JP2005113430A - 外装材一体型太陽エネルギー変換装置及び外装構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1は、面板部11に太陽電池等の太陽エネルギー変換モジュール3を一体的に備えると共に、面板部11の棟端及び軒端に相互に係合又は重合する棟側成形部22及び軒側成形部23を有する外装材一体型太陽エネルギー変換装置1において、軒端に傾斜部24を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
太陽電池を屋根に設置する方法としては、横長形状の太陽電池モジュールを軒棟方向に階段状に重ねて設置する、「段葺き」がしばしば用いられる。
ところが、この「段葺き」により太陽電池モジュールを設置すると、棟側から太陽光が入射した場合、上段側の太陽電池モジュールや段状の軒側端部の影が下段側の太陽電池モジュールにかかり、発電量が低下してしまうという問題があった。即ち太陽電池モジュールは、複数の太陽電池素子のうち、一つでも出力が低下すると、その素子が直列に接続された抵抗となってしまい、太陽電池モジュール全体の出力低下を起こしてしまうからである。
しかし、太陽電池モジュールを幅広にする分、高価な太陽電池モジュールを余計に必要とするため費用が増加し、また、影になる部分は結局のところ発電に寄与しないため無駄になってしまうという問題点があった。
本発明の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1は、図1(b)に示すように面板部11に太陽エネルギー変換モジュール(太陽電池モジュール)3を一体化させた構造であって、面板部11の棟端には棟側成形部22を有し、面板部11の軒端には軒側成形部23を有し、これら棟側成形部22及び軒側成形部23は相互に係合又は重合して連結される構成である。そして、軒端には、傾斜部24が設けられている。
太陽エネルギー変換モジュール3を外装材2と一体化して外装材一体型太陽エネルギー変換装置1とする態様において、外装材2は、その面板部21の表面に太陽エネルギー変換モジュール3を一体化しない状態では、一般的な横葺き外装材と略同様であって、一般的な横葺き外装材として成形されたものを流用することもでき、ロール成形、プレス成形、押出し型成形、或いはこれらの組合せ等により成形される。また、この外装材2は、敷設状態において下段側の外装材2の棟側成形部22に上段側の外装材2の軒側成形部23が階段状に重ねられるものであって、これらは相互に係合又は重合する形式のもの、即ち連結可能な形状であれば、特にその形状等については何等限定されるものではない。
この外装材2は、代表的には概ね0.4〜1.6mm程度の溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板等の防錆処理鋼板、特殊鋼、非鉄金属、ステンレス鋼板、耐候性鋼板、銅板、アルミニウム合金板、鉛板、亜鉛板、チタニウム板などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
尚、面板部11は、外装材一体型太陽エネルギー変換装置1における面板部を指し、面板部21とは当該態様における外装材2の面板部を指す。
また、図示実施例における面板部11(外装材2の面板部21)の軒端に設けられる軒側成形部23は、傾斜部24の下端を棟側へ折り返し状に延出して上向き傾斜させ、なだらかな山状(山状部分231)に屈曲させ、さらに水上側へ延在させて軒側係合部232を形成し、さらにその先端を裏面側に折り返した構成とした。
そして、図示実施例の外装材1は、棟側成形部22と軒側成形部23とが、敷設状態において係合する(棟側係合部221と軒側係合部232との係合)ばかりでなく、複数箇所でそれぞれが弾性的に当接している構成とした。そのため、図示実施例の横葺き外装材1は、複数の弾性的当接によって、より安定且つ強固な係合、抜け止め、雨仕舞性、強固な接合(当接)などの効果が果たされる。
図1(a)に示す従来の段葺きでは面板部21の軒端を面板部21に対して略垂直状に折曲した折下げ部25が形成され、該折下げ部25が最軒端となる構成である。これに対し、本発明における外装材2では面板部21の軒端を傾斜状に折曲して傾斜部24を形成する構成であって、傾斜部24の下端の鋭角状部分が最軒端となる構成である点で、従来の段葺きとは明らかに異なる。或いは、傾斜部24の角度は屋根の水勾配(面板部11)に対して鈍角状に設けられ、直角状及び鋭角状に設けた場合には、影の範囲を極力狭くするという効果が得られない,と説明することもできる。そして、従来の段葺きでは、折下げ部25を含む略直角状の部分が太陽光を遮って下段の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1’の棟側に、大きな影の範囲を形成してしまうが、本発明における外装材一体型太陽エネルギー変換装置1では、傾斜部24の存在により、太陽光を遮って形成される影の範囲を極力狭くすることができる。傾斜部24の角度は、より好ましくはGL(グランドライン)の平行線に対して鈍角状に設ける。このような構成にすることにより、季節・時間によって変化する太陽光に対して、受光効率の低下を最小限に抑え、変換効率の低下を抑制する。
後述する図4の実施例の態様において、太陽エネルギー変換モジュール3の周縁(棟軒縁及び左右側縁)にフレームを固定する手段、構造について特に限定するものではなく、例えば各フレームの保持部に止水材を介して端縁に固定するようにしてもよいし、接着剤やビス等を用いて固定するようにしてもよい。
また、特に面板部11の軒端に窪み部分212を設けたので、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から傾斜部24がなだらかに連結されたものとなっている。さらにこの構成により、傾斜部24が、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から軒側成形部23の最軒端に向かって略直線的に設けられるものとなり、太陽エネルギー変換モジュール3上を流下する雨水等が円滑に傾斜部24に導かれ、下段側の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1へ流下するものとなる。また、傾斜部24を、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から軒側成形部23の最軒端に向かって略直線的に設けられるようにすると、太陽光による影の範囲を最大限に狭くし、効率低下を最大限に抑制することもできる。
さらに、この窪み部分212は、太陽エネルギー変換モジュール3のずれ止め部をも兼ねるものであり、万が一何等かの負圧や経年によって太陽エネルギー変換モジュールと外装材との固定が弱まった場合において、太陽エネルギー変換モジュール3のずれを防止して脱落防止を図ることができ、さらには止水材4の使用量を後述する図3の実施例に比べて少なくすることができる。
図2(a)は図1(a)の段葺き外装材1’の拡大断面図であって、図2(b)は図1(b)の本発明の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1の拡大断面図である。
図中、黒矢印は、太陽エネルギー変換モジュール3に対して垂直方向からの太陽光を表しており、この時に最大の太陽エネルギーを得ることができる点では従来の段葺きも本発明のものも同様である。
図中αは、太陽エネルギー変換モジュール3に対して垂直方向から軒側の範囲を示しており、太陽光がこのαで示された角度範囲で入射する場合に、両者に有意な差異は生じない。そのため、本発明の実施例である図2(b)でも従来の段葺きである図2(a)でも、白矢印でこの角度範囲における太陽光を表した。
図中βは、太陽エネルギー変換モジュール3に対して垂直方向から棟側であって、傾斜部24の傾斜面の角度までの範囲を示しており、太陽光がこのβで示された角度範囲で入射する場合には、両者には大きな差異が生じる。即ち、前述のように従来の段葺きにて、点線の斜線の範囲で影が形成されるのはこの場合である。この場合、本発明でも僅かに影が形成されるが、明らかに小さいものであり、下段側の太陽エネルギー変換モジュール3への影響もまた小さい。そのため、本発明の実施例である図2(b)では、白矢印でこの角度範囲における太陽光を表し、従来の段葺きである図2(a)では、通常の矢印でこの角度範囲における太陽光を表した。
図中γは、傾斜面の角度から棟側の範囲を示しており、太陽光がこのγで示された角度範囲で入射する場合には、本発明でも従来の段葺きと同様に上段の太陽エネルギー変換モジュール3自体が下段の太陽エネルギー変換モジュール3の影となってしまうが、少なくとも従来の段葺きよりも影は小さい。そのため、本発明の実施例である図2(b)では、小さい白矢印でこの角度範囲における太陽光を表し、従来の段葺きである図2(a)では、通常の矢印でこの角度範囲における太陽光を表した。
このように従来の段葺きでは、太陽光がαで示された範囲の角度で入射する場合にのみ影が形成されないが、それ以外のβやγの範囲では折下げ部25を含む略直角状の部分が太陽光を遮って下段の太陽エネルギー変換モジュール3上に大きな影を形成してしまう。これに対し、本発明では、面板部11の軒端に傾斜部24が設けられているので、太陽光がαで示された範囲の角度で入射する場合に影が形成されない点では従来の段葺きと同様であるが、太陽光がβで示された範囲の角度で入射する場合にも殆ど影が形成されず、下段側の太陽エネルギー変換モジュール3の効率低下を抑制できる。さらにγで示された範囲の角度で入射する場合にも少なくとも従来の段葺きよりも形成される影は小さい。
要するに白矢印で表される好ましい太陽光の範囲が、従来の段葺きでは垂直方向から軒側の範囲(α)のみであるのに対し、本発明では傾斜部24の傾斜面の角度方向から軒側の広い範囲(α+β)に亘るものである。
この実施例では、太陽光が傾斜部24の上段側への同一平面上より軒側から入射する範囲(図2(b)におけるα+β)において、形成される影が下段側の太陽エネルギー変換モジュール3上に一切かからないものとなる。
また、この実施例では前記図1,2の実施例のように窪み部分212を設けてはいないが、止水材4の形状を工夫するすることにより、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から傾斜部24がなだらかに連結されたものとなっている。そのため、この構成により、傾斜部24が、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から軒側成形部23の最軒端に向かって略直線的に設けられるものとなり、前述と同様な効果が果たされるものとなる。
この実施例における軒側フレーム2Aは、太陽エネルギー変換モジュール3の軒縁を保持する略コ字状の軒縁保持部26と、傾斜部24と、軒側成形部23とからなり、棟側フレーム2Bは、太陽エネルギー変換モジュール3の棟縁を保持する略コ字状の棟縁保持部27と、棟側成形部22とからなる構成であって、吊り子5によって下地6に固定されている。また、傾斜部24や軒側成形部23、棟側成形部22については前記外装材2を一体化させた実施例(図1〜3)における外装材2の各部と同様に特に形状等を限定するものではなく、前記実施例と同様な作用効果を奏するものである。
2 外装材
21 面板部
22 棟側成形部
23 軒側成形部
24 傾斜部
25 折下げ部
3 太陽エネルギー変換モジュール
4 止水材
Claims (5)
- 面板部に太陽電池等の太陽エネルギー変換モジュールを一体的に備えると共に、面板部の棟端及び軒端に相互に係合又は重合する棟側成形部及び軒側成形部を有する外装材一体型太陽エネルギー変換装置において、軒端に傾斜部を設けたことを特徴とする外装材一体型太陽エネルギー変換装置。
- 傾斜部は、太陽エネルギー変換モジュールの最軒端から軒側成形部の最軒端に向かって略直線的に設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の外装材一体型太陽エネルギー変換装置。
- 面板部の軒端に太陽エネルギー変換モジュールのずれ止め部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の外装材一体型太陽エネルギー変換装置。
- 面板部に太陽電池等の太陽エネルギー変換モジュールを一体的に備えると共に、面板部の棟端及び軒端に相互に係合又は重合する棟側成形部及び軒側成形部を有し、さらに軒端に傾斜部を設けた外装材一体型太陽エネルギー変換装置を敷設してなることを特徴とする外装構造。
- 敷設状態における傾斜部の下段側への同一平面上より軒側に下段の太陽エネルギー変換モジュールが存在することを特徴とする請求項3に記載の外装構造。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011124349A3 (de) * | 2010-04-08 | 2012-06-14 | Benjamin Kienzler Energieberatung Ltd. | Befestigungssytem mit flachen plattenförmigen bauelementen, insbesondere photovoltaische oder solarthermische elemente |
CN103321360A (zh) * | 2012-03-23 | 2013-09-25 | 沙嫣 | 一种复合太阳能电池屋顶面板及其生产方法 |
JP2013245511A (ja) * | 2012-05-28 | 2013-12-09 | Mitsubishi Electric Corp | 支持金具 |
JP2014025276A (ja) * | 2012-07-27 | 2014-02-06 | Sanix Inc | 太陽電池モジュールの取付け構造 |
JP2017218866A (ja) * | 2016-06-10 | 2017-12-14 | シャープ株式会社 | 瓦型太陽電池モジュールおよび瓦型太陽電池モジュールの屋根取付構造 |
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2003
- 2003-10-03 JP JP2003346365A patent/JP2005113430A/ja active Pending
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