JP2005178871A - 加熱処理用インジケータ付積層体、およびそれを用いた包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材フィルム層とヒートシール層とを接着層を介して順次積層する構成であって、前記の基材フィルム層のラミネート面側に、顔料と合成樹脂からなるバインダーとを含有し、加熱により不可逆的に色変化する加熱処理用インジケータインキ組成物をインジェクトプリンターのプリントヘッドにより形成する構成からなる。
【選択図】 図1
Description
これらの包装用材料は、通常、その最内層にヒ−トシ−ル層を設け、当該ヒ−トシ−ル層を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして、種々の形態の包装用容器を製造し、当該包装用容器の開口部から、例えば、飲食品、医薬品、化粧品、洗剤、化学品、雑貨品、その他等の種々の内容物を充填包装して、各種の包装製品を製造しているものである。
従来のボイル殺菌の処理に耐える包装袋としては、例えば、ボイル処理の熱処理に耐える延伸ポリエステルフィルム、延伸ナイロンフィルム、または、延伸ポリプロピレンフィルムを用い、必要によっては絵柄印刷層を設け、バリア層としてアルミニウム箔と、ヒートシール層に無延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとをドライラミネーション用接着剤を介して、積層したフィルムを用いて包装材とし、当該積層フィルムの流れ方向を天地とする四方シールのパウチ、ないし底部を有するスダンディングパウチ等がよく知られている。
従来のボイル処理用パウチは、当該積層フィルムを用いて袋を作成し生麺等の内容物を充填後、開口部をヒートシールして、水分含有食品あるいは薬品などを包装して、例えば、温度、98℃〜100℃位、時間、20〜60分間位、好ましくは、30分間前後位でボイル殺菌処理した包装製品を製造することができるものである。
前記のレトルト処理用パウチは、一般に下ごしらえをした材料を充填した容器の口を、できるだけ空気を抜くようにしながら閉じ、口の部分を熱してプラスチックを溶かしながら密封して、密閉包装体を製造し、次いで、当該密閉包装体を、例えば、通常のレトルト釜を使用し、例えば、温度、110℃〜140℃位、好ましくは、120℃前後位、圧力、100kPa〜300kPa 位、好ましくは、180kPa前後位、時間、20〜60分間位、好ましくは、30分間前後位で加熱加圧処理する方法により、レトルト殺菌等の処理して、レトルト処理した包装製品を製造することができるものである。
従って、包装容器の外装から内容物が、ボイル処理、レトルト処理を実施しているかの有無を目視で確認することが困難である。
従来、ボイル殺菌、レトルト殺菌の処理条件の確認方法として、水蒸気の存在下、指定温度で一定時間加熱すると鮮明に変色し、加熱が指定の条件で行われたことを示すインキをグラビア印刷方式やインクジェットプリンタ−で包装容器の外表面に印字する方法がある。
インクジュエットプリンターで包装袋の外表面に印字する方法は、グラビア印刷方式と比べて、包装袋毎に異なる製造番号、製造年月日、製造機械等の可変情報を印字することができるため、包装袋毎に可変情報を印字することによって、加工、製造、流通等の全工程にわたる製品情報の追跡が可能であるため非常に有用である。
また、インキ組成物に含まれている染料が加熱により昇華して変色することを特徴とする温度履歴により変色するインクジェットプリンタ用インキ組成物を提供する技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
また、特許文献2のインクジェットプリンタ用インキ組成物では、100度以上でボイル殺菌、レトルト殺菌処理を行っても、インキ組成物の形成部分において、染料が加熱により昇華されず、色変化しない場合があるという問題がある。
また、従来のインクジェットプリンタ用湿熱変色性インキ組成物は、包装袋の外表面に形成されるため、擦消等により印字部分が一部脱落してしまったり、溶剤等で容易に印字部が拭き取られていしまい、容易に印字した可変情報を改ざんされてしまう恐れがある。
更に、可変情報の改ざん防止のため、印字部の上に樹脂フィルムを積層する場合、層間を接着するために使用する溶剤等により、インキ組成物の一部が溶解して、印字部が滲んでしまい可変情報を判読できないという問題がある。
また、従来のグラビア印刷用のインキ組成物では、接着剤に使用される溶剤によって溶解しないものの、印刷後のインキパンに残った残インキを再度使用すると品質維持が困難であるため、一度使用すると廃棄しなければならず、使用残インキの廃棄等の経済的損失があり、その分、印刷した包装材料の製造単価がアップするという欠点があった。
また、本発明に係るインジケータ組成物が熱により変色する特性を有するため、インキパン中にインジケータ組成物が残ったままにしていると、次品目のインキに混入することにより、次品目の印刷物まで、熱による変色が目立ってしまい商品として使用できないという欠点があった。このため、次品目でインキを入れ替える場合、インキパンを念入りに洗浄しなければならず、多品種少ロット生産の場合、特に作業性が悪くなるという欠点があった。
図1は、本発明の加熱処理インジケータ付積層体の層構成例を示す断面図であり、図2は、本発明の別態様の加熱処理インジケータ付積層体の層構成例を示す断面図であり、図3は、本発明のまた別態様の加熱処理インジケータ付積層体の層構成例を示す断面図であり、図4は、本発明の更にまた別態様の加熱処理インジケータ付積層体の層構成例を示す断面図であり、図5は、本発明の加熱処理インジケータ付積層体を用いた包装容器の一例を示す斜視図であり、図6は、図5に示す包装用容器を使用して内容物を充填包装した包装体の一例を示す斜視図である。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使用することができる。
そして、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。そのフィルムの厚さとしては、5〜100μm位、好ましくは、10〜50μm位が望ましい。
また、必要に応じてこれらの基材フィルムに例えばアルミニウム等の金属、または、例えばアルミニウム、酸化アルミナ、酸化珪素等の無機物を蒸着して使用してもよい。
また、本発明において、上記のような基材フィルムには、通常の印刷インキよりインキ密着性に劣る加熱処理インジケータインキ層を形成するため、インキ密着性に優れるポリエチレンテレフタレートフィルムにポリエステル系エラストマーをブレンドする樹脂フィルムを使用することが好ましいものである。
なお、必要に応じて、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷インキで表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
また、前記のビスマス化合物は、3,2−酸化ビスマス、塩基性硝酸ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性酢酸ビスマス、塩基性炭酸ビスマスから選ばれる少なくとも1種類の化合物を使用することができる。
硫黄化合物としては、例えば、硫黄、硫化亜鉛、硫化アンチモン、硫化カルシウム等の無機硫黄化合物、およびチオカルボアニリド等の有機硫黄化合物、システイン等の硫黄を含むアミノ酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物およびその誘導体を使用することができる。
前記の透明バインダーとしては、熱可塑性樹脂、天然樹脂、ワックス、ゴム類、高級脂肪酸、脂肪族アルコール、高級脂肪酸エステルを含む脂肪酸エステル、アミド類、ラクトン類、ラクタム類、芳香族アルコール類、エーテル類等を用いることが、ボイル、レトルト殺菌後にインキ浮きすることなく、合成樹脂フィルム(被着体)に対するインキ密着性、耐熱安定性に優れるという利点を有するという理由で好ましい。
具体的に、前記のポリエステルポリオールに使用される2塩基酸としては、例えば、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、アゼライン酸等を使用することができ、また、これに対応する酸無水物を使用することもできる。
また、前記の加熱処理インジケータインキ層4は、前記の顔料を前記インキの樹脂からなる透明バインダーに対して、配合比(顔料/透明バインダー)、1/4〜2/1の範囲で含有するものを使用することが好ましく、1/2〜1/1の範囲で含有するものを使用することがより好ましく、三本ロールミルで練肉分散する等により製造することができる。
顔料/透明バインダーの配合比が、2/1を超えると顔料の沈降や加熱後にデラミネーションを発生するため好ましくなく、配合比、1/4未満の場合、加熱による発色が乏しく、好ましくない。
本発明において、加熱処理用インジケータインキ層4は、インクジェット方式による印刷方法により形成することが好ましく、従来のグラビア印刷と比べて、多量の残インキを廃棄する必要がないため、環境面、コスト面に優れるものであり、また、インキパンの洗浄の必要がないため、次品目のインキに混入することなく、品質事故を防止すると共に、多品種少ロット生産の場合、生産性を向上させることができるという利点を有する。
具体的に、加熱処理インジケータインキ層4の厚さ、0.1μm以上、3μm以下に形成されることによって、ボイル殺菌、レトルト殺菌等の加熱処理を施しても、インキ浮きすることなく、インキ密着性に優れるという利点を有する。
これに対し、加熱処理インジケータインキ層4を膜厚、3μmを超えて形成すると、インキ密着性に劣り、インキ浮きが発生しやすく、文字や色調がぼやけ、また、インキの使用量が増大するため、材料費面で、好ましくない。
また、インキの膜厚を0.1μm未満で形成すると、インキ塗膜が薄いため、変色に必要な濃度が得られなく、好ましくない。
前記のメジウムとしては、具体的には、例えば、カルトンNEW HPメジウム(ザ・インクテック株式会社製)にホワイトコンパウンド(ザ・インクテック株式会社製)を添加して粘度調整したものを用いることができる。
また、上記のメジウム層のいずれかにポリエチレンワックス等添加剤を添加したものをコーティングすることがブロッキングを防止できるため、好ましい。
前記のメジウム層、および/または、白インキ層5、または、コーティング剤の粘度としては、ザーンカップ#3で17秒〜18秒程度であることによって、均一なコーティング面が得られるため、好ましい。
かかる白インキ層5の顔料としては、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、これらの2種類以上からなる混合物などを使用することができる。
かかる白色インキに用いるバインダー(熱溶融性物質)としては、例えば、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等を、これら樹脂の単体又は混合物として用いる。
メジウム層、および/または、白インキ層5の形成方法としては、グラビア印刷法、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷等の印刷方式を用いることができ、必要に応じて、全面ベタ、あるいは部分コートにて、その形成することができ、その厚さは、塗布液を1μm〜8μm程度であることが好ましく、より好ましくは2μm〜5μm程度である。
メジウム層、および/または、白インキ層5を、加熱処理インジケータインキ層4と接着層3の層間に形成することによって、ボイル殺菌、レトルト殺菌等の処理をしたところ、加熱処理インジケータインキ層のインキ浮きが発生せず、インキの密着性に優れ、経時的に密着性を維持できるという利点を有するものである。
また、メジウム層、および/または、白インキ層5は、印刷インキとして使用することによって、下地の役目を果たすので、加熱処理インジケータインキ層4等と重ね刷りする場合、加熱処理インジケータインキ層4の絵柄全体がクッキリと見える状態になり、意匠性の向上し、また、内容物の隠蔽効果もあるため好ましいものである。
具体的には、例えば、ポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、塩化ビニリデン樹脂フィルム、ポリアセタール樹脂フィルム等を使用することができる。
そして、上記の樹脂のフィルムとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5〜100μm位、好ましくは、10〜50μm位が望ましい。
また、上記の表面フィルム層13を設ける替わりに表面を樹脂でコーティングしてもよい。
具体的に、例えば、アクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂等を使用することができる。その厚さは、塗布液を2μm〜5μm程度であることが好ましい。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム、アイオノマ−樹脂フィルム、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂フィルム、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂フィルム、エチレン−メタクリル酸共重合体フィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、メチルペンテン樹脂フィルム、ポリブテン樹脂フィルム、酸変性ポリオレフィン系樹脂等の樹脂のフィルムを使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、10〜300μm、好ましくは、20〜100μm位が望ましい。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5〜300μm位、更には、10〜100μm位が望ましい。
具体的には、例えば、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μm〜300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレ−ム処理、その他等の前処理をフィルムに施すことができる。
本発明にかかる接着層3としては、例えば、ポリエステル系、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、その他等のラミネ−ト用接着剤等のアンカ−コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
而して、その製袋方法としては、上記の積層体を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態の包装用容器を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)、スパウトパウチ等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器、インモールドラベル、カップ用蓋材等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装用容器には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
上記の包装容器に充填し、密封するのに特に適する食品の例としては、カレー、シチューなどのレトルト食品、味噌等の調味料、こんにゃく、ちくわ、蒲鉾等の練り製品、ハム、ソーセージ等の燻製製品、ミートボール、ハンバーグ等の調理済み食品、水産加工製品、漬物、佃煮、嗜好品等の飲食品である。
(実施例1)まず、基材層1として、厚み12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)フィルムの片面に加熱処理用インジケータインキ4(膜厚、1μm)をインジェクトプリンター(プリンター名、「KX-D」、株式会社日立産機システム製)を用いて、そのプリントヘッドにより、縦5mm×横10mmの範囲に所望の文字を印字した。
なお、加熱処理用インジケータインキ4は、バインダーとして、ポリウレタン系樹脂とポリイソシアネートオリゴマー架橋剤とを併用する1液型インキ用樹脂(7重量%)を用い、顔料として、ビスマス化合物と硫化物(3重量%)を用い、溶剤としてメチルエチルケトン(90重量%)からなり、温度、90℃程度、加熱時間20分程度で加熱すると、白色から褐色に変化する特性を有するものを使用した。
しかる後、連続して上記で形成したインジケータインキ層の上に、メジウムをバインダーとする白色の印刷インキ5を膜厚2μmのベタ刷りでグラビア印刷法にて、連続100,000m(16時間)で重ね刷り印刷した。
更に、上記で形成したメジウムをバインダーとする印刷面に、接着層3として、ポリウレタン系接着剤を3.5g/m2 (乾燥状態)塗布し、15μmの2軸延伸ナイロン(以下「ON」という。)フィルムとをドライラミネーション法によりラミネートして積層フィルムを作製した。
次に、上記で得られた積層フィルムのONフィルム面に、ポリウレタン系接着剤を3.5g/m2(乾燥状態)塗布し、厚さ7μmのアルミニウム箔(以下「Al」という。)、厚さ70μmの未延伸ポリプロピレン(以下「CPP」という。)フィルムとを順次ドライラミネーション法で積層して、層構成が、PETフィルム12μm/インジケータインキ層/白色印刷層/接着剤層/ONフィルム15μm/接着剤層/Al7μm/接着剤層/CPPフィルム70μm(内面)の本発明にかかる実施例1の積層体を作製し、40℃×3日間、エージングした。
PETフィルム:商品名「T4102」(東洋紡績(株)製)
ONフィルム:商品名「ボニールW15」(興人(株)製)
CPPフィルム:商品名「ZK93K」(東レ合成フィルム(株)製)
印刷インキ:商品名「NewLPスーパーR611白」/硬化剤:商品名「LPスーパー硬化剤」(東洋インキ製造(株)製)
接着剤:商品名「DIC LX703」、三井武田ケミカル(株)製
次いで、内容物として水100gを充填し、上端シール部をプレスシ−ルを行い、半製品を製造した。
次いで、蒸気式のレトルト釜で、温度120℃、圧力180kPa、30分間のレトルト条件でレトルト殺菌を実施し、本発明にかかるレトルト処理包装体6を得た。
また、インクジェットのプリントヘッド内における加熱処理用インジケータインキの残量は50gであり、従来のグラビア印刷方式と比べて、使用残インキの廃棄量を軽減し、コスト面、環境面において優れるものであった。
また、加熱処理用インジケータインキをインクジュエットプリンターのプリントヘッドで印字することによって、プリントヘッド外部の水分を遮断することができたため、インジケーターインキへの水分混入を防止することが可能となり、インジケーターインキの水分混入による変色防止、インキ密着性等の経時劣化を抑えることができた。
更に、インキパン洗浄を行わずに次品目への切り替えもスムーズに行うことができるため、生産性を向上することができ、オペレーターへの作業負荷を軽減することができた。
加熱処理用インジケータインキとしては、バインダーとして、ポリウレタン系樹脂とポリイソシアネートオリゴマー架橋剤とを併用する2液型インキ用樹脂(15重量%)を用い、顔料として、ビスマス化合物と硫化物(10重量%)を用い、溶剤としてイソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、およびトルエンの混合溶媒(75重量%)からなり、温度、90℃程度、加熱時間20分程度で加熱すると、白色から褐色に変化する特性を有するものを使用した。
そして、厚み12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)フィルムの片面に加熱処理用インジケータインキ(膜厚、1μm)をグラビア印刷方式より、縦5mm×横10mmの範囲に所望の文字を印字した。
しかる後、連続して上記で形成したインジケータインキ層の上に、メジウムをバインダーとする白色の印刷インキを膜厚2μmのベタ刷りでグラビア印刷法にて、連続100,000m(16時間)で重ね刷り印刷した。
更に、上記で形成したメジウムをバインダーとする印刷面に、ポリウレタン系接着剤を3.5g/m2(乾燥状態)塗布し、15μmの2軸延伸ナイロン(以下「ON」という。)フィルムとをドライラミネーション法によりラミネートして積層フィルムを作製した。
次に、上記で得られた積層フィルムのONフィルム面に、ポリウレタン系接着剤を3.5g/m2(乾燥状態)塗布し、厚さ7μmのアルミニウム箔(以下「Al」という。)、厚さ70μmの未延伸ポリプロピレン(以下「CPP」という。)フィルムとを順次ドライラミネーション法で積層して、層構成がPETフィルム12μm/インジケータインキ層/白色印刷層/接着剤層/ONフィルム15μm/接着剤層/Al7μm/接着剤層/CPPフィルム70μm(内面)の比較例1の積層体を作製し、40℃×3日間、エージングした。
PETフィルム:商品名「T4102」(東洋紡績(株)製)
ONフィルム:商品名「ボニールW15」(興人(株)製)
CPPフィルム:商品名「ZK93K」(東レ合成フィルム(株)製)
加熱処理用インジケータインキ:商品名「RGインキ」:日油技研工業(株)/硬化剤:商品名「LPスーパー硬化剤」(東洋インキ製造(株)製)
混合溶媒:商品名「SL−302」(東洋インキ製造(株)製)
印刷インキ:商品名「NewLPスーパーR611白」/硬化剤:商品名「LPスーパー硬化剤」(東洋インキ製造(株)製)
接着剤:商品名「DIC LX703」:三井武田ケミカル(株)製
次いで、内容物として水100gを充填し、上端シール部をプレスシ−ルを行い、半製品を製造した。
次いで、蒸気式のレトルト釜で、温度120℃、圧力180kPa、30分間のレトルト条件でレトルト殺菌を実施し、本発明にかかるレトルト処理包装体を得た。
しかし、印刷後、グラビア印刷機におけるインキパン内に残った加熱処理用インジケータインキの残量は8kgであり、使用した残インキの廃棄によりコスト高となった。
また、加熱処理用インジケータインキをグラビア印刷方式で印刷することによって、インキパンが開放系であるため、空気中の水分がインキに混入しやすく、前記の加熱処理用インジケータインキの色相が印刷時間、6時間を超えると、インキの色相が変化(印刷開始直後のインキの色相と6時間経過後のインキの色相との色差、ΔE=1.89)が生じた。
更に、次品目への切り替えの際、使用済のインジケータインキの混入を防止するため、インキパン洗浄を念入りに実施する必要があった。
印刷前と6時間印刷後のインキパン内に残った加熱処理用インジケータインキの水分率は、カールフィッシャー水分測定器「MKA−610」、京都電子工業株式会社製で測定した。
インキジェットプリンターのプリントヘッド中のインキ含水量は、印刷前の含水率、0.09%であり、印刷後の含水率、0.09%であった。
これに対して、グラビア印刷機のインキパン中のインキ含水量は、印刷前の含水率、0.09%であり、印刷後の含水率、0.8%であった。
このことにより、本発明に係る加熱処理用インジケータ付積層体は、加熱処理用インジケータインキ組成物をインジェクトプリンターのプリントヘッドにより形成することにより、インキの経時劣化することなく、生産性良く、長時間の印字が可能である。
さらに、内容物を充填後、ボイル殺菌、レトルト殺菌等の処理をしたところ、前記の加熱処理インジケータインキ層のインキ浮きが発生せず、インキ密着性、耐熱性、耐水性に優れ、経時的にインキを保持でき、また、色変化によって、包装体のボイル殺菌、レトルト殺菌等の処理の有無を、視認可能な加熱処理インジケータ付積層体、およびそれを用いた包装体を提供することができるものである。
2 ヒートシール層
3 接着層
4 加熱処理インジケータインキ層
5 メジウム層、および/または、白インキ層
6 中間層
7 開口部
8 サイドシール部
9 底シール部
10 加熱処理インジケータ付積層体
11 上端シール部
12 内容物
13 表面フィルム層
14 加熱処理インジケータインキのグラビア印刷領域
20 加熱処理インジケータ付包装容器
30 加熱処理インジケータ付包装体
Claims (5)
- 基材フィルム層とヒートシール層とを接着層を介して順次積層される積層体において、顔料と合成樹脂からなるバインダーとを含有し、かつ加熱により不可逆的に色変化する加熱処理用インジケータインキ組成物が、前記の基材フィルム層のラミネート面側に形成されることを特徴とする加熱処理用インジケータ付積層体。
- 前記の加熱処理用インジケータインキ組成物が、インジェクトプリンターのプリントヘッドにより形成されることを特徴とする請求項1記載の加熱処理用インジケータ付積層体。
- 前記の顔料が、ビスマス化合物と硫黄化合物からなる顔料であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の加熱処理用インジケータ付積層体。
- 前記の加熱処理インジケータインキ組成物の上に、メジウム層、および/または、白インキ層を重ね刷りにより形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加熱処理用インジケータ付積層体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の加熱処理用インジケータ付積層体を用いて形成することを特徴とする包装体。
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