元性雰囲気中の水素の割合が80容量%を超えると、熱処理中にシリコンウエーハにスリップ転位が発生し易くなってウエーハに割れが生じる恐れがある。
以上のように、本発明のシリコンウエーハの製造方法によれば、シリコンウエーハに内壁酸化膜除去工程を行うことによって、ウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥の内壁酸化膜を極めて容易に溶解・除去することができ、その後シリコンウエーハに還元性雰囲気下、1150℃より高くシリコンの融点未満の高温の熱処理温度で急速加熱・急速冷却熱処理を行うことによってウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥を効率的にかつ効果的に消滅させることができるため、酸化膜耐圧特性が非常に優れている高品質のシリコンウエーハを簡便に製造することができる。
また、上記のようにしてシリコンウエーハの製造を行えば、例えば内壁酸化膜除去工程を行う際に大掛りな設備を必要としないため、コストアップの要因とはならず、急速加熱・急速冷却熱処理が本来有する生産性の向上や水素ガス等の少量化等の利点を十分に生かして、高品質のシリコンウエーハを高い生産性で製造することができる。
特に、本発明では、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶棒を育成する際に、上記のようにボイド型欠陥の発生するV−rich領域を含む領域内で単結晶棒を成長させるような比較的高速の単結晶引上げ速度で単結晶棒の育成を行っても、長時間の水素アニールを施すことなく、デバイス活性領域であるウエーハ表層部のボイド型欠陥を消滅させてシリコンウエーハを製造することができる。したがって、シリコンウエーハの製造における生産性を著しく向上させることができ、酸化膜耐圧特性が非常に優れている高品質のシリコンウエーハを高い歩留まりと高生産性で製造することができる。
そして、このように本発明のシリコンウエーハの製造方法によって製造されたシリコンウエーハであれば、酸化膜耐圧特性に優れているため、例えばTZDB評価やTDDB評価等で良品率が70%以上、さらには100%を示すような優れた品質を有するものとなるとともに、コスト的にも非常に優れている安価なシリコンウエーハとすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例及び比較例1、2)
先ず、シリコンウエーハを作製するために、MCZ法により直径200mm、P型、結晶方位<100>の単結晶棒を結晶径方向全域がV−rich領域となるように約1mm/minの高速の単結晶引上げ速度で引上げた後、得られたシリコン単結晶棒をワイヤソーで薄板状にスライスしてシリコンウエーハを作製し、その後このシリコンウエーハに面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨の工程を順次施して評価用のシリコンウエーハを複数枚準備した。これらの評価用シリコンウエーハについて、パーティクルカウンターを用いてウエーハ表面のCOPを測定したところ、全てのシリコンウエーハの表面に高密度のCOPが観察された。
次に、これらの評価用シリコンウエーハを、先ず5%の濃度のフッ酸に3分間浸漬することにより内壁酸化膜除去工程を行い、その後図4に示すようなRTA装置10を用い、水素ガスが30容量%、Arガスが70容量%となる水素とアルゴンの混合ガス雰囲気中、1220℃で10秒間の急速加熱・急速冷却熱処理を行うことによって、シリコンウエーハを製造した(実施例)。
また比較例として、上記実施例と同じ条件でシリコン単結晶棒を育成した後、得られたシリコン単結晶棒から上記と同様にして評価用のシリコンウエーハを準備した。これらの評価用シリコンウエーハについて、ウエーハ表面のCOPを測定したところ、全てのシリコンウエーハの表面に高密度のCOPが観察された。
次に、これらの評価用シリコンウエーハに、アンモニアと過酸化水素水を含む水溶液によるSC−1洗浄、及び塩酸と過酸化水素水を含む水溶液によるSC−2洗浄を施した後、上記実施例と同様の条件でRTA処理を行って、シリコンウエーハを製造した(比較例1)。
そして、上記で製造した実施例及び比較例1のシリコンウエーハについて、パーティクルカウンターを用いてウエーハ表面のCOPを測定し、上記でRTA処理を行う前に予め測定しておいたCOPの個数に対する、RTA処理後のCOP個数との比率を残存率として求めてウエーハの評価を行った。その結果、実施例及び比較例1のシリコンウエーハにおけるCOPの残存率は、両ウエーハ共に0.8%程度であり、ウエーハ表面に露出していたCOPがほとんど消滅していることがわかった。
次に、ウエーハ表面に露出しているCOPだけでなく、表面に殆ど露出してないウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥について評価するため、上記実施例及び比較例1で製造したシリコンウエーハのそれぞれに100nmの酸化膜を形成した後、COPの測定を行った。
通常、ウエーハ表面に酸化膜を形成すると、酸化膜の厚さの40〜50%程度はウエーハ表層部から取り込まれるので、上記のようにシリコンウエーハに100nmの酸化膜を形成することにより、表面から40〜50nmまでの深さに存在していたボイド型欠陥が酸化膜中に取り込まれたことになる。
そして、各シリコンウエーハについて、RTA処理を施していないウエーハに100nmの酸化膜を形成したときの、酸化膜中のCOPの個数をパーティクルカウンターで測定し、上記と同様にCOPの残存率を求めた。その評価結果を、前記の酸化膜を形成せずにウエーハ表面のCOPの残存率を求めたときの結果と共に図7に示す。
図7に示したように、実施例のシリコンウエーハにおけるCOPの残存率はおよそ1.4%であるのに対し、比較例1のシリコンウエーハにおけるCOPの残存率はおよそ7.1%であった。以上の結果から、実施例のウエーハではウエーハ表層部(ウエーハ表面から50nm程度までの深さ)のCOPを減少させることができたが、比較例1ではウエーハ表面のCOPを消滅させることはできるものの、ウエーハ表面から50nm程度までの深さに存在するCOPについては、消滅させることができずに残存しているものが多いことが分かった。
続いて、デバイスを作製したときにその動作領域であるウエーハ表面から0.5μm程度の深さのCOPの消滅状況を確認するため、上記で製造した実施例及び比較例1のシリコンウエーハに約1μmの厚さの酸化膜を作製し、酸化膜中のCOPの個数をパーティクルカウンターで測定し、上記と同様にCOPの残存率を求めた。その評価結果を図9に示す。図9に示したように、実施例のシリコンウエーハにおけるCOPの残存率は15%であったのに対し、比較例1のシリコンウエーハにおけるCOPの残存率は73%であった。以上の結果から、実施例のウエーハではデバイス活性領域においても大幅にCOPを削減できることが分かった。
さらに、上記実施例及び比較例1で製造したシリコンウエーハと、また比較のために前記で作製したRTA処理をしていない評価用シリコンウエーハ(比較例2)について、乾燥雰囲気中で熱酸化処理を行って25nmの通常のデバイスに使われるよりも厚めのゲート酸化膜を形成し、その上に8mmの電極面積を有するリンをドープしたポリシリコン電極を形成し、その後各シリコンウエーハのポリシリコン電極に電圧を印加して、8MV/cm以上を良品としてTZDBの評価を行った。その評価結果を図8に示す。図8に示したように、実施例では、結晶方向全域がV−rich領域であるウエーハであるにも拘らずほぼ100%の良品率を達成できたが、比較例1及び比較例2の良品率は60%未満となることがわかり、本発明によってシリコンウエーハの酸化膜耐圧特性を著しく改善できることが確認された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記説明では急速加熱・急速冷却熱処理を行う際に図4に示したようなRTA装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、シリコンウェーハを急速加熱・急速冷却することができる熱処理装置で、1150℃より高く、特に1200℃以上に加熱することができるものであれば、原則としてどのような装置であっても用いることができる。また、本発明はシリコンウエーハの直径に関わらず、例えば直径200mmのみならず300mmやその他の口径のシリコンウエーハを製造する場合にも適用できるものである。
本発明のシリコンウエーハの製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明によるシリコンウエーハの表層部に存在するボイド型欠陥の消滅を模式的に説明する概略説明図である。 従来の熱処理によるシリコンウエーハ表面に露出しているボイド型欠陥の消滅を概略的に説明する概略説明図である。 本発明の急速加熱・急速冷却熱処理で使用することのできる急速加熱・急速冷却装置の一例を示す構成概略図である。 本発明における急速加熱・急速冷却装置を用いた熱処理過程の一例を示した図である。 TZDB評価によって得られたシリコンウエーハの良品率と熱処理温度との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例1のシリコンウエーハについて、ウエーハ表面及び100nmの厚さの酸化膜を形成したときの酸化膜中のCOPの残存率を求めた結果を示すグラフである。 実施例、比較例1、及び比較例2のシリコンウエーハについてTZDBの評価を行った結果を示すグラフである。 実施例及び比較例1のシリコンウエーハについて1μmの厚さの酸化膜を形成し、酸化膜中のCOPの残存率を求めた結果を示すグラフである。
符号の説明
1…ベルジャ、 2,2’…加熱ヒータ、 3…ハウジング、
4…水冷チャンバ、 5…ベースプレート、 6…支持軸、
7…ステージ、 8…シリコンウエーハ、 9…モータ、
10…熱処理装置(RTA装置)、 11…シリコンウエーハ、
12,12a,12b…ボイド型欠陥(グローンイン欠陥)、
13…内壁酸化膜、 14…Interstitial Si。

Claims (6)

  1. チョクラルスキー法によりシリコン単結晶棒を育成し、該育成した単結晶棒をスライスしてシリコンウエーハを作製した後、該シリコンウエーハに急速加熱・急速冷却熱処理を行うシリコンウエーハの製造方法において、前記急速加熱・急速冷却熱処理を行う前に、シリコンウエーハにHF処理によりウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥の内壁酸化膜を除去する内壁酸化膜除去工程を行い、その後、該シリコンウエーハに還元性雰囲気下、1150℃より高くシリコンの融点未満の熱処理温度で急速加熱・急速冷却熱処理を行ってウエーハ表層部のボイド型欠陥を消滅させることを特徴とするシリコンウエーハの製造方法。
  2. 前記急速加熱・急速冷却熱処理の熱処理温度を、1200℃以上1350℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載のシリコンウエーハの製造方法。
  3. 前記急速加熱・急速冷却熱処理を、水素の割合が10〜80容量%となる水素とアルゴンの混合ガス雰囲気下で1〜60秒間行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコンウエーハの製造方法。
  4. 前記内壁酸化膜除去工程において、HF処理を0.5〜50%の濃度のフッ酸を用いて行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシリコンウエーハの製造方法。
  5. 前記チョクラルスキー法によりシリコン単結晶棒を育成する際に、ボイド型欠陥の発生するV−rich領域を含む領域内で単結晶棒の育成を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のシリコンウエーハの製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の方法によって製造されたことを特徴とするシリコンウエーハ。
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