JP2005178791A - スライダー付きチャック袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スタンドパウチなどの各種袋体に適用可能なヘッダーを有するスライダー付きチャック袋を提供する。チャックが開封されたことが検知しうる機能を付与する。
【解決手段】 袋体を構成する表側フィルムF1の上端部がスライダーSの下端より下方でプラスチックチャックPCの一方のフランジ部C−1に接着されており、袋体を構成する裏側フィルムF2は前記プラスチックチャックよりも上方まで延長されており且つ他方のフランジ部C−2にスライダーの下端より下方で接着されており、裏側フィルムの延長部EFは折返されてその先端BPがチャックの上端TPより下側で且つ前記フランジ部と裏側フィルムとの接着箇所CFよりも上側において延長部に接着されており、延長部がチャック袋のヘッダー部となることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 袋体を構成する表側フィルムF1の上端部がスライダーSの下端より下方でプラスチックチャックPCの一方のフランジ部C−1に接着されており、袋体を構成する裏側フィルムF2は前記プラスチックチャックよりも上方まで延長されており且つ他方のフランジ部C−2にスライダーの下端より下方で接着されており、裏側フィルムの延長部EFは折返されてその先端BPがチャックの上端TPより下側で且つ前記フランジ部と裏側フィルムとの接着箇所CFよりも上側において延長部に接着されており、延長部がチャック袋のヘッダー部となることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、食品、薬品、電子部品等の包装容器に使用される、スライダー付きプラスチックチャック袋体に設けるヘッダーに関する。
従来、食品、薬品、電子部品その他の各種の物品を袋に収納して、コンビニなどで多品種、小ロット販売が行われている。このような袋入りの商品を店頭で効率よく陳列するには、袋の上部に吊下げ用ヘッダーを設けることが必要不可欠とされている。
ヘッダーを設けたチャック付き袋に関しては様々な発明が開示されている。例えば特許文献1(特許第3193000号公報)には、袋体の上部にヘッダーを、下部にチャックを設けた底開き袋において、ヘッダーと袋の底部を個別に溶着し、袋の底部とヘッダーの間にミシン目を設け、使用時にヘッダー部分を分離できることを特徴とする袋体が開示されている。
特許文献2(実用新案登録第2512083号公報)には、2枚のフィルムの両端を溶着して袋体部を形成し、一方のフィルムの上縁を折返し厚手のヘッダーシートを包み、該フィルムの折り返し先端縁をヘッダーシート下縁付近に固定し、ヘッダーシート側縁を該フィルムの側縁と溶着してヘッダー部を形成し、他方のフィルムとヘッダー部の間に開口部を設け、チャックシートの上縁と下縁を各々のフィルムに溶着し、該チャックシートの上縁と他方のフィルムの上縁が一致する袋体が開示されている。
一方、各種の物品の包装材としてプラスチックチャックを備えた袋体が多く使用されている。一般には、スライダー付きプラスチックチャックは開口が容易で再開封可能な包装材料として多用されている。
特許文献1の袋体はヘッダーを袋の開口部と反対側に設けているため、いわゆる底部にガゼットがあるスタンドパウチなどには適用できないという問題がある。更に、底部が開口部となるため、商品展示時と消費者が使用する時とでは逆方向の表示を必要とするという問題点を有している。また、この袋体はヘッダーとは逆の位置(すなわち吊下げた際に下側となる箇所)に開口部が設けられているので、仮に、スライダー付きチャックを開口部に取付けてもスライダー付きチャック袋であることを目視で消費者に対してアピールできないという問題が生じる。
特許文献2の袋体はチャックシートの全面を袋体を構成するフィルムに融着しているので、スライダー付きチャックを適用できない。
このように、前述した特許文献1、2に限らず、実際にもヘッダー部を有する袋にスライダー付きプラスチックチャックを使用したチャック付き袋は未だ見当たらない。
また、スライダー付きチャックは開閉が容易であるが、この点が販売に際しては問題となる。すなわち、被包装物の多様化に伴い、包装後に不正な目的や誤りによって開封され、異物を混入されたり、内容物が損なわれる等の不都合が生じていても、スライダーで再び袋が閉じられた状態となっていると開封されたことが分かり難いという問題がある。
本発明は、スライダー付きプラスチックチャックを開口部に具備する袋であり、多品種、小ロット販売の店頭で販売する商品に不可欠とされる吊下げ用のヘッダーを有し、しかも開口部が吊下げた状態で上側に位置して、スライダーで容易に開閉できることを目視で消費者に明確にアピールできる形状で、スタンドパウチなどの各種袋体に適用可能なヘッダーを有するスライダー付きチャック袋を提供することを目的とする。
更に、本発明はこのようなチャック袋において、チャックが開封されたことが検知しうる機能を付与したヘッダーを有するスライダー付きチャック袋を提供することを目的とする。
本発明によれば、袋の開口部にテープ状プラスチックチャックを設けたチャック袋であって、前記プラスチックチャックはプラスチックフィルムの表面に一対の係合部が形成され、該係合部の内容物側にそれぞれフランジ部を有するとともに該係合部を開口・閉止するスライダーを有しており、袋体を構成する表側フィルムの上端部がスライダーの下端より下方で一方のフランジ部に接着されており、袋体を構成する裏側フィルムは前記プラスチックチャックよりも上方まで延長されており且つ他方のフランジ部にスライダーの下端より下方で接着されており、前記裏側フィルムの延長部は折返されてその先端がチャックの上端より下側で且つ前記フランジ部と裏側フィルムとの接着箇所よりも上側において前記延長部に接着されており、該延長部がチャック袋のヘッダー部となることを特徴とするスライダー付きチャック袋により前記目的を達成する。
また、本発明によれば、前記裏側フィルムの延長部を折返す代りに、裏側フィルムの延長部にヘッダー材が固着され、該ヘッダー材の下端部がチャックの上端より下側で且つ前記フランジ部と裏側フィルムとの接着箇所よりも上側において前記延長部に固着されており、前記延長部と前記ヘッダー材がチャック袋のヘッダー部となるようにしても前記目的を達成する。或いは、前記裏側フィルムに延長部を設けず、ヘッダー材の下端部がチャックの上端より下側で且つフランジ部と裏側フィルムとの接着箇所よりも上側においてフランジ部に固着するようにしてもよい。
更に、本発明によれば、スライダー付きチャック袋を構成するプラスチックチャックがいたずら防止機能を有することにより前記目的を達成する。本発明においては、いたずら防止機能を持たせるプラスチックチャックの構成としては次のような構成のものが好ましい。
前述したスライダー付きチャック袋において、前記係合部を形成する雌鈎爪の頂部あるいは該頂部と対向する雄鈎爪側のフランジ部の表面に易剥離プラスチック層が予め設けられ、該易剥離プラスチック層が溶融接着されている。
または、前述したスライダー付きチャック袋において、前記係合部の少なくとも一方の係合部にプラスチックチャックの長手方向に延びる1本以上の突起が設けられ、該突起は少なくとも先端部分が可撓性を有し、該突起あるいは該突起と対向する他方の係合部の表面に易剥離プラスチック層が予め設けられ、該易剥離プラスチック層が溶融接着されている。
または、前述したスライダー付きチャック袋において、係合部の近傍の少なくとも一方のフランジ部にプラスチックチャックの長手方向に延びる1本以上の突起が設けられ、該突起は少なくとも先端部分が可撓性を有し、該突起あるいは該突起と対向する他方のフランジ部の表面または突起の表面に易剥離プラスチック層が予め設けられ、該易剥離プラスチック層が溶融接着されている。
または、前述したスライダー付きチャック袋において、フランジ部の開口側端部に一対の突起が設けられ、該突起の少なくとも一方に易剥離プラスチック層が予め設けられ、該易剥離プラスチック層が溶融接着されている。
または、前述したスライダー付きチャック袋において、袋体を構成する表側フィルムまたは裏側フィルムの一方は内容物を充填する前はプラスチックチャックのフランジ部に接着されておらず開いており、該開いた箇所から内容物を充填した後にプラスチックチャックのフランジ部に接着されている。
本発明においては、袋体を構成する表側フィルムまたは裏側フィルムの一方は内容物を充填する前はプラスチックチャックのフランジ部に接着されておらず開いているか、または袋体の下端部または横端部の少なくと一部分が開いており、該開いた箇所から内容物を充填した後に該開いた箇所のフィルムをプラスチックチャックのフランジ部に接着するか、またはフィルム同士を互いに接着するようにすることが好ましい。
本発明によれば、多品種、小ロット販売の店頭で販売する商品に不可欠とされる吊下げ用のヘッダーを有し且つプラスチックチャックの開閉を容易にするスライダーを有するチャック袋が得られる。しかも、開口部が吊下げた状態で上側に位置しているので、スライダーで容易に開閉できることを目視で消費者に明確にアピールできる。
更に、本発明のチャック袋によれば、ヘッダーおよびプラスチックチャックが共に袋の上側にあるので、袋の形状を扁平なものとできるだけでなく、底部にガゼットがあるスタンドパウチなどとすることができる。
更に、本発明によれば、スライダー付きチャック袋において、チャックが開封されたことが検知しうる機能を具備しているので、不正な目的で開封したりするいたずらを防止することができる。本発明によれば、プラスチックチャックの係合部やフランジ部が易剥離プラスチック層により溶融接着されているので、スライダーを移動して開封すると、この溶融接着箇所が剥離し、再びスライダーを移動してチャックを閉じても溶融接着箇所が剥離したままとなるので、不正に開封された場合は目視により簡単に判別できる。
また、本発明によれば、袋体を構成する表側フィルムまたは裏側フィルムの一方は内容物を充填する前はプラスチックチャックのフランジ部に接着されておらず開いているか、または袋体の下端部または横端部の少なくと一部分が開いている状態とすることにより、スライダーによるプラスチックチャックの開閉を行うことなく内容物を充填できるので、本発明のチャック袋は自動充填機に適用できる。このようにスライダーを移動させずに内容物を充填できるので、開封検知機能をプラスチックチャックに具備させた場合でも、開封検知機能を損なうことなく、内容物を充填できる。また、前記開いた箇所から内容物を充填した後に該開いた箇所のフィルムをプラスチックチャックのフランジ部に接着するか、またはフィルム同士を互いに接着すればよい。
以下、図面に示した実施例に基いて本発明を詳細に説明する。図1は本発明のチャック袋の一実施例の一部断面斜視図であり、断面から先の部分は想像線(一点鎖線)で示している。図2は図1に示したチャック袋の断面図であり、袋本体の長さ方向の一部を省略している。図3(a)は本発明のチャック袋に使用するプラスチックチャックの一実施例の断面図、図3(b)は別の実施例の断面図である。
図1および図2に示すように、本発明のチャック袋は袋の開口部に設けたプラスチックチャックPCにスライダーSを装着したプラスチックチャック袋である。プラスチックチャックPCとしては、プラスチックフィルムFLの表面に一対の係合部が形成され、内容物側に袋体を構成するフィルムと溶着するためのフランジ部C−1、C−2が設けられたものであればよい。例えば、図3(a)に示すように、プラスチックフィルムFLの表面に雄雌一対の鈎爪が形成されたプラスチックチャックPCであって、雄鈎爪1−1の内側に該鈎爪と平行な連続締付け壁1−2を、雌鈎爪1−3の内側に該鈎爪と平行な連続押付けリブ1−4をそれぞれ有するプラスチックチャックや、図3(b)に示すようにプラスチックフィルムFLの表面に雄鈎爪2−1と雌鈎爪2−2が形成されたプラスチックチャックPCがあり、一対の係合部(雄鈎爪、雌鈎爪)がスライダーSにより開口あるいは閉止できるテープ状のプラスチックチャックである。
本発明の袋本体は2枚のフィルムから、または1枚のフィルムを2つ折りにして、形成される。図1に示した袋本体は2枚のフィルムから構成され、ここでは、一方のフィルムを表側フィルムF1、他方のフィルムを裏側フィルムF2と称する。図1に示すように、内容物を充填した状態では表側フィルムF1と裏側フィルムF2とは両横端ヒートシールHSおよび底部ヒートシールBHSにより接着されている。
表側フィルムF1はプラスチックチャックの内容物側フランジ部C−1にその上端部が接着される。この接着部CFはスライダーSの移動を妨げないように、スライダーSの下端よりも下方に位置する。
裏側フィルムF2もプラスチックチャックPCの他方の内容物側フランジ部C−2にスライダーSの下端より下方で接着されるが、裏側フィルムF2はその接着部CFよりも上方まで延長されている。この延長部EFはプラスチックチャックPCの上端TPを越えて上方まで延長され、そして折返されて、延長部EFの先端BPがチャックPCの上端TPより下側で且つフランジ部C−2と裏側フィルムF2との接着部CFよりも上側において延長部EFに接着されている。好ましくは、延長部EFの先端BPがスライダーSの下端より下側で且つフランジ部C−2と裏側フィルムF2との接着部CFよりも上側に位置するようにして延長部EFに接着する。
図1および図2に示した実施例においては、折返した延長部EFがチャック袋のヘッダー部となる。この折返した延長部EFに吊下げ用の孔等を形成すればよい。また、表側フィルムF1がチャック袋を吊下げた際に消費者の目に触れる側となる。図示した実施例では、折返し部分の先端BPをチャックの上端TPより下側に位置させているのは、ディスプレー効果をよくするためである。すなわち、折返し部分の先端BPをチャックの上端TPより上側に位置させた場合は、袋を構成するシーラントフィルム(シーラント層とも呼び、接着用フィルム層で袋の内面となるため印刷しない)がヘッダーの下部正面に見えるために、ディスプレー効果を著しく阻害するためである。
袋に通常使用される積層フィルム(2種類以上の層状のフィルムで構成される複合フィルムで最内層にシーラント層を設ける)では、袋のフィルムの外面とシーラント層は溶着しないので、裏側フィルムF2の延長部EFを折返す場合は、図1および図2に示すように、袋の内面となるシーラント層同士が対向するように折返すと、折返し部分の先端部BPを溶融接着でき、また、ヘッダー部となる延長部EFでは袋の外面となる面が現れているので、印刷ができる。なお、逆方向に延長部EFを折返すと、ヘッダー部となる部分はシーラント層が露出するが、通常のシーラント層は印刷可能に処理されていないので、印刷が綺麗にできず、ヘッダーとしては適していない。
図4(a)は本発明の袋体の横端ヒートシールと折返し部分の先端との位置関係を説明するための正面図であるがスライダーは省略して描かれている。図4(b)は図4(a)のF−F′線に沿った断面図である。図4(b)に示すように、折返し部分の先端BPの位置がチャックPCの雄、雌鈎爪より開口側でチャックの上端TPより内容物側にある場合、裏側フィルムF2の延長部EFは図4(a)に示すチャック末端部のB、B′、C′、Cで囲まれる部分およびb′、b、c、c′で囲まれる部分に対向する箇所においてシーラントフィルムが露出するために、袋の両横端をヒートシールHSした際に前記シーラントフィルムが露出した部分とチャックPCとが接着してしまう。
同様に、袋を構成するフィルムが単層で、袋の外表面がチャックと溶着可能な場合は、図4(a)に示すチャック末端部のA、A′、C′、Cで囲まれる部分およびa′、a、c、c′で囲まれる部分は袋の両横端をヒートシールHSした際に袋を構成するフィルムと接着してしまう。
このように、チャック末端部においてチャックPCと袋体を構成するフィルムFと接着すると、スライダーの形式によってはスライダーの操作に障害を起こすことがある。
この障害を回避するために、図4(a)、(b)に示すように、裏側フィルムF2の接着部CFから上側の延長部EFにおいて、袋の横端ヒートシールHSの延長線とチャックの上端TPが交差する位置までの間の部分(すなわちA、A′、C′、Cで囲まれる部分およびa′、a、c、c′で囲まれる部分)に対向した部分(前記囲まれる部分を裏側フィルムF2の延長部EFの上に投影した部分、すなわち、図1のα、α′、C′、Cおよびβ′、β、c、c′)を切欠く。このようにすると、チャック末端部と延長部EFは袋の両端部でチャックと接着することはない。シーラントフィルムの露出状態に応じて、前記範囲の一部を切欠いてもよいし、全部を切欠いてもよい。また、前記範囲の一部または全部を含んでいれば、前記範囲外に亙って切欠いてもよい。なお、前述したように裏側フィルムF2の延長部EFの先端BPがスライダーSの下端より下側で且つフランジ部C−2と裏側フィルムF2との接着部CFよりも上側に位置するようにして延長部EFに接着すれば、このような切欠きを形成する必要がない。
図1に示した実施例では、延長部EFを単に折返しただけであるが、別の実施例としては図示しないが、延長部EFを折返す際にフィルムの内部に心材を挿入してもよい。
図5は別の実施例の断面図であり、底部がヒートシールされていない状態で描かれている。この実施例においては、図1に示した実施例と異なって、裏側フィルムF2はプラスチックチャックの上端TPより上方に延びているが、この延長部EFは折返されていない。延長部EFにはヘッダー材HFが接着されている。ヘッダー材としては不織布、紙、フィルムなどの各種材料やこれらを貼合わせた複合フィルムなどが使用できる。ヘッダー材HFの内容物側先端部BPは前述した実施例と同様にチャックPCの上端TPより下側で且つフランジ部C−2と裏側フィルムF2との接着部CFよりも上側において延長部EFに接着されている。好ましくは、延長部EFの先端BPがスライダーSの下端より下側で且つフランジ部C−2と裏側フィルムF2との接着部CFよりも上側に位置するようにして延長部EFに接着する。なお、開いている底部はそこから内容物を充填した後にヒートシールBHSされる。
図6は更に別の実施例の断面図である。この実施例においては、図1の実施例と異なって、裏側フィルムF2には延長部が存在せず、その上端部はプラスチックチャックの内容物側フランジ部C−2に接着される。この接着部CFはスライダーSの移動を妨げないように、スライダーSの下端よりも下方に位置する。また、ヘッダー材HFの内容物側先端部BPが接着部CFより上方で且つスライダーSの下端よりも下方に位置するようにしてフランジ部C−2に接着されている。
前述した各種実施例において、消費者が使用する際にヘッダーが邪魔になると思われる場合は、ヘッダーの下部にミシン目等の切取り線を設けて、ヘッダー部を切取り可能としてもよい。この切取り線はチャックの上端TPより内容物側(下側)で且つチャックのフランジ部と裏側フィルムの接着部CFより開口側(上側)に位置することが望ましい。
図3(a)および(b)に示したプラスチックチャックは開封検知機能(いたずら防止機能)を備えていないが、本発明の袋に適用するスライダー付きプラスチックチャックとしては開封検知機能(いたずら防止機能)を備えたものが好ましい。以下に本願発明者が先に特願2003−392350号において提案した高気密性(密封機能)で開封検知機能(いたずら防止機能)を備えたプラスチックチャックを図7から図10に基いて説明する。なお、本発明に適用できる開封検知機能を備えたプラスチックチャックは、図示した実施例に限られるものではない。
図7はスライダーSとチャックの係合部との関係を示す断面図であり、図7(a)はスライダー閉止端部付近でチャックが未開封状態の断面図であり、(b)はチャックの閉止端におけるスライダー開口端部付近でチャックが未開封状態の断面図であり、(c)はスライダー開口端部付近でチャックが開封状態の断面図である。図7に示したプラスチックチャックは、図3(a)に示したものと同様に雄鈎爪1−1の内側に該鈎爪と平行な連続締付け壁1−2を、雌鈎爪1−3の内側に該鈎爪と平行な連続押付けリブ1−4をそれぞれ有している。更に、開口側フランジ部C−3、C−4の端部にスライダー案内突起部分G−1、G−2をそれぞれ有している。図3(a)のものと異なって、雌鈎爪1−3−1の頂部とそれに対向する雄鈎爪の開口側フランジ部C−3とに易剥離プラスチック層Aが設けられている。図7(a)および(b)に示すように、未開封状態においては開口側の雌鈎爪1−3−1の頂部とそれに対向する雄鈎爪の開口側フランジ部C−3とが易剥離プラスチック層Aにより接着されている。また、図示していないが、連続締付け壁1−2と連続押付けリブ1−4とが易剥離プラスチック層により接着されていることが好ましく、より高気密性が得られる。。
図7(a)においては、スライダーSの開口ガイドS2の先端部S1が開口側の雌鈎爪1−3−1と一対のスライダー案内突起G−1、G−2との間に位置している。この開口ガイドS2の先端部S1は幅が狭く、チャックの開口側フランジ部C−3、C−4を変形させていない。またスライダーの上部S3の内壁はチャックのスライダー案内突起G−1、G−2に接触していない。
図7(b)はチャックの閉止端に位置したスライダーSの開口ガイドS2の開口力を無力化する構造を説明する断面図である。スライダーSがチャックの閉止端に位置した際に、チャックの開口側フランジ部C−3、C−4の、スライダーSの開口ガイドS2に対応する箇所に、スリットSL−1、SL−2を設けている。スリットSL−1、SL−2によって、開口側フランジ部C−3、C−4が伸びて開口ガイドS−2の開口力を無力化し、チャックの開口端で開口ガイドS2によりチャックの係合が解かれることを防止できる。
スライダーSをチャックの閉止端からチャックの開口端に向けて移動すると、図7(c)に示すようにスライダーSの上部S3に設けられた溝部S4によりスライダー案内突起G−1、G−2が拘束されるとともに、開口ガイドのプレート部S2が開口側フランジ部C−3、C−4を押し拡げる。このため、チャックの易剥離プラスチック層Aによる接着部分は剥離し、雌雄の鈎爪の係合も解除され、開封した状態となる。
スライダーSを上述と逆にチャックの開口端からチャックの閉止端に移動させると、チャックは再び全閉するが、上述のようにして剥離した易剥離プラスチック層Aは剥離したままの状態である。このため、開封されたことが容易に判断できる。
このようにこの実施例のプラスチックチャックを適用すると、チャック付袋のチャックが未開封状態では、スライダーSはチャックの閉止端にあり、図7(a)、(b)に示すように、チャックの雌鈎爪1−3−1の頂部と雄鈎爪の開口側フランジ部C−3との間の易剥離プラスチック層Aによる接着部分は剥離しておらず、密封状態に保たれている。その結果、チャックの閉止端から開口端に向かってスライダーSをスライドさせない限り、易剥離プラスチック層Aによる接着部分は接着されたままであり、チャックは密閉を維持できる。そして、不正に開開封された場合は、雌鈎爪1−3−1の頂部と雄鈎爪の開口側フランジ部C−3とが離れたままとなっているので、目視により容易に開封されたことが検知できる。
図8(a)は、本発明の別のプラスチックチャックの実施例であり、図7(a)と同様に未開封状態を示す断面図であり、図8(b)はこの実施例の図7(c)と同様に開封状態を示す断面図である。この実施例のチャックはプラスチックフイルムの表面に雄雌一対の鈎爪が形成された汎用形スライダー付きプラスチックチャックであり、チャックの係合部の近傍のフランジ部に少なくとも先端部分が可撓性を有する突起が設けられている。図示した実施例では可撓性の突起5−1が雌鈎爪の近傍の開口側フランジ部C−4に設けられ、突起5−1の先端部および雄鈎爪の開口側フランジ部C−3の表面に易剥離プラスチック層Aが設けられており、未開封状態では突起5−1とフランジ部C−3とが易剥離プラスチック層Aにより溶融接着されている。
チャックtがスライダーSの閉止端部にあると、図8(a)に示すように、開口ガイドの先端部S1が突起5−1と一対のスライダー案内突起G−1、G−2との間に位置している。図7(a)と同様に、この開口ガイドの先端部S1は幅が狭く、チャックの開口側フランジ部C−3、C−4を変形させていない。またスライダーの上部S3の内壁はチャックのスライダー案内突起G−1、G−2に接触していない。
図8(b)においては、図7(c)と同様に、スライダーの上部S3に設けられた溝部S4によりスライダー案内突起G−1、G−2が拘束されるとともに、開口ガイドのプレート部S2が開口側フランジ部C−3、C−4を押し拡げている。このため、スライダーSをチャックの閉止端からチャックの開口端に向かってチャック上をスライドさせると、易剥離プラスチック層Aによる突起5−1とフランジ部C−3との接着部分は剥離し、また、雌雄の鈎爪3−1、3−2の係合も解除され、開封した状態となる。
図8に示したプラスチックチャックも一旦開封すると、再びチャックを閉じても、突起5−1とフランジ部C−3との接着部分は離れたままとなるので、外観から開封されたことが分かる。すなわち、開封検知機能を備えている。従って、いたずら防止効果がある。
図9はプラスチックチャックの別の実施例を示す断面図でありスライダーは省略して描かれている。この実施例は内容物側の雌鈎爪3−2−2の頂部に可撓性の突起5−1があり、突起5−1およびこの突起5−1と対向するフランジ部C−3の箇所の少なくとも一方に易剥離プラスチック層Aが設けられている。未開封状態では、この突起5−1は対向する内容物側フランジ部C−3に内容物側に撓んだ状態で接触し且つ易剥離プラスチック層Aにより溶着している。
この実施例のプラスチックチャックも一旦開封すると、再びチャックを閉じても、突起5−1とフランジ部C−3との接着部分は離れたままとなるので、外観から開封されたことが分かる。すなわち、開封検知機能を備えており、いたずら防止効果がある。
図10はプラスチックチャックの雄鈎爪および雌鈎爪の開口側フランジ部にスライダー装着用突起G−1、G−2を設けた実施例の断面図である。図10のプラスチックチャックはその係合部の形状は図3(a)に示したものと同じであるが、係合部が易剥離プラスチック層A−2を介して溶着されている。この実施例においては、プラスチックチャックの雄鈎爪1−1の開口側フランジ部C−3と雌鈎爪1−3の開口側フランジ部C−4のそれぞれに突起G−1、G−2を設けられている。突起G−1の先端は凸状であり、それと対向する突起G−2の先端は凹状であり、突起G−1の先端部は可撓性を有し、その表面に予め易剥離プラスチック層A−5が設けられている。両突起は接着されていない状態では間隔ζが開くが、係合部を溶着した後に両突起は易剥離プラスチック層A−5して溶着される。
なお、図10に示した実施例では突起G−1、G−2の先端部の形状が凹凸になっており、このような形状にすると超音波振動に対して安定して接着できるが、この形状に限定されるものではない。また、超音波により安定した状態で両突起G−1、G−2を接着するに、突起G−1またはG−2が可撓性を有していることが好ましい。前述した説明では突起G−1の先端部が可撓性を有するとしたが、突起が全体として可撓性を有していてもよい。なお、突起G−1、G−2の溶着は連続したものでもよいし、スポット的であってもよい。
この実施例のプラスチックチャックも一旦開封すると、再びチャックを閉じても、突起G−1と突起G−2との接着部分は離れたままとなるので、外観から開封されたことが分かる。すなわち、開封検知機能を備えており、いたずら防止効果がある。
前述した図7〜図10示したようなプラスチックチャックは内容物の長期保存が可能となるような高度の密閉性が得られると共に、開口も容易であり、しかも不正開封が明示される機能を併せ持つスライダー付きプラスチックチャックであり、これらを本発明のヘッダー付きチャック袋に適用することが好ましい。
本発明のチャック袋に内容物を充填するには、プラスチックチャックの内容物側フランジ部と袋を構成するフィルムとの接着部CF以外の袋の周縁を開いた状態としておき、その開いた箇所から内容物を充填した後に、前記開いた箇所をシールすればよい。例えば、図5に示すように、底開き袋を用いて底部から内容物を充填した後に底部をヒートシールなどで密封すればよい。
また、袋の底部にガゼット等が設けてあるために底開きができない場合や1枚のフィルムを2つ折りにして表側フィルムと裏側フィルムとする場合(すなわち袋の底部で繋がっている場合)は次のようにして内容物を充填すればよい。図11は図2に示したものと同様のチャック袋の断面図であるが、内容物を充填する前の状態である。すなわち、プラスチックチャックの内容物側のフランジ部C−1、C−2にそれぞれ接着して袋を構成するフィルムF1、F2は図1に示すようにチャックと袋の両端ではヒートシールHSによって接続しているが、袋の中央部では図1のA−A′断面図に相当する図11に示すように、フィルムF1またはF2とフランジC−1またはC−2の何れか一方のみ接着し、他方を接着せずに開口部OPとしておく。そして、図11の開口部OPから内容物を充填した後に、フィルムF1またはF2とチャックのフランジ部C−1またはC−2をシールすればよい。
本発明において、チャックの内容物側のフランジ部C−1、C−2と袋を構成するフィルムとを溶着する場合、本願発明者が特開平2002−337892号公報において提案したような技術を用いることが好ましい。すなわち、チャックの内容物側のフランジ部C−1、C−2とチャック本体(係合部)とを異なった融点を有する樹脂を使用したプラスチックチャックを使用する。そして、フランジ部C−1、C−2の溶着部表面の融点Tfs(℃)、チャック本体(係合部)の融点Tft(℃)、袋を構成するフィルムFのシーラント層の融点Ts
(℃)とすると、これらが下記の式の範囲内である樹脂を用いると、自動充填などでヒートシール温度やヒートシール時間が多少変動しても安定した接着ができる。
Tft(℃)−Tfs(℃)=+10(℃)〜+80(℃)
Ts
(℃)−Tfs(℃)=−10(℃)〜+60(℃)
本発明のスライダー付きチャック袋の製造工程の一例を図12に基いて説明する。袋を構成する2枚のフィルムの内、ヘッダーを構成する延長部分に相当する長さだけ他方のフィルムより幅が広い方のフィルム(裏側フィルム)を下面に位置させてフィルムロールX2から、袋を構成する他方のフィルム(表側フィルム)をフィルムロールX1から、両フィルムの一方の端部を引揃えた状態で繰り出し、ダンサーロールX4を介して製袋機に供給する。
(℃)とすると、これらが下記の式の範囲内である樹脂を用いると、自動充填などでヒートシール温度やヒートシール時間が多少変動しても安定した接着ができる。
Tft(℃)−Tfs(℃)=+10(℃)〜+80(℃)
Ts
(℃)−Tfs(℃)=−10(℃)〜+60(℃)
本発明のスライダー付きチャック袋の製造工程の一例を図12に基いて説明する。袋を構成する2枚のフィルムの内、ヘッダーを構成する延長部分に相当する長さだけ他方のフィルムより幅が広い方のフィルム(裏側フィルム)を下面に位置させてフィルムロールX2から、袋を構成する他方のフィルム(表側フィルム)をフィルムロールX1から、両フィルムの一方の端部を引揃えた状態で繰り出し、ダンサーロールX4を介して製袋機に供給する。
製袋機では折返し板X31で延長部分を折返す。この際、折返し部分の先端部の位置が製品においてチャックの雄、雌一対の鈎爪の下端より内容物側で且つチャックのフランジ部とフィルムとの接着部となる箇所より開口側に位置するように設定して折返す。もし、折返し部分の先端部が接着部となる箇所に達していると、後工程で裏側フィルムとフランジ部とを接着する際に折返し部分が接着を阻害することがあるので、折返し過ぎないように折返し寸法を決める。
続いて、ヒートシール機X5で折返し部分を縞模様などがデザインされたヘッダー部に成形する。ヘッダー部を成形後に必要に応じて、ミシン目形成装置X51でヘッダー切断のためのミシン目を形成したり、穿孔装置X52によりヘッダー中央部の吊下げ用穴の穿孔を行ったり、延長部の端部を切欠きを行う。ヒートシール機X5、ミシン目形成装置X51、穿孔装置X52で裏側フィルムの加工を行う際にこれらの装置と表側フィルムとが接触する虞れのある場合は、表側フィルムの引揃えていない方の端部をガイド等を用いて一時的に上方に折り曲げておくとよい。
一方、図10に示したようなフランジ部C−1、C−2を雄、雌鈎爪の内容物側にそれぞれ有し且つ雄、雌鈎爪を開閉できるスライダーを装着可能なテープ状のプラスチックチャックであって、係合部が易剥離性プラスチックA−2を介して連続的に溶着された高気密性チャックをチャックロールX3から繰り出して、フィルムの所定の位置にセットした後、ヒートシール機X6でフィルムにチャックを溶着する。この際に、前述したように折返し部分の先端部がチャックの雄、雌一対の鈎爪1−1、1−3の下端より内容物側で且つチャックのフランジ部と裏側フィルムとの接着部より開口側に位置させるようにチャックの位置を決める。
次に、チャック閉止端加工装置X7でチャックの閉止端の所定位置に切欠などの開封防止加工を施し、必要に応じて封止機X71でシールバーを用いて不正開封防止のためチャック上部のスライダー装着部以外の部分で突起G−1、G−2を易剥離性プラスチックA−5(図10参照)を介して溶着する。
超音波ヒートシール機X9でチャックの末端部をポイントシールするが、ポイントシールのチャック長手方向の長さ(幅)は縦ヒートシール機X10の縦ヒートシール幅よりも若干大きくする。縦ヒートシール幅よりもポイントシールの幅が小さいと、縦ヒートシールをする際に、スライダーの形式によってはヒートシールーバーとスライダーが接触する虞れがある。
自動供給装置X81より供給されたスライダーをスライダー自動装着装置X8により、開封防止加工を施した位置でチャックに装着する。なお、スライダー自動装着装置X8、ヒートシール機X9で加工を行う際に、これらの機械とヘッダー部が接触するのを避けるために、これらの加工位置ではヘッダーの端部をガイド等を用いて一時的に下方に折り曲げる。
続いて、縦ヒートシール機X10でチャック左右端部と袋体のフィルム部をチャックと直角方向にヒートシールする。この際、ヘッダー模様のつなぎ目等を消すためにヘッダー左右端部を装飾のヒートシールをしてもよい。最後にギロチンカッターX12でチャック末端のヒートシール部を切断する。これによって製品である係合部が易剥離性プラスチックを介して溶着され且つヘッダーを設けた高気密性スライダー付きチャック袋体X13が生産される。このチャック袋体X13は底部が開いている状態であるので、その後、底部から内容物を充填して、底部をヒートシールBHSすればよい。
本発明の係合部が易剥離性プラスチックを介して溶着されたスライダー付き高気密性チャックを組入れ、内容物の自動充填を含めた製袋を連続的に実施する工程を図13に基いて説明する。但し、工程の前半は図12と同様であるため詳しい説明は省略する。
図13において袋を構成する2枚のフィルムの内、幅が広い方のフィルム(裏側フィルム)を下面に位置させてフィルムロールY2から、袋を構成する他方のフィルム(表側フィルム)をフィルムロールY1から、両フィルムの一方の端部を引揃えた状態で繰り出し、ダンサーロールY4を介して製袋機に供給する。
製袋機では折返し板Y31で延長部分を折返し、ヒートシール機Y5で折返し部分をヘッダー部に成形する。ヘッダー部を成形後に必要に応じて、ミシン目形成装置Y51でヘッダー切断のためのミシン目を形成したり、穿孔装置Y52によりヘッダー中央部の吊下げ用穴の穿孔を行ったり、延長部の端部を切欠きを行う。
一方、図10に示したようなフランジ部C−1、C−2をそれぞれ有し且つスライダーを装着可能なテープ状のプラスチックチャックであって、係合部が易剥離性プラスチックを介して溶着された高気密性チャックをチャックロールY3から繰り出して、フィルムの所定の位置にセットした後、ヒートシール機Y6でフィルムにチャックを溶着する。この際、折返し部分の先端部がチャックの雄、雌一対の鈎爪の下端より内容物側で且つチャックのフランジ部と裏側フィルムとの接着部より開口側に位置させるようにチャックの位置を決める。
次に、チャック閉止端加工装置Y7でチャックの閉止端の所定位置に切欠などの開封防止加工を施し、超音波ヒートシール機Y9でチャックの末端部をポイントシールした後、スライダー自動装着装置Y8で開封防止加工を施した位置にスライダーを装着する。この際にスライダーはスライダー自動供給装置Y81より供給される。
必要に応じて封止機Y10で加熱シールバーを用いて不正開封防止のためチャック上部のスライダー装着部以外の部分で突起部を易剥離性プラスチックを介して溶着したり、ラベラーY11でシールしたりする。なお、封止機Y10の設置位置はこの位置に限定されず、超音波ヒートシール機Y9とチャック閉止端加工装置Y7の間に位置してもよい。
続いて、縦ヒートシール機Y12でチャック左右端部と袋体のフィルム部をチャックと直角方向にヒートシールした後、充填機Y14で袋の底部から内容物を充填する。充填した後、底部をヒートシール機Y15で閉じた後、ギロチンカッターY16でチャック末端部と袋体のフィルムのヒートシール部を切断する。これによって製品である内容物充填済みの係合部が易剥離性プラスチックを介して溶着されたスライダー付き高気密性チャック付き袋体Y17を生産できる。
サイズ140mm幅×200mm高さの底開きスライダー付き平袋で袋の頂部に50mmのヘッダーを設けた袋の中央部の縦断面が図2のような袋を図12のような製袋機を用いて次のようにして製造した。袋を構成するフィルムとして、内側に60μのL−LDPEフィルムと外側に20μのポリアミドフィルムをドライラミネートした積層フィルムを用いた。袋を構成する2枚のフィルムの内、製袋機上において下面に位置させる幅が310mmである一方のフィルム(裏側フィルム)はフィルムロールX2から、上面に位置する幅が190mmである他方のフィルム(表側フィルム)をフィルムロールX1から、両フィルムの一方の端部を揃えた状態でそれぞれ繰り出し、ダンサーロールX4を介して製袋機に供給した。
製袋機では、折返し部分の先端部が表側フィルムの他方の端部(すなわち、引揃えていない方の端部)と突き合わせるように折返し板X31で延長部分を折返した。この時、折返し部分の長さは60mmとなった。続いて、ヒートシール機X5で折返し部分を縦縞模様がデザインされたヘッダーに成形した。顧客が袋を使用する時に不要になったヘッダーを切断出来るように折返し先端部から1mm内容物側にミシン目形成装置X51でミシン目をつけ、穿孔装置X52でヘッダー中央部に直径6mmの吊穴を穿孔した。これらの加工を行う際に、前記装置と表側フィルムとが接触する虞れがあるため、表側フィルムの前記他方の端部をガイドプレートで上方に折り曲げた。
一方、プラスチックチャックとして、図10のような幅14mmのフランジ部C−1、C−2を内容物側に設けた係合部の幅が3mmの雄、雌鈎爪を有し且つ鈎爪を開閉するため端部に突起G−1、G−2を有する幅3mmの開口リブC−3、C−4を鈎爪の開口側に設けた全幅20mmのスライダー装着可能なテープ状のプラスチックチャックを用いた。このプラスチックチャックは係合部が易剥離性プラスチックA−2を介して連続的に溶着された高気密性チャックであり、これをチャックロールX3から繰り出して、表側フィルムの引き揃えていない方の端部からチャックの開口側が10mm露出する位置にセットした。従って、折返し部分の先端部BP(図2参照)および表側フィルムの前記端部はチャックの鈎爪の内容物側端部(下端)から4mm内容物側に位置する。そして、チャックの鈎爪の内容物側端部(下端)とヒートシール部の開口側端部(上端)の距離が6mmである位置にヒートシール機X6のシールバーをセットし、それぞれのフィルムとフランジ部をチャックと平行に5mmの幅でヒートシールした。
次に、チャック閉止端加工装置X7でチャックの閉止端の所定位置に特願2002−364762号で本願発明者が開示した開封防止のための切欠を施し、封止機X71でシールバーを間欠的に用いて不正開封防止のためスライダーを装着する位置(開封防止加工を施した位置)以外のチャック上部の突起部同士を易剥離性プラスチックを介して接着した。そして、超音波ヒートシール機X9でチャックの末端部をポイントシールした後スライダー自動装着装置X8で開封防止加工を施した位置にWO 03/022697号公報で本願発明者が開示した形式のスライダーを装着した。この際にスライダーはスライダー自動供給装置X81より供給した。
続いて、縦ヒートシール機X10でチャック左右端部と袋体のフィルム部をチャックと直角方向にヒートシールした。この際にヘッダー模様のつなぎ目等を消すためにヘッダー左右端部を装飾のヒートシールをした。最後にギロチンカッターX12でチャック末端のヒートシール部を切断することによって製品である要部が易剥離性プラスチックを介して溶着されたヘッダーを設けた高気密性スライダー付きチャック袋体X13を200枚製造した。
これらから無作為に30枚を取出しこの内15枚をスライダーでチャックを開口したところ総ての袋で開口できたので、スライダーで再封止した。未開封の袋と開口して再封止した袋は開口側の突起部の接着状態で明らかに識別できた。このためいたずら防止に効果があると判断した。
未開封の袋15枚と再封止した袋15枚にそれぞれ下部から水500ccを充填し、下部をヒートシールした後、チャック部を下方にして48時間放置したが、何れの袋からも水漏れは無かった。袋の密閉性能は再開封後でも保てると判断した。
実施例1で製造した2枚の袋にそれぞれ内容物として個包装した飴120gを下部から充填して下部をヒートシールした。同様の2枚の袋にそれぞれ内容物として海苔巻き煎餅80gを下部から充填して下部をヒートシールした。この両者をヘッダーに形成した吊下げ用穴で吊り下げるとスライダーを含むチャック部分が前面にせり出し、スライダーで容易に開閉できるチャック袋入りの商品であることを目視で認識できた。他のチャック付き袋のようにチャック付き袋であると袋に記載しなくても、スライダーで容易に開閉できるチャック袋入りの商品であると消費者に容易にアピールできると判断した。
次に、飴と煎餅を充填した袋の内それぞれ1袋をスライダーで開口したところ容易に開口でき、内容物を取出すことができた。開封後スライダーで再封止した後、ヘッダーで吊り下げた状態でこれらと飴と煎餅を充填した未開封の袋とを、それぞれ外観を比べると突起部の接着状態で明らかに両者を識別できた。このためいたずら防止に効果があると判断した。
再封止した袋のヘッダー部をミシン目に沿って切取ったところ、容易に切取れた。ヘッダーを切取ることによって袋が小さくなり、内容物の出し入れが容易になる、保管に場所を取らない、袋を他用途に利用し易い等の利点があることが分かった。
また、袋の長さが200mm(袋の下端からチャックの上端までの長さ)に対して、ヘッダー部(チャック上端から上方に突出している長さ)が50mmで全面積の1/5しか占めないこと、および袋を空気でやや膨らませた含気包装であるため、ヘッダー部のディスプレー効果は限定的であった。
実施例1で製造した深さ200mmの袋の下部を切断して、深さを100mmと短くした袋2枚を作った。この袋に内容物としてそれぞれスライスしたサラミソーセージ50gを下部から充填し、真空包装して下部をヒートシールした。これをヘッダーで吊り下げるとスライダーを含むチャック部分が前面にせり出し、スライダーで容易に開閉できるチャック袋入りの商品であると、一目で認識できた。
次に、サラミソーセージを充填した袋の内1袋をスライダーで開口したところ、真空包装であるにもかかわらず容易に開口でき、内容物を取出すことができた。スライダーで袋を再封止した後、ヘッダーで吊り下げた状態で、再封止したものと未開封のサラミソーセージ袋との外観を比べると、突起部の接着状態で明らかに両者を識別できた。このためいたずら防止に効果があると判断した。
また、真空包装であるので、袋には皺が生じた。このため、実施例2の飴や煎餅のような含気包装に比べると袋本体のディスプレー効果は大幅に低下したが、全体の1/3の面積を占めるヘッダーは極めて有効なディスプレー効果を発揮した。従って、袋の面積に対するヘッダー部の面積の割合が大きく、袋の表面に凹凸があるために袋の表面の印刷効果が減ずると、ヘッダーによるディスプレー効果が大きくなることが分かった。
F1 袋体を構成する表側フィルム
F2 袋体を構成する裏側フィルム
EF 裏側フィルムの延長部
BP 折返された延長部の先端
PC プラスチックチャック
C−1 プラスチックチャックの一方の内容物側フランジ部
C−2 プラスチックチャックの他方の内容物側フランジ部
CF 内容物フランジ部と裏側フィルムとの接着箇所
TP プラスチックチャックの上端
S スライダー
HS 袋の横端ヒートシール
BHS 底部シール部
HF ヘッダー材
F2 袋体を構成する裏側フィルム
EF 裏側フィルムの延長部
BP 折返された延長部の先端
PC プラスチックチャック
C−1 プラスチックチャックの一方の内容物側フランジ部
C−2 プラスチックチャックの他方の内容物側フランジ部
CF 内容物フランジ部と裏側フィルムとの接着箇所
TP プラスチックチャックの上端
S スライダー
HS 袋の横端ヒートシール
BHS 底部シール部
HF ヘッダー材
Claims (10)
- 袋の開口部にテープ状プラスチックチャックを設けたチャック袋であって、前記プラスチックチャックはプラスチックフィルムの表面に一対の係合部が形成され、該係合部の内容物側にそれぞれフランジ部を有するとともに該係合部を開口・閉止するスライダーを有しており、袋体を構成する表側フィルムの上端部がスライダーの下端より下方で一方のフランジ部に接着されており、袋体を構成する裏側フィルムは前記プラスチックチャックよりも上方まで延長されており且つ他方のフランジ部にスライダーの下端より下方で接着されており、前記裏側フィルムの延長部は折返されてその先端がチャックの上端より下側で且つ前記フランジ部と裏側フィルムとの接着箇所よりも上側において前記延長部に接着されており、該延長部がチャック袋のヘッダー部となることを特徴とするスライダー付きチャック袋。
- 袋の開口部にテープ状プラスチックチャックを設けたチャック袋であって、前記プラスチックチャックはプラスチックフィルムの表面に一対の係合部が形成され、該係合部の内容物側にそれぞれフランジ部を有するとともに該係合部を開口・閉止するスライダーを有しており、袋体を構成する表側フィルムの上端部がスライダーの下端より下方で一方のフランジ部に接着されており、袋体を構成する裏側フィルムは前記プラスチックチャックよりも上方まで延長されており且つ他方のフランジ部にスライダーの下端より下方で接着されており、前記裏側フィルムの延長部にヘッダー材が固着され、該ヘッダー材の下端部がチャックの上端より下側で且つ前記フランジ部と裏側フィルムとの接着箇所よりも上側において前記延長部に固着されており、前記延長部と前記ヘッダー材がチャック袋のヘッダー部となることを特徴とするスライダー付きチャック袋。
- 袋の開口部にテープ状プラスチックチャックを設けたチャック袋であって、前記プラスチックチャックはプラスチックフィルムの表面に一対の係合部が形成され、該係合部の内容物側にそれぞれフランジ部を有するとともに該係合部を開口・閉止するスライダーを有しており、袋体を構成する表側フィルムの上端部がスライダーの下端より下方で一方のフランジ部に接着されており、袋体を構成する裏側フィルムの上端部がスライダーの下端より下方で他方のフランジ部に接着されており、ヘッダー材の下端部がチャックの上端より下側で且つ前記フランジ部と裏側フィルムとの接着箇所よりも上側において前記他方のフランジ部に固着されていることを特徴とするスライダー付きチャック袋。
- スライダー付きチャック袋を構成するプラスチックチャックが開封検知機能を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスライダー付きチャック袋。
- 前記係合部を形成する雌鈎爪の頂部あるいは該頂部と対向する雄鈎爪側のフランジ部の表面に易剥離プラスチック層が予め設けられ、該易剥離プラスチック層が溶融接着されることを特徴とする請求項4記載のスライダー付きチャック袋。
- 前記係合部の少なくとも一方の係合部にプラスチックチャックの長手方向に延びる1本以上の突起が設けられ、該突起は少なくとも先端部分が可撓性を有し、該突起あるいは該突起と対向する他方の係合部の表面に易剥離プラスチック層が予め設けられ、該易剥離プラスチック層が溶融接着されることを特徴とする請求項4記載のスライダー付きチャック袋。
- 係合部の近傍の少なくとも一方のフランジ部にプラスチックチャックの長手方向に延びる1本以上の突起が設けられ、該突起は少なくとも先端部分が可撓性を有し、該突起あるいは該突起と対向する他方のフランジ部の表面または突起の表面に易剥離プラスチック層が予め設けられ、該易剥離プラスチック層が溶融接着されることを特徴とする請求項4記載のスライダー付きチャック袋。
- フランジ部の開口側端部に一対の突起が設けられ、該突起の少なくとも一方に易剥離プラスチック層が予め設けられ、該易剥離プラスチック層が溶融接着されることを特徴とする請求項4記載のスライダー付きチャック袋。
- 袋体を構成する表側フィルムまたは裏側フィルムの一方は内容物を充填する前はプラスチックチャックのフランジ部に接着されておらず開いており、該開いた箇所から内容物を充填した後にプラスチックチャックのフランジ部に接着されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスライダー付きチャック袋。
- 袋体を構成する表側フィルムおよび裏側フィルムは内容物を充填する前は袋体の下端部または横端部の少なくと一部分が開いており、内容物を充填した後に該開いた箇所のフィルムが互いに接着されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスライダー付きチャック袋。
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JP2003417871A JP2005178791A (ja) | 2003-12-16 | 2003-12-16 | スライダー付きチャック袋 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006016539A1 (ja) * | 2004-08-12 | 2006-02-16 | C.I. Kasei Company, Limited | 嵌合具及び嵌合具付包装用袋体 |
-
2003
- 2003-12-16 JP JP2003417871A patent/JP2005178791A/ja active Pending
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KR100819549B1 (ko) * | 2004-08-12 | 2008-04-08 | 씨. 아이. 카세이 가부시기가이샤 | 감합구 및 감합구가 부착된 포장용 주머니체 |
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