JP2005159255A - 回路基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁性樹脂からなる回路基板の製造方法であって、表面にペースト被着部とペースト反発部が形成されてなる基板表面に導電性ペーストを塗布することにより回路部を形成する工程、該基板の回路部形成面側に絶縁性樹脂層を形成する工程および該基板を除去し、回路部を絶縁性樹脂に転写する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
Description
第13回マイクロエレクトロニクスシンポジウム論文集p80
すなわち、本発明は、
(1) 絶縁性樹脂からなる回路基板の製造方法であって、表面にペースト被着部とペースト反発部が形成されてなる基板表面に導電性ペーストを塗布することにより回路部を形成する工程、該基板の回路部形成面側に絶縁性樹脂層を形成する工程および該基板を除去し、回路部を絶縁性樹脂層に転写する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
(2) 回路部を形成する工程が、導電性ペーストを基板表面の全面に塗布し、更にペースト反発部上の余分なペーストを除去することを特徴とする(1)に記載の回路基板の製造方法。
(3) 少なくともペースト被着部の表面が硬化後のガラス転移温度が100℃以上の熱硬化性樹脂で形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の回路基板の製造方法。
(4) 前記絶縁性樹脂層が熱可塑性樹脂フィルムあるいは片表面又は両表面に熱可塑性樹脂層を形成したフィルムであり、絶縁性樹脂層の形成を該熱可塑性樹脂のガラス転移温度の+15℃から+100℃の温度範囲、0.5から20MPaの圧力範囲で熱圧し、該基板の除去を該絶縁性樹脂層の剥離角度を90度以下で行うことを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の回路基板の製造方法。
(5) (1)〜(3)いずれかに記載の方法により得られた回路基板の非回路形成面に、フィルムを積層し、加熱、加圧して貼りあわせたのち、導通用スルーホールを形成し、該スルーホール内に導電性ペーストを埋め込み、該フィルムを剥離してバンプを形成することを特徴とするバンプ付き回路基板の製造方法。
(6) (1)〜(5)いずれかに記載の方法により得られた回路基板を2以上積層し加熱,加圧する工程を含むことを特徴とする多層回路基板の製造方法。
(7) (1)〜(6)いずれかに記載の製造方法により製造された回路基板。
に関する。
本マスター板のペースト被着性を有する層の少なくとも表面は、硬化後のガラス転移温度が100℃以上である熱硬化性樹脂が好ましい。ガラス転移温度が100℃未満あるいは熱可塑性樹脂の場合、後述のマスター板剥離工程において導電性ペーストの凝集破壊を生じ、安定した回路形状が得られない場合がある。これらの熱硬化性樹脂としては例えばエポキシ樹脂、非熱可塑性ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、アリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂はマスター板のベースと感光性樹脂層を接着する樹脂の露出部分に被膜として形成されていても構わず、この場合には被膜の厚さは2μm以下0.01μm以上が好ましい。2μmを超える場合には導電性ペーストの充填率が低減し膜厚の低下を生じ、0.01μm未満では剥離効果が不十分となる場合がある。この際、使用されるマスター板としては例えばコダック社製プロフェッショナル ダイレクト イメージ サーマル プリンティングプレート/830、三菱化学社製ダイアモンドプレートLT-1およびLT-G、富士写真フィルム社製Brillia LH-PおよびLH-N、コニカ社製コニカ サーマル プレート、旭化成社製旭化成サーマルプレート、東レ社製東レ水なし平版等が挙げられる。
被膜形成方法は特に限定しないが、塗布方法としてはロールコート法、ディップコート法が均一に薄膜形成をするに好適である。塗布後、100℃から250℃にて10分から120分の条件にて処理され被膜が形成される。
溶剤としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル系溶剤、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート系溶剤、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル系溶剤、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート系溶剤、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等の溶剤および水等が挙げられる。
積層時の温度は使用される熱可塑性樹脂のガラス転移温度の+15℃〜+100℃の温度範囲であることが好ましい。積層温度がガラス転移温度+15℃未満では導電性ペースト回路と絶縁性樹脂層の密着性が不足し、+100℃を超える場合は樹脂の軟化が激しくなり膜厚変動や変形を生じ好ましくない傾向にある。積層時の圧力は、0.5MPa〜20MPa、更に2MPa〜15MPaにて行うのが好ましい。
この時使用される導電性ペ−ストには、三井化学社製、商品名MSP-812Bあるいはハリマ化成社製、商品名NSP-H等が挙げられるが、これら以外の通常の導電ペ−ストを使用してもかまわない。
該回路基板を2層以上組み合わせて加熱、加圧することにより、多層板を製造することができる。圧力は0.5MPa〜5MPaが好ましく、更に好ましくは1.5MPa〜2MPaである。0.5MPa以下では層間の接続が十分とならず、5MPa以上では回路が変形あるいは断線し好ましくない場合がある。加熱は、200℃〜350℃で、更に250℃〜300℃が好ましい。200℃以下では層間接着力が不十分となり、350℃では回路の変形を生じ好ましくない場合がある。
回路基板の製造プロセスを図-1に示す。マスター板としては、ペースト被着層とペースト反発層を有する水なし平版(東レ社製、商品名HG2)を使用し、フォトマスクを介して露光、現像することにより所望の回路パターンのペースト被着部を形成した(工程2)。次に本マスター板上に熱硬化性樹脂をディップコート法により塗布した(工程3)。使用した熱硬化性樹脂は、ビスマレイミド(三井化学株式会社製)、ノボラックフェノール樹脂(三井化学株式会社製ミレックス(登録商標)XLC-3L)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂からなるもので配合重量比率は50:25:25であり、メチルエチルケトンとN-メチルピロリドンを1:1で配合した溶剤を使用し、固形分0.1重量%の溶液として使用した。塗布後、200℃60分乾燥硬化し、0.2μmの被膜を形成した。硬化後のガラス転移温度は180℃であった。本マスター板に導電性ペーストをロールコート法によりペースト被着部に印刷した(工程4)。使用した導電性ペーストは、平均粒径7nmの銀粉95重量部とフェノール樹脂(三井化学社製、商品名ミレックス(登録商標)XLC)2.5重量部、エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名EOCN-4400)2.5重量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部を混合、分散することにより得られたものである。印刷後、200℃で60分加熱処理し、導電回路を形成した。
その後、導電性ペースト印刷面に絶縁性樹脂層として厚さ25μmのポリイミドフィルム(鐘淵化学社製、商品名アピカル)上に5μmのガラス転移温度200℃の熱可塑性ポリイミドを形成したフィルムを積層した(工程5)。積層条件は、250℃、10MPa、30minであった。次いで積層体上に直径100mmφの円筒をのせ、絶縁性樹脂層の端より円筒に抱かせるように剥離角度1度で剥離し(工程6)、導電性ペーストが転写された回路基板を得た。
回路基板の製造プロセスを図-2に示す。実施例1と同様にペースト被着層とペースト反発層を有する水なし平板(東レ社製)を使用し、ペースト被着部の凹部形状の深さが6μmの回路パターンを形成した(工程1)。実施例1と同様に熱硬化性樹脂層を形成したのち(工程2)、実施例1で使用したのと同じ導電性ペーストをスキージ-印刷法により全面に印刷した(工程3)。次に材質が、エチレンプロピレンゴムでゴム硬度が50°のロ−ルを用い該マスタ−板上を回転させることにより、ペースト反発部の余分の導電性ペ−ストを除去し、ペースト被着部のみに導電性ペーストを形成した(工程4)。以下、実施例1と同様に実施し、回路基板を得た。形成された回路パターンの膜厚は、6μmであった。
(実施例3)
回路基板の製造プロセスを図−3に示す。工程1から工程4までは実施例2と同様な方法により印刷し回路パターンを形成した。厚さ25μmのポリイミドフィルム(鐘淵化学社製、商品名アピカル)の両面にガラス転移温度200℃の熱可塑性ポリイミドをそれぞれ膜厚5μmおよび10μmで塗布したフィルムの10μm塗布した側を導電性ペースト印刷面に積層した(工程8)。
積層条件は、200℃、10MPa、30minであった。次に厚さ12.5μmのポリイミドフィルム(鐘淵化学社製、商品名アピカル)を積層した(工程9)。積層条件は、200℃、2MPa、5minであった。ついで、レ−ザ−により100μmの穴あけを行った(工程10)。ついで穴埋め用インキを印刷により埋め込み200℃で乾燥した(工程11)。積層体上に直径100mmφの円筒をのせ、厚さ12.5μmの該ポリイミドフィルムの端より円筒に抱かせるように剥離角度1度で剥離した(工程12)。更にマスタ−板を剥離することにより導電性ペーストのバンプが形成された回路基板を得た(工程13)。
(実施例4)
多層回路基板の製造プロセスを図−4に示す。実施例3で製造した回路基板の上に実施例2で製造した回路基板を積層し(工程14)、導通スル−ホ−ルを有する多層回路基板を得た(工程15)。積層条件は、300℃、2MPa、60minであった。
(実施例5)
アルミ板上に実施例1で使用した熱硬化性樹脂を塗布硬化し、1ミクロンの被膜を得た。その後、水なし平版(東レ社製、商品名HG2)と同様に感光性とペースト反発性を有する層を形成しマスター板を作成した。実施例1と同様に所望の回路パターンのペースト被着部を形成し、実施例1と同様の導電性ペーストをインクジェット法によりペースト被着部に印刷した。実施例1と同様にして硬化させた後、絶縁性樹脂層としてポリエーテルイミドフィルム(GE社製、商品名ウルテム)を積層した。積層条件は、300℃、7MPa、45minであった。その後、実施例1と同様にしてマスター板と絶縁性樹脂層を剥離し、回路基板を得た。
(実施例6)
アルミ板上に実施例1で使用した熱硬化性樹脂を塗布硬化し、1ミクロンの被膜を得た。その後、水なし平版(東レ社製、商品名HG2)と同様に感光性とペースト反発性を有する層を形成しマスター板を作成した。実施例1と同様に所望の回路パターンのペースト被着部を形成し、実施例1で得られた導電性ペーストを実施例2と同様にして塗布、硬化させた後、絶縁性樹脂層としてポリエーテルイミドフィルム(GE社製、商品名ウルテム)を積層した。積層条件は、300℃、2MPa、60minであった。その後、実施例1と同様にしてマスター板と絶縁性樹脂層を剥離し、回路基板を得た。
Claims (7)
- 絶縁性樹脂からなる回路基板の製造方法であって、表面にペースト被着部とペースト反発部が形成されてなる基板表面に導電性ペーストを塗布することにより回路部を形成する工程、該基板の回路部形成面側に絶縁性樹脂層を形成する工程および該基板を除去し、回路部を絶縁性樹脂に転写する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
- 回路部を形成する工程が、導電性ペーストを基板表面の全面に塗布し、更にペースト反発部上の余分なペーストを除去することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
- 少なくともペースト被着部の表面が、硬化後のガラス転移温度が100℃以上の熱硬化性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板の製造方法。
- 前記絶縁性樹脂層が熱可塑性樹脂フィルムあるいは片表面又は両表面に熱可塑性樹脂層を形成したフィルムであり、絶縁性樹脂層の形成を該熱可塑性樹脂のガラス転移温度の+15℃から+100℃の温度範囲、0.5から20MPaの圧力範囲で熱圧し、該基板の除去を該絶縁性樹脂層の剥離角度を90度以下で行うことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の回路基板の製造方法。
- 請求項1〜3いずれかに記載の方法により得られた回路基板の非回路形成面に、フィルムを積層し、加熱、加圧して貼りあわせたのち、導通用スルーホールを形成し、該スルーホール内に導電性ペーストを埋め込み、該フィルムを剥離してバンプを形成することを特徴とするバンプ付き回路基板の製造方法。
- 請求項1〜5いずれかに記載の方法により得られた回路基板を2以上積層し加熱,加圧する工程を含むことを特徴とする多層回路基板の製造方法。
- 請求項1〜6いずれかに記載の製造方法により製造された回路基板。
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2004
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