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JP2005163011A - 部分炭化炭素繊維を含有する摩擦材料 - Google Patents

部分炭化炭素繊維を含有する摩擦材料 Download PDF

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JP2005163011A JP2004247927A JP2004247927A JP2005163011A JP 2005163011 A JP2005163011 A JP 2005163011A JP 2004247927 A JP2004247927 A JP 2004247927A JP 2004247927 A JP2004247927 A JP 2004247927A JP 2005163011 A JP2005163011 A JP 2005163011A
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Abstract

【課題】改善された摩擦係数特性および高い熱伝導性をもつ摩擦材料を提供する。
【解決手段】より良い摩擦材料の必要性を考慮して広範な研究を行った結果、改良された特性をもつ摩擦材料が開発された。湿潤摩擦材料は、摩擦材料が使用中にブレーキ液または自動トランスミッション液などの液体で”濡れる”またはそれらを含浸する”湿潤”用途に有用である。部分炭化炭素繊維を含む、摩擦材料として使用するための繊維基材に関する。繊維基材は、さらにアラミド繊維を含んでも良い。繊維基材に熱硬化性樹脂(フェノール樹脂または改質フェノール系樹脂、フェノール樹脂およびシリコーン樹脂の混合物)を含浸させて、摩擦材料を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、2層摩擦材料の表面層として、または単層摩擦材料中の成分として、部分炭化炭素繊維を含む、非アスベスト系、非金属系の繊維基材に関する。本発明はさらに、フェノール樹脂またはフェノール系樹脂ブレンドを含浸した前記の繊維基材を含む、複合摩擦材料に関する。
本発明の摩擦材料は、改善された摩擦係数特性および改善された強度、多孔度、耐摩耗性および騒音抵抗性をもつ。
自動車工業により、新たな進歩したトランスミッションシステムおよびブレーキシステムが開発されている。これらの新たなシステムは、しばしば高いエネルギー要求を伴う。したがって、これらの進歩したシステムのエネルギー要求増大を満たすために、摩擦材料技術も発達させなければならない。
特に、新たな高エネルギータイプの摩擦材料が必要とされている。新たな高エネルギー摩擦材料は、表面速度約65m/秒に及ぶ高速に耐えることができなければならない。摩擦材料は、約1500psiに及ぶ高いフェーシングライニング圧にも耐えることができなければならない。摩擦材料は制限された潤滑条件下で使用可能であることも重要である。
摩擦材料は、進歩したトランスミッションシステムおよびブレーキシステムに有用であるためには耐久性であって、かつ高い耐熱性をもたなければならない。摩擦材料は高温で安定性を保持しなければならないだけでなく、作動条件下で発生し続ける高熱を直ちに放散させることもできなければならない。
新たなトランスミッションシステムおよびブレーキシステムのかみ合いと離脱に際して高速が発生することは、摩擦材料がかみ合い期間中は比較的一定の摩擦を維持しなければならないことを意味する。ブレーキシステムまたはトランスミッションシステムにおいてギアからギアへ動力移動する際の材料の”シャダー発生(shuddering)”を最小限に抑えるためには、広範囲の速度および温度にわたって摩擦かみ合いが比較的一定であることが重要である。摩擦かみ合い中に摩擦材料が騒音や”きしみ(squawk)”を発生しないように、摩擦材料が望ましいトルク曲線形状をもつことも重要である。
特に、トランスミッションシステムおよびトルク・オン・デマンドシステム(torque−on−demand system)には、主に燃料効率および快適な運転のためにスリップクラッチを採用する。これらのシステムにおけるスリップクラッチの役割は、湿式始動クラッチなどの発車装置からトルク変換クラッチにまで及ぶ。作動条件に応じて、スリップクラッチを3つの主なクラスに分類できる:(1)低圧高スリップ速度クラッチ、たとえば湿式始動クラッチ;(2)高圧低スリップ速度クラッチ、たとえば変換クラッチ;および(3)極低圧低スリップ速度クラッチ、たとえばニュートラル−アイドルクラッチ。
すべてのスリップクラッチ用途について性能上の主な問題は、シャダー防止および摩擦界面エネルギー管理である。シャダーの発生は、摩擦材料の摩擦特性、かみ合わせ面の硬度および粗さ、油膜の残留、潤滑剤の化学的特性および相互作用、クラッチ作動条件、駆動ラインアセンブリーとハードウェアの整合、ならびに駆動ラインの汚染を含めた、多数の特性に起因する可能性がある。摩擦界面エネルギー管理は主に界面温度の制御に関連し、ポンプ容量、オイル流路および制御方式により影響される。摩擦材料表面の設計も界面エネルギー管理の効率に関与する。
以前は、温度安定性を得るためにアスベスト繊維が摩擦材料に含まれていた。健康問題と環境問題のため、アスベストは今後は使われない。より最近の摩擦材料では、紙または繊維材料をフェノール樹脂またはフェノール改質樹脂で含浸改質することにより、摩擦材料のアスベスト不在を克服することを試みている。しかしこれらの摩擦材料は発生する高熱を速やかには放散せず、現在開発中の高速システム用に現時点で要求される必要な耐熱性および十分な高い摩擦係数性能をもたない。
本発明は、酸化ポリアクリロニトリル系繊維から得られる炭素質繊維の使用を伴うSmithらのUSP5,965,659参考文献法をさらに改良したものである。
本発明は、SeitzらのUSP5,085,650参考文献法をさらに改良したものでもある;この方法は多工程の含浸および硬化法を伴う;すなわち紙に被覆用組成物を含浸させ、炭素粒子を紙に乗せ、紙中の被覆用組成物を部分的に硬化させ、部分硬化した紙に2回目の被覆用組成物を付与し、最後に両方の被覆用組成物を硬化させる。
他の摩擦材料においては、耐摩耗性を得るために金属繊維を炭素材料と合わせて摩擦材料に含有させた。たとえばFujimakiらのUSP4,451,590には、金属繊維、充填剤、炭素粒子、炭素繊維およびフェノール樹脂を含む摩擦材料が記載されている。しかし、金属をベースとする摩擦材料は、使用中の高い流体透過能を可能にするのに十分な多孔度および圧縮性をもたない。金属をベースとする摩擦材料は、十分に弾性または柔軟性でもなく、約1500psi(約105kg/cm2)に及ぶフェーシングライニング圧に耐えうるほど耐圧縮硬化性でもない。金属をベースとする摩擦材料は、新たなトランスミッションシステムおよびブレーキシステムのかみ合いと離脱に際して発生する約65m/秒に及ぶ高い表面速度に耐えることもできない。
本発明は、本出願の譲受人ボルグワーナー社が共有する、摩擦材料に関する先の特許の改良でもある。特にUSP5,998,307は、基材に硬化性樹脂を含浸させ、その多孔質一次層が少なくとも1種類の繊維材料を含み、二次層が一次層の表面の少なくとも約3〜約90%を覆う炭素粒子を含む、摩擦材料に関する。USP5,858,883は、フィブリル化の少ないアラミド繊維、合成グラファイトおよび充填材を含む一次層、ならびに一次層の表面にある炭素粒子を含む二次層をもつ、基材に関する。USP5,856,224は、硬化性樹脂を含浸した基材を含む摩擦材料に関する。その一次層はフィブリル化の少ないアラミド繊維、合成グラファイトおよび充填材を含み;二次層は炭素粒子および固着助剤を含む。USP5,958,507は摩擦材料の製造方法に関するものであり、フィブリル化の少ないアラミド繊維を含む繊維材料の少なくとも1つの表面を表面の少なくとも約3〜約90%の炭素粒子および固着助剤で被覆し、フェノール樹脂および改質フェノール樹脂を含浸させ、硬化させる。USP6,001,750は、硬化性樹脂を含浸した繊維基材を含む摩擦材料に関する。その多孔質一次層は、フィブリル化の少ないアラミド繊維、炭素粒子、炭素繊維、充填材、フェノール系ノボロイド繊維、および所望により綿繊維を含む。二次層は、表面の少なくとも約3〜約90%を覆う炭素粒子を含む。USP6,630,416(2003年10月7日交付)は、シリカ摩耗改質剤を多孔質一次層に付着させて高い湿潤エネルギーをもつ炭素質摩擦材料を形成することにより形成した摩擦材料に関する。
本明細書に引用したボルグワーナー特許および特許出願に記載された一次層は本発明に有用であり、全体を本明細書に援用することを理解すべきである。
さらに、ボルグワーナー社が共有するUSP5,753,356および5,707,905(フィブリル化の少ないアラミド繊維、合成グラファイトおよび充填材を含む基材を記載)に記載される種々の基材も、本発明に有用であると考えられ、したがって全体を本明細書に援用する。ボルグワーナー社が共有するさらに他の特許USP6,130,176(2000年10月10日交付)は、フィブリル化の少ないアラミド繊維、炭素繊維、炭素粒子および充填材を含む非金属系の繊維基材に関するものであり、同様に本発明の一次層として有用であると考えられ、全体を本明細書に援用する。
摩擦材料が”湿潤”用途に有用であるためには、摩擦材料は多様な許容できる特性をもたなければならない。摩擦材料は、弾性または柔軟性であって、なおかつ圧縮硬化、摩擦および応力に対して抵抗性であり;高い耐熱性をもち、熱を速やかに放散でき;持続的で安定な一貫した摩擦性能を示さなければならない。これらの特性のいずれかが満たされない場合、摩擦材料の最適性能は達成されない。
高エネルギー用摩擦材料を形成するためには、繊維基材に適した含浸樹脂を用いることも重要である。摩擦材料は、含浸中に湿潤樹脂で飽和された場合、および使用中にブレーキ液またはトランスミッションオイルで飽和された場合の両方において、良好な剪断強度をもたなければならない。
ある用途においては、使用中に高い流体透過能をもつように、摩擦材料が高い多孔度をもつことも重要である。したがって、摩擦材料は多孔質であるだけでなく、圧縮性でもなければならない点が重要である。摩擦材料中へ透過した流体は、ブレーキまたはトランスミッションの作動中に付加される圧力下で摩擦材料から速やかに絞り出しまたは放出できなければならず、なおかつ摩擦材料は圧潰してはならない。ブレーキまたはトランスミッションの作動中に発生する熱が速やかに放散するのを補助するために、摩擦材料が高い熱伝導性をもつことも重要である。
分かっている限り、部分炭化炭素繊維を二次層として含む繊維基材、または他の態様においては単一層摩擦材料の成分として含む繊維基材を含有する、トランスミッションシステム用の耐シャダー性摩擦材料は開示されていない。
したがって本発明の目的は、先行技術のものと比較して信頼性のある改善された特性をもつ改良された摩擦材料を提供することである。
本発明の他の目的は、改善された摩擦係数特性および高い熱伝導性をもつ摩擦材料を提供することである。
より良い摩擦材料の必要性を考慮して広範な研究を行った結果、改良された特性をもつ摩擦材料が本発明により開発された。本発明の湿潤摩擦材料は、摩擦材料が使用中にブレーキ液または自動トランスミッション液などの液体で”濡れる”またはそれらを含浸する”湿潤”用途に有用である。”湿潤”摩擦材料の使用中、流体は最終的に摩擦材料から絞り出され、あるいは摩擦材料に含浸されている。湿潤摩擦材料は、それらの組成および物理的特性が”乾燥”摩擦材料と大幅に異なる。
前記の要求を達成するために、多数の材料を作動中に遭遇するものと類似の条件下で摩擦および耐熱性について評価した。市販のブレーキライニングおよびトランスミッション材料をいずれも調べて、高エネルギー用途における使用に適さないことが分かった。
本発明は、特にブレーキおよびクラッチの用途に有用である。本発明は、最適量の部分炭化炭素繊維を含む繊維基材を提供する。
1態様において本発明は、アラミド繊維単独、および/または少なくとも1種類のフィブリル化の少ないアラミド繊維、綿繊維、炭素繊維、炭素粒子の組合わせ、ならびに少なくとも1種類の充填材、および場合により他の成分を含む繊維基材を含む一次層、ならびに部分炭化炭素繊維を含む二次層をもつ、摩擦材料に関する。ある用途において、炭素繊維の炭化度は約65〜約90%である。またある態様において、部分炭化繊維は約10〜約30重量%、好ましくは約15〜約25重量%存在する。部分炭化炭素繊維は、好ましくは約0/5〜約6mmの平均繊維長さおよび約1〜約15μmの繊維直径をもつ。
部分炭化炭素繊維は良好な熱伝導性を摩擦材料に付与するので、本発明の摩擦材料は望ましい耐熱性をもつ。また部分炭化炭素繊維は、良好な摩擦特性、たとえばシフトに際しての良好または円滑な”感触”、および本質的に騒音や”きしみ”を生じないブレーキやクラッチの作動を伴う摩擦材料を提供する。ある用途においては、少ない相対量の綿繊維の存在により摩耗材料に望ましい”ブレイク−イン(break−in)”特性が与えられるので、摩擦材料の初期使用中に起きるシャダーがほとんどまたは全くない。
2層を形成する態様においては、部分炭化炭素繊維の二次層(すなわち上層)を一次層上に付着させて、繊維基材を形成する。二次層は、繊維基材上の二次層に同様に有用な種々の摩擦改質粒子を含有してもよい。特にシリカ粒子、たとえばケイソウ土、セライト、セラトム(celatom)、および/または二酸化ケイ素が殊に有用である。表面摩擦改質粒子は、繊維基材の約0.2〜約20重量%、好ましくは約2〜10重量%、最も好ましくは約3〜5重量%存在する。
繊維基材に種々の樹脂系を含浸させることができる。ある態様においては、繊維基材にフェノール樹脂または改質フェノール系樹脂を含浸させることが有用である。ある態様においては、シリコーン樹脂を相溶性溶剤中のフェノール樹脂とブレンドまたは混合し、このシリコーン−フェノール樹脂ブレンドを本発明の繊維基材の含浸に用いると、特に有用な高エネルギー摩擦材料が形成される。
本発明の摩擦材料は改善された摩擦係数特性をもつ。本発明の摩擦材料は改善された柔軟性および多孔性も備えており、このため摩擦材料の使用中に、より均一に熱放散する。トランスミッションおよびブレーキにおいて流体は摩擦材料の多孔質構造内を速やかに移動できる。さらに、柔軟性の向上により摩擦材料におけるより均一な圧力または均等な圧力分布が得られ、したがって不均一なライニング摩耗またはセパレータープレート”ホットスポット”が除かれる。
本発明の摩擦材料の構造が多孔質になるほど、熱放散はより効率的になる。使用中に摩擦材料がかみ合う際の摩擦材料へのオイルの出入りは、摩擦材料が多孔質である場合、より速やかに行われる。
本発明の摩擦材料の含浸には多様な方法を使用できる。繊維基材にフェノール樹脂またはフェノール系樹脂を、好ましくは含浸樹脂材料が摩擦材料100重量部当たり約45〜約65重量部を構成するように含浸させる。繊維基材に樹脂を含浸させた後、含浸した繊維基材を予め定めた期間、目的温度に加熱して、摩擦材料を形成する。約300°Fの温度に加熱することによりフェノール樹脂が硬化する。他の樹脂、たとえばシリコーン樹脂が存在する場合、約400°Fの温度に加熱することによりシリコーン樹脂が硬化する。次いで含浸および硬化した摩擦材料を適切な手段で目的支持体に接着する。
繊維基材の含浸に有用な多様な樹脂には、フェノール樹脂またはフェノール系樹脂が含まれる。樹脂ブレンド中に他の改質成分、たとえばエポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、シリコーン樹脂、キリ油、ベンゼン、カシューナッツ油などを含む多様なフェノール系樹脂が本発明に有用であることを理解すべきである。フェノール改質樹脂中に、フェノール樹脂は一般に樹脂ブレンドの約50重量%以上(存在する溶剤を除く)存在する。しかしある態様において含浸樹脂ブレンドがシリコーン−フェノール混合物(溶剤および他の加工助剤を除く)の重量を基準として約5〜約80重量%、ある目的には約15〜約55重量%、ある態様においては約15〜約25重量%のシリコーン樹脂を含有する場合、摩擦材料を改良できることが見いだされた。
本発明に有用なフェノール樹脂および有用なフェノール−シリコーン樹脂の例は前記に引用したボルグワーナーの特許に開示されており、その全体を本明細書に援用する。本発明に有用なシリコーン樹脂には、たとえば熱硬化性シリコーンシーラントおよびシリコーンゴムが含まれる。多様なシリコーン樹脂が本発明に有用である。ある樹脂は、特にキシレンおよびアセチルアセトン(2,4−ペンタンジオン)を含む。このシリコーン樹脂は、約362°F(183℃)の沸点、68°Fで21mmHgの蒸気圧、4.8の蒸気密度(空気=1)、無視できる水溶解度、約1.09の比重、5重量%の揮発性成分率、0.1未満の蒸発速度(エーテル=1)、約149°F(65℃)のペンスキー−マルテンス(Pensky−Martens)法による引火点をもつ。他のシリコーン樹脂を本発明に使用できることを理解すべきである。他の有用な樹脂ブレンドが含まれる:たとえば適切なフェノール樹脂は下記のものを含む(重量%):約55〜約60%のフェノール樹脂;約20〜約25%のエチルアルコール;約10〜約14%のフェノール;約3〜約4%のメチルアルコール;約0.3〜約0.8%のホルムアルデヒド;および約10〜約20%の水。他の適切なフェノール系樹脂は下記のものを含む(重量%):約50〜約55%のフェノール/ホルムアルデヒド樹脂;約0.5%のホルムアルデヒド;約11%のフェノール;約30〜約35%のイソプロパノール;および約1〜約5%の水。
他の有用な樹脂はエポキシ改質フェノール樹脂であることも見いだされ、これは約5〜約25重量%、好ましくは約10〜約15重量%のエポキシ化合物を含有し、残り(溶剤および他の加工助剤を除く)はフェノール樹脂である。エポキシ−フェノール樹脂配合物は、ある態様においてはフェノール樹脂単独より高い耐熱性を摩擦材料に与える。
繊維基材による樹脂の目標含浸率は、ある態様においては全シリコーン−フェノール樹脂の約40〜約65重量%、ある態様においては約60〜少なくとも65重量%であることが好ましい。繊維基材に樹脂を含浸させた後、繊維基材を300〜400℃の温度で一定期間(ある態様においては約1/2時間)硬化させて樹脂結合剤を硬化させ、摩擦材料を形成する。摩擦材料の最終厚は繊維基材の初期厚に依存し、ある態様においては好ましくは約0.014〜約0.040”である。
さらに、樹脂ブレンドの調製および含浸用繊維材料の調製の両方に有用なことが知られている他の成分および加工助剤を摩擦材料に含有させることができるものとする。
シリコーン樹脂およびフェノール樹脂は両方とも、互いに相溶性である溶剤中に存在する。これらの樹脂を混和して(好ましい態様において)均質なブレンドを調製し、次いでこれを繊維基材の含浸に用いる。繊維基材にフェノール樹脂を含浸させた後にシリコーン樹脂を添加した場合、またはその逆の場合、必ずしも同じ効果が得られるわけではない。シリコーン−フェノール樹脂溶液の混合物と、シリコーン樹脂粉末および/またはフェノール樹脂粉末のエマルションとの間にも相異がある。シリコーン樹脂およびフェノール樹脂が溶液中にある場合、それらは全く硬化しない。これに対し、シリコーン樹脂およびフェノール樹脂の粉末粒子は部分的に硬化している。シリコーン樹脂およびフェノール樹脂の部分硬化は、繊維基材への良好な含浸を阻害する。
本発明のある態様においては、フェノール樹脂およびそれの溶剤と相溶性である溶剤中のシリコーン樹脂のブレンドを、繊維基材に含浸させる。1態様においては、イソプロパノールが特に適切な溶剤であることが見いだされた。しかし、他の多様な適切な溶剤、たとえばエタノール、メチル−エチルケトン、ブタノール、イソプロパノール、トルエンなどを本発明の実施に際して使用できることを理解すべきである。シリコーン樹脂が存在すると(フェノール樹脂とブレンドして繊維基材の含浸に用いる)、得られる摩擦材料はフェノール樹脂のみを含浸させた繊維基材より柔軟性になる。シリコーン−フェノール樹脂ブレンドを含浸した本発明の摩擦材料に圧力が付加された場合、より均等に圧力が分布し、これによって不均一なライニング摩耗の可能性が少なくなる。シリコーン樹脂とフェノール樹脂を混和した後、この混合物を繊維基材の含浸に用いる。
ある態様においては、フィブリル化の少ない繊維および部分炭化炭素繊維を繊維基材中に用いて目的とするポア構造を摩擦材料に付与すると、高い耐熱性が摩擦材料に与えられる。繊維のこの形状は耐熱性を与えるだけでなく、離層抵抗性およびきしりや騒音に対する抵抗性も与える。部分炭化炭素繊維の存在により耐熱性の増大が補助され、定常的な摩擦係数が保持され、きしり抵抗性が増大する。またある態様においては、繊維基材中の比較的少量の綿繊維が摩擦材料のクラッチ”ブレイクイン”特性を改善する。
繊維基材中にフィブリル化の少ないアラミド繊維を用いると、摩擦材料の耐熱性能が改善される。フィブリル化の少ないアラミド繊維は、一般にコア繊維に付着したフィブリルをほとんど含まない。フィブリル化の少ないアラミド繊維の使用により、より多孔質の構造をもつ摩擦材料が得られる。すなわち、一般的なフィブリル化アラミド繊維を用いた場合より多数の、より大きなポアがある。多孔質構造は一般にポアサイズと液体透過性により規定される。好ましい態様において、繊維基材は直径約2.0〜約25ミクロンの平均サイズのポアをもつ。ある態様において、平均ポアサイズは直径約2.5〜約8ミクロンであり、摩擦材料は少なくとも約50%、ある態様においては少なくとも約60%またはそれ以上の、容易に到達できるエアボイドをもつ。
摩擦材料がより高い平均流動ポア直径および透過性をもつ場合、摩擦材料の多孔質構造全体における自動トランスミッション液の流れがより良好であるため、その摩擦材料はより速やかに冷却しやすく、あるいはトランスミッションに際して発生する熱がより少ない。トランスミッションシステムの作動中、特に高温では、自動トランスミッション液の分解のため時間と共に摩擦材料表面にオイル堆積物が生じる傾向がある。繊維上のオイル堆積物はポア開口を減少させる。したがって、摩擦材料が最初に大きなポアから出発するほど、摩擦材料の可使時間中に残存する開放ポアはより多い。さらに、少なくとも部分的にシリコーン樹脂を含浸した態様では、シリコーン樹脂の柔軟性のため摩擦材料中の繊維はいっそう多くの開放構造をもつ。
アラミド繊維は約0.5〜約10mmの長さ、および約300以上のカナダ標準フリーネス(CSF)をもつことが望ましい。ある態様においては約450〜約550、好ましくは約530以上のCSF;他の態様においては約580〜650およびそれ以上、好ましくは約650以上ののCSFをもつフィブリル化の少ないアラミド繊維を使用することが望ましい。これに対し、よりフィブリル化した繊維、たとえばアラミドパルプは、約285〜290のフリーネスをもつ。
”カナダ標準フリーネス”(T227 om−85)は、繊維のフィブリル化度を繊維のフリーネスの測定値として表現できるものを意味する。CSF試験は、水1リットル中の繊維3gの懸濁液を排出できる任意尺度の速度を求める実験法である。したがって、フィブリル化度の低いアラミド繊維ほど、他のアラミド繊維またはパルプより高いフリーネスをもち、すなわち摩擦材料から流体が排出する速度が高い。約430〜650(ある態様においては、好ましくは約580〜640、より好ましくは約620〜640)のCSFをもつアラミド繊維を含む摩擦材料が卓越した摩擦性能を備え、一般的なよりフィブリル化したアラミド繊維を含有する摩擦材料より良好な材料特性をもつ。高いカナダフリーネスと共に繊維長さが長いほど、高い強度、高い多孔度および良好な耐摩耗性をもつ摩擦材料が得られる。フィブリル化の少ないアラミド繊維(約530〜650のCSF)は、特に良好な長期耐久性および安定した摩擦係数をもつ。
本発明の繊維基材の一次層には多様な充填材も有用である。特に、シリカ充填材、たとえばケイソウ土が有用である。しかし、本発明に使用するには他のタイプの充填材も適切であり、充填材の選択は摩擦材料の個々の要件に依存すると考えられる。
ある態様においては、綿繊維を本発明の繊維基材に添加して、より高い摩擦係数を繊維材料に与える。ある態様においては約5〜約20%、ある態様においては約10%の綿を繊維基材に添加することもできる。
繊維基材の一次層のための配合物の一例は、参考文献USP6,130,176に記載されるように、約10〜約50重量%のフィブリル化の少ないアラミド繊維;約10〜約35重量%の活性炭粒子;約5〜約20重量%の綿繊維;約2〜約15重量%の炭素繊維;および約10〜約35重量%の充填材を含む。ある態様においては、約35〜約45重量%のフィブリル化の少ないアラミド繊維;約10〜約20重量%の活性炭粒子;約5〜約15重量%の綿繊維;約2〜約10重量%の炭素繊維;および約25〜約35重量%の充填材を含む具体的配合物が有用であることが見いだされた。
繊維基材の一次層上に部分炭化炭素繊維を用いると、繊維基材に三次元構造が付与される。
繊維基材の一次層の表面における部分炭化炭素繊維の二次層の均一性は、好ましくは約0.5〜約6mmの繊維長さおよび約1〜約15μmの直径の範囲およびサイズの粒子を用いることにより達成される。これらの態様において、部分炭化炭素繊維が大きすぎるか、または小さすぎると、最適な三次元構造が得られず、したがって熱放散が最適でないことが見いだされた。
好ましい態様において、一次層上の部分炭化炭素繊維の被覆面積は、表面積の約3〜約90%である。
部分炭化炭素繊維の二次層を一次層上に付着させて、繊維基材を形成する。ある態様において、二次層はさらに摩擦改質粒子を含有することができる。多様な摩擦改質粒子が繊維基材上の二次層として有用である。有用な摩擦改質粒子には、シリカ粒子;樹脂粉末、たとえばフェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、およびその混合物;部分炭化および/または完全炭化炭素粉末、およびその混合物;ならびにそのような摩擦改質粒子の混合物が含まれる。特に、シリカ粒子、たとえばケイソウ土、セライト(Cerite、登録商標)、セラトム(Celatom、登録商標)、および/または二酸化ケイ素が殊に有用である。シリカ粒子は低価格の有機材料であり、繊維材料に強固に結合する。シリカ粒子は、摩擦材料に高い摩擦係数を与える。シリカ粒子は摩擦材料に滑らかな摩擦表面をも与え、良好な”シフト感触”および摩擦特性を摩擦材料に与えるので、”シャダー”が最小限に抑えられる。
摩擦材料を製造するための好ましい方法は、繊維基材の一次層を形成する繊維を含む。繊維基材の一次層の少なくとも1つの表面を摩擦改質粒子で被覆する。摩擦改質粒子で被覆した繊維基材に、次いで少なくとも1種類のフェノール樹脂またはフェノール系樹脂を含浸させる。含浸および被覆した繊維基材を予め定めた温度で予め定めた期間硬化させて、摩擦材料を形成する。
本発明の摩擦材料10を製造するための好ましい1態様を図2に示す。繊維基材12は、上(upper,top)面16および下(lower,bottom)面18をもつ下層14を含む。下層14が湿潤している間に、摩擦改質粒子20を湿潤した下層14の上面16上に付着させる。
ある態様においては、摩擦改質粒子20を下層14の上面16上に付着させる前に、湿潤した下層14の下面18に真空圧(図示されていない)を用いることも有用である。
繊維基材の一次層上の部分炭化炭素繊維の二次層は、摩擦材料に良好な摩擦係数特性、高い耐久性、良好な耐摩耗性および改善されたブレイクイン特性を与えることが見いだされた。
以下の例は、部分炭化炭素繊維で被覆した繊維基材および得られた本発明の摩擦材料が、従来の摩擦材料より改良されている証拠をさらに提示する。本発明の多様な好ましい態様を以下の例に示すが、それらは本発明を限定するためのものではない。
実施例
スリップクラッチ界面技術要件:本発明の摩擦材料は、特殊な要件を満たすスリッピングクラッチ用途用に設計されている。これらの要件には、高い機械的強度、耐熱性、耐グレージング性(glazing resistance)および耐シャダー性が含まれる。本発明の摩擦材料は、高い多孔度、高い機械的強度を得るためのユニークな材料構造、高い熱伝導性、および耐シャダー性摩擦改質特性をもつ。これらの材料特性は、円滑なスリップトルク出力および長期摩擦安定性に必要な条件である。
望ましいスリップトルク応答および長期耐久性のためのスリップクラッチ材料要件には、良好な曲線形状および長期摩擦安定性が含まれる。良好な曲線形状は、高い材料多孔度および高い摩擦改質剤含量に依存する。長期摩擦安定性は、高多孔度(耐グレージング性)および耐熱成分に依存する。
繊維基材構造は、多孔質および耐熱性の合成繊維網目構造を含み、高い熱放散性および摩擦安定性を備えている。摩擦改質粒子を繊維基材に付着させて、”耐シャダー”性を与える。スリップクラッチ用の本発明の摩擦材料を図2に示す。BWは本発明の摩擦材料であり、約38〜40重量%のフィブリル化の少ないアラミド繊維;約13〜15重量%の炭素粒子;約10〜12重量%の綿繊維;約4〜6重量%の炭素繊維;および約28〜30重量%のセライト充填材を含む繊維基材の一次層をもち;かつ約3〜約5重量%のセライト摩擦改質粒子を含む二次層または上層をもつ。M1は従来の低速スリップ材料であり、約25重量%のアラミド繊維;約25重量%の綿繊維;および約15重量%の充填材を含む。
摩擦特性判定試験:スリップクラッチ摩擦材料の性能および耐久性を下記の試験により評価する:
高速スリップ耐久性卓上試験(P25):極高エネルギー長期スリップ耐久性;
低速スリップスクリーニング卓上試験(P31):種々の作動条件下での低速連続スリップ、μ−v摩擦特性;
トランスミッションダイナモメーター耐久性試験;
車両性能試験。
スリップクラッチ材料の試験法は、シフトクラッチ材料のものとは異なる。スリップクラッチ材料の主な特色(たとえば始動クラッチ)は、クラッチが完全にかみ合うまでに長いスリップ時間を要するので、単位接触面積当たり高い摩擦エネルギーを必要とし、クラッチは高い慣性を伴う。表Iに、高速スリップ耐久性卓上試験P25および低速スリップスクリーニング卓上試験P31の試験条件を示す。
Figure 2005163011
卓上試験材料には、BW、M1および炭素織布が含まれていた。BW材料は本発明の摩擦材料であり、高い熱放散を得るために多孔質合成繊維網目構造を備えている。さらに、耐シャダー性を得るために摩擦改質剤をBW材料の表面に付着させた。M1材料は従来の低速スリップクラッチ摩擦材料であり、中等度の高エネルギー容量、緻密な構造およびより低い多孔度、耐熱繊維と耐寒有機繊維の組合わせ、ならびに良好な”初期”耐シャダー性をもつ。炭素織布は織物であり、3種類の材料中で最高の多孔度をもつ。しかし炭素織布は製織パターンという性質上、高い表面粗さをもつ。さらに、炭素織布は図2aに示すように、圧縮硬化性の高い材料であるため機械的変形を最も生じやすい。
BW材料とM1材料の特性比較を下記の表IIに示す。材料M1の平均ポア直径は4μmである。摩擦材料BWは、それがもつ他の特色のほか、より大きなポア構造を含み、平均ポア直径は約7μmである。ポアが大きいほど、それらの直径が大きいのでグレージングによる閉塞を生じにくい。
Figure 2005163011
図3〜5は、高速スリップについてのP25卓上試験結果を示す。材料M1は、図3に示すように最初は良好ななトルク軌跡(または摩擦係数μ曲線)を示し、次いで雄鶏尾状(rooster tailed)トルク曲線が500サイクル後に生じ始め、2000サイクル後に明瞭になった。雄鶏尾状トルク軌跡は、シャダーを伴う不利なμ−v曲線を形成するので望ましくない。図4は本発明の摩擦材料に対する同じ試験の結果を示す。出力トルク軌跡はわずかに下降性または平坦である。μレベルは2000サイクル全体にわたって安定している。摩擦材料BWのこれらの特性、すなわち安定したμおよび下降性/平坦トルク軌跡は、良好な性能の強力な証拠である。炭素織布の試験結果を図5に示す。図5は、明らかに低いμ値、および各トルク軌跡(すなわちμ曲線)における大きな雄鶏尾を示す。これは、これら3試験中、最も望ましくない例である。異なるタイプの自動トランスミッション液を用いた場合も、同様な所見および特性傾向がこれら3種類の材料についてみられた。
P25試験後のBW材料およびM1材料の摩擦プレートをSEMにより検査した。図6に示すように、材料M1は表面グレージングを生じたが、摩擦材料BWは清浄な表面をもち、多孔性を維持することが認められた。M1は多孔度が低い材料であるので、耐久性試験後にグレージングを生じた。BW摩擦材料の高い多孔度はグレージングを防止するのに役立つ。炭素織布材料は良好なエネルギー容量をもっていた;しかし高い圧縮性(機械的変形)、粗面性および炭素の化学的性質のため、炭素織布材料は図5に示すように高エネルギースリップ耐久性試験においてきわめて不安定であった。
材料BW、M1および炭素織布について、低スリップ速度におけるμ−v関係を図7〜9に示す。BWおよびM1材料は有利なμ−v勾配をもつが、炭素織布材料は不利なμ−v勾配を示す。良好な耐シャダー性には、有利なμ−v勾配が必要である。炭素織布材料の不利なμ−v勾配は、炭素織布材料が車両において最もシャダーを発生しやすいことを意味する。BWおよびM1材料の耐シャダー成分は、有利なμ−v勾配の形成に役立つ。炭素自体はそのような種類の有利なμ−v勾配を形成できない。
トランスミッションの耐久性を評価するために、完成したトランスミッションを用いてダイナモメーター試験を実施した。被験リグは、車両の慣性をシミュレートするために2つのエンジンおよび/またははずみ車を備えていた。オイルの温度は85〜100℃であった。最大スリップ速度は約2500rpmであった。クラッチ圧は約500KPaであった。スリップ時間は約5秒であった。全試験は、18の異なるタイプの始動からなり、各タイプは異なる条件(スリップ速度、スリップ時間、圧力など)を備えていた。
図10および図11は、車両操作をシミュレートしたダイナモメーター試験の結果を示す。摩擦材料BWは定常的なμ値をもち、中間試験(44000サイクル)および試験終了時(77,000サイクルの始動)においてシャダーを示さない。出力スリップトルクは入力トルクに比例する。管理不能なトルク波動はみられなかった。これらの結果は、高速スリップクラッチ用途に対する摩擦材料BWの良好な品質を証明する。
図12および図13は、車両試験結果を示す。摩擦材料BWは平坦なμ−v曲線(安定したμ)および円滑な出力トルク(波動なし)を示した。しかし材料M1は不利なμ−v勾配、および著しい波動(すなわちシャダー)を伴う出力トルクを示した。これらのデータにより、高速スリップ用途において摩擦材料BWが材料M1より優れていることが確認される。
本発明は、クラッチプレート、トランスミッションベルト、ブレーキ片、シンクロナイザーリング、摩擦板またはシステムプレートに用いる高エネルギー摩擦材料として有用である。
本発明の好ましい態様および別態様についての以上の記載は説明のためのものであって、特許請求の範囲に記載の範囲および内容を限定するものではない。
サイクル50およびサイクル2000において良好な曲線形状を示すスリップクラッチ材料性能のグラフである。 本発明に従って摩擦材料を製造するための1方法を示す模式図である。 本発明の摩擦材料BW、および炭素織布の圧縮挙動を示すグラフである。 従来の材料M1について高速スリップ耐久性卓上試験(P25)を示すグラフである。 本発明の摩擦材料BWについて高速スリップ耐久性卓上試験(P25)を示すグラフである。 炭素織布について高速スリップ耐久性卓上試験(P25)を示すグラフである。 P25試験後の表面外観を示す:図6a−本発明の摩擦材料BW;図6b−従来のスリップ摩擦材料M1。 従来の材料M1について低速スリップスクリーニング卓上試験(P31)を示すグラフである。 本発明の摩擦材料BWについて低速スリップスクリーニング卓上試験(P31)を示すグラフである。 炭素織布について低速スリップスクリーニング卓上試験(P31)を示すグラフである。 本発明の摩擦材料BWについて45,000サイクルでのダイナモメーター試験(エンジントルク、クラッチ圧、出力トルクおよびスリップ速度)を示すグラフである。 本発明の摩擦材料BWについて77,000サイクルでのダイナモメーター試験(エンジントルク、クラッチ圧、出力トルクおよびスリップ速度)を示すグラフである。 従来の材料M1についてスリップ速度(rpm)とμ−v勾配およびスリップトルク車両試験の結果を示すグラフである。 従来の材料M1について、μ−v勾配およびスリップトルク車両試験結果に関する付加圧力、エンジン速度、クラッチ速度、スリップトルクおよびシャダーを示すグラフである。 本発明の摩擦材料BWについてスリップ速度(rpm)とμ−v勾配およびスリップトルク車両試験の結果を示すグラフである。 本発明の摩擦材料BWについて、μ−v勾配およびスリップトルク車両試験結果に関する付加圧力、エンジン速度、クラッチ速度、スリップトルクを示すグラフである。

Claims (28)

  1. 少なくとも1種類の硬化性樹脂を含浸した繊維基材を含み、繊維基材が部分炭化炭素繊維を含む、摩擦材料。
  2. 繊維基材が、繊維基材の重量を基準として約5〜約35重量%の部分炭化炭素繊維を含む、請求項1に記載の摩擦材料。
  3. 繊維基材が、繊維基材の重量を基準として約10〜約30重量%の部分炭化炭素繊維を含む、請求項1に記載の摩擦材料。
  4. 部分炭化炭素繊維が、約0.5〜約6mmの平均長さおよび約1〜約15μmのサイズの平均直径を有する、請求項1に記載の摩擦材料。
  5. 繊維基材が、さらにアラミド繊維を含む、請求項4に記載の摩擦材料。
  6. 少なくとも1種類の硬化性樹脂を含浸した繊維基材を含み、繊維基材が多孔質の一次層および1つの二次層を含み、二次層は一次層の少なくとも1つの表面に部分炭化炭素繊維を含み、部分炭化炭素繊維は一次層の表面積の3〜約90%を構成し、繊維基材が、カナダ標準フリーネス(CSF)指数で少なくとも約300のフリーネスを有する多数のフィブリルの少ない化アラミド繊維を含み、場合により下記のうち1種類以上:綿繊維、炭素繊維、炭素粒子、および少なくとも1種類の充填材を含む、摩擦材料。
  7. フィブリル化の少ないアラミド繊維が、カナダ標準フリーネスで少なくとも約430〜約650のフリーネスを有する、請求項6に記載の摩擦材料。
  8. アラミド繊維が、約0.5〜約10mmの平均繊維長さを有する、請求項6に記載の摩擦材料。
  9. 充填材がケイソウ土を含む、請求項6に記載の摩擦材料。
  10. 繊維基材が平均サイズ約2.0〜約25ミクロンのポア直径を有する、請求項1に記載の摩擦材料。
  11. 一次層が、容易に到達可能なエアボイドを少なくとも約50%有する、請求項1に記載の摩擦材料。
  12. 繊維基材層が、約10〜約50重量%のフィブリル化の少ないアラミド繊維;約10〜約35重量%の炭素粒子;約5〜約20重量%の綿繊維;約2〜約15重量%の炭素繊維;および約10〜約35重量%の充填材を含む、請求項6に記載の摩擦材料。
  13. 約38〜約40重量%のフィブリル化の少ないアラミド繊維;約13〜約15重量%の炭素粒子;約10〜約12重量%の綿繊維;約4〜6重量%の炭素繊維;および約28〜約30重量%の充填材を含む、請求項12に記載の摩擦材料。
  14. フェノール樹脂または改質フェノール樹脂を含浸した、請求項1に記載の摩擦材料。
  15. 摩擦材料が約25〜約60重量%の樹脂を含む、請求項14に記載の摩擦材料。
  16. フェノール樹脂およびシリコーン樹脂の混合物を含浸し、混合物中のシリコーン樹脂の量が混合物の重量を基準として約5〜約80重量%である、請求項1に記載の摩擦材料。
  17. フェノール樹脂が溶剤中に存在し、かつシリコーン樹脂がフェノール樹脂の溶剤と相溶性である溶剤中に存在する、請求項16に記載の摩擦材料。
  18. シリコーン−フェノール樹脂混合物中に存在するシリコーン樹脂の量が、混合物の重量を基準として約20〜約25重量%である、請求項16に記載の摩擦材料。
  19. シリコーン−フェノール樹脂混合物中に存在するシリコーン樹脂の量が、混合物の重量を基準として約15〜約25重量%である、請求項16に記載の摩擦材料。
  20. 改質フェノール樹脂がエポキシフェノール樹脂を含む、請求項14に記載の摩擦材料。
  21. エポキシフェノール樹脂中に存在するエポキシ樹脂の量が、エポキシフェノール樹脂の重量を基準として約5〜約25重量%である、請求項20に記載の摩擦材料。
  22. エポキシフェノール樹脂中に存在するエポキシ樹脂の量が、エポキシフェノール樹脂の重量を基準として約10〜約15重量%である、請求項20に記載の摩擦材料。
  23. 摩擦材料を製造するための、下記の工程を含む方法:
    アラミド繊維を含む繊維基材を形成し、
    この多孔質繊維基材の少なくとも1つの表面の約3〜約90%を部分炭化炭素繊維で被覆し、この部分炭化炭素繊維は繊維基材の重量を基準として約10〜約30重量%存在し、
    被覆した繊維基材にフェノール樹脂またはフェノール系樹脂混合物を含浸させ、
    次いで、含浸した繊維基材を予め定めた温度で予め定めた期間硬化させる。
  24. アラミド繊維を炭素粒子、綿繊維、炭素繊維および少なくとも1種類の充填材と混合して繊維基材を形成する、請求項23に記載の方法。
  25. 部分炭化炭素繊維が、約0.5〜約6mmの平均長さおよび約1〜約15μmのサイズの平均直径を有する、請求項23に記載の方法。
  26. 繊維基材の少なくとも1つの表面の約3〜約90%を、約0.5〜約6mmの平均長さおよび約1〜約15μmのサイズの平均直径を有する部分炭化炭素繊維で被覆し、この部分炭化炭素繊維は繊維基材の重量を基準として約10〜約30重量%存在し、
    被覆した繊維基材にフェノール樹脂またはフェノール系樹脂混合物を含浸させ、
    次いで、含浸した繊維基材を予め定めた温度で予め定めた期間硬化させる。
  27. 繊維基材が、カナダ標準フリーネス(CSF)指数で少なくとも約300のフリーネスを有する多数のフィブリル化の少ないアラミド繊維を含み、場合により下記のもの1種類以上:綿繊維、炭素繊維、炭素粒子、および少なくとも1種類の充填材を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 繊維基材が、カナダ標準フリーネス(CSF)指数で少なくとも約430〜約650のフリーネスを有する多数のフィブリル化の少ないアラミド繊維を含む、請求項27に記載の方法。
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