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JP2005182964A - 光情報記録媒体及びその製造方法、並びに光硬化性組成物及び光硬化性転写シート - Google Patents

光情報記録媒体及びその製造方法、並びに光硬化性組成物及び光硬化性転写シート Download PDF

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JP2005182964A
JP2005182964A JP2003426163A JP2003426163A JP2005182964A JP 2005182964 A JP2005182964 A JP 2005182964A JP 2003426163 A JP2003426163 A JP 2003426163A JP 2003426163 A JP2003426163 A JP 2003426163A JP 2005182964 A JP2005182964 A JP 2005182964A
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JP2003426163A
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Takahito Inamiya
隆人 稲宮
Hideshi Kotsubo
秀史 小坪
Hideki Kitano
秀樹 北野
Kenji Murayama
賢治 村山
Yasuhiro Morimura
泰大 森村
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

【課題】 耐久性に優れた、銀又は銀合金の反射層を有する光情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有し、さらに該凹凸表面の凹凸に沿って銀又は銀合金の反射層が設けられた基板の該反射層上に、該反射層の凹凸表面に接触するように設けられた光硬化性組成物の硬化層を含む光情報記録媒体であって、光硬化性組成物の硬化層表面の水接触角が60度以上であることを特徴とする光情報記録媒体;光硬化性組成物;光硬化性転写シート;及びこれを用いた光情報記録媒体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)等の大容量の文字、音声、動画像等の情報をディジタル信号として記録された及び/又は記録可能な光情報記録媒体、その製造方法及びこれらに有利に使用される光硬化性組成物、光硬化性転写シートに関する。
ディジタル信号として表面にピット形成された記録済み光情報記録媒体として、オーディオ用CD、CD−ROMが広く使用されているが、最近、動画像等の記録も可能な両面にピット記録がなされたDVDが、CDの次世代記録媒体として注目され、徐々に使用されるようになってきている。またピット及びグルーブが形成されたユーザが記録可能なCD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW等も注目されている。
両面に記録層を持つDVDには、例えば、図7に示すようにそれぞれ片面に信号ビットを形成した2枚の透明樹脂基板1,2の該信号ビット形成面にそれぞれ反射層1a,2aを形成し、これら反射層1a,2aを互いに対向させた状態で基板1,2を接着剤層3を介して貼り合わせ、接合した両面読み出し方式のもの、及び、図8に示すように、それぞれ片面に信号ビットを形成した基板1,2において、一方の基板1の信号ビット面に半透明反射層1bを形成すると共に、他方の基板2の信号ビット面に反射層2aを形成し、これら半透明反射層1bと反射層2aとを対向させた状態で基板1,2を接着剤層3を介して貼り合わせ、接合した片面読み出し方式のものとが知られている。
現在、実用化されている上記のようなDVDの貼り合わせ型の光ディスクは、一般に、高反射層にアルミニウム化合物を用い、半透明(低)反射層に金を用いている。半透明反射層は高反射層に比べレーザを透過させなければならないため、薄膜化しなければならず安定な化合物の代表である金が用いられてきた。しかしながら、金は高価な材料であるため、半透明反射層の材料はシリコン化合物、銀化合物へと移行してきている。
また、現在、記録容量をさらに向上させるために青色レーザの検討が進んでいる。赤色レーザ等の高波長レーザ(波長:CD=780nm、DVD=635nm)の場合は半透明反射層が金、シリコン又は銀化合物であっても赤色レーザの透過性は問題なかったが、青色レーザの400nm付近の低波長光に対する透過性を考慮すると、半透明反射層の材料として使用できるのは銀、銀合金或いは銀化合物が有効であることが確認されている。しかしながら、銀化合物は金化合物よりも腐食を受けやすく、不安定である。銀化合物の半透明反射層を使用した貼り合わせディスクでは、金を半透明反射層とした従来の貼り合わせ光ディスクと同等の耐久性が得られず、未だ耐久性において満足できる接着剤が提供されていない。
上記問題を解決するために、特許文献1には、銀又はその合金からなる薄膜に接する硬化膜を形成するための紫外線硬化型樹脂組成物として、特定のチオール化合物を含む樹脂組成物が提案されている。この特定のチオールを用いることにより銀化合物の腐食を防止し、耐久性の良好な光ディスクを得ることができるとしている。
特開2002−146241号公報
特許文献1に記載の光ディスクでは、酸化防止剤として特定のチオール化合物を1質量%前後使用する必要がある。しかしながら、このような化合物を添加することにより、耐久性は若干改善するものの、銀反射層に形成するチオールを含む保護被膜は強度において満足なものではなく、充分な耐久性を得ることができない。即ち、通常の紫外線硬化型オリゴマー、アクリレートモノマー、及び光重合開始剤からなる紫外線硬化型樹脂組成物に上記特定のチオール化合物等の酸化防止剤を添加しても耐久性が充分に得られ難い場合が多い。
従って、本発明は、耐久性に優れた、銀又は銀合金の反射層を有する光情報記録媒体を提供することをその目的とする。
さらに、本発明は、上記光情報記録媒体の製造に有利な光硬化性組成物を提供することをその目的とする。
また、本発明は、上記光情報記録媒体の製造に有利な光硬化性転写シートを提供することをその目的とする。
さらにまた、上記光情報記録媒体の製造方法を提供することをその目的とする。
上記目的は、表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有する光硬化性組成物の硬化層、及び該凹凸表面の凹凸に沿って設けられている銀又は銀合金の反射層を含む光情報記録媒体であって、光硬化性組成物の硬化層表面の水接触角が60度以上であることを特徴とする光情報記録媒;
表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有し、さらに該凹凸表面の凹凸に沿って銀又は銀合金の反射層が設けられた基板の該反射層上に、該反射層の凹凸表面に接触するように設けられた光硬化性組成物の硬化層を含む光情報記録媒体であって、
光硬化性組成物の硬化層表面の水接触角が60度以上であることを特徴とする光情報記録媒体;
表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸をする基板の該凹凸表面の凹凸に沿って銀又は銀合金の反射層が設けられ、さらに該反射層上に、該凹凸表面に接触するように、表面に凹凸を有する光硬化性組成物の硬化層とその凹凸表面上の反射層との積層単位がこの順で1単位以上設けられてなる光情報記録媒体であって、
光硬化性組成物の硬化層表面の水接触角が60度以上であることを特徴とする光情報記録媒体;及び
表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有し、さらに該凹凸表面の凹凸に沿って銀又は銀合金の反射層が設けられた光情報記録基板と表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有し、さらに該凹凸表面の凹凸に沿って反射層が設けられた光情報記録基板の二枚の基板が、凹凸表面同士を対向させた状態で、光硬化性組成物の硬化層を介して接合されてなる光情報記録媒体であって、
光硬化性組成物の硬化層表面の水接触角が60度以上であることを特徴とする光情報記録媒体
により達成することができる。
本発明の水接触角は、光硬化性組成物の硬化層の表面に、水滴をたらし、固液界面の水平線と水滴端での接線との2つの線のなす角を測定したもので、詳細はJIS−R3257に記載の静滴法に従って行った。
上記の光情報記録媒体において、光硬化性組成物が、重合性二重結合を有する反応性希釈剤を含み、この反応性希釈剤としては、(メタ)アクリロイル基(即ち、アクリロイル基又はメタクリロイル基)を2個有する、分岐アルカン又は環状アルカン或いは(メタ)アクリロイル基を1個有する、長鎖(一般に炭素原子数10以上)のアルカン又は環状アルカンが好ましい。このような希釈剤を使用することにより硬化層表面の水接触角を容易に高くすることができる。
光硬化性組成物が、光重合性官能基を有する反応性ポリマーを含むことが好ましく、この反応性ポリマーのガラス転移温度が20℃以下であることが好ましい。反応性ポリマーの数平均分子量が10000〜300000であること、また重量平均分子量が10000〜300000であることが好ましい。耐久性が向上し、特にこのような光硬化性組成物を転写層とした場合の転写性が向上する。光硬化性組成物は、一般にさらに光重合開始剤を含んでいる。
さらに、光硬化性組成物の硬化層の厚さが5〜300μmであることが一般的である。
光情報記録媒体の硬化層又は下記の転写層が380〜420nmの波長領域の光透過率が70%以上であることが好ましい。
また本発明は、銀又は銀合金の反射層が設けられた前記光情報記録媒体の該反射層上に設けられる硬化層で、硬化層表面の水接触角が60度以上である硬化層を形成するための前記光硬化性組成物にもある。
さらに、本発明は、銀又は銀合金の反射層が設けられた前記光情報記録媒体の該反射層上に設けられる硬化層で、硬化層表面の水接触角が60度以上である硬化層を形成するための前記光硬化性組成物からなる光硬化性転写層を有する光硬化性転写シートにもある。
上記光硬化性転写層の一方又は両方(一般に両方)の表面に、剥離シートが設けられていることが、実際の製造の効率を向上させる。光硬化性転写シートが長尺状であり、かつ光硬化性転写層と剥離シートの幅が略同一である(いわゆるフルエッジ;しかしドライエッジでも使用可能)ことが、作業性の向上、コスト削減に有効である。
本発明の上記光硬化性転写シートを用いて、下記の工程(2)〜(4):
(2)上記光硬化性転写シートの一方の剥離シートを除去する工程(一方のみしか剥離シートのない場合はこの工程は省略);
(3)表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有し、さらに該凹凸表面の凹凸に沿って銀又は銀合金の反射層が設けられた基板の該反射層上に、該光硬化性転写シートの光硬化性転写層の表面が該反射層の凹凸表面に接触するように裁置し、これらを押圧して該光硬化性転写シートの表面が該反射層の凹凸表面に沿って密着された積層体を形成する工程;及び
(4)該積層体から(残っている)剥離シートを除去する工程、
を含むことを特徴とする製造方法を実施することにより光情報記録媒体を得ることができる。
なお、前記工程(2)の前に、
(1)上記の光硬化性転写シートを円盤状(一般に中央に貫通孔を有する)に打ち抜く工程;又は
(1)上記の光硬化性転写シートの光硬化性転写層と一方の剥離シートを円盤状に打ち抜き、もう一方の剥離シートをそのまま残す工程;
を行うことが好ましい。
後者の場合、工程(2)において、剥離シートの除去は打ち抜かれた側の剥離シートを除去することが好ましい。
前記工程(4)を行った後、さらに
(5)該積層体の剥離シートが除去された光硬化性転写層の表面に、記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有するスタンパの該凹凸表面を裁置し、これらを押圧して該光硬化性転写シートの表面が該凹凸表面に沿って密着した積層体を形成する工程;
(6)該スタンパを有する積層体の光硬化性転写層を紫外線照射により硬化させ、次いでスタンパを除去することにより、光硬化性転写層の表面に凹凸を設ける工程;
を含むのが一般的である。
前記(6)の工程を行った後、さらに
(7)光硬化性転写層の凹凸表面に反射層を設ける工程;
を含むこともでききる。
本発明は、また上記の製造方法により得られる光情報記録媒体にもある。
本発明の光情報記録媒体は、銀又は銀合金の反射層に接する層が、表面の水接触角が60度以上の極めて疎水性の光硬化性組成物の硬化層であり、このような層は高温高湿の条件下でも水分の侵入を抑制するので、上記反射層の腐食、或いは剥離等の膜欠陥等による反射率の低下を長期に亘り防止することができる。このため光ディスクを長期間使用しても、反射率の低下がほとんど見られないので、光ディスクを長期に良好に再生(又は記録)することが可能である。
従って本発明の硬化層は、反射層の保護機能が高く、得られる光ディスクの反射率の低下を阻止することができる。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の光情報記録媒体の実施形態の一例を示す断面図である。図1には、表面に記録ピット(及び/又はグルーブ)としての凹凸を有する基板22、銀合金[例、ANC(Ag、Nd及びCuの合金)、APC(Ag、Pd及びCuの合金)]からなる反射層(半透明反射層、即ち低反射率膜)23及び硬化層11から成る積層体である光情報記録媒体が示されている。硬化層11は、本発明の光硬化性組成物又は光硬化性転写層の硬化した層である。この光情報記録媒体から基板22が除かれた銀又は銀合金からなる反射層23と硬化層11から成る積層体である光情報記録媒体も、本発明の媒体である。即ち、基板が無くても、硬化層に自己支持性があればそのまま使用することができ、或いは基板の代わりに保護層を用いた場合の態様にも使用することができる。
図2には、本発明の光情報記録媒体の別の実施形態の一例の断面図を示す。表面に記録ピット(及び/又はグルーブ)としての凹凸を有する基板22と、この凹凸表面に設けられた銀又は銀合金からなる反射層(半透明反射層、即ち低反射率膜)23とからなる基板、及び表面に記録ピット(及び/又はグルーブ)としての凹凸を有する基板22と、この凹凸表面に設けられたアルミニウム等の反射層(高反射率膜)25とからなる基板の2枚の基板が、反射層同士を対向させて本発明の硬化層23を介して積層された光情報記録媒体が示されている。
後述する製造方法により形成された光情報記録媒体のように、アルミニウム等の反射層(高反射率膜)25上の基板11が、有機ポリマーフィルム(カバー層)26でも良い。
本発明では、銀又は銀合金からなる反射層(半透明反射層、即ち低反射率膜)23上に凹凸に沿って設けられた硬化層11は、表面の水接触角が60度以上(好ましくは65度以上)の極めて疎水性の光硬化性組成物の硬化層であり、このような層は高温高湿の条件下でも水分の侵入を防止するので、上記反射層の腐食或いは剥離等の膜欠陥等による反射率の低下を長期に亘り防止することができる。従ってこのような硬化層が設けられた光情報記録媒体は耐久性に優れたものであるということができる。
図3に、本発明の光情報記録媒体の製造に有利に使用される光硬化性転写シート10の実施形態の一例の断面図を示す。光硬化性転写層11は、両面に剥離シート17a,17bを有する。剥離シートは一方のみでも、無くても良い。使用態様により適宜設定される。
光硬化性転写層11は、光硬化性組成物から構成される層であるが、スタンパの凹凸表面を押圧することにより常温でも精確に転写できるように、光硬化性組成物には光重合性官能基を有する反応性ポリマーを含んでいることが好ましい。即ち、光硬化性転写層11は常温での加圧により変形し易い層である。
光硬化性転写層11を構成する光硬化性組成物(特に反応性ポリマー)のガラス転移温度が20℃以下(特に15℃〜−10℃)であることが好ましい。また本発明の硬化層又は記録媒体は、情報の高密度化のため、再生レーザにより読み取りが容易に行えるように380〜420nmの波長領域の光透過率が70%以上である層であることが好ましい。特に、380〜420nmの波長領域の光透過率が80%以上である層が好ましい。従って、この転写シート用いて作製される本発明の光情報記録媒体は380〜420nmの波長のレーザを用いてピット信号を再生する方法に有利に使用することができる。
上記光硬化性転写シート10を用いて、本発明の光情報記録媒体を、例えば下記の図4に示すように製造することができる。
光硬化性転写シート10は、一般に、先ず円盤状(一般に中央に貫通孔を有するドーナツ状)に打ち抜かれる。この際、光硬化性転写層11と両面の剥離シート12a,12b全てを打ち抜く場合と、光硬化性転写層11と一方の剥離シート17bを円盤状に打ち抜き、もう一方の剥離シート17aをそのまま残す場合があり、適宜選択して行われる(1)。
次いで、光硬化性転写シート10から剥離シート17aを除去し、剥離シート17b付き光硬化性転写層を用意する(2)。表面に記録ピットとしての凹凸を有する基板22の該凹凸表面の半透明反射層23(反射率の低い反射層)上に、剥離シートの無い側を対向させて光硬化性転写シート11を押圧する(3)。これにより光硬化性転写シートの表面が該凹凸表面に沿って密着された積層体(11,23,22からなる)を形成する。この構成で光情報記録媒体として使用する場合は、光硬化性転写シート11を紫外線照射により硬化させ、剥離シート17bを除去する(4)。
次いで、表面に記録ピットとしての凹凸を有するスタンパ24を、積層体から剥離シート12bを除去して未硬化状態の光硬化性転写シート11の表面(基板と接触していない側の表面)に押圧する(5)。光硬化性転写シート11の表面がスタンパ24の凹凸表面に沿って密着した積層体(22,23,11,24からなる)を形成し、そして積層体の光硬化性転写シートを紫外線照射により硬化させた(6)のちスタンパ24を除去することにより、硬化シートの表面に記録ピット等の凹凸を設ける。これにより、基板22、反射層23及び硬化した光硬化性転写シート11から成る積層体(光情報記録媒体)を得る。通常、この凹凸上(硬化シートの表面)に、反射層(一般にAl等の高反射率の反射層)25を設け(7)、さらにその上に有機ポリマーフィルム(カバー層)26を接着剤層を介して貼付する(8)。これにより図5に示す光情報記録媒体を得る。記録ピットを有する硬化シートの表面に、さらに光硬化性転写シートを押圧し、紫外線照射により硬化させても良い。或いは、硬化シートの表面に紫外線硬化性樹脂を塗布、硬化させても良い。半透明反射層は、通常のAl等の反射層でも良い(両面読み出し用)。また反射層25を半透明反射層、半透明反射層23を高反射率の反射層としても良い。
また、(7)の工程で高反射層の代わりに半透明反射層を設け、同様に(2)〜(7)の工程を繰り返すことにより、記録ピットの層を三層以上形成することもできる。
上記方法においては、再生専用の光情報記録媒体について説明をしたが、記録可能な光情報記録媒体についても同様に行うことができる。記録可能媒体の場合、グルーブ或いはグルーブ及びピットを有しており、この場合反射層及び半透明反射層の代わりに金属記録層(色素記録層の場合や金属記録層の反射率が低い場合は、記録層及び反射層)が一般に設けられる。それ以外は上記と同様に光情報記録媒体を製造することができる。
本発明の上記製造方法においては、基板22の記録ピット及び/又はグルーブである凹凸形状が、光硬化性転写層11と基板22とを100℃以下の比較的低い温度(好ましくは常温)で押圧する(好ましくは減圧下)ことにより精確に転写されるように光硬化性転写シート(例えば反応性ポリマー及び/又はアクリル樹脂を含有させることにより)を設計することが好ましい。その際、基板22と、光硬化性転写層11との重ね合わせは、一般に圧着ロールや簡易プレスで行われる(好ましくは減圧下)。また、光硬化性転写層11の硬化後の層は、基板22の表面の反射層に用いられる金属との接着力が良好で剥離することはない。必要により反射層上に接着促進層を設けても良い。
また、同様に、スタンパ24の記録ピット及び/又はグルーブである凹凸形状も、光硬化性転写層11とスタンパ24とを100℃以下の低温(好ましくは常温)で押圧する(好ましくは減圧下)ことにより精確に転写されるように上記のように光硬化性転写シートを設計することが好ましい。その際、スタンパ24と、光硬化性転写シート11との重ね合わせは、一般に圧着ロールや簡易プレスで行われる(好ましくは減圧下)。また、光硬化性転写層11の硬化後の層は、スタンパに用いられるニッケルなどの金属との接着力が極めて弱く、光硬化性転写シートをスタンパから容易に剥離することができる。
基板22は、一般に厚板(通常0.3〜1.5mm、特に1.1mm程度)であるので、従来の射出成形法で作製することが一般的である。しかし上記光硬化性転写シートとスタンパを用いて製造しても良い。本発明の光硬化性転写シートは300μm以下(好ましくは150μm以下)に薄くすることができるので、もう一方の基板を従来法で作製し、基板の厚さを大きくすることができるのでピット形状の転写精度を上げることができる。
前記押圧工程において、光硬化性転写層を基板に押圧する際、或いはスタンパを光硬化性転写層に押圧する際に、減圧下に押圧を行うことが好ましい。これにより、気泡の除去等が円滑に行われる。
上記減圧下の押圧は、例えば、減圧下に2個のロール間に、光硬化性転写シートとスタンパを通過させる方法、あるいは真空成形機を用い、スタンパを型内に裁置し、減圧しながら光硬化性転写シートをスタンパに圧着させる方法を挙げることができる。
また、二重真空室方式の装置を用いて減圧下の押圧を行うことができる。図6を参照しながら説明する。図6には二重真空室方式のラミネータの一例が示されている。ラミネータは下室61、上室62、シリコーンゴムシート63、ヒータ65を備えている。ラミネータ内の下室61に、凹凸を有する基板と光硬化性転写シートとの積層体69、又は基板と光硬化性転写シートとスタンパとの積層体69を置く。上室62及び下室61共に排気する(減圧する)。積層体69を必要によりヒータ65で加熱し、その後、下室61を排気したまま上室62を大気圧に戻し、積層体を圧着する。冷却して積層体を取り出し、次工程に移す。これにより排気時に脱泡が十分に行われ、気泡の無い状態で、スタンパ又は基板と光硬化性転写シートとを圧着することができる。
本発明の光硬化性転写シート10は、一般に反応性希釈剤、光重合開始剤等を含有する光硬化性組成物からなる光硬化性転写層11を有するものである。
上記の本発明の光硬化性組成物は、一般に、反応性希釈剤(モノマー及びオリゴマー)を少なくとも含み、好ましくはさらに上記光重合性官能基を有する反応性ポリマー(一般にガラス転移温度が20℃以下のもの)、光重合開始剤、アクリル樹脂、及び所望により他の添加剤等を含んでいる。
上記の光情報記録媒体において、光硬化性組成物が、反応性希釈剤を含むことが好ましい。この反応性希釈剤としては、(メタ)アクリロイル基を2個有する分岐アルカン又は(メタ)アクリロイル基を二個有する環状アルカン、或いは(メタ)アクリロイル基を一個有する長鎖(一般に炭素原子数10個以上)のアルカン又は(メタ)アクリロイル基を1個有する環状アルカンが好ましい。上記分岐アルカンの炭素原子数は4〜10個、特に4〜8個が好ましい。また環状アルカンの炭素原子数は5〜15個、特に5〜12個が好ましい。このような希釈剤を使用することにより硬化層表面の水接触角を容易に高くすることができる。
(メタ)アクリロイル基を二個有する分岐アルカンの例としては、ネオペンチルグリコールジアクリレート(例えば、共栄社(株)製、ライトアクリレートNP−A)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジメタクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールメタクリレートを挙げることができる。(メタ)アクリロイル基を二個有する環状アルカンの例としては、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD R−684)、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレートを挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基を一個有する炭素原子数10以上のアルカンの例としては、イソデシルモノアクリレート、イソデシルモノメタクリレート、n−ラウリルモノアクリレート、n−ラウリルモノメタクリレート、トリデシルモノアクリレート、トリデシルモノメタクリレート、n−ステアリルモノアクリレート、n−ステアリルモノメタクリレート、1,10デカンジオールモノアクリレート、1,10デカンジオールモノメタクリレート、イソミリスチルモノアクリレート、イソミリスチルモノメタクリレートを挙げることができる。また(メタ)アクリロイル基を一個有する環状アルカンの例としては、イソボルニルモノアクリレート、イソボルニルモノメタクリレート、トリシクロデカンモノアクリレート、トリシクロデカンモノメタアクリレート、を挙げることができる。
反応性希釈剤としては、上記化合物のみ又は上記化合物が主成分として用いられるが、上記の化合物以外に下記の希釈剤も適宜使用することができる。その例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類、ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4'−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2',4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら光重合可能な官能基を有する反応性希釈剤は、前記特定の希釈剤と共に、1種又は2種以上、混合して使用することができる。
上記反応性希釈剤の量は、光硬化性組成物の総量に対して固形分で10〜80質量%、さらに10〜60質量%、特に10〜40質量%含むことが好ましい。
上記光重合性官能基(一般に重合性二重結合)を有する反応性ポリマーとしては、例えばアルキルアクリレート(例、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート)及び/又はアルキルメタクリレート(例、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート)から得られる単独重合体又は共重合体(即ちアクリル樹脂)で、且つ、主鎖又は側鎖に光重合性官能基を有するものを挙げることができる。このような重合体は、例えば1種以上の(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基等の官能基を有する(メタ)アクリレート(例、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)とを共重合させ、得られた重合体とイソシアナトアルキル(メタ)アクリレートなどの、重合体の官能基と反応し且つ光重合性基を有する化合物と反応させることにより得ることができる。
或いは上記において、ヒドロキシル基の代わりにアミノ基を有する(メタ)アクリレート(例、2−アミノエチル(メタ)アクリレート)を用いても、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート等を用いても、光重合性官能基含有反応性ポリマーも得ることができる。
また、上記のようにイソシアナトアルキル(メタ)アクリレート等を用いてウレタン結合を介して光重合性基を形成しているが、他の方法、例えばカルボン酸を含むアクリル樹脂を形成し、このカルボン酸にエポキシ基を有する(メタ)アクリレート(例、グリシジル(メタ)アクリレート)を反応させて光重合性基を形成することもできる。
本発明では、光重合性官能基をウレタン結合を介して有するアクリル樹脂が好ましい。
本発明の上記反応性ポリマーは、光重合性官能基を一般に1〜50モル%、特に5〜30モル%含むことが好ましい。これにより、得られる光硬化性転写シートが、硬化後に形状保持可能な強度を得ることができる。この光重合性官能基は、一般に不飽和二重結合を有する基であり、その好ましい例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、特にアクリロイル基、メタクリロイル基を挙げることができる。
またこの反応性ポリマーのガラス転移温度は、一般に20℃以下であり、ガラス転移温度を20℃以下とすることにより、得られる光硬化性転写層がスタンパの凹凸面に圧着されたとき、常温においてもその凹凸面に緊密に追随できる可撓性を有することができる。特に、ガラス転移温度が15℃〜−50℃の範囲(特に15℃〜−10℃)にすることにより追随性が優れている。ガラス転移温度が高すぎると、貼り付け時に高圧力及び高圧力が必要となり作業性の低下につながり、また低すぎると、硬化後の十分な高度が得られなくなる。
さらに、本発明の反応性ポリマーは、一般に数平均分子量が5000〜1000000、好ましくは10000〜300000であり、また重量平均分子量が一般に5000〜1000000、好ましくは10000〜300000であることが好ましい。上記光重合性官能基を有する反応性ポリマーを、光硬化性組成物の総量に対して30〜90質量%、さらに40〜85質量%、特に50〜80質量%含むことが好ましい。これにより、反射層の保護機能が向上する。
さらに本発明の光硬化性組成物はアクリル樹脂を含むことが好ましい。例えば、アルキルアクリレート(例、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート)及び/又はアルキルメタクリレート(例、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート)から得られる単独重合体又は共重合体を挙げることができる。またこれらのモノマーと、他の共重合可能なモノマーとの共重合体も挙げることができる。特に、光硬化時の反応性や硬化後の耐久性、透明性の点からポリメチルメタクリレート(PMMA)が好ましい。
上記アクリル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が50〜130℃、さらに60〜100℃、特に60〜80℃;重量平均分子量が5000〜1000000、特に50000〜500000、数量平均分子量5000〜1000000、特に50000〜500000であることを満足することが反射層の耐久性が向上し、好ましい。アクリル樹脂を、光硬化性組成物の総量に対して0〜70質量%、さらに5〜60質量%、特に5〜50質量%含むことが好ましい。これにより、反射層の保護機能が向上する。
光重合開始剤としては、公知のどのような光重合開始剤でも使用することができるが、配合後の貯蔵安定性の良いものが望ましい。このような光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系又は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。光重合開始剤を、光硬化性組成物の総量に対して一般に0.1〜20質量%、特に1〜10質量%含むことが好ましい。これより少ないと硬化速度が遅すぎて、作業性が悪く、多すぎると転写精度が低下する。
光重合開始剤のうち、アセトフェノン系重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1など、ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンッゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどが使用できる。
アセトフェノン系重合開始剤としては、特に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1が好ましい。ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチルが好ましい。また、第3級アミン系の光重合促進剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが使用できる。特に好ましくは、光重合促進剤としては、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
他の添加剤として、シランカップリング剤(接着促進剤)を添加することができる。このシランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどがあり、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらシランカップリング剤の添加量は、上記反応性ポリマー100質量部に対し通常0.01〜5質量部で十分である。
さらに他の添加剤として、加工性や貼り合わせ等の加工性向上の目的で炭化水素樹脂を添加することができる。この場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでも差支えない。天然樹脂系ではロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられる。ロジンではガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金属塩化したものを用いることができる。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネンなどのテルペン系樹脂のほか、テルペンフェノール樹脂を用いることができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェラックを用いても差支えない。一方、合成樹脂系では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂を用いることができる。フェノール系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができる。
上記炭化水素樹脂等のポリマーの添加量は適宜選択されるが、上記光硬化性組成物総量に対して、100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、より好ましくは5〜15質量部である。
本発明の光硬化性転写層は、平均粒径が300nm以下の透明微粒子を含んでいることが好ましい。これにより、反応性ポリマー等の光硬化性組成物から構成される光硬化性転写層の転写性、光硬化性等を損なうことなく、光硬化性転写シートをロール状としたときの側面からの転写層成分の滲みだし、はみ出し、そしてシート厚の変動を大きく抑制するものである。
上記透明微粒子は、シリカ微粒子が好ましい。これらの微粒子の平均粒径は、一般に1〜300nmであり、1〜200nmが好ましい。300nmを超えた場合、転写性が低下しやすくなる。反対に小さすぎると本発明の滲み抑制効果が低下する傾向にある。
上記シリカ微粒子は、平均粒子径(1次粒子径)が1〜300nm、さらに1〜200nm、特に10〜100nmの範囲にあることが好ましい。上記シリカ微粒子は、粉体状シリカ又はコロイダルシリカであり、その形状は球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、もしくは不定形状であり、好ましくは球状である。シリカ微粒子の比表面積は、一般に0.1〜3000m/gであり、10〜1500m/gが好ましい。またシリカ微粒子の細孔容積は、一般に0.1〜5ml/gであり、0.2〜2ml/gが好ましい。
好ましい例として、にアエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600及びアエロジルOX50;日本シリカ工業(株)製のニプシルVN−3;綜研化学(株)製のケミスノーMPを挙げることができる。
透明微粒子は、光硬化性組成物中に一般に0.5〜20質量%、特に1〜10質量%の範囲で含まれることが好ましい。この範囲に設定することにより、しみ出し、シート厚の変動を抑えながら、透明性を維持するのに特に有利となる。
以上の添加剤の他、本発明の光硬化性組成物は紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤等を少量含んでいてもよい。
本発明の光硬化性組成物からなる光硬化性転写シートは、例えば、上記反応性ポリマー、光重合可能な官能基を有する反応性希釈剤(モノマー及びオリゴマー)、光重合開始剤及び、所望により他の添加剤とを均一に混合し(光硬化性組成物を得る)、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の製膜法により所定の形状に製膜することにより得られる。支持体(一般に剥離シート)を用いる場合は、支持体上に製膜する必要がある。より好ましい本発明の光硬化性接着剤の製膜方法は、各構成成分を良溶媒に均一に混合溶解し、この溶液をシリコーンやフッ素樹脂を精密にコートしたセパレーターにフローコート法、ロールコート法、グラビアロール法、マイヤバー法、リップダイコート法等により支持体上に塗工し、溶媒を乾燥することにより製膜する方法を用いる。
また、光硬化性転写シートの厚さは1〜1200μm、特に5〜500μmとすることが好ましい。特に5〜300μm(好ましくは150μm以下)が好ましい。1μmより薄いと封止性が劣り、透明樹脂基板の凸凹を埋め切れない場合が生じる。一方、1000μmより厚いと記録媒体の厚みが増し、記録媒体の収納、アッセンブリー等に問題が生じるおそれがあり、更に光線透過に影響を与えるおそれもある。
上記光硬化性転写シートの一方の側又は両側には剥離シートが貼り付けられていることが好ましい。
剥離シート17a,17bの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明の有機樹脂が好ましく、このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂基板を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
表面に記録ピット用凹凸を有する基板22の材料としてはとしては、ガラス転移温度が50℃以上の透明の有機樹脂が好ましく、このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂基板を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが転写性、複屈折の点で優れており、好適に用いることができる。厚さは200〜2000μmが好ましく、特に500〜1500μmが好ましい。
有機ポリマーフィルム26の材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明の有機樹脂が好ましく、このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂基板を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが転写性、複屈折の点で優れており、好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に50〜100μmが好ましい。
前述のように、本発明の光硬化性転写シートは、一般にガラス転移温度が20℃以下である反応性ポリマーを含む光硬化性組成物からなるものであるが、さらに光硬化性転写層の380〜420nmの波長領域の光透過率が70%以上であることが好ましい。即ち、ガラス転移温度が20℃以下とすることにより、光硬化性転写層がスタンパの凹凸面に圧着されたとき、その凹凸面に緊密に追随できる可撓性を有することができる。特に、ガラス転移温度が15℃〜−50℃(特に15℃〜−10℃)の範囲にすることにより追随性が優れている。ガラス転移温度が高すぎると、貼り付け時に高圧力及び高温が必要となり作業性の低下につながり、また低すぎると、硬化後の十分な高度が得られなくなる。
光硬化性転写シートは380〜420nm(好ましくは380〜800nm)の波長領域の光透過率が70%以上であり、これはレーザによる読み取り信号の強度低下を防止するためである。さらに380〜420nmの波長領域の光透過率が80%以上であることが好ましい。
本発明の上記光硬化性転写シートは、膜厚精度を精密に制御したフィルム状で提供することができるため、基板及びスタンパとの貼り合わせを、前記のように容易にかつ精度良くおこなうことが可能である。また、この貼り合わせは、前記の方法で仮圧着した後、光により常温、1〜数十秒で硬化できる上、本接着剤特有の自着力によりその積層体にズレや剥離が起き難いため、光硬化まで自由にハンドリングができるという特徴を有している。
本発明の光硬化性転写シートを硬化する場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等が挙げられる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。
また、硬化促進のために、予め積層体を30〜80℃に加温し、これに紫外線を照射してもよい。
得られた本発明の基板の凹凸表面の反射層は、基板に反射層を金属蒸着(例えばスパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング等)することにより形成する。金属としては、アルミニウム、金、銀、これらの合金、銀化合物等を挙げることができる。硬化シート上の半透明反射層は、金属として銀等を用いて形成される。即ち、上記反射層より低い反射率の反射層にする必要があり、成分、膜厚等が変更される。
硬化シートの反射層上に有機ポリマーフィルムを貼り付ける場合、一方に接着剤を塗布し、その上に他方を重ね、硬化させる。接着剤がUV硬化性樹脂の場合はUV照射により、ホットメルト接着剤の場合は、加熱下に塗布し、冷却することにより得られる。
本発明の光情報記録媒体の製造は、通常、上記のように円盤状(一般に中央に貫通孔を有する)で処理されるが、シート状で連続的に作成し、最後に円盤状にしてもよい。
以下に実施例を示し、本発明ついてさらに詳述する。
[実施例1]
<光硬化性転写シートの作製>
(反応性ポリマーの作製)
配合I
2−エチルヘキシルメタクリレート 70質量部
メチルメタクリレート 20質量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10質量部
ベンゾフェノン 5質量部
トルエン 30質量部
酢酸エチル 30質量部
上記の配合の混合物を、穏やかに撹拌しながら、60℃に加熱して重合を開始させ、この温度で10時間撹拌し、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂を得た。その後、カレンズ MOI(2−イソシアナトエチルメタクリレート;昭和電工(株)製)5質量部を添加し、窒素雰囲気下で穏やかに撹拌しながら50℃で反応させ、光重合性官能基を有する反応性ポリマーの溶液1を得た。
得られた反応性ポリマーは、Tgが0℃であり、側鎖にメタクリロイル基を5モル%有していた。
配合II
反応性ポリマー溶液1(固形分63.6質量%) 100質量部
アクリル樹脂(Tg:65℃、数平均分子量:230,000; 10質量部
ダイヤナールBR−90、三菱レイヨン(株)製)
ネオペンチルグリコールジアクリレート 40質量部
(共栄社(株)製、ライトアクリレートNP−A)
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1質量部
(イルガキュア184、チバガイギー(株)製)
上記配合の混合物を均一に溶解し、剥離シート(幅300mm、長さ1000m、厚さ75μm;商品名No.23、藤森工業(株)製)上に、全面塗布し、乾燥厚さ20±2μmの光硬化性転写シートを形成し、シートの反対側に上記と同一の剥離シートを貼付し、ロール状に巻き上げ、光硬化性転写シートのロール(直径0.5m)を得た。
[実施例2]
実施例1において、配合IIのネオペンチルグリコールジアクリレートの代わりにジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD R−684)を用いた以外は、同様にして光硬化性転写シートのロールを得た。
[比較例1〜4]
実施例1において、配合IIのネオペンチルグリコールジアクリレートの代わりに表1に示す化合物を用いた以外は、同様にして光硬化性転写シートのロールを得た。
<得られる光情報記録媒体の評価>
各例の光硬化性転写シートのロールを円盤状に打ち抜いた後、一方の剥離シートを除去し、得られた円盤状光硬化性転写シートを、射出成形により成形したピットとしての凹凸面を有するポリカーボネート基板(厚さ1.1mm)の凹凸面に設けられたAg合金(APC)の半透明反射層(70nm)上に、転写シート面と反射層が接触するように配置し、表面温度が25℃のシリコーンゴム製のローラを用いて2kgの荷重で光硬化性転写シートを押圧し、積層体を形成した(図2の(3)に対応)。
積層体の光硬化性転写シートのもう一方の剥離シートを除去し、その除去された転写シート表面に、ピットとしての凹凸面を有するニッケル製のスタンパを、シート表面とスタンパの凹凸面とが接触するように配置して、表面温度が25℃のシリコーンゴム製のローラを用いて2kgの荷重でスタンパを押圧し、積層体を形成し、スタンパの凹凸形状を転写シート表面に転写した。
次に、光硬化性転写シート側から、メタルハライドランプを用いて、積算光量1000mJ/cmの条件でUV照射し、転写シートを硬化させた。
積層体からスタンパを剥離、除去し、硬化した光硬化性転写シートの凹凸面上に銀合金をスパッタリングすることにより、Ag合金の反射層(70nm)を形成した。この上に接着剤を介してポリカーボネートフィルム(厚さ70μm;商品名ピュアエースC110−70、帝人(株)製)を貼り付けた。
これにより2層の凹凸面を有する光情報記録媒体を得た。
<光情報記録媒体の評価>
(1)得られた光情報記録媒体の光線透過率(380〜420nmの波長領域)
光硬化性転写シート(上記と同様に硬化させた後)を、JIS−R3257に従い380〜420nmの波長領域の光線透過率を測定した。90%以上を○、90%未満を×とした。
(2)得られた光情報記録媒体の硬化層の水接触角
光硬化性転写シート(スタンパを用いる前に上記と同じ条件で硬化させた後)の硬化層の水接触角を、JIS−R3257に従い測定した。その際、測定機器として、協和界面科学(株)製の接触角計CA−Xを用いた。
(3)得られた光情報記録媒体の反射率の変化量
得られた光情報記録媒体のAgXの反射率を基板側から測定し、次いでこの媒体を温度80℃、湿度85%の恒温槽に24時間放置したのち同様に反射率を測定した。最初の反射率から促進試験後の反射率を差し引いた値を表1に示した。尚、最初の反射率はいずれも43%であった。
反射率の変化量が3%以内を○、3%を超えるものを×と判定した。
得られた試験結果を表1に示す。
Figure 2005182964
表中、A−400:ポリエチレングリコールジアクリレート
((PEG400)ジアクリレート)
A−TMPT:トリメチロールプロパントリアクリレート
KS−HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
R−712:(商品名:KAYARAD R−712,日本化薬(株)製)
実施例1及び2で得られた水接触角の高い光情報記録媒体は、高温高湿下に長時間曝されても反射率の低下は少なかったが、水接触角の低い比較例1〜4の光情報記録媒体は反射率の低下が大きかった。従って、本発明の光情報記録媒体は耐久性に優れたものである。
本発明の光情報記録媒体の一例を示す断面図である。 本発明の光情報記録媒体の別の一例を示す断面図である。 本発明の光硬化性転写シートの実施形態の一例を示す断面図 本発明の光情報記録媒体の製造方法の一例を示す断面図である。 本発明の光情報記録媒体の他の一例を示す断面図である。 二重真空室方式の装置を用いた押圧法を説明するための該略図である。 従来の光情報記録媒体を示す断面図である。 従来の別の光情報記録媒体を示す断面図である。
符号の説明
11 光硬化性転写シート
17a,17b 剥離シート
22 基板
23 半透明反射層
24 スタンパ
25 反射層
26 有機ポリマーフィルム(カバー層)
1,2 透明樹脂基板
1a,2a 反射層
3 接着剤層
1b 半透明層
4a ディスク基板
5A,5B 紫外線硬化樹脂
6a 反射層(又は記録層)
7 カバー層

Claims (23)

  1. 表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有する光硬化性組成物の硬化層、及び該凹凸表面の凹凸に沿って設けられている銀又は銀合金の反射層を含む光情報記録媒体であって、
    光硬化性組成物の硬化層表面の水接触角が60度以上であることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有し、さらに該凹凸表面の凹凸に沿って銀又は銀合金の反射層が設けられた基板の該反射層上に、反射層の凹凸表面に接触するように設けられた光硬化性組成物の硬化層を含む光情報記録媒体であって、
    光硬化性組成物の硬化層表面の水接触角が60度以上であることを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸をする基板の該凹凸表面の凹凸に沿って銀又は銀合金の反射層が設けられ、さらに該反射層上に、該凹凸表面に接触するように、表面に凹凸を有する光硬化性組成物の硬化層とその凹凸表面上の反射層との積層単位がこの順で1単位以上設けられてなる光情報記録媒体であって、
    光硬化性組成物の硬化層表面の水接触角が60度以上であることを特徴とする光情報記録媒体。
  4. 表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有し、さらに該凹凸表面の凹凸に沿って銀又は銀合金の反射層が設けられた基板と、表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有し、さらに該凹凸表面の凹凸に沿って反射層が設けられた基板の二枚の基板が、反射層同士を対向させた状態で、光硬化性組成物の硬化層を介して接合されてなる光情報記録媒体であって、
    光硬化性組成物の硬化層表面の水接触角が60度以上であることを特徴とする光情報記録媒体。
  5. 光硬化性組成物が、光重合性官能基を有する反応性ポリマーを含む請求項1〜4のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  6. 反応性ポリマーのガラス転移温度が20℃以下である請求項5に記載の光情報記録媒体。
  7. 反応性ポリマーの数平均分子量が10000〜300000である請求項5又は6に記載の光情報記録媒体。
  8. 反応性ポリマーの重量平均分子量が10000〜300000である請求項5〜7のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  9. 光硬化性組成物が、重合性二重結合を有する反応性希釈剤を含む請求項1〜8のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  10. 反応性希釈剤が、(メタ)アクリロイル基を2個有する、分岐アルカン又は環状アルカン、或いは(メタ)アクリロイル基を1個有する、炭素原子数10個以上のアルカン又は環状アルカンである請求項9に記載の光情報記録媒体。
  11. 光硬化性組成物が、さらに光重合開始剤を含む請求項1〜10のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  12. 硬化層の厚さが5〜300μmである請求項1〜11のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  13. 硬化層が、380〜420nmの波長領域の光透過率が70%以上である請求項1〜12のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の光硬化性組成物。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載の光硬化性組成物からなる光硬化性転写層を有する光硬化性転写シート。
  16. 光硬化性転写層の一方又は両方の表面に、剥離シートが設けられている請求項15に記載の光硬化性転写シート。
  17. 光硬化性転写シートが長尺状であり、かつ光硬化性転写層と剥離シートの幅が略同一である請求項15又は16に記載の光硬化性転写シート。
  18. 下記の工程(2)〜(4):
    (2)請求項16又は17に記載の剥離シートを両面に有する光硬化性転写シートの一方の剥離シートを除去する工程;
    (3)表面に記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有し、さらに該凹凸表面の凹凸に沿って銀又は銀合金の反射層が設けられた基板の該反射層上に、光硬化性転写シートの光硬化性転写層の表面が反射層の凹凸表面に接触するように裁置し、これらを押圧して光硬化性転写シートの表面が反射層の凹凸表面に沿って密着された積層体を形成する工程;及び
    (4)該積層体からもう一方の剥離シートを除去する工程、
    を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  19. 下記の工程(3)〜(4):
    (3)記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有し、さらに該凹凸表面の凹凸に沿って銀又は銀合金の反射層が設けられた基板の該反射層上に、請求項16又は17に記載の剥離シートを片面に有する光硬化性転写シートの光硬化性転写層の表面が反射層の凹凸表面に接触するように裁置し、これらを押圧して該光硬化性転写シートの表面が該反射層の凹凸表面に沿って密着された積層体を形成する工程;及び
    (4)該積層体から剥離シートを除去する工程、
    を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  20. 工程(2)の前に、
    (1)光硬化性転写シートを円盤状に打ち抜く工程;又は
    (1)光硬化性転写シートの光硬化性転写層と一方の剥離シートを円盤状に打ち抜き、もう一方の剥離シートをそのまま残す工程;
    を行う請求項18に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  21. 工程(4)を行った後、さらに
    (5)該積層体の剥離シートが除去された光硬化性転写層の表面に、記録ピット及び/又はグルーブとしての凹凸を有するスタンパの該凹凸表面を裁置し、これらを押圧して光硬化性転写シートの表面が凹凸表面に沿って密着した積層体を形成する工程;
    (6)該スタンパを有する積層体の光硬化性転写層を紫外線照射により硬化させ、次いでスタンパを除去することにより、光硬化性転写層の表面に凹凸を設ける工程;
    を含む請求項18〜20のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法。
  22. 工程(5)〜(6)を行った後、さらに
    (7)光硬化性転写層の凹凸表面に反射層を設ける工程;
    を含む請求項21に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  23. 請求項18〜22のいずれかに記載の製造方法により得られる光情報記録媒体。
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