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JP2005119996A - 育毛剤 - Google Patents

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JP2005119996A
JP2005119996A JP2003354999A JP2003354999A JP2005119996A JP 2005119996 A JP2005119996 A JP 2005119996A JP 2003354999 A JP2003354999 A JP 2003354999A JP 2003354999 A JP2003354999 A JP 2003354999A JP 2005119996 A JP2005119996 A JP 2005119996A
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Satoshi Nishijima
聡 西島
Masahide Katayama
雅英 片山
Toshito Shimizu
俊人 清水
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Sato Pharmaceutical Co Ltd
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Sato Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】 早期発毛効果の優れた育毛剤を提供する。
【解決手段】 ミノキシジルと、ダイズ又はカッコンの植物抽出物と、チョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ及びソヨウから成る群から選択された少なくとも1種類の植物抽出物とを含有する育毛剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、育毛剤に関し、詳細には、早期発毛効果の優れた育毛剤に関する。
従来、ミノキシジルは、高血圧症の治療薬として用いられてきたが、その後、発毛促進作用が明らかとなり、育毛剤として用いられるようになった(例えば特許文献1)。
また、イソフラボンを含有する植物抽出物も、従来から育毛剤として用いられている(例えば特許文献2)。イソフラボンは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンのステロイド骨格に類似した立体構造を有していると考えられており、エストロゲンほどの強い作用は示さないが、エストロゲンに類似した女性ホルモン様作用を有している。薄毛・脱毛に悩む人では、男性ホルモンの過剰がそのような症状を引き起こす原因の一つであると考えられており、このような人の頭皮等の患部に、イソフラボンを含有する植物抽出物を適用すると、症状が改善されることが知られている。
更に、ミノキシジル又はイソフラボンを含有する育毛剤に、様々な植物抽出物を添加して、発毛効果を増強することが試みられている(例えば特許文献1及び2)。
特開平9-20624号明細書 特開2002-53434号明細書
しかしながら、これらの従来の育毛剤は、薄毛・脱毛に悩む人にとって十分満足できる発毛効果、特に早期発毛効果を発揮していないという課題がある。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、早期発毛効果の優れた育毛剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ミノキシジルと、ダイズ又はカッコンの植物抽出物とに、更に、チョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ及びソヨウの少なくとも1つの植物抽出物を組み合わせることにより、予想外にも、早期発毛効果を顕著に高めることを見出し、本発明を完成した。
チョウジは、従来、健胃薬として、シャクヤクは、かぜ薬として、ゴミシは、鎮咳・鎮痛薬として、サイコは、解熱剤として、ソヨウは解熱・鎮痛薬として使用されてきたものであり、それぞれ単独では育毛効果がなく、育毛剤の成分として全く注目されていなかった。従って、発毛効果を高めるために、これらの抽出物を育毛剤に含有できることは、全く予想外である。
以下、本発明の育毛剤について説明する。
本発明に使用するミノキシジルは、一般名2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン-3-オキサイド(分子式:C9H15N5O、分子量:209.25)で表される化合物である。以下に、構造式を示す。




Figure 2005119996
ミノキシジルは血管拡張作用を主作用とする高血圧治療剤として1979年、米国で発売以来、世界30ヶ国以上で市場に供給されているが、治療中の患者に多毛が認められたことから、改めて外用の発毛剤としてファルマシア&アップジョン社で開発され、現在一般用医薬品として発売されている。
本発明の育毛剤におけるミノキシジルの配合量は、例えばローション剤の場合、好ましくは、0.1〜5.0質量/体積%、より好ましくは、0.5〜3.0質量/体積%である。ミノキシジルの配合量が0.1質量/体積%未満であると、ミノキシジルの発毛作用を促進する植物抽出物を配合しても、ミノキシジル自体の薬効が弱すぎて十分な発毛効果が認められない。また、5.0質量/体積%を超えると、ミノキシジルの量が多すぎて、育毛剤の溶剤に十分に溶解しないことがある。
本発明に使用するダイズ抽出物は、マメ科(Leguminosae)ダイズ属(Glycine)の植物の種子を、後述の方法で調製したものである。ダイズには様々な品種があるが、特に限定されない。
ダイズ抽出物に含まれる成分は、ダイジン(daidzin)及びゲニステイン(genistein)等のイソフラボン誘導体、及びサポニン、タンパク質、オリゴ糖、脂質等である。抽出物には、エストロゲン様作用が認められ、イソフラボン誘導体によるとされる。
本発明の育毛剤におけるダイズ抽出物の配合量は、例えばローション剤の場合、好ましくは、1.0〜20.0質量/体積%、より好ましくは2.0〜10.0質量/体積%である。
本発明に使用するカッコン抽出物は、クズ(Pueraria lobata Ohwi(Pueraria pseudo-hirsuta Tang et Wang)又はPueraria lobata Ohwi var. chinensis (Benth.) Ohwi (Leguminosae))の周皮を除いた根を、後述の方法で調製したものである。
カッコンは、根を掘り取り、コルク皮を剥いで縦割りし(板葛根)、又は約5mm立方のさいころ形に切って(角葛根)乾燥した生薬であり、外面は淡灰黄色〜灰白色、においはない。カッコンは、第十四改正日本薬局方(日局)に規定されており、市販で入手可能である。
カッコン抽出物に含まれる成分は、ダイジン、ダイゼイン(daidzein)、ゲニステイン、フェルモノネチン、プエラリン(puerarin)、プエラリンキシロシド(puerarinxyloside)等のイソフラボン誘導体、及びデンプン、トリテルペノイド、サポニン等である。抽出物には、エストロゲン様作用が認められ、イソフラボン誘導体によるとされる。
本発明の育毛剤におけるカッコン抽出物の配合量は、例えばローション剤の場合、好ましくは1.0〜20.0質量/体積%、より好ましくは2.0〜10.0質量/体積%である。
本発明に使用するチョウジ抽出物は、フトモモ科(Myrtaceae)の植物Syzygium aromaticum Merrill et Perry (Eugenia caryophyllata Thunberg)(Myrtaceae))のつぼみ(チョウジ)を、後述の方法で調製したものである。
チョウジは、つぼみが紅色を帯び始めたときに採集し、花柄を除去し、陽乾した生薬であり、暗かっ色〜暗赤色を呈し、長さ約1〜1.8cm、強い特異な匂いがある。また、チョウジは、芳香性健胃薬として脾胃虚寒、嘔吐、腹痛などに応用され、漢方処方には治打撲一方、女神散、柿蒂湯、丁香柿蒂湯に配合される生薬である。チョウジは、日局に規定されており、市販で入手可能である。
チョウジ抽出物に含まれる成分は、オイゲノール(eugenol)を主成分とし、アセチルオイゲノール、α−及びβ−カリオフィレン(caryopohyllen)等を含む精油、オレアノール酸、2α−ヒドロキシオレアノール酸、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、トリテルペノイド等のステロイド誘導体、タンニン、脂肪、ろう等である。
本発明で使用するシャクヤク抽出物は、シャクヤクPaeonia lactiflora Pallas (Paeonia albiflora Pallas var. trichocarpa Bunge)又はその他近縁植物(Paeoniaceae)の根を、後述する方法で調製したものである。
シャクヤクは、植付け後3〜4年経過した根を掘り取り、コルク層をけずり去り、温風乾燥又は風乾した生薬であり、円柱状で、外面はかっ色〜淡灰かっ色、わずかに特異なにおいがある。また、シャクヤクは、鎮静、鎮痛、緊張緩和、止汗、通経作用などさまざまな効能を有していることから、鎮痛鎮痙薬、婦人薬、冷え性用薬、かぜ薬、皮膚疾患用薬、消炎排濃薬とみなされる処方及びその他の処方に高頻度で配合されている。例えば胃風湯、芍薬甘草湯、十全大補湯等64処方に用いられている。シャクヤクは日局で規定されており、市販で入手可能である。
シャクヤク抽出物に含まれる成分は、ペオニフロリン(paeoniflorin)(安息香酸を結合する変形モノテルペン配糖体)とその関連化合物、その他安息香酸、ガロタンニン等である。
本発明で使用するゴミシ抽出物は、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis Baillon (Schisandraceae))の果実を、後述する方法で調製したものである。
ゴミシは、径約6mmの液果で、暗赤色〜黒かっ色を呈し、表面にはしわがあり、しばしば白い粉をつけ、わずかに特異なにおいがある生薬である。また、ゴミシは、鎮咳、鎮痛、鎮静・鎮痙作用さらに抗酸化、抗痴呆作用なども認められ、漢方処方としては小青竜湯、補肺湯などの8処方に配合されている。ゴミシは日局で規定されており、市販で入手可能である。
ゴミシ抽出物に含まれる成分は、(+)-イルアンゲン(ylangene)、セスキカレン(sesquicarene)など各種のセスキテルペン類、スチザンドリン(schizandrine)、スチザンドロール(schizandrol)、γ-スチザンドリン、デオキシスチザンドリン、ゴミシン(gomisin)A、B、C、D、E、F、G、H、J、K1〜3、N、O、タイグロイルゴミシン(tigloylgomisin) P、アンゲロイルゴミシン(angeloylgomisin)Q、プレゴミシンなどのリグナン系化合物、アルギニンなどの有機酸等である。
本発明で使用するサイコ抽出物は、ミシマサイコ(Bupleurum falcatum Linne)又はその変種(Umbelliferae)の根を、後述する方法で調製したものである。
サイコは、根を掘り取り、水洗して茎を除いて風乾した生薬であり、単一又は分枝した根で、上部は太く、下部は細くて長く、外面はかっ色で、特異なにおいがある。また、サイコは、解熱、鎮痛、消炎作用などのさまざまな効能を有していることから、漢方処方において小柴胡湯、加味解毒湯、柴胡桂枝湯など32処方に用いられている。サイコは日局で規定されており、市販で入手可能である。
サイコ抽出物に含まれる成分は、サイコゲニンE〜Gなどを真正ゲニンとするサポニンのサイコサポニン-a〜fなど(サイコシド(saikoside) Ia、Ib-1、Ib-2、II)、フィトステロール類、アドニトール等である。
本発明に使用するソヨウ抽出物は、シソ(Perilla frutescens Britton var. acuta Kudo)又はその他近縁植物(Labiatae)の葉及び枝先を、後述する方法で調製したものである。
ソヨウは、しわがよって縮んだ葉及びその破片からなる生薬であり、しばしば細い茎を含み、葉は両面とも帯かっ紫色、又は上面は灰緑色〜帯かっ緑色で下面は帯かっ紫色を呈し、もみ砕くと特異なにおいがある。また、ソヨウは、発汗、解熱、鎮咳、鎮痛薬として気管支炎、胃腸炎などの去痰、消化促進の目的で応用されている。漢方処方としては半夏厚朴湯、杏蘇散など10処方に用いられている。ソヨウは日局で規定されており、市販で入手可能である。
ソヨウ抽出物に含まれる成分は、ペリラアルデヒドを主成分とする精油、l-リモネン、メントール、フラボノイド、アントシアニン等である。
本発明の育毛剤におけるチョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ及びソヨウ抽出物の配合量は、例えばローション剤の場合、好ましくは、5.0〜20.0質量/体積%、より好ましくは5.0〜10.0質量/体積%である。
以下に、ダイズ、カッコン、チョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ及びソヨウの抽出物の製造方法を説明する。
前述の生薬を、水溶性溶剤中に浸漬して、抽出を行う。水溶性溶剤としては、エタノール、1、3-ブチレングリコール及びイソプロパノール等のアルコール類、精製水、アルコール類と精製水との混合液等が好ましい。抽出に使用する水溶性溶剤の量は、例えば、生薬の質量に対して1〜30倍量程度、より好ましくは2〜20倍量程度である。水溶性溶剤の量が1倍量未満であると、生薬全体に抽出溶剤が行き渡らず、抽出が不十分になる恐れがあり、30倍量を越えると、後の濃縮工程において溶剤除去作業の時間が増える。
抽出温度は、使用する水溶性溶剤の沸点にもよるが、例えば、4℃〜80℃、より好ましくは室温程度から60℃の範囲である。抽出温度が4℃未満であると、抽出効率が低下し、また80℃を超えると、高い温度をかけても抽出効率に大きな影響はなく、いたずらにエネルギーを消費するだけである。
また、抽出時間は、例えば、1〜72時間、より好ましくは2〜48時間である。抽出時間が1時間未満であると、十分に抽出が行われず、72時間を越えると、長く抽出を行っても、抽出量の増大は見込めない。
なお、抽出操作は1回のみの回分操作に限定されるものではない。抽出後の残渣に、再度新鮮な水溶性溶剤を添加し、抽出操作を施すこともできるし、抽出溶剤を複数回抽出生薬に接触させることも可能である。
抽出残分を分離除去する方法は、特に限定されず、例えば吸引濾過、フィルタープレス、濾過遠心機など公知の方法を用いて抽出液を得ることができる。また、必要に応じて、抽出溶媒を留去して残渣を使用することができる。
また、濃縮方法は特に限定されず、例えばエバポレーターのような減圧濃縮装置や加熱による溶媒除去などにより濃縮することができる。
本発明に使用する植物抽出物は、最終的に、例えば、質量比で、生薬:抽出物=1:1となるように濃度を調節する。
本発明の育毛剤の配合剤として、血行促進剤、局所刺激剤、角質溶解剤、代謝賦活剤、消炎剤、抗ヒスタミン剤、殺菌剤及び清涼剤等が挙げられる。
血行促進剤としては、ビタミンE及びその誘導体(酢酸トコフェロール等)、センブリエキス、ニコチン酸ベンジル、セファランチン、塩化カルプロニウム、トウキエキス等が挙げられる。
局所刺激剤としては、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、カンラリスチンキ等が挙げられる。
角質溶解剤としては、尿素、サリチル酸、フェノール等が挙げられる。
代謝賦活剤としては、ペンタデカン酸グリセリド、パントテニルエチルエーテル、ヒノキチオール、ビオチン、リノール酸、リノレン酸、等が挙げられる。
消炎剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、ヒドロコルチゾンなどの副腎皮質ホルモンが挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イソチペンジル、マレイン酸クロルフェニラミン等が挙げられる。
殺菌剤としては、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン等が挙げられる。
清涼剤としては、カンフル、L-メントール、ハッカ油等が挙げられる。
これら前記成分を、1種又は2種以上、本発明の効果を損なわない範囲で配合でき、また前記成分に限定されない。
更に、本発明の育毛剤に、保湿剤、保存剤、溶剤、油分、界面活性剤、ゲル化剤、pH調整剤及び酸化防止剤等を配合することができる。
保湿剤としては、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等が挙げられる。
保存剤としては、パラベン類、溶剤としては精製水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、1,3-ブタンジオール等が挙げられる。
油分としては、流動パラフィン、スクワラン、セチルアルコール、オリーブ油等が挙げられる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体等が挙げられる。
ゲル化剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
pH調整剤としては、ジイソプロパノールアミン等が、酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
これら前記成分を、1種又は2種以上、本発明の効果を損なわない範囲で配合でき、また、前記成分に限定されない。
育毛剤の剤形は、ローション剤、乳液、エアゾール、クリーム、ゲル等、一般的な外用剤でよいが、特にローション剤が好ましい。
次に、本発明の育毛剤の製造方法を説明する。
まず、ダイズ又はカッコンの抽出物及びチョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ又はソヨウの抽出物を、前述の抽出方法に従って調製する。
次に、育毛剤の剤形がローション剤等の液状の場合、例えば、ミノキシジルを、0.1〜5.0g、より好ましくは、0.5〜3.0g、ダイズ又はカッコンの抽出物を、1.0〜20.0g、より好ましくは2.0〜10.0g、チョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ又はソヨウの抽出物を、5.0〜20.0g、より好ましくは5.0〜10.0gで配合し、前述の溶剤を、全量が100mlになるように添加し、よく混合する。
また、育毛剤の剤形がゲル剤等の非液状の場合、例えば、ミノキシジルを0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.5〜3.0質量%、ダイズ又はカッコンの抽出物を、1.0〜20.0質量%、より好ましくは2.0〜10.0質量%、チョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ又はソヨウの抽出物を、5.0〜20.0質量%、好ましくは5.0〜10.0質量%で配合し、各剤形に適切な溶剤又は基剤に混合する。
なお、ダイズ、カッコンの抽出物は、単独でも両方用いてもよく、また、チョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ、ソヨウの抽出物は、単独でも複数用いてもよい。
更に、前述の、血行促進剤、局所刺激剤、角質溶解剤、代謝賦活剤、消炎剤、抗ヒスタミン剤、殺菌剤及び清涼剤等、保湿剤、保存剤、溶剤、油分、界面活性剤、ゲル化剤、pH調整剤及び酸化防止剤等を配合してもよい。
本発明の育毛剤は、医薬品(動物用も含む)としてだけでなく、医薬部外品類、局所又は全身用の皮膚化粧品類、頭皮・頭髪に適用する薬用、化粧用の製剤類、例えばシャンプー剤、リンス剤、トリートメント剤、パーマネント液、染毛料、整髪料、ヘアートニック剤、育毛・養毛料などにも適用でき、この場合、前述のミノキシジル、ダイズ又はカッコン抽出物、チョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ又はソヨウの抽出物の配合量は、使用目的に応じて適宜調整することが可能である。
本発明の育毛剤の投与方法及び投与量は、頭皮等の患部に、1日1〜数回塗布することにより行う。
以下、本発明を配合例、実施例及び比較例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの配合例及び実施例に限定されるものではない。
植物抽出物の調製
(ダイズ抽出物の調製)
ダイズの種子100gに対して精製水500mLを加え、室温で48時間抽出した後、濾過し濃縮した。残渣に精製水を300mL加え、室温にて24時間抽出した後、濾過し濃縮した。この濾液と先程の濾液とを合わせ、抽出液を精製水にて全量100gに調製し、ダイズ抽出液を得た。
(カッコン抽出物の調製)
クズの周皮を除いた根100gに対して30%エタノール500mLを加え、室温で48時間抽出した後、濾過し濃縮した。残渣に30%エタノール300mLを加え、24時間抽出した後、濾過し濃縮した。この濾液と先程の濾液とを合わせ、抽出液を30%エタノールにて全量100gに調製し、カッコン抽出物を得た。
(チョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ及びソヨウ抽出物の調製)
チョウジにおいてはチョウジのつぼみ、シャクヤクにおいてはシャクヤクの根、ゴミシにおいてはチョウセンゴミシの果実、サイコにおいてはミシマサイコの根、ソヨウにおいてはシソの葉及び枝先を用い、カッコンと同様の操作にてそれぞれの抽出液を得た。
(配合例1)
下記の各成分を秤量し、精製水にて100mLに調製した。
ミノキシジル 1.0g
ダイズ抽出物 5.0g
チョウジ抽出物 5.0g
パントテニルエチルエーテル 0.1g
プロピレングリコール 10.0g
95%エタノール 60.0g
精製水にて全量 100mL
(配合例2)
下記の成分を秤量し95%エタノールにて100mLに調製した。
ミノキシジル 1.0g
ダイズ抽出物 5.0g
シャクヤク抽出物 5.0g
酢酸トコフェロール 0.5g
プロピレングリコール 10.0g
95%エタノールにて全量 100mL
(配合例3)
下記の各成分を秤量し、精製水にて100mLに調製した。
ミノキシジル 1.0g
ダイズ抽出物 5.0g
ゴミシ抽出物 5.0g
ヒノキチオール 0.05g
プロピレングリコール 10.0g
95%エタノール 50.0g
精製水にて全量 100mL
(配合例4)
下記の各成分を秤量し、精製水にて100mLに調製した。
ミノキシジル 1.0g
ダイズ抽出物 5.0g
サイコ抽出物 5.0g
セファランチン 0.05g
プロピレングリコール 10.0g
95%エタノール 50.0g
精製水にて全量 100mL
(配合例5)
下記の各成分を秤量し、精製水にて100mLに調製した。
ミノキシジル 1.0g
ダイズ抽出物 5.0g
ソヨウ抽出物 5.0g
L-メントール 0.01g
プロピレングリコール 10.0g
95%エタノール 60.0g
精製水にて全量 100mL
(配合例6)
下記の各成分を秤量し、精製水にて100mLに調製した。
ミノキシジル 1.0g
カッコン抽出物 5.0g
チョウジ抽出物 5.0g
パントテニルエチルエーテル 0.1g
プロピレングリコール 10.0g
95%エタノール 60.0g
精製水にて全量 100mL
(配合例7)
下記の成分を秤量し、95%エタノールにて100mLに調製した。
ミノキシジル 1.0g
カッコン抽出物 5.0g
シャクヤク抽出物 5.0g
酢酸トコフェロール 0.5g
プロピレングリコール 10.0g
95%エタノールにて全量 100mL
(配合例8)
下記の各成分を秤量し、精製水にて100mLに調製した。
ミノキシジル 1.0g
カッコン抽出物 5.0g
ゴミシ抽出物 5.0g
ヒノキチオール 0.05g
プロピレングリコール 10.0g
95%エタノール 50.0g
精製水にて全量 100mL
(配合例9)
下記の各成分を秤量し、精製水にて100mLに調製した。
ミノキシジル 1.0g
カッコン抽出物 5.0g
サイコ抽出物 5.0g
セファランチン 0.05g
プロピレングリコール 10.0g
95%エタノール 50.0g
精製水にて全量 100mL
(配合例10)
下記の各成分を秤量し、精製水にて100mLに調製した。
ミノキシジル 1.0g
カッコン抽出物 5.0g
ソヨウ抽出物 5.0g
L-メントール 0.01g
プロピレングリコール 10.0g
95%エタノール 60.0g
精製水にて全量 100mL
育毛効果試験
(被検育毛剤の調製)
植物抽出物を、前述の植物抽出物の調製に従って調製し、表1及び2に示す処方で実施例1〜10、比較例1〜10及び対照試料を調製した。
(使用動物)
6週令のC3H/HeN系雄生マウスをチャールズリバー(株)より購入し、午前7時より12時間照明の飼育室で7週間の予備飼育をした後、試験に使用した。試料はCE-2(日本クレア(株))を、また水は水道水を自動摂取させた。
(試験方法)
麻酔下にて、電気バリカン及びシェーバーによりマウス背部を2×4cmの大きさに毛刈りした。1群を10例とし、実施例1〜10群、比較例1〜10群、対照群に分け、それぞれの被検育毛剤を1日2回、100μL/回をマウスの背部に塗布した。育毛作用は検体塗布25及び50日後の発毛面積率(%)にて評価し、結果を表1及び2に示した。






















Figure 2005119996



Figure 2005119996
表1を参照すると、比較例1(ミノキシジルとダイズ抽出物を含み、チョウジ等の抽出物を含まない)の25日後の発毛面積率42.2%と比較して、実施例1〜5の25日後の発毛面積率は、68.9〜76.6%と非常に高く、優れた早期発毛効果が確認された。また、比較例2(ミノキシジル単独)及び比較例3(ダイズ抽出物単独)の25日後の発毛面積率は、実施例1〜5の半分以下であった。更に、比較例4〜8(チョウジ、シャクヤク等の抽出物単独)の25日後の発毛面積率は、0.0〜3.8%であり、発毛効果は殆どみられなかった。
また、表2を参照すると、比較例9(ミノキシジルとカッコン抽出物を含み、チョウジ等の抽出物を含まない)の25日後の発毛面積率45.0%と比較して、実施例6〜10の25日後の発毛面積率は、68.9〜75.6%と非常に高く、優れた早期発毛効果が確認された。また、比較例10(カッコン抽出物単独)の25日後の発毛面積率は、実施例6〜10の約5分の1であった。

Claims (1)

  1. ミノキシジルと、ダイズ又はカッコンの植物抽出物と、チョウジ、シャクヤク、ゴミシ、サイコ及びソヨウから成る群から選択された少なくとも1種類の植物抽出物とを含有することを特徴とする、育毛剤。
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