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JP2005181083A - X線検査装置およびx線検査方法 - Google Patents

X線検査装置およびx線検査方法 Download PDF

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JP2005181083A
JP2005181083A JP2003421731A JP2003421731A JP2005181083A JP 2005181083 A JP2005181083 A JP 2005181083A JP 2003421731 A JP2003421731 A JP 2003421731A JP 2003421731 A JP2003421731 A JP 2003421731A JP 2005181083 A JP2005181083 A JP 2005181083A
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Abstract

【課題】検査時間を短くし得るX線検査装置を提供する。
【解決手段】X線発生装置1から出射されたX線を左右のモノクロメータ3にて単一波長化および平行化して被検査物Aに照射するとともに、当該被検査物を透過した各透過X線をそれぞれX線検出器4にて検出するようにしたX線検査装置であって、X線発生装置1の出射口近傍に、出射されたX線Rを2つに分割するX線分割用スリット2を配置するとともに、X線を被検査物Aに照射するためのモノクロメータ3A,3BをX線分割用スリット2によるX線の分割数に応じて2個配置したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線を用いて物体の内部を検査し得るX線検査装置およびX線検査方法に関する。
非破壊検査に用いられるX線検査装置としては、X線を出射するX線源と、このX線源から出射されたX線を単一波長化および平行化するモノクロメータと、このモノクロメータからこの単一波長化および平行化されたX線を被検査物に照射するとともに、当該被検査物の透過X線および屈折X線をX線検出器にてそれぞれ検出することにより、透過像および屈折像を得るものである(特許文献1参照)。
ところで、被検査物を一定方向からX線を照射して検査する場合は上述した特許文献1に開示されたものでも良いが、異なる複数方向から検査を行う必要が生じる場合がある。このような場合に対処する装置としては、例えば中央に被検査用空間部が設けられた環状体にX線照射部およびX線検出部が配置されるとともに、被検査物(被検者)を当該被検査用空間部内に移動させて全方位からX線による検査を行うようにしたCT装置がある(特許文献2参照)。
特許第2694049号公報 特開平7−67869号公報
しかし、上述したCT装置の構成によると、被検者を検査空間部に移動させた後、X線照射部およびX線照射部を、被検者の周囲でもってゆっくりと回転させる必要があり、検査に時間を要するという問題があった。
また、一定波長のX線だけでは、被検査物の正確な内部情報が得られない場合があり、その都度、X線の波長を変えて検査を行う必要があり、やはり、検査に時間を要するという問題がある。
そこで、本発明は、検査時間を短くし得るX線検査装置およびX線検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係るX線検査装置は、X線源から出射されたX線をモノクロメータにて単一波長化および平行化して被検査物に照射するとともに、当該被検査物を透過した透過X線をX線検出器にて検出するようにしたX線検査装置であって、
上記X線源の出射部近傍に、出射されたX線を複数に分割するX線分割用スリットを配置するとともに、X線を被検査物に照射するためのモノクロメータを上記X線分割用スリットによるX線の分割数に応じて複数個配置したものである。
また、請求項2に係るX線検査装置は、X線源から出射されたX線をモノクロメータにて単一波長化および平行化して被検査物に照射するとともに、当該被検査物を透過した透過X線をX線検出器にて検出するようにしたX線検査装置であって、
上記X線源の出射部近傍に、X線を少なくとも3つに分割するX線分割用スリットを配置するとともに、このX線分割用スリットにて分割された1つのX線を被検査物にモノクロメータを介さずに照射するように構成し、
且つ分割された残りのX線を被検査物に照射するためのモノクロメータを当該残りのX線の個数に応じて複数個配置したものである。
また、請求項3に係るX線検査装置は、請求項1または2に記載の検査装置における各モノクロメータとして、これら各モノクロメータから出射されるX線の波長が同一のものを用いたものである。
さらに、請求項4に係るX線検査装置は、請求項1または2に記載の検査装置における各モノクロメータとして、これら各モノクロメータから出射されるX線の波長がそれぞれ異なるものを用いるとともに、被検査物を回転させるように構成したものである。
また、本発明の請求項5に係るX線検査方法は、X線源から出射されたX線をモノクロメータにて単一波長化および平行化して被検査物に照射するとともに、当該被検査物を透過した透過X線をX線検出器にて検出するX線検査方法であって、
上記X線源から出射されたX線をX線分割用スリットにより複数に分割するとともに、これら分割されたX線をそれぞれ対応して配置された複数個のモノクロメータを介して被検査物に照射する方法である。
また、請求項6に係るX線検査方法は、X線源から出射されたX線をモノクロメータにて単一波長化および平行化して被検査物に照射するとともに、当該被検査物を透過した透過X線をX線検出器にて検出するX線検査方法であって、
上記X線源から出射されたX線をX線分割用スリットにより、少なくとも3つに分割し、これら分割された1つのX線をモノクロメータを介さずに被検査物に照射するとともに、分割された残りのX線をそれぞれに対応して配置された複数個のモノクロメータを介して被検査物に照射する方法である。
また、請求項7に係るX線検査方法は、請求項5または6に記載の検査方法における各モノクロメータとして、これら各モノクロメータから出射されるX線の波長が同一のものを用いる方法である。
さらに、請求項8に係るX線検査方法は、請求項5または6に記載の検査方法における各モノクロメータとして、これら各モノクロメータから出射されるX線の波長がそれぞれ異なるものを用いるとともに、被検査物を回転させる方法である。
上記X線発生装置およびX線検査方法によると、X線源の前方にX線分割用スリットを配置して、X線を複数に分割して被検査物に異なる方向から照射させるようにしたので、同時に、被検査物を異なる方向からX線検査を行うことができ、したがって短時間にて検査を行うことができる。
また、X線を被検査物に照射する際に、異なる波長を用いるとともに被検査物を回転させるようにしたので、短時間で且つより多くの被検査物の内部情報を得ることができる。
以下、短時間でX線検査を行い得るX線検査装置およびX線検査方法の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
以下、本実施の形態1に係るX線検査装置およびX線検査方法を、図1に基づき説明する。
図1に示すように、このX線検査装置は、少なくとも、X線を発生させて所定方向に出射させるX線発生装置(X線源)1と、このX線発生装置1から出射されたX線Rを上記所定方向に対してそれぞれ僅かな所定角度でもって左右2本(R1,R2)に分割するX線分割用スリット(例えば、X線発生装置1側から被検査物Aを見て、左方向に3.0度および右方向に4.0度の取り出し角度でもってスリット状の開口部2a,2bが形成されたもの)2と、このX線分割用スリット2にて分割された各X線(分割X線)R1,R2に対応する左右位置に配置されて当該各X線R1,R2を反射(出射)しそのエネルギー密度を調節するとともに所定波長でもって単一波長化し且つ平行化したX線R(R1,R2)を被検査物Aの前面に照射する2個のモノクロメータ3(3A,3B)と、これら各モノクロメータ3から被検査物Aに照射されてそれぞれ透過した透過X線を入射(検出)することによりそれぞれ透過像を得る2個のX線検出器4(4A,4B)と、上記X線分割用スリット2と各モノクロメータ3A,3Bとの間に配置されて各X線R1,R2のビームを絞るためのキャピラリープレート(集光プレートともいう)5(5A,5B)とから構成されている。
なお、上記被検査物Aは、X線発生装置1から所定方向に出射された場合におけるX線(中央のX線ともいう)の出射経路C上に配置されるとともに、2個のモノクロメータ3A,3Bにより反射されるX線の方向(照射方向でもある)は、被検査物Aの前方の左右斜め方向とされ、また各モノクロメータ3A,3Bについては、当該モノクロメータ3A,3Bにて反射により出射されるX線の波長が同一となるようにされている。
次に、上記構成を用いて被検査物のX線検査を行う方法について説明する。
まず、所定位置に設けられた検査台(図示せず)に被検査物Aを載置する。
そして、X線発生装置1からX線Rを出射させると、X線分割用スリット2にて左右2本のX線R1,R2に分割された後、それぞれキャピラリープレート5A,5Bにて絞られ、それぞれに対応して配置されたモノクロメータ3A,3Bに入射される。
これら各モノクロメータ3A,3Bにおいては、それぞれの波長でもって単一波長化され且つ平行化された2本のX線R1,R2は、被検査物Aの前方の左右斜め方向でもって照射される。これら照射された2本のX線R1,R2は被検査物Aを透過し、これらの透過X線はX線検出器4(4A,4B)に入射されて左右方向での透過像が得られる。
すなわち、一度の検査でもって、被検査物Aに対し、左右2方向からの透過像が得られるため、被検査物Aの検査時間が短く、例えば半分程度となる。
ここで、上記X線検査方法を簡単に説明すると、以下のようになる。
このX線検査方法は、X線発生装置1から出射されたX線Rをモノクロメータ3にて単一波長化および平行化して被検査物Aに照射するとともに、当該被検査物Aを透過した透過X線をX線検出器4にて検出するX線検査方法であって、上記X線発生装置1から出射されたX線RをX線分割用スリット2により2本に分割するとともに、これら分割されたX線R1,R2をそれぞれ対応して配置された2個のモノクロメータ3A,3Bを介して被検査物Aに照射する方法である。
このように、X線発生装置1の前方にX線分割用スリット2を配置して、左右2本に分割するとともに、これら分割されたX線R1,R2を左右に配置されたモノクロメータ3A,3Bに入射させて単一波長化および平行化して被検査物Aの前方の左右斜め方向から被検査物Aに照射させるようにしたので、被検査物Aを異なる位置から同時にX線検査を行うことができ、したがって被検査物の検査時間を短くすることができる。
[実施の形態2]
次に、本実施の形態2に係るX線検査装置およびX線検査方法を、図2に基づき説明する。
上記実施の形態1においては、前方の左右に配置された2個のモノクロメータから被検査物にX線を照射するとともに、被検査物を透過した透過X線をそのままX線検出器に導くように説明したが、本実施の形態2においては、各透過X線から被検査物内で屈折した屈折象を結晶による回折作用を用いて取り出すためのアナライザ(結晶分析板)を配置したものである。なお、実施の形態1と異なる箇所は、アナライザを配置したことにあるため、本実施の形態2においては、この異なる箇所に着目して説明するとともに、実施の形態1と同一の構成部材については同一の番号を付してその説明を省略する。
すなわち、図2に示すように、このX線検査装置は、各モノクロメータ3(3A,3B)を介して被検査物Aに照射されて当該被検査物Aを透過した透過X線上の適所に、アナライザ11(11A,11B)および当該アナライザ11により得られる透過像および屈折像を検出するためのX線検出器12がそれぞれ配置されている。なお、1個のアナライザ11Aまたは11Bに対して、透過像および屈折像を検出するために、それぞれにX線検出器12Aa,12Ab;12Ba,12Bbが配置されている。
この構成によると、上述した実施の形態1と同様の効果に加えて、アナライザ11に透過X線を通過させることにより、被検査物Aをそのまま透過したX線により得られる透過象の他に、その内部で屈折したX線に基づき屈折像が得られ、したがって短い検査時間で、より多くの、被検査物Aに対する内部情報を得ることができる。
なお、ここで、上述した実施の形態1と同様に、本実施の形態2に係るX線検査方法を簡単に説明しておく。
このX線検査方法は、X線発生装置1から出射されたX線Rをモノクロメータ3にて単一波長化および平行化して被検査物Aに照射するとともに、当該被検査物Aを透過した透過X線をX線検出器12にて検出するX線検査方法であって、上記X線発生装置1から出射されたX線RをX線分割用スリット2により2本に分割するとともに、これら分割されたX線R1,R2をそれぞれ対応して配置された2個のモノクロメータ3A,3Bを介して被検査物Aに照射し、さらに被検査物Aを透過したX線を、アナライザ11に通過させて、それぞれ透過像と屈折像とを得る方法である。
[実施の形態3]
次に、本実施の形態3に係るX線検査装置およびX線検査方法を、図3に基づき説明する。
上記実施の形態1においては、前方の左右に配置された2個のモノクロメータから被検査物にX線を照射するとともに、被検査物を透過した透過X線をそのままX線検出器に導くようになし、また上記実施の形態2においては、各透過X線から被検査物内で屈折した屈折象を結晶による回折作用を用いて取り出すアナライザを配置したが、本実施の形態3においては、これら両実施の形態1および2をそれぞれ組み合わせたものである。したがって、本実施の形態3においては、アナライザおよびX線検出器を除いて、各実施の形態1および2にて説明した構成部材(同一番号を付する)を用いて簡単に説明する。
すなわち、このX線検査装置においては、分割された一方のX線R1は、例えば左側のモノクロメータ3Aを介して被検査物Aに照射され、その透過X線R1がそのままX線検出器21(21A)に入射されるように構成されるとともに、分割された他方のX線R2は、右側のモノクロメータ3Bから被検査物Aに照射され、その透過X線R2がアナライザ22に入射されて2個のX線検出器21(21B,21C)により、透過像および屈折像が検出されるように構成されており、しかも被検査物Aは回転台23に載置されて検査時には、例えば矢印aにて示すように、X線の照射方向と平行な面内にて且つ360度でもって回転されて、全方位からX線が照射されるように構成されている。
上記の構成によると、左右のモノクロメータ3A,3Bから回転する被検査物Aに照射されて透過したX線の一方のX線R1はX線検出器21(21A)に入射されて透過像が得られ、また透過した他方のX線R2はアナライザ22を通過して2個のX線検出器21(21B,21C)に入射されて透過像と屈折像とが得られる。
このように、回転される被検査物Aに、2方向からX線を照射するとともに、一方の透過X線により透過像を、他方の透過X線により透過像と屈折像とを検出するようにしたので、より多くの、被検査物Aに対する内部情報を短時間で得ることができる。
なお、X線の強度は、X線分割用スリット2による取り出し角度が0度に近づくに従い低下するため、強度が低下する側のモノクロメータ3AによるX線R1の反射波を透過像用に用い、取り出し角度が大きい強度のある側のモノクロメータ3Bによる反射波を屈折像用に用いる。また、透過像を得るためのX線検出器21とアナライザ22における被検査物Aからの距離は等しく(または、できるだけ等しく)されている。これは、X線の発散による影響を同一にするためである。
また、上述した各実施の形態と同様に、本実施の形態3に係るX線検査方法を簡単に説明しておく。
このX線検査方法は、X線発生装置1から出射されたX線Rをモノクロメータ3にて単一波長化および平行化して被検査物Aに照射するとともに、当該被検査物Aを透過した透過X線をX線検出器21にて検出するX線検査方法であって、上記X線発生装置1から出射されたX線RをX線分割用スリット2により2本に分割するとともに、これら分割されたX線R1,R2をそれぞれ対応して配置された2個のモノクロメータ3A,3Bを介して回転する被検査物Aに照射し、一方のモノクロメータ3Aを介して被検査物Aに照射されて透過したX線を、直接、X線検出器21Aに入射させるとともに、他方のモノクロメータ3Bを介して被検査物Aに照射されて透過したX線R2をアナライザ22を介してX線検出器21B,21Cに入射させて、被検査物Aの一方からの透過像と他方からの透過像および屈折像とを得る方法である。
[実施の形態4]
次に、本実施の形態4に係るX線検査装置およびX線検査方法を、図4に基づき説明する。
上記実施の形態1においては、X線分割用スリットにより、X線を左右の2本に分割したが、本実施の形態4においては、3本に分割するようにしたものである。したがって、上述した実施の形態1と異なる箇所は、X線分割用スリットに関する部分であるため、本実施の形態4においては、この異なる箇所に着目して説明するとともに、X線分割用スリットおよびX線検出器を除いて、実施の形態1にて説明した構成部材(同一番号を付する)を用いて簡単に説明する。
すなわち、図4に示すように、このX線検査装置のX線発生装置1の前方に配置されるX線分割用スリット31には、X線発生装置1におけるX線の出射口(出射部)の中心線上と左右の位置とにそれぞれ開口部31a,31b,31cが形成されており、X線発生装置1から出射されたX線Rは、中央のX線R3と左右のX線R1,R2との合計3本に分割される。また、中央のX線R3についても、エネルギーを絞るためのキャピラリープレート5(5C)が設けられるとともに、その中心線上で且つ被検査物Aの後方に中央部X線検出器41(41C)が設けられている。
勿論、左右に分割されたX線R1,R2については、実施の形態1と同様に、左右に配置されたモノクロメータ3A,3Bを介して被検査物Aに照射され、その透過X線は、中央部X線検出器41Cの左右に配置された右部および左部X線検出器41A,41Bに入射されて透過像が得られる。
このように、X線分割用スリット31により3本に分割されたX線を被検査物Aに照射して3方からの透過像を得るようにしたので、一度の検査でもって、被検査物Aに対し、3方向からの透過像が得られるため、被検査物Aの検査時間が非常に短くなるとともに、より多くの、被検査物Aに対する内部情報を得ることができる。
また、上述した各実施の形態と同様に、本実施の形態4に係るX線検査方法を簡単に説明すると、以下のようになる。
このX線検査方法は、X線発生装置1から出射されたX線Rをモノクロメータ3にて単一波長化および平行化して被検査物Aに照射するとともに、当該被検査物Aを透過した透過X線をX線検出器41にて検出するX線検査方法であって、上記X線発生装置1から出射されたX線RをX線分割用スリット31により、中央R3と左右R1,R2との合計3本に分割するとともに、これら分割された中央のX線R3を被検査物Aに照射するとともに、残りの左右のX線R1,R2をそれぞれ対応して配置された2個のモノクロメータ3A,3Bを介して被検査物Aに照射する方法である。
[実施の形態5]
次に、本実施の形態5に係るX線検査装置およびX線検査方法を、図5に基づき説明する。
上記実施の形態4においては、X線分割用スリットにより、X線を、中央および左右の合計3本に分割して被検査物Aに照射するとともに、その透過X線をそのままX線検出器に導くように説明したが、本実施の形態5においては、左右に配置された両モノクロメータからの透過X線をアナライザを介してX線検出器に導くようにしたものである。したがって、実施の形態4と異なる箇所は、アナライザを配置したことにあるため、本実施の形態5においては、アナライザおよびX線検出器を除いて、実施の形態4にて説明した構成部材(同一番号を付する)を用いて簡単に説明する。
すなわち、図5に示すように、このX線検査装置は、X線分割用スリット31にて中央と左右に分割された3本のX線Rの内、両モノクロメータ3A,3Bにを介して被検査物Aに照射されて当該被検査物Aを透過した透過X線R1,R2をアナライザ51(51A,51B)に入射させるとともに、中央から被検査物Aに照射されて当該被検査物Aを透過した透過X線R3をそのまま中央部のX線検出器52(52C)に入射させるようにしたものである。勿論、各アナライザ51A,51Bに対しては、その透過像を検出するX線検出器52Aa,52Baおよび屈折像を検出するX線検出器52Ab,52Bbが配置されている。また、透過像を得るための中央部のX線検出器52Cと各アナライザ51A,51Bにおける被検査物Aからの距離は等しく(または、できれば等しく)されている。
このように、アナライザ51を通過させることにより、被検査物Aの左右からの透過像の他に、左右における屈折像も得られるため、短時間で検査を行うことができるとともに、より多くの、被検査物Aに対する内部情報が得られる。
なお、ここで、上述した各実施の形態と同様に、本実施の形態5に係るX線検査方法を、簡単に説明しておく。
このX線検査方法は、X線発生装置1から出射されたX線Rをモノクロメータ3にて単一波長化および平行化して被検査物Aに照射するとともに、当該被検査物Aを透過した透過X線をX線検出器52にて検出するX線検査方法であって、上記X線発生装置1から出射されたX線RをX線分割用スリット31により3本に分割するとともに、これら分割されたX線R1,R2,R3の内、左右の2本R1,R2をモノクロメータ3A,3Bを介して被検査物Aに照射して、その透過X線をアナライザ51A,51Bに入射させて各X線検出器52A,52Bにてその透過像および屈折像を得るようになし、且つ中央のX線R3を被検査物Aに照射して、その透過X線を中央部のX線検出器52Cに入射して透過像を得る方法である。
ところで、上記各実施の形態において、アナライザが設けられていない場合、解像度を維持するために、被検出物からX線検出器までの距離が、他方のX線と干渉しない位置において、できるだけ小さくなるように構成され、またアナライザが設けられている場合、やはり、解像度を維持するために、被検出物からアナライザ、およびアナライザからX線検出器までの距離が、他方のX線と干渉しない位置において、できるだけ小さくなるように構成される。
さらに、上記各実施の形態においては、左右に配置された各モノクロメータとしては、その反射により出射するX線の波長が同一となるものを用いたが、例えば異なる波長となるものを用いるとともに、被検査物を回転台に載せてX線の照射方向と平行な面内で回転させることにより、同時に、異なる波長のX線を用いて被検査物を検査することができるので、X線の波長を変えて別々に検査を行う場合に比べて、より正確な検査を、短時間にて行うことができる。
また、上記各実施の形態においては、X線を2本または3本に分割したが、例えば4本以上に分割するとともに、それぞれモノクロメータを介して被検査物に照射させることもできる。
本発明の実施の形態1に係るX線検査装置の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係るX線検査装置の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係るX線検査装置の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係るX線検査装置の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態5に係るX線検査装置の概略構成を示す平面図である。
符号の説明
A 被検査物
R X線
1 X線発生装置
2 X線分割用スリット
3 モノクロメータ
4 X線検出器
11 アナライザ
12 X線検出器
21 X線検出器
22 アナライザ
23 回転台
31 X線分割用スリット
41 X線検出器
51 アナライザ
52 X線検出器

Claims (8)

  1. X線源から出射されたX線をモノクロメータにて単一波長化および平行化して被検査物に照射するとともに、当該被検査物を透過した透過X線をX線検出器にて検出するようにしたX線検査装置であって、
    上記X線源の出射部近傍に、出射されたX線を複数に分割するX線分割用スリットを配置するとともに、X線を被検査物に照射するためのモノクロメータを上記X線分割用スリットによるX線の分割数に応じて複数個配置したことを特徴とするX線検査装置。
  2. X線源から出射されたX線をモノクロメータにて単一波長化および平行化して被検査物に照射するとともに、当該被検査物を透過した透過X線をX線検出器にて検出するようにしたX線検査装置であって、
    上記X線源の出射部近傍に、X線を少なくとも3つに分割するX線分割用スリットを配置するとともに、このX線分割用スリットにて分割された1つのX線を被検査物にモノクロメータを介さずに照射するように構成し、
    且つ分割された残りのX線を被検査物に照射するためのモノクロメータを当該残りのX線の個数に応じて複数個配置したことを特徴とするX線検査装置。
  3. 各モノクロメータとして、これら各モノクロメータから出射されるX線の波長が同一のものを用いたことを特徴とする請求項1または2に記載のX線検査装置。
  4. 各モノクロメータとして、これら各モノクロメータから出射されるX線の波長がそれぞれ異なるものを用いるとともに、被検査物を回転させるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のX線検査装置。
  5. X線源から出射されたX線をモノクロメータにて単一波長化および平行化して被検査物に照射するとともに、当該被検査物を透過した透過X線をX線検出器にて検出するX線検査方法であって、
    上記X線源から出射されたX線をX線分割用スリットにより複数に分割するとともに、これら分割されたX線をそれぞれ対応して配置された複数個のモノクロメータを介して被検査物に照射することを特徴とするX線検査方法。
  6. X線源から出射されたX線をモノクロメータにて単一波長化および平行化して被検査物に照射するとともに、当該被検査物を透過した透過X線をX線検出器にて検出するX線検査方法であって、
    上記X線源から出射されたX線をX線分割用スリットにより、少なくとも3つに分割し、これら分割された1つのX線をモノクロメータを介さずに被検査物に照射するとともに、分割された残りのX線をそれぞれに対応して配置された複数個のモノクロメータを介して被検査物に照射することを特徴とするX線検査方法。
  7. 各モノクロメータとして、これら各モノクロメータから出射されるX線の波長が同一のものを用いることを特徴とする請求項5または6に記載のX線検査方法。
  8. 各モノクロメータとして、これら各モノクロメータから出射されるX線の波長がそれぞれ異なるものを用いるとともに、被検査物を回転させることを特徴とする請求項5または6に記載のX線検査方法。
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