本発明に従って有用に使用されるポリマーは、特許文献2及び特許文献3に於いて製造され、記載されているような、カチオン性官能基を有する水性エマルジョンポリマーである。本発明のカチオン性ラテックスポリマー組成物には、カチオン性ラテックスポリマー性バインダー粒子の水性分散液が含まれている。このカチオン性ポリマー粒子は、当該技術分野で公知の全ての重合技術、例えば、懸濁重合、界面重合又は乳化重合によって、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマー又はこのようなモノマーの混合物(但し、該モノマーの少なくとも1種は、弱塩基若しくは第四級アンモニウム官能基を有するか又はこのような官能基を与えられることができる)から製造することができる。このような官能基が与えられるべきこのようなポリマーの能力を、以下更に詳細に説明する。
本発明の一つの態様に従って、ある種の界面活性剤の存在下でのエチレン性不飽和モノマーの乳化重合が、この方法で形成されたラテックスポリマー粒子の水性分散液を、直接的に又は本発明の水性エマルジョンポリマーを製造する際の最小の作業を伴って使用することができるので、重合技術として使用される。
エチレン性不飽和モノマーからラテックスポリマー性粒子の水性分散液を製造するためのエマルジョン技術は、ポリマー技術分野で公知である。1回及び複数回ショットバッチエマルジョン方法を、連続乳化重合方法と同様に使用することができる。更に、所望により、モノマー混合物を製造し、そして重合容器に徐々に添加することができる。同様に、重合容器内のモノマー組成を、重合の過程の間に、例えば、重合容器の中に供給されているモノマーの組成を変えることによって、変化させることができる。一段及び多段重合技術の両方を使用することができる。ラテックスポリマー粒子は、当該技術分野で公知であるように、乳化重合によって製造された粒子の数を制御するために、シードポリマーエマルジョンを使用して製造することができる。ラテックスポリマー粒子の粒子サイズは、当該技術分野で公知であるように初期界面活性剤装入量を調節することによって制御することができる。
カチオン性ポリマー粒子の重合を実施する際に、重合開始剤を使用することができる。使用することができる重合開始剤の例には、重合温度で熱分解してフリーラジカルを発生する重合開始剤が含まれる。例には、水溶性種類及び水不溶性種類の両方が含まれる。使用することができるフリーラジカル発生開始剤の例には、過硫酸塩、例えば、過硫酸アンモニウム又は過硫酸アルカリ金属(カリウム、ナトリウム若しくはリチウム);アゾ化合物、例えば、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'−ビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)及び1−t−ブチルヒドロペルオキシド及びクメンヒドロペルオキシド;過酸化物、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化カプリリル、過酸化ジ−t−ブチル、3,3'−ジ(t−ブチルペルオキシ)酪酸エチル、3,3'−ジ(t−アミルペルオキシ)酪酸エチル、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート及びt−ブチルペルオキシピバラート;過エステル、例えば、過酢酸t−ブチル、過フタル酸t−ブチル及び過安息香酸t−ブチル並びに過炭酸エステル、例えば、ジ(1−シアノ−1−メチルエチル)ペルオキシジカルボネート、パーホスフェートエステルなどが含まれる。
重合開始剤は、単独で又はレドックス系の酸化成分として使用することができ、レドックス系には、また、還元成分、例えば、アスコルビン酸、マレイン酸、グリコール酸、シュウ酸、乳酸、チオグリコール酸又はアルカリ金属亜硫酸塩、更に特にヒドロ亜硫酸塩、次亜硫酸塩若しくはメタ重亜硫酸塩、例えば、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸カリウム及びメタ重亜硫酸カリウム又はホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムが含有されている。この還元成分は、しばしば、アクセラレーターと呼ばれる。
一般的に、触媒、触媒系又はレドックス系と呼ばれる開始剤及びアクセラレーターは、共重合させるべきモノマーの重量基準で、それぞれ約0.001%〜5%の濃度で使用することができる。アクセラレーター、例えば、コバルト、鉄、ニッケル又は銅の塩化物及び硫酸塩は、少量で使用することができる。レドックス触媒系の例には、tert−ブチルヒドロペルオキシド/ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム/Fe(II)及び過硫酸アンモニウム/重亜硫酸ナトリウム/ヒドロ亜硫酸ナトリウム/Fe(II)が含まれる。重合温度は室温から約90℃までであってよく、そして一般的であるように、使用する触媒系について最適化することができる。
所望により、ポリマー分子量を制御するために、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤の例には、メルカプタン、ポリメルカプタン及びポリハロゲン化合物が含まれる。使用することができる連鎖移動剤の例には、アルキルメルカプタン、例えば、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−アミルメルカプタン、イソアミルメルカプタン、t−アミルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、;アルコール、例えば、イソプロパノール、イソブタノール、ラウリルアルコール、t−オクチルアルコール、ベンジルアルコール及びα−メチルベンジルアルコール;ハロゲン化化合物、例えば、四塩化炭素、テトラクロロエチレン及びトリクロロブロムエタンが含まれる。一般的に、モノマー混合物の重量基準で、0〜10重量%の連鎖移動剤を使用することができる。ポリマー分子量は、当該技術分野で公知の他の技術、例えば、開始剤のモノマーに対する比を選択することにより制御することができる。
触媒及び/又は連鎖移動剤は、別々の又は同じ流体媒体中に溶解又は分散させることができ、触媒及び/又は連鎖移動剤と同時に添加することができる。開始剤又は触媒の量は、重合技術分野で公知のように、重合が実質的に完結した後に残留するモノマーを重合させるように、重合混合物に添加することができる。
ラテックスポリマー粒子の凝集は、重合混合物中にミセル形成、安定化界面活性剤を含有させることによって抑制することができる。一般的に、成長しているコア粒子は、1種又は2種以上の界面活性剤(該界面活性剤の少なくとも1種のは、非イオン性若しくは両性界面活性剤又はこれらの混合物である)によって、乳化重合の間に安定化される。これらの種類の界面活性剤は、乳化重合技術分野に於いて公知である。適切な界面活性剤の多数の例が、非特許文献1に示されている。他の種類の安定化剤、例えば、保護コロイドを使用することもできる。
カチオン性ポリマーラテックスの製造に於いて、全てのアニオン性又はカチオン性界面活性剤の比率を、使用する非イオン性及び両性界面活性剤の濃度に対して最小にして、カチオン性ラテックスポリマー粒子の水性分散液の添加が、最少のアニオン性又はカチオン性界面活性剤を柔軟剤組成物に寄与させ、そしてアニオン性基体への柔軟剤の付着による妨害を最小にするようにすべきである。ポリマーラテックス上の約1重量パーセント未満の濃度でのカチオン性界面活性剤が許容できるが、ラテックス上の約1パーセント以上のこのような界面活性剤の濃度は、界面活性剤の構造に依存して、柔軟剤中のアニオン性結合部位についてのカチオン性ラテックスとの競合により、有用性を顕著に弱め得る。アニオン性界面活性剤も、それらがカチオン性ラテックス部位と錯化する点で望ましくない。モル基準でのアニオン性界面活性剤の濃度は、弱塩基又は第四級官能基のモル量の50%未満であることが好ましい。前記のように、非イオン性及び両性界面活性剤を使用することが最も望ましい。特性の最善のバランスのために、この2種の混合物が最も好ましいものである。両性界面活性剤が、それらが特許文献4及び特許文献5によって教示されているように、耐腐食性を改良するように作用する点で望ましい。
適切なアニオン性界面活性剤の例には、スルホスクシネート、例えば、ジ(C7−C25)アルキルスルホスクシネートの、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び低級アルキル第四級アンモニウムソフト;スルフェート、例えば、高級脂肪アルコールスルフェート、例えば硫酸ラウリル;スルホン酸アリール、スルホン酸アルキル及びスルホン酸アルキルアリールを含むスルホネート、例えば、スルホン酸イソプロピルベンゼン、スルホン酸イソプロピルナフタレン及びN−メチル−N−パルミトイルタウレート;イソチオネート、例えば、イソチオン酸オレイルなどが含まれる。追加の例には、アルキルアリールポリ(エチレンオキシ)エチレンスルフェート、スルホネート及びホスホネート、例えば、t−オクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エチレンスルフェート及びノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エチレンホスフェート(何れも、1〜7個のオキシエチレン単位を有する)が含まれる。
適切な非イオン性界面活性剤の例には、ポリ(オキシアルキレン)アルキルフェノールエーテル、ポリ(オキシアルキレン)アルキルエーテル、脂肪酸のポリ(オキシアルキレン)エステル、ポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシドブロックコポリマーなどが含まれる。
適切なカチオン性界面活性剤の例には、第四級アルキルアンモニウムハライド、ホスフェート、アセテート、ナイトレート、スルフェート;ポリオキシアルキレンアミン、ポリ(エチレンオキシド)アミン、ポリオキシアルキルアミンオキシド、アルキル脂肪酸の置換イミダゾリン、アルキルベンジルジメチルアンモニウムハライド及びアルキルピリジニウムハライドが含まれる。
適切な両性界面活性剤の例には、特許文献3に記載されているようなイミダゾリン誘導両性界面活性剤[ここで、Rは、直鎖及び分枝鎖脂肪酸からなる群から選択され、アルキレン基は8〜20個の炭素原子を有し、R1は、−((CH2)xO)y−R'(式中、x=2及び3であり、y=0〜6であり、R'=Hである)、直鎖及び分枝鎖脂肪酸並びに2〜12個の炭素原子を有するアルコールから選択され、そしてR2は、分枝鎖、直鎖脂肪族及び芳香族カルボン酸、スルホン酸、リン酸(但し、アルキレン基は1〜18個の炭素原子を有する)からなる群から選択される]が含まれる。他のカルボキシベタイン、スルファトベタイン、スルフィトベタイン、スルホベタイン、ホスホニノベタイン、N−アルキルアミノ酸なども適している。
乳化重合に於いて、水性重合媒体が使用される。この水性媒体には、水が含まれ、そして可溶性無機塩、非反応性水混和性補助溶媒、例えば、低級アルカノール及びポリオール、緩衝剤、保護コロイドを含む可溶性及び分散性ポリマー物質並びに増粘及び懸濁剤、例えば、ポリビニルアルコール、メトキシセルロース及びヒドロキシエチルセルロースが含まれてよい。
本発明のカチオン性官能性ポリマー粒子は、少なくとも1種の重合性エチレン性不飽和モノマーを含む1種又は2種以上のモノマーから重合される(但し、該モノマーの少なくとも1種は、カチオン性官能基、例えば、酸プロトン化アミン官能基若しくは第四級アンモニウム官能基を含むか又はそれが重合された後に、カチオン性官能基、例えば、酸プロトン化アミン官能基若しくは第四級アンモニウム官能基を含むように変性することが可能である)。このモノマーは、単一弱カチオン−官能性重合性エチレン性不飽和モノマー種又はこのような種の前駆体、例えば、重合後に必要なカチオン性官能基を与えるように変性することができる重合性エチレン性不飽和モノマーであってよい。これらのモノマーを、以下一緒にして、「カチオン性官能性モノマー」と呼ぶものとする。また、1種又は2種以上の重合性エチレン性不飽和モノマー種又はこのような種の前駆体を含むモノマー混合物を使用することができ、これもカチオン性官能性モノマーの上記の定義内であると考えられるものとする。
カチオン性官能性モノマーの濃度は、好ましくは、ポリマー性バインダーを製造するために使用される全重合性モノマーの0.5〜15重量パーセント、更に好ましくは、1〜5重量パーセントの範囲内である。
適切なカチオン性官能性モノマーの例には、基−HC=C−及び弱塩基アミノ基又はラジカルを含有するモノエチレン性不飽和モノマー並びにモノエチレン的に重合する多エチレン性アミン、例えば、弱塩基アミン置換ブタトリエンが含まれる。アルケニルピリジン及びアルキルアミノ(メタ)アクリレートを含む塩基性モノマーの特性は、非特許文献2中でL.S.Luskinによって概説されている。
アミン官能性モノエチレン性不飽和モノマーの例には、特許文献3に記載されているような構造を有するモノマーが含まれる。
この化合物の例には、10−アミノデシルビニルエーテル、9−アミノオクチルビニルエーテル、6−(ジエチルアミノ)ヘキシル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、5−アミノペンチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−アミノエチルビニルエーテル、2−アミノブチルビニルエーテル、4−アミノブチルビニルエーテル、3−(ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルビニルエーテル、N−(3,5,5−トリメチルヘキシル)アミノエチルビニルエーテル、N−シクロヘキシルアミノエチルビニルエーテル、3−(t−ブチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、2−(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチルビニルエーテル、N−メチルアミノエチルビニルエーテル、N−2−エチルヘキシルアミノエチルビニルエーテル、N−t−オクチルアミノエチルビニルエーテル、β−モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−(β−アクリロキシエチル)ピリジン、β−ピロリジノエチルビニルエーテル、5−アミノペンチルビニルスルフィド、β−ヒドロキシエチルアミノエチルビニルエーテル、(N−β−ヒドロキシエチル−N−メチル)アミノエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルジメチル(ビニルオキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、2−(t−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート及び2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミドが含まれる。アミン官能性エチレン性不飽和モノマーの例には、4−ビニルピリジン、2,6−ジエチル−4−ビニルピリジン、3−ドデシル−4−ビニルピリジン及び2,3,5,6−テトラメチル−4−ビニルピリジンが含まれる。
本明細書で使用されるとき、表現「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を包含する一般的用語として意図される。同様に「(メタ)アクリルアミド」は、メタクリルアミド及びアクリルアミドの両方を包含する。
弱塩基官能性モノマーの第四級化形、例えば、ハロゲン化アルキル、例えば塩化ベンジルと又はエポキシド、例えばプロピレンオキシドと又は硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチルと反応した弱塩基官能性モノマーを使用することもできる。
本発明の目的のために、このようなモノマーは、記載「カチオン性官能性」モノマーの範囲内に含まれるものとする。このアルキル化反応は、塩基強度に於いて、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)よりも著しく弱い弱塩基アミンモノマーのために特に必要である。
弱塩基モノマーの幾つかの四級化形態は非常に水溶性であり、乳化重合によってラテックスポリマーの中に組み込むことが困難である場合がある。第四級アミン官能性ラテックス分散液の別の製造方法は、乳化重合の後でラテックスを後官能化することである。これは、ハロアルキルエステルモノマー、例えば2−クロロエチルアクリレートなどがラテックスの中に組み込まれている、特許文献6に記載されているようにして行うことができる。次いで、これらのラテックスは、第三級アミンとの反応によって後アルキル化される。また、特許文献7に教示されているように、ラテックスをグリシジルメタクリレートのようなグリシジルモノマーで製造し、そしてアミン(第四級基を形成するための第三級アミン)と後反応させることができる。
更に、弱塩基官能性ラテックスは、また、アルキル化剤、例えば、モノマーについて前記したような塩化ベンジル及びエポキシドと後反応させることができる。
カチオン性官能性基を含むモノマーの重合により、カチオン性官能性ポリマー粒子を製造する代わりに、この粒子は、最初に、弱塩基官能性基を含まない1種又は2種以上のモノマーを重合させ、次いで、このポリマーを、弱塩基官能性基を与える試薬によって官能化することによって、製造することができる。
弱塩基官能性モノマーに加えて、弱塩基官能性モノマーと重合可能である他のエチレン性不飽和モノマーを、本発明のカチオン性ラテックスポリマー粒子を製造する際に使用することができる。例えば、共重合可能なエチレン性不飽和非イオン性モノマーを使用することができる。使用することができる非イオン性モノエチレン性不飽和モノマーの例には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、エチレン、酢酸ビニル、ビニルバーサテート(vinyl versatate)、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸の種々の(C1−C20)アルキル及び(C3−C20)アルケニルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル及び(メタ)アクリル酸ステアリル;他の(メタ)アクリル酸エステル、例えば、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ブロムエチル、(メタ)アクリル酸2−フェニルエチル及び(メタ)アクリル酸1−ナフチル;(メタ)アクリル酸アルコキシルアルキル、例えば(メタ)アクリル酸エトキシエチル;並びにエチレン性不飽和ジ−及びトリカルボン酸及び無水物のジアルキルエステル、例えば、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、アコニット酸トリメチル及びイタコン酸エチルメチルが含まれる。
エチレン性不飽和モノマーには、また、10重量%以下の、平均分子量を上昇させ、そしてポリマーを架橋するための、少なくとも1種の多エチレン性不飽和モノマーが含有されていてよい。使用することができる多エチレン性不飽和モノマーの例には、(メタ)アクリル酸アリル、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコール、フタル酸ジアリル、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルベンゼン及びジビニルナフタレンが含まれる。重合後架橋のための部位として機能し得る官能基を含む非イオン性モノマーが、多エチレン性不飽和モノマーの代わりに又はこれに加えて含有されてよい。例えば、エポキシ官能性エチレン性不飽和モノマー、例えば、メタクリル酸グリシジル、アミン官能性エチレン性不飽和モノマー、例えば、メチルアクリルアミドグリコレートメチルエーテルなどを使用することができる。しかしながら、重合条件は、存在する場合に、カチオン性官能性基と重合後架橋性官能基との間の反応を最小にするように選択すべきである。重合後に、適切な多官能性架橋剤を、ポリマー鎖からペンダントの架橋性官能基側鎖と反応させることができる。また、カチオン性官能基自体が、架橋部位として機能し得る。例えば、高エネルギー粒子及び放射線による、当該技術分野で公知のポリマー粒子を架橋させる他の手段を使用することもできる。
1種又は2種以上の酸を、アミン官能性ポリマー粒子の水性分散液に添加することによって、ポリマー粒子をカチオン性にするために、アミン官能性ポリマー粒子をプロトン化することが必要である。このような酸プロトン化アミン官能性ポリマーの柔軟剤中のアニオン性成分に対する相互作用は、ポリマー粒子の水性分散液のpHに関係している。同時に、エマルジョンポリマー上のプロトン化アミン基及び柔軟剤中のアニオン性基の最高濃度を生じさせるポリマー粒子を含有する水性分散液のpHは、柔軟剤成分とポリマーとの間の最大イオン性相互作用を与える。相互作用は、2個の相互作用種の等しい濃度をもたらすpHで最大である。例えば、低いpH、例えば4より低いpHで、イオン化形態で存在するカルボキシル基の濃度は低い。高いPH、例えば8より高いpHで、プロトン化状態にあるアミン基の濃度は低いであろう。ポリマーと柔軟剤成分との最大相互作用のpH範囲は、イオン化カルボキシレート形態にある基質カルボキシル基の数が、2種のものの間の界面でポリマー性バインダープロトン化アミン基に等しいとき、生じる。非常に僅かなカルボキシル基が存在する場合、最大相互作用のpHは、カルボキシル官能基及びアミン官能基の等しい濃度(以後、「最大イオン結合」と言う)の場合についてよりも高いpHにシフトするであろう。高濃度の両方の相互作用種が、ポリマー柔軟剤界面に存在する場合、相互作用は、pHへの高い依存性無しに最大になるであろう。
本発明者等は、柔軟剤のアニオン性成分上にカチオン性ポリマーラテックスの最大イオン結合(MIB)が生じるpH範囲が、アミン官能性ラテックスの塩基強度に依存することを観察した。ポリマーの塩基強度が強くなるほど、MIB及び良好な相互作用が観察されるpH範囲が広くなる。アミン官能性ポリマーの塩基強度が増加するとき、最大付着のpHは、対応してより高いpH値の方にシフトするであろう。一般的に、カチオン性ポリマー粒子の水性分散液のpHは、pH9より上に上げるべきではなく、pH2より下にすべきではなく、そして5〜8の範囲内にすべきである。
第四級アンモニウム官能性ラテックスは、最も広いpH−相互作用範囲を有することが観察された。これは、第四級アンモニウム官能基が、pH非依存性のレベルのカチオン性電荷を与えるためであると信じられる。上記のイオン結合機構のために、ポリマー中のアミン官能基は、第一級、第二級、第三級又は第四級アミンであってよい。化学的種類は重要ではなく、それらの塩基強度のみが重要なものである。アミン官能性モノマーの濃度が上昇する場合、MIBもまた、より高いpHで達成できる。
アミン官能性ポリマー粒子をプロトン化するために使用できたある種の酸は、ポリマー並びにエマルジョンポリマーを含有する柔軟剤の、柔軟剤のアニオン性成分に対する相互作用を弱め得る。特に、アミン官能性樹脂のために強く選択的(「選択的」は、イオン交換樹脂技術関連に於いて使用される意味を有する)である酸は、アミン官能性ラテックスを中和若しくはプロトン化するために又はポリマー組成物中に使用される分散剤用の対イオンとして使用すべきではない。特に、芳香族スルホン酸、疎水性酸、例えば、オレイン酸、オクタン酸など並びに多価酸、例えば、クエン酸などは避けるべきである。アミン官能性ラテックス上のアミン基のための強い選択性を有する酸は、これらのアミン基を錯化して、それらをアニオン性基体と相互作用するために利用できないようにするであろう。これらは、また、カチオン性アミンベースの分散剤の効能を低下させる。
本発明者等が、アミン官能性ポリマー性バインダー粒子の中和又はプロトン化のために見出した最も適切な酸は、モノプロトン性有機酸、例えば、酢酸、乳酸などである。無機酸、例えば、塩酸も使用できるが、これらは一般的に、皮膜の耐水性及び耐腐食性を損なう。アミン官能性ポリマーを部分的にプロトン化するために使用される酸の選択性を決定する際の重要な因子には、非特許文献3に教示されているような、酸アニオンの原子価、酸分子のイオン半径、酸の相対強度、および酸分子の分子構造または形状が含まれる。疎水性酸、例えば、オレイン酸は、疎水性アミン、例えば、アミン官能性エマルジョンポリマー粒子と不溶性リポ塩(liposalt)を形成する傾向がある。本発明者等は、それで、C1−C6モノカルボン酸、即ち、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸及び他の低分子量有機酸が好ましいことを見出した。
特許文献2及び特許文献3に記載されているようなカチオン性分散剤が、本発明に従って有用に使用される。
本発明の一つの態様に従って、適切なカチオン性エマルジョンポリマーには、これらに限定されないが、カチオン性官能基を有するラテックスポリマー粒子が含まれる。このポリマーは2種の形で製造することができる。
タイプI−直径が0.05〜0.31μmのサイズの範囲内である、高度に架橋された非熱可塑性非フィルム形成性球状粒子のポリマー分散液。これらの粒子は、凍結乾燥又はスプレー乾燥によって単離することができ、水又は油の中に再構成することができる。
タイプII−直径が0.1〜1.0μmのサイズの範囲内である、架橋されていない又は僅かに架橋された熱可塑性フィルム形成性球状粒子のポリマー分散液。タイプIIポリマーは、バインダーとしても機能し得る。
タイプIには、より高い量の第四級又は第三級アミンカチオンが含有されている。しかしながら、どちらのポリマーも、単独で又はお互いと一緒に使用することができる。一緒に使用する場合、タイプI及びタイプIIは、お互いに補強する傾向があり、同様の量を単独で使用するよりも一層有効である。単独で使用する場合、タイプIはバインダーを添加する必要があり、他方、タイプIIは、それ自体バインダーである。
本発明のコポリマーは、乳化重合によって製造され、直接、0.05〜0.3ミクロンの範囲内の粒子サイズを有する球形樹脂を提供する。
ポリマー界面での基は速度決定因子であり、高い表面積対体積比を有するポリマー粒子が、更に有効である。それで、乳化重合によって製造されたポリマーは、懸濁重合によって同じ組成物が製造される場合よりも顕著に一層有効である。例えば、直径が0.1ミクロンのエマルジョンポリマー粒子は、10ミクロンの直径を有する懸濁ポリマーよりも100倍大きい表面積対体積比を有する。10ミクロンの粒子サイズは、懸濁ポリマーについては小さいと考えられる。より典型的な値は100ミクロンであり、一方、0.1ミクロン〜0.2ミクロン直径の粒子サイズは、乳化重合によって製造したポリマーについて普通である。
本発明の一つの態様に於いて、
(A)(1)5〜70重量%、好ましくは25〜65重量%の、1種又は2種以上の、塩基又は塩の形態でのアミン又は第四級アンモニウム基を含有するモノマー単位、
(2)3〜25重量%をはじめとする1〜50重量%の、1種又は2種以上の多エチレン性不飽和架橋性モノマー単位及び
(3)0〜80重量%(100%にする)の、1種又は2種以上の、中性又は非イオン性特性のモノエチレン性不飽和モノマー単位の混合物の、分散された、架橋された水不溶性ビニル付加エマルジョンコポリマー又は
(B)(1)25〜65重量%をはじめとする、5〜70重量%の、1種又は2種以上の、塩形態でのアミン又は第四級アンモニウム基を含有するモノマー単位、
(2)0〜50重量%、好ましくは3〜25重量%の、1種又は2種以上の多エチレン性不飽和架橋性モノマー単位及び
(3)0〜89重量%(100%にする)の、1種又は2種以上の、中性又は非イオン性特性のモノエチレン性不飽和モノマー単位の混合物の、分散された、水不溶性線状又は架橋したビニル付加エマルジョンコポリマー
を含有し、塩の対イオンが、水性媒体中の金属対イオン、特にホウ素、クロム、モリブデン及びタングステンから誘導された対イオンであるカチオン性エマルジョンポリマーが提供される。得られる組成物は、芳香物質を含有する柔軟剤又は柔軟剤への芳香物質の追加について、レオロジーを安定化する上で有効である。
(A)中の分散したコポリマーには、二官能性アルキル化剤の使用の結果として架橋された第四級アンモニウム基が含有されていてよく、この場合に、多エチレン性不飽和モノマーは、部分的に又は完全に除外される。同様に、(B)中の分散したコポリマーには、コポリマーを製造する際に架橋性多エチレン性不飽和モノマーを使用しても使用しなくても、二官能性アルキル化剤の使用の結果として架橋された第四級アンモニウム基が含有されていてよい。本明細書で使用されるとき、用語「多エチレン性」及び「マルチエチレン性」は、複数個のエチレン性不飽和基を有するモノマーを指す。
本発明の一つの態様に従って、本発明の水性分散液は、1種又は2種以上の、アニオン性、カチオン性又は非イオン性タイプの乳化剤を使用して製造することができる。カチオンタイプとアニオンタイプとはお互いに中和する傾向があるので、カチオンタイプとアニオンタイプとを任意のかなりの量で混合することが一般的に望ましくないことを除いて、タイプに関係なく2種又は3種以上の乳化剤の混合物を使用することができる。乳化剤の量は、全モノマー装入量の重量基準で、ときにはより多くのものを含めて、0.1〜6重量%の範囲であってよい。過硫酸塩タイプ又は一般的にイオンタイプの開始剤を使用するとき、乳化剤の添加はしばしば不必要であり、この削除又は少量のみ、例えば、約0.5重量%未満の乳化剤の使用が、コスト観点(高価な乳化剤の削除)から、ときには望ましいであろう。これらの分散したポリマーの粒子サイズ又は直径は、約0.05〜1.0ミクロンである。本明細書に於いて参照されるときは常に、粒子サイズは、「数平均直径」である。ミクロンで表されるこの数値は、非対称光散乱法又は電子顕微鏡を使用して決定される。光散乱法の説明は、非特許文献4に記載されている。一般的に、これらのエマルジョンポリマーの分子量は高く、例えば、約100,000〜10,000,000であり、このポリマーは、一般的なブルックフィールド・レオメーター(周波数12及びスピンドル2)を使用して20℃で測定したとき、典型的に平均500,000センチポアズ以上の粘度を有する。
典型的な布保護製品、例えば、ランドリー洗剤組成物及び布柔軟剤組成物には、それらの配合物中に0.5重量%〜1重量%の芳香物質が含有されている。特許文献8には、衣類を標準的粉末ランドリー洗剤又は布柔軟剤リンスで洗浄する洗浄工程の過程中で、これらの布保護製品中に含有されている芳香物質の小部分が、実際に衣類の方に移ることが開示されている。衣類上に残留物として残っている芳香物質の量は、これらの製品配合物自体の中に含有されている元の少量の芳香物質の1%のように低くてよいことを示す試験が記載されている。
公知のように、香水は、通常、それらのそれぞれが芳香を有する多数の香料物質の混合物からなっている。香料中の香料物質の数は、典型的に10種以上である。香料に使用される芳香物質の範囲は非常に広く、この物質は種々の化学種類から来るが、一般的に水不溶性油である。多くの例で、香料物質の分子量は、150を超えるが3000を超えない。
本発明に於いて使用される香料には、一般的な香料物質の混合物が含まれる。適切な香料及び芳香物質には、アセチルセドレン、4−アセトキシ−3−ペンチルテトラヒドロピラン、4−アセチル−6−t−ブチル−1,1−ジメチルインダン、商標「セレストリド(CELESTOLIDE)」で入手可能、5−アセチル−1,1,2,3,3,6−ヘキサメチルインダン、商標「ファントリド(PHANTOLIDE)」で入手可能、6−アセチル−1−イソプロピル−2,3,3,5−テトラメチルインダン、商標「トラセオリド(TRASEOLIDE)」で入手可能、α−n−アミルシンナムアルデヒド、サリチル酸アミル、オーベピン(aubepine)、オーベピンニトリル、オーランチオン(aurantion)、酢酸2−t−ブチルシクロヘキシル、2−t−ブチルシクロヘキサノール、3−(p−t−ブチルフェニル)プロパナール、酢酸4−t−ブチルシクロヘキシル、4−t−ブチル−3,5−ジニトロ−2,6−ジメチルアセトフェノン、4−t−ブチルシクロヘキサノール、ベンゾインシアムレジノイド(benzoin siam resinoids)、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、ベンジルイソアミルエーテル、ベンジルアルコール、ベルガモット油、酢酸ボルニル、サリチル酸ブチル、カルバクロール、セダーアトラス油、セドリルメチルエーテル、酢酸セドリル、桂皮アルコール、プロピオン酸シンナミル、シス−3−ヘキセノール、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、シトロネラ油、シトロネロール、シトロネロニトリル、酢酸シトロネリル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、クローブリーフ油(cloveleaf oil)、クマリン、9−デセン−1−オール、n−デカナール、n−ドデカノール、デカノール、酢酸デシル、フタル酸ジエチル、ジヒドロミルセノール、ギ酸ジヒドロミルセニル、酢酸ジヒドロミルセニル、酢酸ジヒドロテルピニル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルヘプタノール、ジメチルオクタノール、ジミルセトール(dimyrcetol)、ジフェニルオキシド、エチルナフチルエーテル、エチルバニリン、ブラシル酸エチレン、オイゲノール、ゲラニオール、ゼラニウム油、ゲラノニトリル、ゲラニルニトリル、酢酸ゲラニル、1,1,2,4,4,7−ヘキサメチル−6−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、商標「トナリド(TONALID)」で入手可能、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−2−ベンゾピラン、商標「ガラキソリド(GALAXOLIDE)」で入手可能、2−n−ヘプチルシクロペンタノン、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1(3)H−インデン−6−イルプロピオネート、商標「フロロシクレン(FLOROCYCLENE)」で入手可能、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1(3)H−インデン−6−イルアセテート、商標「ジャスマシクレン(JASMACYCLENE)」で入手可能、4−(4'−ヒドロキシ−4'−メチルフェニル)−3−シクロヘキセンカルバルデヒド、α−ヘキシル桂皮アルデヒド、ヘリオトロピン、ヘルコリン(Hercolyn)D、ヘキシルアルドン(hexyl aldone)、ヘキシル桂皮アルデヒド、サリチル酸ヘキシル、ヒドロキシシトロネラル、ギ酸i−ノニル、3−イソカンフィルシクロヘキサノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、4−イソプロピルシクロヘキシルメタノール、インドール、イオノン、イロン、サリチル酸イソアミル、イソボルネオール、酢酸イソボルニル、サリチル酸イソブチル、安息香酸イソブチル、酢酸イソブチルフェニル、イソオイゲノール、イソロンギホラノン、イソメチルイオノン、イソノナノール、酢酸イソノニル、イソプレゴール、ラバンジン油、レモングラス油、リナロオール、酢酸リナリル、LRG201、1−メントール、2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)プロパナール、2−メチル−3−(p−t−ブチルフェニル)プロパナール、3−メチル−2−ペンチル−シクロペンタノン、3−メチル−5−フェニル−ペンタノール、α−及びβ−メチルナフチルケトン、メチルイオノン、メチル ジヒドロジャスモネート(methyl dihydrojasmonate)、メチルナフチルエーテル、メチル4−プロピルフェニルエーテル、ムース・デ・シェン・ユゴ(Mousse de chene Yugo)、ムスク・アンブレット、ミルテノール、ネロリ油、ノナンジオール−1,3−ジアセタート、ノナノール、ノナノリド−1,4(nonanolide−1,4)、酢酸ノポル(nopol acetate)、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−アセチル−ナフタレン、商標「イソ−イー−スーパー(ISO−E−SUPER)」で入手可能、オクタノール、オポポナックスレジノイド、オレンジ油、p−t−アミルシクロヘキサノン、p−t−ブチルメチルヒドロ桂皮アルデヒド、2−フェニルエタノール、酢酸2−フェニルエチル、2−フェニルプロパノール、3−フェニルプロパノール、パラ−メンタン−7−オール、パラ−t−ブチルフェニルメチルエーテル、パチュウリ油、ペラルゲン(pelargene)、プチグレン油、イソ酪酸フェノキシエチル、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルエチルn−ブチルエーテル、フェニルエチルイソアミルエーテル、酢酸フェニルエチルフェニル、ピメントリーフ油(pimento leaf oil)、ローズ−d−オキサイド、サンダローン(Sandalone)、酢酸スチルアリル、1,1,4,4−テトラメチル−6−アセチル−7−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、商標「ベルサリド(VERSALIDE)」で入手可能、酢酸3,3,5−トリメチルヘキシル、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール、テルピネオール、酢酸テルピニル、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロオール、テトラヒドロムグオール(tetrahydromuguol)、テトラヒドロミルセノール、タチジャコウソウ油、酢酸トリクロロメチルフェニルカルビニル、酢酸トリシクロデセニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、10−ウンデセン−1−アール、γ−ウンデカラクトン、10−ウンデセン−1−オール、ウンデカノール、バニリン、ベチベロール(vetiverol)、酢酸ベチベリル(vetiveryl acetate)、ベチベル油(vetyvert oil)、上記のリスト中のアルコールの酢酸エステル及びプロピオン酸エステル、芳香族ニトロムスク芳香物質、インダンムスク芳香物質、イソクロマンムスク芳香物質、大員環ケトン、大員ラクトンムスク芳香物質並びにテトラリンムスク芳香物質が含まれる。芳香物質及び香料の他の適切な例は、特許文献1に記載されている。
香料には、しばしば、溶媒又は希釈剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、フタル酸ジエチル及びクエン酸トリエチルが含有されている。
本発明に於いて使用される香料は、所望により、特許文献9、特許文献10及び特許文献11に開示されているように、脱臭剤特性を有する。
本発明の一つの態様に従って、カチオン性エマルジョンポリマーに、予備混合後に香料が含浸されるとき、本発明者等は、疎水性特性を有する香料物質を選択することによって又は疎水性油を香料の中に混合することによって、香料の吸収を増強できることを見出した。香料吸収を増強できる疎水性油の適切な例には、フタル酸ジブチル、アルカン混合物、例えばイソパラフィン及びジ(C8〜C10アルキル)プロピレングリコールジエステルが含まれる。
香料担持粒子が、布の洗浄の間に使用される布コンディショニング製品中に含有される。このような製品からもたらされる主な利点は、柔軟性、芳香性及び帯電防止性である。柔軟性が通常最も重要である。
布柔軟製品には、少なくとも1種の、より柔らかな手触りを布に与えるように機能する柔軟剤が含まれる。しばしば、このような薬剤は、また、帯電防止利点を与える。このような薬剤は、通常カチオン性であるが、非イオン性、両性又は双性イオン性物質であってよい。
多くの布柔軟化製品は、洗浄水に添加することを意図した組成物の形態を取る。次いで、布柔軟剤は水中の低い溶解度を有する物質であり、これは布上に堆積する。典型的に、20℃での酸性化した水中の溶解度は、10g/リットル未満、好ましくは1g/リットル未満である。洗浄水に添加したとき、このような物質は、分散相を形成し、次いで分散相は布上に堆積でき、この布は水中で洗浄されている。
多くの市販の重要な布柔軟剤は、第四級窒素及び少なくとも1個の、6〜30個の炭素原子の炭素鎖を含有する有機化合物であり、例えば、その鎖は、アルキル、アルケニル又はアリール置換された、少なくとも6個の脂肪族炭素原子を有するアルキル若しくはアルケニル基である。
他の布柔軟剤は、対応する第三級アミン及びイミダゾリン、C8〜C30アルキル、アルケニル又はアシル基を含む他の脂肪族アルコール、エステル、アミン又はカルボン酸であり、これには、ソルビタンのエステル、多価アルコールのエステル、鉱油、ポリオール、例えばポリエチレングリコール及びクレーが含まれる。
特許文献12に記載されている布柔軟剤の幾つかの特別の例は、下記のものである。
1)非環式第四級アンモニウム化合物
式N+(Q1−4)X−(式中、それぞれのQ1は、15〜22個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり、Q2は、1〜4個の炭素原子を含有する飽和アルキル又はヒドロキシアルキル基であり、Q3は、Q1若しくはQ2について定義された通りであるか又はフェニルであってよく、そしてX−は、好ましくは、ハロゲン化物、硫酸メチル及び硫酸エチル基から選択されたアニオンである)の非環式第四級アンモニウム化合物。
布柔軟剤のこの説明を通して、表現ヒドロカルビル基は、−OH、−O−、−COHN−及び−COO−を含む官能基によって任意に置換された又は遮断されたアルキル又はアルケニル基を指す。
これらの第四級柔軟剤の代表例には、ジタロウジメチルアンモニウムクロリド、ジタロウジメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロウ)ジメチルアンモニウムメチルスルフェート又はクロリド、ジ(ココナット)ジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジエチルアンモニウムクロリド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロリドが含まれる。
この種類内の市販物質の典型的な例には、アールクアド(ARQUAD)(登録商標)2C、アールクアド(登録商標)2HT、アールクアド(登録商標)2T(全て、エクス・アクゾ・ヘミー社(Ex Akzo Chemie)から入手可能)及びプラパゲン(PRAPAGEN)(登録商標)WK、プラパゲン(登録商標)WKT、ドジゲン(DODIGEN)(登録商標)1828(全て、ヘキスト社(Hoechst)から入手可能)が含まれる。
2)アルコキシル化ポリアミン
特許文献13に記載されているような、一般式N+(Q4Q5Q5)−[(CH2)n−N+(Q5Q5)−]mQ11(1+m)X−のアルコキシル化ポリアミン。
それぞれのQ4は、10〜30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基である。Q5基は、同じか又は異なっていてよく、それぞれ、水素、(−C2H4O)pH、(C3H6O)qH、(C2H4O)p、(C3H6O)q,H、1〜3個の炭素原子を含有するアルキル基又は基(CH2)n,N(Q5)2を表し、n及びn’は、それぞれ2〜6の整数であり、mは1〜5の整数であり、そしてp、q及び(p'+q')は、(p+q+p'+q')が25を超えないような数であってよい。X−はアニオンである。
本発明で使用するために適しているアルコキシル化ポリアミンには、N−タロウイル(tallowyl),NN'N'−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,3−プロパンジアミンジヒドロクロリド;N−コシル(cocyl)N,N,N',N'−ペンタメチル−1,3−プロパンジアンモニウムジクロリド又はジメトスルフェート;N−ステアリル−N,N',N'−トリス(2−ヒドロキシエチル)N,N1'−ジメチル−1,3−プロパンジアンモニウムジメチルスルフェート;N−パルミチル−N,N',N'−トリス(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−プロパンジアンモニウムジヒドロブロミド;N−タロウイル−N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミントリヒドロクロリドが含まれる。
3)ジアミド第四級アンモニウム塩
一般式Q1−C(O)NHQ6−N+(Q2Q5)−Q6−NHC(O)−Q1X−のジアミド第四級塩も、布柔軟剤として有用である。Q6は、1〜3個の炭素原子を含有する二価のアルキレン基である。Q1、Q2、Q5及びX−は、前記定義された通りである。
適切な物質の例には、メチルビス(タロウアミドエチル)(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルスルフェート及びメチルビス(水素化タロウアミドエチル)(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルスルフェートが含まれる。これらの物質は、シェレックス・ケミカル社(Sherex Chemical Company)から、それぞれ商品名バリソフト(VARISOFT)(登録商標)222及びバリソフト(登録商標)110で、ステパン社(Stepan Corporation)から商品名アッコソフト(ACCOSOFT)(登録商標)で入手される。
4)エステル第四級アンモニウム塩
特許文献14、特許文献15及び特許文献16に開示されているものを含む、多数のエステル基含有第四級アンモニウム塩が、柔軟物質として有用である。これらの物質は、一般式N+(Q7Q8Q9)−(CH2)−Y−Z−Q10及びN+(Q2Q2R2)−(CH2)n−CH(Z−Q10)−(CH2)−Z−Q10によって表すことができる。
上記の式中、Q7は、1〜4個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり、Q8は、(CH2)n−Z−Q10(但し、nは1〜4の整数である)又は−Q10である。Q9は、1〜4個の炭素原子のアルキル若しくはヒドロキシアルキル基であるか又はQ8について定義された通りである。Q10は、12〜22個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり、そしてYは、−CH(OH)−CH2−又は前記定義されたようなQ6であってよい。Zは、−O−C(O)O−、−C(O)O−C(O)−O又は−O−C(O)−であってよく、そしてX−はアニオンである。
後者の式に於いて、記号Q2、Q10、Z及びX−は、前記定義された意味を有し、そしてR2は、C1〜C30アルキルC1〜C30基である。
前記の式に基づく適切な柔軟剤物質の適切な例は、N,N−ジ(タロウイル−オキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;N,N−ジ(2−タロウイルオキシ−2−オキソ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;N,N−ジ(2−タロウイルオキシエチルカルボニルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;N−(2−タロウイルオキシ−2−エチル)−N−(2−タロウイルオキソ−2−オキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;N,N,N−トリ(タロウイル−オキシエチル)−N−メチルアンモニウムクロリド;N−(2−タロウイルオキシ−2−オキシエチル)−N−(タロウイル−N,N−ジメチル)−アンモニウムクロリドである。タロウイルを、ココアイル、パルモイル、ラウリル、オレイル、ステアリル及びパルミチル基で置き換えることができる。後者の式の柔軟剤物質の適切な例は、1,2−ジタロウイルオキシ−3−トリメチルアンモニオプロパンクロリドである。
市販されている物質の例は、商品名ステパンテックス(STEPANTEX)(登録商標)VRH90(ステパン社(Stepan)から入手可能)、アキポクアト(AKYPOQUAT)(登録商標)(ケム−Y社(Chem−Y)から入手可能)で並びに2,3−ジヒドロキシプロパントリメチルアンモニウムクロリドのモノ及びジタロウエステルの混合物(ヘキスト社(HOECHST Gmbh)から入手可能)として得ることができる。
5)第四級イミダゾリニウム塩
カチオン性柔軟剤の別の種類は、一般式(C−Q7N−Q11イミダゾリニウム)−(CH2)n−G−C(O)−Q10(式中、Q11は、6〜24個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり、Gは、−N(H)−又は−O−又はNQ2であり、nは、1〜4の整数であり、そしてQ7は前記定義された通りである)のイミダゾリニウム塩である。
適切なイミダゾリニウム塩には、1−メチル−1−(タロウイルアミド)エチル−2−タロウイル−4,5−ジヒドロイミダゾリニウムメトスルフェート及び1−メチル−1−(パルミトイルアミド)エチル−2−オクタデシル−4,5−ジヒドロイミダゾリニウムクロリドが含まれる。代表的な市販されている物質は、バリソフト(登録商標)475(シェレックス社から入手可能)及びレボクアト(REWOQUAT)(登録商標)W7500(レボ社(Rewo)から入手可能)である。
6)第一級、第二級及び第三級アミン並びにそれらのプロトン化形態
一般式N(Q11−13)及びN(Q11−13)H+X−の第一級、第二級及び第三級アミンは、柔軟化剤として有用である。これらの式中、Q11は、6〜24個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり、Q12は、水素又は1〜22個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり、そしてQ13は水素又はQ7であってよい。このアミンは、塩酸、オルトリン酸若しくはクエン酸又は本発明で使用される布柔軟化組成物中に使用するための全ての他の同様の酸によってプロトン化される。
7)アルコキシル化アミン
一般式N+(Q1Q14)−[(CH2)2−N(Q16)−]mQ15のアルコキシル化アミンも、本発明の柔軟剤成分として有用である。この式中、Q14は(C2H4O)xHであり、Q15は(C2H4O)yHであり、Q16は(C2H4O)zHであり、そしてx+yは2〜15の範囲内であり、x+y+zは3〜15の範囲内であり、mは0、1又は2であってよく、そしてQ1は前記定義された通りである。これらの柔軟剤物質の例には、2〜30個のエチレンオキシド単位を含有するモノタロウ−ジポリエトキシアミン、タロウN,N',N'−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,3−プロピレンジアミン及びC10〜C18アルキル−N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミンが含まれる。市販されている物質の例は、商品名エトメーン(ETHOMEEN)(登録商標)及びエトヅオメーン(ETHODUOMEEN)(登録商標)(アクゾ・ヘミー社)で入手可能である。
8)環式アミン
他の有用な柔軟剤物質には、式シクロ−[A−(CH2)n−N−C(Q17)]−B−Q17[式中、基Q17は、独立に、8〜30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基から選択され、Aは、酸素(−O−)又は窒素(−N=)、好ましくは窒素であってよく、Bは、前記定義された通りのQ6又は基−Q18−T−C(O)−(式中、Q18は、Q6又は(−C2H4O−)m(但し、mは1〜8の整数である)であり、そしてTは、酸素及びNQ13から選択される)から選択される]によって表されるジアルキル環式アミンが含まれる。
このような柔軟剤物質の適切な例には、12−ステアリルオキシエチル−2−ステアリルイミダゾリン、1−ステアリルオキシエチル−2−パルミチルイミダゾリン、1−ステアリルオキシエチルミリスチルイミダゾリン、1−パルミチルオキシエチル−2−パルミチルイミダゾリン、1−パルミチルオキシエチル−2−ミリスチルイミダゾリン、1−ステアリルオキシエチル−2−タロウイミダゾリン、1−ミリスチルオキシエチル−2−タロウイミダゾリン、1−パルミチルオキシエチル−2−タロウイミダゾリン、1−ココナットオキシエチル−2−ココナットイミダゾリン、1−タロウオキシエチル−2−タロウイミダゾリン及びこれらの混合物が含まれる。また、アルカジン(ALKAZINE)(登録商標)(アルカリル社(Alkaril))として市販されているステアリルヒドロキシエチルイミダゾリン、1−タロウアミドエチル−2−タロウイミダゾリン及びメチル−1−タロウアミドエチル−2−タロウイミダゾリンも有用である。
適切な布柔軟物質の更に他の種類には、脂肪酸と、ヒドロキシアルキル、アルキレンジアミン及びジアルキレントリアミン及びこれらの混合物からなる群から選択されたポリアミンとの反応から生成された縮合生成物が含まれる。適切な物質は、特許文献17に開示されている。これらの中には、一般式Q1−C(O)NHQ6−N(WQ6−OH)の分子及び部分プロトン化によって得られる対応する塩の混合物(この式中、Wは、水素及び基−C(O)−Q1から選択され、他の記号は前記定義された通りである)が含まれる。この種類の市販されている物質は、サンドズ・プロダクツ社(Sandoz Products)から、セラニン(Ceranine)(登録商標)HC39、HCA及びHCPAとして得ることができる。
9)双性イオン性布柔軟剤
柔軟化システムの他の有用な成分には、双性イオン性第四級アンモニウム化合物、例えば、特許文献18に開示されているものが含まれる。この種類中の代表的物質は、一般式N+(Q11Q19Q19Q20)Z−及びQ11−C(O)NHQ20−N+(Q19Q19Q20)Z−(式中、基Q19は、Q7、Q11及びQ14から独立に選択され、Q20は、1〜3個の炭素原子を含有する二価のアルキレン基であるか又は−O−、−COHN、−C(O)O−などによって中段されていてよく、そしてZ−は、アニオン性水可溶化基(例えば、カルボキシ、スルフェート、スルホ又はホスホニウム)である)によって例示される。
市販されている物質の例には、エンピゲン(EMPIGEN)(登録商標)CD及びBSシリーズ(アルブライト・ウイルソン社(Albright Wilson))、レボテリック(REWOTERIC)(登録商標)AMシリーズ(レボ社)並びにテゴベタイン(Tegobetain)(登録商標)F、H、L及びNシリーズ(ゴールドシュミット社(GOLDSCHMIDT))が含まれる。布柔軟剤及び柔軟剤を構成する成分の他の適切な例は、特許文献1及び特許文献19に記載されている。
10)非イオン性成分
洗浄水中の生成物の分散を改良し、そして柔軟剤ブレンド物の布柔軟化特性を増強させる手段として、非イオン性物質を、カチオン性、両性又は双性イオン性柔軟化物質とブレンドすることは公知である。
適切な非イオン性付属物には、ラノリン及びラノリン誘導体、10〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸、8〜24個の炭素原子を含有する脂肪酸または、該脂肪酸と1〜3個の炭素原子を含有する一価アルコールとのエステル並びに2〜8個の炭素原子を含有する多価アルコール、例えば、スクロース、ソルビタン、更に、1分子当たり平均で7個以下のアルキレンオキシド基を含有するアルコキシル化脂肪酸、アルコール及びラノリンが含まれる。適切な物質は、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24、特許文献25及び特許文献13(プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble))に開示されている。
布柔軟化組成物には、一般的に、アニオン性洗剤活性物質、漂白剤又は洗浄性ビルダーは含有されていない。(存在する場合)アニオン性洗剤活性物質、漂白剤及び洗浄性ビルダーの量は、全て、布柔軟剤の量よりも少ないことが望ましい。
洗浄水に添加することが意図される布柔軟化組成物は、例えば、洗浄水中に分散する固体、粉末又は錠剤の形であってよい。
更に一般的に、洗浄水に添加するための布柔軟化組成物は、液体の形であり、水中の水性分散液である。このような布柔軟化組成物には、1重量%から、または2重量%から、30重量%以下、または40重量%以下の布柔軟剤が含有されていてよい。任意に、ある種の布柔軟化組成物には、非常に濃縮された製品中で、40重量%から、80重量%以下、または90重量%以下の、より高いレベルが含まれるであろうことが妥当であり、本発明の範囲内である。この組成物には、通常また、組成物の残りを与える水が含有されているであろう。
液体布柔軟化組成物は、慣行的に、柔軟化成分を溶融し、この溶融物を攪拌しながら熱水に添加して、水不溶性成分を分散させることによって製造される。
本発明に従った香料担持粒子を、組成物が冷却した後に適している、乾燥粒子として又は水性スラリーとして添加することができる。
液体布柔軟化組成物は、水を含む成分を攪拌しながら単純に混合して、水不溶性成分を分散させることによって製造することができる。
タンブルドライヤー内で布柔軟剤を放出する固体柔軟化(また、コンディショニングとも呼ばれる)物品を、1回使用又は多数回使用のために設計することができる。
1種のこのような物品は、布柔軟剤及び香料を含有する組成物を放出可能に包含するスポンジ材料を含み、数回の乾燥サイクルの間に、布に柔軟性及び脱臭性を与えるようになっている。この多数回使用物品は、中空スポンジにこの組成物を充填することによって製造することができる。使用の際に、組成物は溶融し、スポンジの細孔を通って浸出して、布を柔軟にする。このような充填したスポンジは、一般的なドライヤー内の布の数回の装入物を処理するために使用することができ、これが使用後にドライヤー内に留まり、置き忘れるか又は失われることが無いであろうという利点を有する。
他の物品は、このような組成物を放出可能に包含し、混合物の硬化されたプラグでシールされている布又は紙袋を含んでいる。ドライヤーの作用及び熱によって袋が開き、組成物が放出され、その柔軟化及び脱臭香料機能の付与が実施される。
本発明の別の態様に従って、本発明のレオロジー制御組成物が、織布又は不織布基体のシートに放出可能に含浸する柔軟剤及び脱臭香料を含有する組成物を含む布柔軟化物品中に含有されている。このような物品がタンブルドライヤー内に置かれたとき、熱及びタンブリング作用によって、柔軟化組成物は基体から出され、布に移される。タンブルドライヤー内で使用するための固体製品には、一般的に、製品の40重量%〜95重量%の量で布柔軟剤が含有されているであろう。
布柔軟化製品中に含有される香料の量は、0.01重量%〜10重量%である。
40重量%未満の布柔軟剤を含有する布コンディショニング液体について、香料の量は、典型的に、0.1〜3重量%で、0.1〜1.5重量%を含み、0.1重量%〜1重量%を含み、そして0.1重量%〜0.3重量%を含む。
非常に濃厚な布コンディショニング液体中の香料の量は、10重量%以下で、2重量%〜8重量%、そして3重量%〜6重量%を含む、より広い範囲内である。
タンブルドライヤー内で使用するための製品中の香料の量は、製品の2重量%〜4重量%である。
本発明に従って香料組成物を含有する洗剤又は他の組成物の脱臭有効性は、最初に記載された先行文献中で特定されているような、臭気減少値又は悪臭減少値試験に従った試験によって評価することができる。これらは、非特許文献5で公開されたようなWhitehouse及びCarterによって考案された試験に基づいている。布コンディショニング組成物について、適切な試験方法は、特許文献10に記載されているものに基づく悪臭減少値である。これは、元のWhitehouse及びCarter試験から誘導される。
布柔軟化製品の他の形態は、基体、即ち、通常、タンブルドライヤー内で組成物を放出することができる軟質シート又はスポンジ上に被覆された組成物中に布柔軟剤を有する。このような製品は、1回使用又は多数回使用のために設計することができる。1種のこのような多数回使用物品には、コンディショニング組成物を十分に放出可能に包含するスポンジ材料を含んでいて、数回の乾燥サイクルの間に、布柔軟性を有効に与える。この多数回使用物品は、多孔質スポンジにこの組成物を充填することによって製造することができる。使用の際に、組成物は溶融し、スポンジの細孔を通って浸出して、布を柔軟にし、コンディショニングする。1回使用シートには、軟質基体、例えば、紙のシート又は織布若しくは不織布基体上に担持された本発明の組成物が含まれてよい。このような物品が自動ランドリードライヤー内に置かれたとき、ドライヤーの熱、水分、分布力及びタンブリング作用によって、組成物が基体から取り出され、そしてそれが布上に堆積される。1回使用及び多数回使用物品のための基体材料並びにそれらを含浸又は被覆する方法は、特許文献26及びその他で検討されている。
含浸又は被覆されたシート、スポンジ又は他の基体である布柔軟化製品には、典型的に、0.5〜8重量%、好ましくは2重量%又は3重量%から6重量%までの香料を与える量で、香料担持粒子が含有されているであろう。
布上への芳香物質堆積を増加させ、そして香料の放出を阻害又は遅延させて、洗濯された布が長い期間の間、感覚的な気持ちよさを留めるようにする試みがなされてきた。一つのアプローチでは、芳香物質を衣類に運ぶための担体が使用された。この担体は、芳香物質を含有し、粒子同伴又は化学変化により、洗濯サイクルの間にそれ自体を衣類に結合するように配合されている。
香料は、洗剤及び布柔軟剤中で香料を運ぶための種々の物質、例えば、シリカ及びクレー上に吸着されている。特許文献27には、含有しない、特にドライヤー放出の布柔軟/耐電防止剤において使用するための香料粒子が開示されている。この香料粒子は、香料をシリカ上に吸着させることによって形成される。この粒子は、約1ミクロンよりも大きい直径を有する。この粒子は、ときどき、該布柔軟化組成物で処理した布上に存在する目に見える柔軟剤斑点の光沢のある外観を減少させ、溶融した柔軟化組成物の比較的一定の粘度を維持するために使用することができる。この香料粒子は、布柔軟剤の被覆された粒子を含む活性化固体布柔軟剤組成物をドライヤー内に含めるための特に適合されており、布の洗濯で使用するための洗剤組成物に添加される。この組成物は、ドライヤー内で柔軟剤を布の方に放出し、布上の全ての布柔軟剤堆積物の感覚的特性を改良する。この香料粒子は、また、洗剤顆粒と混合することができ、被覆されても被覆されなくてもよい。このシステムは、芳香物質油が十分に保護されず、処理の間にしばしば失われるか又は不安定にされるという欠点を有する。
本発明で使用されるとき、水不溶性であるポリマーは、好ましくは水中に容易に分散性である。本明細書で使用されるとき、用語「水溶性」は、ポリマーに適用されるとき、ポリマーが、水100グラム当たり少なくとも1グラム、好ましくは水100グラム当たり少なくとも10グラム、更に好ましくは水100グラム当たり少なくとも約50グラムの溶解度を有することを示す。用語「水不溶性」は、ポリマーに適用されるとき、特許文献28に記載されているように、乳化重合の条件下で低い又は非常に低い水溶解度を有する、モノエチレン性不飽和ポリマーを指す。水性系は、水を含有する任意の溶液を指す。
本発明のカチオン性エマルジョンポリマーは、それらのそれぞれの粘度が時間の経過と共に増加しない柔軟剤を与える両方の場合に、芳香物質を含有する柔軟剤及び追加された芳香物質を含有する柔軟剤のレオロジーを安定化する。
本明細書で使用されるとき、用語「そのままの布柔軟剤」は、芳香物質を含有しない柔軟剤を指す。そのままの布柔軟剤中の第四級界面活性剤系が小胞ミセルを形成することは、当該技術分野で公知である。疎水性芳香物質の添加は、ミセルの形態に於ける変化を起こす。柔軟剤中の球状に造形された、そのままの第四級界面活性剤成分は、芳香物質を柔軟剤に添加した際に、時間の経過と共に棒状ミセルに構造的に変化すると信じられる。ミセルの長く伸びた形状は、柔軟剤粘度が時間の経過と共に増加する一つの主な理由である。
本発明者等は、芳香物質を含有する柔軟剤及び追加された芳香物質を含有する柔軟剤について、増加した柔軟剤粘度に現れる、柔軟剤のレオロジー不安定性問題を解決するために幾つかのアプローチをとった。本発明者等は、芳香物質を含有する柔軟剤及び追加された芳香物質を含有する柔軟剤のレオロジーを制御するための試薬として、多数のレオロジー変性剤を試験した。使用した適切なエマルジョンポリマーには、疎水性的に変性したウレタン増粘剤(所謂、HEUR増粘剤)、カチオン種及びアニオン種を含有するエマルジョン重合から得られたオリゴマー組成物(ここで、オリゴマーは送達ビヒクル(担体とも呼ばれる)として機能する)並びにカチオン性エマルジョンポリマーが含まれていた。本発明者等は、両方のオリゴマー組成物及びカチオン性エマルジョンポリマーが、ダウニー・フリー(Downy Free)(登録商標)を含む布柔軟剤の粘度を安定化しそして制御することを見出した。
本発明の幾つかの態様を、下記の実施例に於いて詳細に説明する。全ての比、部及びパーセンテージは、他に特定しない限り重量基準で表し、使用する全ての試薬は、他に特定しない限り良好な商業的品質のものである。実施例に於いて、下記の略号を使用する。
DMAEMA=ジメチルアミノエチルメタクリルアミド
MMA=メタクリル酸メチル
EGDMA=エチレングリコールジメタクリレート
BzCl=塩化ベンジル