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JP2005176464A - リニアモータ - Google Patents

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JP2005176464A
JP2005176464A JP2003410867A JP2003410867A JP2005176464A JP 2005176464 A JP2005176464 A JP 2005176464A JP 2003410867 A JP2003410867 A JP 2003410867A JP 2003410867 A JP2003410867 A JP 2003410867A JP 2005176464 A JP2005176464 A JP 2005176464A
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Japan
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phase
coil
linear motor
coils
hollow
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JP2003410867A
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English (en)
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Takeshi Moriyama
毅 森山
Ikuma Nariyoshi
郁馬 成吉
Tomoyuki Hoshikawa
朋之 星川
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Toei Electric Co Ltd
Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
Toei Electric Co Ltd
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Priority to DE112004002360.2T priority patent/DE112004002360B4/de
Priority to US10/582,552 priority patent/US8110950B2/en
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Abstract

【課題】電機子が軽量化されるとともに、推力変動のないリニアモータを提供する。
【解決手段】導電線を筒状に巻いた中空の3相コイル3を有する電機子と、磁極が3相コイル3の外周面に対向し、かつ、同じ極性の磁極が対向するように配置された複数の磁石60と、を有し、対向する磁石間に3相コイル3のみが存在する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リニアモータに関する。
コアレスリニアモータは、電機子にコア(鉄心)を持たないタイプのリニアモータであり、コギングがなく推力変動が小さい、精密制御が容易等の特徴をもつ。このコアレスリニアモータは、たとえば、工作機械、射出成形機、半導体製造装置等の各種分野に用いられている。コアレスリニアモータの構造は、たとえば、特許文献1等に開示されている。
たとえば、特許文献1に開示されているようなコアレスリニアモータの可動子では、可動子の剛性を確保するために、ステンレスやFRP等の非磁性材料からなるプレート状の保持板の両面に扁平に形成された複数のコイルが樹脂で固定される。この保持板を直線状に配列された一対の永久磁石列の間に配置し、一方の永久磁石列から他方の永久磁石列に向かう磁束とコイルに流れる電流との相互作用によって、左手のフレミング則に基づく推力が発生する。
特開2002−165434号公報
ところで、上記のような構造のコアレスリニアモータでは、コイルの剛性が低いため、剛性を確保するための保持板が必ず必要である。このため、可動子が重くなり、制御応答性が低下するという不利益が存在した。
また、コイルの保持板をステンレス等の非磁性の金属を用いると、保持板は磁気回路の磁束の通路にあるため、保持板を可動子が直線運動したときに保持板に誘導電流が流れることで推力とは逆方向の力が発生し、推力変動の原因となる。
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電機子が軽量化されるとともに、推力変動のないリニアモータを提供することにある。
本発明のリニアモータは、導電線を筒状に巻いた中空の3相コイルと、磁極が前記中空の3相コイルの外周面に対向し、かつ、同じ極性の磁極が対向するように配置された複数の磁石とを有する。
好適には、前記中空の3相コイルは、各相のコイルが筒状に整列多層巻きされ、かつ、接着剤で固められており、電気絶縁性の部材を介して端面が互いに結合されている
さらに好適には、前記中空の3相コイルは、互いに逆位相の磁界を発生させる第1および第2の中空の3相コイルとから構成され、前記第1および第2の中空の3相コイルの対応する各相のコイルは隣接して配置されている。
また、本発明のリニアモータは、導電線を筒状に巻いた中空の3相コイルと、磁極が前記中空の3相コイルの外周面に対向し、かつ、同じ極性の磁極が対向するように配置された複数の磁石と、非磁性で、かつ、電機絶縁性の材料で形成され、前記中空の3相コイルの各相のコイルの内周を共通に支持する中空の補強部材とを有する。
本発明では、電機子に用いる3相コイルを導電線を筒状に巻いて形成するため、コイルの断面2次モーメントを大きくとることができ、コイルの剛性、特に、曲げ、せん断剛性が高まる。また、導電線を筒状に整列多層巻きし、かつ、接着剤で固め、電気絶縁性の部材を介して端面を互いに結合することで、コイル自体の剛性が飛躍的に高まる。この結果、コイル内にコイルの剛性を確保するための金属部材が不要となり、電機子が大幅に軽量化される。
また、本発明では、コイルを極性が同じ磁極が対向配置された磁石間に配置するとともに、対向する磁石間に中空のコイルのみを配置し、磁石間にヨーク等の磁性体やコイルを保持する金属板などの導電体が存在しない。このため、対向する磁石の磁束は向きが相反し、かつ、コイル内部にヨークなどの磁性体が存在しないので、磁束は磁石に近い位置にあるコイルには到達するが、3相コイルの内部にはほとんど到達しない。
対向する磁石の一方の磁束とコイルとの間で発生する力の向きと、他方の磁束とコイルとの間で発生する力の向きとは同じ向きとなり、これがリニアモータの推力となる。
また、磁石間にコイル以外の導電体がないため、コイル以外に誘導電流が発生することがない。この結果、磁性体の磁気飽和による推力低下およびコイル以外の導電体に流れる誘導電流に起因する推力とは逆方向の力による推力変動がない。
さらに、本発明では、3相コイルに対して逆相の関係にある3相コイルを各相コイルに隣接して配置する。互いに隣接するコイルの内部では、相反する向きの磁束が発生し、互いに打ち消し合う。この結果、コイルからの磁束が磁石の形成する磁界へ悪影響を与えることがない。
また、本発明では、渦電流損失も回避でき、モータ効率の低下を防ぐことができる。
本発明によれば、電機子コイルの剛性を大幅に向上させることができる。
また、本発明によれば、コイルからの熱を効率良く放出でき、温度上昇が抑制されたリニアモータが得られる。
さらに、本発明によれば、電機子が大幅に軽量化されたリニアモータが得られる。
また、本発明によれば、推力の変動が大幅に抑制されたリニアモータが得られる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1の実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係るリニアモータの構造を示す斜視図である。
図1に示すように、リニアモータ1は、可動部2と固定部50とを有する。なお、本実施形態では、電機子が可動部2となっている。
固定部50は、ヨーク51と、ヨークに保持された複数の永久磁石60とを有する。
ヨーク51は、互いに対向する平面をもつ所定の間隔で対向する対向部51A,51Bと、これらに垂直に配置され直動方向A1およびA2に沿って対向部51A,51Bの一端部を連結する連結部51Cとからなる。なお、直動方向A1,A2は可動部2の運動する方向である。
対向部51A,51Bおよび連結部51Cは、たとえば、鉄などの強磁性体材料で一体に形成されている。対向部51A,51Bまたは連結部51Cの外側面がベースなどに固定される。なお、対向部51A,51Bおよび連結部51Cは、別体としてもよい。また、対向部51A,51Bに強磁性体を用い、連結部51Cに非磁性体を用いる構成としてもよい。また、ヨーク51は、軽量化の観点から、アルミ二ウム合金等の比強度の高い軽量の金属や強化プラスチックなどの非磁性材料を用いてもよい。
永久磁石60は、外形が長方形の板状に形成されており、各永久磁石60は同じ寸法を有する。
これらの永久磁石60は、対向部51A,51Bの各対向面に直動方向A1,A2に沿って配列されている。永久磁石60は、直動方向A1,A2に沿って磁極の極性が交互に反転する、すなわち、N極、S極、N極、S極となるように配列されている。さらに、対向部51A側と対向部51Bとで対向する永久磁石60は、同じ極性の磁極が対向するように配置されている。
図2は、可動部2の構造を示す斜視図である。
図2に示すように、可動部2は、コイル結合体3と、保持部材10とを有する。
保持部材10は、プレート状の部材からなり、たとえば、ステンレス、アルミ二ウム合金等の金属で形成されている。保持部材10は、コイル結合体3を保持する役割を果たす。この保持部材10は、図示しないガイド機構によって直動方向A1およびA2に移動自在に支持されている。
コイル結合体3は、3相コイル3A,3B,3Cからなる。各相のコイル3A,3B,3Cは、たとえば、電気絶縁材料で被覆された導電線にウエット状態の接着剤を塗布し、これを筒状に整列多層巻きし、接着剤を硬化させて固めたものである。コイル3A,3B,3Cは、断面の輪郭形状が長方形状であり、永久磁石60に対向する各辺がそれ以外の辺よりも長くなっている。
筒状の3相コイル3A,3B,3Cをそれぞれ形成したのち、非磁性材料からなる電気絶縁性部材9によって端面同士が互いに結合され、コイル結合体3が形成される。電気絶縁性部材9は、たとえば、ガラスエポキシ樹脂や硬質アルマイト処理されたアルミ合金である。コイル結合体3は、長手方向に沿って貫通する輪郭が長方形状の中空部3Hをもつ。
なお、3相コイル3相コイル3A,3B,3Cの巻き方向は、すべて同じである。
また、3相コイル3A,3B,3Cを上記構成とすることにより、断面2次モーメントを大きくとることができ、3相コイル3A,3B,3Cコイルの剛性、特に、曲げ、せん断剛性が高まる。また、3相コイル3A,3B,3C自体の剛性が高まるとともに、3相コイル3A,3B,3Cは中空部3Hをもつので軽量である。
コイル結合体3の保持部材10への固定は、図3に示すように、まず電気絶縁性の接着剤350により保持部材10に対向する外周面3s1を保持部材10に固定する。さらに、コイル結合体3の永久磁石60に対向する外周面3f3,3f4を締付部材11で締め付けた状態で、締付部材11をボルト30で保持部材10に締結する。これにより、コイル結合体3は保持部材10に強固に固定される。
3相コイル3A,3B,3Cは、断面の輪郭形状が長方形状となっているため、図4に示すように、互いに対向する永久磁石60の対向面60fは、コイル結合体3の外周面3f3,3f4に対して所定の空隙をもって対向しており、対向面60fと外周面3f3,3f4は略平行である。図4から分かるように、対向する永久磁石60,60の間には、3相コイル3A,3B,3Cを結合したコイル結合体3のみが配置されている。したがって、コイル結合体3の中空部3Hの内部には、磁性体や導電体は存在しない。
次に、上記構成のリニアモータ1の作用について図5を参照して説明する。
図5に示すように、直動方向A1,A2に関して、一対の磁極、すなわち、2個の永久磁石60の寸法と、3相コイル3A,3B,3Cの寸法とが略一致する。
3相コイル3A,3B,3Cを間にして、対向する永久磁石60,60の磁束BFは、磁極の極性が同じであることから、対向している永久磁石60,60の一方から他方へはほとんど向かわず、主に隣接する永久磁石60,60へ向かう。
3相コイル3A,3B,3Cへそれぞれ位相が120度づつ異なるU相、V相、W相の3相交流を供給すると、ヨーク51A側の3相コイル3A,3B,3Cに流れる電流の方向と、ヨーク51B側の3相コイル3A,3B,3Cに流れる電流の方向は逆向きであり、かつ、ヨーク51A側の3相コイル3A,3B,3Cを貫く磁束BFの向きと、ヨーク51B側の3相コイル3A,3B,3Cを貫く磁束BFの向きとは逆になる。このため、ヨーク51A側とヨーク51B側とには、同じ向きの推力が発生する。この推力によって、可動部2が直動方向A1およびA2に駆動される。
図5からわかるように、永久磁石60の磁束BFは、永久磁石60の表面60f付近に主に分布し、3相コイル3A,3B,3Cの内部へは到達しにくい。したがって、3相コイル3A,3B,3Cの芯部まで導電線が存在したとしても、永久磁石60の磁束を利用することはできない。本実施形態では、磁束の到達しない領域を中空部3Hとして、永久磁石60の磁束の利用効率を高めると同時に、3相コイル3A,3B,3Cの軽量化を図っている。この結果、可動部2の大幅に軽量化され、高い制御応答性が実現する。
また、本実施形態によれば、コイル結合体3は中空部3Hを有するので、3相コイル3A,3B,3Cで発生した熱がこの中空部3Hを通じて外部に放出されやすくなる。また、この中空部3Hを利用して、空気などの冷却媒体を流せば、さらに効率良く冷却することができる。この結果、リニアモータの温度上昇を抑制でき、熱変形による位置決め精度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施形態によれば、コイル結合体3は中空部3Hに導電体が存在しないため、3相コイル3A,3B,3Cの発生する磁界によって誘導電流が発生することがなく、推力とは逆方向の力が発生しない。この結果、誘導電流に起因するリニアモータ1の推力変動が発生しない。また、誘導電流が発生しないので、モータの効率の低下を防ぐことができる。
第2の実施形態
図6は、本発明の第2の実施形態に係るリニアモータの可動部の構造を示す斜視図である。なお、本実施形態に係るリニアモータの基本的な構成は第1の実施形態のリニアモータ1と同様である。また、図6において、第1の実施形態と同一構成部分は同一の符号を使用している。
図6に示す可動部2Aは、3相コイル3A1,3B1,3C1と、3相コイル3A2,3B2,3C2からなるコイル結合体30を備えている。各相のコイル3A2,3B2,3C2は、各相のコイル3A1,3B1,3C1にそれぞれ隣接して配置されている。
3相コイル3A1,3B1,3C1と3相コイル3A2,3B2,3C2は、上述した実施形態の3相コイル3A,3B,3Cと同様の構成である。コイル結合体30も上述した実施形態と同様に形成される。
3相コイル3A2,3B2,3C2は、3相コイル3A1,3B1,3C1に対して逆位相、すなわち、位相が180度異なる磁界を発生する。
次に、可動部2Aを備えるリニアモータの作用について説明する。
図7に示すように、2組の3相コイル3A1,3B1,3C1および3相コイル3A2,3B2,3C2は、2対の磁極、すなわち、4個の隣り合う永久磁石60に対向する。直動方向A1およびA2に関して、4個の永久磁石60の寸法と、6個のコイルの寸法とが略同じである。
たとえば、3相コイル3A1,3B1,3C1と3相コイル3A2,3B2,3C2の巻き方向が同じ場合には、U相、V相、W相の3相交流を3相コイル3A1,3B1,3C1へ供給し、3相コイル3A2,3B2,3C2へは、3相交流と位相が180度異なる-U相、-V相、-W相の3相交流を供給する。これにより、図7に示すように、コイル3A1,3A2、コイル3B1,3B2およびコイル3C1,3C2には、それぞれ逆向きの磁界が発生する。これらは、逆位相の関係にあるため、磁界の磁束は互いに打ち消しあう。
この結果、コイル3A1,3A2、コイル3B1,3B2およびコイル3C1,3C2内から漏れる磁束が抑制されるため、永久磁石60の形成する磁場への乱れを少なくできまた、コイルの発生する磁束によるヨーク51の磁気飽和を防ぐことができる。
なお、3相コイル3A2,3B2,3C2と3相コイル3A1,3B1,3C1とが発生する磁界を逆位相とするには、3相コイル3A2,3B2,3C2と3相コイル3A1,3B1,3C1の巻き方向を逆にして同相の3相交流を印加してもよいし、コイルの結線方法を変えることで対応してもよい。
図8は、上記した第2の実施形態の変形例を示す図である。
図8に示すように、コイル3A1,3A2、コイル3B1,3B2およびコイル3C1,3C2の組の寸法を2個の磁石60の寸法と略同じとし、各コイルの組を60度または120度の位相分異ならせた配置とする。各コイルの組に上記と同様に磁界を発生させることにより、同様の作用、効果が得られる。
第3の実施形態
図9は、本発明の第3の実施形態に係るリニアモータの可動部の構造を示す斜視図である。
図9に示すリニアモータ1Aの基本的な構成は、第1の実施形態に係るリニアモータ1と同様であるが、異なる構成は、コイル結合体3の中空部3Hに補強部材20を設けた点である。
補強部材20は、コイル結合体3の中空部3Hの断面形状に合致する断面形状を有し、中空部3Hの全長に渡って中空部3Hの内周に嵌合している。補強部材20はコイル結合体3と結合されている。
また、補強部材20は、中空部20hを備える。この中空部20hは、軽量化のために形成されている。
補強部材20の形成材料としては、非磁性で電気絶縁性の材料が用いられる。たとえば、ガラスエポキシ樹脂、カーボン繊維等の強化繊維を用いたFRP(Fiber Reinforced Plastics)等の材料が好ましく、金属よりも軽量で高剛性な材料が好ましい。
このように、非磁性で電気絶縁性の材料の補強部材20によって、コイル結合体3の中空部3Hの内周を支持することにより、コイル結合体3の剛性をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態では、補強部材20の形状を筒状としたが、これに限定されるわけではなく、種々の形状を採用することができる。例えば、平板状ととしても良い。また、コイル内の全周に設けずに、例えば、対向する一対の側面にそれぞれ平板状の補強部材を設ける構成としても良い。また、中実の部材を用いて、中空部3Hをすべて補強部材とすることも可能である。
第4の実施形態
図11は、本発明の第4の実施形態に係るリニアモータの斜視図である。
図11に示すように、リニアモータ100は、可動部150と固定部101とを有する。本実施形態では、固定部101が電機子となっている。
固定部101は、コイル結合体103と、保持部材110とを有する。
保持部材110は、平板状の部材からなり、たとえば、ステンレス、アルミ二ウム合金等の金属で形成されている。保持部材110は、コイル結合体103を保持する役割を果たす。この保持部材110は、図示しないベース等に固定される。
コイル結合体103は、3相コイル103A,103B,103Cが複数集まったものである。各コイル103A,103B,103Cは、電気絶縁部材109を介して結合されている。コイル結合体103の形成は、第1の実施形態で説明したコイル結合体3と同様である。ただし、3相コイル103A,103B,103Cが多数結合され、全長が長い点で異なる。
図11に示すように、保持部材110は、コイル結合体103の対向する外周面を全面的に保持している。このため、比較的長い全長をもつ固定部101の剛性が飛躍的に高まる。
また、コイル結合体3の中空部103Hは、直動方向A1およびA2に沿って貫通している。
可動部150は、ヨーク151と、ヨークに保持された複数の永久磁石106とを有する。この可動部150は、図示しないガイド機構によって直動方向A1およびA2に移動自在に支持されている。
ヨーク151は、図12に示すように、互いに対向する平面をもつ所定の間隔で対向する対向部51A,151Bと、これらに垂直に配置され直動方向A1およびA2に沿って対向部151A,151Bの一端部を連結する連結部151Cとが一体に形成されている。なお、対向部151A,151B、連結部151Cを別体としてもよい。
ヨーク151は、鉄などの磁性材料で形成することができるが、可動部150の軽量化の観点から、アルミ二ウム合金等の比強度の高い軽量の材料を用いることができる。
また、対向部151A,151Bに磁性材料を用い、連結部151Cにアルミ二ウム合金等の非磁性材料を用いても良い。
永久磁石106は、たとえば、長方形または正方形の外形をもつ板状に形成されており同じ寸法を有する。永久磁石106は、ヨーク151の対向部151A,151Bの各対向面に固定されている。各対向面に2個ずつ設けられている。また、同じ対向面に設けられた永久磁石106は、磁極の極性が異なるように配置されている。さらに、対向部151A側と対向部151Bとで対向する永久磁石106は、同じ極性の磁極が対向するように配置されている。
3相コイル103A,103B,103Cは、断面の輪郭形状が長方形となっているため、図13に示すように、互いに対向する永久磁石106の対向面106fは、コイル結合体103の外周面103fに対して所定の空隙をもって対向しており、対向面106fと外周面103fは略平行に配置されている。
次に、上記リニアモータ100の作用について図13を参照して説明する。
図13に示すように、直動方向A1,A2に関して、一対の磁極、すなわち、2個の永久磁石106の寸法と、3相コイル103A,103B,103Cの寸法とが略一致する。
3相コイル103A,103B,103Cを間にして、対向する永久磁石106,106の磁束BFは、磁極の極性が同じであることから、対向している永久磁石106,106の一方から他方へはほとんど向かわず、主に隣接する永久磁石106へ向かう。
したがって、図13からわかるように、永久磁石106の磁束BFは、永久磁石106の表面付近に主に分布し、対向する3相コイル103A,103B,103Cの内部へは到達しにくい。
3相コイル103A,103B,103Cへそれぞれ位相が120度づつ異なるU相、V相、W相の3相交流を供給すると、電流は、すべてのコイルに流れる。ヨーク151A側の3相コイル103A,103B,103Cに流れる電流の方向と、ヨーク151B側の3相コイル103A,103B,103Cに流れる電流の方向は逆向きであり、かつ、ヨーク151A側の3相コイル103A,103B,103Cを貫く磁束BFの向きと、ヨーク51B側の3相コイル103A,103B,103Cを貫く磁束BFの向きとは逆になる。このため、ヨーク151A側とヨーク151B側とには、同じ向きの推力が発生する。この推力によって、可動部150が直動方向A1およびA2に駆動される。
次に、リニアモータ100の冷却方法の一例を図14を参照して説明する。
図14に示すように、コイル結合体103の中空部103Hの一端からファン300を用いて空気を供給する。中空部103Hの一端から供給された空気は、中空部H内を通過し、熱を効率よく吸収して、中空部103Hの他端から排出される。
本実施形態では、コイル結合体103が固定されているので、空気等の冷却媒体を中空部103Hへ常時供給して強制冷却を容易に行うことができる。この結果、リニアモータの温度管理が容易にできる。
なお、冷却媒体として空気を用いたが、コイル結合体103をシールするなどして液体の冷却媒体を用いて冷却することも可能である。
第5の実施形態
図15は、本発明の第5の実施形態に係るリニアモータの構成を示す図である。
なお、本実施形態に係るリニアモータの基本的な構成は第3の実施形態のリニアモータ100と同様である。また、図15において、第3の実施形態と同一構成部分は同一の符号を使用している。
図15に示すリニアモータ100Aは、第3の実施形態と同様に、固定部が電機子であり、可動部に永久磁石が設けられている。リニアモータ100Aは、複数の3相コイル103A1,103B1,103C1と、3相コイル103A2,103B2,103C2からなるコイル結合体103−Aを備えている。また、各相のコイル103A2,103B2,103C2は、各相のコイル103A1,103B1,103C1にそれぞれ隣接して配置されている。
3相コイル103A1,103B1,103C1と3相コイル103A2,103B2,103C2は、上述した実施形態の3相コイル103A,103B,103Cと同様の構成である。
3相コイル103A2,103B2,103C2は、3相コイル103A1,103B1,103C1に対して位相が180度異なる磁界を発生する。
また、ヨーク151A,151Bには、それぞれ4個の永久磁石160が磁極の極性が直動方向A1およびA2に沿って交互に反転するように配列され、かつ、対向する永久磁石160の磁極の極性が同じになるように固定されている。
図15に示すように、2組の3相コイル103A1,103B1,103C1および3相コイル103A2,103B2,103C2は、2対の磁極、すなわち、4個の隣り合う永久磁石60に対向する。直動方向A1およびA2に関して、4個の永久磁石60の寸法と、6個のコイルの寸法とが略同じである。
上記構成のリニアモータ100Aにおいて、U相、V相、W相の3相交流を3相コイル103A1,103B1,103C1へ供給し、3相コイル103A2,103B2,103C2へは、3相交流と位相が180度異なる-U相、-V相、-W相の3相交流を供給する。コイル103A1,103A2、コイル103B1,103B2およびコイル103C1,103C2には、それぞれ逆向きの磁界が発生する。この結果、第2の実施形態と同様の作用、効果が得られる。
第6の実施形態
図16は、本発明の第6の実施形態に係るリニアモータの構成を示す図である。
図17は、図16に示すリニアモータの可動部および固定部の構造を示す断面図である。
本実施形態に係るリニアモータは、電機子が固定部であり、可動部に永久磁石が設けられている。また、本実施形態に係るリニアモータの基本的な構成は、第4の実施形態または第5の実施形態と同様である。
本実施形態では、ヨーク151−Aを外形が四角の筒状に形成している。ヨーク151−Aの内面には、2組の対向する永久磁石106が設けられている。これらの永久磁石106がコイル結合体103の4つの外周面にそれぞれ対向している。
このように構成することにより、コイルが利用する永久磁石の利用効率が高まり、推力等を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、コイルの断面形状を長方形状とし、永久磁石を平板状に形成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、コイルの断面形状は、正方形、円形、楕円形状などの他の形状でもよく、永久磁石はこれらの形状に応じて湾曲した形状とすることができる。
また、第3の実施形態で説明した補強部材20は、第2、第4〜第6の実施形態のコイルにも適用することができる。
また、本発明の補強部財は、コイル内にセンターヨークが挿入されるタイプのリニアモータのコイルにも適用することができる。
本発明の一実施形態に係るリニアモータの構造を示す斜視図である。 可動部の構造を示す斜視図である。 可動部の側面図である。 可動部および固定部の直動方向に直交する平面に沿った断面図である。 リニアモータの作用を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係るリニアモータの可動部の構造を示す斜視図である。 図6に示した可動部をもつリニアモータの作用を説明するための図である。 第2の実施形態の変形例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るリニアモータの構造を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るリニアモータの斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るリニアモータの正面図である。 図10に示すリニアモータの可動部および固定部の直動方向に直交する平面に沿った断面図である。 図10に示すリニアモータの可動部および固定部の水平面方向の断面図である。 図10に示すリニアモータにおける冷却方法の一例を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るリニアモータの構成を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係るリニアモータの構成を示す図である。 図16に示すリニアモータの可動部および固定部の構造を示す断面図である。
符号の説明
1,100,400…リニアモータ
2…可動部
3…コイル結合体
10…保持部材
20…補強部材
50…固定部
51…ヨーク
60…永久磁石

Claims (4)

  1. 導電線を筒状に巻いた中空の3相コイルと、
    磁極が前記中空の3相コイルの外周面に対向し、かつ、同じ極性の磁極が対向するように配置された複数の磁石と
    を有するリニアモータ。
  2. 前記中空の3相コイルは、各コイルが筒状に整列多層巻きされ、かつ、接着剤で固められており、電気絶縁性の部材を介して端面が互いに結合されている
    請求項1に記載のリニアモータ。
  3. 前記中空の3相コイルは、互いに逆位相の磁界を発生させる第1および第2の中空の3相コイルとから構成され、
    前記第1および第2の中空の3相コイルの対応する各コイルは隣接して配置されている
    請求項1に記載のリニアモータ。
  4. 導電線を筒状に巻いた中空の3相コイルと、
    磁極が前記中空の3相コイルの外周面に対向し、かつ、同じ極性の磁極が対向するように配置された複数の磁石と、
    非磁性で、かつ、電機絶縁性の材料で形成され、前記中空の3相コイルの各コイルの内周を共通に支持する補強部材と
    を有するリニアモータ。
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