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JP2005176145A - チャネル割当方法およびそれを利用した基地局装置 - Google Patents

チャネル割当方法およびそれを利用した基地局装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 端末装置からのチャネル割当要求を受けつける確率を高くする。
【解決手段】 受付部24は、端末装置からのチャネル割当要求を受けつける。測定部26は、チャネル割当要求を含んだ信号のCIRを計算する。出力部40は、第2受付部24bで受けつけたチャネル割当要求と第2測定部26bで測定したCIRを出力し、当該出力された結果を入力部38が入力する。選択部28は、第1受付部24aで受けつけたチャネル割当要求と第2受付部24bで受けつけたチャネル割当要求にもとづいて、通話チャネルを割り当てるべき端末装置を選択する。チャネル割当部30は、選択した端末装置に対して通話チャネルを割り当てる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、チャネル割当技術に関し、特に端末装置からのチャネル割当要求にもとづいてチャネルを割り当てるチャネル割当方法およびそれを利用した基地局装置に関する。
無線通信システムのひとつである簡易型携帯電話システムは、TDMA/TDD(Time Division Multiple Access/Time Division Duplex)方式を使用している。当該TDMA/TDD方式のひとつのフレームは、8スロットで構成されており、それらは基地局装置から端末装置への4個の下り回線のスロットと端末装置から基地局装置への4個の上り回線のスロットに分類される。上下回線の1組のスロットをひとつの組合せとすれば、4個の組合せがひとつのフレームに含まれており、1個の制御チャネルと3個の通話チャネルに使用されている。また、これとはフレームに含まれたスロットの構成がこれと異なるものもある。すなわち、前述の基地局装置(以下、「主基地局装置」という)に別の基地局装置(以下、「従基地局装置」という)を接続しており、従基地局装置のフレームに含まれた4個の組合せは、すべて通話チャネルに使用されている。すなわち、主基地局装置のフレームに含まれた制御チャネルを主基地局装置と従基地局装置が使用している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−102056号公報
端末装置が、基地局装置に接続する手順、すなわち端末装置にチャネルを割り当てる手順の概要は、おおよそ以下のとおりである。端末装置は、下り回線の制御チャネルで送信される報知信号を受信して、基地局装置とタイミング同期を確立する。端末装置は、上り回線の制御チャネルで基地局装置にチャネル割当要求の信号を送信する。基地局装置は、当該チャネル割当要求を受信した端末装置に対して、上下回線の一組の通話チャネルを割り当て、当該割り当てた通話チャネルで通話のための信号を送受信する。このような状況下で、複数の端末装置が、基地局装置に対してチャネル割当要求を送信する場合、ひとつのフレームにはひとつの上り回線の制御チャネルしかないため、これらのチャネル割当要求が衝突し、すべてのチャネル割当要求が基地局装置に到達しない可能性がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、端末装置から送信したチャネル割当要求が基地局装置で検出される可能性を向上するチャネル割当方法およびそれを利用した基地局装置を提供することにある。
本発明のある態様は、基地局装置である。この装置は、異なった位置に配置された複数のアンテナにそれぞれ接続されており、当該複数のアンテナのうちの対応したアンテナを介して、フレームに含まれた複数のチャネルのうち予め定めたひとつのチャネルのタイミングで、複数の端末装置からチャネル割当の要求を示した要求信号をそれぞれ受信する複数の要求受付部と、複数の要求受付部でそれぞれ受信した複数の要求信号にもとづいて、チャネルを割り当てるべき端末装置を選択する選択部と、選択した端末装置にチャネルを割り当てるチャネル割当部と、チャネルを割り当てた端末装置と通信する通信部とを備える。
「複数の要求信号にもとづいて」とは、要求信号の有無、要求信号の信号強度などにもとづくことを含み、要求信号に関する何らかの情報にもとづけばよいものとする。
以上の装置により、異なった位置に配置されたアンテナでそれぞれ受信したチャネル割当要求にもとづいて、チャネルを割り当てるため、ひとつのアンテナでチャネル割当要求を受信できなくても、他のアンテナでチャネル割当要求を受信できる可能性が高いため、チャネル割当要求を受けつける確率が向上する。
複数の要求受付部のそれぞれは、複数のアンテナを接続し、当該複数のアンテナで受信した複数の要求信号にアダプティブアレイ処理を行って、複数の要求信号を分離し、選択部は、分離した要求信号にもとづいて、チャネルを割り当てるべき端末装置を選択してもよい。複数の要求受付部でそれぞれ受信した複数の要求信号の強度をそれぞれ測定する測定強度部をさらに含み、選択部は、測定した複数の要求信号の強度にもとづいて、チャネルを割り当てるべき端末装置を選択してもよい。
「要求信号の強度」は、受信電力、希望波信号電力対干渉波電力比を含み、要求信号の受信状態を示す値であればよいものとする。
複数の要求受付部は、複数の要求信号を第1の周波数のチャネルでそれぞれ受信する第1要求受付部と第2要求受付部を含み、通信部は、第1要求受付部と同一のアンテナに接続された第1通信部と、第2要求受付部と同一のアンテナに接続された第2通信部を含み、第1通信部は、要求信号を受信すべきタイミング以外のタイミングにわたって、第1の周波数のチャネルで端末装置と通信し、第2通信部は、要求信号を受信すべきタイミング以外のタイミングにわたって、第1の周波数と異なった第2の周波数のチャネルで端末装置と通信し、チャネル割当部は、第1要求受付部で受信した要求信号にもとづいて選択部で選択された端末装置に、第1通信部で割り当て可能なチャネルを割り当て、第2要求受付部で受信した要求信号にもとづいて選択部で選択された端末装置に、第2通信部で割り当て可能なチャネルを割り当ててもよい。
本発明の別の態様は、チャネル割当方法である。この方法は、異なった位置に配置された複数のアンテナから、当該複数のアンテナのうちの対応したアンテナを介して、フレームに含まれた複数のチャネルのうち予め定めたひとつのチャネルのタイミングで、複数の端末装置からチャネル割当の要求を示した要求信号をそれぞれ受信し、複数の要求信号にもとづいて、チャネルを割り当てるべき端末装置を選択する。
本発明のさらに別の態様は、プログラムである。このプログラムは、異なった位置に配置された複数のアンテナから、当該複数のアンテナのうちの対応したアンテナを介して、フレームに含まれた複数のチャネルのうち予め定めたひとつのチャネルのタイミングで、複数の端末装置からチャネル割当の要求を示した要求信号をそれぞれ受信しメモリに記憶するステップと、メモリに記憶した複数の要求信号にもとづいて、チャネルを割り当てるべき端末装置を選択するステップと、選択した端末装置にチャネルを割り当て、その結果をメモリに記憶するステップと、チャネルを割り当てた端末装置と無線ネットワークを介して通信するステップとをコンピュータに実行させる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、端末装置から送信したチャネル割当要求が基地局装置で検出される可能性を向上できる。
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例1は、通信システムとして簡易型携帯電話システムを対象とし、複数の端末装置がチャネル割当要求を基地局装置に送信した場合の基地局装置の処理に関する。本実施例の基地局装置は、端末装置と通信できる通常の基地局装置(以下、「第1基地局装置」という)に加えて、第1基地局装置の上り回線の制御チャネルで第1基地局装置と同様にチャネル割当要求を受信する第2基地局装置とを備える。端末装置(以下、この端末装置を「第1端末装置」という)から送信されたチャネル割当要求は、第1基地局装置と第2基地局装置に受信される。また、同一の制御チャネルで第1端末装置と別の端末装置(以下、「第2端末装置」という)からもチャネル割当要求が送信される。第1基地局装置と第2基地局装置にそれぞれ接続されたアンテナは、異なった位置に配置されるので、第1基地局装置と第2基地局装置のそれぞれにおいて、第1端末装置からのチャネル割当要求信号と第2端末装置からのチャネル割当要求の電力比が異なる。
例えば、第1基地局装置で第1端末装置からのチャネル割当要求信号と第2端末装置からのチャネル割当要求の電力比が同一であるため、両方を受信できなかった場合でも、第2基地局装置では、第1端末装置からのチャネル割当要求信号と第2端末装置からのチャネル割当要求の電力比が異なるため、どちらか一方を受信できる。その結果、チャネル割当要求の受信確率が向上する。
図1は、実施例1に係る通信システムのフレームフォーマットを示す。ひとつのフレームは、8個のスロット、すなわちチャネルによって構成されており、ここでは、それらを「CH1」から「CH8」で示す。また、「CH1」から「CH4」は、基地局装置から端末装置への下り回線のチャネルであり、「CH5」から「CH8」は、端末装置から基地局装置への上り回線のチャネルである。さらに、「CH2」から「CH4」と「CH6」から「CH8」は、通話を行うための「通話チャネル」であり、通常ひとつの端末装置に対して、「CH2」から「CH4」のうちのひとつと、「CH6」から「CH8」のうちのひとつが割り当てられる。そのため、図2に示したフレームフォーマットでは、3台の端末装置に対して通話処理が可能である。
一方、「CH1」は、下り回線において端末装置に対して報知される報知チャネルであり、所定の制御情報が含まれるため、制御チャネルのひとつともいえる。また、「CH5」は、上り回線においてひとつの端末装置からの制御チャネルであり、所定の制御情報等が含まれる。ここで、複数の端末装置は、「CH5」の制御チャネルで基地局装置に対して、チャネル割当要求を送信する。
図2は、実施例1に係る基地局装置34の構成を示す。ここで、第1基地局装置34a、第2基地局装置34bが基地局装置34と総称される。基地局装置34は、基地局用アンテナ14と総称される第1基地局用アンテナ14a、第2基地局用アンテナ14b、無線部12と総称される第1無線部12a、第2無線部12b、モデム部20と総称される第1モデム部20a、第2モデム部20b、ベースバンド部22と総称される第1ベースバンド部22a、第2ベースバンド部22b、受付部24と総称される第1受付部24a、第2受付部24b、測定部26と総称される第1測定部26a、第2測定部26b、選択部28、チャネル割当部30、制御部36と総称される第1制御部36a、第2制御部36b、入力部38、出力部40、ネットワーク32を含む。
基地局用アンテナ14は、無線周波数の信号を送受信処理する。ここでそれぞれのアンテナの指向性は無指向性とする。無線部12は、モデム部20、ベースバンド部22で処理されるベースバンドの信号と無線周波数の信号間の周波数変換処理、増幅処理、ADまたはDA変換処理等を行う。モデム部20は、変調処理として、キャリアを送信したい情報信号で変調して、送信信号を生成するが、ここでは、変調方式として、π/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)を対象とする。また、復調処理として、受信信号を遅延検波して、送信された情報信号を再生する。ベースバンド部22は、ネットワーク32とのインターフェースであり、通信システム100で伝送の対象となる情報信号の送受信処理を行う。また、誤り訂正や自動再送処理がなされてもよいが、ここではこれらの説明を省略する。
受付部24は、図示しない端末装置から受信した信号、特に上り回線の制御チャネルに割り当てられた信号より、チャネル割当要求を抽出し、当該抽出したチャネル割当要求を受けつける。ここでは、上り回線の制御チャネルのタイミングで、図示しない第1端末装置と第2端末装置から信号が送信され、それらの信号が無線伝搬路で合成されて、第1基地局用アンテナ14aと第2基地局用アンテナ14bで受信されたものとして説明する。第1受付部24aは、第1ベースバンド部22aで復調した信号にもとづいて、第1端末装置あるいは第2端末装置からのチャネル割当要求を抽出したものとする。例えば、第1端末装置からのチャネル割当要求を抽出した場合、前述のごとく当該チャネル割当要求を受けつける。一方、第2受付部24bも同様の処理を行って、例えば、第2端末装置からのチャネル割当要求を受けつける。
測定部26は、チャネル割当要求を含んだ信号の希望波電力対干渉波電力比(以下、「CIR」という)を計算する。前述の例では、第1無線部12aで受信した信号に含まれた第2端末装置からの信号電力に対する第1端末装置からの信号電力の比を計算する。すなわち、検出したチャネル割当要求に応じて、第1端末装置からの信号電力を希望波電力、第2端末装置からの信号電力を干渉波電力として、CIRを計算する。一方、第2無線部12bでは、前述の例で第1端末装置からの信号電力に対する第2端末装置からの信号電力の比を計算する。
出力部40は、第2受付部24bで受けつけたチャネル割当要求と第2測定部26bで測定したCIRを出力し、当該出力された結果を入力部38が入力する。
選択部28は、第1受付部24aで受けつけたチャネル割当要求と第2受付部24bで受けつけたチャネル割当要求にもとづいて、通話チャネルを割り当てるべき端末装置を選択する。なお、前述の例では、ふたつの受付部24でチャネル割当要求が受けつけられたとして説明したが、基地局用アンテナ14に対する第1端末装置と第2端末装置の配置によっては、受付部24の一方でチャネル割当要求が受けつけられない場合もあり、そのような場合に選択部28は、受けつけられたチャネル割当要求に対する端末装置を選択する。一方、前述の例のごとく、ふたつの受付部24でチャネル割当要求が受けつけられた場合には、CIRが大きい方の端末装置を選択する。なお、両方の端末装置を選択してもよい。
チャネル割当部30は、選択した端末装置に対して通話チャネルを割り当てる。
制御部36は、無線部12、モデム部20、ベースバンド部22のタイミング等を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図3は、実施例1に係る通信システム100がチャネル割当要求を受けつける概略を示す。通信システム100は、図2に示した基地局装置34、ネットワーク32に加えて、端末装置10と総称される第1端末装置10a、第2端末装置10bを含む。また信号として、第1信号250、第2信号252、第3信号254、第4信号256を含む。
第1信号250、第3信号254は第1端末装置10aからそれぞれ第1基地局装置34aと第2基地局装置34bへ送信されるチャネル割当要求を含んだ信号であり、送信時には同一の信号である。しかしながら、第1端末装置10aから第1基地局装置34aへの無線伝搬路と第1端末装置10aから第2基地局装置34bへの無線伝搬路の特性の差違によって、第1信号250と第3信号254は異なった信号になる。また、第2信号252、第4信号256は第2端末装置10bからそれぞれ第1基地局装置34aと第2基地局装置34bへ送信されるチャネル割当要求を含んだ信号である。
ここで、第2基地局装置34bでの第3信号254と第4信号256の受信電力はほぼ等しいものとし、すなわち第2基地局装置34bは、第3信号254と第4信号256がほぼ等しい割り合いで合成され、CIRが0dBに近い信号を受信する。その結果、受信した信号からチャネル割当要求を抽出できない。一方、第1基地局装置34aで受信した第1信号250の受信電力は、第2信号252の受信電力よりも十分大きく、すなわちCIRが十分大きいものとする。その結果、第1基地局装置34aは、第1信号250からチャネル割当要求を抽出できる。すなわち、基地局装置34の一方が、チャネル割当要求を受信できなくても、他方が受信できる。
図4は、チャネル割当の手順を示すフローチャートである。第1基地局装置34aの第1受付部24aと、第2基地局装置34bの第2受付部24bでチャネル割当要求を受けつけ、第1測定部26aと第2測定部26bでCIRを測定する(S10)。選択部28は、ふたつの測定部26で測定したCIRを比較して、第1基地局装置34aでのCIRの方が大きければ(S12のY)、選択部28とチャネル割当部30は、第1基地局装置34aで受信した信号に対する端末装置にチャネルの割当を決定する(S14)。一方、選択部28は、ふたつの測定部26で測定したCIRを比較して、第1基地局装置34aでのCIRの方が大きくなければ(S12のN)、選択部28とチャネル割当部30は、第2基地局装置34bで受信した信号に対する端末装置にチャネルの割当を決定する(S16)。
また、以上の処理をより簡易にし、第1基地局装置34aと第2基地局装置34bで受けつけたチャネル割当要求に対する端末装置10に対して、チャネルを割り当てる動作であってもよい。
本発明の実施例1によれば、端末装置からのチャネル割当要求を含んだ信号を位置の異なった複数のアンテナで受信するため、すべての信号からチャネル割当要求の検出が失敗する確率を小さくできる。また、主となる基地局装置に従属して接続される基地局装置は、チャネル割当要求を検出する機能と受信した信号のCIRを測定する機能を備えればよいため、装置の構成を簡易にできる。
(実施例2)
本発明の実施例2は、実施例1と同様に第1基地局装置と第2基地局装置によって、端末装置からのチャネル割当要求を受信する。しかしながら、実施例2に係る第1基地局装置と第2基地局装置は、それぞれアダプティブアレイ処理が可能になっており、互いに異なった端末装置にアンテナの指向性を向けることができる。その結果、別の端末装置に対して指向性を制御してチャネル割当要求を受信する確率を向上できる。
図5は、実施例2に係る第1基地局装置34aの構成を示す。第1基地局装置34は、基地局用アンテナ14と総称される第1基地局用アンテナ14a、第2基地局用アンテナ14b、第4基地局用アンテナ14d、無線部12と総称される第1無線部12a、第2無線部12b、第4無線部12d、信号処理部18、モデム部20、ベースバンド部22、受付部24、測定部26、選択部28、チャネル割当部30、制御部36、入力部38を含む。また、信号として、デジタル受信信号200と総称される第1デジタル受信信号200a、第2デジタル受信信号200b、第4デジタル受信信号200d、デジタル送信信号202と総称される第1デジタル送信信号202a、第2デジタル送信信号202b、第4デジタル送信信号202d、合成信号206、分離前信号208を含む。
また、第2基地局装置34bの構成は、図示されないが図2の構成に対応して、第1基地局装置34aのうち、基地局用アンテナ14、無線部12、信号処理部18、モデム部20、ベースバンド部22、受付部24、測定部26、制御部36を含み、さらにこれに加えて図2の出力部40を含む。
基地局用アンテナ14は、無線周波数の信号を送受信処理する。ここでそれぞれのアンテナの指向性は無指向性とし、アンテナ数は4とする。また、基地局用アンテナ14は、図2の第1基地局用アンテナ14aに対応する。無線部12は、図2の第1無線部12aに対応する。
信号処理部18は、アダプティブアレイアンテナによる送受信処理に必要な信号処理を行う。モデム部20は、図2の第1モデム部20aに対応し、ベースバンド部22は、図2の第1ベースバンド部22aに対応する。
また、受付部24、測定部26、選択部28、チャネル割当部30、制御部36、入力部38、ネットワーク32は、図2の第1受付部24a、第1測定部26a、選択部28、チャネル割当部30、第1制御部36a、入力部38、ネットワーク32にそれぞれ対応する。
図6は、信号処理部18の構成を示す。信号処理部18は、合成部50、受信ウエイトベクトル計算部56、参照信号生成部58、受信応答ベクトル計算部60、分離部62、送信ウエイトベクトル計算部66を含み、合成部50は、乗算部52と総称される第1乗算部52a、第2乗算部52b、第3乗算部52c、第4乗算部52d、加算部54を含み、分離部62は、乗算部64と総称される第1乗算部64a、第2乗算部64b、第3乗算部64c、第4乗算部64dを含む。また、信号として、信号処理制御信号204、受信ウエイト信号210と総称される第1受信ウエイト信号210a、第2受信ウエイト信号210b、第3受信ウエイト信号210c、第4受信ウエイト信号210d、受信応答ベクトル信号212、送信ウエイト信号214と総称される第1送信ウエイト信号214a、第2送信ウエイト信号214b、第3送信ウエイト信号214c、第4送信ウエイト信号214d、受信ウエイト参照信号216、受信応答参照信号218を含む。
受信ウエイトベクトル計算部56は、デジタル受信信号200と受信ウエイト参照信号216から、デジタル受信信号200の重み付けに必要な受信ウエイト信号210を、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやLMS(Least Mean Squares)アルゴリズムなどの適応アルゴリズムによって計算する。
乗算部52は、デジタル受信信号200を受信ウエイト信号210で重み付けし、加算部54は乗算部52の出力を加算して、合成信号206を出力する。
参照信号生成部58は、トレーニング期間中は予め記憶したトレーニング信号を受信ウエイト参照信号216、受信応答参照信号218として出力する。またトレーニング期間後は合成信号206を予め規定しているしきい値で判定して、その結果を受信ウエイト参照信号216、受信応答参照信号218として出力する。なお、判定は硬判定である必要はなく、軟判定でもよい。
受信応答ベクトル計算部60は、送信信号に対する受信信号の受信応答特性として受信応答ベクトル信号212を、デジタル受信信号200、受信応答参照信号218から計算する。受信応答ベクトル信号212の計算方法は任意のものでよいが、一例として次に示すように、相関処理にもとづいて実行される。なお、デジタル受信信号200と受信応答参照信号218は、信号処理部18内からだけではなく、図示しない信号線によって、他のユーザの端末装置10に対応する信号処理部からも入力されるものとする。第1の端末装置10に対応するデジタル受信信号200をx1(t)、第2の端末装置10に対応するデジタル受信信号200をx2(t)と示し、第1の端末装置10に対応する受信応答参照信号218をS1(t)、第2の端末装置10に対応する受信応答参照信号218をS2(t)と示せば、x1(t)とx2(t)は、次の式で示される。
Figure 2005176145
ここで、hijは、第i番目の端末装置10から第j基地局用アンテナ14jまでの応答特性であり、また雑音は無視する。第1の相関行列R1は、Eをアンサンブル平均として、次の式で示される。
Figure 2005176145
受信応答参照信号218間の第2の相関行列R2も次の式のように計算される。
Figure 2005176145
最終的に、第2の相関行列R2の逆行列と第1の相関行列R1を乗算し、次の式で示される受信応答ベクトル信号212が求められる。
Figure 2005176145
送信ウエイトベクトル計算部66は、分離前信号208の重み付けに必要な送信ウエイト信号214を、受信応答特性である受信ウエイト信号210や受信応答ベクトル信号212から推定する。送信ウエイト信号214の推定方法は、任意とするが、最も簡易な方法として、受信ウエイト信号210や受信応答ベクトル信号212をそのまま使用すればよい。あるいは、受信処理と送信処理の時間差で生じる伝搬環境のドップラー周波数変動を考慮して、従来の技術によって、受信ウエイト信号210や受信応答ベクトル信号212を補正してもよい。なお、ここでは、送信ウエイト信号214の推定に、受信応答ベクトル信号212を使用する。
乗算部64は、分離前信号208を送信ウエイト信号214でそれぞれ重み付けし、デジタル送信信号202を出力する。なお、以上の動作におけるタイミングは、信号処理制御信号204に従うものとする。ここで、信号処理制御信号204は、図示しない信号線によって、図5の第1制御部36aと接続される。
図7は、実施例2に係る通信システム100がチャネル割当要求を受けつける概略を示す。ここで、図中に示した符号は、図3の符号に対応する。第1基地局装置34aはアダプティブアレイ制御にもとづいて、アンテナの指向性を第1端末装置10aの方向に調節する。その結果、第1端末装置10aからの第1信号250を主として受信し、図3に図示した第2信号252の影響を無視できる。その結果、第1基地局装置34aは、第1端末装置10aからのチャネル割当要求を確実に受信可能である。一方、第2基地局装置34bも同様にアダプティブアレイ制御にもとづいて、アンテナの指向性を第2端末装置10bの方向に調節する。その結果、第2端末装置10bからの第4信号256を主として受信し、図3に図示した第3信号254の影響を無視できる。その結果、第2基地局装置34bは、第2端末装置10bからのチャネル割当要求を確実に受信可能である。
第1基地局装置34aで第1端末装置10aからのチャネル割当要求を受けつけ、第2基地局装置34bで第2端末装置10bからのチャネル割当要求を受けつけた後、第1基地局装置34aは、第1端末装置10aと第2端末装置10bの両方に通話チャネルをそれぞれ割り当てる。あるいは、実施例1と同様に、第1基地局装置34aで受信した第1信号250の受信電力と第2基地局装置34bで受信した第4信号256の受信電力にもとづいて、第1端末装置10aと第2端末装置10bのいずれか一方を選択し、当該選択した端末装置10に対して通話チャネルを割り当ててもよい。なお、図示していないが、第1基地局装置34aと第2基地局装置34bは、それぞれ別の端末装置10に対してアンテナの指向性を調整できるように、所定の情報を交換していもよく、そのために別の信号線やインターフェースが備えられてもよい。
本発明の実施例2によれば、複数の端末装置にアンテナの指向性を調節して、複数の端末装置からのチャネル割当要求を受信するため、チャネル割当要求を受けつける確率が向上する。
(実施例3)
本発明の実施例3は、実施例1と同様に第1基地局装置と第2基地局装置によって、端末装置からのチャネル割当要求を受信する。しかしながら、第2基地局装置は、チャネル割当要求を受信するチャネル以外のチャネルで、第1基地局装置と別の周波数で通話チャネルを設定する。すなわち、チャネル割当要求を受信するチャネル以外のチャネルで、第1基地局装置と第2基地局装置は、互いに別の通話チャネルを設定して、第1基地局装置が1台の場合よりも、多くの端末装置に対して通話チャネルを設定する。
実施例3に係る第1基地局装置34aと第2基地局装置34bの構成は、図2に示されるものが有効であるため、説明を省略するが、第2ベースバンド部22bもネットワーク32に接続されており、さらにチャネル割当部30からの指示にもとづいて、第2基地局装置34もチャネルを割り当てた端末装置10と通信する。
図8は、実施例3に係る通信システム100のフレームフォーマットを示す。図の上段に示した第1基地局装置34aのフレームフォーマットは、図1に示したフレームフォーマットと同一であり、さらに周波数「f1」を使用している。一方、図の下段に示した第2基地局装置34bのフレームフォーマットは、下り回線として「CH9」から「CH11」を含み、上り回線として「CH5’」と「CH12」から「CH14」を含んでいる。ここで、下り回線の報知チャネルは、第1基地局装置34aによって送信されるため、第2基地局装置34bのフレームフォーマットに含まれない。さらに、第2基地局装置34bの上り回線の制御チャネル「CH5’」は、これまでの実施例で説明した第2基地局装置34bの上り回線の制御チャネルに相当する。そのため、「CH5’」は、周波数「f1」を使用している。
また、「CH9」から「CH11」と「CH12」から「CH14」は、本実施例で新たに付加された通話チャネルであり、それぞれ「CH2」から「CH4」と「CH6」から「CH7」との干渉を避けるため、周波数「f2」を使用している。具体的に説明すると、端末装置10は、「CH1」の報知チャネルにもとづいて、第1基地局装置34aに同期する。端末装置10からのチャネル割当要求は、「CH5」あるいは「CH5’」によって、第1基地局装置34aあるいは第2基地局装置34bに受信される。第1基地局装置34aのチャネル割当部30は、当該端末装置10に対して、第1基地局装置34aのフレーム中の通話チャネルを割り当てるか、あるいは第2基地局装置34bのフレーム中の通話チャネルを割り当てるかを決定する。第2基地局装置34bのフレーム中の通話チャネルを割り当てる場合、周波数を「f2」に変更する。なお、ひとつの基地局装置34、例えば第1基地局装置34aのフレーム内の通話チャネルの割当方法は、従来の技術によってなされればよい。
図9は、実施例3に係るチャネル割当の手順を示すフローチャートである。第1基地局装置34aの第1受付部24aと、第2基地局装置34bの第2受付部24bでチャネル割当要求を受けつけ、第1測定部26aと第2測定部26bでCIRを測定する(S20)。選択部28は、ふたつの測定部26で測定したCIRを比較して、第1基地局装置34aでのCIRの方が大きければ(S12のY)、チャネル割当部30は、第1基地局装置34aのフレーム中の空きチャネルを確認する。空きチャネルがあれば(S24のY)、第1基地局装置34aのフレーム中の通話チャネルを割り当てる(S26)。一方、空きチャネルがなければ(S24のN)、第2基地局装置34bのフレーム中の通話チャネルを割り当てる(S28)。
また、選択部28は、ふたつの測定部26で測定したCIRを比較して、第1基地局装置34aでのCIRの方が大きくなければ(S22のN)、チャネル割当部30は、第2基地局装置34bのフレーム中の空きチャネルを確認する。空きチャネルがあれば(S30のY)、第2基地局装置34bのフレーム中の通話チャネルを割り当てる(S34)。一方、空きチャネルがなければ(S30のN)、第1基地局装置34aのフレーム中の通話チャネルを割り当てる(S32)。
本発明の実施例3によれば、報知チャネルを送信しない基地局装置にも通話チャネルが設定されるため、多くの端末装置を接続できる。また、無線伝搬路の特性のよい基地局装置に通信チャネルを設定するため、端末装置と基地局装置間のデータ伝送特性を向上できる。また、複数の基地局装置に設定される通話チャネルは別の周波数を使用するため、干渉によるデータ伝送特性の低下を低減できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例1から3において、通信システム100として、TDMAにもとづいた簡易型携帯電話システムに適用した。しかしながらこれに限らず例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)にもとづいた第3世代携帯電話システムやその他の無線通信システムに適用してもよい。本変形例によれば、さまざまな無線通信システムに本発明を適用できる。
本発明の実施例2と3を組み合わせた実施例も有効である。本変形例によれば、実施例2と3を組み合わせた効果が得られる。
実施例1に係る通信システムのフレームフォーマットを示す図である。 実施例1に係る基地局装置の構成を示す図である。 実施例1に係る通信システムがチャネル割当要求を受けつける概略を示す図である。 図2のチャネル割当の手順を示すフローチャートである。 実施例2に係る第1基地局装置の構成を示す図である。 図5の信号処理部の構成を示す図である。 実施例2に係る通信システムがチャネル割当要求を受けつける概略を示す図である。 実施例3に係る通信システムのフレームフォーマットを示す図である。 実施例3に係るチャネル割当の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 端末装置、 12 無線部、 14 基地局用アンテナ、18 信号処理部、 20 モデム部、 22 ベースバンド部、 24 受付部、 26 測定部、 28 選択部、 30 チャネル割当部、 32 ネットワーク、 34 基地局装置、 36 制御部、 38 入力部、 40 出力部、 50 合成部、 52 乗算部、 54 加算部、 56 受信ウエイトベクトル計算部、 58 参照信号生成部、 60 受信応答ベクトル計算部、 62 分離部、 64 乗算部、 66 送信ウエイトベクトル計算部、 100 通信システム、 200 デジタル受信信号、 202 デジタル送信信号、 204 信号処理制御信号、 206 合成信号、 208 分離前信号、 210 受信ウエイト信号、 212 受信応答ベクトル信号、 214 送信ウエイト信号、 216 受信ウエイト参照信号、 218 受信応答参照信号、 250 第1信号、 252 第2信号、 254 第3信号、 256 第4信号。

Claims (6)

  1. 異なった位置に配置された複数のアンテナにそれぞれ接続されており、当該複数のアンテナのうちの対応したアンテナを介して、フレームに含まれた複数のチャネルのうち予め定めたひとつのチャネルのタイミングで、複数の端末装置からチャネル割当の要求を示した要求信号をそれぞれ受信する複数の要求受付部と、
    前記複数の要求受付部でそれぞれ受信した複数の要求信号にもとづいて、チャネルを割り当てるべき端末装置を選択する選択部と、
    前記選択した端末装置にチャネルを割り当てるチャネル割当部と、
    前記チャネルを割り当てた端末装置と通信する通信部と、
    を備えることを特徴とする基地局装置。
  2. 前記複数の要求受付部のそれぞれは、複数のアンテナを接続し、当該複数のアンテナで受信した複数の要求信号にアダプティブアレイ処理を行って、複数の要求信号を分離し、
    前記選択部は、前記分離した要求信号にもとづいて、チャネルを割り当てるべき端末装置を選択することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
  3. 前記複数の要求受付部でそれぞれ受信した複数の要求信号の強度をそれぞれ測定する測定強度部をさらに含み、
    前記選択部は、前記測定した複数の要求信号の強度にもとづいて、チャネルを割り当てるべき端末装置を選択することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
  4. 前記複数の要求受付部は、複数の要求信号を第1の周波数のチャネルでそれぞれ受信する第1要求受付部と第2要求受付部を含み、
    前記通信部は、前記第1要求受付部と同一のアンテナに接続された第1通信部と、前記第2要求受付部と同一のアンテナに接続された第2通信部を含み、前記第1通信部は、前記要求信号を受信すべきタイミング以外のタイミングにわたって、前記第1の周波数のチャネルで端末装置と通信し、前記第2通信部は、前記要求信号を受信すべきタイミング以外のタイミングにわたって、前記第1の周波数と異なった第2の周波数のチャネルで端末装置と通信し、
    前記チャネル割当部は、前記第1要求受付部で受信した要求信号にもとづいて前記選択部で選択された端末装置に、前記第1通信部で割り当て可能なチャネルを割り当て、前記第2要求受付部で受信した要求信号にもとづいて前記選択部で選択された端末装置に、前記第2通信部で割り当て可能なチャネルを割り当てることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の基地局装置。
  5. 異なった位置に配置された複数のアンテナから、当該複数のアンテナのうちの対応したアンテナを介して、フレームに含まれた複数のチャネルのうち予め定めたひとつのチャネルのタイミングで、複数の端末装置からチャネル割当の要求を示した要求信号をそれぞれ受信し、複数の要求信号にもとづいて、チャネルを割り当てるべき端末装置を選択することを特徴とするチャネル割当方法。
  6. 異なった位置に配置された複数のアンテナから、当該複数のアンテナのうちの対応したアンテナを介して、フレームに含まれた複数のチャネルのうち予め定めたひとつのチャネルのタイミングで、複数の端末装置からチャネル割当の要求を示した要求信号をそれぞれ受信しメモリに記憶するステップと、
    前記メモリに記憶した複数の要求信号にもとづいて、チャネルを割り当てるべき端末装置を選択するステップと、
    前記選択した端末装置にチャネルを割り当て、その結果をメモリに記憶するステップと、
    前記チャネルを割り当てた端末装置と無線ネットワークを介して通信するステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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