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JP2005165513A - 病院情報システム - Google Patents

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JP2005165513A JP2003401378A JP2003401378A JP2005165513A JP 2005165513 A JP2005165513 A JP 2005165513A JP 2003401378 A JP2003401378 A JP 2003401378A JP 2003401378 A JP2003401378 A JP 2003401378A JP 2005165513 A JP2005165513 A JP 2005165513A
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Hitoshi Suzuki
等士 鈴木
Shinichi Omori
真一 大森
Masashi Kobayashi
将史 小林
Kiyobumi Watanabe
清文 渡辺
Kazuhiro Akiyama
一弘 秋山
Yasuyuki Fukuhara
康行 福原
Takeshi Nagaeda
剛 長枝
Kazuyuki Inokihara
和幸 猪木原
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Olympus Corp
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Abstract

【課題】 本発明では、クリニカルパスの経過情報を効率的に管理することができ、バリアンスの発生に柔軟に対応することができる病院情報システムを提供する。
【解決手段】 症例毎に設定される目標達成に向けての標準化された医療行為に関する経過情報であって、患者への前記医療行為に関する予定を示す医療行為情報の複数から構成される当該経過情報であるクリニカルパス標準化情報を保持し、クリニカルパス標準化情報に基づいて患者毎に作成された情報である患者別クリニカルパス情報を取得し、患者別クリニカルパス情報に含まれる医療行為情報から医療行為を実施する旨の指示情報を作成して送信し、この指示情報に基づいて実施された医療行為の実施結果を示す実施結果情報を取得する病院情報システムにより、上記課題の解決を図る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、クリニカルパスに基づいた医療行為の実施記録を携帯端末によりデータの入出力を行い、実施された記録の保存とバリアンスの確認、クリニカルパスの変更を行える病院情報システムに関する。
近年、医療分野では現在医療の効率化を図るために、クリニカルパスが導入されている。クリニカルパスとは、各病気に応じた入院・治療スケジュールを標準化したものである。更に、具体的に述べると、ある種の疾患をもつ患者に対する治療・検査・ケア・処置・指導などの内容やタイミング、患者の状態などを時間軸に沿ってまとめたものである。
また、このクリニカルパスで想定された患者の標準的な経過と実際の患者の経過とのずれをバリアンス(逸脱)という。このバリアンスを分析することで、医療ケアプロセスの標準化の阻害要因を把握し、その改善により効果的な医療ケアを実現することができる。また、クリニカルパスにおいて、患者が安全に退院できると予測される結果や効果または達成目標を、アウトカムという。
このようなクリニカルパスに着目したシステムが開示されており、病院や医院等において患者別・疾病別の各種看護治療行為に係る看護治療計画を立て易くし、該看護治療計画に従って看護治療行為が適切に実行されたことを記録し確認することができる(例えば、特許文献1。)。
特開2003−108661号公報
従来、医療の標準化と効率化を進める上で、クリニカルパスを採用している医療機関では、医療行為のデータを収集するには紙媒体への記録を行っており、内容を収集する労力が必要となっていた。また、医療行為の内容や進捗結果等を確認する為には、紙媒体に記録された内容を見て判断し把握する必要があり、労力を要していた。
また、クリニカルパスの精度を向上させるためには、データを収集しつつ客観的に判断する必要があるが、症例によっては多くの医師が係わり、クリニカルパスのコンセンサスが得にくい状態があった。また、バリアンス発生によりクリニカルパスの修正を行うシステムは無かった。
また、クリニカルパスによる治療経過中のアウトカムと実際の患者に実施した医療行為を携帯端末により実施記録を行い、比較検討することをシステムで受け持ち、看護師の記録作業の軽減と客観的なバリアンスが確認できる必要がある。
上記の課題に鑑み、本発明では、クリニカルパスの経過情報を効率的に管理することができ、バリアンスの発生に柔軟に対応することができる病院情報システムを提供する。
上記課題は、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、症例毎に設定される目標達成に向けての標準化された医療行為に関する経過情報であって、患者への前記医療行為に関する予定を示す医療行為情報の複数から構成される当該経過情報であるクリニカルパス標準化情報を保持する保持手段と、前記クリニカルパス標準化情報に基づいて前記患者毎に作成された情報である患者別クリニカルパス情報を取得する患者別クリニカルパス情報取得手段と、前記患者別クリニカルパス情報に含まれる前記医療行為情報から前記医療行為を実施する旨の指示情報を作成して送信する作成送信手段と、前記指示情報に基づいて実施された前記医療行為の実施結果を示す実施結果情報を取得する実施結果情報取得手段と、を備えることを特徴とする病院情報システムを提供することによって達成できる。
このように構成することによって、患者に対しての医療行為の内容や進捗結果等を容易に、かつ、効率的に管理することができる。
また上記課題は、特許請求の範囲の請求項2に記載の発明によれば、前記病院情報システムは、さらに、前記クリニカルパス標準化情報と前記実施結果情報とを比較する標準実施比較手段と、前記標準実施比較手段による比較の結果を通知する標準実施比較通知手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の病院情報システムを提供することによって達成できる。
このように構成することによって、標準的経過情報と実際の経過情報とを比較することができるので、バリアンスの発生を容易に確認することができる。
また上記課題は、特許請求の範囲の請求項3に記載の発明によれば、前記病院情報システムは、さらに、前記クリニカルパス標準化情報と前記実施結果情報との差異に関する情報である差異関連情報を取得する差異関連情報取得手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の病院情報システムを提供することによって達成できる。
このように構成することによって、バリアンスの発生要因に関する情報を取得することができる。
また上記課題は、特許請求の範囲の請求項4に記載の発明によれば、前記差異関連情報は、携帯端末により生成されることを特徴とする請求項3に記載の病院情報システムを提供することによって達成できる。
このように構成することによって、PDAからバリアンスの発生要因に関する情報を入力することができる。
また上記課題は、特許請求の範囲の請求項5に記載の発明によれば、前記差異関連情報は、前記クリニカルパス標準化情報と前記実施結果情報との差異が生じた要因に関する情報、該要因の分析に関する情報、該要因の解消策に関する情報のうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の病院情報システムを提供することによって達成できる。
このように構成することによって、バリアンスの発生要因や該要因の分析、該要因の解消策に関する情報を取得することができる。
また上記課題は、特許請求の範囲の請求項6に記載の発明によれば、前記病院情報システムは、さらに、同一の症例に基づく複数の患者の前記実施結果情報を比較する患者間実施結果情報比較手段と、前記患者間実施結果情報比較手段による比較の結果を通知する患者間実施結果情報比較通知手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の病院情報システムを提供することによって達成できる。
このように構成することによって、同一の症例の複数の患者のクリニカルパスを比較することができる。
また上記課題は、特許請求の範囲の請求項7に記載の発明によれば、前記病院情報システムは、さらに、前記患者間実施結果情報比較手段による比較結果を前記クリニカルパス標準化情報に反映させる反映手段と、を備えることを特徴とする請求項6に記載の病院情報システムを提供することによって達成できる。
このように構成することによって、同一の症例の複数の患者のクリニカルパスを比較し、その結果を標準経過情報にフィードバックすることができるので、より精度の高い標準経過情報を生成することができる。
また上記課題は、特許請求の範囲の請求項8に記載の発明によれば、前記患者間実施結果情報比較手段は、前記クリニカルパス標準化情報と前記各患者の実施結果情報とを比較することを特徴とする請求項7に記載の病院情報システムを提供することによって達成できる。
このように構成することによって、同一の症例の複数の患者のクリニカルパスを比較し、その結果を標準経過情報にフィードバックすることができるので、より精度の高い標準経過情報を生成することができる。
本発明を用いることにより、クリニカルパスで発生した医療行為の記録が可能となり、医療行為のデータ収集の為の労力や医療行為の内容や、進捗、結果、等を把握する為の労力を軽減することができる。
また、記録した結果とアウトカムを比較することでバリアンスの確認が行え、患者に適したクリニカルパスの修正も容易に行え、実施結果を記録として蓄積しているため、データを根拠として標準化の精度を高めることが可能となる。
クリニカルパスのシステム化によりデータの収集と蓄積、解析が高度に実現でき、質の向上、在院日数の短縮、ケアの標準化、医療資源の効率化等、より良い医療行為の提供ができる。
本発明は、クリニカルパスによる治療経過中のアウトカムと実際の患者に実施した医療行為を携帯端末による実施記録を行い、比較検討することをシステムで受け持ち、看護師の記録作業の軽減と客観的なバリアンスが確認できることを特徴とするものである。それでは、以下に本実施形態の詳細について説明する。
図1は、本実施形態における病院情報システムの全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、病院情報システム1は、医療施設、例えば病院に配置されている。病院情報システム1は、その病院内の情報を記録及び一元的に集中管理する病院内情報管理システム2と、この病院内情報管理システム2と例えば有線のLAN(Local Area Network)3により接続され、このLAN3を介して情報の送受信が可能な単数または複数のサブシステム4(4a,4b,4c,・・・)とから構成される。
サブシステム(以下ではPDAを用いているのでPDAシステムと略記)4は、PDA6への情報の送受信の制御やクリニカルパスに関しての情報処理を行うサーバ5と、サーバ5で生成されたクリニカルパスを参照し、医師や看護師がそのクリニカルパスを比較・検討した結果を変更できるクライアントPC端末101と、医療スタッフ(例えば看護師)が携帯して使用が可能な携帯端末(例えばPDA(Personal Digital Assistants))6と、PDA6からの無線LAN7によるアクセスを可能とするデータ授受手段であるアクセスポイント8とから構成され、サーバ5とクライアントPC端末101と各アクセスポイント8は有線のLAN3で接続されている。
PDA6は、無線LAN7により無線でアクセスポイント8を介してサーバ5と通信可能とするデータ入出力手段である無線LANカード9(図2参照)と、識別情報の読み込み手段(装置)として、ラジオ周波数帯域での通信を行うRF(Radio Frequency)リーダ10(図2参照)とを内蔵している。
図2は、PDA6のハードウェア構成を示す図である。同図において、無線LANカード9、RFリーダ10、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14、操作入力部15、及び表示部16はバス17を介して相互に接続されており、CPU11による管理の下で相互にデータ授受を行うことができる。
無線LANカード9は、病院内の各所に設置されている基地局としてアクセスポイント8を介した無線通信により、サブシステム4のサーバ5との間で、文字、画像、その他どのようなデータの通信も可能である。
RFリーダ10は、任意に設定可能な電波の強度によって数cmから数mの範囲でRFタグ10tと非接触の通信を行うことができる。RFリーダ10は、RFタグ10tに対して上記の非接触通信によりRFタグ10t内のメモリからのデータ読み込みと、同メモリへのデータ書き込みが可能である。
RFタグ10tは、例えば4mm角程度のフレキシブルチップで構成され、薄膜樹脂で保護され、特には図示しないが、CPU、メモリ、アンテナ、起電回路等を備えており、RFリーダ10からのラジオ周波数帯域の所定の電波aに反応して起電回路が起電し、その起電力によりCPUが動作して、メモリ内のデータbをRFリーダ10に送信する。
CPU11は、PDA6全体の動作制御を司る中央処理装置である。ROM12は、CPU11によって実行される基本制御プログラムが予め格納されているメモリであり、PDA6の起動時にCPU11がこの基本制御プログラムを実行する。このようにして、CPU11は、PDA6全体の動作の基本的な制御を行っている。
RAM13は、記憶部14に格納されている各種のアプリケーションプログラムをCPU11が実行するときにワークメモリとして使用され、また各種のデータの一時的な格納領域として必要に応じて用いられるメインメモリとしても使用されるメモリである。
記憶部14は、各種のアプリケーションプログラムやデータを記憶して保持しておくメモリである。記憶部14としては、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの半導体メモリが適している。特に、EEPROMは、記憶内容の書き換えを電気的に行うことができる上に記憶内容の保持には電力の供給が不要である点で適している。
操作入力部15は、例えば表示部16に設けられているタッチパネルである。操作入力部15は、PDA6のユーザによって操作され、この操作の内容を検出してCPU11へその操作内容を伝達する。CPU11はその操作内容に対応しているユーザからの指示の内容を認識する。表示部16は例えば液晶ディスプレイであり、CPU11から送られてきた各種の情報を表示して視覚によりユーザに各種の情報を提供する。
上述したRFリーダ10と、この操作入力部15及び表示部16とは、CPU11により所定のアプリケーションプログラムが実行されることによって、各種のデータの入出力が可能となる。このように、PDA6は無線LAN7を備えているので、アクセスポイント8からの距離による通信可能なアクセス範囲の制約があるものの、そのアクセス範囲内においては、任意の場所でサーバ5を介して病院内情報管理システム2にアクセスして、医療オーダを取得し、その取得した医療オーダをPDA6の表示部で表示することができるようにしている。
また、RFリーダ10を備えたPDA6によって、広範囲に使用されるRFタグ10tの識別情報を読み込むに際し、複数種類のRFタグ10tの識別情報の読み込みを、時間的に一度に行うことを可能とすることにより、このPDA6を携帯する看護師等はその実施者IDや医療行為が行われる患者ID、注射ID等の識別情報の入力(或いは読み取り)を正確、簡単、かつ迅速に行うことができるようにしている。
一度に読み取られるRFタグ10tは読み取りに順次性は無く、無作為な読み取りが可能である。無作為に読み取られた識別情報は、病院内の情報管理端末に問い合わせ、問い合わせ結果をPDA6の画面に表示する。
また、このPDA6は薬液に対する耐性を有する防水構造になっており、医療現場で使い易い構造にしてある。
ここで、特に看護師が医療行為を行うナースシステム及び病棟システムにおいては各看護師がPDA6を携帯することにより、医療行為の実施場所、具体的には入院している患者のベッドサイドにまで行ったその場所で、その医療行為情報の入出力を行えるようになる。この結果、医療行為の状況がリアルタイムで記録でき、把握できるようになる。つまり、医療行為の実施場所でその医療行為の実施された時刻からの遅れが発生することなく、正確な医療行為の記録や把握ができるようになる。
また、医療行為の実施場所で医療行為を行う場合には、その医療行為の作業予定の内容をPDA6により確認でき、その作業予定の内容を確認してから作業予定の医療行為が行えるようになるので、実施されるべき(予定された)医療行為を正確かつ誤りの少ない状態で行うことができる。
また、PDA6の使用によって、医療行為を行った内容の記録の入力をその医療行為の実施場所で行えるので、実施した医療行為の記録をする場合にもその実施場所で実施内容を確認しながら、且つ実施直後にその記録が行われる。従って、正確かつ誤りの少ない状態で記録を行うことができる。
また、医療行為を行う場合に、携帯可能なPDA6の使用により、その医療行為の作業予定内容を殆ど任意の場所や時間に参照したり確認したりすることも容易にできるので、医療行為を円滑に進め易い。また、作業予定内容が変更されるような場合であっても、実施直前に作業予定内容の確認をその実施場所で行うことができるので、作業予定内容の変更にも対処がし易い。
また、このように医療行為を実施した場合にはその実施した内容を正確に、且つリアルタイムに記録できるので、その後の記録データの解析によってより適切にシステムを改善することも可能となる。
このようなPDA6で実施された情報は、クライアントPC端末101でも確認が行え、必要に応じて登録内容の変更が可能となっている。これは、実施登録した内容を誤って入力したときの措置としての機能であり、変更の時は変更履歴が残せるようになっている。
また、クライアントPC端末101は、標準治療に登録されている症例はクルニカルパスをPDA6で実施可能なオーダとして一括処理もできる。つまり、クライアントPC端末101は、PDA6に比べ、画面の表示領域が大きいので、一度に複数の入力項目を表示することができる。したがって、ある程度まとまって入力される実施結果(例えば、患者の体温、血圧、脈拍等)を入力するときに、それらの項目を一括して入力することができる。
また、このような入力画面については、わずらわしい設定を必要とせず、クリニカルパスを指定するだけの簡単なオペレーションで操作者の負担を軽減している。もちろん、患者に合わせてオーダ内容の微調整も可能である。なお、ここではクリニカルパスのオーダリング機能についての詳細は省略する。
図3は、サーバ5及びクライアントPC端末101のハードウェア構成を示す。同図において、プログラムによる処理や演算を行う制御部(CPU)22と、必要なデータを記憶する記憶部21と、例えばマウス、キーボード、または携帯端末等の入力装置26から命令またはデータ等を入力するためにこれらの装置を接続する入力インターフェース(以下、インターフェースをI/Fという)23と、例えばプリンタやディスプレイ等の出力装置27にデータを出力するためにこれらの装置を接続する出力I/F24と、LAN等のネットワークとの接続のためのインターフェースである通信I/F20と、及びこれらを接続するバス25と、から構成される。
図4は、アウトカム(達成目標)の分類から患者経過情報の実施オーダが作成される概念図である。症例別にクリニカルパスが設定されるが、その設定によりそのクリニカルパスによって達成される目標(アウトカム)も生じる。このアウトカムを実現するために、このような介入のアウトカム、患者のアウトカムという概念がある。
介入のアウトカムとは、患者に対して実施する内容のこと(タスク:例えば、やるべき処置、やるべき検査、やるべき指導、やるべき説明)である。患者のアウトカムとは、介入のアウトカムの結果、患者から得られた情報(たとえば、患者状態観察:血圧・尿量、日常動作:歩行・会話、知識:患者理解、合併症:治療中に現れた症状)である。
介入のアウトカムは、実施する内容なので、オーダ発行前にその情報は生成されるが、患者のアウトカムは、実施した結果情報を入力するためのものなので、オーダ発行前では、その入力項目だけ作成されることになる。
上記より、症例別にクリニカルパスが設定されており、介入のアウトカムと患者のアウトカムに沿ったタスク、患者状態、日常動作、知識、合併症の項目が作成され、それぞれのオーダが生成される。このとき、オーダは症例に対するクリニカルパスが選択された時点で自動生成されても良い。
看護師は生成されたオーダをPDA6に取り込み、取り込んだオーダ情報を基にベッドサイドで患者状態を患者経過情報として実施登録する。実施登録はPDA6の表示部16に患者の経過情報に必要なリストが一覧で表示されるので、1項目ずつ実施するが、表示部16のメッセージに従い、表示部16をたとえば付属のタッチペン等でタップすることで、操作入力部15が実施登録データを認識する。
そのまま実施登録データは、リアルタイム通信機能を生かし、無線LANカード9から無線LAN7を経由し、さらにアクセスポイント8、LAN3を経由してサーバ5に登録される。PDA6で実施登録されたデータはクライアントPC喘末101から確認できるとともに、必要に応じて変更を実施できる。
なお、実施するオーダは、クライアントPC端末101から発行され、PDA端末6に患者単位または病棟単位で取り込むことができる。取り込んだオーダをPDA6で実施登録すると、サーバ5にリアルタイムで登録される。クリニカルパスのオーダは標準的経過情報と比較して、状態が良いか、悪いか、問題がないか、のバリアンス差異比較が行われ、差異結果がPDA6に通知される。詳細な確認は、クライアントPC端末101からも行える。
図5は、実施登録されたデータを基に、アウトカムの標準的経過情報と患者経過情報の差異を表示した画面例である。同図のグラフは、クライアントPC端末101の画面で表示される。図5から分かることは、クリニカルパスを実施したことにより、患者の状態が標準経過(点線)に比べてより快方に向かっているのか(Aで示した線)、悪化しているのか(Bで示した線)が一目瞭然となり、退院へ向けての計画が立てやすくなる。
従来はクリニカルパスを実施して、患者経過情報を紙等に写し出し評価を行う必要があったが、PDA6で実施した結果をサーバ5で処理することができ、結果はPDA6に返信されるとともに、クライアントPC端末で容易に状態把握が可能になった。
このため、患者に診療結果の報告が客観的に説明でき、インフォームドコンセントが得られ易くなっている。また、通知を受けた、たとえば医師のような医療行為の指示を出せる立場の者がPDA6を使用していた場合、通知を受けたPDA6でクリニカルパスの変更を実施することが出来るようにしても良い。
なお、バリアンスが発生したことにより、患者に対してのクリニカルパスを変更したい場合、見直しを実施することが可能である。このとき、後述するバリアンス発生分類リストを用いて、どのように見直したかを登録していく。登録した内容はバリアンス対策リストとして保存される。バリアンス対策リストを参照することで対応の傾向が明確になり標準的経過情報作成の参考に使える。
図6は、バリアンス発生分類リストを示す。この表を作成するためのオペレーショについては特に図示しない。バリアンスの発生に伴い、アウトカムの見直しを実施する場合、PDA6の表示部16にバリアンス発生分類表が表示されるので、該当する項目をプルダウンメニューより選択することで、原因と対策が登録される。なお、プルダウンメニューにない項目に関しては、追加で登録を行うことも可能である。
クリニカルパスの変更はデータとしてサーバ5に逐次蓄積されていく。サーバ5では院内の全ての情報を一元管理しているため、容易に他のクリニカルパスの参照や比較検討が可能である。
同じ症例の他の患者経過情報を参照することで、受け持ち患者に対して行っている医療行為が正しいのか根拠として客観的に比較できる。また複数の同じクリニカルパスを比較したとき、現在持っている標準的経過に対して、患者経過情報に同じような差異が見受けられる場合は、差異の見られた患者経過情報が正しい経過値と考えられ、標準的経過マスタを変更することができ、より精度の高いクリニカルパスを作成することが可能になる。
図7は、PDA6上でのバリアンス発生分類リストの選択の様子を示したものである。PDA6を操作して、メニュー画面より「バリアンス発生分類」を選択すると、バリアンス発生分類のうち要因を選択する画面に遷移する(図7(a)参照)。
図7(a)の画面に表示されているリストアイテム30から要因を選択する。例えば、「患者・家族要因」を選択すると、バリアンス発生分類のうち要因分析を選択する画面に遷移する(図7(b)参照)。
図7(b)の画面に表示されているリストアイテム31から要因分析を選択する。例えば、「糖尿病で治療遅延」を選択すると、バリアンス発生分類のうち項目変更を選択する画面に遷移する(図7(c))。
図7(c)の画面に表示されているリストアイテム32から項目変更を選択する。例えば、「適応、治療の見直し」を選択して、不図示の「OK」ボタンを押下すると、上記で入力した要因、要因分析、項目変更の情報がサーバ5へ送信され、サーバ5にこれらの情報が格納される。
図8は、オーダの発行からオーダの見直しまでの一連のフローを示す。S1では、実際の患者症例により、クリニカルパスが適用できる場合、クリニカルパスの選択を行う。S2ではクリニカルパスに基づいたオーダの作成を自動で行う。このとき、患者の基本情報(年齢、性別、健康状態等)も加味して作成されるが、必要に応じて例えば医師のような医療行為の指示が出来るものがカスタマイズを行っても良い。
S3では、発行されたオーダを基にPDA6で実施を行う。S4では実施されたオーダをサーバ5で比較を行う。比較の対象はサーバ5が保持しているクリニカルパスの基本的経過情報である。
S5ではS4で比較した結果をPDA6に通知する。なお通知対象のPDA6はクリニカルパスが適用される患者情報を保持しているPDA6だけである。関係のないPDA6には通知を行わない。また、担当医が確認するためにクライアントPC端末101にも通知される。また、通知される状況は設定値に依存される。患者の様態に合わせ逐次通知させたり、安定期では1日1回であったり、或いはバリアンスが発生したときにすることができる。
S6で、バリアンスが発生したか否かの判定を行い、発生していなければ、そのままオーダを続ける。バリアンスが発生したときはS7の患者への説明を行う。なお、この説明は医師の判断で行ってよい。S8では、患者の容態によりオーダの変更が必要と判断したときはオーダの見直しS9を実施し、新オーダでクリニカルパスを実施する。しばらく様子見と判断した場合は、変更を行わず今まで通りのオーダを実施する。
図9は、図8のフローを詳細にしたものである。患者のクリニカルパスは、オペレータ(例えば、医師や看護師等)によりクライアントPC端末101上で入力される。オペレータは、クライアントPC端末101にインストールされている本実施形態にかかるプログラムをマウス等の入力装置を用いて起動させる。
この起動命令を受けた制御部22は、記憶部21に記憶されている上記のプログラムを読み込み、プログラムを起動させる。本プログラムを起動させると、ディスプレイにはクリニカルパス設定システムのメニュー画面が表示されている。このメニュー画面には各業務の処理に応じた処理画面へのボタンが複数存在し、その中から「クリニカルパスの選択」ボタンを選択すると、患者選択一覧が表示されるので、そこで所定の患者を選択すると、その患者についてのクリニカルパスを選択する画面に遷移する。
クリニカルパスを選択する画面では、患者の症例によってクリニカルパスを選択することができる。そこで、クリニカルパスを選択すると、その患者についての詳細なクリニカルパスを設定する画面(以下、クリニカルパス設定画面という)に遷移する。このとき、クリニカルパス設定画面は、サーバ5より上記で選択したクリニカルパスのデフォルトデータを取得する。
ここで、クリニカルパスのデフォルトデータについて説明すると、サーバ5には、サーバ5内の記憶装置の所定の領域にクリニカルパスの雛型データを格納しており、これに基づいて、クリニカルパスのデフォルトデータをクライアントPC端末101に送信している。クリニカルパスのデフォルトデータとは、クリニカルパスの雛型データのコピーであって、その選択されたクリニカルパスについて初期化されたデータであり、上述したクリニカルパスの標準的な経過情報からなるデータである。
クリニカルパスのデフォルトデータは、治療、検査、投薬などの医療行為を組み合わせた予定表として構成され、予定の開始から終了、例えば入院から退院までの間の各医療行為についての情報が含まれている。
さて、クリニカルパス設定画面の話に戻ると、クリニカルパス設定画面では、クリニカルパスに含まれる様々な医療行為(例えば、治療、検査、投薬)ついて詳細な設定をすることができる(S11)。つまり、クライアントPC端末101では、クリニカルパスのデフォルトデータ各患者に合わせて、その取得したクリニカルパスのデフォルトデータについてより詳細な情報を追加していくことができる。
例えば、投薬に関していえば、どの薬剤をどのくらいの量使用するかやどのくらいの期間投薬するか等を設定することができる。クリニカルパス設定画面での設定後、当該画面内の「OK」ボタンを押下すると、その入力した内容(以下、クリニカル設定情報という)がサーバ5へ送信され、登録される。
クリニカル設定情報を受信したサーバ5は、そのクリニカル設定情報に含まれる患者に対して実施する処置情報である医療行為情報を抽出し、医療行為実施指示(オーダ情報)を作成する(S12)。作成したオーダ情報は、その患者を担当する看護師等のPDA6へ送信される。
オーダ情報を受信した(S13)PDA6を持っている看護師は、そのオーダ情報の内容を確認し、そのオーダ通りの医療行為(例えば、検温、脈拍測定、血圧測定、投薬等)を患者に実施する。そして、実施結果(検温の結果、患者の体温が何度であったか、血圧がどのくらいであったか等)をPDA6に入力して、サーバ5に送信する(S14)。
サーバ5は、そのオーダの実施結果情報を受信すると(S15)、実施されたオーダと標準経過情報とを比較する(S16)。ここでの比較とは、例えば、ある手術の翌日の患者の体温についていえば、標準的な経過情報によると37度であるが、実際は38度であった場合、標準的な経過情報:37度とオーダの実施結果情報:38度とを比較することになる。なお、比較の対象・方法は、実施した内容によって異なっており、限定されない。例えば、体温や血圧等の患者の体自体に関する情報で比較したり、微熱がどのくらいの期間続いたか等の経過期間で比較したりすることができる。
次に、S16の比較の結果情報を作成し(S17)、クライアントPC端末101及びPDA6へその比較結果情報を送信する。クライアントPC端末101およびPDA6は、その比較結果情報を受信する(S18,S24)。クライアントPC端末101では、比較結果情報を受信すると、図5で説明したように、画面に標準的経過情報と実際の経過情報とがグラフ化されて表示される。また、図5のような一連の経過情報を表示するということに限らず、例えば、各医療行為についてのクリニカルパスによる標準の値と実際の測定値とを表示させても良い。
また、比較結果情報を受信したPDA6の表示部16には、バリアンスの有無にかかわらず医療行為についての標準経過と実施結果の差に関する情報が表示される。例えば、上記の検温の例について言えば、「標準的な経過情報:37度、実施結果情報:38度、バリアンス:1度」が表示される。
そして、このような内容を確認した看護師によって、図6,図7で説明したバリアンス発生分類を入力することができる(S25)。つまり、看護師は実施結果に対応したバリアンスの要因や要因分析、変更項目を入力することができる。例えば、クリニカルパスでは、予想される体温が37度であるが、実際に検温したら39度であった場合、看護師はPDA6を用いて、図7の操作手順で、バリアンスの要因や要因分析、変更項目を入力する。これらの情報は、その実施結果に関連付けられ、サーバ5へ送信され、サーバ5の記憶装置の所定の領域に格納される(S26)。
さて、S18において、クライアントPC端末101で表示された結果をみた医師は、バリアンスが発生しているか否かを判断する(S19)。S19でバリアンスが発生していないと判断すれば、S13へ戻り、上記したようにこれ以降の処理を行う。バリアンスが発生していると判断すれば、患者へ状況を説明する(S20)。この患者への状況説明は、医師の判断で実施される。このとき、状況説明を行ったか否かをクライアントPC端末101を用いて、サーバ5へ登録することができる(S21)。
次に、医師はクリニカルパスの変更が必要か否かを判断する(S22)。クリニカルパスの変更が必要でないと判断すれば、S13へ戻り、上記したようにこれ以降の処理を行う。
クリニカルパスの変更が必要であると判断すれば、医師はオーダの見直しを行う(S23)。オーダの見直しでは、例えば、患者の容態の変化に合わせて薬剤の投与量を変えたり、別の薬剤に変更したり等の既存のクリニカル設定情報を変更する。この変更はS11と同様にクライアントPC端末101上のクリニカルパス設定画面で行うことができる。
クリニカルパス設定画面でクリニカル設定情報を変更すると、サーバ5へ送信され、サーバ5のクリニカル設定情報が更新される。上述したS12以降の処理が実行される。
このように、バリアンスが発生に応じて、医療行為を弾力的に変更することができるので、容易に患者の容態の変化に対応することができ、適切な処置を施すことができる。また、同一の症例のクリニカルパス設定情報について複数の患者のバリアンス情報を収集し、それらを比較することもできる。また、これらの情報の統計をとり、そのクリニカルパス設定情報の基となった雛型データを更新することもできる。
すなわち、同一の症例のクリニカルパス設定情報の同一の医療行為について、雛型データでは3日で設定されている処置が、実際に収集した統計からは4日という値が得られたのであれば、もともと雛型データの設定の精度が低かったということになるので、この統計的に得られた情報を雛型データ(標準経過情報)に反映されることで、すなわち、フィードバックさせることにより、より精度の高い雛型データ(標準経過情報)を生成することができる。
以上より、本システムにより、クリニカルパスで発生した医療行為の記録が可能となり、医療行為のデータ収集の為の労力や医療行為の内容や、進捗、結果、等を把握する為の労力を軽減することができる。
また、記録した結果とアウトカムを比較することでバリアンスの確認が行え、患者に適したクリニカルパスの修正も容易に行え、実施結果を記録として蓄積しているため、データを根拠として標準化の精度を高めることが可能となる。
クリニカルパスのシステム化によりデータの収集と蓄積、解析が高度に実現でき、質の向上、在院日数の短縮、ケアの標準化、医療資源の効率化等、より良い医療行為の提供ができる。
病院情報システムの全体構成を示すブロック図である。 PDAのハードウェア構成を示す図である。 サーバ5及びクライアントPC端末101のハードウェア構成を示す図である。 アウトカム(達成目標)の分類から患者経過情報の実施オーダが作成される概念図である。 実施登録されたデータを基に、アウトカムの標準的経過情報と患者経過情報の差異を表示した画面例を示す図である。 バリアンス発生分類リストを示す図である。 PDA上でのバリアンス発生分類リストの選択の様子を示した図である。 クリニカルパスの選択・オーダの発行からオーダの見直しまでの一連の簡易フローを示す。 クリニカルパスの選択・オーダの発行からオーダの見直しまでの一連の詳細なフローを示す。
符号の説明
1 病院情報システム
2 病院内情報管理システム
3 LAN
4(4a,4b,4c) サブシステム(PDAシステム)
5 サーバ
6 PDA
101 クライアントPC端末
9 無線LANカード
10 RFリーダ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 操作入力部
16 表示部
17 バス
20 通信I/F
21 記憶部
22 制御部
23 入力I/F
24 出力I/F
25 バス
26 入力装置
27 出力装置
30,31,32 リストアイテム

Claims (8)

  1. 症例毎に設定される目標達成に向けての標準化された医療行為に関する経過情報であって、患者への前記医療行為に関する予定を示す医療行為情報の複数から構成される当該経過情報であるクリニカルパス標準化情報を保持する保持手段と、
    前記クリニカルパス標準化情報に基づいて前記患者毎に作成された情報である患者別クリニカルパス情報を取得する患者別クリニカルパス情報取得手段と、
    前記患者別クリニカルパス情報に含まれる前記医療行為情報から前記医療行為を実施する旨の指示情報を作成して送信する作成送信手段と、
    前記指示情報に基づいて実施された前記医療行為の実施結果を示す実施結果情報を取得する実施結果情報取得手段と、
    を備えることを特徴とする病院情報システム。
  2. 前記病院情報システムは、さらに、
    前記クリニカルパス標準化情報と前記実施結果情報とを比較する標準実施比較手段と、
    前記標準実施比較手段による比較の結果を通知する標準実施比較通知手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の病院情報システム。
  3. 前記病院情報システムは、さらに、
    前記クリニカルパス標準化情報と前記実施結果情報との差異に関する情報である差異関連情報を取得する差異関連情報取得手段
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の病院情報システム。
  4. 前記差異関連情報は、携帯端末により生成されることを特徴とする請求項3に記載の病院情報システム。
  5. 前記差異関連情報は、前記クリニカルパス標準化情報と前記実施結果情報との差異が生じた要因に関する情報、該要因の分析に関する情報、該要因の解消策に関する情報のうち少なくともいずれか1つを含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の病院情報システム。
  6. 前記病院情報システムは、さらに、
    同一の症例に基づく複数の患者の前記実施結果情報を比較する患者間実施結果情報比較手段と、
    前記患者間実施結果情報比較手段による比較の結果を通知する患者間実施結果情報比較通知手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の病院情報システム。
  7. 前記病院情報システムは、さらに、
    前記患者間実施結果情報比較手段による比較結果を前記クリニカルパス標準化情報に反映させる反映手段と、
    を備えることを特徴とする請求項6に記載の病院情報システム。
  8. 前記患者間実施結果情報比較手段は、前記クリニカルパス標準化情報と前記各患者の実施結果情報とを比較することを特徴とする請求項7に記載の病院情報システム。



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