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JP2005159167A - 光電変換装置およびその製造方法 - Google Patents

光電変換装置およびその製造方法 Download PDF

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Makoto Sugawara
信 菅原
Atsuo Kishu
淳雄 旗手
Hisao Arimune
久雄 有宗
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Abstract

【課題】 従来の結晶質半導体粒子を用いた光電変換装置では低信頼性かつ低変換効率であった。
【解決手段】 下部電極となる基板上1に、表面が粗面の多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子3の一部領域がそれぞれ接合されているとともに、結晶質半導体粒子3の一部領域を除く表面に他方導電型の半導体部4が形成され、隣り合う結晶質半導体粒子3間に基板1上および半導体部4の下部を覆い、かつ半導体部4の上部を露出させて絶縁体2が形成され、絶縁体2および半導体部4の上部を覆って上部電極5が形成されていることにより、粗面で照射される光が反射を繰り返すことで効率よく光をpn接合部へ取り込むため高い変換効率を有するとともに、アンカー効果により絶縁体2,結晶質半導体粒子3,半導体部4間の密着性が向上するため高い信頼性を有する光電変換装置となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は光を電気に変換する太陽電池などの光電変換装置に関し、特に結晶質半導体粒子を用いた光電変換装置およびその製造方法に関するものである。
従来、結晶シリコンウエハを用いた変換効率の高い太陽電池が実用化されている。この結晶シリコンウエハは、結晶性がよく、かつ不純物が少なくてその分布に偏りのない大型の単結晶シリコンインゴットから切り出されて作製されている。しかし、大型の単結晶シリコンインゴットは作製するのに長時間を要するため生産性が悪く、これにより高価となるので、大型の単結晶シリコンインゴットを必要とせず、高効率な次世代太陽電池の出現が強く望まれている。
大型の単結晶シリコンインゴットを必要としない光電変換装置として、例えば、図2に示すようなシリコン結晶粒子を用いた光電変換装置が提案されている(特許文献1を参照。)。この光電変換装置は、基板101上に低融点金属層108が形成され、この低融点金属層108上に一方導電型の半導体粒子103の多数個が配設され、低融点金属層108が加熱されることでこれらの半導体粒子103が固定され、固定された半導体粒子103間を埋め、半導体粒子103と低融点金属層108とを覆うように絶縁体102が形成された後、一方導電型の半導体粒子103上の絶縁体102の一部が研磨されて一方導電型の半導体粒子103を露出させ、その露出させた表面に他方導電型の半導体部104と透明導電層106とが順次形成されたものである。
また、同様にシリコン結晶粒子を用いた光電変換装置として、図3に示すような光電変換装置も提案されている(特許文献2を参照。)。この光電変換装置は、グラファイト基板(不図示)上に未硬化の絶縁体102が形成され、その上に一方導電型の半導体粒子103がその一部が埋まるように配設され、絶縁体102を硬化させてから、絶縁体102とこの絶縁体102から露出している一方導電型の半導体粒子103とを覆うようにアルミペーストからなる接続層110が形成され、さらに下部電極となる基板101が設けられた後に、グラファイト基板(不図示)が剥離され、この剥離面の絶縁体102が一方導電型の半導体粒子103を露出するように研磨されて、その露出した表面に他方導電型の半導体部104と透明導電層106とが順次形成されたものである。
特許第2641800号公報 特開平3−228379号公報
しかしながら、図2および図3に示す従来の光電変換装置では、絶縁体102とともに研磨されて露出した一方導電型の半導体粒子103の表面に他方導電型の半導体部104が形成されてpn接合が形成されるために、pn接合界面に研磨による結晶欠陥等のダメージが残り、pn接合の品質が低下することから、pn接合部の価電子帯と伝導電子帯との間に結晶欠陥等に起因する新たなエネルギ準位が形成されてしまい、その結果、変換効率が低下するという問題があった。また、半導体粒子103と絶縁体102とが高温高湿下で剥離してしまい、水分が混入したり、上部電極105が断線したりするため、信頼性が低いという問題点があった。さらに、研磨による良好な露出面を全ての半導体粒子103に形成するには精密な研磨工程が必要となるため、製造が困難であり生産性が悪いという問題があった。
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い変換効率を有するとともに、高い信頼性をもち、かつ生産性のよい光電変換装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の光電変換装置は、下部電極となる基板上に、表面が粗面の多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子の一部領域がそれぞれ接合されているとともに、前記結晶質半導体粒子の前記一部領域を除く表面に他方導電型の表面が粗面の半導体部が形成され、隣り合う前記結晶質半導体粒子間に前記基板上および前記半導体部の下部を覆い、かつ前記半導体部の上部を露出させて絶縁体が形成され、前記絶縁体および前記半導体部の前記上部を覆って上部電極が形成されていることを特徴とするものである。なお、表面に一部領域を除いて他方導電型の半導体部が形成された一方導電型の結晶質半導体粒子を、以下、光電変換を行なう半導体粒子という。
ここで、前記基板と前記結晶質半導体粒子とは、前記結晶質半導体粒子の前記一部領域の全面にわたり接合されていても、一部で接合されていてもよい。
また、本発明の光電変換装置は、上記構成において、前記結晶質半導体粒子の前記表面
は錐体状の凸部または凹部を有する粗面であることを特徴とするものである。
また、本発明の光電変換装置の製造方法は、多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子の表面を粗面化する工程と、下部電極となる基板上に、粗面化された前記表面に一部領域を除いて他方導電型の表面が粗面の半導体部が形成された多数個の前記結晶質半導体粒子の前記一部領域をそれぞれ接合する工程と、隣り合う前記結晶質半導体粒子間に前記基板および前記半導体部の下部を覆い、かつ前記半導体部の上部を露出させる絶縁体を形成する工程と、前記絶縁体および前記半導体部の前記上部を覆う上部電極を形成する工程と、を順次行なうことを特徴とするものである。
また、本発明の光電変換装置の製造方法は、前記結晶質半導体粒子の前記表面を粗面化する工程を、アルカリ水溶液と消泡剤とを混合して加熱した混合溶液を用いたエッチングにより行なうことを特徴とするものである。
本発明の光電変換装置によれば、下部電極となる基板上に、表面が粗面の多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子の一部領域がそれぞれ接合されているとともに、前記結晶質半導体粒子の前記一部領域を除く表面に他方導電型の表面が粗面の半導体部が形成され、隣り合う前記結晶質半導体粒子間に前記基板上および前記半導体部の下部を覆い、かつ前記半導体部の上部を露出させて絶縁体が形成され、前記絶縁体および前記半導体部の前記上部を覆って上部電極が形成されていることから、絶縁体を形成する前にpn接合を形成する構造であるため、研磨工程が不要となる。これにより絶縁体を除去することによる欠陥や、絶縁体が結晶質半導体粒子や半導体部の表面に付着することによる汚染が原因で、pn接合の品質を低下させることがないため高い変換効率を持ち、かつ生産性がよい光電変換装置となる。
特に、半導体部が、結晶質半導体粒子の下半分側の表面において基板との接合部近傍まで形成されているときには、pn接合部の面積が広く、かつ絶縁体を透過した光が基板で反射して、pn接合部に照射されることにより、効率よく光電変換を行なうことができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置となる。
また、結晶質半導体粒子および半導体部の表面が粗面となっていることから、光電変換を行なう半導体粒子に照射された光の内の一部が、粗面を形成する斜面で何度も繰り返し反射されて、光電変換を行なう半導体粒子に取り込まれpn接合部へ効率よく導くことができ、高い変換効率を持つ光電変換装置となる。この繰り返し反射による効果は光電変換を行なう半導体粒子内における繰り返し反射と、2以上の光電変換を行なう半導体粒子間の繰り返し反射との両方の効果を含む。以下、照射された光を粗面を形成する斜面で繰り返し反射させることにより、光電変換を行なう半導体粒子に取り込みpn接合部へ効率よく導く効果を光取り込み効果という。さらに、結晶質半導体粒子および半導体部の表面が粗面となっていることで、絶縁体が光電変換を行なう半導体粒子の凹部に入り込み、あたかも光電変換を行なう半導体粒子に楔を打ち込んだような形状を取ることにより密着性が高くなり、信頼性の高い光電変換装置となる。同様に、結晶質半導体粒子と半導体部との間も密着性が高くなり、信頼性の高い光電変換装置となる。以下、絶縁体が光電変換を行なう半導体粒子の凹部に入り込み、あたかも光電変換を行なう半導体粒子に楔を打ち込んだような形状を取ることにより密着性が高くなる効果をアンカー効果という。さらに、薄膜を作製する方法により半導体部を形成するときには、キャリヤガスが回り込みにくくなるために、半導体部の下部の厚みを一部領域の側で薄くすることができ、上部電極から半導体部を通り下部電極となる基板へと流れるリーク電流の発生を抑えることができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置を作製することができる。
また、結晶質半導体粒子の表面が錐体状の凸部または凹部を有する粗面である場合には、光取り込み効果およびアンカー効果が大きくなるため、変換効率が高く、かつ信頼性の高い光電変換装置となる。特に、不均一な錐体状の凸部または凹部が形成されて粗面化されている場合には、光取り込み効果およびアンカー効果がさらに大きくなるため、より変換効率が高く、かつ信頼性の高い光電変換装置となる。
また、本発明の光電変換装置の製造方法によれば、多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子の表面を粗面化する工程と、下部電極となる基板上に、粗面化された前記表面に一部領域を除いて他方導電型の表面が粗面の半導体部が形成された多数個の前記結晶質半導体粒子の前記一部領域をそれぞれ接合する工程と、隣り合う前記結晶質半導体粒子間に前記基板および前記半導体部の下部を覆い、かつ前記半導体部の上部を露出させる絶縁体を形成する工程と、前記絶縁体および前記半導体部の前記上部を覆う上部電極を形成する工程と、を順次行なうことより、基板と結晶質半導体粒子とを接合してから結晶質半導体粒子を粗面化する場合に比べて、基板と結晶質半導体粒子との接合部および基板に欠陥を生じることなく粗面化することができ、かつ粗面化工程後に結晶質半導体粒子を充分洗浄することができるので粗面化工程に起因するエッチャントの残渣や汚れ等の汚染が原因で、pn接合の品質を低下させることがないため、高い変換効率を持つ光電変換装置を作製することができる。また、結晶質半導体粒子の表面が粗面化されていることにより、基板と結晶質半導体粒子とを接合するときに、結晶質半導体粒子の固定が容易となり、本発明の光電変換装置を簡易に製造することができる。
また、本発明の光電変換装置の製造方法によれば、前記結晶質半導体粒子の前記表面を粗面化する工程をアルカリ水溶液と消泡剤とを混合して加熱した混合溶液を用いたエッチングにより行なうことにより、結晶質半導体粒子表面の全面にわたり錐体状の凸部または凹部が形成されて粗面化されるため、生産性よく本発明の光電変換装置を作製することができる。また、結晶質半導体粒子の表面は様々な面方位を持つため、前記結晶質半導体粒子の前記表面の粗面化をアルカリ水溶液と消泡剤とを混合して加熱した混合溶液中にて行なうと、不均一な形状の錐体状の凸部または凹部が形成される。このため、光取り込み効果およびアンカー効果がより大きくなり、変換効率が高く、かつ信頼性の高い光電変換装置を作製することができる。
以下、図面を参照にしつつ本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は基板、2は絶縁体、3は結晶質半導体粒子、4は半導体部、5は上部電極である。
図1に示すように、本発明の光電変換装置は、下部電極となる基板1上に、表面が粗面の多数個の一方導電型(例えばp型)の結晶質半導体粒子3の一部領域がそれぞれ接合されているとともに、結晶質半導体粒子3の一部領域を除く表面に他方導電型(例えばn型)の半導体部4が形成され、結晶質半導体粒子3の隣り合う間に、基板1および半導体部4の下部を覆い、かつ半導体部4の上部を露出させるように絶縁体2が形成され、絶縁体2および半導体部4の上部を覆って上部電極5が形成されている。ここで、結晶質半導体粒子3の一部領域は、基板1と確実に接合するために要する必要最小限の領域とし、かつ基板1と結晶質半導体粒子3とが結晶質半導体粒子3の一部領域の全面にわたり接合されている。このため、図1に示す光電変換装置においては、半導体部4が、結晶質半導体粒子3の下半分側においても基板1との接合部まで形成されている。
基板1としては、金属,ガラス,セラミックまたは樹脂等が用いられる。好ましくは、銀(Ag),アルミニウム(Al),銅(Cu)等の高反射金属を用いる。なぜなら、反射率の大きい基板1を用いることにより、基板1からの反射光を、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部へ多く導くことができ、これにより変換効率が向上するからである。また、基板1として絶縁体を用いる場合には、基板1の表面に下部電極となる導電層を形成する必要がある。この導電層の存在により基板1からの反射光を、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部へより多く導くために、銀,アルミニウム,銅等の高い反射率を有し、かつ良好な導電率を有する材料により形成することが好ましい。
絶縁体2は、正極と負極の分離を行うための絶縁体材料からなり、例えばSiO,B,Al,CaO,MgO,P,LiO,SnO,ZnO,BaO,TiO等から選択された任意の成分を主成分とする低温焼成用ガラス材料,上記材料の1種以上の任意の組み合わせからなるフィラーを複合したガラス組成物,エポキシ樹脂等の耐熱樹脂材料,無機有機複合材料等を用いればよい。
また、絶縁体2の波長400nm以上1200nm以下での光透過率は70%以上であることが好ましい。なぜなら、光透過率が70%未満の場合には、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部へ導かれる光の量が減少して変換効率が低下してしまうからである。
絶縁体2は、半導体部4を形成した後に、光電変換を行なう半導体粒子間を埋めるように基板1上に形成される。絶縁体2を形成する前にpn接合を形成するため、絶縁体2を除去する研磨工程により生じる欠陥や、絶縁体2が結晶質半導体粒子3の表面に付着することによる汚染が原因でpn接合の品質を低下させることがないため、高い変換効率が実現できる。さらに、絶縁体2を除去する研磨工程が不要となり生産性が良好となる。
結晶質半導体粒子3は、シリコン(Si),ゲルマニウム(Ge)等からなるが、結晶質半導体粒子3に添加してp型を呈するホウ素(B),アルミニウム(Al),アンチモン(Sb)や、n型を呈するリン(P),砒素(As)等を含んでもよい。例えば、結晶質半導体粒子3がp型である場合には、半導体材料に添加してp型を呈するB,Alを1×1014〜1018atoms/cm程度添加したものである。結晶質半導体粒子3は、気相成長法,アトマイズ法,直流プラズマ法,融液落下法等で形成可能であるが、生産性が高いことと、コストが低いことから非接触環境下に融液を落下させる融液落下法が好ましい。
また、結晶質半導体粒子3の表面は粗面となっている。結晶質半導体粒子3の表面が粗面であることにより、結晶質半導体粒子3の表面に薄膜を作製する手法で半導体部4を形成するときには、キャリヤガスが結晶質半導体粒子3の一部領域の側に回り込みにくくなるため、半導体部4の厚さを一部領域の側で薄くすることができる。このため、半導体部4と基板1との間の抵抗が大きくなり、上部電極5から半導体部4を通り下部電極となる基板1へと流れるリーク電流を抑えることができ、変換効率が高くなるため好ましい。また、基板1に結晶質半導体粒子3を接合するときに、表面が鏡面である場合に比べ摩擦力が高くなるため結晶質半導体粒子の固定が容易となり、生産性のよいものとなる。さらに、結晶質半導体粒子3の表面に凹凸形状を形成して粗面化すると、その表面に形成する半導体部4の表面も結晶質半導体3の凹凸形状に沿って、同様の凹凸形状を有するものとなる。このため、光取り込み効果により、変換効率が向上するため好ましい。また、絶縁体2と光電変換を行なう半導体粒子とが、アンカー効果により密着し、信頼性が向上するため好ましい。なお、この粗面化には表面に任意の凸凹形状を作製すればよいが、特に錐体状の凸部または凹部を作製することが好ましい。なぜなら、錐体状の凸部または凹部は、柱状の凸部または凹部に比べ、光取り込み効果およびアンカー効果が大きいためである。さらに、錐体状の不均一な凸部または凹部を形成することにより、光路が増大するため、光取り込み効果が大きくなり、かつ、複雑な形状で絶縁体2と光電変換を行なう半導体粒子とが接合されるためアンカー効果が大きくなり好ましい。ここで、錐体状の形状は、角錐体,円錐体,楕円錐体,もしくはこれら錐体の先端部や稜線部が鈍った形状,またはこれらを組み合わせた形状をいうものとする。
ここで、結晶質半導体粒子3の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上30μm以下であることが好ましい。なぜなら、算術平均粗さ(Ra)が0.1μm未満の場合には、光取り込み効果およびアンカー効果が小さくなるとともに、薄膜を作製する方法で半導体部4を形成する場合にキャリヤガスを結晶質半導体粒子3の一部領域の側に回り込みにくくさせる効果が少ないからである。一方、算術平均粗さ(Ra)が30μmを超える場合には、光取り込み効果およびアンカー効果が小さくなるとともに、結晶質半導体粒子3の凹部深くまで半導体部4を形成できず、被覆不良箇所や結晶質半導体粒子3と半導体部4との間に隙間が発生してしまうからである。
また、結晶質半導体粒子3は、例えば3個以下の少数の結晶粒からなり、好ましくは単結晶または双晶である。なぜなら、結晶質半導体粒子3が多数の結晶粒からなる場合には、結晶質半導体粒子3の表面に錐体状の凸部または凹部を形成するときに、結晶粒界に深い溝が形成されたり、結晶欠陥に起因するピットが多数形成されたりするため、pn接合部を均一に形成できなくなるからである。
半導体部4は、結晶質半導体粒子3と逆の導電型となるように、シリコン,ゲルマニウム等に微量成分を添加したものからなる。例えば結晶質半導体粒子3がp型である場合には、半導体部4はシリコンに添加してn型を呈するリン,砒素等が含まれている。この半導体部4はプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法,触媒CVD法,スパッタリング法等で結晶質半導体粒子3上に薄膜を作製する方法を用いて形成してもよいし、イオン注入法,熱拡散法等で結晶質半導体粒子3の外郭に形成してもよい。半導体部4は、絶縁体2を形成する前に形成されるため、pn接合を絶縁体2の形成による汚染から保護することができる。また、図1に示す光電変換装置によれば、結晶質半導体粒子3の下半分側の表面においても半導体部4が形成されている。このため、絶縁体2を透過した光が基板1で反射して、光電変換を行なう半導体粒子の下半分側のpn接合部に照射されることで、光電変換装置全体に入射される光を効率よく光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部に無駄なく照射することができるため、変換効率を高くすることができる。
また、半導体部4の表面は、結晶質半導体粒子3の表面の粗面形状に沿って、同様の粗面形状を有するものとすることで、光取り込み効果およびアンカー効果が大きくなるため好ましい。
半導体部4の天頂部の厚さは5nm以上100nm以下であることが好ましい。なぜなら、半導体部4の天頂部の厚さが5nm未満であれば、半導体部4が島状に形成され、半導体部4の被覆不良箇所が発生するからであり、半導体部4の天頂部の厚さが100nmを超えると、半導体部4を通って下部電極となる基板1に流れるリーク電流が大きくなり、かつ半導体部4での光吸収が大きくなり、変換効率が低下するからである。なお、天頂部とは、結晶質半導体粒子3の最も高い位置を示す。
半導体部4の膜質は単結晶質,多結晶質,非晶質,微結晶質,ナノ結晶質のうち、いずれの結晶質であってもよい。ここで、微結晶質とは例えば結晶粒径が0.1μm以上50μm未満の結晶粒からなるものいい、ナノ結晶質とは例えば結晶粒径が1nm以上50nm未満の結晶粒からなるものをいう。半導体部4の膜質は単結晶質または多結晶質であれば、半導体部4での光吸収を小さくすることができ、変換効率が向上するので好ましい。
なお、半導体部4の厚さは均一でなくてもよい。特に、半導体部4の下部の厚みを、基板1と接合されている一部領域の側で薄くすると、基板1と半導体部4との間の抵抗が大きくなるので、半導体部4を通り下部電極となる基板1に流れるリーク電流を少なくすることができるため好ましい。ここで、本発明の光電変換装置は結晶質半導体粒子3の表面が粗面となっていることから、薄膜を作製する方法により半導体部4を形成するときには、キャリヤガスが基板1と結晶質半導体粒子3との接合部付近まで回り込みにくくなるため、半導体部4の下部の厚みを一部領域の側で薄くすることができる。また、半導体部4はリーク電流を少なくするために、基板1から分離してもよい。ここで、半導体部4の下部とは、絶縁体2と接する部分をいうものとする。
また、本発明は単一接合型の光電変換装置に限定するものではなく、複数の半導体接合を有する光電変換装置においても適用が可能であり、同様の効果が期待できる。複数の半導体接合を有する光電変換装置として、例えば、p型の結晶質半導体粒子3上にn型微結晶質半導体層を形成し、その上に中間層を介してp型非晶質半導体層,i型非晶質半導体層およびn型非晶質半導体層を順次形成したタンデム型光電変換装置等であってもよい。
上部電極5は、光を吸収しないように波長400nm以上1200nm以下での光透過率が高い材料である酸化錫,酸化インジウム等を用いることが好ましい。ここで光透過率が高い材料とは、例えば、光透過率が70%以上の材料をいう。上部電極5の厚さは50nm以上300nm以下であることが好ましい。なぜなら、上部電極5の厚さが50nm未満である場合には、抵抗が増大し変換効率が低下するため好ましくないからである。一方、上部電極5の厚さが300nmを超える場合には、上部電極5により光を吸収してしまい、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部へ導かれる光の量が減少し、変換効率が低下するため好ましくないからである。上部電極5は、上記材料をスパッタリング法,プラズマCVD法,触媒CVD法等で形成すればよい。このとき、上記材料の厚さおよび屈折率を調整することにより反射防止効果を持たせることも可能である。
更に、その上に銀又は銅ペーストを用いた適切なパターンで補助電極を形成してもよい。
次に、本発明の光電変換装置の製造方法について図1に示す光電変換装置を例にとり、説明する。
まず、多数個の結晶質半導体粒子3の表面に、例えばサンドブラスト法により凹凸形状を形成して表面を粗面化する。また、結晶質半導体粒子3の表面に錐体状の凸部または凹部を形成して粗面化する場合には、その方法として、RIE(Reactive Ion Etching)を用いたドライエッチング法,水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液等を用いた選択ウエットエッチング法等があるが、大掛かりな装置を必要とせずに簡易に錐体状の凸部および凹部を形成できることから、加熱したアルカリ水溶液中で行なうウエットエッチング法(以下、熱アルカリ処理という。)が好ましい。ここで、結晶質半導体粒子3の表面は様々な面方位を持つため、異方性エッチングである熱アルカリ処理を行なうと、それぞれの面方位の組み合わせに応じた、不均一な形状の錐体状の凸部または凹部が形成される。
熱アルカリ処理は、例えば、40℃以上95℃以下に加熱した0.2質量%以上30質量%以下のNaOHなどのアルカリ水溶液中で1分以上100分以下の間、結晶質半導体粒子3を浸漬するものであり、より好ましくは、60℃以上90℃以下に加熱したアルカリ水溶液を用いる。なぜなら、アルカリ水溶液の加熱温度が60℃未満である場合には、結晶質半導体粒子3とアルカリ水溶液との反応速度が遅いため生産性が低下し、アルカリ水溶液の加熱温度が90℃を超える場合には、結晶質半導体粒子3とアルカリ水溶液の反応が急激に進行するため、反応によって発生する気泡が結晶質半導体粒子3をアルカリ水溶液の液面に浮かび上がらせ、アルカリ水溶液に浸漬しない部位ができるため表面全体に反応が進行しないからである。また、アルカリ水溶液の濃度は、0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。なぜなら、アルカリ水溶液濃度が0.5質量%未満である場合には、結晶質半導体粒子3とアルカリ水溶液との反応速度が遅いため、生産性が低下し、アルカリ水溶液濃度が15質量%を超える場合には、結晶質半導体粒子3とアルカリ水溶液との反応が急激に進行するため、反応によって発生する気泡が結晶質半導体粒子3を熱アルカリ水溶液の液面に浮かび上がらせ、アルカリ水溶液に浸漬しない部位ができるため表面全体に反応が進行しないからである。ここで、アルカリはNaOHに限定されるものではなく、水酸化カリウム(KOH)等を用いることも可能である。
また、この熱アルカリ処理を、アルカリ水溶液と消泡剤とを混合して加熱した混合溶液中で行うことが好ましい。消泡剤とは、結晶質半導体粒子3の濡れ性をよくすることにより、結晶質半導体粒子3とアルカリ水溶液とが反応して発生する泡が液面に脱出しやすくする作用を有する材料であり、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコールおよび界面活性剤である。消泡剤の添加量は、0.1質量%以上10質量%以下程度とする。なぜなら、消泡剤の添加量が0.1質量%未満の場合には、アルカリ水溶液と半導体粒子3との反応により発生する泡が液面に脱出しやすくなる作用が小さいため、急激に反応が進んだときには生成される泡と共に結晶質半導体粒子3が熱アルカリ水溶液の液面に浮かび上がり、アルカリ水溶液に浸漬しない部位ができるため表面全体に反応が進みにくくなるからである。一方、消泡剤の添加量が10質量%を超えても、アルカリ水溶液と結晶質半導体粒子3との反応により発生する泡が液面に脱出しやすくなる作用が大きくならないからである。
このように粗面化した結晶質半導体粒子3を、フッ化水素水溶液および純水等で洗浄する。
次に、このようにして表面を粗面化した結晶質半導体粒子3を基板1上に多数個、密に一層に並べ、全体的に加熱し、基板1と結晶質半導体粒子3とを接合する。次に、結晶質半導体粒子3の基板1と接合していない部位の表面に、表面が粗面の半導体部4を形成する。このとき、結晶質半導体粒子3がp型であれば、半導体部4はn型となるように形成し、結晶質半導体粒子3がn型であれば、半導体部4はp型となるように形成する。なお、半導体部4は、結晶質半導体粒子3上に形成するのではなく、結晶質半導体粒子3へドーパントを注入して形成してもかまわない。また、半導体部4を結晶質半導体粒子3へドーパントを熱拡散させて形成してから、基板1と結晶質半導体粒子3とを接合してもよい。半導体部4は、表面が粗面である結晶質半導体粒子3の表面に形成するために、半導体部4の表面も結晶質半導体粒子3の粗面形状に沿った粗面形状を有するものとなる。
次に、隣り合う光電変換を行なう半導体粒子間を埋めるように、基板1上に絶縁体2を形成する。このとき、半導体部4の上部が露出するように絶縁体2の量を調整する。さらに、半導体部4の上部と絶縁体2とを覆うように上部電極5を形成して、図1に示す本発明の光電変換装置を得ることができる。
以上のように、図1に示す本発明の光電変換装置によれば、下部電極となる基板1上に、表面が粗面の多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子3の一部領域が接合されているとともに、結晶質半導体粒子3の一部領域を除く表面に他方導電型の半導体部4が形成され、隣り合う結晶質半導体粒子3間に基板1上および半導体部4の下部を覆い、かつ半導体部4の上部を露出させて絶縁体2が形成され、この絶縁体2および半導体部4の上部を覆って上部電極5が形成されていることにより、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部を保護することができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。また、研磨工程が不要となるため、生産性のよい光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、結晶質半導体粒子3の下半分の表面においても半導体部4が形成されていることにより、光電変換を行なうpn接合部の面積を広くとることができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、基板1に反射率の高い材料を用いることで、基板1からの反射光を光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部へ多く導くことができることより、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、絶縁体2を光透過率の高い材料で形成することで、光電変換を行なう半導体粒子の下半分のpn接合部へも光を効率よく導くことできるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、結晶質半導体粒子3に単結晶または双晶のものを用いることにより、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、結晶質半導体粒子3および半導体部4の表面が粗面であるため、光取り込み効果およびアンカー効果が高まり、変換効率が高く、かつ信頼性の高い光電変換装置となる。さらに、結晶質半導体粒子3の表面が錐体状の凸部または凹部を有する粗面であるときには、光取り込み効果およびアンカー効果がより高まり、変換効率が高く、かつ信頼性の高い光電変換装置となる。
また、図1の構成において、結晶質半導体粒子3の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上30μm以下であることにより、アンカー効果により光電変換を行なう半導体粒子と絶縁体2との密着性が向上するため、信頼性の高い光電変換装置とすることができる。また、結晶質半導体3の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上30μm以下であることにより、光取り込み効果が高くなるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。さらに、結晶質半導体3の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上30μm以下であることにより、薄膜を作製する方法で半導体部4を形成するときには、簡易に半導体部4の下部の厚みを一部領域の側で薄く作製することができるため、半導体部4から下部電極となる基板1へのリーク電流を抑えることができ、高い変換効率を持つ光電変換装置となる。
また、図1の構成において、半導体部4の天頂部の厚さを5nm以上100nm以下で形成することより、結晶質半導体粒子3に隙間なくpn接合を形成でき、かつ下部電極となる基板1へ半導体部4を通り発生するリーク電流を少なくすることができるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。また、半導体部4を単結晶質および多結晶質で形成することで、光吸収を少なくすることができ、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部に効率よく光を導くことできるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、図1の構成において、上部電極5を光透過率の高い材料で形成し、上部電極5の厚さを300nm以下で形成することで、光電変換を行なう半導体粒子のpn接合部に効率よく光を導くことできるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。また、上部電極5の厚さを50nm以上とすることで抵抗が少なくなるため、高い変換効率を持つ光電変換装置とすることができる。
また、本発明の光電変換装置の製造方法によれば、結晶質半導体粒子3の表面を粗面化した後に、結晶質半導体粒子3を基板1上に接合することで、基板1と結晶質半導体粒子3とを接合してから結晶質半導体粒子3を粗面化する場合に比べて、基板1と結晶質半導体粒子3との接合部および基板1に欠陥を生じることなく粗面化することができ、かつ粗面化工程後に結晶質半導体粒子3を充分洗浄することができるので粗面化工程に起因するエッチャントの残渣や汚れ等の汚染が原因で、pn接合の品質を低下させることがないため、高い変換効率を持つ光電変換装置を作製することができる。また、結晶質半導体粒子3の表面が粗面化されていることにより、基板1上に転がらずに保持することができ、基板1と結晶質半導体粒子3とを接合するときに結晶質半導体粒子3の固定が容易となり、本発明の光電変換装置を簡易に製造することができる。また、粗面化を、0.1質量%以上10質量%以下の消泡剤と0.5質量%以上15質量%以下のアルカリ水溶液とを混合して、60℃以上90℃以下に加熱した混合溶液中にて行なうため、大掛かりな装置を必要とせずに、結晶質半導体粒子3の表面全体にわたり錐体状の凸部または凹部を形成することができる。さらに、結晶質半導体粒子3を熱アルカリ処理することにより、不均一な錐体状の凸部または凹部が形成されるため、光取り込み効果およびアンカー効果が高まり、変換効率が高く、かつ信頼性の高い光電変換装置となる。
なお、本発明の光電変換装置は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更・改良を加えることが可能である。
例えば、上記実施の形態の例の結晶質半導体粒子3は、円柱状でもよい。
次に、本発明の光電変換装置を具体化した例を図1に示した光電変換装置により説明する。
まず、平均粒径550μmの球状結晶であるp型シリコンからなる結晶質半導体粒子3を、2質量%のKOH,3質量%のIPA,残部を純水からなる混合溶液を75℃に加熱した中に浸漬させ、表面に錐体状の凸部または凹部を形成して粗面化させた。ここで、混合溶液に浸漬する時間を変化させて、錐体状の凸部または凹部の大きさを表1に示すように算術平均粗さ(Ra)を0.05μm未満から100μmまでの範囲に変化させて形成した。なお、算術平均粗さ(Ra)はレーザ顕微鏡により、錐体状の凸部または凹部の大きさを測定して求めた。
次に、アルミニウムからなる基板1上に、表面に錐体状の凸部または凹部を形成した結晶質半導体粒子3の多数個を密に1層に配設し、アルミニウムとシリコンの共晶温度である577℃以上に加熱して基板1と粒状結晶シリコン3を溶着させた。
次に、n型微結晶質半導体層である半導体部4を結晶質半導体粒子3の基板1との接合部以外の結晶質半導体粒子3の表面全面にわたり、プラズマCVD法により基板温度250℃で天頂部における厚みを40nmとして形成した。半導体部4の厚みは、天頂部において最も厚く、下部に近づくに従い徐々に薄くなるように作製した。
次に、エポキシ樹脂からなる絶縁体2を半導体部4の上部が露出するように光電変換を行なう半導体粒子間に充填した後に硬化させた後、錫添加の酸化インジウム(ITO)ターゲットを用いたDCスパッタリング装置に投入して、半導体部4の上部と絶縁体2との上にITOからなる上部電極層5を100nmの厚みに形成した。
結晶質半導体粒子3の表面の算術平均粗さ(Ra)を変化させ変換効率を電気特性評価により評価した結果を表1に示す。また、初期の変換効率と温度を80℃,相対湿度を90%とした環境下に2000時間暴露する条件で信頼性試験を行った後の変換効率を評価した結果についても表1に示す。
Figure 2005159167
表1に示す通り、初期における変換効率は、結晶質半導体粒子3の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.05μm未満の場合には8.6%と低く、結晶質半導体粒子3の表面の算術平均粗さ(Ra)が5μmまでは大きくなるにつれて上昇し、結晶質半導体粒子3の表面の算術平均粗さ(Ra)が5μmを超えると下がる傾向にあった。これは、結晶質半導体粒子3の表面の算術平均粗さ(Ra)が小さすぎる場合には、光取り込み効果が小さかったことに加え、半導体部4を一部領域の側で薄くして形成することができなかったことにより、上部電極5から半導体部4を通り下部電極となる基板1に流れるリーク電流が発生したためであると推察される。一方、結晶質半導体粒子3の表面の算術平均粗さ(Ra)が大きくなりすぎる場合には、光取り込み効果が少なくなり、かつ結晶質半導体粒子3の凹部深くまで半導体部4を形成できず、被覆不良箇所や結晶質半導体粒子3と半導体部4との間に隙間が発生したからであると推察される。
また、初期における変換効率と信頼性試験後の変換効率とを比較すると、結晶質半導体粒子3の表面の算術平均粗さ(Ra)が1μm以上30μm以下の場合には大きく低下しないのに対し、結晶質半導体粒子の算術平均粗さ(Ra)が0.09μm以下の場合と31μm以上の場合には著しく低下していることが分かった。これは、結晶質半導体粒子の算術平均粗さ(Ra)が小さすぎる場合や大きくなりすぎる場合には、アンカー効果による絶縁体との密着性が改善されなかったためであると推察される。
上記結果から分かるように、結晶質半導体粒子3の表面に算術表面粗さ(Ra)が0.1μm以上30μm以下となるように錐体状の凹凸形状を形成して粗面化することで、高い信頼性と高い変換効率が実現できた。
本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 従来の光電変換装置の一例を示す断面図である。 従来の光電変換装置の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・・基板
2・・・・絶縁体
3・・・・結晶質半導体粒子
4・・・・半導体部
5・・・・上部電極

Claims (4)

  1. 下部電極となる基板上に、表面が粗面の多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子の一部領域がそれぞれ接合されているとともに、前記結晶質半導体粒子の前記一部領域を除く表面に他方導電型の表面が粗面の半導体部が形成され、隣り合う前記結晶質半導体粒子間に前記基板上および前記半導体部の下部を覆い、かつ前記半導体部の上部を露出させて絶縁体が形成され、前記絶縁体および前記半導体部の前記上部を覆って上部電極が形成されていることを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記結晶質半導体粒子の前記表面は錐体状の凸部または凹部を有する粗面であることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  3. 多数個の一方導電型の結晶質半導体粒子の表面を粗面化する工程と、下部電極となる基板上に、粗面化された前記表面に一部領域を除いて他方導電型の表面が粗面の半導体部が形成された多数個の前記結晶質半導体粒子の前記一部領域をそれぞれ接合する工程と、隣り合う前記結晶質半導体粒子間に前記基板および前記半導体部の下部を覆い、かつ前記半導体部の上部を露出させる絶縁体を形成する工程と、前記絶縁体および前記半導体部の前記上部を覆う上部電極を形成する工程と、を順次行なうことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  4. 前記結晶質半導体粒子の前記表面を粗面化する工程は、アルカリ水溶液と消泡剤とを混合して加熱した混合溶液を用いたエッチングにより行なうことを特徴とする請求項3記載の光電変換装置の製造方法。
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